(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135455
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G01N 30/86 20060101AFI20230921BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230921BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20230921BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20230921BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
G01N30/86 V
H04W84/12
H04W88/04
H04W84/18
G01N30/86 G
H04Q9/00 301Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040686
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】秋山 昌範
(72)【発明者】
【氏名】大下 哲夫
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048BA21
5K048BA35
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048FB05
5K048FB10
5K048GB05
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K048HA23
5K067AA21
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】複数のガスクロマトグラフの管理の利便性を向上できるガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法を提供する。
【解決手段】ガスクロマトグラフ10は、データを処理する制御部12と、データを管理装置30に出力する通信部14とを備える。通信部14は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能して無線通信アクセスポイントに接続する管理装置30にネットワークを経由してデータ又はガスクロマトグラフ10に関する情報の少なくとも一方を出力し、他のガスクロマトグラフで処理されたデータ又は前記他のガスクロマトグラフに関する情報の少なくとも一方を前記無線通信アクセスポイント及び前記ネットワークを経由して前記他のガスクロマトグラフから前記管理装置に出力させるために、前記他のガスクロマトグラフを子機器として前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを処理する制御部と、前記データを管理装置に出力する通信部とを備えるガスクロマトグラフであって、
前記通信部は、
所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能して、前記無線通信アクセスポイントに接続する前記管理装置に前記ネットワークを経由して前記データ又は前記ガスクロマトグラフに関する情報の少なくとも一方を出力し、
他のガスクロマトグラフで処理されたデータ又は前記他のガスクロマトグラフに関する情報の少なくとも一方を前記無線通信アクセスポイント及び前記ネットワークを経由して前記他のガスクロマトグラフから前記管理装置に出力させるために、前記他のガスクロマトグラフを子機器として前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する、ガスクロマトグラフ。
【請求項2】
前記通信部は、前記ガスクロマトグラフに設定する情報、又は、前記ガスクロマトグラフのメンテナンスの情報の少なくとも一方を、前記ネットワークを経由して前記管理装置から取得する、請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項3】
前記通信部は、前記子機器に設定する情報、又は、前記子機器のメンテナンスの情報の少なくとも一方を、前記無線通信アクセスポイント及び前記ネットワークを経由して前記管理装置から前記子機器に取得させる、請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項4】
所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する親機器としてのガスクロマトグラフ、及び、前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する子機器としてのガスクロマトグラフと前記ネットワークを経由して通信する通信部と、
前記親機器及び前記子機器から前記通信部で受信したデータを取得する制御部と
を備える、管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記親機器若しくは前記子機器に設定する情報、又は、前記親機器若しくは前記子機器のメンテナンスの情報を生成し、生成した情報を前記通信部によって前記ネットワークを経由して前記親機器又は前記子機器に出力する、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のガスクロマトグラフと、請求項4又は5に記載の管理装置とを備える管理システム。
【請求項7】
所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する親機器としてのガスクロマトグラフ、及び、前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する子機器としてのガスクロマトグラフと前記ネットワークを経由して通信するステップと、
前記親機器及び前記子機器から前記通信するステップで受信したデータを取得するステップと
を含む、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熟練者でなくても分析装置の状態を把握するために必要なパラメータの値を簡便に取得する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のガスクロマトグラフの管理の利便性の向上が求められる。
【0005】
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性を向上できるガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係るガスクロマトグラフは、データを処理する制御部と、前記データを管理装置に出力する通信部とを備える。前記通信部は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能して、前記無線通信アクセスポイントに接続する前記管理装置に前記ネットワークを経由して前記データ又は前記ガスクロマトグラフに関する情報の少なくとも一方を出力する。前記通信部は、他のガスクロマトグラフで処理されたデータ又は前記他のガスクロマトグラフに関する情報の少なくとも一方を前記無線通信アクセスポイント及び前記ネットワークを経由して前記他のガスクロマトグラフから前記管理装置に出力させるために、前記他のガスクロマトグラフを子機器として前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフと並行して通信できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0007】
一実施形態に係るガスクロマトグラフにおいて、前記通信部は、前記ガスクロマトグラフに設定する情報、又は、前記ガスクロマトグラフのメンテナンスの情報の少なくとも一方を、前記ネットワークを経由して前記管理装置から取得してよい。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずにガスクロマトグラフのメンテナンスとデータの取得とを並行して実行できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0008】
一実施形態に係るガスクロマトグラフにおいて、前記通信部は、前記子機器に設定する情報、又は、前記子機器のメンテナンスの情報の少なくとも一方を、前記無線通信アクセスポイント及び前記ネットワークを経由して前記管理装置から前記子機器に取得させてよい。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずにガスクロマトグラフのメンテナンスとデータの取得とを並行して実行できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0009】
幾つかの実施形態に係る管理装置は、通信部と制御部とを備える。前記通信部は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する親機器としてのガスクロマトグラフ、及び、前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する子機器としてのガスクロマトグラフと前記ネットワークを経由して通信する。前記制御部は、前記親機器及び前記子機器から前記通信部で受信したデータを取得する。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフと並行して通信できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0010】
一実施形態に係る管理装置において、前記制御部は、前記親機器若しくは前記子機器に設定する情報、又は、前記親機器若しくは前記子機器のメンテナンスの情報を生成し、生成した情報を前記通信部によって前記ネットワークを経由して前記親機器又は前記子機器に出力してよい。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずにガスクロマトグラフのメンテナンスとデータの取得とを並行して実行できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0011】
幾つかの実施形態に係る管理システムは、前記ガスクロマトグラフと、前記管理装置とを備える。このようにすることで、管理システムは、ネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフと並行して通信できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0012】
幾つかの実施形態に係る管理方法は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する親機器としてのガスクロマトグラフ、及び、前記無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する子機器としてのガスクロマトグラフと前記ネットワークを経由して通信するステップを含む。前記管理方法は、前記親機器及び前記子機器から前記通信するステップで受信したデータを取得するステップを含む。このようにすることで、管理装置がネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフと並行して通信できる。その結果、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係るガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法によれば、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】比較例に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】管理装置が複数のネットワークに接続可能な構成例を示すブロック図である。
【
図4】ガスクロマトグラフの管理画面の一例を示す図である。
【
図5】ガスクロマトグラフの測定データの一例を示す図である。
【
図6】測定データに基づく分析結果の一例を示す表である。
【
図7】ガスクロマトグラフのアラーム履歴の一例を示す表である。
【
図8】管理装置のメニュー画面の一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係る管理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(比較例)
図1に示されるように、比較例に係る管理システム9は、管理装置96と、ガスクロマトグラフ90とを備える。ガスクロマトグラフ90は、機器制御部92と、機器通信部94とを備える。ガスクロマトグラフ90は、プラントの状態を表す各種のパラメータを測定する測定装置であるとする。機器制御部92は、測定対象から得られる信号を処理して測定データを生成する。機器通信部94は、測定データを管理装置96に出力する。管理装置96は、ガスクロマトグラフ90から測定データを取得する。また、管理装置96は、ガスクロマトグラフ90からアラームの発生等の情報を取得する。また、管理装置96は、ガスクロマトグラフ90で設定するパラメータの情報を送信したり、ガスクロマトグラフ90のファームウェアの更新データを送信したりする。
【0016】
管理システム9が複数のガスクロマトグラフ90を備える場合、管理装置96は、各ガスクロマトグラフ90と通信する。各ガスクロマトグラフ90は、プラントの各部に設置されている。比較例に係る管理システム9において、管理装置96は、各ガスクロマトグラフ90と無線で通信する。また、ガスクロマトグラフ90同士が有線で接続されることは難しいとする。管理装置96が各ガスクロマトグラフ90と無線で通信する場合、1台のガスクロマトグラフ90の機器通信部94を特定する識別子とセキュリティキーとを用いてそのガスクロマトグラフ90と接続して通信を開始し、そのガスクロマトグラフ90から測定データ等を取得したりガスクロマトグラフ90にパラメータの情報等を出力したりする。
【0017】
各ガスクロマトグラフ90の機器通信部94は、異なる識別子で特定され、接続するための異なるセキュリティキーを必要とする。管理装置96は、通信するガスクロマトグラフ90を切り替えるために、そのガスクロマトグラフ90に接続し直す必要がある。そのため、管理装置96は、1台のガスクロマトグラフ90と通信している間、他のガスクロマトグラフ90と通信できない。
【0018】
1台のガスクロマトグラフ90から取得する測定データのサイズが大きい場合、測定データを取得するためにかかる時間が長くなる。また、1台のガスクロマトグラフ90においてパラメータを設定したりファームウェアを更新したりする場合、設定データ又は更新データを出力するためにかかる時間が長くなる。これらの場合、管理装置96が他のガスクロマトグラフ90と通信できない時間が長くなる。比較例に係る管理システム9において、ガスクロマトグラフ90と1台ずつしか通信できないことによって、複数のガスクロマトグラフ90を管理する場合の利便性が低下する。
【0019】
そこで、本開示は、複数のガスクロマトグラフの管理の利便性を向上できるガスクロマトグラフ、管理装置、管理システム、及び管理方法について説明する。
【0020】
(実施形態)
図2に示されるように、本開示の一実施形態に係る管理システム1は、第1ガスクロマトグラフ10と、第2ガスクロマトグラフ20と、サーバ30と、データサーバ40とを備える。第1ガスクロマトグラフ10及び第2ガスクロマトグラフ20は、区別する必要がない場合、単にガスクロマトグラフとも総称される。サーバ30は、管理装置とも称される。第1ガスクロマトグラフ10と第2ガスクロマトグラフ20とサーバ30とは、後述するように無線で通信するように構成される。第1ガスクロマトグラフ10と第2ガスクロマトグラフ20とサーバ30とをそれぞれ結ぶ破線は、無線通信できるように接続されていることを表す。具体的には、サーバ30と第1ガスクロマトグラフ10とが破線で結ばれて、第1ガスクロマトグラフ10と(複数の)第2ガスクロマトグラフ20とが破線で結ばれている。第1ガスクロマトグラフ10とデータサーバ40とは、後述するように有線で通信するように構成される。第1ガスクロマトグラフ10とデータサーバ40とを結ぶ実線は、有線通信できるように接続されていることを表す。
【0021】
サーバ30は、ガスクロマトグラフに対して、ガスクロマトグラフで設定するパラメータの情報、又は、ガスクロマトグラフを動作させるために必要なファームウェア等のプログラムの更新データ等を含むメンテナンスの情報を出力する。サーバ30は、ガスクロマトグラフに対して、測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を出力するように要求する情報を出力する。ガスクロマトグラフは、サーバ30からの要求に応じて、サーバ30に対して測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を出力する。サーバ30は、ガスクロマトグラフから、測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を取得する。ガスクロマトグラフに関する情報は、ガスクロマトグラフで発生しているアラーム、又は、ガスクロマトグラフの動作状況等を含む。
【0022】
サーバ30は、ガスクロマトグラフから取得した情報をデータサーバ40に格納する。サーバ30は、データサーバ40に格納したガスクロマトグラフに関する情報に基づいて、後述するようにガスクロマトグラフを管理する。測定データは、プラントを管理するために用いられる。プラントは、サーバ30によって管理されてもよいし、他の装置によって管理されてもよい。
【0023】
以下、管理システム1の各構成部の具体例が説明される。
【0024】
<ガスクロマトグラフ>
第1ガスクロマトグラフ10は、機器制御部12と、機器通信部14とを備える。第2ガスクロマトグラフ20は、機器制御部22と、機器通信部24とを備える。機器制御部12及び22は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。機器通信部14及び24は、無線LAN(Local Area Network)の通信モジュールを含んで構成される。
【0025】
第1ガスクロマトグラフ10と第2ガスクロマトグラフ20とは、無線LANの同一のネットワーク内に接続される。同一のネットワークは、1つの識別子で特定されるネットワークを意味する。無線LAN接続においてネットワークを特定するための識別子として、例えばSSID(Service Set IDentifier)が用いられる。第1ガスクロマトグラフ10と第2ガスクロマトグラフ20とは、所定識別子で特定される同一ネットワーク内で接続されてもよい。
【0026】
第1ガスクロマトグラフ10と第2ガスクロマトグラフ20とは、それぞれの通信部の機能の違いで区別される。第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、無線LANのネットワークにアクセスポイントモードで接続する。つまり、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、無線通信アクセスポイントとして機能する。第2ガスクロマトグラフ20の機器通信部24は、無線LANのネットワークにブリッジモードで接続する。第1ガスクロマトグラフ10は、無線LANの無線通信アクセスポイントとして機能する、親機器とも称される。第2ガスクロマトグラフ20は、無線LANの無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する、子機器とも称される。
【0027】
同一ネットワークにおいて、親機器として機能する第1ガスクロマトグラフ10の数は、1台に限られる。子機器として機能する第2ガスクロマトグラフ20の数は、1台に限られず2台以上であってよい。子機器の数の上限は、親機器の通信モジュールの仕様によって定まる。同一ネットワークに接続される各ガスクロマトグラフは、通信する際にIP(Internet Protocol)アドレスによって識別されるとする。各ガスクロマトグラフは、他の手段で識別されてもよい。
【0028】
<サーバ30(管理装置)>
サーバ30は、サーバ制御部32と、記憶部34と、サーバ通信部36とを備える。
【0029】
サーバ制御部32は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成されてよい。サーバ制御部32は、所定のプログラムを実行することによって、管理システム1の種々の機能を実現してよい。
【0030】
記憶部34は、サーバ30の動作に用いられる各種情報、又は、サーバ30の機能を実現するためのプログラム等を格納してよい。記憶部34は、サーバ30のワークメモリとして機能してよい。記憶部34は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてよいし、半導体メモリ又は磁気メモリ等のメモリを含んで構成されてもよい。記憶部34は、サーバ30と別体で構成されてもよい。
【0031】
サーバ通信部36は、無線LANの通信モジュールを含んで構成される。サーバ通信部36は、無線通信アクセスポイントとして機能する第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14に接続する。つまり、サーバ通信部36は、所定識別子で特定されるネットワークに接続する。サーバ通信部36は、所定識別子で特定されるネットワークに接続することによって、同一ネットワークに接続されているガスクロマトグラフと通信できる。したがって、サーバ通信部36は、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14と通信できるだけでなくブリッジ接続している第2ガスクロマトグラフ20の機器通信部24とも通信できる。サーバ通信部36は、同一ネットワークに接続される各ガスクロマトグラフをIPアドレスによって識別して通信する。
【0032】
サーバ30は、プラント等の現場の管理者又は作業者に情報を通知するための表示デバイスを備えてよい。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を含んでよい。表示デバイスは、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ又は無機ELディスプレイを含んでもよい。表示デバイスは、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)を含んでもよい。表示デバイスは、これらのディスプレイに限られず、他の種々の方式のディスプレイを含んでもよい。表示デバイスは、LED(Light Emitting Diode)等の発光デバイスを含んでもよい。また、サーバ30は、スピーカ等の音声出力デバイスを備えてもよい。管理システム1が表示デバイス又は音声出力デバイス等の出力デバイスを備えてもよい。
【0033】
サーバ30は、プラント等の現場の管理者又は作業者等からのデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んでもよい。入力デバイスは、例えば、キーボード又は物理キーを含んでもよいし、タッチパネル若しくはタッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでもよい。入力デバイスは、これらの例に限られず、他の種々のデバイスを含んでもよい。管理システム1が入力デバイスを備えてもよい。
【0034】
<データサーバ40>
データサーバ40は、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14に有線LANで接続される。データサーバ40は、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14を経由してサーバ30のサーバ通信部36と通信する。データサーバ40は、サーバ30から取得した情報を格納する。また、データサーバ40は、格納した情報をサーバ30に出力する。データサーバ40は、サーバ30の指示に基づいて、ガスクロマトグラフの測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を格納する。
【0035】
データサーバ40は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてよいし、半導体メモリ又は磁気メモリ等のメモリを含んで構成されてもよい。データサーバ40は、サーバ30と同一又は類似に構成されてよい。データサーバ40の機能は、サーバ30の機能の一部として含まれてもよい。つまり、サーバ30とデータサーバ40とは、1台の装置として実現されてもよい。
【0036】
<他の機器の接続>
第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14が構成するネットワークに、データサーバ40だけでなく他の機器が接続されてもよい。
【0037】
<管理システム1の他の構成例>
サーバ30は、2つ以上のネットワークに接続するように構成されてもよい。
図3に例示されるように、第1ガスクロマトグラフ10は、第1ガスクロマトグラフ10A及び10Bを含んでよい。第1ガスクロマトグラフ10A及び10Bは、互いに異なる識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する。第1ガスクロマトグラフ10Aは、第1識別子で特定される第1ネットワークを構成する。第1ガスクロマトグラフ10Bは、第2識別子で特定される第2ネットワークを構成する。
【0038】
サーバ30は、第1ガスクロマトグラフ10Aと接続しているときに、第1ガスクロマトグラフ10A、及び、第1ガスクロマトグラフ10Aの無線アクセスポイントにブリッジ接続している第2ガスクロマトグラフ20と通信できる。しかし、サーバ30は、第1ガスクロマトグラフ10Aと接続しているときに、第1ガスクロマトグラフ10B、及び、第1ガスクロマトグラフ10Bにブリッジ接続している第2ガスクロマトグラフ20と通信できない。サーバ30は、第1ガスクロマトグラフ10Aとの接続を切断して第1ガスクロマトグラフ10Bと接続し直すことによって、第1ガスクロマトグラフ10B、及び、第1ガスクロマトグラフ10Bの無線アクセスポイントにブリッジ接続している第2ガスクロマトグラフ20と通信できる。
【0039】
サーバ30は、第1ガスクロマトグラフ10Aと接続しているときに、第1ガスクロマトグラフ10Aに接続されているデータサーバ40に、第1ガスクロマトグラフ10Aから取得した情報又はデータを格納する。サーバ30は、第1ガスクロマトグラフ10Bと接続しているときに、第1ガスクロマトグラフ10Bに接続されているデータサーバ40に、第1ガスクロマトグラフ10Bから取得した情報又はデータを格納する。
【0040】
(管理システム1の動作例)
以下、本実施形態に係る管理システム1の動作例が説明される。
【0041】
ガスクロマトグラフの機器制御部12及び22は、プラント等のデータを処理し、後述するように機器通信部14及び24によってサーバ30と通信することによって、処理したデータをサーバ30に出力する。
【0042】
サーバ30のサーバ制御部32は、サーバ通信部36によって第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14に接続する。サーバ制御部32は、所定識別子で特定されるネットワークに接続するために必要とされるセキュリティキーをあらかじめ取得する。サーバ制御部32は、セキュリティキーを用いてサーバ通信部36を機器通信部14に接続することによって、所定識別子で特定されるネットワークに接続できる。
【0043】
サーバ制御部32は、サーバ通信部36によって、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14を経由して第1ガスクロマトグラフ10の測定データ又は第1ガスクロマトグラフ10に関する情報を取得する。すなわち、サーバ通信部36は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する機器通信部14に接続し、ネットワークを経由して第1ガスクロマトグラフ10の測定データ又は第1ガスクロマトグラフ10に関する情報を取得(受信)する。逆に言えば、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、無線通信アクセスポイントとして機能する自機に接続するサーバ30にネットワークを経由して第1ガスクロマトグラフ10の測定データ又は第1ガスクロマトグラフ10に関する情報を出力(送信)する。
【0044】
サーバ制御部32は、サーバ通信部36によって、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14を経由して第1ガスクロマトグラフ10に設定するパラメータの情報又は第1ガスクロマトグラフ10の更新プログラム等のメンテナンスの情報を出力(送信)する。逆に言えば、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、無線通信アクセスポイントとして機能する自機に接続するサーバ30から第1ガスクロマトグラフ10に設定するパラメータ等の情報又は第1ガスクロマトグラフ10のメンテナンスの情報を取得(受信)する。第1ガスクロマトグラフ10の機器制御部12は、取得したパラメータを設定したりメンテナンスの情報に基づいて自機のプログラムの更新等のメンテナンスを実行したりする。
【0045】
第2ガスクロマトグラフ20の機器通信部24が第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14にブリッジ接続している場合、第2ガスクロマトグラフ20の機器通信部24は、所定識別子で特定されるネットワークに接続されている。サーバ通信部36は、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14を経由して、同一ネットワーク内で第2ガスクロマトグラフ20の機器通信部24と通信できる。このようにすることで、サーバ通信部36は、ネットワークの接続をやり直さずに、第1ガスクロマトグラフ10及び第2ガスクロマトグラフ20の両方と通信できる。
【0046】
第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、第2ガスクロマトグラフ20を子機器として無線通信アクセスポイントとして機能する自機にブリッジモードで接続させてもよい。機器通信部14は、第2ガスクロマトグラフ20で処理されたデータ又は第2ガスクロマトグラフ20に関する情報を、ネットワークを経由してサーバ30に出力させてもよい。第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14は、子機器である第2ガスクロマトグラフ20に設定するパラメータの情報又はメンテナンスの情報の少なくとも一方の情報を、ネットワークを経由してサーバ30から第2ガスクロマトグラフ20に取得させてもよい。
【0047】
サーバ通信部36は、所定識別子で特定されるネットワークの無線通信アクセスポイントとして機能する親機器としての第1ガスクロマトグラフ10、及び、無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続する子機器としての第2ガスクロマトグラフ20とネットワークで通信してもよい。サーバ制御部32は、親機器としての第1ガスクロマトグラフ10及び子機器としての第2ガスクロマトグラフ20からデータ又は情報を取得してもよい。
【0048】
サーバ制御部32は、親機器としての第1ガスクロマトグラフ10又は子機器としての第2ガスクロマトグラフ20に設定するパラメータ等の情報を生成してよい。サーバ制御部32は、親機器としての第1ガスクロマトグラフ10又は子機器としての第2ガスクロマトグラフ20の更新プログラム等のメンテナンスの情報を生成してよい。サーバ制御部32は、生成した情報を、サーバ通信部36によって、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14が無線通信アクセスポイントとして機能するネットワークを経由して親機器としての第1ガスクロマトグラフ10又は子機器としての第2ガスクロマトグラフ20に出力してよい。
【0049】
機器通信部14は、第2ガスクロマトグラフ20で処理されたデータ又は第2ガスクロマトグラフ20に関する情報の少なくとも一方を無線アクセスポイント及びネットワークを経由して第2ガスクロマトグラフ20からサーバ30に出力させるために、第2ガスクロマトグラフ20を子機器として無線通信アクセスポイントにブリッジモードで接続し、設定処理を行ってもよい。
【0050】
サーバ制御部32は、サーバ通信部36によって、ガスクロマトグラフに対して測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を出力するように指示する。サーバ制御部32は、情報を取得する対象のガスクロマトグラフをIPアドレスによって特定して指示を出力する。ガスクロマトグラフは、サーバ制御部32の指示に応じて、サーバ30に対して測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を出力する。ガスクロマトグラフは、出力する情報にガスクロマトグラフ自身を特定する機器識別情報を対応づける。サーバ制御部32は、取得した情報に対応づけられている機器識別情報によって、どのガスクロマトグラフから出力された情報であるか特定できる。サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフから情報を取得する際に送信元のIPアドレスを認識することによってどのガスクロマトグラフから出力された情報であるか特定してもよい。
【0051】
サーバ制御部32は、各ガスクロマトグラフから取得した測定データ又はガスクロマトグラフに関する情報を、データサーバ40に格納する。サーバ制御部32は、サーバ通信部36によって、第1ガスクロマトグラフ10の機器通信部14を経由して、データサーバ40に格納させる情報又はデータをデータサーバ40に出力する。データサーバ40は、サーバ制御部32から取得した情報又はデータを格納する。
【0052】
サーバ制御部32は、サーバ通信部36によって、ガスクロマトグラフに対して設定するパラメータ等の情報、又は、更新プログラム等のメンテナンスの情報を出力する。サーバ制御部32は、パラメータを設定したりプログラムを更新したりする対象のガスクロマトグラフをIPアドレスによって特定してパラメータ等の情報又は更新プログラム等のメンテナンスの情報を出力する。ガスクロマトグラフは、取得したパラメータをガスクロマトグラフ自身に設定したり、取得した更新プログラムでガスクロマトグラフ自身のプログラムを更新したりする。
【0053】
サーバ通信部36は、各ガスクロマトグラフと並行に通信することによって、複数のガスクロマトグラフから同時にデータを取得(受信)したり複数のガスクロマトグラフに対して同時に情報を出力(送信)したりできるように構成されてもよい。サーバ通信部36は、各ガスクロマトグラフとシーケンシャルに通信することによって、複数のガスクロマトグラフから時分割でデータを取得(受信)したり複数のガスクロマトグラフに対して時分割で情報を出力(送信)したりできるように構成されてもよい。サーバ通信部36は、同時でも時分割でも、ネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフとの通信を維持できる。
【0054】
<管理画面50>
サーバ制御部32は、ユーザが各ガスクロマトグラフの状態を把握できるように、
図4に例示されるように、前述したサーバ30の表示デバイスに各ガスクロマトグラフの状態を管理画面50として表示してよい。管理画面50は、各々のガスクロマトグラフの状態を表示する表示枠51及び52を含む。ガスクロマトグラフは、装置IDによって識別されるとする。表示枠51は、装置IDが001とされるガスクロマトグラフの状態を表示する。表示枠52は、装置IDが002とされるガスクロマトグラフの状態を表示する。
【0055】
管理画面50は、表示枠51及び52の中に、各ガスクロマトグラフが正常か異常かを示す装置状態表示枠511及び521を含む。装置状態表示枠511は、装置IDが001のガスクロマトグラフが正常であることを示す画像を表示している。装置状態表示枠521は、装置IDが002のガスクロマトグラフが異常であることを示す画像を表示している。
【0056】
管理画面50は、表示枠51及び52の中に、各ガスクロマトグラフが稼働しているか停止しているかを示す稼働状態表示枠512及び522を含む。稼働状態表示枠512は、装置IDが001のガスクロマトグラフが稼働中であることを示す記号を表示している。稼働状態表示枠522は、装置IDが002のガスクロマトグラフが停止中であることを示す記号を表示している。
【0057】
管理画面50は、表示枠51及び52の中に、各ガスクロマトグラフが稼働している場合に実行している作業の進捗状況を示す進捗表示枠513及び523を含む。ガスクロマトグラフは、1回の測定に所定の時間がかかる。進捗表示枠513の「xxx/yyy[sec]」という表示は、装置IDが001のガスクロマトグラフが1回の測定を実行するためにかかる時間がyyy秒であり、測定がxxx秒まで進捗していることを表している。また、進捗表示枠513の10個の矩形のうち3個の矩形がハッチングされている表示は、測定の進捗率が約30%であることを表している。進捗表示枠523の「0/www[sec]」という表示は、装置IDが002のガスクロマトグラフが停止中であることを表している。更に、進捗表示枠523の全ての矩形がハッチング表示されていない。
【0058】
<測定データ>
ガスクロマトグラフは、種々のガスの濃度の分析結果を表すクロマトデータを測定データとして出力する。ガスクロマトグラフは、分析対象のガスを気化させて検出器まで到達する時間によってガス種を区別して検出する。クロマトデータは、ガスが検出器まで到達する時間と、各時刻において検出した信号強度(電圧信号)とを関連づけている。クロマトデータは、
図5に例示されるように、横軸を時刻とし、縦軸を電圧としたグラフによって表される。サーバ制御部32は、各ガスクロマトグラフから取得した測定データをグラフとして管理画面50に表示してもよい。
【0059】
サーバ制御部32は、クロマトデータを取得した場合、分析対象のガスに含まれるガスの種類とその濃度とを解析してよい。サーバ制御部32は、
図6に例示されるように、クロマトデータに基づいて、分析対象のガスが、C2H6(エタン)とC3H8(プロパン)とを含むことを同定してよい。また、サーバ制御部32は、C2H6(エタン)及びC3H8(プロパン)それぞれに対応するグラフの面積を算出し、面積に基づいてC2H6(エタン)及びC3H8(プロパン)それぞれの濃度を算出してよい。サーバ制御部32は、同定したガスの種類と算出したガスの濃度とを表示してよい。
【0060】
クロマトデータに基づく解析は、ガスクロマトグラフによって実行されてもよい。つまり、ガスクロマトグラフは、クロマトデータの生データ(クロマトデータそのもの)をサーバ30に出力せずに、クロマトデータに基づいて解析した結果をサーバ30に出力してよい。この場合、サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフから解析結果を測定データとして取得する。
【0061】
<ガスクロマトグラフのメンテナンス>
サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフに関する情報として、ガスクロマトグラフで発生したアラームの内容と発生時刻とを取得してよい。サーバ制御部32は、
図7に例示されるように、アラームの発生時刻とアラームの内容とを管理画面50に表示してよい。
【0062】
サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフでアラームが発生している場合に、アラームを解消するためにユーザが操作できるように、
図8に例示されるようにメンテナンス画面60を表示してよい。メンテナンス画面60は、ユーザが選択できる操作メニュー61と、ユーザの入力を受け付けるための操作キー枠62とを含む。サーバ制御部32は、メンテナンス画面60をタッチパネルに表示して、ユーザの操作をタッチパネルによって受け付けてよい。サーバ制御部32は、ユーザの操作をマウス等のポインティングデバイスによって受け付けてもよい。
【0063】
サーバ制御部32は、ユーザの操作に応じて、ガスクロマトグラフに設定するパラメータ等の情報又はガスクロマトグラフの更新プログラム等のメンテナンスの情報を生成し、ガスクロマトグラフに出力する。サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフから取得したアラームの情報に基づいて、アラームを解消するために必要な指示を生成してガスクロマトグラフに出力してもよい。
【0064】
<ガスクロマトグラフの管理方法のフローチャート例>
サーバ30のサーバ制御部32は、管理方法として
図9のフローチャートに例示される手順を実行してよい。
図9のフローチャートに例示される手順は、サーバ制御部32を構成するプロセッサに実行させる管理プログラムとして実現されてもよい。管理プログラムは、電磁記憶媒体等の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてもよい。
【0065】
サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフに対してデータの送信(出力)を要求する(ステップS1)。ガスクロマトグラフは、要求に応じてサーバ30に対してデータを送信(出力)する。サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフから送信(出力)されたデータを受信(取得)し、データサーバ40に格納する(ステップS2)。
【0066】
サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフに関する情報を取得した場合、ガスクロマトグラフの状態に基づいてガスクロマトグラフのメンテナンスが必要であるか判定する(ステップS3)。サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフのメンテナンスが不要である場合(ステップS3:NO)、
図9のフローチャートの手順の実行を終了する。サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフのメンテナンスが必要と判定した場合(ステップS3:YES)、ガスクロマトグラフのメンテナンスを実施する(ステップS4)。具体的に、サーバ制御部32は、ガスクロマトグラフのメンテナンスの情報をガスクロマトグラフに出力してよい。サーバ制御部32は、ユーザにガスクロマトグラフの状態を通知し、ユーザからメンテナンスの指示の入力を受け付け、ガスクロマトグラフのメンテナンスの情報をガスクロマトグラフに出力してよい。サーバ制御部32は、ステップS4の実行後、
図9のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0067】
<小括>
以上述べてきたように、本実施形態に係る管理システム1によれば、同一ネットワークに無線接続したガスクロマトグラフを同一ネットワークに接続したサーバ30(管理装置)が管理できる。つまり、サーバ30(管理装置)は、ネットワークの接続を切り替えずに複数のガスクロマトグラフを管理できる。このようにすることで、サーバ30(管理装置)は、複数のガスクロマトグラフから同時に又は時分割で並行してデータを取得できる。また、サーバ30(管理装置)は、複数のガスクロマトグラフに対して同時に又は時分割で並行して情報を出力できる。例えば、サーバ30(管理装置)は、1台のガスクロマトグラフのメンテナンスを実施するためにそのガスクロマトグラフと通信を続けている間でも、他のガスクロマトグラフからデータを取得したり他のガスクロマトグラフにパラメータ等の情報を出力したりできる。その結果、プラント等に設置された複数のガスクロマトグラフの管理の利便性が向上する。
【0068】
以上、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【0069】
本実施形態において、ガスクロマトグラフと管理装置とが無線LANで通信する構成が説明された。通信方式は、無線LANに限られず、複数のガスクロマトグラフと同時に通信できる無線通信方式であれば他の種々の方式であってよい。
【符号の説明】
【0070】
1 管理システム
10(A、B) 第1ガスクロマトグラフ(12:機器制御部、14:機器通信部)
20 第2ガスクロマトグラフ(22:機器制御部、24:機器通信部)
30 サーバ(32:サーバ制御部、34:記憶部、36:サーバ通信部)
40 データサーバ
50 管理画面(51、52:表示枠、511、521:装置状態表示枠、512、522:稼働状態表示枠、513、523:進捗表示枠)
60 メンテナンス画面(61:操作メニュー、62:操作キー枠)