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特開2023-135443情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135443
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20230921BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040665
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】田口 拓明
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山口 修司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】複数の広告を組み合わせた組合せ広告の組合せ効果を検証するための方法論を提案すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価部を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、前記組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも前記組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価部
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、
前記組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値と、前記組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値との比較結果に基づいて、前記組合せ効果が認められるかどうかを評価する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、
前記組合せ効果が認められる場合、前記組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値から、前記組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値の合算値を差し引いた値を、前記組合せ効果を示すスコアとして算出し、
前記組合せ効果が認められる前記組合せ広告の各々について前記スコアの算出を行い、
前記組合せ効果が認められる前記組合せ広告を構成する各広告に対応付けて前記スコアを累積した累積スコアに基づいて、他の広告と組み合わせた場合に、前記ユーザにより選択される可能性を向上させる広告であるアシスト広告を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、
前記組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、前記組合せ広告に対応する前記スコアとの対応関係を学習した学習済みモデルを用いて、前記組合せ効果を示す前記スコアを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、前記組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも前記組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価工程
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、前記組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも前記組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価手順
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。たとえば、従来の広告配信では、ウェブページの所定の位置に設けられている広告枠に対して、企業や商品などを宣伝するための静止画像や、動画像や、テキストなどの広告コンテンツが表示される。そして、従来の広告配信では、かかる広告コンテンツがクリックされた場合、広告対象を紹介する広告主のウェブページやコンテンツなどのランディングページへ遷移させる。
【0003】
また、従来の広告配信では、広告効果を高めることを目的として、ユーザの嗜好や、性別や、年齢や、住所や、職業などのユーザ情報に対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信が行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-136332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の広告を組み合わせた組合せ広告を提供する場合、従来の広告配信とは広告の形態が異なるので、組合せ広告の広告効果を検証するための新たな方法論が求められる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の広告を組み合わせた組合せ広告の組合せ効果を検証するための方法論を提案できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価部を有する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の態様の1つによれば、複数の広告を組み合わせた組合せ広告の組合せ効果を検証するための方法論を提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る組合せ広告の提供方法の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る組合せ評価スコアの算出方法の変形例の概要(その1)を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る組合せ評価スコアの算出方法の変形例の概要(その2)を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る組合せ効果の評価方法の概要を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る組合せ効果評価モデルの生成方法の概要を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る組合せ広告の課金額の決定方法の概要を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る広告情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る入札情報の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る組合せ評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る興味関心度評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る組合せ効果評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る組合せ広告の提供手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る組合せ効果の評価手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態に係る課金額の決定手順の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
[1.情報処理の概要]
(1-1.組合せ広告の提供方法)
図1を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る組合せ広告の提供方法の概要を示す図である。なお、図1では、サービス利用者であるユーザからの要求に応じて所定のサービスに関するウェブページを提供する際、ウェブページの所定の位置に設けられている広告枠に対して広告コンテンツを表示する場合の情報処理の一例について説明する。なお、実施形態に係る情報処理は、広告媒体がウェブページである場合に限られず、広告媒体が電子メールである場合にも同様に適用できる。
【0012】
図1に示す例において、情報処理システムSYSは、ユーザ端末10と、情報処理装置100とを有する。ユーザ端末10と、情報処理装置100とは、有線または無線によりネットワークN(たとえば、図7参照)に接続される。ユーザ端末10と、情報処理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。なお、図1に示す例には特に限定される必要はなく、情報処理システムSYSは、図1に示す場合よりも多くのユーザ端末10や、情報処理装置100を含んでいてもよい。
【0013】
図1に示すユーザ端末10は、情報処理装置100から提供される各種サービスの利用者であるユーザUによって使用される情報処理端末である。ユーザ端末10の典型例としては、スマートフォンが該当するが、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現されてもよい。図1の例では、ユーザ端末10として、スマートフォンが示されている。なお、以下の説明では、ユーザ端末10をユーザUと言い換えて表記する場合がある。つまり、ユーザUをユーザ端末10と読み替えることができる。また、以下の説明において、情報処理装置100から提供される各種サービスの利用者を単に「ユーザ」と称する場合がある。
【0014】
また、ユーザ端末10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。ユーザUは、通信ユニットを有するユーザ端末10を操作して情報処理装置100にアクセスし、各種サービスの情報を閲覧する。
【0015】
また、ユーザ端末10は、情報処理装置100により提供される各種サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、ユーザ端末10は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
図1に示す情報処理装置100は、ユーザUに対して各種サービスを提供する情報処理装置である。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。情報処理装置100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0017】
なお、情報処理装置100は、各種サービスの利用者が使用するユーザ端末10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0018】
また、情報処理装置100が提供する各種サービスには、各種アプリケーションに対応するAPI(Application Programming Interface)サービスや、各種オンラインサービスが含まれていてもよい。各種オンラインサービスには、Q&Aサービスや、インターネット接続や、検索サービスや、SNS(Social Networking Service)や、電子商取引サービスや、電子決済サービスや、オンラインゲームや、オンラインバンキングサービスや、オンライントレーディングサービスや、宿泊予約サービスや、チケット予約サービスや、動画配信サービスや、音楽配信サービスや、ニュース配信サービスや、地図情報サービスや、ルート検索サービスや、経路案内サービスや、路線情報サービスや、運行情報サービスや、天気情報サービスなどのサービスが含まれ得る。
【0019】
また、情報処理装置100は、広告コンテンツを配信する装置としても機能する。情報処理装置100は、広告主から入稿された広告コンテンツを管理するとともに、広告主により設定された広告の入札に関する情報を管理する。たとえば、情報処理装置100は、ユーザからの要求に応じて提供する各種サービスのウェブページに設けられている広告枠に対して、広告主から入稿された広告コンテンツを表示する。
【0020】
ところで、ウェブページに設けられている広告枠には、1つの広告コンテンツが表示される。このため、配信対象として選択されにくく、ユーザへの影響力が弱い広告は、広告接触の機会を多くしたとしても、広告に対してユーザが興味を持つことなく、ランディングページへのアクセスなどの所定の成果に至らない場合が多い。このような事情に鑑み、実施形態に係る情報処理装置100は、広告により所定の成果を得られる可能性を高めることを目的として、複数の広告を組み合わせた組合せ広告を広告枠に表示する。以下、実施形態に係る情報処理について、この情報処理が実施される際に想定される流れに沿って具体的に説明する。
【0021】
たとえば、ユーザ端末10は、ユーザUの操作に従って、所定のサービスへのアクセス要求を情報処理装置100に送信する(ステップS1)。
【0022】
情報処理装置100は、ユーザ端末10から所定のサービスへのアクセス要求を受信すると、広告主から入稿された複数の広告の中から、組合せ候補となる複数の広告を選択する(ステップS2)。たとえば、情報処理装置100は、広告配信先(ターゲット)となるユーザUが興味関心を有する度合いを示す興味関心度スコアが所定値以上であるカテゴリに対応した複数の広告を組合せ候補として選択する。たとえば、情報処理装置100は、興味関心度評価モデルを用いて、興味関心度スコアを取得できる。興味関心度評価モデルは、ターゲットとなり得る各ユーザが興味関心を有する対象を区分するために予め規定された所定のカテゴリごとに予め生成される。たとえば、興味関心度評価モデルは、ユーザに関する情報(たとえば、検索履歴(検索クエリ))を入力して、ユーザに対応する興味関心度スコアを出力するように機械学習により学習処理される。
【0023】
また、情報処理装置100は、複数の組合せ評価モデルの中から、ターゲットとなるユーザUの属性に合致した組合せ評価モデルを選択する(ステップS3)。図1では、ユーザUの属性に合致した組合せ評価モデルとして、「モデルMA」が選択される例が示されている。
【0024】
組合せ評価モデルは、各広告の広告効果を示す所定の指標値と各広告の組合せによる組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値との対応関係を学習した学習済みモデルである。広告効果を示す所定の指標値には、CPA(Cost Per Acquisition)や、CPC(Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの任意の指標を採用できる。
【0025】
たとえば、情報処理装置100は、配信先のユーザの属性ごとに組合せ広告の提供結果を収集し、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値と、組合せ広告の広告効果を示す各指標値とを対応付けた学習用データサンプルを準備する。そして、情報処理装置100は、学習用データサンプルを用いて、たとえば、配信対象となる各広告の広告効果を示す所定の指標値を入力して、各広告の組合せによる組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値の情報を出力する組合せ評価モデルを学習する。
【0026】
組合せ評価モデルの学習処理において、情報処理装置100は、ニューラルネットワークなどの任意の機械学習モデルを学習用モデルとして、組合せ評価モデルを学習できる。また、ニューラルネットワークを学習用モデルとする場合、情報処理装置100は、ニューラルネットワークを構成する各層のノード間でスコア(値)が伝搬される際に考慮される重み(接続係数)の値を調整する学習処理を行う。たとえば、情報処理装置100は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)などの任意の手法を用いて、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるように、パラメータ(接続係数)を補正する処理を行うことにより組合せ評価モデルを学習する。なお、情報処理装置100は、バックプロパゲーションの手法を用いる場合、所定の損失(ロス)関数を最小化するように学習処理を実行することで、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正できる。
【0027】
また、情報処理装置100は、ユーザ属性ごとの組合せ広告の提供結果に基づく学習用データサンプルを用いることにより、ユーザ属性ごとに組合せ評価モデルを学習できる。ユーザ属性(ユーザコンテキスト)は、たとえば、ユーザUの年齢や性別などのデモグラフィック属性や、ユーザUの興味趣向などのサイコグラフィック属性などの属性を示す。
【0028】
学習済みモデルの取得後、情報処理装置100は、ステップS2で選択された複数の広告の組合せごとに、組合せによる組合せ広告がユーザUに選択される可能性を示す組合せ評価スコアを取得する(ステップS4)。たとえば、情報処理装置100は、ステップS2で選択された複数の広告の組合せを、ステップS3で取得された学習済みモデル(モデルMA)に入力することにより、学習済みモデルから出力される組合せ評価スコアを取得する。
【0029】
組合せ評価スコアの取得後、情報処理装置100は、取得した組合せ評価スコアが最大となる組合せによる組合せ広告を生成する(ステップS5)。たとえば、情報処理装置100は、ユーザUからアクセス要求があった所定のサービスに対応するウェブページに設けられている1つの広告枠に対して、組合せ評価スコアが最大となる組合せを構成する各広告を任意に配置した組合せ広告を生成する。図1では、1つの広告枠内に、広告Aと、広告Bと、広告Cとが配置された組合せ広告AD_aが示されている。なお、組合せ広告を構成する各広告は、完全に分離されていなくてもよく、少なくとも一部が重複していてもよい。
【0030】
組合せ広告の生成後、情報処理装置100は、組合せ広告を含むウェブページをユーザ端末10に送信して、ユーザUに提供する(ステップS6)。
【0031】
このようにして、情報処理装置100は、複数の広告を組み合わせた組合せ広告をユーザに提供することにより、広告の組合せによる新たな影響力を持った広告を創造でき、広告により所定の成果を得られる可能性を高めることができる。
【0032】
また、情報処理装置100は、組合せ候補となる複数の広告を選択する際、広告配信先となるユーザ(たとえば、ユーザU)が興味関心を有するカテゴリに対応する複数の広告の中から、広告効果を示す指標値が所定値未満である広告を選択してもよい。これにより、広告配信先(ターゲット)となるユーザが興味関心を有するが、配信されにくい広告を含む組合せ広告をユーザに提供でき、組合せ広告の影響力の幅を広げることができる。
【0033】
また、情報処理装置100は、組合せ広告に対応する入札を広告主から受け付けた際の入札金額に応じて、組合せ広告を構成する各広告に個別に割り当てられる表示領域の大きさ、位置、及び表示色のうちのいずれか1つを決定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、入札金額の大きさに比例して、表示領域の大きさを変更してもよい。また、たとえば、情報処理装置100は、広告の入札金額が一定額未満である場合、広告をモノクロ表示し、広告の入札金額が一定額以上である場合、広告をカラー表示してもよい。また、たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告のうち、他の広告よりも入札金額が高く、かつ、一定額を超える広告を広告枠においてクリックの実績が最も高い位置(たとえば、向かって左上)に表示してもよい。
【0034】
また、情報処理装置100は、各広告に対応するカテゴリの類似度を加味して、組合せ広告における各広告の表示位置を決定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、カテゴリが類似する広告が隣り合うように、各広告の表示位置を決定してもよい。
【0035】
このように、情報処理装置100は、組合せ広告の表示態様に変化を持たせることができる。
【0036】
また、情報処理装置100は、組合せ広告が選択操作(たとえば、クリックやタップなど)された場合、組合せ広告を構成する各広告に対応するカテゴリの興味関心度スコアに基づく確率で表示抽選を行い、当選した広告に対応するウェブページを提供してもよい。たとえば、情報処理装置100は、ユーザUにより組合せ広告AD_aがクリックされた場合、組合せ広告AD_aを構成する広告A、広告B、及び、広告Cの表示抽選を行う。そして、情報処理装置100は、広告Aが表示抽選に当選した場合、広告Aに予め紐付けられるランディングページやコンテンツなどをユーザUに提供する。
【0037】
また、情報処理装置100は、表示抽選に当選した広告のウェブページを提供する際、表示抽選に落選した他の広告を表示抽選に当選したウェブページに設けられている広告枠に表示する。なお、情報処理装置100は、クリック率の変化に応じて、組合せ広告における各広告の表示領域の大きさを動的に変更してもよい。
【0038】
このように、情報処理装置100は、組合せ広告の提供態様に変化を持たせることができる。
【0039】
また、上述の例では、情報処理装置100が、組合せ広告を生成することを前提とする情報処理の一例について説明してきたが、所定の条件を満たす場合、組合せ広告を生成する処理を実行してもよい。たとえば、情報処理装置100は、広告枠に表示する単体の広告を決定した後、単体のまま表示するよりも、他の広告を組み合わせて表示する方が高い組合せ効果を期待できる組合せ候補があるか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、他の広告を組み合わせて表示する方が高い組合せ効果を期待できる組合せ候補があることを条件に、組合せ広告を生成する。
【0040】
(1-2.組合せ評価スコアの算出方法の変形例)
また、情報処理装置100は、複数の広告の組合せごとに、各広告を組み合わせたときの表示態様と、各広告の広告効果を示す所定の指標値とに基づいて、組合せを構成する各広告がユーザにより選択される可能性を示す組合せ評価スコアを算出してもよい。図2は、実施形態に係る組合せ評価スコアの算出方法の変形例の概要(その1)を示す図である。なお、図2では、3つの広告を組み合わせる例を示しているが、組み合わせる広告の数は任意の数であってよい。
【0041】
情報処理装置100は、組合せ広告AD_aを構成する広告A、広告B、及び、広告Dの広告枠に対する表示態様を決定する。組合せ広告AD_aを構成する各広告の表示態様には、広告枠の領域内で組合せ広告を構成する各広告に個別に割り当てられる表示領域の大きさ(表示面積)が含まれる。図2では、広告Aの表示領域A-1の大きさが面積「A」であり、広告Bの表示領域A-2の大きさが「面積B」であり、広告Dの表示領域A-3の大きさが「面積D」である様子が示されている。
【0042】
また、情報処理装置100は、広告枠の領域内で組合せ広告を構成する各広告に個別に割り当てられる表示領域の大きさと、各広告の広告効果を示す指標値とに基づいて、組合せ評価スコアを算出する。たとえば、情報処理装置100は、各広告の表示領域の大きさを示す面積と、各広告の広告効果を示す指標値とを掛け合わせて、各広告の乗算結果を合算することにより、組合せ評価スコアを算出する。具体的には、情報処理装置100は、広告Aの「面積A」と広告Aに対応する「指標値PA」とを掛け合わせて、広告Aに対応するスコアSC_Aを算出する。また、情報処理装置100は、広告Bの「面積B」と広告Bに対応する「指標値PB」とを掛け合わせて、広告Bに対応するスコアSC_Bを算出する。また、情報処理装置100は、広告Dの「面積D」と広告Dに対応する「指標値PD」とを掛け合わせて、広告Dに対応するスコアSC_Dを算出する。そして、情報処理装置100は、広告Aに対応するスコアSC_Aと、広告Bに対応するスコアSC_Bと、広告Cに対応するスコアSC_Dとを合算することにより、組合せ広告AD_aに対応する組合せ評価スコアSC_(A+B+D)を算出する。
【0043】
また、情報処理装置100は、組合せ評価スコアを算出する際に、表示領域の位置に対応付けて予め規定される重みを反映してもよい。図3は、実施形態に係る組合せ評価スコアの算出方法の変形例の概要(その2)を示す図である。
【0044】
たとえば、組合せ広告AD_aを構成する各広告の表示態様には、広告枠に対して各広告を表示する際の表示位置が含まれてもよい。そして、各広告の表示位置には、予め規定された重みが対応付けられていてもよい。図3では、広告枠の表示領域のうち、図3に向かって一番左側に設けられている表示領域A-1に対して重み:「1.3」が対応付けられており、図3に向かって中央に設けられている表示領域A-2に対して重み:「1.2」が対応付けられており、図3に向かって一番右側に設けられている表示領域A-3に対して重み:「1.1」が対応付けられている様子が示されている。表示位置は、広告枠内の領域において各広告を表示するための広告のレイアウトパターンとして予め規定されていてもよい。この場合、広告枠内に予め規定されている表示領域(たとえば、図3に示す表示領域A-1~A-3など)の位置が表示位置に対応する。なお、広告枠における広告のレイアウトパターンは予め複数用意されていてもよい。
【0045】
そして、情報処理装置100は、組合せ評価スコアを算出する際に、表示領域の位置に対応付けて予め規定される重みを反映してもよい。具体的には、情報処理装置100は、広告Aの「面積A」と広告Aに対応する「指標値PA」と表示領域A-1に対応付けられている重み「1.3」とを掛け合わせて、広告Aに対応するスコアSC_Aを算出する。また、情報処理装置100は、広告Bの「面積B」と広告Bに対応する「指標値PB」と表示領域A-2に対応付けられている重み「1.2」とを掛け合わせて、広告Bに対応するスコアSC_Bを算出する。また、情報処理装置100は、広告Dの「面積D」と広告Dに対応する「指標値PD」と表示領域A-3に対応付けられている重み「1.1」とを掛け合わせて、広告Dに対応するスコアSC_Dを算出する。そして、情報処理装置100は、広告Aに対応するスコアSC_Aと、広告Bに対応するスコアSC_Bと、広告Dに対応するスコアSC_Dとを合算することにより、組合せ広告AD_aに対応する組合せ評価スコアSC_(A+B+D)を算出する。
【0046】
このようにして、情報処理装置100は、組合せを構成する各広告がユーザにより選択される可能性を示すスコアを、組合せ広告の表示態様に応じて取得できる。
【0047】
(1-3.組合せ効果の評価方法について)
また、情報処理装置100は、組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価してもよい。たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値と、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値との比較結果に基づいて、組合せ効果が認められるかどうかを評価する。
【0048】
以下、図4を用いて、情報処理装置100が実行する組合せ効果の評価方法について説明する。図4は、実施形態に係る組合せ効果の評価方法の概要を示す図である。図4では、組合せ広告と、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す指標値がクリック率である場合を示している。また、図4では、組合せ効果の評価について説明するための広告として、広告Aと、広告Bと、広告Cと、広告Dと、組合せ広告A+B+Cと、組合せ広告A+B+Dとを例示している。
【0049】
まず、情報処理装置100は、組合せ広告A+B+Cを構成する広告Aと広告Bと広告Cのそれぞれのクリック率を取得し、取得したクリック率を合算することにより、組合せ広告A+B+Cの推定クリック率を算出する。図4では、組合せ広告A+B+Cの推定クリック率が「7%」である例が示されている。次に、情報処理装置100は、組合せ広告A+B+Cの提供結果を参照して、組合せ広告A+B+Cについての実際のクリック率を取得する。図4では、組合せ広告A+B+Cの実際のクリック率が「10%」である例が示されている。また、情報処理装置100は、実際のクリック率と推定クリック率とを比較して、実際のクリック率が推定クリック率を上回っている場合、組合せ効果が認められると判断する。そして、情報処理装置100は、実際のクリック率と推定クリック率との差分3%に対応する値である「3」を、組合せ広告A+B+Cを構成する広告A、広告B、及び広告Cに対応付けて、組合せ効果を示すアシストスコアとして登録する。
【0050】
同様に、情報処理装置100は、組合せ広告A+B+Dを構成する広告Aと広告Bと広告Dのそれぞれのクリック率を取得し、取得したクリック率を合算することにより、組合せ広告A+B+Dの推定クリック率を算出する。図4では、組合せ広告A+B+Dの推定クリック率が「9%」である例が示されている。次に、情報処理装置100は、組合せ広告A+B+Dの提供結果を参照して、組合せ広告A+B+Dについての実際のクリック率を取得する。図4では、組合せ広告A+B+Dの実際のクリック率が「11%」である例が示されている。また、情報処理装置100は、実際のクリック率と推定クリック率とを比較して、実際のクリック率が推定クリック率を上回っている場合、組合せ効果が認められると判断する。そして、情報処理装置100は、実際のクリック率と推定クリック率との差分2%に対応する値である「2」を、組合せ広告A+B+Dを構成する広告A、広告B、及び広告Dに対応付けて、組合せ効果を示すアシストスコアとして登録する。なお、アシストスコアは、組合せ広告の組合せ効果を示すスコアであるともいえる。
【0051】
また、情報処理装置100は、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させる広告であるアシスト広告を特定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告に組合せ効果が認められる場合、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値(たとえば、実際のクリック率)から、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値の合算値(たとえば、推定クリック率)を差し引いた値を、組合せ効果を示すアシストスコアとして算出する。情報処理装置100は、組合せ効果が認められる組合せ広告の各々についてアシストスコアの算出を行う。そして、評価部135は、組合せ効果が認められる組合せ広告の各々について算出した各アシストスコアを、組合せ広告を構成する各広告に対応付けて累積した累積スコアに基づいて、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させるアシスト広告を特定する。たとえば、アシストスコアが他の広告よりも高い広告は、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させるアシスト広告である可能性が高いと判断できる。図4によれば、組合せ広告A+B+C、及び、組合せ広告A+B+Dの組合せ効果の評価により、広告Aおよび広告Bのアシストスコアが他の広告に比べて高くなっている。つまり、上述した組合せ効果の評価を通じて、他の広告と組み合わせた場合、他の広告が選択される可能性を向上させるアシスト広告を推定することが可能となる。
【0052】
このようにして、情報処理装置100は、組合せ広告の推定クリック率と、実際のクリック率との差分から、複数の広告を組み合わせたことによる組合せ効果を評価でき、複数の広告を組み合わせて構成される組合せ広告の広告効果を検証するための1つの方法論を提案できる。なお、情報処理装置100は、上述のアシストスコアの大きさに応じて、対応する広告の表示面積を変更したり、メインとなる広告の近くに配置したりしてもよい。
【0053】
また、情報処理装置100は、他の広告と組み合わせた場合に、たとえば、クリック率が低下するなど、組合せ効果が認められない広告を特定してもよい。このとき、情報処理装置100は、組合せ効果が認められていない広告については、他の広告と組み合わせる組合せ対象から予め除外してもよいし、可能な範囲で他の広告から離れた場所に小さく表示したりしてもよい。また、情報処理装置100は、ユーザにより選択される可能性と、広告主に対する課金額との間の関係性に基づいて、組合せ対象となる広告を選択してもよい。たとえば、情報処理装置100は、組合せ候補として、広告Xと広告Yが存在する場合、広告Xの方が広告Yに比べてアシストスコアが高いが課金額が低いという関係性にある場合、ユーザにより選択される可能性を優先するならば広告Xを選択し、課金額を優先するならば広告Yを選択するという方法で組合せ対象となる広告を選択してもよい。
【0054】
また、情報処理装置100は、アシストスコア(推定クリック率)を算出する際、広告の出現頻度に応じた補正係数を掛け合わせて、アシストスコアを調整してもよい。これにより、出現頻度によりアシストスコアが高くなってしまうという不都合を解消できる。
【0055】
また、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、組合せ広告に対応するアシストスコアとの対応関係を学習した学習済みモデルである組合せ効果評価モデルを用いて、組合せ効果を示すスコアを取得してもよい。図5は、実施形態に係る組合せ効果評価モデルの生成方法の概要を示す図である。
【0056】
たとえば、図5に示すように、情報処理装置100は、組合せ広告を含む広告の提供結果が記憶されている広告情報を参照して、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、組合せ広告の組合せ効果を示すアシストスコアとを対応付けた学習用データサンプルを準備する。なお、広告に関する情報は、広告に対応付けられている広告対象を示すカテゴリの情報や、広告の広告主に関する情報など、任意の情報を採用できる。そして、情報処理装置100は、学習用データサンプルを用いて、たとえば、ニューラルネットワークなどの任意の機械学習モデルを学習用モデルMB-1として、各広告に関する情報を入力した場合に、各広告の組合せにより構成される組合せ広告の組合せ効果を示す情報を出力する組合せ効果評価モデルMB-2を学習する。情報処理装置100は、組合せ広告を構成する組合せ候補となる各広告に関する情報を組合せ効果評価モデルMB-2に入力し、各広告の組合せにより構成される組合せ広告の組合せ効果を示すアシストスコアを組合せ効果評価モデルMB-2から取得できる。
【0057】
(1-4.組合せ広告の課金額の決定方法について)
また、情報処理装置100は、複数の広告を組み合わせて生成した組合せ広告を提供する際、組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率に基づいて、配信対象となる組合せ広告に紐付く広告主に対する課金額を決定してもよい。図6は、実施形態に係る組合せ広告の課金額の決定方法の概要を示す図である。
【0058】
図6に示すように、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、各広告に対するユーザの興味の比率との対応関係を学習した学習済みモデルである心象推定モデルMCを用いて、配信対象となる組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率を導出する。
【0059】
たとえば、情報処理装置100は、クラウドソーシングなどを利用して、組合せ広告を構成する各広告の広告対象のうち、どの広告対象についての広告であるという心象を抱いたかを示す心象情報を取得する。また、情報処理装置100は、組合せ広告に関する情報と、組合せ広告に対応する心象情報とを対応付けた学習用データサンプルを準備する。そして、情報処理装置100は、学習用データサンプルを用いて、たとえば、ニューラルネットワークなどの任意の機械学習モデルを学習用モデルとして、組合せ広告に関する情報を入力して、組合せ広告に対応する心象情報を出力する心象推定モデルMCを学習する。
【0060】
そして、情報処理装置100は、心象推定モデルMCを用いて、配信対象となる組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率を導出する。たとえば、情報処理装置100は、配信対象となる組合せ広告A+B+Cに関する情報を心象推定モデルMCに入力することにより心象推定モデルMCから得られる出力を、ユーザの興味の比率として取り扱う。図6によれば、組合せ広告A+B+Cに関する情報を心象推定モデルMCに入力することにより、広告Aであるという心象を抱くと推定される割合:「0.7」であり、広告Bであるという心象を抱くと推定される割合:「0.2」であり、広告Cであるという心象を抱くと推定される割合:「0.1」であるという出力が心象推定モデルMCから得られる例が示されている。
【0061】
また、情報処理装置100は、配信対象となる組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率に基づいて、組合せ広告に紐付く広告主に対する課金額を決定する。たとえば、図6に示す例を用いて説明すると、情報処理装置100は、広告Aの広告主Aに対する課金額を、広告Aに対する設定課金額Aと、広告Bに対する設定課金額Bと、広告Cに対する設定課金額Cとを合計し、その合計金額である設定課金額A+B+Cに対して、広告Aに対するユーザの興味の比率である「0.7」を乗算した金額に決定する。同様に、情報処理装置100は、広告Bの広告主Bに対する課金額を、設定課金額A+B+Cに対して、広告Bに対するユーザの興味の比率である「0.2」を乗算した金額に決定する。同様に、広告Cの広告主Cに対する課金額を、設定課金額A+B+Cに対して、広告Cに対するユーザの興味の比率である「0.1」を乗算した金額に決定する。
【0062】
このようにして、情報処理装置100は、組合せ広告についてユーザの心象に基づく課金を実現でき、組合せ広告に対する課金方法の一手法を提案できる。
【0063】
また、情報処理装置100は、上述のアシストスコアに基づいて、広告主に対する課金額を調整してもよい。たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告のうち、アシストスコアが最も大きい広告の広告主に対して課金しないようにしてもよい。あるいは、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告のうち、アシストスコアが最も小さい広告の広告主のみに対して、設定課金額を課金するようにしてもよい。このようにして、情報処理装置100は、組合せ広告について組合せ効果を考慮した課金を実現でき、組合せ広告に対する課金方法の一手法を提案できる。
【0064】
[2.情報処理装置の構成]
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図7に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0065】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10との間で情報の送受信を行う。
【0066】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスクや、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部120は、広告情報記憶部121と、入札情報記憶部122と、組合せ評価モデル記憶部123と、興味関心度評価モデル記憶部124と、組合せ効果評価モデル記憶部125とを有する。
【0067】
(広告情報記憶部121)
広告情報記憶部121は、広告に関する広告情報を記憶する。図8は、実施形態に係る広告情報の一例を示す図である。
【0068】
なお、図8は、実施形態に係る広告情報の一例を示しており、図8に示す以外の情報を含んでいてもよい。また、図8では、広告情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0069】
図8に示すように、広告情報記憶部121に記憶される広告情報は、「広告ID」の項目や、「広告主ID」の項目や、「広告詳細情報」の項目や、「カテゴリ情報」の項目や、「関連キーワード情報」の項目などといった複数の項目を有する。広告情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0070】
「広告ID」の項目には、広告を識別するための識別情報(広告ID)が記憶される。なお、組合せ広告である場合も、「広告ID」の項目には、組合せ広告に対して付与された1つの広告IDが記憶されていてもよい。また、組合せ広告である場合、「広告ID」の項目には、組合せ広告を構成する各広告に付与された広告IDがさらに記憶されていてもよい。
【0071】
「広告主ID」の項目には、広告を入稿した広告主を識別するための識別情報(広告主ID)が記憶される。なお、組合せ広告である場合、「広告主ID」の項目には、組合せ広告を構成する各広告の広告主IDが記憶されていてもよい。
【0072】
「広告詳細情報」の項目には、広告の内容に関する詳細情報が記憶される。たとえば、詳細情報としては、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、表示された広告に設定されるリンク先のURL(Uniformed Resource Locator)などが想定される。
【0073】
「カテゴリ情報」の項目には、広告対象を示すカテゴリを示す情報が記憶される。カテゴリは、同一または類似の商品や、同一または類似のサービスを所定の粒度で取りまとめる区分を示す。
【0074】
「関連キーワード情報」の項目には、広告に関連する関連キーワードを示す情報が記憶される。たとえば、関連キーワードは、自動車に関する広告であれば、「新車」や「販売」など、検索クエリとして共起されやすいワードが語句される。
【0075】
図8によれば、広告ID:「広告#01」で識別される広告情報の広告主は、「広告主#01」で識別される。また、図8によれば、広告ID:「広告#01」で識別される広告情報に相互に対応付けられている情報として、「広告詳細情報EX01」や、「カテゴリ情報EX01」や、「関連キーワード情報EX01」などが示されている。
【0076】
(入札情報記憶部122)
入札情報記憶部122は、広告を表示する条件に関する入札情報を記憶する。図9は、実施形態に係る入札情報の一例を示す図である。
【0077】
なお、図9は、実施形態に係る入札情報の一例を示しており、図9に示す以外の情報を含んでいてもよい。たとえば、入札情報記憶部122は、広告主を識別するための識別情報(広告主ID)を記憶してもよい。また、入札情報記憶部122は、CPA(Cost Per Acquisition)や、CPC(Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの広告効果を示す所定の指標値を記憶してもよい。
【0078】
また、図9では、入札情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、各項目に対応する数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0079】
図9に示すように、入札情報記憶部122に記憶される入札情報は、「入札ID」の項目や、「広告ID」の項目や、「入札価格」の項目や、「表示回数」の項目や、「クリック数」の項目などといった複数の項目を有する。入札情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0080】
「入札ID」の項目には、入札を識別するための識別情報(入札ID)が記憶される。なお、実施形態では、複数の広告を組み合わせて表示する1つの広告枠に対する入札が行われる。「広告ID」の項目には、入札対象である広告を識別するための識別情報(広告ID)が記憶される。入札情報が有する「広告ID」の項目に記憶される識別情報(広告ID)は、図8に示す広告情報が有する「広告ID」の項目に記憶される識別情報(広告ID)と同一の情報であってよい。
【0081】
「入札価格」の項目には、広告(たとえば、バナー広告)がワンクリックされるごとに広告主に課金される金額の基準となる入札金額を示す情報が記憶される。「表示回数」の項目には、広告が表示された回数(インプレッション数)を示す情報が記憶される。「クリック数」の項目には、広告がクリックされた回数を示す情報が記憶される。
【0082】
図9によれば、入札ID:「入札#01」で識別される入札により、広告ID:「広告#01」、「広告#11」、及び「広告#21」で識別される各広告により広告枠が落札されたことが示されている。また、図9によれば、広告ID:「広告#01」、「広告#11」、及び「広告#21」で識別される各広告の入札価格が「入札価格EX01」、「入札価格EX11」、及び「入札価格EX21」であり、表示回数が「表示回数EX01」、「表示回数EX11」、及び「表示回数EX21」であり、クリック数が「クリック数EX01」、「クリック数EX11」、及び「クリック数EX21」であることなどが示されている。
【0083】
(組合せ評価モデル記憶部123)
組合せ評価モデル記憶部123は、配信対象となる各広告の広告効果を示す所定の指標値を入力して、各広告の組合せによる組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値の情報を出力する組合せ評価モデルに関する情報を記憶する。図10は、実施形態に係る組合せ評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
【0084】
なお、図10では、実施形態に係る組合せ評価モデルに関する情報の一例を示しており、図10に示す以外の情報を含んでいてもよい。また、図10では、組合せ評価モデルに関する情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、各項目に対応する数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0085】
図10に示すように、組合せ評価モデル記憶部123に記憶される組合せ評価モデルに関する情報は、「モデルID」の項目や、「対応属性」の項目や、「モデル情報」の項目といった複数の項目を有する。組合せ評価モデルに関する情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0086】
「モデルID」の項目には、モデルを識別するための識別情報(モデルID)が記憶される。
【0087】
「対応属性」の項目には、組合せ評価モデルに対応付けられている属性を示す情報が記憶される。
【0088】
「モデル情報」の項目には、組合せ評価モデルに関する情報が記憶される。たとえば、「モデル情報」の項目には、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報など、そのモデルを構成する種々の情報が記憶される。すなわち、モデルを構成する種々の情報には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0089】
(興味関心度評価モデル記憶部124)
興味関心度評価モデル記憶部124は、ユーザに関する情報を入力して、ユーザに対応する興味関心度スコアを出力するように機械学習により学習処理された興味関心度評価モデルに関する情報を記憶する。図11は、実施形態に係る興味関心度評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
【0090】
なお、図11では、実施形態に係る興味関心度評価モデルに関する情報の一例を示しており、図11に示す以外の情報を含んでいてもよい。また、図11では、興味関心度評価モデルに関する情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、各項目に対応する数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0091】
図11に示すように、興味関心度評価モデル記憶部124に記憶される興味関心度評価モデルに関する情報は、「モデルID」の項目や、「モデル情報」の項目や、「カテゴリ」の項目といった複数の項目を有する。興味関心度評価モデルに関する情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0092】
「モデルID」の項目には、モデルを識別するための識別情報(モデルID)が記憶される。
【0093】
「モデル情報」の項目には、興味関心度評価モデルに関する情報が記憶される。たとえば、「モデル情報」の項目には、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報など、そのモデルを構成する種々の情報が記憶される。すなわち、モデルを構成する種々の情報には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0094】
「カテゴリ」の項目には、興味関心度評価モデルに対応するカテゴリを示す情報が記憶される。カテゴリを示す情報は、ターゲットとなり得る各ユーザが興味関心を有する対象を区分するために予め規定された情報である。対象は、商品やサービスを示す情報の他、趣味やライフスタイルなどの多岐にわたる。
【0095】
(組合せ効果評価モデル記憶部125)
組合せ効果評価モデル記憶部125は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、組合せ広告に対応するアシストスコアとの対応関係を学習した学習済みモデルである組合せ効果評価モデルに関する情報を記憶する。図12は、実施形態に係る組合せ効果評価モデルに関する情報の一例を示す図である。
【0096】
図12に示すように、組合せ効果評価モデル記憶部125に記憶される組合せ効果評価モデルに関する情報は、「モデルID」の項目や、「モデル情報」の項目といった複数の項目を有する。組合せ効果評価モデルに関する情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0097】
「モデルID」の項目には、モデルを識別するための識別情報(モデルID)が記憶される。
【0098】
「モデル情報」の項目には、組合せ効果評価モデルに関する情報が記憶される。たとえば、「モデル情報」の項目には、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報など、そのモデルを構成する種々の情報が記憶される。すなわち、モデルを構成する種々の情報には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0099】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0100】
図7に示すように、制御部130は、選択部131と、生成部132と、提供部133と、導出部134と、評価部135と、決定部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0101】
(選択部131)
選択部131は、ユーザが興味関心を有するカテゴリに対応する複数の広告の中から組合せ候補となる複数の広告を選択する。たとえば、選択部131は、広告配信先(ターゲット)となるユーザUが興味関心を有する度合いを示す興味関心度スコアが所定値以上であるカテゴリに対応した複数の広告を組合せ候補として選択する。たとえば、選択部131は、興味関心度評価モデルを用いて、興味関心度スコアを取得できる。興味関心度評価モデルは、ターゲットとなり得る各ユーザが興味関心を有する対象を区分するために予め規定された所定のカテゴリごとに予め生成される。興味関心度評価モデルは、ユーザに関する情報(たとえば、検索履歴(検索クエリ))を入力して、ユーザに対応する興味関心度スコアを出力するように機械学習により学習処理される。
【0102】
また、選択部131は、広告配信先(ターゲット)となるユーザUが興味関心を有するカテゴリに対応する複数の広告の中から、広告効果を示す指標値が所定値未満である広告を少なくとも1つ選択してもよい。
【0103】
(生成部132)
生成部132は、選択部131により選択された複数の広告を組み合わせた組合せ広告を生成する。たとえば、生成部132は、組合せ評価モデルを用いて、選択部131により選択された複数の広告の組合せごとに、組合せによる組合せ広告がユーザに選択される可能性を示す組合せ評価スコアを取得し、取得した組合せ評価スコアが最大となる組合せによる組合せ広告を生成する。
【0104】
また、生成部132は、組合せ広告を生成する際、複数の広告を組み合わせる際の表示領域の大きさや表示位置などの表示レイアウトを任意に決定できる。たとえば、生成部132は、組合せ広告に対応する入札を広告主から受け付けた際の入札金額に応じて、組合せ広告を構成する各広告に個別に割り当てられる表示領域の大きさを決定してもよい。また、生成部132は、組合せ広告を構成する各広告に対応するカテゴリの類似度を加味して、組合せ広告における前記各広告の表示位置を決定してもよい。また、生成部132は、予め準備された広告枠のレイアウトパターンを選択し、選択したレイアウトパターンに複数の広告を配置することにより、組合せ広告を生成してもよい。
【0105】
また、生成部132は、選択部131により選択された複数の広告の組合せごとに、各広告を組み合わせたときの表示態様と、各広告の広告効果を示す所定の指標値とに基づいて、組合せを構成する各広告がユーザにより選択される可能性を示す組合せ評価スコアを算出し、算出された組合せ評価スコアが最大となる組合せによる組合せ広告を生成してもよい。この場合、生成部132は、組合せ広告を表示する広告枠の領域内で組合せ広告を構成する各広告に個別に割り当てられる表示領域の大きさと、各広告の広告効果を示す所定の指標値とに基づいて、組合せ評価スコアを算出する。また、生成部132は、組合せ評価スコアを算出する際に、表示領域の位置に対応付けて予め規定される重みを反映してもよい。
【0106】
(提供部133)
提供部133は、生成部132により生成された組合せ広告をユーザに提供する。たとえば、提供部133は、通信部110を通じて、組合せ広告を含むウェブページをユーザ端末10に送信することにより、ユーザUに提供する。
【0107】
また、提供部133は、組合せ広告が選択操作された場合、組合せ広告を構成する各広告に対応するカテゴリの興味関心度スコアに基づく確率で各広告の表示抽選を行い、当選した広告に対応するウェブページを提供してもよい。また、提供部133は、表示抽選に当選したウェブページを提供する際、表示抽選に落選した他の広告をウェブページに設けられている広告枠に表示してもよい。
【0108】
(導出部134)
導出部134は、複数の広告を組み合わせて生成した組合せ広告を提供する際、組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率を導出する。たとえば、導出部134は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、各広告に対するユーザの興味の比率との対応関係を学習した学習済みモデルを用いて、配信対象となる組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率を導出する。
【0109】
(評価部135)
評価部135は、組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも組合せ広告として提供された方がユーザにより閲覧される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する。
【0110】
たとえば、評価部135は、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値と、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値との比較結果に基づいて、前記組合せ広告に組合せ効果が認められるかどうかを評価する。具体的には、評価部135は、組合せ広告の実際のクリック率が、組合せ広告の推定クリック率を上回っている場合、組合せ効果があったと判断する。
【0111】
また、評価部135は、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させる広告であるアシスト広告を特定してもよい。たとえば、評価部135は、組合せ効果が認められる場合、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値から、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値の合算値を差し引いた値を、組合せ効果を示すアシストスコアとして算出する。評価部135は、組合せ効果が認められる組合せ広告の各々についてアシストスコアの算出を行う。そして、評価部135は、組合せ効果が認められる組合せ広告の各々について算出した各アシストスコアを、組合せ広告を構成する各広告に対応付けて累積した累積スコアに基づいて、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させるアシスト広告を特定する。たとえば、アシストスコアが他の広告よりも高い広告は、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させるアシスト広告である可能性が高いと判断できる。
【0112】
また、評価部135は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、組合せ広告に対応する組合せ効果を示すアシストスコアとの対応関係を学習した組合せ効果評価モデルを用いて、組合せ効果を示すスコアを取得してもよい。
【0113】
(決定部136)
決定部135は、導出部134により導出された比率に基づいて、配信対象となる組合せ広告に紐付く広告主に対する課金額を決定する。また、決定部135は、組合せ広告に対応する組合せ効果を示すスコアに基づいて、課金額を調整してもよい。
【0114】
[3.処理手順]
(3-1.組合せ広告の提供手順)
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理手順の一例について説明する。以下、図13を用いて、実施形態に係る組合せ広告の提供手順の一例について説明する。図13は、実施形態に係る組合せ広告の提供手順の一例を示すフローチャートである。図13に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図13に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0115】
図13に示すように、選択部131は、ユーザが興味関心を有するカテゴリに対応する複数の広告の中から組合せ候補となる複数の広告を選択する(ステップS101)。
【0116】
また、生成部132は、選択部131により選択された複数の広告の組合せごとに、組合せによる組合せ広告がユーザに選択される可能性を示す組合せ評価スコアを取得する(ステップS102)。
【0117】
また、生成部132は、取得した組合せ評価スコアが最大となる組合せによる組合せ広告を生成する(ステップS103)。
【0118】
また、提供部133は、生成部132により生成された組合せ広告をユーザに提供して(ステップS104)、図13に示す処理手順を終了する。
【0119】
(3-2.組合せ効果の評価手順)
以下、図14を用いて、実施形態に係る組合せ効果の評価手順の一例について説明する。図14は、実施形態に係る組合せ効果の評価手順の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図14に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0120】
図14に示すように、評価部135は、組合せ広告を含む各広告の提供結果を取得する(ステップS201)。
【0121】
また、評価部135は、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値と、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値とを比較する(ステップS202)。
【0122】
そして、評価部135は、ステップS202の比較結果に基づいて、組合せ広告に組合せ効果が認められるかどうかを評価し(ステップS203)、図14に示す処理手順を終了する。
【0123】
(3-3.課金額の決定手順)
以下、図15を用いて、実施形態に係る課金額の決定手順の一例について説明する。図15は、実施形態に係る課金額の決定手順の一例を示すフローチャートである。図15に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図15に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0124】
図15に示すように、導出部134は、組合せ広告を構成する各広告に対するユーザの興味の比率を導出する(ステップS301)。
【0125】
続いて、決定部136は、導出された比率に基づいて、配信対象となる組合せ広告に紐付く広告主に対する課金額を決定し(ステップS302)、図15に示す処理手順を終了する。
【0126】
[4.変形例]
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0127】
(4-1.ユーザコンテキストに特化した広告選択)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、組合せ広告を生成する際、特定のユーザに特化した広告を選択してもよい。たとえば、情報処理装置100は、ユーザコンテキストに基づいて、配信対象となる広告ごとに、広告を選択する可能性のあるユーザの一覧を示すユーザリストを作成する。次に、情報処理装置100は、ユーザリストを相互に比較して、ユーザリスト間のユーザの重複率をそれぞれ求める。そして、情報処理装置100は、ユーザの重複率が高い複数の広告を、組合せ広告の組合せ候補として選択する。たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告を生成する際、3つの広告を選択する場合、重複率の上位1位~3位までの広告を選択できる。これにより、ユーザリストのユーザコンテキストに特化した組合せ広告を生成できる。
【0128】
なお、情報処理装置100は、特定のユーザに特化するのではなく、全てのユーザに普遍的な一般化された組合せ広告を生成する場合には、ユーザの重複率が低い複数の広告を、組合せ広告の組合せ候補として選択してもよい。たとえば、情報処理装置100は、組合せ広告を生成する際、3つの広告を選択する場合、重複率の下位1位~3位までの広告を選択できる。これにより、ユーザリストのユーザコンテキストに特化していない一般化された組合せ広告を生成できる。
【0129】
(4-2.ユーザレスポンスに基づく組合せ排除)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、組合せ広告の配信先であるユーザに対するアンケート調査を実施し、組合せ広告における各広告の組合せに対する評価が低い組合せを排除して、組合せ広告を生成してもよい。
【0130】
(4-3.広告対象の組合せに対応するアシストスコアの導出)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す指標値を、広告が宣伝する商品やサービスなどの指標値とみなし、上記の実施形態で説明した方法により、広告対象の組合せごとにアシストスコアを導出してもよい。
【0131】
[5.ハードウェア構成]
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、たとえば、図16に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図16は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0132】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0133】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0134】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0135】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0136】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0137】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0138】
たとえば、コンピュータ1000が上記の実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、上記の実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0139】
[6.その他]
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0140】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0141】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0142】
[7.効果]
実施形態に係る情報処理装置100は、複数の広告を組み合わせて生成された組合せ広告を含む各広告の提供結果に基づいて、前記組合せ広告を構成する各広告が単体で提供されるよりも前記組合せ広告として提供された方がユーザにより選択される可能性が向上する組合せ効果が認められるかどうかを評価する評価部135を有する。
【0143】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、評価部135は、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値と、組合せ広告を含まれる各広告の広告効果を示す所定の指標値との比較結果に基づいて、組合せ効果が認められるかどうかを評価する。
【0144】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、評価部135は、組合せ効果が認められる場合、組合せ広告の広告効果を示す所定の指標値から、組合せ広告を構成する各広告の広告効果を示す所定の指標値の合算値を差し引いた値を、組合せ効果を示すスコアとして算出する。また、評価部135は、組合せ効果が認められる組合せ広告の各々についてスコアの算出を行う。また、評価部135は、組合せ効果が認められる組合せ広告を構成する各広告に対応付けてスコアを累積した累積スコアに基づいて、他の広告と組み合わせた場合に、ユーザにより選択される可能性を向上させる広告であるアシスト広告を特定する。
【0145】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、評価部135は、組合せ広告を構成する各広告に関する情報と、組合せ広告に対応するスコアとの対応関係を学習した学習済みモデルを用いて、組合せ効果を示すスコアを取得する。
【0146】
上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、実施形態に係る情報処理装置100は、複数の広告を組み合わせた組合せ広告の組合せ効果を検証するための1つの方法論を提案できる。
【0147】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0148】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0149】
10 ユーザ端末
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 広告情報記憶部
122 入札情報記憶部
123 組合せ評価モデル記憶部
124 興味関心度評価モデル記憶部
125 組合せ効果評価モデル記憶部
130 制御部
131 選択部
132 生成部
133 提供部
134 導出部
135 評価部
136 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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