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特開2023-135538プログラム、情報処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135538
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20230921BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040802
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】523303688
【氏名又は名称】ワークスモバイルジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】安藝 俊介
(72)【発明者】
【氏名】南川 雅寛
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】請求書の画像データに基づいて適切に仕訳を行う手法を提案する。
【解決手段】情報処理装置によって実行されるプログラムは、請求書の画像データを認識する第1処理を情報処理装置の制御部によって行うことと、第1処理に基づいて、請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を制御部によって行うことと、仕訳用に設定された設定データに基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を制御部によって行うことと、仕訳データを情報処理装置の出力部に出力させる制御を制御部によって行うこととが情報処理装置によって実行される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
請求書の画像データを認識する第1処理を前記情報処理装置の制御部によって行うことと、
前記第1処理に基づいて、前記請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を前記制御部によって行うことと、
仕訳用に設定された設定データに基づいて、前記仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を前記制御部によって行うことと、
前記仕訳データを前記情報処理装置の出力部に出力させる制御を前記制御部によって行うこととが前記情報処理装置によって実行される。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記第3処理は、前記設定データと前記仕訳対象情報とを照合することに基づいて、前記仕訳対象情報と対応する前記仕訳データを生成する処理を含む。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記設定データは、第1取引先情報と第1件名情報と第1明細名情報と勘定科目情報とを含み、
前記第3処理は、前記第1取引先情報と前記取引先情報とを照合する第5処理と、前記第1件名情報と前記件名情報とを照合する第6処理と、前記第1明細名情報と前記明細名情報とを照合する第7処理とを含み、前記第5処理と前記第6処理と前記第7処理とのうちの少なくともいずれか1つの処理に基づいて、前記仕訳対象情報と対応する前記勘定科目情報を決定する処理を含む。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記第1取引先情報と前記第1件名情報と前記第1明細名情報とで第1情報が構成され、
前記第1情報のうちの少なくともいずれか1つの情報は、任意の文字列として展開可能なワイルドカード文字を含む。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記第1件名情報は、前記ワイルドカード文字を含み、
前記第6処理は、前記ワイルドカード文字を展開した前記第1件名情報の文字列と、前記件名情報の文字列とを照合する処理を含む。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のプログラムであって、
前記第1明細名情報は、前記ワイルドカード文字を含み、
前記第7処理は、前記ワイルドカード文字を展開した前記第1明細名情報の文字列と、前記明細名情報の文字列とを照合する処理を含む。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記設定データは、前記勘定科目情報に関する優先度を含み、
前記第3処理は、前記優先度に基づいて、前記仕訳対象情報と対応する前記仕訳データを生成する処理を含む。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記優先度は、前記ワイルドカード文字の数に基づいて決定される。
【請求項9】
請求項3から請求項8のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第5処理は、前記第1取引先情報と前記取引先情報とが一致しない場合、前記画像データのファイル名と前記取引先情報とを照合する処理を含む。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置は、ユーザの端末と通信するサーバである。
【請求項11】
情報処理装置の情報処理方法であって、
請求書の画像データを認識する第1処理を前記情報処理装置の制御部によって行うことと、
前記第1処理に基づいて、前記請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を前記制御部によって行うことと、
仕訳用に設定された設定データに基づいて、前記仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を前記制御部によって行うことと、
前記仕訳データを前記情報処理装置の出力部に出力させる制御を前記制御部によって行うこととを含む。
【請求項12】
情報処理装置であって、
制御部と出力部とを備え、
前記制御部は、
請求書の画像データを認識する第1処理と、
前記第1処理に基づいて、前記請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理と、
仕訳用に設定された設定データに基づいて、前記仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理と、
前記仕訳データを前記出力部に出力させる制御とを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置、端末、サーバ、システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
引用文献1には、遠隔操作で会計処理をすることができる会計処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-206343号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、情報処理装置によって実行されるプログラムは、請求書の画像データを認識する第1処理を情報処理装置の制御部によって行うことと、第1処理に基づいて、請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を制御部によって行うことと、仕訳用に設定された設定データに基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を制御部によって行うことと、仕訳データを情報処理装置の出力部に出力させる制御を制御部によって行うこととが情報処理装置によって実行される。
本発明の第2の態様によると、情報処理装置の情報処理方法は、請求書の画像データを認識する第1処理を情報処理装置の制御部によって行うことと、第1処理に基づいて、請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を制御部によって行うことと、仕訳用に設定された設定データに基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を制御部によって行うことと、仕訳データを情報処理装置の出力部に出力させる制御を制御部によって行うこととを含む。
本発明の第3の態様によると、情報処理装置は、制御部と出力部とを備え、制御部は、請求書の画像データを認識する第1処理と、第1処理に基づいて、請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理と、仕訳用に設定された設定データに基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理と、仕訳データを出力部に出力させる制御とを行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図。
図2】第1実施形態に係る割付ルールデータベースのデータ構成の一例を示す図。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4】第1実施形態に係る勘定科目割付処理の流れの一例を示すフローチャート。
図5】第1実施形態に係る処理の具体例の一例を示す概念図。
図6】第1実施例に係る通信システムのシステム構成の一例を示す図。
図7】第1実施例に係るサーバの制御部によって実現される機能の一例を示す図。
図8】第1実施例に係るサーバの記憶部に記憶される情報等の一例を示す図。
図9】第1実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図10】第1実施例に係る情報処理装置の表示部に表示される画面の一例を示す図。
図11】第1実施例に係る情報処理装置の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
【0007】
本開示に係るプログラム等を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0008】
以下では、情報処理装置のユーザ、または情報処理装置と通信する端末のユーザが、限定ではなく例として、紙面または電子画像等で提供された請求書から明細を読み取り、その請求書に対して勘定科目割付が行われた仕訳を自動的に実現可能な会計処理システムを例示する。
本明細書では、仕訳において必要な情報のうち、限定ではなく例として、以下の4つの要素について特に着目して説明する。
・取引先名(限定ではなく例として、書類作成者の名称)
・請求書件名(限定ではなく例として、取引内容の概要名)
・明細名(限定ではなく例として、取引内容の細目)
・勘定科目名
なお、勘定科目名を割付することを仕訳と言ってもよい。
【0009】
限定ではなく例として、同一の取引先(限定ではなく例として、取引先名「株式会社AA」の取引先)から複数種類の請求書(限定ではなく例として、請求書件名「アクセス解析サービス利用請求書」の請求書と請求書件名「データセンタ利用請求書」の請求書)が送付される場合が存在する。この場合、複数種類の請求書に、明細名として同じ明細名の項目(限定ではなく例として、明細名「月額利用料」)が含まれる場合、取引先名と明細名とに基づいて請求書ごとに同じ明細名の項目を異なる勘定科目名に割付することが困難であった。
【0010】
<第1実施形態>
第1実施形態は、限定ではなく例として、情報処理装置が、情報処理装置の記憶部に記憶される請求書の電子画像データ(以下、「請求書画像データ」と称する。)に対してOCR(Optical Character Recognition)を実行し、仕訳において必要な各種情報を取得する。すると、情報処理装置は、情報処理装置の記憶部に記憶される割付ルールデータベースを参照し、OCR結果として得られた取引先名と、請求書件名と、明細名とに基づいて、各明細名の項目に勘定科目名を割付し、請求書の仕訳を実行する実施形態である。
【0011】
図1は、本実施形態の一態様に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、限定ではなく例として、会計処理装置と言ってもよいし、仕訳装置と言ってもよいし、勘定項目割付装置と言ってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、限定ではなく例として、OCR部111と、勘定科目割付部113と、勘定科目割付修正部115とを備える。
各部は、限定ではなく例として、情報処理装置の不図示の処理部や制御部が有する機能部であり、限定ではなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)等により構成される。
【0013】
OCR部111は、限定ではなく例として、情報処理装置1の外部の不図示の記憶部に記憶された請求書画像データ151を入力として受け付ける。
OCR部111は、限定ではなく例として、受け付けた請求書画像データ151に対してOCR処理を実行し、請求書画像データ151内に描画される取引先名と請求書件名と明細名との文字列を認識する機能を有する。
ここで、1つの請求書画像データ151からOCR処理によって得られる取引先名と請求書件名とは1つとしてもよい。また、1つの請求書画像データ151からOCR処理によって得られる明細名は複数としてもよい。
なお、OCR処理において、OCR部111は、限定ではなく例として、明細名と紐づけられる金額(単価)や個数等を抽出・認識可能であるようにしてもよい。また、OCR部111は、請求書画像データ151内に描画される各種情報(限定ではなく例として、取引年月日や請求書の交付先名称等)を抽出・認識可能であるようにしてもよい。
【0014】
勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、OCR部111によって認識された取引先名と請求書件名と1以上の明細名とを受け付ける。なお、勘定科目割付部113は、OCR部111によってOCR処理が行われた請求書画像データ151のファイル名を受け付けるようにしてもよい。
勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、情報処理装置1の外部の不図示の記憶部に記憶された割付ルールデータベース153を参照し、限定ではなく例として、取引先名と請求書件名と明細名とに基づいて、各明細名について勘定科目名を割付する機能を有する。
そして、勘定科目割付部113は、各明細名について勘定科目名が割付された請求書画像データ151に対する仕訳結果情報を出力する機能を有する。
【0015】
入出力部12は、限定ではなく例として、勘定科目割付部113から仕訳結果情報を入力として受け付けると、限定ではなく例として、不図示の表示部に出力するなどして、ユーザに提示する。そして、限定ではなく例として、入出力部12に対するユーザ操作(限定ではなく、ユーザ入力の一例)に基づいて、勘定科目名の割付が適切に実行されなかった明細名について、ユーザが適切であると判定する勘定項目名を受け付け、仕訳修正情報として勘定科目割付修正部115に出力する。
【0016】
勘定科目割付修正部115は、限定ではなく例として、入出力部12から仕訳修正情報を受け付けると、受け付けた仕訳修正情報に基づいて、割付ルールデータベース153を更新する機能を有する。
【0017】
図2に、本実施形態における割付ルールデータベース153のデータ構成例を示す。
割付ルールデータベース153は、各明細名に対して勘定科目名を割付するための条件が記述されるデータベースであり、限定ではなく例として、割付IDと、取引先名と、請求書件名と、件名優先度と、明細名と、明細優先度と、勘定科目名と、科目コードと、曖昧探索フラグとが関連付けて記憶される。
【0018】
割付IDは、割付ルールデータベース153における割付ルールを識別するために用いられる情報である。この割付IDは、好ましくは割付ルールごとに一意な値であり、限定ではなく例として、ルール登録時に勘定科目割付修正部115によって割付ルールごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0019】
取引先名は、この割付IDで識別される割付ルールの適用対象となる取引先名を定義するための情報(限定ではなく例として、文字列)であり、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に取引先名として定義する名称が記憶される。
【0020】
請求書件名は、この割付IDで識別される割付ルールの適用対象となる請求書件名を定義するための情報(限定ではなく例として、文字列)であり、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に請求書件名として定義する名称が記憶される。
【0021】
限定ではなく例として、請求書件名「仲介費用請求書」と、請求書件名「初期費用請求書」との2種類の請求書に対して同様の割付ルールを適用したい場合、文字列を一意にのみ指定可能であるとすると、それら2つの請求書件名に関して同様の割付ルールを多数定義する必要が生ずる。そのため、請求書件名には、一意に指定可能な文字列のみならず、文字列の一部を曖昧な状態で定義可能にすることが好ましい。
そこで、本開示の手法では、文字列の一部を曖昧な状態で定義可能にするために、ワイルドカードの概念を導入する。以下では、ワイルドカードを表す特殊文字を「ワイルドカード文字」と称する。ワイルドカード文字は、限定ではなく例として、ワイルドカード文字1文字に対して任意の文字列にマッチする文字とすることができる。
【0022】
限定ではなく例として、図2の例では、ワイルドカード文字を「*」(アスタリスク)として定義している。この場合、請求書件名「*請求書」という文字列は、上記の「仲介費用請求書」や「初期費用請求書」を包含する。また、請求書件名「*請求書*」という文字列は、「サービス利用請求書1月分」や「サブスクリプション請求書12月分」といった文字列を包含する。
【0023】
なお、ワイルドカード文字の他、限定ではなく例として、正規表現を用いて請求書件名の文字列を定義可能としてもよい。また、請求書件名が空白である場合、請求書件名によらず割付ルールの適用対象とするようにしてもよい。
【0024】
件名優先度は、この割付IDで識別される割付ルールの適用優先度を定義するための値である。この件名優先度は、限定ではなく例として、値が大きいほど割付ルールの適用優先度が高いことを示す。
ここで、件名優先度は、限定ではなく例として、以下のように設定されるようにしてもよい。
(A).請求書件名にワイルドカード文字(限定ではなく例として、「*:アスタリスク」)を含む場合
件名優先度はワイルドカード文字の個数。
(B).請求書件名にワイルドカード文字を含まない場合
件名優先度は十分に大きい任意の定数(限定ではなく例として、「10,000」)。
【0025】
限定ではなく例として、割付ID「A04」では、請求書件名内に1つのアスタリスクが含まれる。そのため、件名優先度は「1」に設定される。また、割付ID「A06」では、請求書件名内に2つのアスタリスクが含まれる。そのため、件名優先度は「2」に設定される。割付ID「A01」では、請求書件名内にはアスタリスクが含まれない。そのため、件名優先度は「10,000」に設定される。
【0026】
請求書件名にワイルドカード文字が含まれる場合、ワイルドカード文字の数が少ないほど割付ルールの適用対象となる文字列が広範囲に展開される。そのため、請求書件名にワイルドカード文字が存在する場合、ワイルドカード文字の数が少ないほど割付ルールの適用対象となる可能性が高まる。そこで、ワイルドカード文字の数が少ないほど件名優先度を下げることで、最終的により適切な割付ルールが適用される可能性が高まる。
【0027】
なお、請求書件名にワイルドカード文字以外の正規表現を適用可能とする場合、件名優先度は、限定ではなく例として、Halsted尺度やMcCabe尺度等の複雑度の尺度に基づいて算出するようにしてもよい。これにより、請求書件名中の正規表現で表現可能な文字列が広範囲になるほど、件名優先度が小さくなるように定義することができる。
【0028】
また、請求書件名が空白である場合、限定ではなく例として、件名優先度は上記(B).請求書件名にワイルドカード文字を含まない場合と同様に設定されるようにしてもよい。
【0029】
明細名は、この割付IDで識別される割付ルールの適用対象となる明細名を定義するための情報(限定ではなく例として、文字列)であり、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に明細名として定義する名称が記憶される。
【0030】
この明細名においても、限定ではなく例として、請求書件名と同様にワイルドカード文字を含めるように構成することができる。なお、明細名に正規表現や空白による指定をできるようにしてもよい。
【0031】
明細優先度は、この割付IDで識別される割付ルールの適用優先度を定義するための値である。この明細優先度は、限定ではなく例として、値が大きいほど割付ルールの適用優先度が高いことを示す。
ここで、明細優先度は、限定ではなく例として、件名優先度と同様に設定されるようにしてもよい。
【0032】
勘定科目名は、この割付IDで識別される割付ルールの適用結果として割付が行われる勘定科目の名称を定義するための情報(限定ではなく例として、文字列)であり、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に勘定科目名として選択する名称が記憶される。
【0033】
科目コードは、勘定科目名を識別するために用いられる情報である。この科目コードは、好ましくは勘定科目名ごとに一意な値であり、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが勘定科目名を登録する場合、勘定科目割付修正部115によって勘定科目名ごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に勘定科目名を選択すると、その勘定科目名に紐づけられた科目コードが連動して選択され記憶されるようにすることができる。
【0034】
なお、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際、科目コードを選択するようにしてもよい。この場合、選択された科目コードに紐づけられた勘定科目名が連動して選択され記憶される。
【0035】
曖昧検索フラグは、請求書件名および/または明細名にワイルドカード文字が含まれる場合、そのワイルドカード文字を曖昧な文字列にマッチするワイルドカードとして取り扱うのか、単に記号文字として取り扱うのかを定義するためのフラグ情報である。
曖昧検索フラグは、限定ではなく例として、情報処理装置1のユーザが割付ルールを登録する際に設定するフラグが記憶される。
【0036】
限定ではなく例として、曖昧検索フラグが「TRUE」である場合、請求書件名および/または明細名に定義されたワイルドカード文字(限定ではなく例として、「*:アスタリスク」)はワイルドカードとして取り扱われる。また、件名優先度と、明細優先度とは、ワイルドカード文字の数に基づいて設定される。
限定ではなく例として、曖昧検索フラグが「FALSE」である場合、請求書件名および/または明細名に定義されたワイルドカード文字(限定ではなく例として、「*:アスタリスク」)は単に記号文字列(限定ではなく例として、「*」)として取り扱われる。また、件名優先度と、明細優先度とは、ワイルドカード文字を含まない場合として十分に大きい任意の定数(限定ではなく例として、「10,000」)に設定される。
【0037】
限定ではなく例として、割付ID「A10」では、曖昧検索フラグが「FALSE」に設定されている。そのため、割付ID「A10」では、請求書件名が「*請求書*」という文字列に完全一致する場合、割付ルールの適用対象となり得る。
【0038】
なお、曖昧検索フラグを、請求書件名に対する曖昧検索フラグと、明細名に対する曖昧検索フラグとに分けて定義できるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0039】
図3に、本実施形態における情報処理の手順例を示すフローチャートを示す。
なお、以下説明する処理は、本開示の手法を実現するための処理の一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
以下説明する処理に別のステップを追加してもよいし、以下説明する処理から一部のステップを省略(削除)してもよい。また、一部のステップを入れ替えてもよい。
【0040】
まず、情報処理装置1は、請求書画像データ選択処理を実行する(S110)。
請求書画像データ選択処理において、OCR部111は、限定ではなく例として、入出力部12を介して仕訳を行う請求書の画像データファイル名を受け付けると、画像データファイルを読み込み、請求書画像データ151に受け付けた画像データとファイル名とを記憶させる。
【0041】
次いで、情報処理装置1は、請求書画像データ認識処理を実行する(S130)。
請求書画像データ認識処理において、OCR部111は、限定ではなく例として、請求書画像データ151を入力として受け付けると、OCR処理を実行する。そして、OCR部111は、OCR処理結果に基づいて、請求書画像データ151から取引先名と、請求書件名と、1以上の明細名とを、限定ではなく例として、文字列データとして抽出する。
【0042】
なお、OCR部111は、取引先名、請求書件名、明細名のいずれか1つ以上について抽出に失敗したと判定する場合、限定ではなく例として、入出力部12を介して抽出に失敗した要素に関して手動で文字列を受け付けるようにしてもよい。
【0043】
すると、情報処理装置1は、勘定科目割付処理を実行する(S150)。
勘定科目割付処理において、勘定科目割付部113は、OCR部111から取引先名と、請求書件名と、1以上の明細名とを入力として受け付ける。
以下では、OCR部111から受け付けた取引先名を「仕訳対象取引先名」、請求書件名を「仕訳対象請求書件名」、明細名を「仕訳対象明細名」とそれぞれ呼称する。
なお、勘定科目割付部113は、OCR部111から画像データファイル名を入力として受け付けるようにしてもよい。
【0044】
図4に、勘定科目割付処理の手順例を示すフローチャートを示す。
まず、勘定科目割付部113は、取引先名探索処理を実行する(S1510)。
取引先名探索処理において、勘定科目割付部113は、割付ルールデータベース153を参照し、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と完全一致する取引先名を持つ割付IDを抽出する。
【0045】
なお、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と完全一致する取引先名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、請求書の仕訳結果における取引先名の項目を、限定ではなく例として、「ブランク(空白)」として、勘定科目割付処理を終了するようにしてもよい。
【0046】
また、取引先名探索処理において、勘定科目割付部113は、割付ルールデータベース153を参照し、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と部分一致する取引先名を持つ割付IDを抽出するようにしてもよい。
【0047】
その後、勘定科目割付部113は、請求書件名探索処理を実行する(S1520)。
請求書件名探索処理において、勘定科目割付部113は、割付ルールデータベース153を参照し、限定ではなく例として、S1510のステップにおいて抽出された割付IDのうち、仕訳対象請求書件名と部分一致する請求書件名を持つ割付IDをさらに抽出する。
【0048】
なお、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、仕訳対象請求書件名と部分一致する請求書件名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、限定ではなく例として、S1510のステップにおいて抽出された割付IDのうち、請求書画像データ151のファイル名と部分一致する請求書件名を持つ割付IDをさらに抽出するようにしてもよい。
【0049】
また、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、仕訳対象請求書件名と部分一致する請求書件名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、請求書の仕訳結果における請求書件名の項目を、限定ではなく例として、「ブランク(空白)」として、勘定科目割付処理を終了するようにしてもよい。
【0050】
次いで、勘定科目割付部113は、仕訳対象明細名選択処理を実行する(S1530)。
仕訳対象明細名選択処理において、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、1以上の仕訳対象明細名のうち、勘定科目の割付を行う対象となる仕訳対象明細名を1つ選択する。
【0051】
その後、勘定科目割付部113は、S1530のステップにおいて選択された仕訳対象明細名に対して明細名探索処理を実行する(S1540)。
明細名探索処理において、勘定科目割付部113は、割付ルールデータベース153を参照し、限定ではなく例として、S1520のステップにおいて抽出された割付IDのうち、仕訳対象明細名と部分一致する明細名を持つ割付IDをさらに抽出する。
【0052】
なお、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、仕訳対象明細名と部分一致する明細名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、請求書の仕訳結果におけるS1530のステップにおいて選択された仕訳対象明細名の項目を、限定ではなく例として、「ブランク(空白)」として、S1570のステップに処理を進めるようにしてもよい。
【0053】
すると、勘定科目割付部113は、S1530のステップにおいて選択された仕訳対象明細名に対して、S1540のステップにおいて抽出された割付IDごとに、割付スコア算出処理を実行する(S1550)。
【0054】
ある割付IDにおいて、割付スコアは、限定ではなく例として、以下の式(1)で算出するようにしてもよい。
「割付スコア=件名優先度+明細優先度」・・・(1)
【0055】
この場合、限定ではなく例として、図2の割付ルールデータベース153において割付ID「A01」が抽出された場合、その割付スコアは、「10,000」+「10,000」=「20,000」となる。また、限定ではなく例として、図2の割付ルールデータベース153において割付ID「A07」が抽出された場合、その割付スコアは、「2」+「10,000」=「10,002」となる。
【0056】
なお、割付スコアは、限定ではなく例として、以下の式(2)で算出するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
「割付スコア=件名優先度×明細優先度」・・・(2)
【0057】
限定ではなく例として、S1540のステップにおいて抽出された全ての割付IDに対して割付スコアが算出されると、勘定科目割付部113は、S1530のステップにおいて選択された仕訳対象明細名に対する科目コード割付処理を実行する(S1560)。
【0058】
科目コード割付処理において、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、S1550のステップで算出された割付スコアが最大値をとる割付IDを探索する。そして、勘定科目割付部113は、割付ルールデータベース153を参照し、割付スコアが最大値をとる割付IDと紐づけられた勘定科目名と科目コードとを、S1530のステップにおいて選択された仕訳対象明細名に対する仕訳結果として割り付ける。
【0059】
その後、勘定科目割付部113は、入力として受け付けた1以上の仕訳対象明細名のうち、全ての仕訳対象明細名において科目コード割付処理が実行されたか否かを判定する(S1570)。
【0060】
限定ではなく例として、全ての仕訳対象明細名において科目コード割付処理が実行されていないと判定する場合(S1570:NO)、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、S1530のステップに処理を戻す。そして、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、まだ勘定科目の割付が行われていない1以上の仕訳対象明細名のうち、勘定科目の割付を行う対象となる仕訳対象明細名を1つ選択し、処理を繰り返す。
【0061】
限定ではなく例として、全ての仕訳対象明細名において科目コード割付処理が実行されたと判定する場合(S1570:YES)、勘定科目割付部113は、勘定科目割付処理を終了させる。
【0062】
図3に処理を戻し、情報処理装置1は、限定ではなく例として、勘定科目割付処理を実行すると(S150)、請求書仕訳結果出力処理を実行する(S170)。
請求書仕訳結果出力処理において、勘定科目割付部113は、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と、仕訳対象請求書件名と、1以上の仕訳対象明細名と、勘定科目割付処理によって仕訳対象明細名に紐づけられた勘定科目名および科目コードとを含む仕訳結果情報を、限定ではなく例として、入出力部12に出力する。そして、情報処理装置1は、限定ではなく例として、入出力部12(出力部)に仕訳結果情報を出力させる。出力の1つの態様としては、表示部に表示させるようにすることができる。なお、音出力部に音出力させるようにしてもよい。
【0063】
そして、情報処理装置1は、限定ではなく例として、入出力部12に対するユーザ操作(限定ではなく、ユーザ入力の一例)に基づいて、請求書の仕訳結果を修正するか否かを判定する(S190)。
【0064】
限定ではなく例として、請求書の仕訳結果を修正することが選択されたと判定する場合(S190:YES)、情報処理装置1は、請求書仕訳結果修正処理を実行する(S210)。
請求書仕訳結果修正処理において、情報処理装置1は、限定ではなく例として、入出力部12に対するユーザ操作に基づいて、限定ではなく例として、仕訳の修正対象となる明細名と、その明細名と紐づけられる勘定科目名および科目コードとを含む仕訳修正情報を受け付ける。すると、勘定科目割付修正部115は、入出力部12から仕訳修正情報を受け付ける。
【0065】
なお、請求書仕訳結果修正処理において、情報処理装置1は、限定ではなく例として、入出力部12によって、仕訳の修正対象となる取引先名および/または請求書件名および/または明細名と、紐づけられる勘定科目名および科目コードとを含む仕訳修正情報を受け付けるようにしてもよい。また、勘定科目名と科目コードとは、どちらか一方を受け付けるようにしてもよい。
【0066】
その後、情報処理装置1は、割付ルールデータ更新処理を実行する(S230)。
割付ルールデータ更新処理において、勘定科目割付修正部115は、仕訳修正情報に基づいて、割付ルールデータベース153の各項目を修正し、更新する。
【0067】
なお、割付ルールデータ更新処理において、勘定科目割付修正部115は、仕訳修正情報に基づいて、割付ルールデータベース153のレコードを新規追加し、更新するようにしてもよい。
【0068】
そして、情報処理装置1は、処理を終了させるか否かを判定する(S250)。
限定ではなく例として、入出力部12に対するユーザ操作に基づいて、処理を終了させることが選択されたと判定する場合(S250:YES)、情報処理装置1は、処理を終了させる。
処理を終了させないことが選択されたと判定する場合(S250:NO)、情報処理装置1は、限定ではなく例として、S110のステップに処理を戻す。
【0069】
限定ではなく例として、請求書の仕訳結果を修正しないことが選択されたと判定する場合(S190:NO)、情報処理装置1は、S250のステップに処理を進める。
【0070】
図5は、本情報処理装置1における勘定科目割付処理の入力とその割付結果(仕訳結果)との具体例を示す表であり、図2に示した割付ルールデータベース153を用いて割付を行う場合の具体例を示すものである。
本表では、例示内容を識別するための「例」の項目と、限定ではなく例として、OCR部111から入力される仕訳対象取引先名と、仕訳対象請求書件名と、図4のS1530の処理において選択された仕訳対象明細名との組み合わせが、限定ではなく例として、図2の割付ルールデータベース153に基づいて割付された結果の一覧を示している。
【0071】
限定ではなく例として、例「EX1」では、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であることに基づいて、取引先名探索処理において取引先名が一致する割付ID「A01」~「A10」までの項目に割付IDが絞られる。
そして、仕訳対象請求書件名が「データセンタ利用請求書」であることに基づいて、請求書件名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて取引先名が一致する割付ID「A01」~「A05」までの項目に割付IDがさらに絞られる。
最後に、仕訳対象明細名が「月額利用料」であることに基づいて、明細名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて明細名が一致する割付ID「A01」、「A02」、「A04」、「A05」までの項目に割付IDがさらに絞られる。
この場合、割付スコア算出処理において、割付ID「A01」の割付スコアは「20,000」、割付ID「A02」の割付スコアは「10,001」、割付ID「A04」の割付スコアは「10,001」、割付ID「A05」の割付スコアは「2」とそれぞれ算出される。そして、科目コード割付処理において、割付スコアが最大となる割付ID「A01」が割付ルールの適用対象として選出される。その結果、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であり仕訳対象請求書件名が「データセンタ利用請求書」である請求書において、仕訳対象明細名「月額利用料」の仕訳先として、勘定科目名「通信費」と科目コード「S001」とが割付される。
【0072】
また、限定ではなく例として、例「EX2」では、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であることに基づいて、取引先名探索処理において取引先名が一致する割付ID「A01」~「A10」までの項目に割付IDが絞られる。
そして、仕訳対象請求書件名が「アクセス解析サービス請求書」であることに基づいて、請求書件名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて取引先名が一致する割付ID「A04」、「A05」の項目に割付IDがさらに絞られる。
最後に、仕訳対象明細名が「月額利用料」であることに基づいて、明細名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて明細名が一致する割付ID「A04」、「A05」までの項目に割付IDが絞られる。
この場合、割付スコア算出処理において、割付ID「A04」の割付スコアは「10,001」、割付ID「A05」の割付スコアは「2」とそれぞれ算出される。そして、科目コード割付処理において、割付スコアが最大となる割付ID「A04」が割付ルールの適用対象として選出される。その結果、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であり仕訳対象請求書件名が「アクセス解析サービス請求書」である請求書において、仕訳対象明細名「月額利用料」の仕訳先として、勘定科目名「業務委託費」と科目コード「S002」とが割付される。
【0073】
また、限定ではなく例として、例「EX3」では、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であることに基づいて、取引先名探索処理において取引先名が一致する割付ID「A01」~「A10」までの項目に割付IDが絞られる。
そして、仕訳対象請求書件名が「*請求書*」であることに基づいて、請求書件名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて取引先名が一致する割付ID「A06」、「A07」、「A10」の項目に割付IDがさらに絞られる。
最後に、仕訳対象明細名が「月額利用料」であることに基づいて、明細名探索処理において、ワイルドカード文字も含めて明細名が一致する割付ID「A06」、「A10」の項目に割付IDがさらに絞られる。
この場合、割付スコア算出処理において、割付ID「A06」の割付スコアは「10,002」、割付ID「A10」の割付スコアは「20,000」とそれぞれ算出される。そして、科目コード割付処理において、割付スコアが最大となる割付ID「A10」が割付ルールの適用対象として選出される。その結果、仕訳対象取引先名が「株式会社AA」であり仕訳対象請求書件名が「*請求書*」である請求書において、仕訳対象明細名「月額利用料」の仕訳先として、勘定科目名「福利厚生費」と科目コード「S004」とが割付される。
【0074】
他の例についても同様である。
【0075】
上記の例で示すように、情報処理装置1は、同じ取引先名と、明細名とを含む請求書に対して、限定ではなく例として、請求書件名を加味して仕訳を実行することで、より適切な勘定項目の割付を実現することができる。
【0076】
<第1実施形態の効果>
本実施形態は、情報処理装置の制御部が、請求書の画像データを認識する第1処理を行い、この第1処理に基づいて、請求書の仕訳対象とする、取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定する第2処理を行う。また、情報処理装置の制御部は、割付ルールデータ(限定ではなく、仕訳用に設定された設定データの一例)に基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する第3処理を行う。そして、情報処理装置の制御部は、生成した仕訳データを情報処理装置の出力部に出力させる制御を行う構成を示している。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1処理によって認識された請求書の画像データの認識結果に基づいて、第2処理によって取引先情報と件名情報と明細名情報とを含む仕訳対象情報を特定することができる。そして、第3処理によって設定データに基づいて仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成することで、適切に請求書に対する仕訳データを生成することが可能となる。
【0077】
また、この場合、上記の第3処理は、割付ルールデータ(限定ではなく、設定データの一例)と仕訳対象情報とを照合することに基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、設定データと仕訳対象情報とを照合することに基づいて、高速かつ正確に仕訳データを生成することが可能となる。
【0078】
また、この場合、割付ルールデータ(限定ではなく、設定データの一例)は、割付ルールデータに記述された、取引先情報(限定ではなく、第1取引先情報の一例)と件名情報(限定ではなく、第1件名情報の一例)と明細名情報(限定ではなく、第1明細名情報の一例)と勘定科目情報とを含むようにすることができる。そして、上記の第3処理は、第1取引先情報と取引先情報とを照合する第5処理と、第1件名情報と件名情報とを照合する第6処理と、第1明細名情報と明細名情報とを照合する第7処理とを含み、第5処理と第6処理と第7処理とのうちの少なくともいずれか1つの処理に基づいて、仕訳対象情報と対応する勘定科目情報を決定する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1取引先情報や第1件名情報、第1明細名情報をそれぞれ独立して設定することが可能となり、結果として、より柔軟な設定条件に基づいて、勘定科目情報を決定することが可能となる。
【0079】
また、この場合、限定ではなく例として第1取引先情報と第1件名情報と第1明細名情報とで第1情報が構成されるようにする。そして、この第1情報のうちの少なくともいずれか1つの情報は、任意の文字列として展開可能なワイルドカード文字を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、ワイルドカード文字を使用可能とすることで、第1情報において、類似する文字列を含む情報を同じ情報として取りまとめることが可能となる。そのため、複雑になりがちな第1情報の記述を容易かつ簡潔に行うことが可能となる。
【0080】
また、この場合、上記の第1件名情報は、上記のワイルドカード文字を含み、上記の第6処理は、上記のワイルドカード文字を展開した第1件名情報の文字列と、件名情報の文字列とを照合する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1件名情報にワイルドカード文字を含むことで第1件名情報の文字列のうち、勘定科目情報を決定するために重要とされない文字列の違いをワイルドカード文字で吸収することが可能となる。そのため、ワイルドカード文字を用いない場合に比べて照合回数を減らすことが可能となり、件名情報と第1件名情報との照合をより高速に行うことが可能となる。
【0081】
また、この場合、上記の第1明細名情報は、上記のワイルドカード文字を含み、上記の第7処理は、上記のワイルドカード文字を展開した第1明細名情報の文字列と、明細名情報の文字列とを照合する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1明細名情報にワイルドカード文字を含むことで第1明細名情報の文字列のうち、勘定科目情報を決定するために重要とされない文字列の違いをワイルドカード文字で吸収することが可能となる。そのため、ワイルドカード文字を用いない場合に比べて照合回数を減らすことが可能となり、明細名情報と第1明細名情報との照合をより高速に行うことが可能となる。
【0082】
また、この場合、上記の割付ルールデータ(設定データ)は、勘定科目情報に関する優先度を含み、上記の第3処理は、この優先度に基づいて、仕訳対象情報と対応する仕訳データを生成する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第3処理において優先度を利用することで、仕訳対象情報と対応する勘定科目情報をより適切に決定することが可能となる。
【0083】
また、この場合、上記の優先度は、上記のワイルドカード文字の数に基づいて決定されるようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1情報に含まれるワイルドカード文字の数により優先度を変化させることで、第1情報の曖昧さにより優先度を決定することができる。結果として、仕訳対象情報と対応する勘定科目情報をより適切に決定することが可能となる。
【0084】
また、この場合、上記の第5処理は、第1取引先情報と取引先情報とが一致しない場合、画像データのファイル名と取引先情報とを照合する処理を含むようにしてもよい。
このような構成により得られる実施形態の効果の一例として、第1取引先情報と取引先情報とが一致しない場合であっても、請求書の画像データのファイル名を用いることで取引先情報との総合が可能となる。そのため、第1処理や第2処理の処理結果に対してより頑健に第3処理を行うことが可能となる。
【0085】
<第1実施形態の変形例(1)>
上記の実施形態では、情報処理装置1は、請求書件名探索処理において、請求書画像データ151のファイル名と部分一致する請求書件名を持つ割付IDをさらに抽出するようにしてもよいこととしたが、これに限定されない。
限定ではなく例として、情報処理装置1は、取引先名探索処理において、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と完全一致する取引先名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、請求書画像データ151のファイル名と部分一致する取引先名を持つ割付IDを抽出するようにしてもよい。
【0086】
なお、限定ではなく例として、情報処理装置1は、明細名探索処理において、限定ではなく例として、仕訳対象明細名と一致する明細名を割付ルールデータベース153から探索できない場合、請求書画像データ151のファイル名と部分一致する明細名を持つ割付IDを抽出するようにしてもよい。
【0087】
<第1実施形態の変形例(2)>
上記の実施形態では、割付スコアは、件名優先度と明細優先度とに基づいて算出されることとしたが、これに限定されない。
限定ではなく例として、割付ルールデータベース153に、割付IDと紐づけてルール優先度を定義できるようにしてもよい。ルール優先度は、限定ではなく例として、その値が大きいほどその割付IDの割付ルールが優先されるために設定される値とすることができる。
この場合、割付スコアは、ルール優先度に基づいて算出される(限定ではなく例として、「割付スコア=ルール優先度」)ようにしてもよい。なお、割付スコアは、件名優先度と明細優先度とルール優先度とに基づいて算出される(限定ではなく例として、「割付スコア=ルール優先度×(件名優先度+明細優先度)」)ようにしてもよいし、件名優先度と明細優先度とルール優先度との任意の組み合わせに基づいて算出されるようにしてもよい。
【0088】
<第1実施形態の変形例(3)>
上記の実施形態では、割付ルールデータベース153の取引先名にはワイルドカードカード文字は含まれないこととしたが、これに限定されない。限定ではなく例として、取引先名に、ワイルドカード文字や正規表現を含めるようにしてもよい。また、件名優先度等と同様に取引先名優先度を設定できるようにしてもよい。
この場合、割付スコア算出処理において、割付スコアは、限定ではなく例として、以下の式(3)で算出するようにしてもよい。
「割付スコア=取引先名優先度+件名優先度+明細優先度」・・・(3)
【0089】
<第1実施例>
第1実施例は、上記の情報処理装置1を備える(適用した)サーバによって請求書仕訳サービスが提供される。そして、サービスを利用する端末のユーザが仕訳を行いたい請求書の画像データを登録することで、その請求書の仕訳を行う実施例である。
【0090】
以下では、適宜「通信I/Fによって」という表現を使用する。これは、装置が、限定ではなく例として、制御部(プロセッサー等)の制御に基づいて、通信I/Fを介して(通信部を介して)、各種の情報やデータを送受信することを示す。
【0091】
また、以下では、限定ではなく例として、端末にインストールされたアプリケーション(限定ではなく例として、会計アプリケーションやメッセージングアプリケーション)によって、実施例に係る各種の処理が実行されることとして説明する。
【0092】
メッセージングサービスでは、ユーザが、チャットルームを利用してチャットを行うことができるように構成されている。
以下の説明では、適宜、複数のユーザの端末間、またはチャットボットとの間で送受信されるコンテンツを各々のユーザが閲覧できるUI(User Interface)やGUI(Graphical User Interface)の一種を「トークルーム」と称する。また、トークルームをチャットルームと称してもよい。
【0093】
コンテンツには、単純なテキストや絵文字等を含むメッセージの他、限定ではなく例として、画像情報(静止画像、動画像等の情報を含む。)、操作用情報(ボタン、アイコン等を含む。)、通信用情報・リンク情報(URI、URL等を含む。)など、端末間で送受信可能な各種の情報を含めることができる。
【0094】
また、メッセージングサービスには、端末間での簡単なメッセージ等のコンテンツの送受信を可能とするインスタントメッセージングサービス(IMS:Instant Messaging Service)を含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0095】
また、メッセージングサービス:MS(IMSを含む。)を、ソーシャルネットワーキングサービス:SNSの1つの形態(一形態)と捉える考え方もある。
このため、メッセージングサービス:MSと、ソーシャルネットワーキングサービス:SNSとは区別してもよいし、区別しなくてもよい。
【0096】
また、以下では、端末に対する入力として、主として端末のユーザによる操作入力(限定ではなく例として、タッチ(タッチ操作)による入力等)を例示するが、これに限定されない。
操作入力に代えて、または操作入力に加えて、音入力(音声入力を含む。)を端末に対する入力としてもよいし、しなくてもよい。
【0097】
第1実施例に記載の内容は、他の各実施例や他の各変形例のいずれにも適用可能である。
また、既出の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
【0098】
図6は、本実施例における通信システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
通信システム1000では、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して、サーバ10と、複数の端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)とが接続される。
【0099】
サーバ10は、ネットワーク30を介して、ユーザが所有する端末20に、所定のサービス(限定ではなく例として、会計サービス)を提供する機能を有する。サーバ10は、限定ではなく例として、会計サーバのように表現することもできる。
本実施例では、会計サービス事業者(運営者)をサーバ10のユーザとする。
なお、ネットワーク30に接続されるサーバ10の数は限定されない。
【0100】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C、・・・)は、各実施例において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA・(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、VR(Virtual Reality)端末、スマートスピーカ(音声認識用デバイス)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されてもよい。
なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。
【0101】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は、限定ではなく例として、同一とすることができる。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現してもよいし、しなくてもよい。
なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0102】
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上のサーバ10とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、上記の各種の装置が接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0103】
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク30は、限定ではなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0104】
サーバ10(限定ではなく、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、端末20に対して、所定のサービス(本実施例では請求書仕訳に関するサービス)を提供する機能を備える。サーバ10は、各実施例において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、限定ではなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。
【0105】
なお、サーバ10と端末20とを区別する必要がない場合は、サーバ10と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0106】
<各装置のハードウェア(HW)構成>
通信システム1000に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0107】
(1)端末のHW構成
図6には、端末20のHW構成の一例を示している。
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F22(インタフェース)、入出力部23、時計部29A、位置算出用情報検出部29Bを備える。端末20のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、端末20のHW構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、端末20は、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0108】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10等の各種装置に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。また、通信I/F22を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F22が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0109】
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置や、端末20で処理された処理結果を出力する装置等を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0110】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定ではなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0111】
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定ではなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音声出力)、レンズ(限定ではなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
【0112】
あくまでも一例であるが、入出力部23は、限定ではなく例として、表示部24、音入力部25、音出力部26、撮像部27を備える。
【0113】
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定ではなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定ではなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0114】
音入力部25は、音データ(音声データを含む。以下同様。)の入力に利用される。音入力部25は、マイクなどを含む。
音出力部26は、音データの出力に利用される。音出力部26は、スピーカなどを含む。
撮像部27は、画像データ(静止画像データ、動画像データを含む。以下同様。)の取得に利用される。撮像部27は、カメラなどを含む。
【0115】
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0116】
時計部29Aは、端末20の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部29Aは、限定ではなく例として、水晶発振器を利用したクロック等を有して構成される。時計部29Aは、限定ではなく例として、計時部や時刻情報検出部と表現することもできる。
【0117】
なお、時計部29Aは、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等を適用したクロックを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0118】
位置算出用情報検出部29Bは、制御部21が自己の端末20の位置を算出(測定)するために必要な情報(以下、「位置算出用情報」と称する。)を検出(計測)する機能部である。位置算出用情報検出部29Bは、限定ではなく例として、位置算出用センサ部と表現することもできる。
【0119】
位置算出用情報検出部29Bは、限定ではなく例として、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである衛星測位センサ(衛星測位ユニット)や、慣性航法システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである慣性計測センサ(慣性計測ユニット(IMU(Inertial Measurement Unit)))、UWB(超広帯域無線:Ultra Wide Band)を利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットであるUWB測位センサ(UWB測位ユニット)等を含む。
【0120】
衛星測位ユニットは、限定ではなく例として、不図示のアンテナで受信される測位用衛星から発信されている測位用衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号をデジタル信号に変換するRF受信回路や、RF受信回路から出力されるデジタル信号に対して相関演算処理等を行って測位用衛星信号を捕捉し、測位用衛星信号から取り出した衛星軌道データや時刻データ等の情報を、位置算出用情報として出力するベースバンド処理回路等を有する。
【0121】
慣性計測ユニットは、慣性航法演算によって端末20の位置を算出するために必要な情報を検出するセンサである慣性センサを有する。慣性センサには、限定ではなく例として、3軸の加速度センサや3軸のジャイロセンサが含まれ、加速度センサによって検出された加速度と、ジャイロセンサによって検出された角速度とを、位置算出用情報として出力する。
【0122】
UWB測位ユニットは、限定ではなく例として、不図示のアンテナで受信される測位用ビーコンから発信されている測位用超広帯域パルス信号を含む超広帯域RF(Radio Frequency)信号をデジタル信号に変換する超広帯域RF受信回路や、超広帯域RF受信回路から出力されるデジタル信号に基づいて端末20と測位用ビーコンとの相対位置を算出する相対位置算出処理回路等を有する。
なお、限定ではなく例として、UWB測位ユニットは、不図示のアンテナから測位用超広帯域パルス信号を含む超広帯域RF信号を送信することで、端末20を測位用ビーコンとして機能させてもよいし、そうしなくてもよい。
【0123】
制御部21は、限定ではなく例として、位置算出用情報検出部29Bによって検出された位置算出用情報に基づいて、定期的なタイミングや特定のタイミングで、自己の端末20の位置を算出する。端末の位置を「端末位置」と称し、算出された端末位置を「算出端末位置」と称する。制御部21は、算出端末位置を、その算出端末位置を算出した日時と関連付けて、算出端末位置履歴データとして記憶部28に記憶させるようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0124】
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定ではなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0125】
制御部21は、限定ではなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
【0126】
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定ではなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。また、記憶部28は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0127】
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0128】
(2)サーバのHW構成
図6には、サーバ10のHW構成の一例を示している。
サーバ10は、限定ではなく例として、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、時計部19を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、サーバ10のHWは、サーバ10のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、サーバ10のHWは、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0129】
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定ではなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0130】
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
【0131】
記憶部15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。また、記憶部15は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0132】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20等の各種装置に送信する。また、通信I/F14は、端末20等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。また、通信I/F14を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F14が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0133】
入出力部12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置や、サーバ10で処理された処理結果を出力する装置等を含む。入出力部12は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0134】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入力部は、限定ではなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。
【0135】
出力部は、制御部11で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定ではなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音出力)、レンズ(限定ではなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
【0136】
あくまでも一例であるが、入出力部12は、限定ではなく例として、表示部13を備える。
【0137】
表示部13は、ディスプレイ等で実現される。ディスプレイは、代表的にはモニタ(限定ではなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、ディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお、これらのディスプレイは、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、ディスプレイは、これらに限定されない。
【0138】
時計部19は、サーバ10の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部19は、限定ではなく例として、ハードウェアクロックとしてのRTC(Real Time Clock)やシステムクロック等を有して構成される。時計部19は、限定ではなく例として、計時部や時刻情報検出部と表現することもできる。
【0139】
(3)その他
サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0140】
本開示の各実施形態においては、端末20および/またはサーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
【0141】
なお、端末20の制御部21、および/または、サーバ10の制御部11は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0142】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(限定ではなく例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムPを記憶可能である。また、プログラムPは、本開示の各実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の各実施形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムPとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0143】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定ではなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、またはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0144】
サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
【0145】
また、本開示のプログラムPは、プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよいし、されなくてもよい。サーバ10および/または端末20は、限定ではなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0146】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化されたデータ信号の形態でも実現され得る。
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0147】
端末20における処理の少なくとも一部、または全部を、サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理、または全部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0148】
サーバ10における処理の少なくとも一部、または全部を、端末20により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理、または全部の処理を、端末20で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0149】
明示的な言及のない限り、本開示の実施例における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0150】
なお、本開示のプログラムは、限定ではなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのコンパイラ言語、HTML Living Standardなどのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0151】
<サーバの機能構成>
図7は、本実施例においてサーバ10の制御部11によって実現される機能の一例を示す図である。
制御部11は、限定ではなく例として、請求書仕訳処理部110と、アプリケーション管理処理部117とを機能部として含む。
【0152】
請求書仕訳処理部110は、その機能部として、限定ではなく例として、OCR部111と、勘定科目割付部113と、勘定科目割付修正部115とを有する。これらの機能部は、限定ではなく例として、図1の情報処理装置1が備える機能部にそれぞれ対応するものである。
【0153】
アプリケーション管理処理部117は、限定ではなく例として、記憶部15に記憶されたアプリケーション管理処理プログラム157に従ってアプリケーション管理処理を実行する機能を有する。
【0154】
図8は、本実施例においてサーバ10の記憶部15に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部15には、限定ではなく例として、割付ルール管理データベース155と、アプリケーション管理処理として実行されるアプリケーション管理処理プログラム157と、アカウント登録データ159とが記憶される。
【0155】
アカウント登録データ159は、アプリケーション(本実施例では、会計アプリケーション)のアカウントに関する登録データであり、限定ではなく例として、ユーザ名と、アプリケーションIDと、その他登録情報とが関連付けて記憶される。
【0156】
ユーザ名は、このアプリケーションを利用する端末20のアカウントの名称であり、限定ではなく例として、端末20のユーザがアプリケーションを利用する際に登録する名称が記憶される。
【0157】
アプリケーションIDは、アプリケーションのアカウントを識別するために用いられる情報、またはアカウントそのものである。
このアプリケーションIDは、好ましくはアカウントごとに一意な値であり、限定ではなく例として、サーバ10によってアカウントごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
アプリケーションIDは、端末20、またはその端末20のユーザに関連付けられた情報であり、端末に関する情報、または端末のユーザに関する情報の一例である。
【0158】
その他登録情報には、限定ではなく例として、端末20を識別するための識別情報、端末20の電話番号(端末電話番号)、メールアドレス(端末メールアドレス)、アプリケーションにおける各種の認証に利用されるパスワード(ログインパスワード、認証パスワード等)等の認証情報といった各種の情報を含めるようにすることができる。
【0159】
端末20を識別するための識別情報は、限定ではなく例として、端末ID(限定ではなく例として、IMEI(International Mobile Equipment Identity))とすることができる。
【0160】
なお、アプリケーションIDに代えて「ユーザID」としてもよいし、しなくてもよい。
また、1つの端末20につき1つのアカウントしか登録することのできないアプリケーションであれば、限定ではなく例として、「端末20を識別するための識別情報=端末20のユーザを識別するための識別情報=アプリケーションID」とすることができる。
【0161】
また、限定ではなく例として、1つのアプリケーションIDに、複数の端末IDを割り当てることを可能としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0162】
また、アプリケーションID等の各種のIDに代えて、端末電話番号等の情報によってアカウントを管理する手法を適用することも可能である。
この場合、アプリケーションID等のIDの情報をアカウント登録データ159に記憶させるのに代えて、端末電話番号等の情報をアカウント登録データ159に記憶させるようにすることができる。
【0163】
なお、以下の各種の実施例では、説明の簡明化のため、1つの端末20につき1つのアカウントが登録されていることとして説明する。
また、この場合、上記のように「端末20を識別するための識別情報=端末20のユーザを識別するための識別情報=アプリケーションID」であるため、以下の説明で用いる「アカウントのユーザ」の用語は、「アカウントの端末」と実質的に同義としてよいものとする。
【0164】
割付ルール管理データベース155は、アカウント登録データ159に登録されたアカウントごとに割付ルールデータベース153を管理するためのデータベースである。
割付ルール管理データベース155には、限定ではなく例として、アカウントごとの管理データとして、割付ルールデータベース153が記憶される。各々の割付ルールデータベース153の構成については、限定ではなく例として、図2で示した割付ルールデータベース153と同様に構成することができる。
【0165】
なお、サーバ10の記憶部15に、請求書画像データ151をバッファとして記憶させるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。また、サーバ10の記憶部15に、アカウント登録データ159に登録されたアカウントごとに請求書画像データ151を記憶させるための不図示の請求書画像管理データベースを記憶させるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0166】
<端末の機能構成>
端末20の制御部21は、限定ではなく例として、記憶部28に記憶されたアプリケーション処理プログラムに従ってアプリケーション処理を実行するためのアプリケーション処理部を機能部として含む。
【0167】
端末20の記憶部28には、限定ではなく例として、アプリケーション処理として実行されるアプリケーション処理プログラムと、この端末20、または端末20のユーザのアカウントに対応するアプリケーションIDとが記憶される。
【0168】
<処理>
図9は、本実施例において各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
この図では、左側から順に、端末20Aの制御部21が実行する処理、サーバ10の制御部11が実行する処理の一例を示している。
【0169】
なお、以下説明する処理は、本開示の手法を実現するための処理の一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
以下説明する処理に別のステップを追加してもよいし、以下説明する処理から一部のステップを省略(削除)してもよい。
【0170】
最初に、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、端末20Aの入出力部23に対する入力(限定ではなく例として、ユーザ入力(ユーザによる操作入力や音入力等)。他の端末20についても同じ。以下同様。)に基づいて、限定ではなく例として、請求書画像ファイル名を受け付ける(A110)。なお、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、2以上の請求書画像ファイル名を受け付けるようにしてもよい。
【0171】
すると、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、記憶部28に記憶された請求書画像ファイル名と合致する画像ファイルを探索する。そして、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、探索された画像ファイルのデータと、画像ファイル名とを含む請求書画像データを、通信I/F22によってサーバ10に送信する(A130)。
【0172】
通信I/F14によって端末20Aから請求書画像データを受信すると、サーバ10の制御部11は、受信した請求書画像データを請求書画像データ151に記憶させる。
そして、サーバ10の制御部11は、請求書画像データ認識処理と、勘定科目割付処理とを実行する(H130,H150)。
各処理は、限定ではなく例として、図3のS130,S150の各ステップに従って実行することができる。
【0173】
その後、サーバ10の制御部11は、限定ではなく例として、仕訳対象取引先名と、仕訳対象請求書件名と、1以上の仕訳対象明細名と、勘定科目割付処理によって仕訳対象明細名に紐づけられた勘定科目名および科目コードとを含む仕訳結果情報を、通信I/F14によって端末20Aに送信する(H160)。
【0174】
通信I/F22によってサーバ10から仕訳結果情報を受信すると、端末20Aの制御部21は、受信した仕訳結果情報を表示部24に表示させる(A170)。そして、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、端末20Aの入出力部23に対する入力に基づいて、請求書の仕訳結果を修正するか否かを判定する(A190)。
【0175】
限定ではなく例として、請求書の仕訳結果を修正することが選択されたと判定する場合(A190:YES)、端末20Aの制御部21は、仕訳修正情報を受け付けると、受け付けた仕訳修正情報を、通信I/F22によってサーバ10に送信する(A210)。なお、仕訳修正情報は、限定ではなく例として、図3のS210のステップにおける仕訳修正情報と同様に構成することができる。
【0176】
限定ではなく例として、請求書の仕訳結果を修正しないことが選択されたと判定する場合(A190:NO)、端末20Aの制御部21は、A210のステップをスキップする。
【0177】
通信I/F14によって端末20Aから仕訳修正情報を受信したと判定する場合(H200:YES)、サーバ10の制御部11は、割付ルールデータ更新処理を実行する(H230)。
割付ルールデータ更新処理において、サーバ10の制御部11は、受信した仕訳修正情報に基づいて、割付ルール管理データベース155における端末20AのアプリケーションIDと紐づけられた割付ルールデータベースの各項目を修正し、更新する。
【0178】
通信I/F14によって端末20Aから仕訳修正情報を受信しないと判定する場合(H200:NO)、サーバ10の制御部11は、H230のステップをスキップする。
【0179】
限定ではなく例として、端末20Aの入出力部23に対する入力に基づいて、処理を終了させることが選択されたと判定する場合(A250:YES)、端末20Aの制御部21は、処理を終了させる。
処理を終了させないことが選択されたと判定する場合(A250:NO)、端末20Aの制御部21は、限定ではなく例として、A110のステップに処理を戻す。
【0180】
限定ではなく例として、端末20Aにおいて処理を終了させることが選択されたと判定する場合(H250:YES)、サーバ10の制御部11は、処理を終了させる。
処理を終了させないことが選択されたと判定する場合(H250:NO)、サーバ10の制御部11は、限定ではなく例として、請求書画像データの受信待機に処理を戻し、H130以降の各ステップを実行する。
【0181】
<表示画面>
以下では、限定ではなく例として、端末20が、横長のディスプレイの表示部24を備えるタブレット端末である場合を例示する。
【0182】
タブレット端末には、限定ではなく例として、入力部として機能するタッチパネルが、そのディスプレイと対向して配置され、これによってタッチスクリーンが構成される。アイコン、ボタン、アイテムまたは入力領域などの要素がディスプレイに表示された場合において、タッチパネルの一部の領域であって、その要素が表示された領域と対向する領域がユーザによって操作された場合、その要素と関連付けられたプログラムまたはそのプログラムのサブルーチンが実行される。
【0183】
以下では、ユーザ操作の一例として、限定ではなく例として、タップ(タップ操作)を例示する。
タップ(タップ操作)とは、限定ではなく例として、ユーザが、タッチパネルが一体的に構成された表示部24(タッチスクリーン)を指やペン先などで軽く叩くように触れる動作、触れてから離す動作とすることができる。
【0184】
なお、以下説明する表示画面の遷移は、本開示の手法を実現するための表示画面の遷移の一例に過ぎない。以下に例示する表示画面の遷移について、一部の表示画面の表示を省略してもよいし、別の表示画面を追加してもよい。
【0185】
図10は、本実施例において端末20の表示部24に表示される画面の一例を示す図である。図10は、限定ではなく例として、上記フローチャートにおける仕訳結果情報表示時(図9のA170)において端末20Aの表示部24に表示される画面の一例である。
【0186】
この画面では、画面最上部に、会計サービスにおけるOCRと連携する請求書仕訳サービスを利用中であることを示す「OCR」の文字で示されるアイコンがタイトル表示領域TVR内に表示されるように構成されている。また、このアイコンの右側には、OCR処理の対象となった請求書画像ファイル名が表示されるように構成されている。この画面では、請求書画像ファイル名として、限定ではなく例として、「XX株式会社様1月分請求書.jpg」のファイル名が指定されたことが表示されている。
【0187】
請求書画像ファイル名の右側には、仕訳結果情報に基づいて、この請求書の仕訳結果を保存するための「保存」の文字で示される仕訳結果保存ボタンと、仕訳結果を削除するための「削除」の文字で示される仕訳結果削除ボタンとが並んで表示されるように構成されている。
【0188】
タイトル表示領域TVRの下には、請求書画像ファイル名で指定された請求書画像データの確認用表示領域である請求書画像確認領域PVRと、この請求書画像データに対して請求書画像データ認識処理と勘定科目割付処理とを適用した結果である仕訳結果情報を表示させるための仕訳結果表示領域JRRとが並んで表示されるように構成されている。
【0189】
請求書画像確認領域PVRにおいて、限定ではなく例として、仕訳対象として指定された請求書画像と重畳して、点線の枠が表示されるように構成されている。この点線の枠は、限定ではなく例として、請求書画像データ認識処理において、仕訳対象取引先名や仕訳対象請求書件名、仕訳対象明細名等に認識された領域と対応付けて表示されるように構成されている。
【0190】
仕訳結果表示領域JRRでは、仕訳結果情報に基づいて、限定ではなく例として、この請求書の仕訳結果である取引先名と、請求書件名と、1以上の明細名とその勘定科目割付結果とを含む請求書細目とが表示されるように構成されている。
【0191】
限定ではなく例として、図10では、仕訳結果表示領域JRRにおいて、取引先名が「株式会社AA」であり、請求書件名が「アクセス解析サービス利用請求書」であることが表示されている。また、請求書細目において、明細名「月額利用料」の勘定科目名が「広告宣伝費」に仕訳され、勘定科目名「通信費」の科目コードは「S003」であることが表示されている。
【0192】
請求書細目において、勘定科目名の欄には仕訳結果を手動で修正するための下三角アイコンが表示されるように構成されている。限定ではなく例として、この下三角アイコンがタップされると、勘定科目名の一覧がプルダウンメニューで表示され、修正先の勘定科目名が選択可能であるように構成されている。
なお、取引先名や請求書件名、明細名や価格等において、該当欄がタップされると、手動で各項目が入力可能となるように構成されることとしてもよい。勘定科目名についても同様である。
【0193】
限定ではなく例として、仕訳結果表示領域JRRにおいて仕訳結果情報が修正され、仕訳結果保存ボタンがタップされた場合、端末20Aの制御部21は、請求書仕訳結果が修正されたと判定するように構成することができる。
【0194】
図11は、限定ではなく例として、上記フローチャートにおける仕訳結果情報表示時(図9のA170)において端末20Aの表示部24に表示される画面の別例である。
この画面では、請求書画像ファイル名として、限定ではなく例として、「20220222データセンタ利用請求書.jpg」のファイル名が指定されたことが表示されている。
【0195】
図11では、請求書画像確認領域PVRにおいて、請求書画像の取引先名に相当する箇所にインク染みが映り込んでいることが表示されている。この場合、限定ではなく例として、請求書画像データ認識処理において、仕訳対象取引先名が正確に認識されなかった可能性が生じる。そのため、請求書画像確認領域PVRにおいて、仕訳対象取引先名と推定された「デ??センタ利用請求書」の文字列の周囲に、正常に認識されたと判定される場合の点線の枠とは異なる一点鎖線の枠が表示されるように構成されている。また、この一点鎖線の枠の左上側には、エクスクラメーションのアイコンで示される認識結果警告アイコンNTが表示されるように構成されている。
【0196】
限定ではなく例として、認識結果警告アイコンNTがユーザによってタップされると、仕訳対象取引先名として、OCR結果である「デ??センタ利用請求書」の文字列を用いるのか、請求書画像ファイル名である「20220222データセンタ利用請求書.jpg」の文字列に基づく「データセンタ利用請求書」の文字列を用いるのかの文字列選択用表示画面が表示されるように構成されている。限定ではなく例として、文字列選択用表示画面に対するユーザ操作に基づいて、OCR結果をそのまま用いるのか、請求書画像ファイル名を利用して勘定科目割付処理を実行するのかを選択するように構成することができる。
【0197】
なお、認識結果警告アイコンNTを表示させず、前述したように、OCR結果である「デ??センタ利用請求書」の文字列が割付ルールデータベースの請求書件名とマッチしない場合、自動的に請求書画像ファイル名を利用して勘定科目割付処理を実行するように構成してもよい。
【0198】
<第1実施例の効果>
本実施例は、情報処理装置1は、ユーザの端末20と通信するサーバ10である構成を示している。
このような構成により得られる実施例の効果の一例として、ユーザの端末と通信するサーバに、前述した仕訳に関する処理を行わせることができる。これにより、限定ではなく例として、ユーザの端末の処理負荷を軽減することができる。
【0199】
<第1実施例の変形例(1)>
上記の実施例では、端末20の制御部21は、記憶部28に記憶された画像ファイルを請求書画像データとしてサーバ10に送信するが、これに限定されない。
限定ではなく例として、請求書画像ファイル名受付処理において、端末20の制御部21は、撮像部27によって請求書画像を撮像すると、撮像された画像ファイルのデータを請求書画像データとしてサーバ10に送信するようにしてもよい。この場合、端末20の制御部21は、撮像された画像ファイル名である請求書画像ファイル名を受け付け、撮像された画像ファイルのデータとその画像ファイル名とを請求書画像データとしてサーバ10に送信するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0200】
<第1実施例の変形例(2)>
上記の実施例では、端末20の制御部21は、請求書画像データをサーバ10に送信することとしたが、これに限定されない。
限定ではなく例として、サーバ10の制御部11は、処理にあたりあらかじめ記憶部15に1以上の請求書画像データを記憶しておく。そして、端末20の制御部21は、限定ではなく例として、請求書画像ファイル名受付処理において、請求書画像ファイル名を受け付けると、請求書画像ファイル名をサーバ10に送信する。サーバ10の制御部11は、端末20から請求書画像ファイル名を受信すると、記憶部15に記憶された請求書画像ファイル名と合致する画像ファイルを探索する。そして、サーバ10の制御部11は、限定ではなく例として、探索された画像ファイルのデータと、請求書画像ファイル名とを請求書画像データ151に記憶させるようにしてもよい。
【0201】
<第1実施例の変形例(3)>
上記の実施例では、サーバ10のOCR部111において請求書画像データ認識処理を実行することとしたが、これに限定されない。限定ではなく例として、端末20の制御部21において請求書画像データ認識処理を実行し、限定ではなく例として、処理結果として得られる仕訳対象取引先名と仕訳対象請求書件名と仕訳対象明細名等とを含む仕訳対象情報を通信I/F22によってサーバ10に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ10の制御部11は、端末20から仕訳対象情報を受信すると、受信した仕訳対象情報に基づいて、勘定科目割付処理を実行するようにしてもよい。また、仕訳対象請求書件名と請求書画像ファイル名で仕訳対象情報が取得できなかった場合に、仕訳対象取引先名と仕訳対象明細名を使って仕訳対象情報を受信して勘定科目割付処理を実行してもよい。
【0202】
<その他>
本開示の手法を適用可能なシステムは、上記のシステムに限定されない。
端末とサーバとを含むシステムに限らず、サーバを含まないシステムを適用することもできる。これは、限定ではなく例として、以下のようなシステムである。
・サーバの機能を端末に持たせるシステム(分散システム)。これは、限定ではなく例として、前述したブロックチェーンの技術を用いて実現することが可能である。
・端末同士が無線通信を行うシステム。これは、限定ではなく例として、ブルートゥース等の近距離無線通信技術を用いてP2P(ピアツーピア)方式等で通信を行うことで実現可能である。
【符号の説明】
【0203】
1 情報処理装置
10 サーバ
20 端末
30 ネットワーク
1000 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11