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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135565
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】仮想現実空間の提供方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20230921BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20230921BHJP
   A63F 13/655 20140101ALI20230921BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230921BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F13/30
A63F13/655
A63F13/55
A63F9/00 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040845
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】522104750
【氏名又は名称】株式会社GRIP
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】室井 亘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮想現実空間特有の没入感を提供しつつ、リアルなクレーンゲーム機を操作する、という臨場感を、より高める方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザ端末に表示される仮想現実空間を提供する方法であって、ユーザ端末に対し、遠隔に所在するクレーンゲーム機の画像を仮想現実空間内に生成し、ユーザ端末から送信された、前記ユーザ端末のユーザに対応するキャラクタの制御要求に基づいて、前記仮想現実空間に配置される当該キャラクタを制御し、前記ユーザ端末から送信された、前記クレーンゲーム機の操作要求に基づいて、前記クレーンゲーム機を制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に表示される仮想現実空間を提供する方法であって、
ユーザ端末に対し、遠隔に所在するクレーンゲーム機の画像を仮想現実空間内に生成し、
ユーザ端末から送信された、前記ユーザ端末のユーザに対応するキャラクタの制御要求に基づいて、前記仮想現実空間に配置される当該キャラクタを制御し、
前記ユーザ端末から送信された、前記クレーンゲーム機の操作要求に基づいて、前記クレーンゲーム機を制御する、方法。
【請求項2】
前記制御要求は、前記仮想現実空間内における前記キャラクタの動作に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作要求は、前記クレーンゲーム機のアームの動作を制御するための操作に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想現実空間において、前記クレーンゲーム機の操作を支援するキャラクタが配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想現実空間において、前記キャラクタとは異なる、他のユーザに対応するキャラクタが配置される、請求項1に記載の方法。














【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実空間の提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるメタバース空間ともいわれる、仮想現実空間内で、ユーザがキャラクタを操作して、他のユーザと交流したり、商品を購入したり等の活動を楽しむ方法が普及している。
【0003】
ここで、ユーザが、ゲーム機を操作することにより、キャラクタグッズ等の景品を取得することを可能とする、いわゆる、クレーンゲームというゲームが親しまれており、仮想現実空間内において、クレーンゲームを楽しむための技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-129854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、仮想現実空間内においてデジタル画像としてクレーンゲームを楽しむ技術に関するものであり、スマートフォン等のデバイスに表示される画面と比較して、仮想現実空間ならでは没入感を楽しむことはできるものの、リアルなクレーンゲーム機を操作する、という臨場感が損なわれる。
【0006】
そこで、本発明は、仮想現実空間特有の没入感を提供しつつ、リアルなクレーンゲーム機を操作する、という臨場感を、より高める方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の実施形態において、ユーザ端末に表示される仮想現実空間を提供する方法であって、ユーザ端末に対し、遠隔に所在するクレーンゲーム機の画像を仮想現実空間内に生成し、ユーザ端末から送信された、前記ユーザ端末のユーザに対応するキャラクタの制御要求に基づいて、前記仮想現実空間に配置される当該キャラクタを制御し、前記ユーザ端末から送信された、前記クレーンゲーム機の操作要求に基づいて、前記クレーンゲーム機を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仮想現実空間特有の没入感を提供しつつ、リアルなクレーンゲーム機を操作する、という臨場感を、より高める方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るシステム構成図を示す。
図2】第1の実施形態に係るサーバの機能構成図を示す。
図3】第1の実施形態に係るユーザ端末の機能構成図を示す。
図4】第1の実施形態に係るサーバ端末の機能構成図の詳細を示す。
図5】第1の実施形態に係る仮想現実空間の提供方法を説明するフローチャートを示す。
図6】第1の実施形態に係る、ユーザ端末に表示される仮想現実空間の一例を示す。
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る仮想現実空間の提供方法を、以下の図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に、本発明の第1の実施形態に係るシステム構成図を示す。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、サーバ1と、サーバ1に、インターネット等のネットワークを介して接続される、ユーザ端末2Aとユーザ端末2Bとを含む。図1には、説明の便宜上ユーザ端末2A、2Bが図示されているが、任意の数のユーザ端末がネットワークに接続可能である。また、システムにおいて、サーバ1とネットワークを介して接続されたクレーンゲーム機3を備える。ここで、クレーゲーム機は、筐体内に操作アームを備え、遠隔のユーザによる操作要求に基づいて、操作アームが筐体内に水平方向に配置されたレール上及び上下方向を移動することで、筐体内に配置された景品(例えば、ぬいぐるみやフィギュア等)に近接し、上下方向の最下点において景品を把持するよう駆動する。
【0012】
なお、ユーザ端末2A、2B(以下、ユーザ端末2と総称する)に関連付けられるユーザは各々、(図示しない)HMDを頭部に装着し、及び/または、(図示しない)コントローラを把持し、頭部またはコントローラの姿勢を変化させ、また、コントローラの所定の操作部(ボタン等)を操作することで、その入力データを、HMDに有線または無線のネットワークで接続されるユーザ端末2に送信し、その入力データに基づいて、ユーザ端末2は各々、仮想現実空間に配置されるユーザキャラクタ等の3Dオブジェクトの動きを制御し、その3Dオブジェクトが配置された仮想現実空間の画像を生成することもできる。
【0013】
また、HMDに替えて、ジャイロセンサや加速度センサ等の各種センサが内蔵され。ユーザの姿勢を検出可能な端末であれば、他のウェアラブルデバイスやスマートフォン等を適用することもできる。また、HMD3に替えて、光学式のモーションキャプチャ技術を適用することもできる。また、ユーザがマーカを備えた全身スーツを装着し、部屋や撮影スタジオ等の一定の空間にマーカをトラッキングする、デジタルカメラ等の複数のトラッカを配置することで、トラッカがマーカの反射を捕捉し、フレーム毎のマーカ位置の変化を分析することで、演者の時系列の動きを空間的表現として構成する方法を適用することもできる。この場合、本空間的表現を仮想現実空間におけるキャラクタの制御に適用することで、ユーザの動きをキャラクタの動きとして再現することが可能となる。
【0014】
図2は、第1実施形態に係るサーバの機能構成図を示す。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0015】
図示されるように、サーバ1は、データベース(図示せず)と接続されシステムの一部を構成する。サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0017】
制御部10は、サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0018】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0019】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ12に構築されていてもよい。
【0020】
送受信部13は、サーバ1をネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0021】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0022】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0023】
図3は、第1実施形態に係るユーザ端末の機能構成図を示す。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0024】
ユーザ端末2は、前述の通り、様々な情報端末や汎用コンピュータとすることができるか、以下、スマートフォンを例に説明する。ユーザ端末2は、少なくとも、制御部20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。
【0025】
制御部20は、ユーザ端末2全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部20はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ22に格納されメモリ21に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0026】
メモリ21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ21は、制御部20のワークエリア等として使用され、また、ユーザ端末2の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0027】
ストレージ22は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ22に構築されていてもよい。
【0028】
送受信部23は、ユーザ端末2をネットワークに接続する。なお、送受信部23は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0029】
入出力部24は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0030】
バス25は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0031】
ユーザ端末2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。特に、パーソナルコンピュータ等のような汎用コンピュータの場合、ユーザ端末2は、上記構成のほか、さらに、(図示しない)画像制御部として、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)を備えてもよく、この場合、画像制御部は、主に画像処理に係る演算処理を実行する。また、画像制御部は、制御部20により生成されたコンテンツデータを、各種オブジェクトの画像と合成し、仮想現実空間を構成する仮想現実空間画像を生成する。さらに、ユーザ端末2は、(図示しない)表示部を備えてもよく、この場合、画像制御部から入力される画像信号に基づいて仮想現実空間画像を表示する。また、表示部は、例えば、LCDまたは有機EL等のディスプレイとすることもできる。
【0032】
図4は、第1実施形態に係るサーバ端末の機能構成図の詳細を示す。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0033】
サーバ端末1の制御部10は、入力受付部41、キャラクタ制御部42、クレーンゲーム制御部43及び画像生成部44等を含むことができる。
【0034】
入力受付部41は、ユーザ端末2の入出力部24を介してユーザによる入力された、仮想現実空間内のユーザキャラクタを制御するための操作要求または遠隔に備えられたクレーンゲーム機3を操作するための操作要求を、ネットワークを介して、入力要求データとして受信する。
【0035】
キャラクタ制御部42は、上記受信した、ユーザキャラクタを制御するための操作要求データを基に、仮想現実空間内のユーザキャラクタの動作を制御する処理を実行する。
【0036】
クレーンゲーム制御部43は、上記受信した、クレーンゲーム機3(より詳細には、クレーンゲーム機3の操作アーム)を操作するための操作要求データを基に、遠隔のクレーンゲーム機3を操作するための制御する処理を実行する。
【0037】
画像生成部44は、後述するストレージ12の画像記憶部51に格納された、仮想現実空間内に配置されるオブジェクト、ユーザキャラクタ及び背景等の各種コンテンツに関連する画像データを参照し、仮想現実空間及び仮想現実空間に配置され、制御されるオブジェクト及びユーザキャラクタの画像を合成し、画像データを生成する処理を実行する。ここで、画像は、動画像を含む。
【0038】
サーバ端末1のストレージ12は、画像記憶部12及びユーザ情報記憶部52等を含むことができる。
【0039】
画像記憶部12は、仮想現実空間内に配置されるオブジェクト、ユーザキャラクタ及び背景に関連する画像データを格納する。ここで、本実施形態において、仮想現実空間内において配置されるクレーンゲーム機3の画像データは、クレーンゲーム機3が配置される施設等に備えられたカメラ等により、遠隔のクレーンゲーム機3を俯瞰するように撮像された、ストリーミング画像等の画像データとすることができる。また、クレーンゲーム機3によって獲得が可能な景品に対応するデジタルデータとしての画像データを格納することもできる。
【0040】
ユーザ情報記憶部52は、ユーザ端末2に対応づけられる各ユーザに関連するデータを格納する。ユーザデータとして、ユーザの基本情報(例えば、サービスID、パスワード、ユーザ名、年齢、性別、連絡先等)、ユーザキャラクタに関連する情報(例えば、ユーザキャラクタの画像データ、アイテムデータ等)、ユーザの交流情報(例えば、仮想現実空間内における交流ユーザに関するデータ等)及びユーザのクレーンゲームに関連する情報(例えば、ゲームをプレイするためのポイント、取得した景品、ゲームの予約状況、その他ゲームのプレイ履歴に関するデータ等)が挙げられるが、この限りでない。
【0041】
図5は、第1の実施形態に係る仮想現実空間の提供方法を説明するフローチャートを示す。
【0042】
まず、SQ101の処理として、ユーザは、ユーザ端末2を操作することで、仮想現実空間内における所定の操作要求をサーバ端末1に送信する。ここで、操作要求として、ユーザは、ユーザ端末2の入出力部24を介して仮想現実空間内のユーザキャラクタを制御等するための操作要求を行なうこともでき、または、ユーザがHMDを使用する場合は、HMDのセンサまたはコントローラから検出されデータ(例えば、加速度、動き、傾き等)(さらに、GPS情報等)に基づいて生成されたデータとすることもできる。操作要求に関して、後述処理についても同様である。
【0043】
これに対して、SQ102の処理として、サーバ端末1の制御部10の入力受付部41は、ネットワークを介して、上記操作要求を操作要求データとして受信し、操作要求データに基づいて、所定の処理を実行する。一例として、サーバ端末1の制御部10のキャラクタ制御部42は、操作要求データに基づいて、仮想現実空間内をユーザキャラクタが移動するよう制御する処理を実行し、画像生成部44は仮想現実空間においてユーザキャラクタが移動する画像を生成する。
【0044】
続いて、SQ103の処理として、サーバ端末1は、ユーザ端末2に対して、生成した画像を仮想現実空間の画像として送信し、ユーザ端末2において、仮想現実空間の画像が表示される。
【0045】
図6に、ユーザ端末2(またはHMD)において表示される仮想現実空間の一例を示す。図6に示すように、仮想現実空間700は、疑似的に街を3Dのデジタル空間として再現したデジタル空間で構成することができ、仮想現実空間700内に、ユーザが操作する自ユーザキャラクタ一720及び他のユーザが操作する一または複数のユーザキャラクタを配置することができる。また、本実施形態において、クレーンゲーム機710を配置することができる。図6において、ユーザによる操作要求に基づいて、自キャラクタ720は、仮想現実空間内を移動し、クレーンゲーム機710が配置される店舗(例えば、ゲームセンター)を訪問することができる。
【0046】
次に、SQ201の処理として、ユーザは、ユーザ端末2を操作することで、仮想現実空間内におけるキャラクタの操作要求をサーバ端末1に送信する。これに対して、SQ202の処理として、サーバ端末1の制御部10の入力受付部41は、ネットワークを介して、上記操作要求を操作要求データとして受信し、操作要求データに基づいて、キャラクタの制御処理を実行する。一例として、サーバ端末1の制御部10のキャラクタ制御部42は、操作要求データに基づいて、仮想現実空間内において、クレーンゲーム機710近傍において、ユーザキャラクタが所定の行動を行うよう制御する処理を実行し、画像生成部44は仮想現実空間においてユーザキャラクタが所定の行動する画像を生成する。
【0047】
続いて、SQ203の処理として、サーバ端末1は、ユーザ端末2に対して、生成した画像を仮想現実空間の画像として送信し、ユーザ端末2において、仮想現実空間の画像が表示される。
【0048】
図7に、ユーザ端末2(またはHMD)において表示される仮想現実空間の一例を示す。
【0049】
図7に示すように、仮想現実空間700において、自ユーザキャラクタ720がクレーンゲーム機710の近傍に移動すると、クレーンゲーム機710及び自ユーザキャラクタ周辺にズームされた仮想現実空間画像が表示される。本実施形態の特徴として、仮想現実空間700内において配置されるクレーンゲーム機3の画像データは、遠隔に所在する、クレーンゲーム機3が配置される施設等に備えられたカメラ等により、実際のクレーンゲーム機3を俯瞰するように撮像された、ストリーミング画像等の画像データとすることができる。これにより、ユーザは、仮想現実空間において実際にゲームセンターを訪問しているかのような没入感を享受しつつ、リアルなクレーンゲーム機の画像を見ることにより、実際のクレーンゲーム機をプレイしているかのような臨場感を味わうことができる。特に、クレーンゲーム機710の周辺に、自ユーザキャラクタ720とは異なる、他のユーザによって操作されるユーザキャラクタ(本例においては、730A乃至C等のユーザキャラクタ)が取り囲むように配置され、実際にゲームセンターのクレーンゲーム機の目の前にいるかのような没入感を演出することができる。その中で、リアルなクレーンゲーム機については、遠隔に、実際に所在するクレーンゲーム機の画像を表示させることで、後述するようなゲームプレイの様子を含めて、臨場感を高める演出を提供することができる。
【0050】
また、図7に示すように、仮想現実空間700内のクレーンゲーム機710の周辺に、クレーンゲーム機の操作方法等を説明可能な、係員ユーザキャラクタ740を配置することができ、ユーザキャラクタ(本例では、ユーザキャラクタ730A)は、係員ユーザキャラクタ740に対して、操作方法等を聴くために、会話を実施することができる。
ここで、係員ユーザキャラクタ740は、ノンプレイヤーキャラクタ(NPC)とすることができ、予め決められた制御方法に従って動作し、また、会話内容に応じて、予め決められた回答を自動で行うこともできる。これにより、ユーザは、実際にゲームセンターにいるかのような臨場感を享受することができる。ここで、会話は、テキストによるチャット形式、または、発話による音声によって行うことができる。また、自ユーザキャラクタ720と他のユーザキャラクタ730とは、または、他のユーザキャラクタ730同士は、仮想現実空間700内において、テキストによるチャット形式若しくは発話による音声によって会話を行うことができる。これにより、ユーザは、クレーンゲームの攻略法等の情報交換を行うことができ、さらにゲームを楽しむことができる。
【0051】
また、本実施形態において、実際のクレーンゲーム機3の画像に対して、そのクレーンゲーム機710により獲得が可能な景品に対応する画像データ770を重畳させて表示させることもできる。仮想現実空間に対し、ぬいぐるみやフィギュア等の景品画像を、3Dオブジェクトデータとしては高品質な画像データとして表示しつつ、クレーンゲーム機の筐体画像については、実写の画像データを表示させることで、ユーザは景品画像そのものを楽しみつつ、実際のクレーンゲーム機をプレイすることができる。また、景品画像のみの差し替えを可能とすることで、台数の少ないクレーンゲーム機で、ゲームの運用を行うことができる。この場合、クレーンゲーム機にはダミーのぬいぐるみやフィギュアを配置させることで実際のゲームが行われる。
【0052】
また、図7に示すように、仮想現実空間700において、ユーザキャラクタ(例えば、自ユーザキャラクタ720、730C等のユーザキャラクタ)は、クレーンゲーム機710の前に並んで、ゲームをプレイすることを待機することができる。このように、実際のゲームセンターで人気のあるゲーム機に並んでいるかのような高揚感を享受することができる。また、ユーザは、仮想現実空間700に表示される、「RESERVE」ボタンを押下することで、クレーンゲーム機710をプレイする予約することができ、予約したユーザに対応するユーザキャラクタを、予約順にしたがって、クレーンゲーム機710の前に並べて表示させることもでき、これにより、ユーザは、自身の順番を一目でリアルタイムに把握することもできる。
【0053】
次に、SQ301の処理として、ユーザは、ユーザ端末2を操作することで、仮想現実空間内におけるクレーンゲーム機710のプレイに関する操作要求をサーバ端末1に送信する。例えば、ユーザは、ユーザ端末2を介して、図7に示す仮想現実空間700内において、「PLAY」ボタンを押下する操作を行うことで、ゲームの開始操作を要求したり、必要に応じて、自身が保有する(ゲームをプレイするための)ポイントを(「CHARGE」ボタンを押下することで)チャージしたりすることができる。また、ゲームプレイ開始後のゲームプレイに関する操作として、クレーンゲーム機710の操作アーム750を、(図示しない矢印ボタンを押下することで)クレーンゲーム機710の水平方向及び上下方向に移動させる操作、クレーンゲーム機710内の画像を撮像するカメラの視点を(カメラアイコン760を押下することで)切り替える操作等が挙げられる。
【0054】
これに対して、SQ302の処理として、サーバ端末1の制御部10の入力受付部41は、ネットワークを介して、上記操作要求を操作要求データとして受信し、操作要求データに基づいて、クレーンゲーム機の制御処理を実行する。一例として、サーバ端末1の制御部10のクレーンゲーム制御部43は、操作要求データに基づいて、遠隔に所在するクレーンゲーム機710のゲームプレイに関する所定の処理を実行する。ここで、ゲームプレイに関する所定の処理として、上述の操作要求に応じて、ポイントをチャージする処理、ゲームを開始する処理、クレーンゲーム機710の操作アームを操作する処理等が挙げられる。ここで、操作アームを操作する処理について、クレーンゲーム制御部43は、ユーザの操作要求に応じて、遠隔に所在するクレーンゲーム機3に対して、操作信号を送信し、クレーンゲーム機3は、操作信号に応じて、操作アームを制御する処理を行う。
【0055】
この際、SQ303の処理として、サーバ端末1は、ユーザ端末2に対して、処理に応じて生成した画像を仮想現実空間の画像として送信し、ユーザ端末2において、仮想現実空間の画像が表示される。ここで、上述の通り、ユーザは、仮想現実空間700内に表示されるクレーンゲーム機710の画像を通じて、ユーザの操作要求に基づいて操作される操作アーム750の動作等を、実際に動作するクレーンゲーム機3のストリーミング画像を通じて確認することができる。
【0056】
ゲームが終了すると、SQ304の処理として、サーバ1の制御部10のクレーンゲーム制御部43は、ゲーム結果に基づいて、ユーザ情報記憶部52に格納されたユーザ情報を更新する処理を行う。例えば、ユーザが遠隔操作した操作アームにより、景品が獲得された場合、サーバ端末1は、ユーザ情報において、獲得した景品に関する情報及びポイント消費後の保有ポイント情報等を更新する処理を行う。また、景品を獲得時に、実際の景品をユーザの元に配送するための処理を行うこともできるし、景品の画像データをユーザに付与する処理を行うこともできる。
【0057】
上記処理に伴い、SQ305の処理として、サーバ端末1は、ユーザ端末2に対して、ゲーム結果に関する情報を送信する。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、仮想現実空間内にユーザキャラクタ及びクレーンゲーム機を配置し、ユーザにクレーンゲームをプレイ可能とすることで、仮想現実空間の提供によって得られる没入感をユーザに提供しつつ、仮想現実空間内に実際のクレーンゲーム機の画像を提供することで、ゲームセンターで実際にクレーンゲーム機をプレイしているかのような臨場感をユーザに提供することができる。
【0059】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 クレーンゲーム機


















図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るシステム構成図を示す。
図2】第1の実施形態に係るサーバの機能構成図を示す。
図3】第1の実施形態に係るユーザ端末の機能構成図を示す。
図4】第1の実施形態に係るサーバ端末の機能構成図の詳細を示す。
図5】第1の実施形態に係る仮想現実空間の提供方法を説明するフローチャートを示す。
図6】第1の実施形態に係る、ユーザ端末に表示される仮想現実空間の一例を示す。
図7】第1の実施形態に係る、ユーザ端末に表示される仮想現実空間の他の一例を示す。