IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱マテリアル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-リチウムイオン二次電池の処理方法 図1
  • 特開-リチウムイオン二次電池の処理方法 図2
  • 特開-リチウムイオン二次電池の処理方法 図3
  • 特開-リチウムイオン二次電池の処理方法 図4
  • 特開-リチウムイオン二次電池の処理方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135553
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池の処理方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 7/00 20060101AFI20230921BHJP
   C22B 1/00 20060101ALI20230921BHJP
   C22B 26/12 20060101ALI20230921BHJP
   C22B 3/06 20060101ALI20230921BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20230921BHJP
   C22B 3/26 20060101ALI20230921BHJP
   C25B 1/16 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
C22B7/00 C
C22B1/00 101
C22B26/12
C22B3/06
C22B3/44 101A
C22B3/26
C25B1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040824
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】川崎 始
(72)【発明者】
【氏名】林 浩志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮介
【テーマコード(参考)】
4K001
4K021
【Fターム(参考)】
4K001AA02
4K001AA07
4K001AA09
4K001AA10
4K001AA16
4K001AA19
4K001AA34
4K001BA22
4K001CA01
4K001CA02
4K001CA09
4K001DB03
4K001DB04
4K001DB05
4K001DB23
4K001DB26
4K021AB01
4K021BA04
4K021BB02
(57)【要約】
【課題】リチウムイオン二次電池に含まれるリチウムを効率よく高純度で回収することができるリチウムイオン二次電池の処理方法を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池を粉砕および分級し、少なくともリチウムを含む電極材料を得る粉砕選別工程と、前記電極材料を酸に浸漬して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液に水酸化リチウムを添加してpHを調整するpH調整工程と、前記浸出液中のリチウム以外の金属を回収して、リチウム含有液を得る金属回収工程と、前記リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収する水酸化リチウム回収工程と、を含み、前記水酸化リチウム回収工程で回収した水酸化リチウムを、前記pH調整工程で使用することを特徴とするリチウムイオン二次電池の処理方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン二次電池を粉砕および分級し、少なくともリチウムを含む電極材料を得る粉砕選別工程と、
前記電極材料を酸に浸漬して浸出液を得る浸出工程と、
前記浸出液に水酸化リチウムを添加してpHを調整するpH調整工程と、
前記浸出液中のリチウム以外の金属を回収して、リチウム含有液を得る金属回収工程と、
前記リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収する水酸化リチウム回収工程と、を含み、
前記水酸化リチウム回収工程で回収した水酸化リチウムを、前記pH調整工程で使用することを特徴とするリチウムイオン二次電池の処理方法。
【請求項2】
前記水酸化リチウム回収工程において、前記リチウム含有液を、電気透析法を用いて水酸化リチウムを含む溶液と酸を含む溶液とに分離して、前記水酸化リチウム回収工程で回収した前記酸を前記浸出工程で使用する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の処理方法。
【請求項3】
前記酸が硫酸である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池には、リチウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄などの有価金属が使用されている。このため、廃棄されたリチウムイオン二次電池から有価金属を回収し、回収した金属を再利用することが行われている。
【0003】
リチウムイオン二次電池から有価金属を回収する方法として、リチウムイオン二次電池の電極を酸に浸漬して浸出液とし、得られた浸出液中の金属を回収する方法が知られている。浸出液中の金属を回収する方法としては、浸出液のpHを調整して浸出液中の金属イオンを析出させ、析出させた金属を固液分離する方法や溶媒抽出法が利用されている。浸出液のpHを調整するためのpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等のアルカリが利用されている(特許文献1)。浸出液のpH調整剤などに起因するナトリウムイオンと、リチウムイオンとを含む浸出液からリチウムイオンを回収する方法として、リチウムイオン及びナトリウムイオンを含む溶媒をリチウム溶液でスクラビングした後、リチウムイオンを逆抽出する方法が検討されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-40035号公報
【特許文献2】特開2020-164969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムは、無臭で取り扱いが容易であることから、浸出液のpH調整剤として有用である。しかしながら、リチウムを高純度で回収するためには、特許文献2に記載されているように、ナトリウムを分離する作業が必要となるため効率が低下するという問題がある。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、リチウムイオン二次電池に含まれるリチウムを効率よく高純度で回収することができるリチウムイオン二次電池の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のリチウムイオン二次電池の処理方法は、リチウムイオン二次電池を粉砕および分級し、少なくともリチウムを含む電極材料を得る粉砕選別工程と、前記電極材料を酸に浸漬して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液に水酸化リチウムを添加してpHを調整するpH調整工程と、前記浸出液中のリチウム以外の金属を回収して、リチウム含有液を得る金属回収工程と、前記リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収する水酸化リチウム回収工程と、を含み、前記水酸化リチウム回収工程で回収した水酸化リチウムを、前記pH調整工程で使用することを特徴としている。
【0008】
本発明のリチウムイオン二次電池の処理方法によれば、pH調整工程において、pH調整剤(アルカリ)として水酸化リチウムを用いるので、金属回収工程で得られるリチウム含有液はナトリウムを実質的に含まない。このため、水酸化リチウム回収工程において、リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収する際に、ナトリウム除去の工程が不要となり、リチウムの回収が容易となるので、作業効率が向上する。また、ナトリウム除去の工程が不要となるので、ナトリウムとともに排出される排水が発生せず、排水処理への負荷が低減する。さらに、水酸化リチウム回収工程にて回収された水酸化リチウムを、pH調整工程のpH調整剤(アルカリ)として用いるので、アルカリを別に用意する必要性が低く、作業効率がより向上し、薬液費用が低減する。なお、金属回収工程では、リチウム以外の金属の全てを回収する必要はなく、水酸化リチウム回収工程でのリチウムなどの回収に大きな影響のない程度まで、他の金属の含有量を低減できればよい。
【0009】
ここで、本発明のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、前記水酸化リチウム回収工程において、前記リチウム含有液を、電気透析法を用いて水酸化リチウムを含む溶液と酸を含む溶液とに分離して回収し、前記水酸化リチウム回収工程で回収した前記酸を前記浸出工程で使用する構成であってもよい。
この場合、水酸化リチウム回収工程で回収した酸を浸出工程で使用するので、作業効率がさらに高くなり、薬液費用がさらに低減する。また、水酸化リチウム回収工程にてリチウム含有液中の酸を回収することにより、酸とともに排出される排水量が削減されるので、排水処理への負荷がさらに低減する。
【0010】
また、本発明のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、前記酸が硫酸である構成であってもよい。
この場合、酸として硫酸を用いるので、電極材料に含まれるニッケルやコバルトを硫酸塩として回収することができる。電池電極材料として硫酸ニッケルや硫酸コバルトなどの硫酸塩が用いられていることから、ニッケルやコバルトを硫酸塩として回収することによって、ニッケルやコバルトのリサイクルが容易になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リチウムイオン二次電池に含まれるリチウムを効率よく高純度で回収することができるリチウムイオン二次電池の処理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の処理方法を示すフロー図である。
図2】本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の処理方法で用いることができるリチウム回収装置の一例を示すブロック図である。
図3図2に示すリチウム回収装置で使用できる電気透析装置の別の一例を示す模式断面図である。
図4図2に示すリチウム回収装置で使用できる電気透析装置のさらに別の一例を示す模式断面図である。
図5図2に示すリチウム回収装置で使用できる電気透析装置のさらに別の一例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の処理方法を示すフロー図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法は、熱処理工程S01、粉砕選別工程S02、浸出工程S03、pH調整工程S04、金属回収工程S05、水酸化リチウム回収工程S06を含む。
【0015】
(熱処理工程S01)
熱処理工程S01では、廃棄されたリチウムイオン二次電池(以下、廃LIBと称する)を熱処理する。熱処理温度は、例えば、400℃以上660℃以下の範囲内である。熱処理は、真空加熱でも常圧加熱でもよい。廃LIBは、バインダーの存在により正極活物質や負極活物質と、集電体であるアルミニウム箔や銅箔との付着力が大きい。このため、熱処理工程を行うことによって、これら活物質と集電体との分離を容易にする。また、熱処理工程を行うことによって、リチウム二次電池のセパレータや電解液に含まれる有機溶媒などの可燃物を熱分解させて、除去することができる。
【0016】
(粉砕選別工程S02)
粉砕選別工程S02では、熱処理工程S01で熱処理された廃LIBを粉砕および分級して、リチウムを含む電極材料を得る。廃LIBの粉砕は、例えば、二軸破砕機のようなせん断式破砕機やハンマーミルのような衝撃式破砕機を単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。粉砕した廃LIBの分級は、例えば、篩を用いることができる。篩を用いることにより、電池外装材、金属製タブ端子、正極集電体、負極集電体を含む粗大破砕物を篩の上産物として回収し、電極材料を篩の下産物として回収することができる。電極材料は、正極活物質および負極活物質が主成分であるが、電解液の残留物や過粉砕された粗大破砕物の微粉末も少量ながら含まれる。
【0017】
(浸出工程S03)
浸出工程S03では、粉砕選別工程S02で得られた電極材料(ブラックマス)を酸に浸漬して浸出液を得る。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸を用いることができる。本実施形態では、酸として硫酸を用いる。本実施形態では、電極材料と硫酸とを混合し、得られた混合物を50~80℃の温度に調整しながら、1~3時間攪拌して、電極材料中の金属を溶解させて浸出液を得る。また、浸出時に過酸化水素や溶存酸素を導入することで金属浸出を促進することもできる。
【0018】
浸出液のpHは特に制限はなく、例えば、2以下である。浸出液に含まれる金属は、廃LIBで使用されている材料によって異なるが、例えば、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、アルミニウム、銅である。リチウムは、例えば、廃LIBの正極活物質、負極活物質、電解液の残留物に含まれている。コバルト、ニッケル、マンガンは、例えば、廃LIBの正極活物質に含まれている。アルミニウムは、例えば、廃LIBの正極集電体に含まれている。銅は、例えば、廃LIBの負極集電体に含まれている。鉄は、例えば、廃LIBの電池外装材に含まれている。
【0019】
浸出液が不溶分を含む場合は、除去することが好ましい。不溶分の除去方法としては、デカンテーション、加圧ろ過、遠心分離などの固液分離法を用いることができる。不溶分は、例えば、炭素材料である。炭素材料は、例えば、廃LIBの正極活物質、負極活物質に含まれている。
【0020】
(pH調整工程S04)
pH調整工程S04では、浸出工程S03で得られた浸出液に水酸化リチウムを添加してpHを調整する。浸出液のpHの調整は、例えば、浸出液を攪拌しながら、浸出液に水酸化リチウムを添加することにより行う。浸出液のpHは、例えば、3.0以上6.0以下の範囲内、好ましくは4.0以上5.0以下の範囲内となるように調整する。これによって、浸出液中のアルミニウムが水酸化アルミニウムとなって析出し、鉄が水酸化鉄として析出する。
【0021】
(金属回収工程S05)
金属回収工程S05では、浸出液中のリチウム以外の金属を回収して、リチウム含有液(硫酸リチウム含有液)を得る。まず、pH調整工程S04で析出した析出物(水酸化アルミニウム、水酸化鉄)を回収する。析出物の回収方法としては、デカンテーション、加圧ろ過、遠心分離などの固液分離法を用いることができる。
【0022】
次に、浸出液中のコバルト、ニッケル、マンガン、銅を回収する。これらの金属は、溶媒抽出法により目的とする元素を選択的に回収することができる。溶媒抽出による上記金属の回収方法としては、特に制限なく、公知の方法を用いることができる。例えば、最初にマンガンおよび銅を回収し、次いで、コバルトを回収した後、ニッケルを回収してもよい。溶媒抽出による上記金属の回収に際して、浸出液のpHの調整は、水酸化リチウム(アルカリ)および硫酸(酸)を用いることができる。
【0023】
溶媒抽出法によるマンガンおよび銅の回収は、浸出液と抽出溶媒とを攪拌混合し、浸出液中のマンガンと銅を抽出溶媒に抽出し、次いで、静置により、浸出液と抽出溶媒とを相分離した後、抽出溶媒を分液することにより行うことができる。抽出溶媒中のマンガンと銅は、抽出溶媒を洗浄した後、抽出溶媒と硫酸水溶液とを攪拌混合して、抽出溶媒中のマンガンと銅を硫酸水溶液に逆抽出することによって回収することができる。抽出溶媒としては、燐酸エステル系抽出剤とオキシム系抽出剤を含む混合溶媒を用いることができる。この混合溶媒を用いることによって、浸出液に残存している鉄 、アルミニウムを同時に回収することができる。
【0024】
溶媒抽出法によるコバルトの回収は、浸出液と抽出溶媒とを攪拌混合し、浸出液中のコバルトを抽出溶媒に抽出し、次いで、静置により、浸出液と抽出溶媒とを相分離した後、抽出溶媒を分液することにより行うことができる。抽出溶媒中のコバルトは、抽出溶媒を洗浄した後、抽出溶媒と硫酸水溶液とを攪拌混合して、抽出溶媒中のコバルトを硫酸水溶液に逆抽出することによって回収することができる。抽出溶媒としては、例えば、PC-88A等のリン酸エステル系抽出剤を用いることができる。PC-88Aを用いてコバルトおよびニッケルを含む浸出液からコバルトを回収する場合は、浸出液のpHを、例えば、2~5の範囲内に調整することによりコバルトおよび一部のニッケルを抽出し、その後、希薄な酸を用いて抽出溶媒からニッケルを洗浄除去する。
【0025】
溶媒抽出法によるニッケルの回収は、浸出液と抽出溶媒とを攪拌混合し、浸出液中のニッケルを抽出溶媒に抽出し、次いで、静置により、浸出液と抽出溶媒とを相分離した後、抽出溶媒を分液することにより行うことができる。抽出溶媒中のニッケルは、抽出溶媒を洗浄した後、抽出溶媒と硫酸水溶液とを攪拌混合して、抽出溶媒中のニッケルを硫酸水溶液に逆抽出することによって回収することができる。抽出溶媒としては、例えば、PC-88A等のリン酸エステル系抽出剤を用いることができる。PC-88Aを用いてニッケルを回収する場合は、浸出液のpHを、例えば、4~7の範囲内に調整する。浸出液がコバルトを含む場合は前述のコバルトを溶媒抽出により回収する方法を実施し、コバルト抽出後の浸出液を溶媒抽出することによりニッケルを回収する。
【0026】
(水酸化リチウム回収工程S06)
水酸化リチウム回収工程S06では、金属回収工程S05で得られたリチウム含有液(硫酸リチウム含有液)中のリチウムを水酸化リチウムとして回収するとともに、硫酸を回収する。回収した水酸化リチウムは、pH調整工程S04および金属回収工程S05においてpH調整剤(アルカリ)として利用する。また、回収した硫酸は、浸出工程S03において酸および金属回収工程S05においてpH調整剤(酸)として利用する。硫酸リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収するとともに、硫酸を回収する方法としては、電気透析法を用いることができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の処理方法で用いることができるリチウム回収装置の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、リチウム回収装置1は、電気透析装置10を有する。リチウム回収装置1は、さらに、精製装置20、硫酸リチウム循環槽30、硫酸循環槽40、水酸化リチウム循環槽50、蒸発缶60、凝縮器70を有する。
【0028】
電気透析装置10は、容器11と、容器11内に配置されたアノード12とカソード13と、アノード12とカソード13との間に配置された陰イオン交換膜A1と陽イオン交換膜C1とを有する。陰イオン交換膜A1はアノード12側に配置され、陽イオン交換膜C1はカソード13側に配置されている。アノード12と陰イオン交換膜A1とで陽極室AEを形成し、陰イオン交換膜A1と陽イオン交換膜C1とで脱塩室Dを形成し、カソード13と陽イオン交換膜C1とで陰極室CEを形成する。硫酸リチウム含有液は脱塩室Dに供給される。アノード12とカソード13との間に電圧を印加すると、脱塩室D中のリチウムイオン(Li)は陽イオン交換膜C1を通って陰極室CEに移動し、硫酸イオン(SO 2-)は陰イオン交換膜A1を通って陽極室AEに移動する。アノード12にて水素イオン(H)が発生し、陽極室AEに硫酸濃縮液が生成する。カソード13にて水酸化物イオン(OH-)が発生し、陰極室CE内に水酸化リチウム濃縮液が生成する。
【0029】
脱塩室Dでリチウムが脱塩された脱リチウム処理水は、蒸発缶60もしくは硫酸リチウム循環槽30に送られる。蒸発缶60において、脱リチウム処理水は加熱され、水分の蒸発によって濃縮される。得られた濃縮液は、硫酸リチウム含有液とともに、精製装置20に送られる。一方、蒸発した水分(水蒸気)は、凝縮器70に送られて液化される。
【0030】
精製装置20は、硫酸リチウム含有液と濃縮液とを混合した硫酸リチウム含有混合液に含まれているリチウムイオン以外の陽イオンと硫酸イオン以外の陰イオンをイオン交換法や溶媒抽出法により除去する。陽イオンをイオン交換法で除去する方法としては、例えば、リチウムで置換された陽イオン交換樹脂あるいはリチウムとキレートを形成しているキレート樹脂と、硫酸リチウム含有混合液とを接触させる方法を用いることができる。また、陰イオンをイオン交換法で除去する方法としては、例えば、硫酸で置換された陰イオン交換樹脂あるいは硫酸とキレートを形成しているキレート樹脂と、硫酸リチウム含有混合液とを接触させる方法を用いることができる。精製装置20で精製された硫酸リチウム含有混合液は、硫酸リチウム循環槽30に送られる。
【0031】
硫酸リチウム循環槽30に送られた硫酸リチウム含有混合液は、硫酸リチウム循環槽30内で一旦、貯留された後、電気透析装置10の脱塩室Dに送られる。硫酸リチウム含有混合液の硫酸リチウム濃度は、1質量%以上20質量%以下の範囲内にあることが好ましい。精製装置20から送られた硫酸リチウム含有混合液の濃度が高い場合は、脱リチウム処理水で希釈する。硫酸リチウム含有混合液の硫酸リチウム濃度が1質量%未満では電解時の電圧が大きくなり適切な操作が難しくなるおそれがあり、20質量%より大きいと硫酸リチウムの溶解度付近の濃度となり取り扱いが難しくなるおそれがある。
【0032】
陽極室AEで生成した硫酸濃縮液は、一部が取り出されて、浸出工程の酸としてあるいは金属回収工程のpH調整剤(酸)として利用される。残りの硫酸濃縮液は、硫酸循環槽40に送られる。硫酸循環槽40には、さらに水が供給されている。水としては、凝縮器70で液化された水を用いることができる。
【0033】
硫酸循環槽40に送られた硫酸濃縮液と水は、硫酸循環槽40内で混合され、硫酸希釈液として、一旦、貯留された後、電気透析装置10の陽極室AEに送られる。硫酸希釈液の硫酸濃度は、1質量%以上であることが好ましい。硫酸希釈液の硫酸濃度が1質量%未満では電解時の電圧が大きくなり適切な操作が難しくなるおそれがある。
【0034】
陰極室CEで生成した水酸化リチウム濃縮液は、一部が取り出されて、pH調整工程あるいは金属回収工程のpH調整剤(アルカリ)として利用される。また、取り出された水酸化リチウム濃縮液の一部は、水酸化リチウム(製品)として利用される。残りの水酸化リチウム濃縮液は、水酸化リチウム循環槽50に送られる。水酸化リチウム循環槽50には、さらに水が供給されている。水としては、凝縮器70で液化された水を用いることができる。
【0035】
水酸化リチウム循環槽50に送られた水酸化リチウム濃縮液と水は、水酸化リチウム循環槽50内で混合され、水酸化リチウム希釈液として、一旦、貯留された後、電気透析装置10の陰極室CEに送られる。水酸化リチウム希釈液の水酸化リチウム濃度は、1質量%以上10質量%以下の範囲内にあることが好ましい。水酸化リチウム希釈液の水酸化リチウム濃度が1質量%未満では電解時の電圧が大きくなり適切な操作が難しくなるおそれがあり、20質量%より大きいと脱塩室Dから陰極室CEへリチウムイオンが移動しにくくなるおそれがある。
【0036】
電気透析装置10の操作条件は、装置のサイズや硫酸リチウム含有混合液の硫酸リチウム濃度などの条件によっても異なるが、例えば、アノード12とカソード13の間の印加電圧は1V以上3V以下の範囲内、電流密度は0.3mA/dm以上50mA/dm以下の範囲内、好ましくは1mA/dm以上20mA/dm以下の範囲内である。電気透析装置10の硫酸リチウム含有混合液、硫酸希釈液、水酸化リチウム希釈液の液温は、例えば、100℃以下、好ましくは30℃以上60℃以下である。また、硫酸リチウム含有混合液、硫酸希釈液、水酸化リチウム希釈液の濃度および流量は、水酸化リチウムの生成速度が140g/m(イオン交換膜の有効面積)/時間以上900g/m(イオン交換膜の有効面積)/時間以下の範囲内となるように調整することが好ましい。なお、イオン交換膜の有効面積は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とが対向している部分の面積である。
【0037】
図2に示すリチウム回収装置1において、電気透析装置10は、アノード12とカソード13との間に陰イオン交換膜A1と陽イオン交換膜C1とがそれぞれ1個ずつ配置された構成とされているが、電気透析装置10の構成はこれに限定されるものではない。例えば、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に複数個配置した構成であってもよいし、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とバイポーラ膜とをこの順で複数個配置した構成であってもよい。電気透析装置10の例を図3図5に示す。
【0038】
図3に示す電気透析装置10aは、アノード12とカソード13との間に陽イオン交換膜C21、C22と陰イオン交換膜A21、A22とがそれぞれ交互に配置されている。アノード12側の末端に陽イオン交換膜C21が配置され、カソード13側の末端に陰イオン交換膜A22が配置されている。アノード12と陽イオン交換膜C21とで陽極室AEを、陽イオン交換膜C21と陰イオン交換膜A21とで硫酸濃縮室ACを、陰イオン交換膜A21と陽イオン交換膜C22とで脱塩室Dを、陽イオン交換膜C22と陰イオン交換膜A22とでリチウム濃縮室CCを、陰イオン交換膜A22とカソード13とで陰極室CEをそれぞれ形成する。陽極室AEおよび陰極室CEには水が供給される。脱塩室Dは硫酸リチウム循環槽30と接続していて、硫酸リチウム含有混合液が供給される。硫酸濃縮室ACは硫酸循環槽40と接続していて、硫酸希釈液が供給される。リチウム濃縮室CCは水酸化リチウム循環槽50と接続していて、水酸化リチウム希釈液が供給される。
【0039】
電気透析装置10aのアノード12とカソード13との間に電圧を印加すると、脱塩室D中のリチウムイオンは陽イオン交換膜C22を通ってリチウム濃縮室CCに移動し、硫酸イオンは陰イオン交換膜A21を通って硫酸濃縮室ACに移動する。陽極室AE中の水素イオンは、陽イオン交換膜C21を通って硫酸濃縮室ACに移動する。陰極室CE中の水酸化物イオンは、陰イオン交換膜A22を通ってリチウム濃縮室CCに移動する。
これによって、硫酸濃縮室ACには硫酸濃縮液が生成する。また、リチウム濃縮室CCには水酸化リチウム濃縮液が生成する。
【0040】
図4に示す電気透析装置10bは、アノード12とカソード13との間に陽イオン交換膜C31~C36と陰イオン交換膜A31~A36とがそれぞれ交互に配置されている。アノード12の末端に陽イオン交換膜C31が配置され、カソード13側の末端に陰イオン交換膜A36が配置されている。アノード12と陽イオン交換膜C31とで陽極室AEを形成している。陽イオン交換膜C31と陰イオン交換膜A31との間、陽イオン交換膜C33と陰イオン交換膜A33との間、陽イオン交換膜C35と陰イオン交換膜A35との間で硫酸濃縮室ACを形成する。陰イオン交換膜A31と陽イオン交換膜C32との間、陰イオン交換膜A33と陽イオン交換膜C34との間、陰イオン交換膜A35と陽イオン交換膜C36との間で脱塩室Dを形成する。陽イオン交換膜C32と陰イオン交換膜A32との間、陽イオン交換膜C34と陰イオン交換膜A34との間、陽イオン交換膜C36と陰イオン交換膜A36との間でリチウム濃縮室CCを形成する。陰イオン交換膜A32と陽イオン交換膜C33との間、陰イオン交換膜A34と陽イオン交換膜C35との間で水電解室WEを形成する。陰イオン交換膜A36とカソード13とで陰極室CEを形成する。陽極室AE、陰極室CE、水電解室WEには水が供給される。脱塩室Dは硫酸リチウム循環槽30と接続していて、硫酸リチウム含有混合液が供給される。硫酸濃縮室ACは硫酸循環槽40と接続していて、硫酸希釈液が供給される。リチウム濃縮室CCは水酸化リチウム循環槽50と接続していて、水酸化リチウム希釈液が供給される。
【0041】
電気透析装置10bのアノード12とカソード13との間に電圧を印加すると、脱塩室D中のリチウムイオンは陽イオン交換膜C32、C34、C36を通ってリチウム濃縮室CCに移動し、硫酸イオンは陰イオン交換膜A31、A33、A35を通って硫酸濃縮室ACに移動する。陽極室AE中の水素イオンは、陽イオン交換膜C31を通って硫酸濃縮室ACに移動する。陰極室CE中の水酸化物イオンは、陰イオン交換膜A36を通ってリチウム濃縮室CCに移動する。水電解室WE中の水素イオンは陽イオン交換膜C33、C35を通って硫酸濃縮室ACに移動し、水酸化物イオンは陰イオン交換膜A32、A34を通ってリチウム濃縮室CCに移動する。これによって、硫酸濃縮室ACには硫酸濃縮液が生成する。また、リチウム濃縮室CCには水酸化リチウム濃縮液が生成する。
【0042】
図5に示す電気透析装置10cは、アノード12とカソード13との間に、バイポーラ膜B41~B43と、陽イオン交換膜C41~C43と、陰イオン交換膜A41~A43とがそれぞれアノード12からバイポーラ膜、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜の順で配列されている。カソード13側の末端の陰イオン交換膜A43とカソード13との間にはバイポーラ膜B44が配置されている。バイポーラ膜B41と陰イオン交換膜A31との間、バイポーラ膜B42と陰イオン交換膜A42との間、バイポーラ膜B43と陰イオン交換膜A43との間で硫酸濃縮室ACを形成する。陰イオン交換膜A41と陽イオン交換膜C41との間、陰イオン交換膜A42と陽イオン交換膜C42との間、陰イオン交換膜A43と陽イオン交換膜C43との間で脱塩室Dを形成する。陽イオン交換膜C41とバイポーラ膜B42との間、陽イオン交換膜C42とバイポーラ膜B43との間、陽イオン交換膜C43とバイポーラ膜B44との間でリチウム濃縮室CCを形成する。バイポーラ膜B44とカソード13とで陰極室CEを形成する。陽極室AE、陰極室CEには水が供給される。脱塩室Dは硫酸リチウム循環槽30と接続していて、硫酸リチウム含有混合液が供給される。硫酸濃縮室ACは硫酸循環槽40と接続していて、硫酸希釈液が供給される。リチウム濃縮室CCは水酸化リチウム循環槽50と接続していて、水酸化リチウム希釈液が供給される。
【0043】
電気透析装置10cのアノード12とカソード13との間に電圧を印加すると、脱塩室D中のリチウムイオンは陽イオン交換膜C41~C43を通ってリチウム濃縮室CCに移動し、硫酸イオンは陰イオン交換膜A41~A43を通って硫酸濃縮室ACに移動する。バイポーラ膜B41~B43で生成した水素イオンは硫酸濃縮室ACに移動し、バイポーラ膜B42~B44で生成した水酸化物イオンはリチウム濃縮室CCに移動する。これによって、硫酸濃縮室ACには硫酸濃縮液が生成する。また、リチウム濃縮室CCには水酸化リチウム濃縮液が生成する。
【0044】
上記の電気透析装置10a~10cは、いずれもリチウム回収装置1の電気透析装置として有利に使用することができる。
【0045】
以上のような構成とされた本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法によれば、pH調整工程S04において、pH調整剤(アルカリ)として水酸化リチウムを用いるので、金属回収工程S05で得られるリチウム含有液はナトリウムを実質的に含まない。このため、水酸化リチウム回収工程において、リチウム含有液中のリチウムを水酸化リチウムとして回収する際に、ナトリウム除去の工程が不要となり、リチウムの回収が容易となるので、作業効率が向上する。また、ナトリウム除去の工程が不要となるので、ナトリウムとともに排出される排水が発生せず、排水処理への負荷が低減する。さらに、水酸化リチウム回収工程S06にて回収された水酸化リチウムを、pH調整工程S04のpH調整剤(アルカリ)として用いるので、アルカリを別に用意する必要性が低く、作業効率がより向上し、薬液費用が低減する。なお、金属回収工程S05では、リチウム以外の金属の全てを回収する必要はなく、水酸化リチウム回収工程S06でのリチウムや硫酸の回収に大きな影響のない程度まで、他の金属の含有量を低減できればよい。
【0046】
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、水酸化リチウム回収工程S06にて、リチウム含有液を電気透析法を用いて、水酸化リチウムを含む溶液と硫酸を含む溶液とに分離して回収し、水酸化リチウム回収工程S06で回収した硫酸を浸出工程S03で使用するので、作業効率がさらに高くなり、薬液費用がさらに低減する。また、水酸化リチウム回収工程S06にて硫酸リチウム含有液中の硫酸を回収することにより、硫酸とともに排出される排水量が削減され、排水処理への負荷がさらに低減する。
【0047】
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法において、酸として硫酸を用いるので、電極材料に含まれるニッケルやコバルトを硫酸塩として回収することができる。電池電極材料として硫酸ニッケルや硫酸コバルトなどの硫酸塩が用いられていることから、ニッケルやコバルトを硫酸塩として回収することによって、ニッケルやコバルトのリサイクルが容易になる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0049】
例えば、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、粉砕選別工程S02の前に熱処理工程S01を行っているが、熱処理工程S01は省略してもよい。ただし、この場合、粉砕選別工程S02で得られる電極材料にセパレータが混入することがある。電極材料にセパレータが混入した場合は、電極材料を浸出工程S03で浸出液とした後、セパレータを除去することが好ましい。
【0050】
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、浸出工程S03にて硫酸を用いているが、硫酸の代わりに、塩酸や硝酸を用いてもよい。塩酸を用いる場合、水酸化リチウム回収工程S06において、硫酸イオンの代わりに塩化物イオンを回収する。硝酸を用いる場合、水酸化リチウム回収工程S06において、硫酸イオンの代わりに硝酸イオンを回収する。
【0051】
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池の処理方法においては、水酸化リチウム回収工程S06でのリチウムの回収方法として電気透析法を用いているが、リチウムの回収方法はこれに限定されるものではない。リチウムの回収方法としては、リチウムを炭酸リチウムとして回収し、得られた炭酸リチウムを用いて水酸化リチウム溶液を調製する方法を用いてもよい。リチウムを炭酸リチウムとして回収する方法としては、リチウム含有液から不純物を除去して精製した後、リチウム含有液に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩あるいは炭酸ガスを加えて、炭酸リチウムを析出させ、析出した炭酸リチウムを回収する方法を用いることができる。このとき炭酸リチウムの形成を促すために水酸化ナトリウムを添加してpHを調整することができる。リチウム含有液の精製方法としては、イオン交換法や溶媒抽出法を利用することができる。炭酸リチウムを析出させる方法として、リチウム含有液が硫酸リチウム含有液の場合は、例えば、硫酸リチウムと炭酸ナトリウムとを反応(LiSO+NaCO→LiCO↓+NaSO)させる方法を用いることができる。析出した炭酸リチウムを回収する方法としては、デカンテーション、加圧ろ過、遠心分離などの固液分離法を用いることができる。
【0052】
炭酸リチウムを用いて水酸化リチウム溶液を調製する方法としては、例えば、次の方法を用いることができる。まず、水と炭酸リチウムを混合して、炭酸リチウム溶液を得る。次いで炭酸リチウム溶液に水酸化カルシウム(消石灰)を加えて、炭酸リチウムと水酸化カルシウムとを反応(LiCO+Ca(OH)→2LiOH+CaCO↓)させて、水酸化リチウムを生成させるとともに、炭酸カルシウムを析出させる。そして、水酸化リチウム溶液から固液分離法により炭酸カルシウムを除去する。
【符号の説明】
【0053】
1 リチウム回収装置
10、10a、10b、10c 電気透析装置
11 容器
12 アノード
13 カソード
20 精製装置
30 硫酸リチウム循環槽
40 硫酸循環槽
50 水酸化リチウム循環槽
60 蒸発缶
70 凝縮器
図1
図2
図3
図4
図5