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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135537
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20230921BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20230921BHJP
   H01H 3/12 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
H01H13/14 A
G05G1/02 B
H01H13/14 B
H01H3/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040799
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 彰人
(72)【発明者】
【氏名】坂井 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】内藤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 蓮也
(72)【発明者】
【氏名】奥田 悠
【テーマコード(参考)】
3J070
5G025
5G206
【Fターム(参考)】
3J070AA07
3J070BA81
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
5G025AA06
5G025BA04
5G025CA05
5G025EA02
5G206AS02H
5G206AS02J
5G206GS27
5G206HS16
5G206HS23
5G206HW28
(57)【要約】
【課題】組み付けが容易となる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、押し込み操作を受け付ける操作部2と、押し込み操作に伴う操作部2の傾いた移動を緩和するスタビライザ3と、スタビライザ3を支持する支持部4と、支持部4が設けられた基部12と、スタビライザ3の終端部が置かれる載置面52を有して基部12に設けられ、操作部2を基部12に組み付ける準備段階において載置面52及び支持部4によりスタビライザ3を基部12に保持する少なくとも1つの載置部5と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押し込み操作を受け付ける操作部と、
前記押し込み操作に伴う前記操作部の傾いた移動を緩和する緩和部材と、
前記緩和部材を支持する支持部と、
前記支持部が設けられた基部と、
前記緩和部材の終端部が置かれる載置面を有して前記基部に設けられ、前記操作部を前記基部に組み付ける準備段階において前記載置面及び前記支持部により前記緩和部材を前記基部に保持する少なくとも1つの載置部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記操作部を前記基部に組み付ける際、挿入された前記緩和部材の前記終端部を、組み付け方向から組み付け方向と交差する方向に案内することで前記緩和部材を前記交差する方向に回転させ、前記操作部が前記基部に組み付けられた後、前記支持部と共に前記緩和部材を保持するように前記緩和部材の左右の前記終端部のそれぞれに対応して前記操作部に設けられた案内部を備えた、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記案内部は、前記操作部を前記基部に組み付ける際に前記緩和部材の前記終端部が挿入される挿入溝と、前記挿入溝から傾いた傾斜面を有する傾斜溝と、前記挿入溝と交差した方向に伸びた溝であって前記傾斜溝と繋がる交差溝と、を備えた、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記緩和部材は、細長い棒形状を有し、
前記支持部に支持された被支持部と、前記被支持部の両端部から対向する方向に折り曲げて形成された第1の折曲部及び第2の折曲部と、前記第1の折曲部及び前記第2の折曲部の端部から互いに離れる方向に折り曲げられた前記終端部としての第1の終端部及び第2の終端部と、を備えた、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記緩和部材は、前記被支持部の短手方向の断面の中心を回転中心として第1の方向に前記緩和部材が回転する場合、前記準備段階において前記載置面に置かれた前記終端部が前記回転中心を基準とした12時の位置から前記第1の方向と反対の第2の方向に移動した位置に支持される、
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記載置部は、前記緩和部材が前記載置面に置かれた状態から前記第2の方向の回転を阻害するように前記載置面の端部に凸部を有する、
請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記基部から立ち上がる支持基部と、前記操作部を前記基部に組み付ける際、前記緩和部材が回転する前記交差する方向とは反対方向に突出する突出部と、を有し、
前記緩和部材の前記被支持部の頂点から前記終端部の下点までの距離は、前記緩和部材が接触する前記突出部の下面から前記載置面までの距離以上である、
請求項6に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、押し釦と、押し釦を挿入するための穴を形成したエスカッションと、エスカッションの裏面側に取付けられて押し釦を裏面側から表面側へ向けて弾性的に押圧する上下の弾性付勢部及び電気的なスイッチ部とを設けた基板と、押し釦及びエスカッション間に揺動可能に取付けたスタビライザと、を備えた押し釦スイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このスタビライザは、直線状の係止部と、この両端から90度折り曲げられた2つの腕部とでコ字状に形成されると共に、これらの腕部の先端からそれぞれ90度折り曲げられて係止部に平行でかつ互いに離間する方向に伸びる2つの係合部が設けられている。スタビライザは、この両係合部が常に一直線上にあるようにその姿勢を保つようにして押し釦をその左右から支えるので、押し釦の傾いた動きを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-11746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなスタビライザは、例えば、押し釦の傾いた状態での移動を弾性力によって抑制するため、取り付けの際、この弾性力に抗してスタビライザを保持する治具が必要となって組み付けに手間が掛かる問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、組み付けが容易となる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、押し込み操作を受け付ける操作部と、押し込み操作に伴う操作部の傾いた移動を緩和する緩和部材と、緩和部材を支持する支持部と、支持部が設けられた基部と、緩和部材の終端部が置かれる載置面を有して基部に設けられ、操作部を基部に組み付ける準備段階において載置面及び支持部により緩和部材を基部に保持する少なくとも1つの載置部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組み付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、車両内部の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置の上面図の一例であり、図1(c)は、操作装置の側面図の一例である。
図2図2(a)は、操作装置のブロック図の一例であり、図2(b)及び図2(c)は、スタビライザの緩和動作の一例について説明するための図である。
図3図3(a)は、スタビライザの一例を示す図であり、図3(b)は、案内部の一例を示す図である。
図4図4(a)は、支持部の一例を示す図であり、図4(b)及び図4(c)は、変形例の支持部の一例を示す図である。
図5図5(a)は、載置部の一例を示す図であり、図5(b)は、載置面の一例を説明するための図であり、図5(c)は、変形例の載置面の一例を説明するための図である。
図6図6(a)は、準備段階の一例を示す図であり、図6(b)は、組み付けた後の一例を示す図である。
図7図7(a)~図7(f)は、操作部を支持部に組み付ける際のスタビライザの動きの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、押し込み操作を受け付ける操作部と、押し込み操作に伴う操作部の傾いた移動を緩和する緩和部材と、緩和部材を支持する支持部と、支持部が設けられた基部と、緩和部材の終端部が置かれる載置面を有して基部に設けられ、操作部を基部に組み付ける準備段階において載置面及び支持部により緩和部材を基部に保持する少なくとも1つの載置部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、組み付け前に緩和部材を治具によって保持しなくても少なくとも1つの載置部の載置面及び支持部により、緩和部材を基部に保持することができるので、治具を用いる場合と比べて、組み付けが容易となる。
【0012】
[実施の形態]
(操作装置1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係る操作装置が搭載された車両内部の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置の上面図の一例であり、図1(c)は、操作装置の側面図の一例である。図2(a)は、実施の形態に係る操作装置のブロック図の一例であり、図2(b)及び図2(c)は、スタビライザによる操作部の傾いた移動の緩和動作の一例について説明するための図である。図3(a)は、実施の形態に係る操作装置のスタビライザの一例を示す図であり、図3(b)は、案内部の一例を示す図である。図4(a)は、実施の形態に係る操作装置の支持部の一例を示す図であり、図4(b)及び図4(c)は、変形例に係る支持部の一例を示す図である。図5(a)は、実施の形態に係る操作装置の載置部の一例を示す図であり、図5(b)は、載置面の一例を説明するための図であり、図5(c)は、変形例に係る載置面の一例を説明するための図である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図2(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0014】
本実施の形態の操作装置1は、一例として、図1(a)に示すように、車両8の運転席と助手席の間に位置するフロアコンソール80に配置されている。操作装置1は、例えば、車両8に搭載された車載装置83を操作するように構成されている。この車載装置83は、一例として、車両全体の設定や自動運転機能の制御を行う車両制御装置、車室内の温度を調整する空調装置、現在地の地図や目的地までの誘導を行うナビゲーション装置、画像を表示する表示装置、シートの位置や傾きなどを制御するシート装置、音楽や映像を再生する音楽及び映像再生装置などである。なお操作装置1は、例えば、これらの車載装置83に有線又は無線によって接続された携帯端末などを操作することも可能である。
【0015】
操作装置1は、図1(b)~図4(a)に示すように、押し込み操作を受け付ける操作部2と、押し込み操作に伴う操作部2の傾いた移動を緩和する緩和部材としてのスタビライザ3と、スタビライザ3を支持する支持部4と、支持部4が設けられた基部12と、スタビライザ3の後述する終端部が置かれる載置面52を有して基部12に設けられ、操作部2を基部12に組み付ける準備段階において載置面52及び支持部4によりスタビライザ3を基部12に保持する少なくとも1つの載置部5と、を備えて概略構成されている。
【0016】
また操作装置1は、図3(b)に示すように、操作部2を基部12に組み付ける際、挿入されたスタビライザ3の終端部を、組み付け方向(矢印A方向)から組み付け方向と交差する方向(矢印B方向)に案内することでスタビライザ3を交差する方向に回転させ、操作部2が基部12に組み付けられた後、支持部4と共にスタビライザ3を保持するようにスタビライザ3の左右の終端部のそれぞれに対応して操作部2に設けられた案内部6を備えている。
【0017】
本実施の形態の操作装置1は、図1(c)及び図2(a)に示すように、操作面20に接触又は接近した検出対象を検出するタッチセンサ22と、操作部2の押し込み操作を検出するプッシュスイッチ23と、タッチセンサ22とプッシュスイッチ23の検出に応じて車載装置83に操作情報Sを出力する制御部14と、を備えている。
【0018】
タッチセンサ22は、静電容量方式で検出対象の操作位置を検出して検出情報Sを生成して制御部14に出力する。この検出情報Sには、一例として、検出対象を検出した操作面20の位置座標の情報を含んでいる。なお検出対象は、一例として、ユーザの操作指である。
【0019】
プッシュスイッチ23は、操作部2の押し込み操作、つまり操作面20になされたプッシュ操作を検出し、スイッチ信号Sを生成して制御部14に出力する。プッシュスイッチ23は、一例として、マイクロスイッチである。このプッシュスイッチ23は、例えば、少なくとも一方の案内部6の下方の基部12に設けられ、プッシュ操作による当該案内部6の移動に伴ってオンするように構成されている。
【0020】
制御部14は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。
【0021】
操作装置1は、例えば、操作面20になされたタッチ操作やなぞり操作に基づいて車載装置83の表示画面に表示されたカーソルを移動させたり、設定値を変更させたりすることができる。また操作装置1は、例えば、操作面20に対してなされたプッシュ操作により、選択された機能を実行するように車載装置83を制御することができる。
【0022】
つまり本実施の形態の操作装置1は、タッチセンサ22で操作面20になされたタッチ操作などを検出すると共に、操作面20になされたプッシュ操作を検出するように構成されている。
【0023】
変形例として操作装置1は、例えば、図1(a)に示すように、スイッチ81やスタートスイッチ82などのプッシュ操作のみを受け付けるスイッチとして構成されても良い。スイッチ81は、例えば、車載装置83の機能が割り当てられ、受け付けたプッシュ操作によって当該機能を実行させる。またスタートスイッチ82は、例えば、受け付けたプッシュ操作に基づいて車両8の駆動装置を駆動したり、駆動していた駆動装置を停止させたりすることができる。
【0024】
(操作部2の構成)
操作部2は、図1(b)及び図1(c)に示すように、板形状を有し、その裏面21の長手方向の両端部には、案内部6が設けられている。操作部2は、操作面20に対するタッチ操作やなぞり操作などを受け付けると共に、操作面20に対するプッシュ操作を受け付けるように構成されている。この操作面20は、図1(b)の紙面の横方向に長い矩形状を有しているので、短手方向の対向する辺201の方が長手方向の対向する辺202よりも長い。
【0025】
このように長手方向とは、図1(b)の紙面の左右方向である。また短手方向とは、図1(b)の紙面の上下方向である。長手方向の両端部とは、対向する辺202の近傍の端部である。なお操作面20は、正方形状であっても良い。この場合、スタビライザ3は、一例として、上下方向と左右方向に配置される。
【0026】
操作部2は、上部にタッチセンサ22が設けられている。操作部2の表面は、タッチセンサ22の操作面20となっている。
【0027】
操作部2は、筐体10に取り付けられている。この筐体10は、一例として、図1(c)に示すように、上部筐体11と、基部12と、によって構成されている。上部筐体11は、開口110を有し、この開口110には操作面20が露出している。
【0028】
基部12は、一例として、2つの支持部4と2つの載置部5が設置面120に設けられている。なお載置部5は、いずれか一方のみであっても良い。基部12には、上部筐体11がねじなどによって取り付けられる。上部筐体11及び基部12は、例えば、樹脂材料を用いて形成される。
【0029】
(スタビライザ3の構成)
スタビライザ3は、図3(a)に示すように、金属材料を用いて細長い棒形状に形成されている。スタビライザ3は、支持部4に支持された被支持部30と、被支持部30の両端部から対向する方向に折り曲げて形成された第1の折曲部31及び第2の折曲部32と、第1の折曲部31及び第2の折曲部32の端部から互いに離れる方向に折り曲げられた終端部としての第1の終端部33及び第2の終端部34と、を備えている。
【0030】
被支持部30は、図3(a)に示すように、直線形状を有している。この被支持部30は、基部12に取り付けられた際、支持部4の後述する突出部41の下面42と接触している。
【0031】
第1の折曲部31は、図3(a)の紙面の左側であって、被支持部30から上方向に折り曲げられて形成されている。第1の折曲部31は、一例として、被支持部30とのなす角度が90°であるがこれに限定されない。
【0032】
第2の折曲部32は、図3(a)の紙面の右側であって、被支持部30から上方向に折り曲げられて形成されている。第2の折曲部32は、一例として、第1の折曲部31と対向するように、かつ同じ角度で折り曲げられて形成される。
【0033】
第1の終端部33は、図3(a)の紙面の左側であって、第1の折曲部31から左方向に折り曲げられて形成されている。第1の終端部33は、一例として、第1の折曲部31とのなす角度が90°であり、かつ被支持部30と平行となるがこれに限定されない。
【0034】
第2の終端部34は、図3(a)の紙面の右側であって、第1の終端部33とは逆の方向、つまり第2の折曲部32から右方向に折り曲げられて形成されている。第2の終端部34は、一例として、第2の折曲部32とのなす角度が90°であり、かつ被支持部30と平行となるがこれに限定されない。
【0035】
スタビライザ3は、図5(b)に示すように、被支持部30の短手方向の断面の中心300を回転中心として第1の方向35にスタビライザ3が回転する場合、準備段階において載置面52に置かれた終端部が回転中心を基準とした12時の位置から第1の方向35と反対の第2の方向36に移動した位置に支持される。
【0036】
具体的には、載置部5がスタビライザ3の第1の終端部33の方に配置され、被支持部30側から見た場合、図5(b)に示すように、第1の終端部33は、準備段階において載置面52に置かれた状態では、12時の位置を示す基準線71から第2の方向36に回転した準備位置72において支持される。図5(b)に示す二点鎖線は、被支持部30の中心と第1の終端部33の中心を結ぶ直線である。
【0037】
なお載置部5がスタビライザ3の第2の終端部34の方に配置され、被支持部30側から見た場合、第2の終端部34は、準備段階において載置面52に置かれた状態では、12時の位置を示す基準線71から第2の方向36に回転した準備位置72に支持される。さらに載置部5がスタビライザ3の第1の終端部33及び第2の終端部34の方に配置された場合、同様に第2の方向36に回転した準備位置72に支持される。
【0038】
スタビライザ3は、図4(b)に示すように、操作部2が基部12にセットされた場合、第1の終端部33及び第2の終端部34が被支持部30と略水平となる組付位置73まで第1の方向35に回転する。この際、被支持部30は、支持部4と接触した状態で第1の方向35に回転する。つまりスタビライザ3は、第1の終端部33及び第2の終端部34の回転により、中心300を回転中心として全体が第1の方向35に回転する。
【0039】
(支持部4の構成)
支持部4は、図4(a)に示すように、基部12から立ち上がる支持基部40と、操作部2を基部12に組み付ける際、スタビライザ3が回転する交差する方向(交差方向B)とは反対方向に突出する突出部41と、を有している。
【0040】
支持基部40は、例えば、樹脂材料を用いて板形状に形成されている。突出部41は、支持基部40の側面400から突出し、被支持部30の上方向の移動を抑制している。スタビライザ3は、側面400及び下面42と接触を保ちつつ第1の方向35及び第2の方向36に回転する。なお変形例として突出部41の下面42は、被支持部30の形状に応じた凹面とされても良い。
【0041】
支持部4は、一例として、図2(b)及び図2(c)に示すように、操作部2の案内部6に応じて基部12の長手方向の左右に設けられている。また支持部4は、スタビライザ3の回転を支持するので、第1の折曲部31及び第2の折曲部32の近くに配置されている。
【0042】
変形例として支持部4は、下面42にスタビライザ3を回転可能に嵌め込む凹部が設けられても良い。また支持部4は、複数ではなく、被支持部30の中央を支持するように1つ設けられても良い。
【0043】
また他の変形例として支持部4は、図4(b)に示すように、突出部41の下方に側面400から張り出す張出部43と、突出部41と張出部43との間に設けられた凹部44と、をさらに有して構成されても良い。この凹部44は、挿入されたスタビライザ3の被支持部30を支持すると共に被支持部30の上下方向の移動を抑制する。なお支持部4は、支持基部40の側面400に凹部44を備えた構成としても良い。
【0044】
さらに他の変形例として支持部4は、図4(c)に示すように、第1の支持部4aと、第2の支持部4bと、を備えて構成されても良い。第1の支持部4aは、実施の形態と同じ支持部4である。第2の支持部4bは、上面45がスタビライザ3の被支持部30を支持して下方向の移動を抑制する。スタビライザ3は、第1の支持部4aと第2の支持部4bにより保持される。
【0045】
(載置部5の構成)
載置部5は、一例として、図2(b)及び図2(c)に示すように、支持部4と案内部6の間となる基部12の設置面120に2つ配置されている。載置部5は、例えば、樹脂材料を用いて板形状に形成されている。この載置部5は、載置基部50の上面が載置面52となっている。載置面52は、後述する凸部53側がスタビライザ3の形状に応じた凹面を有している。
【0046】
載置部5は、図5(a)に示すように、スタビライザ3が載置面52に置かれた状態から第2の方向36の回転を阻害するように載置面52の端部に凸部53を有している。スタビライザ3は、図5(b)に示すように、載置面52に置かれた状態では、凸部53が第1の終端部33の第2の方向36の回転において壁になるので回転が阻害される。
【0047】
また載置部5は、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1の方向35側の角部54がスタビライザ3の回転を阻害しないように曲面となっている。角部54が曲面ではない場合、スタビライザ3の下点332の第1の方向35の回転の軌跡350が曲面でない角部54と交差する可能性があり、操作部2を基部12に組み付け難くなる。なお下点332は、載置面52に接触する第1の終端部33の点である。
【0048】
スタビライザ3の被支持部30の頂点301から第1の終端部33の下点332までの距離Hは、スタビライザ3が接触する突出部41の下面42から載置面52までの距離H以上である。同様に、スタビライザ3の被支持部30の頂点301から第2の終端部34の下点341までの距離Hは、スタビライザ3が接触する突出部41の下面42から載置面52までの距離H以上である。なお距離Hは、距離Hと等しい。
【0049】
本実施の形態の被支持部30の頂点301から終端部の下点332までの距離Hは、距離Hと等しい。つまりスタビライザ3は、載置面52に置かれた状態では、被支持部30の中心300と第1の終端部33の中心331までの距離Lが変わらず、弾性変形しないので、第1の方向35及び第2の方向36に回転し易い。
【0050】
なお変形例として載置面52は、図5(c)に示すように、スタビライザ3の形状に応じた凹形状を有しても良い。この場合、第1の終端部33の下点332の軌跡350よりも載置面52が高い位置が生じるので、載置面52に置く際にスタビライザ3が弾性変形した後、スタビライザ3が支持され安定する。
【0051】
さらに他の変形例として載置部5は、角部54に終端部が接触しないのであれば、角部54を曲面としなくても良い。
【0052】
スタビライザ3は、図2(b)及び図2(c)に示すように、第1の終端部33及び第2の終端部34が載置面52に置かれた際、第1の終端部33の最端部330、及び第2の終端部34の最端部340が載置面52の外に露出する。この最端部330及び最端部340が案内部6に挿入される。
【0053】
(案内部6の構成)
案内部6は、図2(b)及び図2(c)に示すように、操作部2の長手方向に沿って、対向して配置されている。案内部6は、例えば、樹脂材料を用いて板形状に設けられている。案内部6は、操作部2と一体に形成されても良いし、ねじなどによって取り付けられても良い。なお案内部6の構成は、左右で同一であるので、スタビライザ3の第1の終端部33が取り付けられる案内部6について説明する。
【0054】
案内部6は、図3(b)に示すように、操作部2を基部12に組み付ける際にスタビライザ3の終端部が挿入される挿入溝60と、挿入溝60から傾いた傾斜面610を有する傾斜溝61と、挿入溝60と交差した方向(交差方向B)に伸びた溝であって傾斜溝61と繋がる交差溝62と、を有している。なお挿入溝60、傾斜溝61及び交差溝62は、溝形状に限定されず、貫通孔として構成されても良い。
【0055】
挿入溝60は、図3(b)の紙面において上下方向に設けられた直線状の溝であり、基部12に操作部2を取り付ける際、スタビライザ3の最端部330が挿入される。
【0056】
傾斜溝61は、図3(b)の紙面において組付方向Aに対して傾斜し、挿入されたスタビライザ3の最端部330と接触してスタビライザ3を交差方向Bに移動、つまり第1の方向35に回転させるように設けられている。
【0057】
交差溝62は、図3(b)の紙面において左右方向に伸びる溝である。スタビライザ3の最端部330は、この交差溝62によって保持される。なお最端部340は、第2の終端部34側の案内部6の交差溝62によって保持される。
【0058】
(操作部2の傾いた移動の緩和について)
操作装置1は、図1(b)の紙面において操作面20が左右方向の長さが上下方向の長さより長い長方形状を有している。操作部2は、操作面20の中央200の近傍であれば中心から上下左右ずれた位置でプッシュ操作されても操作部2の傾きながらの移動が小さい。
【0059】
しかし操作部2は、一例として、図2(b)の紙面において操作面20の左側の端部にプッシュ操作が行われた場合、初期位置線70に対して当該端部が下がり、傾きながら移動する。傾きながら移動する場合、当該端部と反対側の端部に配置された案内部6の下方にプッシュスイッチ23が配置されていると、プッシュ操作を検出し難くなる。
【0060】
当該端部にプッシュ操作が行われた場合、スタビライザ3は、図2(b)に示すように、操作指9のプッシュ操作による荷重Fによって第1の終端部33が案内部6の交差溝62の上面620に押されて下方に移動する。この移動によってスタビライザ3にねじれが生じるので、第2の終端部34は、このねじれによる弾性力Fによって第1の終端部33に追従するように下方に移動する。つまりスタビライザ3は、第1の終端部33に追従して第1の方向35に回転する。従って操作部2は、図2(c)に示すように、傾きながらの移動が解消される。
【0061】
(組み付けについて)
図6(a)は、実施の形態に係る操作装置の準備段階の一例を示す図であり、図6(b)は、操作部を支持部に組み付けた後の一例を示す図である。図7(a)~図7(f)は、実施の形態に係る操作装置の操作部を支持部に組み付ける際のスタビライザの動きの一例を説明するための図である。
【0062】
準備段階では、図6(a)に示すように、支持部4の突出部41の下面42と側面400にスタビライザ3の被支持部30を接触させつつスタビライザ3を第2の方向36に回転させて第1の終端部33及び第2の終端部34を左右の載置部5の載置面52に載せることで、スタビライザ3を基部12にセットする。
【0063】
次に操作部2を基部12に組み付けるため、左側の案内部6の挿入溝60に第1の終端部33の位置を合わせると共に、右側の案内部6の挿入溝60に第2の終端部34の位置を合わせ、操作部2を組付方向Aに移動させる。以下では、主に左側の第1の終端部33の最端部330の移動について説明する。
【0064】
最端部330は、図7(a)に示すように、挿入溝60に挿入された後、傾斜溝61の傾斜面610に接触する。
【0065】
続いて最端部330は、図7(b)に示すように、さらに操作部2が組付方向Aに移動すると、傾斜面610に押されて、被支持部30及び第1の終端部33が第1の方向35に回転する。つまりスタビライザ3は、第1の方向35に回転する。この回転により、第1の終端部33及び第2の終端部34は、載置面52から離れる。
【0066】
続いて最端部330は、図7(c)に示すように、さらに操作部2が組付方向Aに移動すると、傾斜面610に押されて傾斜面610と交差溝62の上面620に接触するように移動する。スタビライザ3は、さらに第1の方向35に回転する。
【0067】
続いて最端部330は、図7(d)に示すように、さらに操作部2が組付方向Aに移動すると、上面620に押されて交差溝62を右方向、つまり交差方向Bに移動する。スタビライザ3は、さらに第1の方向35に回転する。
【0068】
続いて最端部330は、図7(e)に示すように、さらに操作部2が組付方向Aに移動すると、さらに上面620に押されて交差溝62を交差方向Bに移動する。スタビライザ3は、さらに第1の方向35に回転する。
【0069】
続いて最端部330は、図7(f)に示すように、さらに操作部2が組付方向Aに移動すると、さらに上面620に押されて交差溝62を交差方向Bに移動して組付位置73に到達し、組み付けが終了する。
【0070】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、組み付けが容易となる。具体的には、操作装置1は、組み付け前にスタビライザ3を治具によって保持しなくても載置部5の載置面52及び支持部4により、スタビライザ3を基部12にセットすることができるので、治具を用いる場合と比べて、組み付けが容易となる。
【0071】
操作装置1は、スタビライザ3を支持部4の下面42と側面400に接触させつつ第2の方向36に回転させて第1の終端部33及び第2の終端部34を載置面52に載せ、スタビライザ3を支持部4にセットすることができるので、治具を用いる工程がなくなって製造コストを低減することができる。また操作装置1は、スタビライザ3を基部12に容易にセットすることができるので、人の手で容易に組み付けが可能となる。
【0072】
操作装置1は、スタビライザ3を基部12にセットした後、基部12に対して操作部2を組付方向Aに移動させることで、スタビライザ3が案内部6に案内されて組付位置73にセットされるので、この構成を採用しない場合と比べて、簡単に組み付けを行うことができる。
【0073】
操作装置1は、スタビライザ3を基部12に容易にセットすることができ、かつ操作部2を基部12に容易に組み付けることができるので、治具などの道具や機械の使用を抑制して製造コストを抑制することができる。また操作装置1は、スタビライザ3を基部12に容易にセットすることができ、かつ操作部2を基部12に容易に組み付けることができるので、治具を用いずに、機械による自動組付も容易となる。
【0074】
操作装置1は、スタビライザ3の第1の終端部33の準備位置72が基準線71よりも第2の方向36に回転した位置となるので、この構成を採用しない場合と比べて、保持のための弾性力を付加しなくてもスタビライザ3が基部12から外れ難くすることができ、またスタビライザ3の第2の方向36の回転が容易で組み付け易くなる。
【0075】
操作装置1は、スタビライザ3の被支持部30の頂点301から第1の終端部33の下点332までの距離Hが突出部41の下面42から載置面52までの距離H以上であるので、この構成を採用しない場合と比べて、スタビライザ3のセットが容易となる。
【0076】
操作装置1は、スタビライザ3を下から支える治具を必要としないので、基部12に治具用の開口などが必要なく、設計の自由度が向上する。
【0077】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1…操作装置、2…操作部、3…スタビライザ、4…支持部、5…載置部、6…案内部、12…基部、30…被支持部、31…第1の折曲部、32…第2の折曲部、33…第1の終端部、34…第2の終端部、35…第1の方向、36…第2の方向、40…支持基部、41…突出部、42…下面、52…載置面、53…凸部、54…角部、60…挿入溝、61…傾斜溝、62…交差溝、610…傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7