(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135546
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20230921BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
A47B13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040816
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】江里口 裕紀
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN02
3B053NN04
3B053NP07
3B053NP08
3B053NQ06
3B053NQ10
3B053NR00
3B053NR01
(57)【要約】
【課題】天板上の作業面積を広げることができる天板付什器を提供することである。
【解決手段】天板付什器100は、天板10と、天板10を支持する基部21と、基部21を支持する支持部材22と、天板10の下面12よりも下方に位置するとともに基部21に固定された物品トレイ70と、物品トレイ70と天板10との間に配置された電源端子部30とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一平面である上面と、前記上面とは反対側に位置する下面とを有する天板と、
前記天板の前記下面を支持する基部と、
前記基部を支持する支持部材と、
前記天板の前記下面よりも下方に位置するとともに前記基部に固定された物品トレイと、
前記物品トレイと前記天板との間に配置された電源端子部と、
を備える、
天板付什器。
【請求項2】
第1配線端と、前記第1配線端とは反対側に位置する第2配線端とを有する配線を備え、
前記配線の少なくとも一部は、前記基部の内部に配置されており、
前記第1配線端は、前記電源端子部に接続されており、
前記第2配線端は、前記基部の下方部位に設けられた開口を通じて前記基部の外側に位置する、又は、前記支持部材に設けられた開口を通じて前記支持部材の外側に位置する、
請求項1に記載の天板付什器。
【請求項3】
第1配線端と、前記第1配線端とは反対側に位置する第2配線端とを有し、前記基部の内部に配置された配線を備え、
前記第1配線端は、前記電源端子部に接続されており、
前記第2配線端は、前記基部の内部に着脱可能に配置されたバッテリに電気的に接続可能である、
請求項1に記載の天板付什器。
【請求項4】
上下方向に見て、前記物品トレイの縁部の外側に前記天板の縁部が位置する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、公共施設、学校、住居等における会議室や執務空間においては、執務者が執務するための作業平面を有する天板付什器が使用されている。執務作業においては、一般的に、電子機器を用いることが多い。電子機器を用いて執務を行うには、電子機器への電力供給が重要であり、電子機器への電力供給が可能な執務用什器が求められている。このような什器は、例えば、執務空間を形成する壁面や床面に設置された電源コンセントから供給される電力を利用している(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような什器のなかでも、電源コンセントに接続される配線が挿通される挿通空間と、挿通空間に連通する配線取り出し口を備える什器が知られている。配線取り出し口は、天板上に設けられている。配線取り出し口の内部には、電子機器の電源ケーブルと接続される電源コンセントが配置されている。使用者は、作業平面である天板に電子機器を配置した状態で、天板に設けられた配線取り出し口に配置された電源コンセントからの電力を利用して電子機器を操作することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、作業平面である天板に配線取り出し口を設ける必要があるため、作業平面の面積が狭まるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、天板上の作業面積を広げることができる天板付什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る天板付什器は、単一平面である上面と、前記上面とは反対側に位置する下面とを有する天板と、前記天板の前記下面を支持する基部と、前記基部を支持する支持部材と、前記天板の前記下面よりも下方に位置するとともに前記基部に固定された物品トレイと、前記物品トレイと前記天板との間に配置された電源端子部と、を備える。
【0008】
上述の態様に係る天板付什器によれば、天板の上面が、電子機器に電力供給するための電源タップが配置されるような配線取り出し口等の凹部や凸部が形成されていない単一平面であるので、広い面積を有する作業面を確保することができ、天板付什器の利便性を高めることができる。
また、使用者は、物品を物品トレイに配置することができる。このため、天板付什器としての使い易さを向上させることができる。
【0009】
また、電源端子部が物品トレイと天板との間に配置されているので、電源端子部が配置されるような配線取り出し口等の凹部や凸部を天板の上面に形成する必要がない。したがって、作業面である天板の上面が狭くならず、広い面積を有する作業面を確保することができ、天板付什器の利便性を高めることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る天板付什器は、第1配線端と、前記第1配線端とは反対側に位置する第2配線端とを有する配線を備える。前記配線の少なくとも一部は、前記基部の内部に配置されており、前記第1配線端は、前記電源端子部に接続されており、前記第2配線端は、前記基部の下方部位に設けられた開口を通じて前記基部の外側に位置してもよいし、又は、前記支持部材に設けられた開口を通じて前記支持部材の外側に位置してもよい。
【0011】
上述の態様に係る天板付什器によれば、執務空間を形成する壁面や床面に設置された電源コンセントに第2配線端を接続することが可能となる。電源コンセントを通じて、商用電源からの電力を電源端子部に安定的に供給することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る天板付什器は、第1配線端と、前記第1配線端とは反対側に位置する第2配線端とを有し、前記基部の内部に配置された配線を備える。前記第1配線端は、前記電源端子部に接続されており、前記第2配線端は、前記基部の内部に着脱可能に配置されたバッテリに電気的に接続可能であってもよい。
【0013】
上述の態様に係る天板付什器によれば、バッテリに充電されている電力を第1配線端に接続された電源端子部に供給することができる。したがって、執務空間の電源コンセントと什器とを接続する必要がなく、天板付什器を自由な位置に移動させて使用することが可能となり、天板付什器の利便性を高めることができる。
【0014】
本発明の一態様に係る天板付什器は、上下方向に見て、前記物品トレイの縁部の外側に前記天板の縁部が位置してもよい。
上述の態様に係る天板付什器によれば、飲料等の液体が入った容器が転倒した場合において、容器から液体が天板上にこぼれたとしても、液体が物品トレイに到達しない。このため、物品トレイに配置された物品を液体によって濡れることがない。また、物品トレイに配置された物品が電子機器である場合、電子機器は液体に接触することがないため、電子機器の故障を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様に係る天板付什器によれば、天板上の作業面積を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る什器を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る什器を分解斜視図であって、什器を構成する部材を示す図である。
【
図3A】本発明の第1実施形態に係る什器におけるバッテリ、放電部、及び配線を示す斜視図である。
【
図3B】本発明の第1実施形態に係る什器における配線及び電源端子部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る什器におけるバッテリ、電源端子部、放電部、配線、及び電子機器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
【
図5A】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す側面図である。
【
図5B】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す側面図である。
【
図5C】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す模式断面図である。
【
図5D】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す模式断面図である。
【
図5E】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す模式断面図である。
【
図5F】本発明の第1実施形態に係る什器の変形例を示す模式断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る什器を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る天板付什器の使用環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る什器について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る什器は、天板付什器の一例である。
以下の説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。図面は模式的又は概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率等は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0018】
本実施形態では、XYZ直交座標系を設定して什器の構成の位置関係を説明する。什器が配置される床面に垂直な方向のうち、重力方向を下方向(-Z方向)と称し、重力方向とは反対の方向を上方向(+Z方向)と称する。下方向及び上方向を区別しない場合は、単に上下方向(Z方向)と称する。
【0019】
上下方向に対して垂直な2方向のうち、天板の長手方向を左右方向(Y方向)と称する。左右方向のうちの一方の方向を右方向(+Y方向)と称し、右方向とは反対の方向を左方向(-Y方向)と称する。
【0020】
上下方向に対して垂直な2方向のうち、天板の短手方向を奥行方向(X方向)と称する。奥行方向のうちの一方の方向を前方方向(+X方向)と称し、前方方向とは反対の方向を後方方向(-X方向)と称する。
【0021】
文言「X方向」及び「Y方向」は、什器を構成する複数の部材の相互の位置関係、複数の部材の各々の形状や構造を説明するために用いる文言であり、什器の配置を定義しない。X方向及びY方向に平行な方向を「水平方向」と称する場合がある。
なお、Z方向に見た形状が正方形である場合には、一方の辺の延在方向をX方向と称し、X方向に直交する方向をY方向と称する。
【0022】
本実施形態における「第1」、「第2」等の序数詞は、什器の構成要素の理解の混同を避けるために付しており、構成要素の数量を限定しない。
本実施形態において、Z方向から見た形状を「平面形状」と称する場合がある。
【0023】
本実施形態に用いられている文言「使用者」の意味は、電子機器等を什器の天板上に配置した状態で電子機器を使用する者に限定されない。什器の天板、ベースプレート、又は物品トレイに物品や荷物を配置する者、什器にバッテリを設置する者、電子機器の充電のために什器に設置されるバッテリを利用する者も、使用者と称する場合がある。なお、使用者は執務空間にいるため、使用者を執務者と称してもよい。
【0024】
<第1実施形態>
<什器>
図1は、第1実施形態に係る什器を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る什器を分解斜視図であって、什器を構成する部材を示す図である。
図1は、バッテリBが放電部40に設置された状態を示している。
図2では、バッテリBの図示が省略されている。
【0025】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る什器100は、天板10と、支柱21と、ベースプレート22と、電源端子部30と、放電部40と、配線50と、キャスタ60と、物品トレイ70とを備える。なお、後述するバッテリBは、放電部40に対して脱着可能である。支柱21は、基部の一例である。ベースプレート22は、支持部材の一例である。
【0026】
<天板>
天板10は、上面11と、上面11とは反対側に位置する下面12とを有する。上面11は、単一平面である。文言「単一平面」とは、電子機器に電力供給するための電源タップが配置されるような配線取り出し口等の凹部や凸部が形成されていない単一平面である。言い換えると、上面11においては、使用者の作業を妨害するような凹凸形状の部位が形成されていない。上面11は、使用者が作業を行う作業面である。言い換えると、使用者は、作業面である上面11上に電子機器を載置した状態で、電子機器を操作することができる。
【0027】
電子機器は、バッテリBが出力する電力を得ることが可能である。電子機器は、特に限定されない。電子機器としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型タブレット端末、スマートフォン、無線通信用ルータ、卓上用電気スタンド、卓上用扇風機、ディスプレイ等が挙げられる。
【0028】
図1及び
図2に示す例では、天板10の平面形状は、例えば、略矩形形状である。略矩形形状とは、Z方向に見て天板の全体形状を意味しており、幾何学的に定義された矩形のみを意味するとは限らない。形状を表す文言「略」は、角部が面取りされた形状、X方向及びY方向に延びる辺が曲線を有する形状、製造上の誤差を含む形状を意味する。
以下の説明において、什器を構成する部材の形状を表す文言「略」も同様の解釈が適用される。
【0029】
天板10は、X方向及びY方向に突出する縁部10Eを有する。縁部10Eは、支柱21よりもX方向及びY方向に突出しているため、使用者が天板10を容易に把持することが可能である。このため、什器100を移動させる場合に、縁部10Eを把持して作業を行うことができる。
【0030】
天板10の平面形状は、略矩形に限定されない。天板10の平面形状は、例えば、略三角形、略正方形、略平行四辺形、略菱形、角部を5個以上有する多角形、略円形、略楕円形、略長円形であってもよい。一般的な執務空間で用いられる公知の什器が備える天板の形状が天板10に適用されてもよいし、娯楽施設、飲食施設等で用いられる公知のテーブルが備える天板の形状が天板10に適用されてもよい。天板10の材質は、特に限定されず、公知の材料が用いられる。
【0031】
天板10の大きさ、すなわち、上面11の面積は、設計に応じて適宜変更可能である。
什器100の高さ、すなわち、床面FLから上面11までの高さは、設計に応じて適宜変更可能である。
図1に示す什器100の場合、高さは、例えば、720mmに設定されている。
【0032】
<支柱>
支柱21は、天板10の下面12を支持する部材である。支柱21は、天板接続部23と、第1延在部24Aと、第2延在部24Bと、バッテリ収容部25Aと、ユニット収容部25Bと、プレート接続部26と、を有する。支柱21には、後述する第1カバー部材27、第2カバー部材28、及びベースプレート22が接続される。
【0033】
図2に示すように、天板10、支柱21、ベースプレート22、第1カバー部材27、第2カバー部材28、放電部40、及び物品トレイ70は、互いに分離可能である。
【0034】
支柱21の形状に関し、X方向及びY方向に平行な断面において、支柱21は略矩形の外形形状(輪郭)を有する。支柱21の輪郭は、床面FLから上方に向かう+Z方向において支柱21が徐々に細くなる形状を有する。支柱21の形状は、
図1及び
図2に示す形状に限定されない。支柱21は、Z方向において支柱21の輪郭が変化しない形状、すなわち、ベースプレート22から天板10に向けて傾斜せずに真っすぐに延びる形状を有してもよい。X方向に見て、支柱21は、略台形形状を有する。
【0035】
支柱21の材質に関し、什器100の強度及び重量を鑑みて、支柱21の材質が適宜決定される。樹脂材料や金属材料によって支柱21が構成されてもよい。
支柱21は、床面FLから天板10までの高さを調整する調整機構を有してもよい。この場合、調整機構は、例えば、ガススプリングを備える。
【0036】
<天板接続部>
天板接続部23は、上端部23Aを有する。上端部23Aは、下面12に接続されている。本実施形態では、上端部23Aと下面12との間に物品トレイ70が配置されており、物品トレイ70の一部を介して上端部23Aと下面12とが間接的に接続されている。上端部23Aと下面12とは直接的に接続されてもよい。下面12と天板接続部23とを接続する接続構造は、特に限定されない。ネジ等の公知の固定部材を用いて下面12と天板接続部23とが固定されてもよいし、下面12と天板接続部23とが接着により固定されてもよい。
【0037】
天板接続部23の内部には、電源端子部30が設けられている。
Z方向において、物品トレイ70と天板10との間に電源端子部30が配置されている。天板接続部23は、支柱21の表面に形成された支柱開口23Bを有する。支柱開口23Bは、支柱21の+X方向に向けている面と、-X方向に向いている面に形成されている。支柱開口23Bは、後述する電源端子部30のプラグ挿入口31を支柱21の外部に露出させる。つまり、天板接続部23は、2つの電源端子部30を支柱21の外部に露出させる。
【0038】
なお、支柱開口23Bは、支柱21の+Y方向に向けている面に形成されてもよいし、-Y方向に向いている面に形成されてもよい。この場合、+Y方向又は-Y方向において電源端子部30を支柱21の外部に露出させることができる。
【0039】
<第1延在部、第2延在部>
第1延在部24A、第2延在部24Bは、Y方向に並んでいる。+Z方向における第1延在部24Aの端部及び第2延在部24Bの端部は、天板接続部23に繋がっている。-Z方向における第1延在部24Aの端部及び第2延在部24Bの端部は、プレート接続部26に繋がっている。第1延在部24A及び第2延在部24Bは、Z方向に対して傾斜するようにプレート接続部26から天板接続部23に向けて延びている。
【0040】
<バッテリ収容部>
バッテリ収容部25Aは、支柱21の内部に設けられている。言い換えると、文言「支柱21の内部」は、-Z方向に見た什器100の投影図において、支柱21の外形を形成する輪郭21Eよりも内側の位置に、バッテリ収容部25Aが形成されていることを意味する。
バッテリ収容部25Aは、バッテリBを収容することが可能である。言い換えると、バッテリBは、バッテリ収容部25Aの内側の空間に収容可能である。バッテリ収容部25Aにおいては、放電部40に対してバッテリBを脱着することが可能である。
【0041】
<ユニット収容部>
ユニット収容部25Bは、支柱21の内部に設けられている。
Z方向において、ユニット収容部25Bは、バッテリ収容部25Aの下方に位置する。ユニット収容部25Bは、放電部40を収容することが可能である。言い換えると、放電部40は、ユニット収容部25Bの内側の空間に収容可能である。バッテリ収容部25A及びユニット収容部25Bを単に収容部25と称してもよい。
【0042】
Z方向において、バッテリ収容部25Aは、天板接続部23とベースプレート22との間に位置する。言い換えると、Z方向において、バッテリ収容部25Aは、天板接続部23とプレート接続部26との間に位置する。
Y方向において、バッテリ収容部25Aは、第1延在部24A及び第2延在部24Bの間に位置する。
X方向に見て、バッテリ収容部25Aは、天板接続部23、第1延在部24A、第2延在部24B、及びプレート接続部26によって囲まれており、略O字形状を有している。言い換えると、X方向に見て、支柱21を貫通する貫通空間がバッテリ収容部25Aである。
【0043】
使用者は、バッテリ収容部25Aを目視することができ、バッテリ収容部25AにバッテリBが収容されているか否かを確認することができる。使用者は、手指をバッテリ収容部25Aに延ばして、バッテリ収容部25Aに収容されているバッテリBをバッテリ収容部25Aから取り出したり、バッテリBをバッテリ収容部25Aに収容したりすることができる。
【0044】
-Z方向に見て、ユニット収容部25Bは、プレート接続部26の内側に形成された空間である。ユニット収容部25Bには、放電部40が配置されている。
【0045】
<プレート接続部>
プレート接続部26は、X方向に延びる2つの壁部26Xと、Y方向に延びる2つの壁部26Yとを有する。プレート接続部26は、壁部26X、26Yで囲まれた内部空間を形成している。このような内部空間は、ユニット収容部25Bである。
【0046】
<第1カバー部材、第2カバー部材>
第1カバー部材27及び第2カバー部材28は、例えば、低摩擦部材である。低摩擦部材の材質としては、例えば、フェルト生地が採用される。
第1カバー部材27は、X方向に見て、バッテリ収容部25Aの外形形状に対応する形状を有する。X方向において第1カバー部材27をバッテリ収容部25Aに挿入することで、第1カバー部材27が支柱21の内側に固定されている。
【0047】
第1カバー部材27は、Y方向に延びる2本の延在カバー部27Aを有する。延在カバー部27Aの内側には、第1カバー部材27の下方に位置するカバー開口27Bが形成されている。カバー開口27Bは、放電部40の載置面44bを露出させる部位である。具体的に、カバー開口27Bは、載置面44bをバッテリ収容部25Aに露出させている。
【0048】
放電部40がプレート接続部26の内側に配置された状態では、2本の延在カバー部27Aは、X方向における放電部40とプレート接続部26との間の隙間を隠す。これにより、バッテリ収容部25Aの意匠性を向上させることができる。
第1カバー部材27にカバー開口27Bが形成されていることで、放電部40の全体がバッテリ収容部25Aに露出することを防止しつつ、バッテリBと放電部40との電気的接続が実現されている。
【0049】
第2カバー部材28は、リング形状を有する。リング形状の外側輪郭は、ベースプレート22に対応する。リング形状の内側輪郭は、支柱21の外形形状に対応する。第2カバー部材28は、ベースプレート22上に配置され、固定されている。
【0050】
<ベースプレート>
ベースプレート22は、Z方向において支柱21に対して天板接続部23とは反対側に位置する。ベースプレート22は、支柱21を支持する支持部材の一例である。ベースプレート22は、プレート接続部26に接続される板状部材である。
【0051】
ベースプレート22とプレート接続部26とを接続する接続構造は、特に限定されない。ネジ等の公知の固定部材を用いてベースプレート22とプレート接続部26とが固定されてもよいし、ベースプレート22とプレート接続部26とが接着により固定されてもよい。
【0052】
ベースプレート22は、プレート上面22Aと、プレート下面22Bと、プレートフランジ22Fとを有する。プレート上面22Aは、第2カバー部材28が載置される面である。プレート上面22Aは、プレート接続部26の内部に配置された放電部40を支持する。プレート下面22Bは、キャスタ60が接続される面である。本実施形態では、プレート下面22Bに4つのキャスタ60が接続されている。
【0053】
プレートフランジ22Fは、プレート上面22Aから+Z方向に突出する突起部である。プレートフランジ22Fは、ベースプレート22の外周縁に設けられており、X方向及びY方向において、ベースプレート22の外周を囲むように形成されている。
プレートフランジ22Fは、ベースプレート22上に荷物が載置された場合において、荷物がベースプレート22から外側に落下することを防止する部位である。
【0054】
ベースプレート22の材質に関し、什器100の強度及び重量を鑑みて、ベースプレート22の材質が適宜決定される。例えば、樹脂材料や金属材料によってベースプレート22が構成されてもよい。
図1及び
図2に示す例では、ベースプレート22の平面形状は、略矩形形状である。什器100の姿勢を安定にすることが可能であれば、ベースプレート22の形状は限定されない。
【0055】
<キャスタ>
キャスタ60は、床面FLに接触するとともに回転可能なローラを有している。キャスタ60は、X方向及びY方向における什器100の移動を可能としつつ、什器100を支持する。キャスタ60は、例えば、市販されている公知のキャスタ部品である。
【0056】
キャスタ60は、キャスタ60の回転を停止させる公知のロック機構を有してもよい。什器100がキャスタ60を備えるので、什器100は、床面FL上を自在に移動することが可能である。
図2に示す例では、キャスタ60の個数は、4個である。キャスタ60の数は適宜変更可能であり、3つ以上であればキャスタ60の数は限定されない。
【0057】
本実施形態においては、支柱21を構成する支持部材の一例として、板状部材であるベースプレート22が採用されているが、板状部材以外の部材が支持部材に採用されてもよい。例えば、支持部材として、キャスタ60が固定された先端部を有するロッドを備えた脚部材が採用されてもよい。脚部材としては、例えば、公知の椅子等に適用されている脚が用いられる。
【0058】
<物品トレイ>
物品トレイ70は、天板接続部23に固定されている。物品トレイ70は、支柱21の周囲を囲むように、支柱21に固定されている。-Z方向に見て、天板10の縁部10Eで囲まれた領域の内側に物品トレイ70は位置している。
【0059】
物品トレイ70には、使用者の荷物や小物を配置することが可能である。このため、物品トレイ70は、物品載置部と称してもよい。物品トレイ70に載置される使用者の荷物や小物としては、例えば、スマートフォン、ハンドバック、ハンカチ、化粧品類、新聞、書籍等が挙げられる。使用者が持ち運ぶ物品であれば、荷物や小物の種類は限定されない。
【0060】
物品トレイ70は、天板10の下面12よりも下方に位置する。言い換えると、物品トレイ70は、下面12とバッテリ収容部25Aとの間に位置する。物品トレイ70は、Z方向において、支柱21に対してベースプレート22とは反対側に位置する。
【0061】
物品トレイ70は、板部材71と、+Z方向に向けて板部材71から突出する凸部72と、凸部72の表面に形成されたトレイ開口73とを有する。凸部72の内部には、空間が形成されている。言い換えると、物品トレイ70は、凸部72の形状に対応する形状を有する凹部74を有する。+Z方向に向けて凹むように板部材71に形成された部位である。凹部74には、天板接続部23の上端部23Aが挿入される。上端部23Aが凹部74に挿入された状態で、物品トレイ70は、支柱21に固定されている。
【0062】
物品トレイ70が支柱21に固定された状態では、トレイ開口73は、支柱開口23Bの位置に一致する。これにより、トレイ開口73及び支柱開口23Bを通じて、電源端子部30が外部に露出する。トレイ開口73及び支柱開口23Bは、天板10の下面12と物品トレイ70との間に位置する。言い換えると、電源端子部30は、天板10の下面12と物品トレイ70との間に位置する。
【0063】
本実施形態においては、凹部74に上端部23Aが挿入されることで、物品トレイ70が支柱21に固定されているが、物品トレイ70と支柱21とを接続する接続構造は、特に限定されない。ネジ等の公知の固定部材を用いて物品トレイ70と支柱21とが固定されてもよいし、物品トレイ70と支柱21とが接着により固定されてもよい。
【0064】
物品トレイ70の板部材71は、トレイ上面71Aと、トレイフランジ70Fとを有する。トレイ上面71Aは、使用者の物品だけでなく、電子機器に接続される電源ケーブルの余剰部分も載置することが可能である。
【0065】
トレイフランジ70Fは、物品トレイ70の縁部に位置する。トレイフランジ70Fは、トレイ上面71Aから+Z方向に突出する突起部である。トレイフランジ70Fは、物品トレイ70の外周縁に設けられており、X方向及びY方向において、物品トレイ70の外周を囲むように形成されている。
トレイフランジ70Fは、物品トレイ70上に物品が載置された場合において、物品が物品トレイ70から外側に落下することを防止する部位である。
【0066】
X方向及びY方向において、トレイフランジ70Fは、天板10の縁部10Eの外側に突出しない。言い換えると、-Z方向に見て、トレイフランジ70Fは、天板10の縁部10Eで囲まれた領域の内側に位置している。つまり、上下方向に見て、物品トレイ70の縁部に位置するトレイフランジ70Fの外側に天板10の縁部10Eが位置する。
【0067】
物品トレイ70の材質に関し、物品トレイ70に載置される物品の重量を鑑みて、物品トレイ70の材質が適宜決定される。例えば、樹脂材料や金属材料によって物品トレイ70が構成されてもよい。
図1及び
図2に示す例では、物品トレイ70の平面形状は、略矩形形状である。什器100の使用形態、物品トレイ70に載置される物品の形状を鑑みて、物品トレイ70の平面形状は変更可能である。
【0068】
<物品トレイの変形例>
図2に示す物品トレイ70は、トレイ開口73を有する凸部72を備えるが、物品トレイ70の形状は、
図2に示す形状に限定されない。
物品トレイ70は、凸部72に代えて、貫通孔を有してもよい。この場合、貫通孔は、天板接続部23の平面形状に応じた形状を有しており、板部材71の中央領域に形成されている。X方向及びY方向における貫通孔の位置は、凸部72と同じである。
【0069】
このような構成においては、貫通孔に天板接続部23を挿通させた状態で、物品トレイ70と天板接続部23とが固定される。言い換えると、貫通孔に天板接続部23が嵌合されている。貫通孔に対する天板接続部23の接続構造は、特に限定されない。物品トレイ70と支柱21とが接着により固定されてもよい。貫通孔の周縁部からZ方向に延びるフランジを設けて、ネジ等の公知の固定部材を用いてフランジと天板接続部23とを固定してもよい。本変形例の構造では、物品トレイ70を介さずに、上端部23Aと天板10の下面12とを接続することが可能である。
【0070】
本変形例では、トレイ開口73を有する凸部72が物品トレイ70に形成されていない。このため、物品トレイ70が支柱21に固定された状態では、支柱開口23Bを通じて、電源端子部30が外部に露出する。支柱開口23Bは、天板10の下面12と物品トレイ70との間に位置する。言い換えると、電源端子部30は、天板10の下面12と物品トレイ70との間に位置する。
【0071】
<放電部、配線、電源端子部、バッテリ>
図3Aは、第1実施形態に係る什器100におけるバッテリB、放電部40、及び配線50を示す斜視図である。
図3Bは、第1実施形態に係る什器100における配線50及び電源端子部30を示す斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る什器100における電源端子部30、バッテリB、放電部40、配線50、及び電子機器の電気的な接続関係を模式的に示すブロック図である。
図3A、
図3B、及び
図4においては、上述した支柱21の図示が省略されている。
図3Aにおいては、載置面44bを露出させるカバー開口27Bと放電部40との位置関係が示されている。
図3Bは、2つの電源端子部30のうち一つのみを示している。
図3Bにおいては、プラグ挿入口31を露出させる支柱開口23Bと電源端子部30との位置関係が示されている。
【0072】
<放電部>
放電部40は、バッテリBが取り付け可能なユニットである。放電部40は、バッテリBから出力される直流電力を交流電力に変換し、配線50を介して電源端子部30に電力を給電する。放電部40は、ケース44aと、載置面44bと、インバータ44cとを備えている。放電部40は、バッテリBから出力される電力を受電する。このため、放電部40を受電部と称してもよい。
【0073】
ケース44aは、載置面44b及びインバータ44cを支持する容器である。このケース44aは、プレート接続部26の内部において、ベースプレート22上に載置されている。なお、ケース44aは、ベースプレート22に対して接着剤やねじ等によって固定されてもよいが、固定されていない状態でベースプレート22に載置されてもよい。
【0074】
ケース44aは、載置面44bが取り外されることによって開放される開口端を有している。開口端は、上方に向けて開口されており、載置面44bが上方からケース44aに取り付けられることで載置面44bによって閉じられる。また、ケース44aは、内部にインバータ44cを収容している。-Z方向に見て、ケース44aは、カバー開口27Bの開口形状と略同一の形状を有する。
【0075】
インバータ44cは、バッテリBから出力される直流電力を交流電力に変換する変換器である。
図4に示すように、インバータ44cは、配線50を介して電源端子部30と接続されている。
【0076】
載置面44bは、Z方向にバッテリBに着脱可能に取り付けられる取付凹部44b1を有する。本実施形態においては、取付凹部44b1の個数は2つである。取付凹部44b1の個数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。載置面44bが2つの取付凹部44b1を有するので、放電部40に対して複数のバッテリBが取り付け可能である。
【0077】
このような構成においては、使用者は、取付凹部44b1にバッテリBが取り付けられているか否かを目視で判断することができる。使用者は、取付凹部44b1にバッテリBを設置したり、取付凹部44b1からバッテリBを取り外したりすることができる。つまり、使用者は、バッテリBを容易に交換することができる。
【0078】
載置面44bは、フランジ44Fを有する。X方向及びY方向において、フランジ44Fの大きさは、ケース44aよりも大きい。すなわち、ケース44aがカバー開口27Bに挿入された際、フランジ44Fはカバー開口27Bに挿入されない。-Z方向に見て、フランジ44Fは、ケース44aとカバー開口27Bとの間の隙間を隠す。
【0079】
取付凹部44b1の形状は、例えば、円形である。取付凹部44b1の直径は、バッテリBの下部の直径よりも大きく、バッテリBの下部を収容可能である。取付凹部44b1には、端子部が設けられている。取付凹部44b1の端子部は、バッテリBが取付凹部44b1に取り付けられた際に、バッテリBの底部に設けられたマイナス端子及びプラス端子の各々に接続することが可能である。
なお、取付凹部44b1の形状は、円形に限定されない。円形以外の形状が取付凹部44b1に採用されてもよい。
【0080】
<配線>
配線50は、電源端子部30とバッテリB(放電部40)とを電気的に接続する部材である。具体的に、配線50は、第1配線端51と、第1配線端51とは反対側に位置する第2配線端52とを有する。第1配線端51は、電源端子部30に接続されている。第2配線端52は、放電部40に電気的に接続されている。つまり、第2配線端52は、バッテリBに電気的に接続可能である。
【0081】
バッテリ収容部25AにバッテリBが収容された際において、バッテリBが放電部40にバッテリBが載置されると、放電部40のインバータ44cとバッテリBとが通電する状態となる。この状態で、配線50は、電源端子部30とバッテリBとを電気的に接続し、バッテリBの電力を電源端子部30に供給する。
【0082】
配線50は、支柱21の内部に配置されている。言い換えると、配線50は、支柱21を構成するプレート接続部26、第2延在部24B、及び天板接続部23の内部に配置されている。配線50は、支柱21の内部で略Z方向に延びている。支柱21の内部においては、配線50の延在方向を規制するガイド部が配置されてもよい。
【0083】
<電源端子部>
電源端子部30は、使用者の電子機器に接続される電源ケーブルが接続される部材である。
図1及び
図2に示すように、Z方向において、電源端子部30は、天板10の下面12と物品トレイ70との間に配置されている。電源端子部30は、支柱21の一部を構成する天板接続部23の内部に配置されている。
【0084】
図4に示すように、電源端子部30の個数は2つである。
図3Bに示すように、1つの電源端子部30は、2つのプラグ挿入口31を有する。プラグ挿入口31は、配線50に接続されている。電源端子部30は、例えば、電源タップ、端子取付部、コンセント等と称することができる。電源端子部30は、支柱21の一部である天板接続部23に配置されている。
【0085】
プラグ挿入口31は、インバータ44cによって直流電力から交流電力に変換された電力を電子機器に出力することができる。つまり、電源端子部30のプラグ挿入口31においては、一般的な商用電源と同様の交流電力が取り出し可能である。電子機器の電源ケーブルのプラグPが電源端子部30のプラグ挿入口31に接続された際、電源端子部30は、配線50を通じて、バッテリBの電力を電子機器に供給することが可能である。
【0086】
本実施形態において、電源端子部30の個数は2つである。一方の電源端子部30は、+X方向において、支柱開口23Bを通じて支柱21の外部に露出している。他方の電源端子部30は、-X方向において、支柱開口23Bを通じて支柱21の外部に露出している。
【0087】
電源端子部30は、例えば、USB(Universal Serial Bus)コンセントタップを備えてもよい。USBコンセントタップは、交流電力を直流電力に変換し、USBコンセントタップに接続されるタブレット端末やスマートフォン等の携帯端末に電力を供給する。また、電源端子部30は、電源端子部30と放電部40との間の電気的接続を切り替えるスイッチを有してもよい。
また、電源端子部30は、無線LAN端末を備えてもよいし、LAN(Local Area Network)ケーブルコネクタを有してもよい。電源端子部30は、非接触給電装置であってもよい。
【0088】
<電源端子部及び放電部の変形例>
電源端子部30は、USB端子の雌端子(雌コネクタ)を備えてもよい。この場合、放電部40は、インバータ44cを介さずに、バッテリBから供給される直流電力をUSB端子に直接的に供給してもよい。これにより、USB端子の雌端子に接続されるUSB端子の雄端子(雄コネクタ)を備える電子機器に直流電力を供給することができる。
USB端子の規格としては、例えば、USB Type-A、USB Type-B、USB Type-C等が用いられる。
【0089】
本変形例によれば、インバータ44cによる電力変換が不要になり、すなわち、直流電力を交流電力に変換する必要がない。また、交流電力を直流電力に変換する必要もない。したがって、効率的な電力供給を実現することができる。
【0090】
また、放電部は、インバータ44cを用いる第1電力供給系統と、インバータ44cを用いない第2電力供給系統との両方を備えてもよい。この場合、第1電力供給系統は、
図4に示す電気的な接続構造を有する。第2電力供給系統は、載置トレイの載置面44Bに載置されたバッテリBと、USB端子の雌端子を備える電源端子部30と、バッテリBと電源端子部30とを接続する配線とで構成された電気的な接続構造を有する。なお、第2電力供給系統は、制御回路を有してもよい。第2電力供給系統の制御回路は、例えば、電源端子部30から出力される直流電圧が一定となるように制御してもよい。
【0091】
<バッテリ>
バッテリBは、充放電が可能な可搬式の蓄電装置であり、言い換えると、充電式の携帯バッテリである。バッテリBは、角柱形状を有する本体部B1と、本体部B1の上部に設けられた把手B2と、本体部B1の側面に設けられた表示部B3とを有する。
【0092】
把手B2は、+Z方向に向けて延びるとともに湾曲形状を有する。使用者は、把手B2の上部を把持することで、バッテリBを持ち上げることが可能である。なお、把手B2の形状は、
図3Aに示した形状に限定されないが、片手で持ち上げられる形状を有することが好ましい。
【0093】
バッテリBの本体部B1は、充放電が可能なリチウム電池等を内蔵している。バッテリBは、バッテリBの本体部B1の底面には、リチウム電池に接続されたマイナス端子及びプラス端子が設けられている。本体部B1のマイナス端子及びプラス端子は、取付凹部44b1の端子部に接続可能である。
【0094】
表示部B3は、バッテリBの残りの充電量を表示する。使用者は、表示部B3に表示される情報を目視することができ、バッテリBの交換をするか否かを判断することができる。表示部B3は、例えば、液晶表示装置である。
【0095】
本実施形態において、バッテリの個数は2つである。バッテリの個数は限定されない。バッテリの個数は1個でもよいし、3個以上でもよい。バッテリの個数が2以上である場合、一方のバッテリの充電量がゼロになったとしても、他方のバッテリの充電量が十分にあれば、電子機器に対する充電を継続的に行うことができる。言い換えると、バッテリのバックアップ機能を実現できる。
【0096】
<バッテリ、電源端子部、放電部、配線、及び電子機器の電気接続関係>
図4に示すように、放電部40において、取付凹部44b1を有する載置面44bはインバータ44cと電気的に接続されている。
図4においては示されていないが、放電部40は、制御装置を備えてもよい。例えば、複数のバッテリBが放電部40に取り付けられた状態において、制御装置によって、電力を消費するバッテリBを選択してもよい。
【0097】
2つの電源端子部30の各々は、配線50を介して放電部40に対して接続されている。言い換えると、什器100においては、放電部40に対して2つ電源端子部30が接続されている。単一の放電部40から複数の電源端子部30への給電を行うことができる。
【0098】
本実施形態において、配線50の本数は、2本である。1つの配線50は、放電部40と一方の電源端子部30とを接続している。また、他方の配線50は、放電部40と他方の電源端子部30とを接続している。これらの配線50は、支柱21の内部に収容されているため、配線50は、什器100の外部から視認されることがない。
【0099】
配線50の各々は、放電部40のインバータ44cと、電源端子部30のプラグ挿入口31とを電気的に接続している。具体的に、配線50の第2配線端52がインバータ44cに接続されている。配線50の第1配線端51がプラグ挿入口31に接続されている。各々の配線50は、インバータ44cから出力された交流電力をプラグ挿入口31に導電する。
【0100】
このような構成においては、放電部40の取付凹部44b1にバッテリBが取り付けられ、電源端子部30のプラグ挿入口31に電子機器DのプラグPが差し込まれる。放電部40は、バッテリBから出力される直流電力をインバータ44cによって交流電力に変換する。インバータ44cで生成された交流電力は、配線50を介して電源端子部30に給電され、電源端子部30のプラグ挿入口31から電子機器Dに供給される。
【0101】
また、バッテリBを交換する場合には、使用者は、先に放電部40に取り付けられたバッテリBを取付凹部44b1から上方に持ち上げることによって放電部40から取り外す。その後、使用者は、新たなバッテリBを取付凹部44b1に対して上方から装着する。
【0102】
<什器の重心>
図1に示す符号GPは、什器100の重心の位置を示している。
符号LYは、Y方向に平行であるとともに重心GPと通る仮想線である。符号LXは、X方向に平行であるとともに重心GPと通る仮想線である。什器100は、仮想線LYに対して線対称な形状を有し、かつ、仮想線LXに対して線対称な形状を有する。
Z方向に見て、天板10の重心の位置と、支柱21の重心の位置と、バッテリBの重心の位置とが重心GPに一致している。
なお、後述する変形例に係る什器は、仮想線LY、LXのうち少なくとも一方に対して線対称な形状を有してもよい。
【0103】
<作用効果>
本実施形態に係る什器100によれば、バッテリBが収容可能なバッテリ収容部25Aが支柱21の内部に配置されているので、什器100におけるバッテリBを設置するための場所を最小限にすることができる。さらに、バッテリ収容部25Aが支柱21の内部に配置されているので、バッテリBを収容するバッテリ収容部25Aが支柱21の外部に設けられている構造よりも、什器100の重心の位置を安定にすることができる。
【0104】
具体的に、バッテリを収容する部位が基部の外部に配置されている構造においては、バッテリの重心の位置と、什器の重心の位置とが互いにずれてしまう。この場合、什器を移動させる際に、什器が不安定となり、スムーズに移動させることが難しい。
【0105】
これに対し、バッテリ収容部25Aが支柱21の内部に配置されている什器100の構造によれば、バッテリ収容部25AにバッテリBが収納された際、バッテリBの重心の位置と、什器100の重心の位置とが互いにずれ難くなる。これにより、什器100の重心の位置を安定にすることができる。したがって、什器100を移動させる際に、什器100が倒れ難くなり、什器100をスムーズに移動させることができる。
【0106】
さらに、本実施形態に係る什器100は、支柱21に配置された電源端子部30と、電源端子部30とバッテリ収容部25Aとを電気的に接続する配線50と、支柱21に接続されたキャスタ60とを備える。これにより、執務空間を形成する壁面や床面に設けられたコンセントと什器100とを接続する必要がなくなる。
【0107】
このため、什器100を使用する使用者は、什器100を自由な位置に移動させて、什器100を使用することができる。執務空間において什器100が使用される位置が制限されないので、什器100の利便性を高めることができる。
【0108】
Z方向において、天板10の重心の位置と、支柱21の重心の位置と、バッテリBの重心の位置とが一致しているので、バッテリ収容部25AにバッテリBが収納された場合、バッテリBの重量に起因して什器100の重心の位置がずれることがない。これにより、什器100の重心の位置を安定にすることができる。したがって、什器100を移動させる際に、什器100が倒れ難くなり、什器100をスムーズに移動させることができる。
【0109】
配線50は、支柱21の内部に配置されている。したがって、配線50が支柱21の外部に露出することが無い。言い換えると、支柱21によって配線50を隠すことができる。したがって、配線50が支柱21の外部に露出することによる意匠性の低下を防止することができ、つまり、意匠性に優れた什器100を提供することができる。
【0110】
電源端子部30は、支柱21に配置されている。言い換えると、電源端子部30が天板10に配置されていない。このため、電源端子部30が視覚的に目立ち難い。したがって、意匠性に優れた什器100を提供することができる。
【0111】
電源端子部30が物品トレイ70と天板10との間に配置されているので、電源端子部30が配置されるような配線取り出し口等の凹部や凸部を天板10の上面に形成する必要がない。したがって、作業面である天板10の上面11が狭くならず、広い面積を有する作業面を確保することができ、付什器100の利便性を高めることができる。
【0112】
また、天板10の上面11は、単一平面である。このため、広い面積を有する作業面を確保することができ、什器100の利便性を高めることができる。
上面11の単一平面には配線取り出し口等の凹部や凸部が形成されていない。このため、例えば、飲料等の液体が入った容器が凹部や凸部に引っ掛かることに起因して、液体が上面11上にこぼれることがない。このため、液体は、上面11上に濡れ広がることがない。また、そのような場合、上面11上に載置された電子機器に液体が接触することがなく、電子機器の故障を防止することができる。
【0113】
物品トレイ70は、天板10の下面12よりも下方に位置しており、支柱21に支持されている。このため、使用者は、物品を物品トレイ70に配置することができる。また、物品が物品トレイ70に載置された状態で、什器100を移動させることができる。このため、什器100としての使い易さを向上させることができる。
【0114】
上下方向に見て、トレイフランジ70Fの外側に天板10の縁部10Eが位置する。このため、例えば、飲料等の液体が入った容器が天板10上に配置された状態で、使用者の手指や腕が容器に過って接触し、万が一、容器から液体がこぼれたとしても、液体が物品トレイ70に到達しない。このため、物品トレイ70に配置された物品を液体によって濡れることがない。また、物品トレイ70に配置された物品が電子機器である場合、電子機器は液体に接触することがないため、電子機器の故障を防止することができる。
【0115】
電源端子部30は、天板10の下面12と物品トレイ70との間に配置されている。このため、使用者が電子機器を使用する際に、電子機器の電源ケーブルのプラグPを電源端子部30に電気的に接続することができる。さらに、電源ケーブルの余剰部分を物品トレイ70上に載置することができる。このため、什器100としての使い易さを向上させることができる。
【0116】
さらに、Y方向に見て、バッテリは隠れている。したがって、Y方向から什器100を見た場合においては、意匠性を向上させることができる。
また、使用者は、+X方向及び-X方向の各々からバッテリ収容部25Aに手指を挿入できる。このため、使用者は、+X方向及び-X方向の各々からバッテリBを掴むことができ、バッテリBを放電部40から取り外すことができる。また、使用者は、+X方向及び-X方向の各々からバッテリBを放電部40に設置することができる。
【0117】
ベースプレート22のプレート下面22Bにキャスタ60が配置されているので、使用者は、手指で天板10を保持した状態で天板10を水平方向に押したり引っ張ったりすることで、什器100を移動させることができる。使用者は、必ずしも、手指で天板を保持する必要はない。天板を水平方向に押すだけで、什器100を移動させることができる。特に、天板10の重心の位置と、支柱21の重心の位置と、バッテリBの重心の位置とが重心GPに一致することで、什器100の重心の位置が安定化している。このため、什器100の移動により什器100が倒れ難くなる。
【0118】
<変形例>
以下に述べる変形例では、
図1~
図4に示された同一部材には同一符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。
【0119】
<変形例1>
上述した第1実施形態においては、支柱21の一部を構成する天板接続部23の内部に電源端子部30が配置された構造について説明した。電源端子部30は、天板10の下面12に配置されてもよい。下面12と電源端子部30とを接続する接続構造は、特に限定されない。ネジ等の公知の固定部材を用いて下面12と電源端子部30とが固定されてもよいし、下面12と電源端子部30とが接着により固定されてもよい。
【0120】
下面12には、配線50を保持する配線保持部を設けてもよい。配線保持部は、例えば、フックである。このような構成によれば、配線保持部により、電源端子部30に接続されている配線50を保持することができる。
【0121】
下面12は、使用者から見て下面12は見えにくい部位である。このため、下面12に配置された電源端子部30は、視覚的に目立ち難い。したがって、意匠性に優れた什器100を提供することができる。
【0122】
<変形例2>
図5Aは、変形例2に係る什器101を示す側面図である。
什器101においては、Z方向におけるバッテリ収容部25Aの高さが
図1に示す什器100の高さよりも大きい。言い換えると、X方向において、什器101のバッテリ収容部25Aの開口面積が、什器100のバッテリ収容部25Aの開口面積よりも大きい。什器101においては、第1延在部24Aと第2延在部24Bとの間に梁部材29が設けられている。梁部材29は、Y方向に延在しており、第1延在部24Aの端部と第2延在部24Bとを接続している。
【0123】
什器101によれば、上述した什器100と同様の効果を得ることができる。
さらに、什器101によれば、バッテリ収容部25Aの開口面積が増加することで、X方向に見た支柱21の面積が小さくなる。したがって、什器101は、スタイリッシュな形状を備え、什器101の意匠性を向上させることができる。第1延在部24Aの端部と第2延在部24Bとの間に梁部材29が設けられているので、強度に優れた什器101を実現することができる。
【0124】
なお、什器101においては、使用者が梁部材29を容易に把持することが可能である。したがって、使用者は、手指で梁部材29を保持した状態で、天板10を水平方向に押したり引っ張ったりすることができる。すなわち、梁部材29を用いて、什器100を容易に移動させることができる。
【0125】
<変形例3>
図5Bは、変形例3に係る什器102を示す側面図である。
什器102においては、Z方向における高さ、すなわち、床面FLから天板10の上面11までの高さが、什器100よりも低い。什器102の高さは、例えば、600mmである。さらに、什器102においては、Y方向におけるバッテリ収容部25Aの幅が
図1に示す什器100の幅よりも大きい。
【0126】
什器102によれば、上述した什器100と同様の効果を得ることができる。
さらに、什器102によれば、バッテリ収容部25Aの幅が増加しているので、バッテリ収容部25Aに対するバッテリBの着脱作業においてバッテリBが第1延在部24Aや第2延在部24Bに接触し難くなる。したがって、使用者は、バッテリBの着脱作業を容易に行うことができる。
【0127】
<変形例4>
図5Cは、変形例4に係る什器103を示す模式断面図である。
図5Cは、-Z方向に見て、天板10を透視するように支柱21の構造を示している。
図5Cにおいては、天板10の外形形状が点線で示されている。
【0128】
什器103においては、支柱21は、第3延在部24Cを有する。第3延在部24Cは、+X方向における第1延在部24Aの端部と、+X方向における第2延在部24Bの端部とに繋がっている。第3延在部24Cは、Z方向に対して傾斜するようにプレート接続部26から天板接続部23に向けて延びている。言い換えると、Z方向に見て、支柱21は、略U字形状を有する。
【0129】
什器103においては、+X方向において第3延在部24Cがバッテリ収容部25Aを隠している。つまり、第3延在部24は、+X方向においてバッテリBが露出しないようにバッテリ収容部25Aを覆っている。+X方向において什器103の隣り又は什器103から離れた場所にいる使用者は、第3延在部24Cを有する支柱21を目視することになる。
【0130】
什器103によれば、上述した什器100と同様の効果を得ることができる。
さらに、什器103によれば、第3延在部24Cがバッテリ収容部25Aを覆うので、什器103の意匠性を向上させることができる。
なお、本変形例では、支柱21の+X方向に位置する部分に第3延在部24Cが設けられている構造を説明したが、支柱21の-X方向に位置する部分に第3延在部24Cが設けられてもよい。
【0131】
<変形例5>
図5Dは、変形例5に係る什器104を示す模式断面図である。
図5Dは、-Z方向に見て、天板10を透視するように支柱21の構造を示している。
図5Dにおいては、天板10の外形形状が点線で示されている。
変形例5においては、
図5Cに示された同一部材には同一符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。
【0132】
什器104は、上述した什器103と同様に、+X方向における第1延在部24Aの端部と、+X方向における第2延在部24Bの端部とを繋ぐ第3延在部24Cを有する。さらに、什器104は、-X方向における第1延在部24Aの端部に接続されたヒンジ24Dと、ヒンジ24Dに接続された扉24Eとを有する。
【0133】
扉24Eは、ヒンジ24D回りに回転可能である。扉24Eの先端部24Fには、-X方向における第2延在部24Bの端部に係合する係合部が設けられている。つまり、扉24Eは、バッテリ収容部25Aを開閉する開閉動作を行うことができる。
【0134】
扉24Eが閉じた状態では、-X方向において扉24Eがバッテリ収容部25Aを隠す。つまり、扉24Eは、-X方向においてバッテリBが露出しないようにバッテリ収容部25Aを覆う。この場合、-X方向において什器104の隣り又は什器104から離れた場所にいる使用者は、扉24Eを目視することになる。
【0135】
扉24Eが開いた状態では、-X方向においてバッテリBが露出する。この場合、-X方向において什器104の隣りにいる使用者は、バッテリBを目視することができ、バッテリBの着脱作業を行うことができる。
【0136】
什器104によれば、上述した什器100、103と同様の効果を得ることができる。
さらに、什器104によれば、扉24Eを閉じることで、バッテリ収容部25Aの内部を隠すことができる。したがって、-X方向において什器104の隣り又は什器104から離れた場所にいる使用者から見た什器104の意匠性を向上させることができる。また、扉24Eを開くことで、バッテリBの着脱作業を行うことができる。
【0137】
なお、本変形例では、支柱21の-X方向に位置する部分にヒンジ24D及び扉24Eを設けたが、支柱21の+X方向に位置する部分にヒンジ24D及び扉24Eが設けられてもよい。
【0138】
<変形例6>
図5Eは、変形例6に係る什器105を示す模式断面図である。
図5Eは、-Z方向に見て、天板10を透視するように支柱21の構造を示している。
図5Eにおいては、天板10の外形形状が点線で示されている。
変形例6においては、
図5C及び
図5Dに示された同一部材には同一符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。
【0139】
什器105は、天板10の形状と、バッテリBの個数の点で什器104と相違している。本変形例においては、Z方向に見た天板10は、円板形状を有する。円板の中央に、1つのバッテリBが位置する。第3延在部24C、ヒンジ24D、及び扉24Eの構造は、什器103、104と同様である。
【0140】
什器105によれば、上述した什器100、103、104と同様の効果を得ることができる。
さらに、什器105によれば、天板10の形状が円板であり、バッテリBの個数が1つであるので、支柱21の太さを小さくすることができる。したがって、什器105は、スタイリッシュな形状を備え、什器105の意匠性を向上させることができる。
【0141】
<変形例7>
図5Fは、変形例7に係る什器106を示す模式断面図である。
図5Fは、-Z方向に見て、天板10を透視するように支柱21の構造を示している。
図5Fにおいては、天板10の外形形状が点線で示されている。
変形例7においては、支柱21は、第2延在部24Bを備えておらず、第1延在部24Aを有している。つまり、什器106は、片持ち構造を有する。
【0142】
+Y方向、-X方向、及び+X方向において什器106の隣り又は什器106から離れた場所にいる使用者は、什器106に配置されたバッテリ収容部25Aを目視することができ、バッテリ収容部25AにバッテリBが収容されているか否かを確認することができる。使用者は、手指をバッテリ収容部25Aに延ばして、バッテリ収容部25Aに収容されているバッテリBをバッテリ収容部25Aから取り出したり、バッテリBをバッテリ収容部25Aに収容したりすることができる。従って、バッテリBの着脱作業をより一層容易にすることができる。また、-Y方向に見てバッテリBを隠すことができ、意匠性を向上させることができる。
【0143】
なお、
図5C~
図5Eに示す変形例4~6においては、Z方向に見て、支柱21は、略U字形状を有しているが、支柱21は、略C字形状を有してもよい。具体的に、第1延在部24A、第2延在部24B、及び第3延在部24Cで組み合わされた形状が、Z方向に見て、略C字形状を有してもよい。
また、扉24Eを備える構造において、第1延在部24A、第2延在部24B、第3延在部24C、及び扉24Eで組み合わされた形状が、Z方向に見て、略O字形状を有してもよい。
【0144】
<第2実施形態>
<什器>
図6は、第2実施形態に係る什器を示す斜視図である。第2実施形態では、
図1~
図5Fに示された同一部材には同一符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。
上述した第1実施形態においては、バッテリBが放電部40に設置された状態でバッテリBの電力が電源端子部30に供給される構造について説明した。第2実施形態に係る什器200は、執務空間を形成する壁面や床面に設置された電源コンセントから供給される電力、すなわち、商用電源を利用している。
図6において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0145】
上述した実施形態と同様に、配線50は、第1配線端51及び第2配線端52を有する。支柱21の一部を形成するプレート接続部26の壁部26Xには、配線開口26Hが設けられている。プレート接続部26は、支柱21の下方部位の一例である。配線開口26Hは、開口の一例である。
配線50は、配線開口26Hを通っている。配線50は、支柱21の内部に配置された内部配線50Iと、支柱21の外部に配置された外部配線50Eとを有する。すなわち、配線50の少なくとも一部は、支柱21の内部に配置されている。
【0146】
内部配線50Iは、配線開口26Hとは反対側に位置する第1配線端51を有する。言い換えると、配線開口26Hと第1配線端51との間の配線が、内部配線50Iである。第1配線端51は、電源端子部30に接続されている。
【0147】
外部配線50Eは、配線開口26Hとは反対側に位置する第2配線端52を有する。言い換えると、配線開口26Hと第2配線端52との間の配線が、外部配線50Eである。第2配線端52は、公知のプラグを介して、執務空間を形成する壁面に設けられた電源コンセントPWに接続されている。すなわち、第2配線端52は、配線開口26Hを通じて、支柱21の外側に位置する。
【0148】
本実施形態に係る什器200によれば、執務空間を形成する壁面に設けられた電源コンセントPWに第2配線端52を接続することが可能となる。電源コンセントPWを通じて、商用電源からの電力を電源端子部30に安定的に供給することができる。
【0149】
<第2実施形態の変形例>
配線50が通る開口は、配線開口26Hに限定されない。
図6において点線で示されているように、配線開口26Hに代えて、ベースプレート22がプレート開口22Hを有してもよい。配線50は、プレート開口22Hを通る。すなわち、第2配線端52は、プレート開口22Hを通じて、ベースプレート22の外側に位置する。言い換えると、プレート開口22Hと第2配線端52との間の配線が、外部配線50Eである。本変形例においても、電源コンセントPWを通じて、商用電源からの電力を電源端子部30に安定的に供給することができる。
【0150】
図7は、上述した付什器を使用する使用環境を示す図である。
図7は、オフィス、公共施設、学校、住居等における会議室や執務空間を示している。符号H1、H2、H3、H4は、使用者を示している。符号D1、D2、D3、D4は、電子機器を示している。電子機器D1、D2は、什器102の天板10上に配置されている。電子機器D3は、什器100の天板10上に配置されている。
【0151】
使用者H1は、ソファに座りながら電子機器D1を操作している。使用者H2は、ソファに座りながら電子機器D2を操作している。使用者H3は、椅子に腰を掛けながら、電子機器D3を操作している。使用者H3は、使用者H1、H2よりも高い位置で、電子機器D3を操作している。使用者H4は、ソファに座りながら、什器100、102から離れた位置で、電子機器D4を操作している。
【0152】
電子機器D1、D2は、不図示の電源ケーブルを介して什器102の電源端子部30に接続されている。つまり、電子機器D1、D2は、什器102のバッテリBから供給されている電力を利用して駆動している。同様に、電子機器D3は、不図示の電源ケーブルを介して什器100の電源端子部30に接続されている。つまり、電子機器D3は、什器100のバッテリから供給されている電力を利用して駆動している。
電子機器D4には、什器100のバッテリBから供給された電力が充電されている。このため、電子機器D4は、電源ケーブルを用いずに、駆動している。
【0153】
使用者H1、H2の荷物は、什器102のベースプレート22上に配置されている。図示はされていないが、使用者H1、H2のスマートフォンは、什器102の物品トレイ70上に配置されている。使用者H3の荷物は、什器100のベースプレート22上に配置されている。図示はされていないが、使用者H4が所有する書籍が、什器100の物品トレイ70上に配置されている。
【0154】
使用者H1、H2、H3、H4は、什器100、102を囲みながら、電子機器D1、D2、D3、D4を操作しながら、ミーティングを行っている。
図7に示すように、什器100、102は、ミーティングテーブルとして機能することもできる。
【0155】
図7においては、什器100に代えて、什器200が採用されてもよい。この場合、電源端子部30を通じて、商用電源からの電力を電子機器D3に供給することができる。
【0156】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
【符号の説明】
【0157】
10・・・天板、10E・・・縁部、11・・・上面、12・・・下面、21・・・支柱(基部)、21E・・・輪郭、22・・・ベースプレート(支持部材)、22A・・・プレート上面、22B・・・プレート下面、22H・・・プレート開口、22F・・・プレートフランジ、23・・・天板接続部、23A・・・上端部、23B・・・支柱開口、24・・・第3延在部、24A・・・第1延在部、24B・・・第2延在部、24C・・・第3延在部、24D・・・ヒンジ、24E・・・扉、24F・・・先端部、25・・・収容部、25A・・・バッテリ収容部、25B・・・ユニット収容部、26・・・プレート接続部、26H・・・配線開口、26X、26Y・・・壁部、27・・・第1カバー部材、27A・・・延在カバー部、27B・・・カバー開口、28・・・第2カバー部材、29・・・梁部材、30・・・電源端子部、31・・・プラグ挿入口、40・・・放電部、44a・・・ケース、44b・・・載置面、44b1・・・取付凹部、44c・・・インバータ、44F・・・フランジ、50・・・配線、50I・・・内部配線(配線)、50E・・・外部配線(配線)、51・・・第1配線端、52・・・第2配線端、60・・・キャスタ、70・・・物品トレイ、70F・・・トレイフランジ、71・・・板部材、71A・・・トレイ上面、72・・・凸部、73・・・トレイ開口、74・・・凹部、100、101、102、103、104、105、106、200・・・什器(天板付什器)、B・・・バッテリ、B1・・・本体部、B2・・・把手、B3・・・表示部、D、D1、D2、D3、D4・・・電子機器、FL・・・床面、GP・・・重心、H1、H2、H3、H3、H4、使用者、LX・・・仮想線、LY・・・仮想線、P・・・プラグ、PW・・・電源コンセント