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特開2023-135567冗長性決定システム、冗長性決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135567
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】冗長性決定システム、冗長性決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20230921BHJP
   G06F 8/60 20180101ALI20230921BHJP
【FI】
G06F11/07 193
G06F11/07 140A
G06F8/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040847
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 真一
(72)【発明者】
【氏名】和田 清美
【テーマコード(参考)】
5B042
5B376
【Fターム(参考)】
5B042JJ29
5B042KK17
5B042KK20
5B042MA08
5B042MC22
5B042MC29
5B376AA15
5B376AA32
(57)【要約】
【課題】不要なコストをかけることなく、クラウドバースティングする。
【解決手段】プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムであって、プロセッサは、システムの目標復旧時間が、システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトにシステムをデプロイする第1の処理と、システムの目標復旧時間が、構築時間より短くない場合は、パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトにシステムをデプロイする第2の処理と、を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムであって、
前記プロセッサは、
前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、
前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、
を行うことを特徴とする冗長性決定システム。
【請求項2】
前記パブリッククラウドは、SDS(Software-Defined Storage)およびDB(Data Base)を有し、
前記プロセッサは、
前記SDSのデプロイ、前記オンプレミスデータセンタから前記パブリッククラウドへのデータコピー、前記SDSの起動および停止、前記DBのデプロイ、前記DBの起動および停止の各項目を含む前記システムの構築時間を算出し、前記第1の処理を行うか、前記第2の処理を行うかを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冗長性決定システム。
【請求項3】
クラウドバースティングするときのシステムの稼働状況から項目501を算出して、パターンごとに準備時間算出
前記プロセッサは、
前記第1の処理または前記第2の処理を行う時点での前記システムの稼働状況に基づいて、前記各項目を組み合わせた準備パターンを生成し、生成した当該準備パターンごとに前記システムの構築時間を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の冗長性決定システム。
【請求項4】
稼働状況は、DB容量、通信量を含む(図15のS601、602)
前記プロセッサは、
前記DBの容量、前記オンプレミスデータセンタと前記パブリッククラウドとの間における通信量に基づいて、前記システムの稼働状況を判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の冗長性決定システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記準備パターンごとに算出した前記システムの構築時間を、コスト順に並べ替えてユーザに提示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の冗長性決定システム。
【請求項6】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムで行われる冗長性決定方法であって、
前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、
前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、
を行うことを特徴とする冗長性決定方法。
【請求項7】
前記SDSのデプロイ、前記オンプレミスデータセンタから前記パブリッククラウドへのデータコピー、前記パブリッククラウドが有するSDSの起動および停止、前記パブリッククラウドが有するDBのデプロイ、前記DBの起動および停止の各項目を含む前記システムの構築時間を算出し、前記第1の処理を行うか、前記第2の処理を行うかを判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の冗長性決定方法。
【請求項8】
前記第1の処理または前記第2の処理を行う時点での前記システムの稼働状況に基づいて、前記各項目を組み合わせた準備パターンを生成し、生成した当該準備パターンごとに前記システムの構築時間を算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載の冗長性決定方法。
【請求項9】
前記DBの容量、前記オンプレミスデータセンタと前記パブリッククラウドとの間における通信量に基づいて、前記システムの稼働状況を判定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の冗長性決定方法。
【請求項10】
前記準備パターンごとに算出した前記システムの構築時間を、コスト順に並べ替えてユーザに提示する、
ことを特徴とする請求項8に記載の冗長性決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドバースティングにおいてシステムの冗長性を決定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模なIT環境を持つ場合に、長期間稼働し続けるシステムはパブリッククラウドよりオンプレミスデータセンタで稼働させる方が安価となり、一時的に稼働するシステムはパブリッククラウドで動作させる方が安価となる場合がある。負荷変動が大きいデータ分析処理において、定常的な負荷をオンプレミスデータセンタで処理し、一時的に大きくなる負荷をクラウドで処理するクラウドバースティングにより、コストを削減できる可能性がある。パブリッククラウドは、障害が発生した場合においても処理を継続できるように、複数のサイトから構成される。このため、クラウドバースティングにおいて、システムの要件に基づき、複数のサイトにシステムをデプロイする必要がある。このような問題の解決において、例えば特許文献1に開示の技術が知られている。特許文献1に開示の技術では、複数のサイトにシステムをデプロイする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2019/0138287
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数サイトへのデプロイ要否に関わらず複数サイトにデプロイされるため、不要なコストがかかることがある。このため、複数のサイトにデプロイする必要があるか判断することが課題である。
【0005】
本発明は、不要なコストをかけることなく、クラウドバースティングすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる冗長性決定システムは、プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムであって、前記プロセッサは、前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、を行うことを特徴とする冗長性決定システムとして構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不要なコストをかけることなく、クラウドバースティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係るシステム構成の例を示す。
図2】デプロイ先サイト決定機能が有する情報の一例を示す。
図3】SDS VM情報の一例を示す。
図4】DM VM情報の一例を示す。
図5】ルートボリュームサイズ情報の一例を示す。
図6】接続回線情報の一例を示す。
図7】VM料金情報の一例を示す。
図8】容量料金情報の一例を示す。
図9】DB情報の一例を示す。
図10】VM数情報の一例を示す。
図11】DB稼働情報の一例を示す。
図12】副サイト事前準備情報の一例を示す。
図13】副サイト事前準備コスト情報の一例を示す。
図14】冗長性確認画面の一例を示す。
図15】RTOに基づき事前準備内容を決定する流れの一例を示す。
図16】クラウドバースティングするか判断する流れの一例を示す。
図17】コンピュータ概略図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例0009】
実施形態について、図面を参照して説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0010】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0011】
以下の説明では、「データベース」、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0012】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0013】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0014】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0015】
具体的には図5を用いて後述するが、本システムで用いられる端末やサーバは、例えば、図17(コンピュータ概略図)に示すような、CPU1601と、メモリ1602と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置1603と、CD(Compact Disk)やUSBメモリ等の可搬性を有する記憶媒体1608に対して情報を読み書きする読書装置1607と、キーボードやマウス等の入力装置1606と、ディスプレイ等の出力装置1605と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置1604と、これらを連結するシステムバス等の内部通信線(システムバスという)1609と、を備えた一般的なコンピュータ1600により実現できる。
【0016】
また、各端末やサーバに記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータは、CPU1601がメモリ1602または外部記憶装置1603から読み出して利用することにより実現可能である。また、各端末やサーバが有する各機能部(例えば、管理サーバ16のデプロイ先サイト決定機能17、デプロイ機能18)は、CPU1601が外部記憶装置1603に記憶されている所定のプログラムをメモリ1602にロードして実行することにより実現可能である。
【0017】
上述した所定のプログラムは、読書装置1607を介して記憶媒体1608から、あるいは、通信装置1604を介してネットワークから、外部記憶装置1603に記憶(ダウンロード)され、それから、メモリ1602上にロードされて、CPU1601により実行されるようにしてもよい。また、読書装置1607を介して、記憶媒体1608から、あるいは通信装置1604を介してネットワークから、メモリ1602上に直接ロードされ、CPU1601により実行されるようにしてもよい。
【0018】
以下では、本システムが、ある1つのコンピュータにより構成される場合を例示するが、これらの機能の全部または一部が、クラウドのような1または複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して互いに通信することにより同様の機能を実現してもよい。また、以下において具体的に説明するが、例えば、オンプレミスデータセンタのシステムのRTO(Recovery Time Objective、目標復旧時間)が、上記オンプレミスデータセンタのシステムをパブリッククラウドに拡張する部分の構築時間より短い場合に、2つ以上のサイトにデプロイし、そうでない場合は1つのサイトにデプロイする。
【0019】
図1は、システム構成の一例を示す。システム1は、オンプレミスデータセンタ2、パブリッククラウドA 3a、パブリッククラウドB 3b、接続回線4a、接続回線4b、接続回線4cを含む。オンプレミスデータセンタは、ITシステムを所有する企業が保有するデータセンタである。オンプレミスデータセンタは、コロケーションサービスを提供するデータセンタ事業者のデータセンタであってもよい。パブリッククラウドは、不特定多数の企業や組織が使用するクラウドである。パブリッククラウドA 3aは、サイトA 5a、サイトB 5bを含む。パブリッククラウドB 3cは、サイトC 5cを含む。サイトは、パブリッククラウドにおいて提供するサービスを実行するデータセンタである。パブリッククラウドは複数のサイトで構成される。このため、あるサイトが被災し、サービスを提供できなくなった場合においても、他のサイトでサービスを提供できる。接続回線4aは、オンプレミスデータセンタ2とサイトA 5aを接続する回線である。接続回線4bは、オンプレミスデータセンタ2とサイトB 5bを接続する回線である。接続回線4cは、オンプレミスデータセンタ2とサイトC 5cを接続する回線である。
【0020】
オンプレミスデータセンタ2は、AP VM(Virtual Machine)11、マスターDB VM 12、ワーカーDB VM13、共有ストレージ14、管理サーバ16を含む。AP VM 11は、業務アプリケーションを実行するVMであり、マスターDB VM 12から必要なデータを読み込む。マスターDB VM 12は、AP VM 11からの要求に応じて共有ストレージ14にあるデータを読み書きし、その結果をAP VM 11に返すVMである。マスターDB VM 12は、負荷の状況に応じてワーカーDB VM 13やパブリッククラウド上で動作しているワーカーDB VMに処理を依頼する。ワーカーDB VM 13は、マスターDB VM 12からの要求に応じて共有ストレージ14にあるデータを読み書きし、その結果をマスターDB VM 12に返すVMである。共有ストレージ14は、データ15を含む。共有ストレージ14は、マスターDB VM 12およびワーカーDB VM 13からの要求に応じてデータ15の読み出しと書き込みをして結果をマスターDB VM 12およびワーカーDB VM 13に返す。管理サーバ16は、デプロイ先サイト決定機能17、デプロイ機能18を含む。デプロイ先サイト決定機能17は、AP VM 11からの要求をマスターDB VM 12とワーカーDB VM 13だけではシステムの利用者が定めた処理時間内に処理できなくなることが予想された場合に、どのサイトを使用するか、どのVMをデプロイするか、データを準備するか決定する機能である。デプロイ機能18は、デプロイ先サイト決定機能17が決定した構成のシステムを構築する機能である。
【0021】
サイトA 5aは、ワーカーDB VM 21a、ワーカーDB VM21b、SDS(Software-Defined Storage) 22aを含む。ワーカーDB VM21aは、マスターDB VM 12からの要求に応じてSDS 22aにあるデータを読み書きし、その結果をマスターDB VM 12に返すVMである。ワーカーDB VM21bは、ワーカーDB VM21aと同様である。SDS 22aは、データ23aを含む。SDS 22aは、ワーカーDB VM21aからの要求に応じてデータ23aの読み出しと書き込みをして結果をワーカーDB VM21aに返す。サイトB 5bおよびサイトC 5cは、サイトA 5aと同様であり、ワーカーDB VMとSDSを含む。
【0022】
図2は、デプロイ先サイト決定機能17が有する情報の一例を示す。デプロイ先サイト決定機能17は、SDS VM情報31、DB VM情報32、ルートボリュームサイズ情報33、接続回線情報34、VM料金情報35、容量料金情報36、DB情報37、VM数情報38、DB稼働情報39、副サイト事前準備情報40、副サイト事前準備コスト情報41、冗長性確認画面42を含む。
【0023】
図3は、SDS VM情報31の一例を示す。SDS VM情報は、パブリッククラウドごと、サイトごと、インスタンスタイプごとのSDS VMのデプロイ時間、起動時間、停止時間を示す。SDS VM情報31は、パブリッククラウド311、サイト312、インスタンスタイプ313、SDSデプロイ時間314、SDS起動時間315、SDS停止時間316を含む。
【0024】
パブリッククラウド311は、SDSがデプロイされるパブリッククラウドを示す。サイト312は、SDSがデプロイされるサイトを示す。インスタンスタイプ313は、SDSを構成するインスタンスタイプを示す。SDSデプロイ時間314は、SDSのデプロイにかかる時間を示す。SDS起動時間315は、SDSを起動するのにかかる時間を示す。SDS停止時間316は、SDSを停止するのにかかる時間を示す。
【0025】
図4は、DM VM情報32の一例を示す。DB VM情報は、パブリッククラウドごと、サイトごと、インスタンスタイプごとのDB VMのデプロイ時間、起動時間、停止時間を示す。DB VM情報32は、パブリッククラウド321、サイト322、インスタンスタイプ323、DBデプロイ時間324、DB起動時間325、DB停止時間326を含む。
【0026】
パブリッククラウド321は、DB VMがデプロイされるパブリッククラウドを示す。サイト322は、DB VMがデプロイされるサイトを示す。インスタンスタイプ323は、DB VMを構成するインスタンスタイプを示す。DBデプロイ時間324は、DB VMのデプロイにかかる時間を示す。DB起動時間325は、DB VMを起動するのにかかる時間を示す。DB停止時間326は、DB VMを停止するのにかかる時間を示す。
【0027】
図5は、ルートボリュームサイズ情報33の一例を示す。ルートボリュームサイズ情報33は、DB用、SDS用といった用途ごとのVMのルートボリュームの必要なサイズを示す。ルートボリュームサイズ情報33は、用途331、ルートボリュームサイズ332を含む。
【0028】
用途331は、VMの用途を示す。ルートボリュームサイズ332はVMのルートボリュームの必要なサイズを示す。
【0029】
図6は、接続回線情報34の一例を示す。接続回線情報34は、オンプレミスデータセンタとパブリッククラウドのサイトを接続する回線の帯域と、データ取得時点での使用帯域を示す。接続回線情報34は、接続先パブリッククラウド341、接続先サイト342、回線帯域343、使用帯域344を含む。
【0030】
接続先パブリッククラウド341は、回線が接続されているパブリッククラウドを示す。接続先サイト342は、回線が接続されているサイトを示す。回線帯域343は、回線で使用できる帯域の上限値を示す。使用帯域344は、データ取得時点での使用帯域を示す。
【0031】
図7は、VM料金情報35の一例を示す。VM料金情報35は、パブリッククラウドごと、サイトごと、インスタンスタイプごとのVMの単位時間あたりの利用料金を示す。VM料金情報35は、パブリッククラウド351、サイト352、インスタンスタイプ353、料金354を含む。
【0032】
パブリッククラウド351は、VMがデプロイされるパブリッククラウドを示す。サイト352は、VMがデプロイされるサイトを示す。インスタンスタイプ353は、デプロイされるインスタンスタイプを示す。料金354は、デプロイされるVMの単位時間当たりの利用料金を示す。
【0033】
図8は、容量料金情報36の一例を示す。容量料金情報36は、パブリッククラウドごと、サイトごと、ボリュームタイプごとのボリュームの容量と単位時間あたりの利用料金を示す。容量料金情報36は、VMのルートボリュームと、SDSのデータを格納するための容量にかかる料金を計算するために参照される。容量料金情報36は、パブリッククラウド361、サイト362、ボリュームタイプ363、料金364を含む。
【0034】
パブリッククラウド361は、VMがデプロイされるパブリッククラウドを示す。サイト362は、VMがデプロイされるサイトを示す。ボリュームタイプ363は、データを格納するボリュームのボリュームタイプを示す。料金364は、ボリュームの容量と単位時間当たりの利用料金を示す。
【0035】
図9は、DB情報37の一例を示す。DB情報37は、システムのユーザが定めたDBの要件とデータ取得時点でのDBの容量を示す。DB情報37は、DB 371、RTO 372、クエリ目標実行時間373、定常時クエリ多重度374、最大時クエリ多重度375、容量376、CPU使用率閾値377、稼働率閾値378、NW使用率閾値379を含む。
【0036】
DB 371は、DBを示す。RTO 372は、DBのRTOを示す。RTOは、障害が発生してから、クエリをクエリ目標実行時間内で処理できるようになるまでにかかる時間である。クエリ目標実行時間373は、クエリの実行にかかる時間の目標値を示す。定常時クエリ多重度374は、定常時に同時に実行されるクエリの数を示す。最大時クエリ多重度375は、負荷増えた場合の同時に実行されるクエリの最大値を示す。容量376は、データ取得時点でのDBの容量を示す。CPU使用率閾値377は、DB VMのCPU使用率の閾値を示す。稼働率閾値378は、DB VMの稼働率の閾値を示す。NW使用率閾値379は、DB VMのNW使用率の閾値を示す。
【0037】
図10は、VM数情報38の一例を示す。VM数情報38は、DBごと、インスタンスタイプごとの定常時と最大時のDB VM数とSDS VM数をそれぞれ示す。VM数情報38は、DB 381、パブリッククラウド382、DB VMインスタンスタイプ383、定常時DB VM数384、最大時DB VM数385、SDS VMインスタンスタイプ386、最大時SDS VM数387を含む。
【0038】
DB 381は、DBを示す。パブリッククラウド382は、VMが動作するパブリッククラウドを示す。DB VMインスタンスタイプ383は、DB VMのインスタンスタイプを示す。DB定常時DB VM数384は、定常時に必要なDBのVM数であり、オンプレミスデータセンタで定常的に動作するDBのVM数を示す。最大時DB VM数385は、最大時に必要なDBのVM数であり、オンプレミスデータセンタで定常的に動作するDB VMに加えてクラウドバースティング時にパブリッククラウドで動作するDB VMを加えた数を示す。SDS VMインスタンスタイプ386は、SDS VMのインスタンスタイプを示す。最大時SDS VM数387は、最大時に必要なSDSのVM数であり、クラウドバースティング時にパブリッククラウドで動作するSDS VM数を示す。
【0039】
図11は、DB稼働情報39の一例を示す。DB稼働情報39は、DB 391、クエリ到着数392、クエリ実行数393、クエリ実行時間394、CPU使用率395、NW使用率396を含む。
【0040】
DB 391は、DBを示す。クエリ到着数392は、単位時間あたりにDBに到着したクエリの数を示す。クエリ実行数393は、単位時間あたりにDBで実行したクエリの数を示す。クエリ実行時間394は、単位時間あたりに実行したクエリの実行にかかった時間の平均値を示す。CPU使用率395は、DB VMのCPU使用率の平均値を示す、NW使用率396は、DB VMのNW使用率の平均値を示す。
【0041】
図12は、副サイト事前準備情報40の一例を示す。副サイト事前準備情報40は、複数サイト使用時に副サイト(例えば、2つのサイトを使用する場合、そのうちの1つのサイト)で必要な事前準備とサイト障害発生時の復旧処理を示す。副サイト事前準備情報40は、項目501、時間502、準備パターン503を含む。副サイト事前準備情報40は、パブリッククラウドが有する複数のサイトにクラウドバースティングする場合において、一のサイトを使用するための準備情報である。
【0042】
項目501は、副サイト事前準備情報40において示す項目を示す。項目501は、処理504、復旧時間505、SDS準備状態506、DB準備状態507、準備コスト508を含む。
【0043】
処理504は、事前準備に必要な処理を示す。項目501において、SDSデプロイは、SDSをサイトにデプロイすることを示す。データコピーはオンプレミスデータセンタ内の共有ストレージにあるデータをサイト内のSDSにコピーすることを示す。データコピーは、通信状況により処理の速さが異なってくるため、クラウドバースティングを行うタイミングで、後述する時間502が計算される。SDS停止は、SDS VMを停止しておき、サイト障害が発生後にSDS VMを起動することを示す。これにより、SDS VMの利用料金がかかるのを防止できるが、サイト障害発生後にクエリ実行開始までに時間がかかるようになる。DBデプロイは、DBをサイトにデプロイすることを示す。DB停止は、DB VMを停止しておき、サイト障害が発生後にDB VMを起動することを示す。これにより、DB VMの利用料金がかかるのを防止できるが、サイト障害発生後にクエリ実行開始までに時間がかかるようになる。
【0044】
時間502は、処理504の処理にかかる時間を示す。準備パターン503は、処理504に示す処理を事前に行うか、サイト障害発生後に行うかを示す。サイト障害後に行う場合は、その処理にかかる時間を示す。
【0045】
復旧時間505は、サイト障害発生後に行う処理時間の和を示す。SDS準備状態506は、事前準備後のSDSの状態を示す。事前準備においてSDSをデプロイし、SDS VMを停止していない場合を「起動」とする。SDSをデプロイし、SDS VMを停止した場合を「停止」とする。SDSをデプロイしない場合を「未」とする。DB準備状態507は、事前準備後のDBの状態を示す。事前準備においてDBをデプロイし、DB VMを停止していない場合を「起動」とする。DBをデプロイし、DB VMを停止した場合を「停止」とする。DBをデプロイしない場合を「未」とする。準備コスト508は、事前準備によりかかるSDS VMとDB VMの月額コストを示す。VMを起動している場合、データを格納するためにボリュームを使用している場合にかかるコストである。
【0046】
図13は、副サイト事前準備コスト情報41の一例を示す。副サイト事前準備コスト情報41は、副サイトの事前準備をした場合にかかるコストを示す。副サイト事前準備コスト情報41は、準備パターン511、復旧時間512、準備コスト513を含む。
【0047】
準備パターン511は、準備パターン503に示す事前準備を示す。復旧時間512は、復旧にかかる時間を示す。準備コスト513は、事前準備によりかかるコストを示す。図13では、復旧時間が短い順、準備コストが大きい順に、準備パターンが並べ替えられていることがわかる。
【0048】
図14は、冗長性確認画面42の一例を示す。冗長性確認画面42は、システムのユーザが冗長性を確認するための画面である。冗長性確認画面42は、DB 521、RTO 522、見積り復旧時間523、準備コスト524、正サイト525、副サイト526を示す。
【0049】
DB 521は、DBを示す。RTO 522は、システムのユーザが入力したDBのRTOを示す。見積り復旧時間523は、副サイト事前準備情報40を用いて見積もった復旧にかかる時間を示す。準備コスト524は、副サイト事前準備情報40を用いて見積もった。正サイト525は、クラウドバースティング時にDBを実行するサイトを示す。複数のサイトでDBを実行する場合は、複数のサイトを表示する。副サイト526は、クラウドバースティング時にサイト障害が発生した場合にDBを実行するサイトを示す。
【0050】
図15は、RTOに基づき事前準備内容を決定する流れの一例を示す。デプロイ先サイト決定機能17が定期的に、または、クラウドバースティング時に実行する。
【0051】
ステップ601において、デプロイ先サイト決定機能17は、DB容量をマスターDB VM 12から取得し、DB情報37の容量376を更新する。
【0052】
ステップ602において、デプロイ先サイト決定機能17は、サイトから接続回線の使用帯域を取得し、接続回線情報34の使用帯域344を更新する。
【0053】
ステップ603において、デプロイ先サイト決定機能17は、DB VM数情報38のDB VMインスタンスタイプ383からDB VMのインスタンスタイプを取得する。デプロイ先サイト決定機能17は、DB VM数情報38のSDS VMインスタンスタイプ386からSDS VMのインスタンスタイプを取得する。デプロイ先サイト決定機能17は、SDS VM情報31のSDSデプロイ時間314からSDSデプロイ時間を取得し、副サイト事前準備情報40の時間502を更新する。デプロイ先サイト決定機能17は、SDS VM情報31のSDS起動時間315からSDS起動時間を取得し、副サイト事前準備情報40の時間502を更新する。デプロイ先サイト決定機能17は、DB VM情報32のDBデプロイ時間324からDBデプロイ時間を取得し、副サイト事前準備情報40の時間502を更新する。デプロイ先サイト決定機能17は、DB VM情報32のDB起動時間325からDB起動時間を取得し、副サイト事前準備情報40の時間502を更新する。デプロイ先サイト決定機能17は、副サイト事前準備情報40の時間502に基づき、準備パターン503を更新し、復旧時間505を更新する。
【0054】
ステップ604において、デプロイ先サイト決定機能17は、副サイト事前準備情報40のSDS準備状態506とDB準備状態507と、VM料金情報35と容量料金情報36と、DB VM数情報38に基づき、利用料金を計算し、準備コスト508を更新する。SDS VM数は、DB VM数情報38の最大SDS VM数387である。SDS準備状態506が「起動」の場合は、VM料金情報35と容量料金情報36に基づきSDSの月額利用料金を計算する。SDS準備状態506が「停止」の場合は、容量料金情報36に基づきSDSの月額利用料金を計算する。SDS準備状態506が「未」の場合は、SDSの月額利用料金は0である。DB VM数は、DB VM数情報38の最大DB VM数385から定常時DB VM数384の差である。DB準備状態507が「起動」の場合は、VM料金情報35と容量料金情報36に基づき月額料金を計算する。DB準備状態507が「停止」の場合は、容量料金情報36に基づき月額料金を計算する。DB準備状態507が「未」の場合は、準備コストは0である。
【0055】
ステップ605において、デプロイ先サイト決定機能17は、副サイト事前準備情報40に基づき副サイト事前コスト情報41を作成し、復旧時間512が昇順となるように列を並べ替える。各列を比較し、復旧時間512が所定時間より長く、準備コスト513が所定金額より高くなる列があれば削除する。
【0056】
ステップ606において、デプロイ先サイト決定機能17は、副サイト事前コスト情報41の復旧時間512が、DB情報37のRTO 372以下となる準備パターンをクラウドバースティング時構成として選択する。
【0057】
図16は、クラウドバースティングするか判断する流れの一例を示す。デプロイ先サイト決定機能17が1分おきなどの頻度で定期的に実行する。
【0058】
ステップ611において、デプロイ先サイト決定機能17は、マスターDB VM12、ワーカーDB VM13、ワーカーDB VM21から情報を取得し、DB稼働情報39を更新する。
【0059】
ステップ612において、デプロイ先サイト決定機能17は、DB稼働情報39に基づき各DBの稼働率を計算する。計算式は以下の通りである。
稼働率=クエリ到着数÷クエリ実行数
【0060】
判断613において、デプロイ先サイト決定機能17は、CPU使用率395がCPU使用率閾値377より高く、ステップ612において計算した稼働率が稼働率閾値378より高い場合は、ステップ615に進む。そうでない場合は、判断614に進む。なお、CPU使用率のみで判断してもよい。
【0061】
判断614において、デプロイ先サイト決定機能17は、NW使用率396がNW使用率閾値379より高い場合は、ステップ615に進む。そうでない場合は、処理を終える。
【0062】
ステップ615において、デプロイ先サイト決定機能17は、デプロイ機能18にクラウドバースティング開始を指示する。デプロイ機能18は、ステップ606において決定した準備パターンと、副サイト事前準備情報40のSDS準備状態506とDB準備状態507に基づき、デプロイする。
【0063】
このように、本システムによれば、クラウドバースティング時に、RTOがバースティング先のシステム構築時間より短い場合に、複数のサイトにデプロイし、そうでない場合は1つのサイトにデプロイする。例えば、システムのRTOがパブリッククラウドの拡張部分の構築時間より短い場合に、2つ以上のサイトにデプロイし、そうでない場合は1つのサイトにデプロイする。システム構築時間には、オンプレミスデータセンタからパブリッククラウドへのデータコピー時間を含む。また、データコピー時間には、データ容量と使用帯域な通信帯域を考慮している。そして、複数サイトにデプロイする場合にシステムコンポーネントをどこまでデプロイしておくか、起動と停止を含めてどこまで事前に準備すべきかRTOに基づき判断している。
【0064】
すなわち、プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ(例えば、オンプレミスデータセンタ2)上のシステムをパブリッククラウド(例えば、パブリッククラウド3)に拡張する冗長性決定システムにおいて、上記プロセッサは、上記システムの目標復旧時間(RTO)が、上記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、上記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに上記システムをデプロイする第1の処理と、上記システムの目標復旧時間が、上記構築時間より短くない場合は、上記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに上記システムをデプロイする第2の処理と、を行う。これにより、RTOを満たし、不要なコストをかけることなく、クラウドバースティングすることができる。
【0065】
上記パブリッククラウドは、SDS(Software-Defined Storage)およびDB(Data Base)を有し、上記プロセッサは、例えば、図12の項目501に示したように、上記SDSのデプロイ、上記オンプレミスデータセンタから上記パブリッククラウドへのデータコピー、上記SDSの起動および停止、上記DBのデプロイ、上記DBの起動および停止の各項目を含む上記システムの構築時間を算出し、上記第1の処理を行うか、上記第2の処理を行うかを判定する。これにより、システムを構築するためのこれらの各項目ごとに必要な準備時間を考慮して、クラウドバースティングすることができる。
【0066】
また、上記プロセッサは、上記第1の処理または上記第2の処理を行う時点での上記システムの稼働状況に基づいて、上記各項目を組み合わせた準備パターンを生成し、生成した当該準備パターンごとに上記システムの構築時間を算出する。これにより、クラウドバースティングする時点でのシステムの稼働状況を考慮して準備パターンのそれぞれについて、各項目を算出して、準備パターンごとに準備時間を算出することができる。
【0067】
上記プロセッサは、上記DBの容量、上記オンプレミスデータセンタと上記パブリッククラウドとの間における通信量に基づいて、上記システムの稼働状況を判定する。これにより、特に、データベースや通信量を考慮して、上記準備パターンごとの準備時間を算出することができる。
【0068】
上記プロセッサは、上記準備パターンごとに算出した上記システムの構築時間を、コスト順に並べ替えてユーザに提示する。これにより、ユーザは、容易にコスト効率が高いパターンを選択し、クラウドバースティングすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 システム
2 オンプレミスデータセンタ
3 パブリッククラウド
4 接続回線11 AP VM(Virtual Machine)
12 マスターDB VM13 ワーカーDB VM
14 共有ストレージ
15 データ
16 管理サーバ
17 デプロイ先サイト決定機能
18 デプロイ機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムであって、
前記プロセッサは、
前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、
前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、
を行うことを特徴とする冗長性決定システム。
【請求項2】
前記パブリッククラウドは、SDS(Software-Defined Storage)およびDB(Data Base)を有し、
前記プロセッサは、
前記SDSのデプロイ、前記オンプレミスデータセンタから前記パブリッククラウドへのデータコピー、前記SDSの起動および停止、前記DBのデプロイ、前記DBの起動および停止の各項目を含む前記システムの構築時間を算出し、前記第1の処理を行うか、前記第2の処理を行うかを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冗長性決定システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1の処理または前記第2の処理を行う時点での前記システムの稼働状況に基づいて、前記各項目を組み合わせた準備パターンを生成し、生成した当該準備パターンごとに前記システムの構築時間を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の冗長性決定システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記DBの容量、前記オンプレミスデータセンタと前記パブリッククラウドとの間における通信量に基づいて、前記システムの稼働状況を判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の冗長性決定システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記準備パターンごとに算出した前記システムの構築時間を、コスト順に並べ替えてユーザに提示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の冗長性決定システム。
【請求項6】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムで行われる冗長性決定方法であって、
前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、
前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、
を行うことを特徴とする冗長性決定方法。
【請求項7】
前記SDSのデプロイ、前記オンプレミスデータセンタから前記パブリッククラウドへのデータコピー、前記パブリッククラウドが有するSDSの起動および停止、前記パブリッククラウドが有するDBのデプロイ、前記DBの起動および停止の各項目を含む前記システムの構築時間を算出し、前記第1の処理を行うか、前記第2の処理を行うかを判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の冗長性決定方法。
【請求項8】
前記第1の処理または前記第2の処理を行う時点での前記システムの稼働状況に基づいて、前記各項目を組み合わせた準備パターンを生成し、生成した当該準備パターンごとに前記システムの構築時間を算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載の冗長性決定方法。
【請求項9】
前記DBの容量、前記オンプレミスデータセンタと前記パブリッククラウドとの間における通信量に基づいて、前記システムの稼働状況を判定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の冗長性決定方法。
【請求項10】
前記準備パターンごとに算出した前記システムの構築時間を、コスト順に並べ替えてユーザに提示する、
ことを特徴とする請求項8に記載の冗長性決定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明にかかる冗長性決定システムは、プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ上のシステムをパブリッククラウドに拡張する冗長性決定システムであって、前記プロセッサは、前記システムの目標復旧時間が、前記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに前記システムをデプロイする第1の処理と、前記システムの目標復旧時間が、前記構築時間より短くない場合は、前記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに前記システムをデプロイする第2の処理と、を行うことを特徴とする冗長性決定システムとして構成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
すなわち、プロセッサとメモリとを有したコンピュータを用いて、オンプレミスデータセンタ(例えば、オンプレミスデータセンタ2)上のシステムをパブリッククラウド(例えば、パブリッククラウド3)に拡張する冗長性決定システムにおいて、上記プロセッサは、上記システムの目標復旧時間(RTO)が、上記システムの稼働状況に基づいて算出された当該システムの構築時間より短い場合は、上記パブリッククラウドが有するサイトのうちの複数のサイトに上記システムをデプロイする第1の処理と、上記システムの目標復旧時間が、上記構築時間より短くない場合は、上記パブリッククラウドが有するサイトのうちの一のサイトに上記システムをデプロイする第2の処理と、を行う。これにより、RTOを満たし、不要なコストをかけることなく、クラウドバースティングすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
図1】実施例1に係るシステム構成の例を示す。
図2】デプロイ先サイト決定機能が有する情報の一例を示す。
図3】SDS VM情報の一例を示す。
図4】D VM情報の一例を示す。
図5】ルートボリュームサイズ情報の一例を示す。
図6】接続回線情報の一例を示す。
図7】VM料金情報の一例を示す。
図8】容量料金情報の一例を示す。
図9】DB情報の一例を示す。
図10】VM数情報の一例を示す。
図11】DB稼働情報の一例を示す。
図12】副サイト事前準備情報の一例を示す。
図13】副サイト事前準備コスト情報の一例を示す。
図14】冗長性確認画面の一例を示す。
図15】RTOに基づき事前準備内容を決定する流れの一例を示す。
図16】クラウドバースティングするか判断する流れの一例を示す。
図17】コンピュータ概略図の一例を示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図4は、D VM情報32の一例を示す。DB VM情報は、パブリッククラウドごと、サイトごと、インスタンスタイプごとのDB VMのデプロイ時間、起動時間、停止時間を示す。DB VM情報32は、パブリッククラウド321、サイト322、インスタンスタイプ323、DBデプロイ時間324、DB起動時間325、DB停止時間326を含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
ステップ604において、デプロイ先サイト決定機能17は、副サイト事前準備情報40のSDS準備状態506とDB準備状態507と、VM料金情報35と容量料金情報36と、DB VM数情報38に基づき、利用料金を計算し、準備コスト508を更新する。SDS VM数は、DB VM数情報38の最大SDS VM数387である。SDS準備状態506が「起動」の場合は、VM料金情報35と容量料金情報36に基づきSDSの月額利用料金を計算する。SDS準備状態506が「停止」の場合は、容量料金情報36に基づきSDSの月額利用料金を計算する。SDS準備状態506が「未」の場合は、SDSの月額利用料金は0である。DB VM数は、DB VM数情報38の最大DB VM数385定常時DB VM数384の差である。DB準備状態507が「起動」の場合は、VM料金情報35と容量料金情報36に基づき月額料金を計算する。DB準備状態507が「停止」の場合は、容量料金情報36に基づき月額料金を計算する。DB準備状態507が「未」の場合は、準備コストは0である。