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特開2023-135560プラズマ機能液製造装置及び方法並びに植物栽培プラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135560
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】プラズマ機能液製造装置及び方法並びに植物栽培プラント
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20230101AFI20230921BHJP
   A01N 59/00 20060101ALI20230921BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20230921BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230921BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20230921BHJP
   B01F 23/2373 20220101ALI20230921BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20230921BHJP
   B01F 25/45 20220101ALI20230921BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20230921BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20230921BHJP
【FI】
C02F1/68 520B
A01N59/00 Z
A01P1/00
A01P3/00
C02F1/68 510A
C02F1/68 510C
C02F1/68 530A
B01F23/231
B01F23/2373
B01F23/2375
B01F25/45
C02F1/50 531B
C02F1/50 531Q
C02F1/50 531R
C02F1/50 531T
C02F1/50 531U
C02F1/50 540B
C02F1/50 550D
A01G31/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040835
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】520514827
【氏名又は名称】学校法人青葉学園
(71)【出願人】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】山縣 芳和
(72)【発明者】
【氏名】中西 秀行
(72)【発明者】
【氏名】小澤 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】沖野 晃俊
(72)【発明者】
【氏名】末永 祐磨
(72)【発明者】
【氏名】劉 智志
(72)【発明者】
【氏名】大澤 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 篤郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 有里子
(72)【発明者】
【氏名】宇野 雄一
【テーマコード(参考)】
2B314
4G035
4H011
【Fターム(参考)】
2B314MA11
2B314MA23
2B314MA46
2B314PA13
4G035AB07
4G035AC26
4H011AA01
4H011AA02
4H011BB18
4H011DA12
4H011DA21
4H011DE15
(57)【要約】
【課題】簡便な装置構成でプラズマガスを液体に導入するとともに活性種の分解を抑制するプラズマ機能液製造装置及び方法並びに植物栽培プラントを提供する。
【解決手段】プラズマ機能液製造装置10は、高周波電圧が印可される第1の電極21と、第1の電極21に空間を介して対向して配置され、アース24に接続された金属製の第2の電極22と、空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路26aと、を備えているプラズマガス発生部20と、溶媒Sを貯留して第1の電極21及び第2の電極22を浸漬させるプラズマ機能液生成槽31を備えているプラズマ機能液生成部30と、を備えている。第1の電極21と第2の電極22との間に高周波電圧が印加されて空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、第2の電極22を通過して気泡状態で溶媒Sに導入されて、プラズマ機能液Lが生成される構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置され、アースに接続された金属製の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、
溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、
を備え、
前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極である前記多孔質部材との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記第2の電極を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成されることを特徴とするプラズマ機能液製造装置。
【請求項2】
高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された非導電性の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、
導電性を示す溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させ、アースに接続されたプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、
を備え、
前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極である前記溶媒との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成されることを特徴とするプラズマ機能液製造装置。
【請求項3】
前記第1の電極の表面は、誘電体から成る誘電体層で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ機能液製造装置。
【請求項4】
前記多孔質部材は、銅、銀又はそれらの合金から成ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ機能液製造装置。
【請求項5】
前記プラズマガスの気泡は、マイクロバブル又はウルトラファインバブルであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のプラズマ機能液製造装置。
【請求項6】
前記プラズマ生成ガスは、空気、二酸化炭素ガス、酸素ガス、窒素ガスのうち少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のプラズマ機能液製造装置。
【請求項7】
前記プラズマ機能液生成部は、前記プラズマ機能液を前記プラズマ機能液生成槽の外部に放出可能な放出部を備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のプラズマ機能液製造装置。
【請求項8】
請求項7記載のプラズマ機能液製造装置と、
植物を栽培する栽培容器と、
を備え、
前記放出部は、前記プラズマ機能液を前記植物に滴下又は噴霧することを特徴とする植物栽培プラント。
【請求項9】
請求項7記載のプラズマ機能液製造装置と、
植物を水耕栽培する栽培槽と、
を備え、
前記放出部は、前記プラズマ機能液を前記栽培槽に供給することを特徴とする植物栽培プラント。
【請求項10】
前記溶媒は、液体肥料であり、
前記プラズマ生成ガスは、少なくとも窒素を含み、
前記プラズマ機能液生成部は、前記栽培槽に供給されたプラズマ機能液を前記栽培槽から前記プラズマ機能液生成槽に還流する還流路を備えていることを特徴とする請求項9に記載の植物栽培プラント。
【請求項11】
高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備え、前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極との間に高周波電圧を印加して前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて活性種を含むプラズマガスを生成するプラズマガス発生部と、
溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備え、前記多孔質部材を通過した気泡状態の前記プラズマガスを前記溶媒に導入させてプラズマ機能液を生成するプラズマ機能液生成部と、
を備えていることを特徴とするプラズマ機能液製造装置。
【請求項12】
高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置され、アースに接続された金属製の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、
溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、
を備えているプラズマ機能液製造装置を用いたプラズマ機能液製造方法であって、
前記第1の電極と多孔質部材との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成されることを特徴とするプラズマ機能液製造方法。
【請求項13】
高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された非導電性の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、
導電性を示す溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるとともにアースに接続されたプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、
を備えているプラズマ機能液製造装置を用いたプラズマ機能液製造方法であって、
前記第1の電極と溶媒との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成されることを特徴とするプラズマ機能液製造方法。
【請求項14】
前記第1の電極の表面は、誘電体から成る誘電体層で被覆されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のプラズマ機能液製造方法。
【請求項15】
前記プラズマガスの気泡は、マイクロバブル又はウルトラファインバブルであることを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載のプラズマ機能液製造方法。
【請求項16】
前記プラズマ生成ガスは、空気、二酸化炭素ガス、酸素ガス、窒素ガスのうち少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載のプラズマ機能液製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ機能液製造装置及び方法並びに植物栽培プラントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラズマを利用した様々な洗浄や除菌(殺菌)等に関する技術が研究されている。特に、プラズマ処理されたガス(プラズマガス)を液体(溶媒)に導入して、プラズマ処理で発生したオゾン、イオン又はラジカル等の活性種を利用して、液体を洗浄又は除菌することが検討されている。
【0003】
特許文献1には、プラズマにより発生したオゾンやラジカル等をバブリングにより処理すべき液体中に導入させて、液体中に存在する有機物等を分解させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-178870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、活性種を含むプラズマガスを液体中で生成する場合、一対の電極を水中に配置し、電極間にプラズマガスを生成するためのガス(プラズマ生成ガス)を供給した状態で、一方の電極に高電圧を印加し他方の電極をアースとする等の複雑な構成を構築する必要がある。さらに、プラズマ発生時に熱が生じるため、活性種が短時間で分解されるという問題があった。
【0006】
そこで、簡便な装置構成でプラズマガスを液体に導入するとともに活性種の分解を抑制するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラズマ機能液製造装置は、高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置され、アースに接続された金属製の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、を備え、前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極である前記多孔質部材との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記第2の電極を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成される構成とした。
【0008】
また、本発明に係るプラズマ機能液製造装置は、高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、導電性を示す溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させ、アースに接続されたプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、を備え、前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極である前記溶媒との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成される構成とした。
【0009】
また、本発明に係るプラズマ機能液製造装置は、高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備え、前記第1の電極と前記第1の電極と対になる第2の電極との間に高周波電圧を印加して前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて活性種を含むプラズマガスを生成するプラズマガス発生部と、溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備え、前記多孔質部材を通過した気泡状態の前記プラズマガスを前記溶媒に導入させて前記プラズマ機能液を生成するプラズマ機能液生成部と、を備えている構成とした。
【0010】
また、本発明に係るプラズマ機能液製造方法は、高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置され、アースに接続された金属製の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、備えているプラズマ機能液製造装置を用いたプラズマ機能液製造方法であって、前記第1の電極と多孔質部材との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成される構成とした。
【0011】
また、本発明に係るプラズマ機能液製造方法は、高周波電圧が印可される第1の電極と、前記第1の電極に空間を介して対向して配置された非導電性の多孔質部材と、前記空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路と、を備えているプラズマガス発生部と、導電性を示す溶媒を貯留して前記第1の電極及び多孔質部材を浸漬させるとともにアースに接続されたプラズマ機能液生成槽を備えているプラズマ機能液生成部と、備えているプラズマ機能液製造装置を用いたプラズマ機能液製造方法であって、前記第1の電極と溶媒との間に高周波電圧が印加されて前記空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、前記多孔質部材を通過して気泡状態で前記溶媒に導入されて、プラズマ機能液が生成される構成とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、第1の電極と第2の電極との間に高周波電圧が印加されてプラズマ生成ガスから活性種を保持するプラズマガスが生成され、このプラズマガスが、多孔質部材を通過して過度な発熱や圧力変動を伴わずに気泡状態でプラズマ機能液生成槽内の溶媒に導入されることにより、長寿命の活性種を含むプラズマ機能液を得ることができる。さらに、第1の電極と第2の電極とがプラズマ機能液生成槽に浸漬された状態でプラズマガスを生成するため、プラズマ時に生じた熱が溶媒に効率良く放熱され、活性種への熱の影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係るプラズマ機能液製造装置の構成を示す模式図である。
図2図1に示すプラズマヘッドの要部を示す縦断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るプラズマ機能液製造装置の構成を示す模式図である。
図4図3に示すプラズマヘッドの要部を示す縦断面図である。
図5】第3の実施形態に係る植物栽培プラントの構成を示す模式図である。
図6】第3の実施形態の第1変形例に係る植物栽培プラントの構成を示す模式図である。
図7】第3の実施形態の第2変形例に係る植物栽培プラントの構成を示す模式図である。
図8】第3の実施形態の第3変形例に係る植物栽培プラントの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の各種実施形態について図面に基づいてそれぞれ説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0015】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0016】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
【0017】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10について、図1図2に基づいて説明する。プラズマ機能液製造装置10は、洗浄効果や除菌効果に優れたプラズマ機能液Lを製造する。
【0018】
プラズマ機能液製造装置10は、プラズマガス発生部であるプラズマヘッド20を備えている。プラズマヘッド20は、プラズマを生成するものであれば如何なる構成であっても構わないが、大気圧付近の圧力でプラズマを発生させる大気圧プラズマ装置が好ましい。大気圧プラズマ装置は、真空プラズマ装置等の低圧プラズマ装置に比べて、装置サイズが小型で、操作性に優れ、且つ安全性が高い。さらに、大気圧プラズマ装置は、低圧プラズマ装置に比べて、高濃度の活性種を生成可能である。
【0019】
プラズマヘッド20は、円柱状の第1の電極21と、中空の略円筒状に形成されて第1の電極21を収容する第2の電極22と、を備えている。第1の電極21と第2の電極22とは、略同軸上に配置されている。第1の電極21及び第2の電極22は、後述するプラズマ機能液生成槽31に浸漬されている。
【0020】
第1の電極21は、プラズマ機能液生成槽31の外に配置された電源23に給電ケーブル23aを介して接続されている。第2の電極22は、プラズマ機能液生成槽31の外に配置されたアース24にアース線24aを介して接続されている。
【0021】
第1の電極21の外周には誘電体が被覆されて成る誘電体層25が設けられている。第1の電極21と第2の電極22との間に誘電体層25が介在することにより、プラズマを安定して発生させることができる。
【0022】
第1の電極21、第2の電極22の間の空間には、プラズマ機能液生成槽31の外に配置されたコンプレッサー26からガス供給路26aを介してプラズマ生成ガスが送られる。ガス供給路26aの下流端は、プラズマヘッド20内まで延伸されている。
【0023】
プラズマ生成ガスは、空気、二酸化炭素ガス、酸素ガス、窒素ガスのうち少なくとも1種類を含む。プラズマ生成ガスの酸素濃度が90%以上、好ましくは90%以上95%以下の場合には、優れた洗浄効果や除菌効果を奏する。プラズマ生成ガスは、必要に応じて図示しない酸素濃縮器により、予め酸素濃度を調整しても構わない。なお、プラズマ生成ガスの酸素濃度が100%未満の場合、プラズマ生成ガスには窒素成分等が含まれる。特に、空気中の窒素をゼオライトに吸着させて高濃度の酸素を生成するPSA方式を用いた酸素濃縮機を使用して酸素濃度95%のプラズマ生成ガスを生成した場合、理論上0.5%程度の窒素が含まれる。第1の電極21と第2の電極22との間に高周波電圧が印加されると、プラズマ生成ガスからプラズマが生成される。
【0024】
第2の電極22の両端には、円板状の支持部材27、28が配置されている。支持部材27は、第2の電極22の先端側に設けられている。支持部材28は、第2の電極22の基端側に設けられ、第1の電極21、誘電体層25及びガス供給路26aを支持している。なお、図1図2中の符号29は、給電ケーブル23a、アース線24a等を保護する保護管である。
【0025】
第2の電極22は、外周面に多数の孔22aが形成された導電性を示す多孔質部材であり、プラズマガス放出部を兼ねている。第2の電極22は、内部に供給されたプラズマガスを孔22aに通過させることにより、プラズマガスの気泡Bをプラズマ機能液生成槽31内の溶媒Sに導入させる。
【0026】
孔22aの孔径は、プラズマ機能液生成槽31内の溶媒Sに導入させる気泡Bの発生初期の気泡径に応じた任意の大きさに設定可能である。例えば、孔22aの孔径に応じて、気泡径が1μm~100μm程度のマイクロバブルや、気泡径が数十nm~1μm程度のウルトラファインバブルを生成可能である。
【0027】
気泡Bには、プラズマ生成ガスの種類に応じて、オゾン、過酸化水素、水酸化ラジカル、窒素酸化物、一重項酸素等の活性種が含有されている。本明細書において「活性種」とは、プラズマ生成ガスがプラズマにより活性化されて生成されたラジカル等である。プラズマガスに含まれるラジカルは、プラズマガスを生成するためのプラズマ生成ガスの種類によって異なり、例えば、プラズマ生成ガスに酸素成分が含まれる場合には、酸素ラジカル類が生じ、プラズマ生成ガスに窒素成分が含まれる場合には、窒素酸化物ラジカル類が生じる。また、硝酸態窒素(硝酸ラジカル)は植物の生育に有用である。
【0028】
また、第2の電極22は、好ましくは銅、銀又はそれらの合金から成る。これにより、銅イオン又は銀イオンを溶媒Sに導入させることができる。
【0029】
さらに、導電性を示す第2の電極22がアース24に接続されることにより、装置を簡素化且つ小型化するとともに、装置を持ち運び可能に構成することができる。また、金属製の第2の電極22は熱伝導率が高く、プラズマで発生した熱を効率良く溶媒Sに放熱できるため、活性種への熱の影響を抑制することができる。さらに、第2の電極22全体でプラズマが発生するため、プラズマヘッド20内で偏りなく略均一にプラズマガスを発生させることができ、気泡Bを溶媒Sへ容易に拡散することができる。
【0030】
プラズマ機能液製造装置10は、プラズマ機能液Lを生成するプラズマ機能液生成部30を備えている。本明細書において「プラズマ機能液L」とは、プラズマガスに保持された活性種が溶媒S中で気泡Bに保持された後に徐々に溶媒Sに溶解した溶液をいう。すなわち、プラズマ機能液Lには、気泡Bに保持されている活性種又は溶媒Sに溶解した活性種が含まれる。溶媒Sに活性種が溶解することにより、溶媒S自体が洗浄、除菌され、また、プラズマ機能液Lは、他の物体を洗浄、除菌する。また、プラズマ生成ガスの窒素濃度が0.5%以上である場合、プラズマ機能液Lに窒素ガスに由来する硝酸イオンが溶解するため、植物の生育に好適なプラズマ機能液Lを得ることができる。
【0031】
プラズマ機能液生成部30は、溶媒Sを貯留してプラズマヘッド20を溶媒S中に浸漬するプラズマ機能液生成槽31を備えている。プラズマ機能液生成槽31には、従来のような旋回流方式と比べて、溶媒Sを撹拌する撹拌翼等が設けられておらず、溶媒S中では気流の発生が抑制されている。溶媒Sは、超純水、イオン交換水、精製水又は蒸留水等の水又は無機栄養素を含む溶液、若しくは液体肥料等であるが、これらに限定されるものではない。なお、溶媒Sに液体肥料を用いる場合、プラズマ機能液Lが液体肥料に含まれる菌類を殺菌できるとともに、植物Pの生育に好適な活性種を液体肥料に含有させることができる。
【0032】
気泡Bは、溶媒S中に保持される時間が長いマイクロバブル又はウルトラファインバブルが好ましい。特に、気泡Bがウルトラファインバブルである場合、気泡Bに浮力がほとんど作用しないため、気泡状態が長時間に亘って保持される。
【0033】
このようにして、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10は、高周波電圧が印可される第1の電極21と、第1の電極21に空間を介して対向して配置され、アース24に接続された金属製の第2の電極22と、空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路26aと、を備えているプラズマヘッド20と、溶媒Sを貯留して第1の電極21及び第2の電極22を浸漬させるプラズマ機能液生成槽31を備えているプラズマ機能液生成部30と、を備え、第1の電極21と第2の電極22との間に高周波電圧が印加されて空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、第2の電極22を通過して気泡状態で溶媒Sに導入されて、プラズマ機能液Lが生成される構成とした。
【0034】
この構成によれば、第1の電極21と第2の電極22との間に高周波電圧が印加されてプラズマ生成ガスから活性種を保持するプラズマガスが生成され、このプラズマガスが、第2の電極22の孔22aを通過して過度な発熱や圧力変動を伴わずに気泡状態でプラズマ機能液生成槽31内の溶媒Sに導入されることにより、長寿命の活性種を含む洗浄効果や除菌効果に優れたプラズマ機能液Lを得ることができる。さらに、第1の電極21と第2の電極22とがプラズマ機能液生成槽31に浸漬された状態でプラズマガスを生成するため、プラズマ時に生じた熱が第2の電極22から溶媒Sに効率良く放熱され、活性種への熱の影響を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10は、第1の電極21の表面が、誘電体から成る誘電体層25で被覆されている構成とした。
【0036】
この構成によれば、第1の電極21と第2の電極22との間に誘電体層25が介在することにより、プラズマを安定して発生させることができる。
【0037】
また、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10は、第2の電極22が、銅、銀又はそれらの合金から成る構成とした。
【0038】
この構成によれば、第2の電極22から溶出した銅イオン又は銀イオンが溶媒Sに導入されるため、プラズマ機能液Lの洗浄効果や除菌効果を増進することができる。
【0039】
また、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10は、プラズマガスの気泡が、マイクロバブル又はウルトラファインバブルである構成とした。
【0040】
この構成によれば、気泡Bが長時間に亘って保持されるため、プラズマ機能液Lに含まれる活性種を長時間に亘って維持することができる。
【0041】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るプラズマ機能液製造装置40について、図3図4に基づいて説明する。なお、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置40は、上述したプラズマ機能液製造装置10と以下の点で相違し、共通する説明を省略する。
【0042】
プラズマ機能液製造装置40は、プラズマヘッド50と、プラズマ機能液生成部60と、を備えている。
【0043】
プラズマヘッド50は、円柱状の第1の電極51と、中空の略円筒状に形成されて第1の電極51を収容する多孔質部材52と、を備えている。第1の電極51と多孔質部材52とは、略同軸上に配置されている。第1の電極51及び多孔質部材52は、後述するプラズマ機能液生成槽61にて溶媒S中に浸漬されている。
【0044】
第1の電極51は、プラズマ機能液生成槽61外に配置された電源53に給電ケーブル53aを介して接続されている。第1の電極51の外周には、誘電体が被覆されて成る誘電体層54が設けられており、プラズマを安定して生成可能である。
【0045】
第1の電極51、多孔質部材52の間の空間には、コンプレッサー55からガス供給路55aを介してプラズマ生成ガスが送られる。ガス供給路55aの下流端は、プラズマヘッド50内まで延伸されている。
【0046】
多孔質部材52は、例えば、非導電性を示すセラミックス又はプラスチック製である。多孔質部材52は、外周面に多数の孔52aが形成されている。多孔質部材52の両端には、円板状の支持部材56、57が配置されている。
【0047】
支持部材56は、多孔質部材52の先端側に設けられている。支持部材57は、多孔質部材52の基端側に設けられ、第1の電極51、誘電体層54及びガス供給路55aを支持している。なお、図1図2中の符号58は、給電ケーブル53a、ガス供給路55a等を保護する保護管である。
【0048】
プラズマ機能液生成部60は、導電性を示す溶媒Sを貯留してプラズマヘッド50を溶媒S中に浸漬するプラズマ機能液生成槽61を備えている。プラズマ機能液生成槽61は、アース62に接続されている。これにより、溶媒Sは、第1の電極51と対となる第2の電極をして機能する。溶媒Sを第2の電極として用いることにより、第2の電極を構成する部材を別途用意する必要がなく、装置を簡素化且つ小型化するとともに、装置を持ち運び可能に構成することができる。なお、アース62に代えて、電極をプラズマ機能液生成槽61内に設けても構わない。
【0049】
第1の電極51と溶媒Sとの間に高周波電圧が印加されると、第1の電極51全体でプラズマが発生され、プラズマヘッド50内で偏りなく略均一にプラズマガスが生成される。また、プラズマガスが多孔質部材52の孔52aを通過することにより、プラズマガスの気泡Bがプラズマ機能液生成槽61内の溶媒Sに導入され、プラズマ機能液Lが生成される。
【0050】
このようにして、本実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10は、高周波電圧が印可される第1の電極51と、第1の電極51に空間を介して対向して配置された非導電性の多孔質部材52と、空間にプラズマ生成ガスを供給するガス供給路55aと、を備えているプラズマヘッド50と、導電性を示す溶媒Sを貯留して第1の電極51及び多孔質部材52を浸漬させ、アース62に接続されたプラズマ機能液生成槽61を備えているプラズマ機能液生成部60と、を備え、第1の電極51と第1の電極51と対になる第2の電極である溶媒Sとの間に高周波電圧が印加されて空間内のプラズマ生成ガス中でプラズマを発生させて生成された活性種を含むプラズマガスが、多孔質部材52を通過して気泡状態で溶媒Sに導入されて、プラズマ機能液Lが生成される構成とした。
【0051】
この構成によれば、第1の電極51と溶媒Sとの間に高周波電圧が印加されてプラズマ生成ガスから活性種を保持するプラズマガスが生成され、このプラズマガスが、多孔質部材52の孔52aを通過して発熱や圧力変動を伴わずに気泡状態でプラズマ機能液生成槽61内の溶媒Sに導入されることにより、長寿命の活性種を含む洗浄効果や除菌効果に優れたプラズマ機能液Lを得ることができる。さらに、第1の電極51と多孔質部材52とがプラズマ機能液生成槽31に浸漬された状態でプラズマガスを生成するため、プラズマ時に生じた熱が多孔質部材52から溶媒Sに効率良く放熱され、活性種への熱の影響を抑制することができる。
【0052】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る植物プラント1Aについて、図5に基づいて説明する。植物プラント1Aは、植物Pを水耕栽培する栽培槽2と、プラズマ機能液製造装置10と、を備えている。なお、プラズマ機能液製造装置10は、第1の実施形態に係るプラズマ機能液製造装置10と以下の点で相違し、その他の共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
栽培槽2は、液体肥料を含む溶液Aを貯める容器2aと、植物Pの地中部が容器2aの溶液Aに達するように植物Pを支持する支持部2bと、を備えている。
【0054】
プラズマ機能液生成部30は、プラズマ機能液Lを容器2aに送る放出部としての液供給路32を備えている。液供給路32は、上流端がプラズマ機能液生成槽31に接続され、下流端が容器2aに接続されている。液供給路32で送られるプラズマ機能液Lは、図示しないポンプ等を用いて圧送されて、溶液Aに混合される。なお、溶液Aは、必ずしも液体肥料を含むものでなくても構わない。
【0055】
このようにして、プラズマ機能液製造装置10で生成されたプラズマ機能液Lが液供給路32を介して栽培槽2に送られ、栽培槽2の溶液Aがプラズマ機能液Lによって除菌又は殺菌されるため、植物Pが良好に生育される。
【0056】
<変形例1>
次に、第3の実施形態に係る植物プラント1Aの変形例について、図6に基づいて説明する。なお、本変形例に係る植物プラント1Bは、上述した第3の実施形態に係る植物プラント1Aと以下の点で相違し、その他の共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0057】
容器2a内の溶液A及びプラズマ機能液生成槽31内の溶媒Sは、いずれも液体肥料を含むものである。また、プラズマ生成ガスには、窒素成分が含まれており、プラズマ機能液には、植物の栄養素となる硝酸態窒素(硝酸ラジカル)が含まれる。
【0058】
プラズマ機能液生成部30は、容器2aとプラズマ機能液生成槽31とを接続する液還流路33を備えている。液還流路33は、上流端が容器2aに接続され、下流端がプラズマ機能液生成槽31に接続されている。容器2a内の溶液及びプラズマ機能液Lは、図示しないポンプ等により液還流路33を介して容器2aからプラズマ機能液生成槽31に還流される。すなわち、溶液Aは、液供給路32及び液還流路33を介して容器2a及びプラズマ機能液生成槽31を循環するようになっている。
【0059】
容器2aから還流された溶液がプラズマ機能液生成槽31に貯められた溶媒Sに混入され、プラズマヘッド20ら放出されたプラズマガスの気泡Bが、プラズマ機能液生成槽31に貯められた溶媒Sに導入される。このようにして、活性種が溶解したプラズマ機能液Lが、プラズマ機能液生成部30と栽培槽2との間を循環する。
【0060】
また、溶媒S及び溶液Aに含まれる液体肥料の肥料としての寿命は、活性種の寿命よりも長いため、上述したように活性種を供給し続けることにより、液体肥料を繰り返し使用することができる。
【0061】
<変形例2>
次に、第3の実施形態に係る植物プラント1Aの他の変形例について、図7に基づいて説明する。なお、本変形例に係る植物プラント1Cは、上述した第2の実施形態に係る植物プラント1Aと以下の点で相違し、その他の共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0062】
植物プラント1Cは、培養土等に植えられた植物Pを栽培するための栽培容器3と、プラズマ機能液製造装置10と、を備えている。
【0063】
プラズマ機能液生成部30は、放出部としての液供給管34及び噴霧ヘッド35を備えている、液供給管34は、基端がプラズマ機能液生成槽31に接続され、先端が噴霧ヘッド35に接続されている。液供給管34で送られるプラズマ機能液Lは、図示しないポンプ等を用いて圧送される。液供給管34は、好ましくは可撓性を有している。
【0064】
噴霧ヘッド35は、プラズマ機能液Lを外部に噴霧する。プラズマ機能液Lが噴霧された植物Pの花、葉、茎又は実等は、プラズマ機能液Lに含まれる活性種により除菌又は殺菌される。
【0065】
プラズマヘッド20に大気圧プラズマ装置を用いることにより、プラズマ機能液製造装置10を軽量且つ安全に構成でき、プラズマ機能液製造装置10を持ち運び可能な程度に小型化できる。したがって、ユーザは、プラズマ機能液製造装置10を栽培容器3の近傍まで持ち運び、任意の植物Pに向けてプラズマ機能液Lを噴霧することができる。なお、プラズマ機能液製造装置10は、植物Pにプラズマ機能液Lを噴霧するものに限定されず、プラズマ機能液Lを植物Pに滴下するもの等であっても構わない。
【0066】
<変形例3>
次に、第3の実施形態に係る植物プラント1Aの他の変形例について、図8に基づいて説明する。なお、本変形例に係る植物プラント1Dは、上述した第2の実施形態に係る植物プラント1Aと以下の点で相違し、その他の共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0067】
植物プラント1Dは、培養土等に植えられた植物Pを栽培するための3つの栽培容器4と、プラズマ機能液製造装置10と、を備えている。
【0068】
プラズマ機能液生成部30は、放出部としての液供給管36及び3つの噴霧ヘッド37を備えている。
【0069】
液供給管36は、基端がプラズマ機能液生成槽31に接続され、途中で3つに分岐し、先端が各噴霧ヘッド37にそれぞれ接続されている。液供給管36で送られるプラズマ機能液Lは、図示しないポンプ等を用いて圧送される。
【0070】
噴霧ヘッド37は、各栽培容器4の上方に位置決めされており、プラズマ機能液Lを栽培容器4に向けてそれぞれ噴霧する。プラズマ機能液Lが噴霧された植物Pの花、葉、茎又は実等は、プラズマ機能液Lに含まれる活性種により除菌又は殺菌される。なお、噴霧ヘッド37の数は、植物Pや栽培容器4の数や噴霧ヘッド37がプラズマ機能液Lを噴霧する範囲に応じて増減可能である。
【0071】
噴霧ヘッド37は、コントローラ38によって動作制御される。コントローラ38は、図示しないセンサ等により取得した温度や植物Pの生育状況に応じて、噴霧ヘッド37がプラズマ機能液Lを噴霧するタイミングや量を制御する。なお、プラズマ機能液製造装置10は、植物Pにプラズマ機能液Lを噴霧するものに限定されず、プラズマ機能液Lを植物Pに滴下するもの等であっても構わない。
【0072】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B、1C、1D:植物プラント
2 :栽培槽
2a :容器
2b :支持部
3、4:栽培容器
10 :プラズマ機能液製造装置
20 :プラズマヘッド
21 :第1の電極
22 :多孔質部材(第2の電極)
22a:孔
23 :電源
23a:給電ケーブル
24 :アース
24a:アース線
25 :誘電体層
26 :コンプレッサー
26a:ガス供給路
27、28:支持部材
30 :プラズマ機能液生成部
31 :プラズマ機能液生成槽
32 :液供給路
33 :液還流路
34、36:液供給管
35、37:噴霧ヘッド
38 :コントローラ
40 :プラズマ機能液製造装置
50 :プラズマヘッド
51 :第1の電極
52 :多孔質部材
52a:孔
53 :電源
53a:給電ケーブル
54 :誘電体層
55 :コンプレッサー
55a:ガス供給路
56、57:支持部材
60 :プラズマ機能液生成部
61 :プラズマ機能液生成槽
62 :アース
A :溶液
B :気泡
L :プラズマ機能液
P :植物
S :溶媒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8