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特開2023-135499ソリューション提案支援方法及びソリューション提案支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135499
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ソリューション提案支援方法及びソリューション提案支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230921BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040745
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】魯 小云
(72)【発明者】
【氏名】小野 俊之
(72)【発明者】
【氏名】早矢仕 裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】解決手段の導入状況等に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすい解決手段を提案するソリューション提案支援方法及びソリューション提案支援システムを提供する。
【解決手段】ソリューション提案支援システムにおいて、ソリューション提案支援サーバ101は、複数の課題と、複数の課題の各々を解決するための複数のソリューションとを対応付ける課題ソリューション情報及び各ソリューションの導入結果を示す導入結果情報を保持する課題・ソリューション情報テーブル2058と、検索キーワードと、課題・ソリューション情報テーブルに含まれる課題との類似度を算出する類似度算出プログラム2051と、課題の重要度を算出する課題重要度算出プログラム2054と、ソリューション導入結果の指標を算出するソリューション導入結果算出プログラム2055と、課題解決効果を算出する課題解決効果算出プログラム2056と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機システムによって実行されるソリューション提案支援方法であって、
前記計算機システムは、プロセッサと、記憶部と、を有し、
前記記憶部は、複数の課題と、前記複数の課題の各々を解決するための複数のソリューションと、を対応付ける課題ソリューション情報、及び、前記各ソリューションの導入結果を示す導入結果情報を保持し、
前記導入結果情報は、ソリューション提案の対象顧客において導入済みのソリューションを示す情報を含み、
ソリューション提案支援方法は、
前記プロセッサが、前記課題に対応する前記複数のソリューションのうち、前記対象顧客において導入済みのソリューションの数に基づいて、前記課題の重要度を算出する第1手順と、
前記プロセッサが、前記重要度に基づいて、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出し、その結果を出力する第2手順と、を含むことを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記第1手順において、前記プロセッサは、前記課題に対応する前記複数のソリューションのうち、前記対象顧客において導入済みの前記ソリューションの割合が高いほど前記重要度が高くなるように、前記重要度を算出することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項3】
請求項2に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記課題に対応する全ての前記ソリューションが前記対象顧客において導入済みの場合、当該課題に対応する前記ソリューションを、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標の算出の対象から除外することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項4】
請求項2に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記課題ソリューション情報において、前記複数の課題は、複数の上位課題と、前記各上位課題に対応する1以上のサブ課題と、を含み、前記各サブ課題と前記各ソリューションとが対応付けられることを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項5】
請求項1に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記導入結果情報は、複数の顧客における前記ソリューションの導入結果を示す情報を含み、
ソリューション提案支援方法は、
前記プロセッサが、入力されたキーワードと前記課題との類似度を算出する第3手順と、
前記プロセッサが、前記ソリューションの導入結果の指標を算出する第4手順と、をさらに含み、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記類似度と、前記重要度と、前記ソリューションの導入結果の指標と、に基づいて、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記課題ソリューション情報は、複数の業務と前記複数の課題とを対応付ける情報を含み、
前記プロセッサが、前記複数の課題のうち前記類似度が最も高い課題に対応する前記業務を特定し、前記特定した業務に対応する全ての前記課題及び前記ソリューションを検索範囲として特定する第5手順をさらに含み、
前記プロセッサは、前記第5手順によって特定された検索範囲内の前記課題及び前記ソリューションを対象として、前記第1手順及び前記第4手順を実行することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項7】
請求項5に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記導入結果情報は、前記ソリューションを導入したことによって生じた売上を示す情報、前記ソリューションを導入した事業者を示す情報、及び、前記ソリューションを導入した事業者又は当該事業者に前記ソリューションを提案した営業担当者によって前記ソリューションに与えられた評価を示す情報の少なくともいずれかを含み、
前記第4手順において、前記プロセッサは、前記ソリューションを導入したことによって生じた売上の大きさ、前記ソリューションを導入した事業者の数の多さ、及び、前記ソリューションに与えられた評価の高さの少なくともいずれかを示す前記ソリューションの導入結果の指標を算出することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項8】
請求項5に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記類似度、前記重要度及び前記ソリューションの導入結果の指標の少なくともいずれかが高いほど前記ソリューションによる前記課題の解決効果が高くなるように、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載のソリューション提案支援方法であって、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記類似度、前記重要度及び前記ソリューションの導入結果の指標のうち、重視される指標を指定する情報が入力された場合、前記指定された指標にその他の指標より大きい重み値を付与した加重計算を行うことによって、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出することを特徴とするソリューション提案支援方法。
【請求項10】
ソリューション提案支援システムであって、
プロセッサと、記憶部と、を有し、
前記記憶部は、複数の課題と、前記複数の課題の各々を解決するための複数のソリューションと、を対応付ける課題ソリューション情報、及び、前記各ソリューションの導入結果を示す導入結果情報を保持し、
前記導入結果情報は、ソリューション提案の対象顧客において導入済みのソリューションを示す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記課題に対応する前記複数のソリューションのうち、前記対象顧客において導入済みのソリューションの数に基づいて、前記課題の重要度を算出し、
前記プロセッサが、前記重要度に基づいて、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出し、その結果を出力することを特徴とするソリューション提案支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課題に対するソリューションの提案を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
新規の課題に対する適切な解決手段の提案を支援する技術として、例えば、特開2021-93140号(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1には、「解決手段の提案方法は、複数の過去課題のそれぞれに対応する課題タグが相互の関連性に応じて複数のカテゴリに分類された教師データで学習済みの分類モデルを用いて、新規課題が分類されるカテゴリを推定し、推定されたカテゴリ内において新規課題と類似する過去課題を検索し、検索された類似する過去課題に紐づいた解決手段を出力する。それぞれの過去課題は、少なくとも1つの階層データ内において、いずれかの課題項目に入力される。それぞれの課題タグは、それぞれの過去課題及び階層データ内において、それぞれの過去課題が入力された課題項目と親子関係にある項目に入力された情報に基づいて決定される。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-93140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載の技術によれば、顧客が抱える課題を解決する手段を提案しようとする場面において、課題の類似度に基づいて解決手段が提案される。しかし、解決手段の導入状況及び解決手段の導入効果等は考慮されないため、顧客が導入を検討する対象となりやすい解決手段が提案されない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、本願において開示される発明の代表的な一例は、計算機システムによって実行されるソリューション提案支援方法であって、前記計算機システムは、プロセッサと、記憶部と、を有し、前記記憶部は、複数の課題と、前記複数の課題の各々を解決するための複数のソリューションと、を対応付ける課題ソリューション情報、及び、前記各ソリューションの導入結果を示す導入結果情報を保持し、前記導入結果情報は、ソリューション提案の対象顧客において導入済みのソリューションを示す情報を含み、ソリューション提案支援方法は、前記プロセッサが、前記課題に対応する前記複数のソリューションのうち、前記対象顧客において導入済みのソリューションの割合に基づいて、前記課題の重要度を算出する第1手順と、前記プロセッサが、前記重要度に基づいて、前記ソリューションによる前記課題の解決効果の指標を算出し、その結果を出力する第2手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、解決手段の導入状況等に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが保持するツリー構造の課題・ソリューションデータの一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが保持するソリューションの導入結果データの一例を示す説明図である。
図5】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが出力する入力画面の一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが出力する表示画面の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが実行する処理の全体の一例を示す説明図である。
図8】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバが類似度算出プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバが検索範囲特定プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバが課題重要度算出プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバがソリューション導入結果算出プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバが課題解決効果算出プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバが課題解決効果算出プログラムに従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
本実施例のソリューション提案支援システム100は、ソリューション提案支援サーバ101、端末102、及びそれらの間の通信を媒介する通信ネットワーク103によって構成される。端末102は、営業担当者が使用するPC(Personal Computer)、タブレット端末又はスマートフォンなどの計算機システムである。営業担当者は、顧客から聞き取った当該顧客の課題に関する情報等を端末102に入力する。端末102は入力された情報をソリューション提案支援サーバ101に送信する。ソリューション提案支援サーバ101は、端末102から受信した情報に基づいて、後述する処理を行い、当該顧客に提案する課題の解決方法(ソリューション)に関する情報を端末102に送信する。営業担当者は、端末102が受信した情報に基づいて顧客に対する提案を行うことができる。
【0011】
図2は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
ソリューション提案支援サーバ101は、例えば、入力部201、CPU(Central Processing Unit)202、表示部203、通信部204及び記憶部205を有する計算機によって実現される。入力部201は、ソリューション提案支援サーバ101のユーザからの情報の入力を受け付ける装置であり、例えばキーボード、マウス及びタッチパネル等の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0013】
CPU202は、記憶部205に格納されたプログラムに従って種々の処理を実行するプロセッサである。以下の説明においてソリューション提案支援サーバ101が実行する処理は、実際にはCPU202が記憶部205に格納されたプログラムに従って実行する。表示部203は、ユーザに対して情報を出力するための装置であり、例えば画像表示装置であってもよい。通信部204は、通信ネットワーク103に接続され、他の機器(例えば端末102又は後述する営業情報管理サーバ104)との通信を実行する。
【0014】
記憶部205は、CPU202によって実行されるプログラム、CPU202が実行する処理において参照される情報、及び、処理の結果として生成される情報等を格納する記憶装置である。記憶部205は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置及びHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含んでもよい。
【0015】
本実施例の記憶部205には、プログラムとして、類似度算出プログラム2051、検索範囲特定プログラム2052、営業情報取得プログラム2053、課題重要度算出プログラム2054、ソリューション導入結果算出プログラム2055及び課題解決効果算出プログラム2056が格納される。また、本実施例の記憶部205には、参照される情報として、営業情報テーブル2057及び課題・ソリューション情報テーブル2058が格納される。これらの詳細については後述する。
【0016】
端末102は、例えば、通信部206、入力部207、CPU208、表示部209及び記憶部210を有する計算機によって実現される。通信部206は、通信ネットワーク103に接続され、ソリューション提案支援サーバ101等との通信を実行する。入力部207は、端末102のユーザ(例えば顧客に対する営業活動を行う営業担当者)からの情報の入力を受け付ける装置であり、例えばキーボード、マウス及びタッチパネル等の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0017】
CPU208は、記憶部210に格納されたプログラムに従って種々の処理を実行するプロセッサである。以下の説明において端末102が実行する処理は、実際にはCPU208が記憶部210に格納されたプログラムに従って実行する。表示部209は、ユーザに対して情報を出力するための装置であり、例えば画像表示装置であってもよい。
【0018】
営業情報管理サーバ104は、通信ネットワーク103に接続され、過去に行われた営業活動に関する情報を管理するサーバである。図2では省略されているが、営業情報管理サーバ104は、例えばソリューション提案支援サーバ101と同様のハードウェア構成を有する計算機によって実現されてもよい。営業情報管理サーバ104は、過去に行われた営業活動に関する情報として、例えば、顧客からの聞き取りの結果、それに応じて顧客に行ったソリューションの提案内容、及びその提案の結果等の情報を管理する。
【0019】
図3は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが保持するツリー構造の課題・ソリューションデータ301の一例を示す説明図である。
【0020】
図3に示すツリー構造の課題・ソリューションデータ301は、図2に示す課題・ソリューション情報テーブル2058に含まれる情報の一例である。ツリー構造の課題・ソリューションデータ301は、取組領域3011、上位課題3012、サブ課題3013及びソリューション3014を含む。取組領域3011は、顧客が事業を遂行するために取り組む業務等の領域であり、例えば業務プロセスに相当するものであってもよい。
【0021】
上位課題3012は、取組領域3011に対応する課題である。一つの取組領域に複数の課題が対応付けられてもよいし、異なる取組領域に同一の課題が対応付けられてもよい。サブ課題3013は、上位課題を具体化した課題であり、例えば一つの上位課題が複数のサブ課題に細分化されてもよい。ソリューション3014は、サブ課題に対応する解決方法である。
【0022】
図3の例では、取組領域3011として「運用・操業」、「保守」及び「計画」が保持されている。これらは、それぞれ、例えば顧客の事業における業務プロセスに対応する。取組領域「運用・操業」に対応する上位課題3012として、「設備トラブルへ迅速に対応」及び「技術伝承の効率化」が保持されている。取組領域「保守」に対応する上位課題3012として、「設備トラブルへ迅速に対応」、「技術伝承の効率化」及び「操業、保守自動化」が保持されている。取組領域「計画」に対応する上位課題3012として、「設備の老朽化によるトラブル」が保持されている。
【0023】
上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」に対応するサブ課題3013として、「トラブルの兆候が分からない」、「トラブルへの対策方法が分からない」及び「トラブル対応時の計画変更が難しい」が保持され、それぞれのサブ課題に対応するソリューション3014として、「異常検知システム」、「トラブル対応作業指示システム」及び「トラブル即応生産計画システム」が保持されている。
【0024】
上記の例は、顧客の業務プロセスのうち「運用・操業」及び「保守」のいずれにも存在し得る課題として「設備トラブルに迅速に対応」したい、という課題が想定されていること、その課題を細分化した具体的な課題として「トラブルの兆候が分からない」、「トラブルへの対策方法が分からない」及び「トラブル対応時の計画変更が難しい」という課題が想定されていること、「トラブルの兆候が分からない」という課題に対しては「異常検知システム」というソリューションを提案することが想定されていること、「トラブルへの対策方法が分からない」という課題に対しては「トラブル対応作業指示システム」というソリューションを提案することが想定されていること、「トラブル対応時の計画変更が難しい」という課題に対しては「トラブル即応生産計画システム」というソリューションを提案することが想定されていること、を示している。
【0025】
同様に、図3の例は、顧客の業務プロセスのうち「運用・操業」及び「保守」のいずれにも存在し得る別の課題として「技術伝承の効率化」をしたい、という課題が想定されていること、その課題を細分化した具体的な課題として「技術やノウハウが個人のみにある」及び「技術やノウハウの習得に時間がかかる」という課題が想定されていること、「技術やノウハウが個人のみにある」という課題に対しては「熟練者のノウハウ分析システム」というソリューションを提案することが想定されていること、「技術やノウハウの習得に時間がかかる」という課題に対しては「作業指示システム」というソリューションを提案することが想定されていること、を示している。
【0026】
図3の例は、さらに、顧客の業務プロセスのうち「保守」に存在し得る課題として「操業、保守自動化」が想定されていること、その課題を細分化した具体的な課題として「操業、保守ノウハウが属人化」しているという課題が想定されており、それに対して「作業日誌デジタル化システム」というソリューションを提案することが想定されていること、を示している。
【0027】
図3の例は、さらに、顧客の業務プロセスのうち「計画」に存在し得る課題として「設備の老朽化によるトラブル」を防止したいという課題が想定されていること、その課題を細分化した具体的な課題として「設備検査に時間がかかる」という課題が想定されており、それに対して「検査装置」というソリューションを提案することが想定されていること、を示している。
【0028】
図3に示すツリー構造の課題・ソリューションデータ301は、顧客の業務とそれぞれの業務において想定される課題と課題に対して提案すべきソリューションとを対応付ける情報の一例である。このような情報は、例えば過去の営業活動から得られた知見等に基づいて予め用意されてもよい。例えば顧客ごとにツリー構造の課題・ソリューションデータ301が用意されていてもよいが、一般には同一又は類似の業種においては業務の内容及びそれに対応する課題も類似すると考えられることから、業種ごとにツリー構造の課題・ソリューションデータ301が用意されてもよい。
【0029】
また、上記の例では一つの上位課題に一つ以上のサブ課題が対応付けられる、2階層のツリー構造の課題を示しているが、例えばサブ課題をさらに細分化した課題を含むなど、課題が3以上の階層構造を持っていてもよい。
【0030】
図4は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが保持するソリューションの導入結果データ401の一例を示す説明図である。
【0031】
図4に示すソリューションの導入結果データ401は、図2に示す営業情報テーブル2057に含まれる情報の一例である。ソリューションの導入結果データ401は、ソリューション4011、導入による売上4012、導入済み会社名4013及び高評価回数4014を含む。
【0032】
ソリューション4011は、過去に顧客に提案したソリューションを識別する情報(例えばソリューションの名称)である。導入による売上4012は、提案したソリューションを実際に導入することで得られた顧客の売上の大きさ(例えば平均値)を示す。導入済み会社名4013は、提案したソリューションを実際に導入した顧客を識別する情報(例えば会社名)である。高評価回数4014は、提案したソリューションを実際に導入した結果として顧客又は営業担当者から高い評価が得られた回数を示す。これらの情報は、営業情報管理サーバ104によって管理された過去の営業活動に関する情報に基づいて生成されてもよい。
【0033】
図5は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが出力する入力画面の一例を示す説明図である。
【0034】
図5に示す課題・ソリューション検索UI(User Interface)部501は、例えば、端末102の表示部209によって表示される入力画面である。課題・ソリューション検索UI部501は、検索キーワード入力部502、検索実行ボタン503及び指標入力部504を含む。例えば、営業担当者は、顧客からの聞き取り結果に基づいて、顧客の課題及びそれに対するソリューションを検索するために適切と思われるキーワードを検索キーワード入力部502に入力して、検索実行ボタン503を操作する。このとき、営業担当者は、指標入力部504を操作して、検索の際に重視する指標を選択してもよい。
【0035】
端末102は、入力された検索キーワード及び選択された指標を含む検索クエリをソリューション提案支援サーバ101に送信する。ソリューション提案支援サーバ101は、検索を実行してその結果を端末102に送信する。端末102は、検索結果を表示する。これらの処理の詳細は図7から図13を参照して後述する。また、検索結果の表示例については図6を参照して後述する。
【0036】
図6は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが出力する表示画面の一例を示す説明図である。
【0037】
図6に示す結果参照UI部601は、例えば、端末102の表示部209によって出力される表示画面である。結果参照UI部601には、検索クエリを用いて課題・ソリューション情報テーブル2058及び営業情報テーブル2057を検索することによって得られた上位課題、サブ課題及びソリューションが表示される。また、上位課題については類似度の指標が、サブ課題については重要度の指標が、ソリューションについては導入結果の指標が、それぞれ合わせて表示される。検索結果及び指標の値の具体例については後述する。
【0038】
図7は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援システムが実行する処理の全体の一例を示す説明図である。
【0039】
最初に、ユーザ701(例えば、これから顧客にソリューションを提案しようとする営業担当者)が、顧客からの聞き取り結果に基づいて検索情報を端末102に入力する。入力される検索情報は、例えば図5を参照して説明したように、顧客の課題に対応する検索キーワードと、顧客が重視している指標と、を含んでもよい。端末102は、課題・ソリューション検索プログラム2101に従ってユーザ701からの情報の入力を受け付け、検索クエリ702を生成してソリューション提案支援サーバ101に送信する。
【0040】
ソリューション提案支援サーバ101は、類似度算出プログラム2051に従って、検索クエリ702に含まれる検索キーワードと、課題・ソリューション情報テーブル2058に含まれる課題との類似度を算出する。この処理の詳細については図8を参照して後述する。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、検索範囲特定プログラム2052に従って、検索範囲を特定する。この処理の詳細については図9を参照して後述する。
【0041】
次に、ソリューション提案支援サーバ101は、営業情報取得プログラム2053に従って、営業情報管理サーバ104から営業情報を取得する。これによって、営業情報テーブル2057が生成される。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、課題重要度算出プログラム2054に従って、課題・ソリューション情報テーブル2058に含まれる課題の重要度を算出する。この処理の詳細については図10を参照して後述する。
【0042】
次に、ソリューション提案支援サーバ101は、ソリューション導入結果算出プログラム2055に従って、ソリューション導入結果の指標を算出する。この処理の詳細については図11を参照して後述する。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、課題解決効果算出プログラム2056に従って、ソリューション導入による課題解決効果を算出し、抽出した課題及びそれに対応するソリューション703を端末102に送信する。
【0043】
端末102は、ソリューション提案支援サーバ101から受信した課題及びそれに対応するソリューション703を表示する。図6は、これによって表示された画面の一例である。
【0044】
図8は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101が類似度算出プログラム2051に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、検索クエリ702に含まれる課題キーワードを取得する(ステップS801)。ここで取得されたキーワードは、営業担当者が営業活動の対象である顧客(以下、ターゲット顧客とも記載する)から聞き取った内容に基づいて入力した、当該ターゲット顧客が対処したい課題を示すキーワードである。
【0046】
次に、ソリューション提案支援サーバ101は、入力された課題キーワードと、課題・ソリューション情報テーブル2058に含まれる上位課題と、各上位課題に対応するサブ課題とを、単語ごとに分解する(ステップS802)。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、分解された単語に基づいて、類似度計算式を用いて、課題キーワードと上位課題との類似度を算出する(ステップS803)。ここで用いる類似度計算方法は、例えば公知の方法など、任意の方法を使用することができる。
【0047】
例えば、課題キーワードとして「設備トラブル/保守対策」が取得された場合、ソリューション提案支援サーバ101は、その課題キーワードを単語に分解する。さらに、ソリューション提案支援サーバ101は、上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」、及びそれに対応するサブ課題「トラブルの兆候が分からない」、「トラブルへの対策方法が分からない」及び「トラブル対応時の計画変更が難しい」を単語に分解する。そして、ソリューション提案支援サーバ101は、それらの単語を類似度計算式に適用することによって、課題キーワード「設備トラブル/保守対策」と上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」との類似度を計算する。同様の計算を他の上位課題及びそれに対応するサブ課題についても行うことによって、課題キーワード「設備トラブル/保守対策」と各上位課題との類似度が計算される。
【0048】
類似度計算式として、例えばJaccard係数を計算する式(1)を採用してもよい。この例では、課題キーワードに含まれる単語の集合と、上位課題及びその下のサブ課題に含まれる単語の集合との少なくとも一方に含まれる単語の数に対する、それらの両方の集合に含まれる単語の数の割合が類似度として計算される。
【0049】
【数1】
【0050】
図9は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101が検索範囲特定プログラム2052に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、類似度算出プログラム2051に従って算出された課題類似度を取得する(ステップS901)。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、最も課題類似度が高い上位課題が属する取組領域を検索範囲として特定する(ステップS902)。
【0052】
例えば、課題キーワード「設備トラブル/保守対策」と各上位課題との類似度のうち、上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」との類似度が最も高い場合、上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」が属する取組領域「運用・操業」及び「保守」が検索範囲として特定される。これによって、次に説明するように、真の課題が処理の対象から除外されることを防ぐことができる。すなわち、実際には、顧客が解決したいと考えている課題と、そのために解決しなければならない本当の課題とが異なっている場合がある。例えば、顧客が取組領域「運用・操業」及び「保守」に属する「設備トラブル対応時の計画変更」という課題を解決したいと考えているが、実際にはベテラン保守作業員のノウハウの属人化が起きているために機器のダウンタイムが多いことが真の課題である、という場合がある。このような場合に、取組領域「保守」に属する課題「操業、保守ノウハウが属人化」を検索範囲に含めることによって、真の課題に対応するソリューションを処理の対象に含めることができる。
【0053】
図10は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101が課題重要度算出プログラム2054に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、類似度算出プログラム2051に従って特定された各上位課題のサブ課題のうち、既にターゲット顧客にソリューションが導入されたサブ課題の数を算出する(ステップS1001)。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、各上位課題に対応するサブ課題の数に対する、既にターゲット顧客にソリューションが導入されたサブ課題の数の割合を、重要度として算出する(ステップS1002)。例えば、下記の式(2)によって重要度Wを算出してもよい。
【0055】
【数2】
【0056】
例えば、検索範囲として特定された取組領域「運用・操業」に属する上位課題「設備トラブルへ迅速に対応」のサブ課題に対応するソリューションのうち、サブ課題「トラブルの兆候が分からない」に対応するソリューション「異常検知システム」及びサブ課題「トラブル対応時の計画変更が難しい」に対応するソリューション「トラブル即応生産計画システム」が既に導入され、サブ課題「トラブルへの対策方法が分からない」に対応するソリューション「トラブル対応作業指示システム」がまだ導入されていない場合、既にソリューションが導入されたサブ課題の数の割合は2/3≒0.7となる。
【0057】
一方、検索範囲として特定された取組領域「運用・操業」に属する上位課題「技術伝承の効率化」のサブ課題に対応するソリューションのうち、サブ課題「技術やノウハウが個人のみにある」に対応するソリューション「熟練者のノウハウ分析システム」が既に導入され、サブ課題「技術やノウハウの習得に時間がかかる」に対応するソリューション「作業指示システム」がまだ導入されていない場合、既にソリューションが導入されたサブ課題の数の割合は1/2=0.5となる。
【0058】
上記の処理によれば、上位課題に対応するサブ課題の数に対する、既にターゲット顧客にソリューションが導入されたサブ課題の数の割合が、重要度として算出される。これは、その割合が大きいほど、当該ターゲット顧客が当該上位課題を重要視していると考えられ、その下のサブ課題にソリューションを未導入のものがある場合には、そのソリューションが当該ターゲット顧客にとって重要性が高いと考えられるためである。
【0059】
ただし、上位課題の下の全てのサブ課題に対応する全てのソリューションが既に導入済みの場合、重要度は最大(1.0)となるが、この場合にはこれから提案できるソリューションが残っていないため、そのような課題に対応するソリューションは、例えば課題の解決効果の算出から除外することによって、顧客への提案の対象からは除外される。除外の具体的な方法は任意であるが、例えば、上位課題に対応する全てのサブ課題に対応する全てのソリューションが既に導入済みの場合には重要度が十分に低く計算されるように例外処理が行われてもよい。あるいは、特定された検索範囲内の上位課題であっても、その下の全てのサブ課題に対応する全てのソリューションが既に導入済みの場合には、課題重要度算出の対象から除外してもよい。
【0060】
図11は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101がソリューション導入結果算出プログラム2055に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、営業情報テーブル2057から、ソリューションの導入結果データ401を取得する(ステップS1101)。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、ソリューション導入結果の指標を算出するための計算式を使用して、ソリューション導入結果の指標を算出する(ステップS1102)。
【0062】
ソリューション導入結果の指標は、ソリューションの導入結果データ401から取得された導入による売上、導入した会社数、及び高評価回数の少なくともいずれかに基づいて計算することができる。例えば、導入による売上に基づく場合、次の式(3)によって計算してもよい。これによって、ターゲット顧客と同程度の規模の会社がソリューションを導入したことによる売上を、そのソリューションを導入した会社の数で除した数がソリューション導入結果の指標Rとして計算される。
【0063】
【数3】
【0064】
あるいは、導入した会社数、又は、高評価回数を、ソリューション導入結果の指標Rとしてもよい。ただし、上記のいずれの場合も、Rの値は例えば次の式(4)のように正規化される。
【0065】
【数4】
【0066】
図12は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101が課題解決効果算出プログラム2056に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、類似度算出プログラム2051に従って算出した課題の類似度、課題重要度算出プログラム2054に従って算出した課題の重要度、及び、ソリューション導入結果算出プログラム2055に従って算出したソリューションの導入結果の指標の値を取得する(ステップS1201)。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、課題の解決効果を算出するための計算式を使用して、取得されたソリューションを導入することによる課題の解決効果を算出する(ステップS1202)。
【0068】
課題の解決効果を算出するための計算式として、例えば次の式(5)を使用してもよい。これによって、課題の類似度、課題の重要度及びソリューションの導入結果の指標の合計値が課題の解決効果として算出される。
【0069】
【数5】
【0070】
次に、ソリューション提案支援サーバ101は、検索範囲として特定された取組領域の下の課題に対応するソリューションであって、まだ課題の解決効果が算出されていないものがあるかを判定する(ステップS1203)。まだ課題の解決効果が算出されていないソリューションがある場合には、ステップS1202に戻る。まだ課題の解決効果が算出されていないソリューションがない場合には、処理を終了する。
【0071】
図13は、本発明の実施例に係るソリューション提案支援サーバ101が課題解決効果算出プログラム2056に従って実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
具体的には、図13は、図12のステップS1202において実行される処理の一例を示す。最初に、ソリューション提案支援サーバ101は、ユーザが重視する指標を取得する(ステップS1301)。例えば、課題・ソリューション検索UI部501の指標入力部504を介して選択された指標が取得される。次に、ソリューション提案支援サーバ101は、重視する指標に応じて、課題の解決効果を算出するための計算式を選択し、選択した計算式を使用して課題の解決効果を算出する(ステップS1302)。
【0073】
ここで、課題の解決効果を算出するための計算式として、例えば次の式(6)を使用してもよい。これによって、課題の類似度、課題の重要度及びソリューションの導入結果の指標のそれぞれに重み付けをした合計値が課題の解決効果として算出される。
【0074】
【数6】
【0075】
課題の類似度の重みSa、課題の重要度の重みSb及びソリューションの導入結果の指標の重みScは、ユーザがどの指標を重視するかに応じて変更することができる。例えば、ユーザが重視する指標の重みを最も大きく、その他の指標の重みを小さくしてもよい。
【0076】
具体的には、例えば、ユーザが課題の類似度を重視する場合にはSa=0.5、Sb=0.25、Sc=0.25とし、ユーザが課題の重要度を重視する場合にはSa=0.25、Sb=0.5、Sc=0.25とし、ユーザがソリューションの導入結果の指標を重視する場合にはSa=0.25、Sb=0.25、Sc=0.5としてもよい。これによって、ユーザが重視する指標が分かっている場合には、その指標に応じて適切なソリューションの提案を行うことができる。
【0077】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0078】
(1)計算機システムによって実行されるソリューション提案支援方法であって、計算機システムは、プロセッサ(例えばCPU202)と、記憶部(例えば記憶部205)と、を有し、記憶部は、複数の課題と、複数の課題の各々を解決するための複数のソリューションと、を対応付ける課題ソリューション情報(例えば課題・ソリューション情報テーブル2058)、及び、各ソリューションの導入結果を示す導入結果情報(例えば営業情報テーブル2057)を保持し、導入結果情報は、ソリューション提案の対象顧客において導入済みのソリューションを示す情報を含み、ソリューション提案支援方法は、プロセッサが、課題に対応する複数のソリューションのうち、対象顧客において導入済みのソリューションの割合に基づいて、課題の重要度を算出する第1手順(例えば図7の課題重要度算出プログラム2054に基づく処理)と、プロセッサが、重要度に基づいて、ソリューションによる課題の解決効果の指標を算出し、その結果を出力する第2手順(例えば図7の解決効果算出プログラム2056に基づく処理)と、を含む。
【0079】
これによって、解決手段の導入状況に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0080】
(2)上記(1)に記載のソリューション提案支援方法であって、第1手順において、プロセッサは、課題に対応する複数のソリューションのうち、対象顧客において導入済みのソリューションの割合が高いほど重要度が高くなるように、重要度を算出する。
【0081】
これによって、解決手段の導入状況に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0082】
(3)上記(2)に記載のソリューション提案支援方法であって、第2手順において、プロセッサは、課題に対応する全てのソリューションが対象顧客において導入済みの場合、当該課題に対応するソリューションを、ソリューションによる課題の解決効果の指標の算出の対象から除外する。
【0083】
これによって、解決手段の導入状況に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0084】
(4)上記(2)に記載のソリューション提案支援方法であって、課題ソリューション情報において、複数の課題は、複数の上位課題(例えば上位課題3012)と、各上位課題に対応する1以上のサブ課題(例えばサブ課題3013)と、を含み、各サブ課題と各ソリューションとが対応付けられる。
【0085】
これによって、解決手段の導入状況に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0086】
(5)上記(1)に記載のソリューション提案支援方法であって、導入結果情報は、複数の顧客におけるソリューションの導入結果を示す情報を含み、ソリューション提案支援方法は、プロセッサが、入力されたキーワードと課題との類似度を算出する第3手順(例えば図7の類似度算出プログラム2051に基づく処理)と、プロセッサが、ソリューションの導入結果の指標を算出する第4手順(例えば図7のソリューション導入結果算出プログラム2055に基づく処理)と、をさらに含み、第2手順において、プロセッサは、類似度と、重要度と、ソリューションの導入結果の指標と、に基づいて、ソリューションによる課題の解決効果の指標を算出する。
【0087】
これによって、解決手段の導入状況及び課題の類似度に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0088】
(6)上記(5)に記載のソリューション提案支援方法であって、課題ソリューション情報は、複数の業務(例えば取組領域3011)と複数の課題とを対応付ける情報を含み、プロセッサが、複数の課題のうち類似度が最も高い課題に対応する業務を特定し、特定した業務に対応する全ての課題及びソリューションを検索範囲として特定する第5手順(例えば図7の検索範囲特定プログラム2052に基づく処理)をさらに含み、プロセッサは、第5手順によって特定された検索範囲内の課題及びソリューションを対象として、第1手順及び第4手順を実行する。
【0089】
これによって、解決手段の導入状況及び課題の類似度に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0090】
(7)上記(5)に記載のソリューション提案支援方法であって、導入結果情報は、ソリューションを導入したことによって生じた売上を示す情報(例えば導入による売上4012)、ソリューションを導入した事業者を示す情報(例えば導入済み会社名4013)、及び、ソリューションを導入した事業者又は当該事業者にソリューションを提案した営業担当者によってリューションに与えられた評価を示す情報(例えば高評価回数4014)の少なくともいずれかを含み、第4手順において、プロセッサは、ソリューションを導入したことによって生じた売上の大きさ、ソリューションを導入した事業者の数の多さ、及び、ソリューションに与えられた評価の高さの少なくともいずれかを示すソリューションの導入結果の指標を算出する。
【0091】
これによって、解決手段の導入状況及び課題の類似度に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0092】
(8)上記(5)に記載のソリューション提案支援方法であって、第2手順において、プロセッサは、類似度、前記重要度及びソリューションの導入結果の指標の少なくともいずれかが高いほどソリューションによる課題の解決効果が高くなるように、ソリューションによる課題の解決効果の指標を算出する(例えば式(5)に基づく算出)。
【0093】
これによって、解決手段の導入状況及び課題の類似度に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0094】
(9)上記(8)に記載のソリューション提案支援方法であって、第2手順において、プロセッサは、類似度、重要度及びソリューションの導入結果の指標のうち、重視される指標を指定する情報が入力された場合、指定された指標にその他の指標より大きい重み値を付与した加重計算を行うことによって、ソリューションによる課題の解決効果の指標を算出する(例えば式(6)に基づく算出)。
【0095】
これによって、解決手段の導入状況、課題の類似度、及び、顧客の重視する基準に基づいて、顧客が導入を検討する対象となりやすいと推定される解決手段を提案することができる。
【0096】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0097】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0098】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0099】
100 ソリューション提案支援システム
101 ソリューション提案支援サーバ
102 端末
103 通信ネットワーク
104 営業情報管理サーバ
201、207 入力部
202、208 CPU
203、209 表示部
204、206 通信部
205、210 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13