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<図1>
  • 特開-ガス供給設備 図1
  • 特開-ガス供給設備 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135569
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ガス供給設備
(51)【国際特許分類】
   F17C 7/04 20060101AFI20230921BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
F17C7/04
F02M21/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040849
(22)【出願日】2022-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000158301
【氏名又は名称】岩谷瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(72)【発明者】
【氏名】福井 智之
(72)【発明者】
【氏名】與田 秀彦
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AA06
3E172AB01
3E172AB04
3E172AB05
3E172BD01
3E172BD03
3E172BD05
3E172BD10
3E172EB02
3E172EB10
3E172GA17
3E172GA22
3E172JA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ガス消費装置の動作状態が変化しても供給ライン内の圧力変化が生じ難いガス供給設備の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るガス供給設備1は、燃料ガスGを貯留するタンク10と、この燃料ガスGをガス消費装置Xに供給する供給ライン20と、上記ガス消費装置Xで未使用の燃料ガスGを回収する回収ライン30とを備えるガス供給設備1であって、上記供給ライン20及び上記回収ライン30間に接続され、上記供給ライン20から上記回収ライン30へ燃料ガスを送る戻りライン40と、上記供給ライン20に設けられる圧力計24と、上記戻りライン40に設けられる流量可変バルブ41と、上記圧力計24で測定される圧力に基づいて上記流量可変バルブ41の開度を制御する制御部60とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスを貯留するタンクと、この燃料ガスをガス消費装置に供給する供給ラインと、上記ガス消費装置で未使用の燃料ガスを回収する回収ラインとを備えるガス供給設備であって、
上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送る戻りラインと、
上記供給ラインに設けられる圧力計と、
上記戻りラインに設けられる流量可変バルブと、
上記圧力計で測定される圧力に基づいて上記流量可変バルブの開度を制御する制御部と
を備えるガス供給設備。
【請求項2】
上記圧力計が、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されている請求項1に記載のガス供給設備。
【請求項3】
上記供給ラインに設けられ、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されている供給流量計を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記供給流量計で測定される流量を用いる請求項1又は請求項2に記載のガス供給設備。
【請求項4】
上記回収ラインに設けられ、上記戻りラインの上記回収ラインとの接続位置より上流側に配置されている回収流量計を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記回収流量計で測定される流量を用いる請求項3に記載のガス供給設備。
【請求項5】
上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送るリリーフラインと、
上記リリーフラインに設けられるリリーフバルブと
を備え、
上記リリーフバルブの上流側の圧力に基づいて上記リリーフバルブの開閉が制御される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガス供給設備。
【請求項6】
上記戻りラインに設けられる戻りライン流量計と、
上記リリーフラインに設けられるリリーフライン流量計と
を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記戻りライン流量計及び上記リリーフライン流量計で測定される流量を用いる請求項5に記載のガス供給設備。
【請求項7】
上記制御部が、上記ガス消費装置から提供される負荷情報を上記流量可変バルブの開度制御に用いる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガス供給設備。
【請求項8】
上記ガス消費装置が、エンジンであり、
上記負荷情報が、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力である請求項7に記載のガス供給設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば船舶エンジンのような燃料ガスをエネルギー源とするガス消費装置は、ガス供給設備により燃料ガスを供給されて動作する。このガス供給設備では、一般に温度を一定に保ちつつ、燃料ガスを高圧ポンプにより一定速度で圧送することで、ガス消費装置で必要とされる燃料ガスの供給を確保している。
【0003】
しかし、ガス消費装置は常に定格動作しているとは限らず、供給された燃料ガスの全てがガス消費装置で消費されるとは限らない。ガス消費装置で消費されなかった燃料ガスは、ガス消費装置からガス供給設備へ返送され、回収される。
【0004】
例えばガス消費装置が動作している状態から停止状態に変化した場合、燃料ガスの消費量は実質的に0となり、ほぼ全量の燃料ガスが回収されることとなる。このとき、ガス消費装置を経由する経路の抵抗等により供給ライン等の圧力が上昇してしまう。この圧力の上昇は、ガス消費装置の運転を再開する際にその動作を不安定化するおそれや、長時間停止して高圧状態が継続することによりガス供給設備あるいはガス消費装置に不具合を生じさせるおそれがある。
【0005】
この圧力上昇を回避し、安定してガス消費装置の動作を停止及び再開できるガス供給設備として、供給ラインから回収ラインへ燃料ガスを送る戻りラインを備えたガス供給設備が提案されている(特開2018-159006号公報参照)。
【0006】
このガス供給設備では、ガス消費装置が動作している状態から停止した場合、上記戻りラインに設けられたリリーフバルブを開け、供給ラインから供給するガスの全量をガス供給設備内で回収ラインに回収する。この構成によりガス消費装置の停止状態においても、ガス供給設備の燃料ガスの状態(温度や圧力)を維持できるので、迅速にガス消費装置の運転が再開できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-159006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えばガス消費装置がエンジンである場合、高速で動作している状態と、低速で動作している状態とでは、消費される燃料ガスの量が大きく異なるため、ガス供給設備の供給ライン内の圧力変化が生じ易い。この圧力変化により、ガス消費装置が十分な性能を発揮できないおそれがある。
【0009】
上記従来のガス供給設備では、ガス消費装置の動作の停止及び再開には対応できるが、ガス消費装置が動作している状態で生じる圧力変化に対応することはできない。
【0010】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、ガス消費装置の動作状態が変化しても供給ライン内の圧力変化が生じ難いガス供給設備の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るガス供給設備は、燃料ガスを貯留するタンクと、この燃料ガスをガス消費装置に供給する供給ラインと、上記ガス消費装置で未使用の燃料ガスを回収する回収ラインとを備えるガス供給設備であって、上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送る戻りラインと、上記供給ラインに設けられる圧力計と、上記戻りラインに設けられる流量可変バルブと、上記圧力計で測定される圧力に基づいて上記流量可変バルブの開度を制御する制御部とを備える。
【0012】
当該ガス供給設備は、供給ラインから回収ラインへ燃料ガスを送る戻りラインに流量可変バルブを設け、制御部が供給ラインに設けられる圧力計で測定される圧力に基づいて上記流量可変バルブの開度を制御するので、ガス消費装置の動作状態が変化しても供給ライン内の圧力の変動を抑止することができる。
【0013】
上記圧力計が、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されているとよい。このように上記圧力計を、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設することで、ガス消費装置に供給される燃料ガスの圧力を精度よく測定できるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0014】
上記供給ラインに設けられ、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されている供給流量計を備え、上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記供給流量計で測定される流量を用いるとよい。供給ライン内の圧力は、供給流量の変化に遅延して変化する。このように上記流量可変バルブの開度制御に上記供給流量計で測定される流量を用いることで、供給ライン内の圧力変化を予測でき、流量可変バルブの開度の応答遅延を削減できるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0015】
上記回収ラインに設けられ、上記戻りラインの上記回収ラインとの接続位置より上流側に配置されている回収流量計を備え、上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記回収流量計で測定される流量を用いるとよい。供給流量計と回収流量計とで測定される流量の流量差はガス消費装置での燃料ガスの消費量を表す。このように上記流量可変バルブの開度制御に上記回収流量計で測定される流量も用いることで、ガス消費装置の消費量を考慮して流量可変バルブの開度を制御できるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0016】
上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送るリリーフラインと、上記リリーフラインに設けられるリリーフバルブとを備え、上記リリーフバルブの上流側の圧力に基づいて上記リリーフバルブの開閉が制御されるとよい。ガス消費装置の動作状態が急変した場合、流量可変バルブの開度制御が追いつかず、供給ライン内の圧力が急激に変化してしまうことがある。上記リリーフバルブの開閉は、流量可変バルブの開度制御より短時間で行うことが可能であるので、リリーフバルブを設けることで供給ライン内の圧力が急激に変化することを回避できる。
【0017】
上記戻りラインに設けられる戻りライン流量計と、上記リリーフラインに設けられるリリーフライン流量計とを備え、上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記戻りライン流量計及び上記リリーフライン流量計で測定される流量を用いるとよい。このように上記流量可変バルブの開度制御に上記戻りライン流量計及び上記リリーフライン流量計で測定される流量を用いることで、戻りラインを経由して回収される燃料ガスの量とリリーフラインを経由して回収される燃料ガスの量とを独立して考慮できるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。また、リリーフバルブの開閉部分や流量可変バルブの開度制御部分の経年劣化による流量の変動分を補正することができる。
【0018】
上記制御部が、上記ガス消費装置から提供される負荷情報を上記流量可変バルブの開度制御に用いるとよい。ガス消費装置の負荷と燃料ガスの消費とは一定の相関があると考えられるが、ガス消費装置の負荷が変動してから燃料ガスの消費が変動するまで、つまり圧力計で測定される圧力が変動するまでには一定の遅延がある。このため、上記制御部が上記ガス消費装置から提供される負荷情報を上記流量可変バルブの開度制御に用いることで、圧力計で測定される圧力の変動を早い段階で予見可能となるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0019】
上記ガス消費装置が、エンジンであり、上記負荷情報が、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力であるとよい。上記ガス消費装置がエンジンである場合、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力を上記負荷情報として好適に用いることができる。
【0020】
また、「上流側」とは、ガス供給設備の通常の使用状態において燃料ガスが流れる方向の起点側をいい、供給ラインにおいてはタンクに近い側、回収ラインにおいてはガス消費装置に近い側、戻りライン及びリリーフラインにおいては供給ラインに近い側をいう。また、「下流側」とは、上流側とは反対側をいう。
【発明の効果】
【0021】
本発明のガス供給設備は、ガス消費装置の動作状態が変化しても供給ライン内の圧力変化が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るガス供給設備の構成を示す全体模式図である。
図2図2は、図1とは異なる実施形態に係るガス供給設備の構成を示す部分的模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るガス供給設備について、適宜図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1に示すガス供給設備1は、燃料ガスGを貯留するタンク10と、燃料ガスGをガス消費装置Xに供給する供給ライン20と、ガス消費装置Xで未使用の燃料ガスGを回収する回収ライン30とを備えるガス供給設備である。なお、図1において、実線の矢印は、通常の使用状態において燃料ガスGの流れる方向を示している。
【0025】
[燃料ガス]
燃料ガスGの種類は、ガス消費装置Xがエネルギー源とできる限り特に限定されず、液化石油ガス(LPG;Liquefied Petroleum Gas)、液化天然ガス(LNG;Liquefied Natural Gas)、水素(H)、アンモニア(NH)などを挙げることができる。
【0026】
燃料ガスGとしては、常温で液体貯留可能なLPG及びNHが好ましい。液体は、同温同圧の気体に比べ体積が100倍以上小さいため、貯留し易い。中でも容易に液化し易いLPGがより好ましく、発熱量の大きいプロパン及びブタンが特に好ましい。
【0027】
また、例えばLPGに他のガス(LNG、H又はNHの1種又は2種以上)を混合して用いてもよい。この場合、当該ガス供給設備1は、例えばガス種毎に用意された複数のタンク10と、複数のタンク10に貯留されている複数種の燃料ガスGを混合する混合部とを備える構成とされる。この場合、混合比は各燃料ガスGの圧力や流量制御により決定することができる。また、予め混合した燃料ガスGをタンク10に貯留する方法を採用することもできる。
【0028】
以下、燃料ガスGがLPGである場合を例にとり説明するが、燃料ガスGがLPGに限定されることを意味するものではない。
【0029】
[ガス消費装置]
ガス消費装置Xは、燃料ガスGをエネルギー源として動作する装置であり、空調設備、発電機、船舶や自動車、航空機、鉄道車両等の液体燃料で動作する輸送機械のエンジンなどを挙げることができる。当該ガス供給設備1は、動作状態が変化し易いエンジンへのガス供給に特に好適に用いることができる。
【0030】
以下、ガス消費装置Xがエンジンである場合を例にとり説明するが、ガス消費装置Xがエンジンに限定されることを意味するものではない。
【0031】
[ガス供給設備の構成]
当該ガス供給設備1は、タンク10、供給ライン20及び回収ライン30に加えて、供給ライン20及び回収ライン30間に接続され、供給ライン20から回収ライン30へ燃料ガスGを送る戻りライン40と、供給ライン20及び回収ライン30間に接続され、供給ライン20から回収ライン30へ燃料ガスGを送るリリーフライン50とを備える。また、当該ガス供給設備1は、供給ライン20に設けられるポンプ21、加温器ユニット22、供給流量計23及び圧力計24と、回収ライン30に設けられる回収流量計25及び冷却器ユニット31と、戻りライン40に設けられる流量可変バルブ41と、リリーフライン50に設けられるリリーフバルブ51と、制御部60とを備える。
【0032】
<タンク>
タンク10は、貯留される燃料ガスGの種類に応じて適宜設計されるが、燃料ガスGとしてLPGを用いる場合、常温(例えば25℃)で内部が0MPaG以上3MPaG(ゲージ圧)以下の圧力に保持可能とされ、燃料ガスGを液化して貯留することができるように構成されている。タンク10の容量は、ガス消費装置Xで必要とされる消費量に応じて適宜決定される。
【0033】
<ポンプ>
ポンプ21は、タンク10に貯留されている燃料ガスGを供給ライン20へ圧送する。ポンプ21で燃料ガスGは加圧され、液体状態のままでガス消費装置Xに供給されることになる。
【0034】
ポンプ21は、例えばタンク10から燃料ガスGを取り出す液相ポンプと、上記液相ポンプが取り出した燃料ガスGを昇圧するダイヤフラムポンプとで構成することができる。
【0035】
上記ダイヤフラムポンプは、燃料ガスGがあらかじめ設定された設定圧力で一定となるように回転数が制御される。上記設定圧力は、タンク10内の圧力より大きく、例えば1MPaG以上10MPaG以下の値とすることができる。
【0036】
<加温器ユニット>
加温器ユニット22は、ポンプ21の下流側に配置され、燃料ガスGを加温する。ポンプ21で加圧した後に加温することで、燃料ガスGが気化し、爆発的に体積が増えることを抑止できる。
【0037】
加温は、例えば温水との熱交換により行うことができる。図1に示す加温器ユニット22では、温水入口22aから温水出口22bへと温水を通水し、熱交換可能に構成されている。あるいは、電熱ヒータを用いてもよい。この場合、上記電熱ヒータは、燃料ガスGがあらかじめ設定された設定温度で一定となるように制御される。加熱温度は、例えば10℃以上60℃以下の値とすることができる。
【0038】
<冷却器ユニット>
冷却器ユニット31は、ガス消費装置Xから回収された燃料ガスGを冷却する。ガス消費装置Xを経て回収される燃料ガスGは、50℃以上の温度を有している場合が多い。この燃料ガスGの温度を例えば35℃以下まで冷却し、常温で比較的圧力が低いタンク10に返送した際にLPGが気化することを抑止する。
【0039】
冷却は、例えば冷却水との熱交換により行うことができる。図1に示す冷却器ユニット31では、冷却水入口31aから冷却水出口31bへと冷却水を通水し、熱交換可能に構成されている。
【0040】
<供給流量計及び回収流量計>
供給流量計23は、戻りライン40の供給ライン20との接続位置(戻りライン入口40a)及びリリーフライン50の供給ライン20との接続位置(リリーフライン入口50a)のいずれよりも下流側に設けられる。すなわち、供給流量計23は、ガス消費装置Xへ供給される燃料ガスGの設定圧力及び設定温度における供給流量を測定する。
【0041】
回収流量計25は、戻りライン40の回収ライン30との接続位置(戻りライン出口40b)及びリリーフライン50の回収ライン30との接続位置(リリーフライン出口50b)のいずれよりもより上流側に設けられる。すなわち、回収流量計25は、ガス消費装置Xから回収される燃料ガスGの設定圧力及び設定温度における回収流量を測定する。
【0042】
供給流量計23及び回収流量計25に用いられる流量計の種類は、特に限定されず、公知の流量計を用いることができるが、コリオリ式流量計が好ましい。コリオリ式流量計を用いることで、流体の密度も分かるため、ガス消費装置Xで消費される熱量を特定することができる。
【0043】
<圧力計>
圧力計24は、供給ライン20内の圧力を測定する。測定された圧力値は制御部60へ伝送される。圧力計24は、例えば戻りライン入口40aより上流側に配設することもできるが、戻りライン入口40a及びリリーフライン入口50aのいずれよりも下流側に配設されていることが好ましい。このように圧力計24を下流側に設けることで、ガス消費装置Xに供給される燃料ガスGの圧力を精度よく測定できるので、供給ライン20内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0044】
図1に示すガス供給設備1では、圧力計24は供給流量計23よりも下流側に配設されているが、圧力計24と供給流量計23との順序は問われず、供給流量計23を圧力計24より下流側に配設することもできる。
【0045】
圧力計24に用いられる圧力計の種類は、特に限定されず、例えば公知の圧力伝送器を用いることができる。ここで、「圧力伝送器」とは、圧力を測定し、その測定された圧力値を外部へ出力(伝送)可能な機器を指す。
【0046】
圧力計24は、一体的に構成されていても良いが、測定部と伝送部とが別体で構成されていてもよい。例えば上記測定部として、既設されている圧力測定器を用い、上記伝送部として、そのゲージの画像を取得し、その画像から画像処理によって圧力値を読み取り伝送する画像処理装置を用いた構成とすることができる。
【0047】
圧力計24が制御部60へ伝送する圧力値データは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0048】
<流量可変バルブ及びリリーフバルブ>
流量可変バルブ41は、その開度を制御可能に構成されており、戻りライン40を流れる燃料ガスGの流量を制御することができる。流量可変バルブ41は、例えばニードルバルブで構成することができる。流量可変バルブ41の開度は、後述する制御部60により制御される。戻りライン40には、流量可変バルブ41の開度に応じて流量の燃料ガスGが流れる。
【0049】
リリーフバルブ51は、開閉(ON/OFF)が制御され、燃料ガスGをリリーフライン50に流すか流さないかが選択される。リリーフバルブ51は、例えば背圧弁、玉形弁、ボール弁等で構成することができる。
【0050】
リリーフバルブ51の開閉は、リリーフバルブ51の上流側の圧力に基づいて制御される。ガス消費装置Xの動作状態が急変した場合、流量可変バルブ41の開度制御が追いつかず、供給ライン20内の圧力が急激に変化してしまうことがある。リリーフバルブ51の開閉は、流量可変バルブ41の開度制御より短時間で行うことが可能であるので、このように供給ライン20内の圧力が急激に変化することを回避できる。
【0051】
リリーフバルブ51の開閉は、リリーフバルブ51自身の機能により行ってもよい。つまり、リリーフバルブ51自体が、リリーフバルブ51の上流側の圧力を測定する測定機構と、リリーフバルブ51を開閉する圧力閾値を設定する閾値設定機構と、上記測定機構で測定される圧力を上記圧力閾値と比較してリリーフバルブ51の開閉を制御する制御機構とを有する構成とできる。上記圧力閾値は、上述した供給ライン20内の圧力目標値である設定圧力よりも大きい。また、リリーフバルブ51を開く圧力閾値(開圧力閾値)と、閉じる圧力閾値(閉圧力閾値)とは異なる設定とされ、開圧力閾値の方が例えば0.2MPa以上0.5MPa以下の差で大きく設定される。このように圧力閾値を設定することで、リリーフバルブ51の上流側の圧力が圧力閾値付近の圧力となった際に、リリーフバルブ51が頻繁に開閉を繰り返すことを回避できる。
【0052】
一方、リリーフバルブ51の開閉の制御を制御部60が行う構成としてもよい。このように制御部60がリリーフバルブ51の開閉を制御することで、流量可変バルブ41の開度制御と連携して制御することが可能となるため、供給ライン20内の圧力の変動を抑止し易い。リリーフバルブ51の上流側の圧力は圧力計24で測定される圧力で代用することができる。従って、リリーフバルブ51の開閉を制御部60が制御する場合、リリーフバルブ51としては、外部からの信号により開閉が制御可能な機構、例えば電磁弁のみを有していればよく、リリーフバルブ51に複雑な構成を必要としない。
【0053】
図1に示すガス供給設備1では、流量可変バルブ41が設けられている戻りライン入口40aは、リリーフバルブ51が設けられているリリーフライン入口50aより下流側に位置しているが、リリーフライン入口50aより上流側に位置していてもよい。また、戻りライン40の回収ライン30との接続位置(戻りライン出口40b)は、リリーフライン50の回収ライン30との接続位置(リリーフライン出口50b)より上流側に位置しているが、リリーフライン出口50bの下流側に位置していてもよい。さらに、戻りライン入口40a及びリリーフライン入口50aと、戻りライン出口40b及びリリーフライン出口50bとの上流/下流の組み合わせは、ガス供給設備1のレイアウト等に依存して任意の組み合わせを採用可能である。
【0054】
<制御部>
制御部60は、圧力計24で測定される圧力に基づいて流量可変バルブ41の開度を制御する。具体的には,制御部60は、圧力計24で測定される圧力が一定となるように流量可変バルブ41の開度を調整する。制御部60は、例えば公知のパーソナルコンピュータ(PC)等で実現することができる。当該ガス制御設備1が、ポンプ21、加温器ユニット22及び冷却器ユニット31を制御するためのPCを備えている場合、このPCに制御部60の機能を実装することができる。
【0055】
さらに詳細に説明すると、ガス消費装置Xでの燃料ガスGの消費量が減少しても、供給ライン20からガス消費装置Xへ供給する燃料ガスGの流量が変わらないと、圧力計24で測定される圧力が、上述した設定圧力より高くなる。そこで、圧力計24で測定される圧力が上記設定圧力より高くなると、制御部60は、流量可変バルブ41の開度を大きくして(閉じている場合は開けて)燃料ガスGの戻りライン40への流量を増加させる(閉じている場合は、戻りライン40へ燃料ガスGを流し始める)。これにより供給ライン20からガス消費装置Xへ供給される燃料ガスGの流量を減少させ、供給ライン20内の圧力を下げることができる。ここで制御部60は、圧力計24で測定される圧力が上記設定圧力と等しくなるように流量可変バルブ41の開度の大きさを決定する。
【0056】
一方、ガス消費装置Xでの燃料ガスGの消費量が減少している状態(流量可変バルブ41が開いており、燃料ガスGが戻りライン40を流れている状態)から、ガス消費装置Xでの燃料ガスGの消費量が増加すると、供給ライン20内の圧力が上記設定圧力を下回るようになる。この場合は、制御部60は、流量可変バルブ41の開度を小さくして(場合によっては閉じて)燃料ガスGの戻りライン40への流量を減少させる。これにより供給ライン20からガス消費装置Xへ供給される燃料ガスGの流量を増加させ、供給ライン20内の圧力を上げることができる。
【0057】
ガス消費装置Xでの燃料ガスGの消費量の減少速度が大きい場合、つまり圧力計24で測定される圧力が急激に増加する傾向となった場合、制御部60は流量可変バルブ41の開度を大きくすることになるが、その流量可変バルブ41の開度の調整が上記圧力の急激な増加に追随できず、実際に上記圧力が急激に増加してしまうおそれがある。制御部60がリリーフバルブ51の開閉の制御も行っている場合は、このような圧力の急激な増加が認められる場合、リリーフバルブ51を開ける。リリーフバルブ51を開けると、(供給ライン20の圧力を速やかに低下させるために十分な)一定量の燃料ガスGがリリーフライン50を介して回収ライン30へ導かれる。上述のように制御部60は、基本的には上記圧力が増加すると流量可変バルブ41の開度を大きくしようとするが、リリーフバルブ51を開けた場合、急激に上記圧力が減少に転じることになる。このため、制御部60がリリーフバルブ51の開閉の制御も行っている場合は、リリーフバルブ51を開けるとともに流量可変バルブ41の開度を小さくすることで、上記圧力が減少し過ぎることを抑止できる。
【0058】
図1に示すガス供給設備1では、制御部60は、流量可変バルブ41の開度制御に供給流量計23で測定される流量(供給流量)及び回収流量計25で測定される流量(回収流量)をさらに用いる。上記供給流量で供給された燃料ガスGは、ガス消費装置Xで消費されて、残りが回収ライン30で回収されるため、上記回収流量は、この回収された燃料ガスGの流量に相当する。従って、供給流量計23と回収流量計25とで測定される流量の流量差はガス消費装置Xでの燃料ガスGの消費量を表す。このため、流量可変バルブ41の開度制御に供給流量及び回収流量を用いることで、ガス消費装置Xの消費量を考慮して流量可変バルブ41の開度を制御できるようになるので、供給ライン20内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0059】
さらに、制御部60が、ガス消費装置Xから提供される負荷情報を流量可変バルブ41の開度制御に用いることが好ましい。ガス消費装置Xの負荷と燃料ガスGの消費とは一定の相関があると考えられるが、ガス消費装置Xの負荷が変動してから燃料ガスGの消費が変動するまで、つまり圧力計24で測定される圧力が変動するまでには一定の遅延がある。ガス消費装置Xの負荷が変動すると、燃料ガスGの流量が変動し、そして圧力計24で測定される圧力の変動が生じるという順になるから、上記圧力変動の予兆として、ガス消費装置Xの負荷の変動が最も早い段階で生じていることになる。このため、制御部60がガス消費装置Xから提供される負荷情報を流量可変バルブ41の開度制御に用いることで、圧力計24で測定される圧力の変動を早い段階で予見可能となるので、供給ライン20内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【0060】
ガス消費装置Xがエンジンである場合、上記負荷情報が、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力であるとよい。これらはガス消費装置Xの負荷状況に応じて変化し得る量であるので、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力を上記負荷情報として好適に用いることができる。
【0061】
制御部60の制御方法としては、例えば公知のPID制御を用いることができる。また、当該ガス供給設備1では、供給流量及び回収流量を用い、さらにガス消費装置Xから提供される負荷情報も用い得るので、供給ライン20内の圧力変化の予見性を高めるため、AI技術を用いてもよい。
【0062】
なお、制御部60の制御に必要な情報である圧力計24で測定される圧力、供給流量計23及び回収流量計25で測定される流量等は、無線通信又は有線通信で受信するとよい。同様に制御部60が制御する流量可変バルブ41の開度等の指令も、無線通信又は有線通信で送信するとよい。
【0063】
<利点>
当該ガス供給設備1は、供給ライン20から回収ライン30へ燃料ガスGを送る戻りライン40に流量可変バルブ41を設け、制御部60が供給ライン20に設けられる圧力計24で測定される圧力に基づいて流量可変バルブ41の開度を制御するので、ガス消費装置Xの動作状態が変化しても供給ライン20内の圧力の変動を抑止することができる。なお、当該ガス供給設備1では、供給ライン20内の圧力の変動を抑止することができるが、その目標とされる圧力を例えばガス消費装置Xの動作状態に応じて変えることもできる。つまり、制御部60での制御目標を変えることにより例えばガス消費装置Xの負荷が大きい場合に圧力を上昇させ、負荷が小さい場合に圧力を下降させるなど意図的な制御を行うこともできる。この場合、当該ガス供給設備1では、意図しない圧力の変動を抑止することができる。
【0064】
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0065】
上記実施形態では、リリーフラインを備える場合を説明したが、リリーフラインは必須の構成要素ではなく、省略可能である。リリーフラインを備えないガス供給設備においても、同様の効果を奏することができる。なお、リリーフラインを備えないガス供給設備では、リリーフバルブも省略される。
【0066】
上記実施形態では、制御部が流量可変バルブの開度制御に供給流量計及び回収流量計で測定される流量を用いる場合を説明したが、回収流量計で測定される流量を用いない、つまり制御部は供給流量計で測定される供給流量のみで流量可変バルブの開度制御を行ってもよい。供給流量が変化することで供給ライン内の圧力が変化するため、圧力変化は供給流量の変化に比べて一定の遅延をもって追従して変化することになる。このため、流量可変バルブの開度制御に供給流量を用いることで、供給ライン内の圧力変化を予測でき、流量可変バルブの開度の応答遅延を削減できる。従って、圧力のみで制御する場合に比べ、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。この場合、回収流量計は省略してもよい。
【0067】
また、制御部が供給流量計及び回収流量計で測定される流量を共に用いない場合も本発明の意図するところである。圧力計の圧力のみで流量可変バルブの開度制御を行っても同様の効果を奏することができる。この場合、供給流量計及び回収流量計は、一方又は両方を省略してもよい。
【0068】
上記実施形態では、供給流量計及び回収流量計を設ける場合を説明したが、これらに代えて、あるいはこれらとともに他の流量計を設けてもよい。例えば図2に示すガス供給設備2は、供給流量計23に加え、戻りライン40に設けられる戻りライン流量計42と、リリーフライン50に設けられるリリーフライン流量計52とを備えている。図2に示す他の構成要素は、図1に示すガス供給設備1と同様であるので、同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0069】
このガス供給設備2では、制御部60は、流量可変バルブ41の開度制御に戻りライン流量計42及びリリーフライン流量計52で測定される流量をさらに用いる。このように流量可変バルブ41の開度制御に戻りライン流量計42及びリリーフライン流量計52で測定される流量を用いることで、戻りライン40を経由して回収される燃料ガスGの量とリリーフライン50を経由して回収される燃料ガスGの量とを独立して考慮できるので、供給ライン20内の圧力の変動をさらに抑止できる。また、リリーフバルブ51の開閉部分や流量可変バルブ41の開度制御部分の経年劣化による流量の変動分を補正することができる。
【0070】
あるいは、供給流量計に加えて、供給ラインに総流量計を設ける構成としてもよい。上記総流量計は、戻りラインの上記供給ラインとの接続位置及びリリーフラインの上記供給ラインとの接続位置より上流側に配設される。すなわち、上記総流量計は、タンクから上記供給ラインへ供給される燃料ガスの設定圧力及び設定温度における総流量を測定する。
【0071】
ガス供給設備では、この総流量はあらかじめ設定された設定流量となるように制御される。具体的には、総流量計で測定される流量に基づいて、その流量が一定となるように例えば液相ポンプの回転数を制御して、タンクから取り出す燃料ガスの量を調整する。上記設定流量は、ガス消費装置が必要とする燃料ガスの量に対し、必要十分な量に設定される。この総流量から上記供給流量計で測定される供給流量を差し引いた流量が、戻りライン及びリリーフラインを流れる流量(戻り総流量)に相当する。総流量計は、ポンプ及び加温器ユニットを経て供給される燃料ガスの流量を制御するため、予めガス処理設備に設けられている場合が多い。この場合、新たに総流量計を設ける必要がないので、供給流量計のみ新たに設ければ、供給流量と戻り総流量とを把握できる。そして、供給流量と戻り総流量とを考慮して流量可変バルブの開度を制御できるので、供給ライン内の圧力の変動をさらに抑止できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明のガス供給設備は、ガス消費装置の動作状態が変化しても供給ライン内の圧力変化が生じ難い。従って、当該ガス供給設備は、ガス消費装置に安定して燃料ガスを供給できるので、ガス消費装置の性能を発揮させ易い。
【符号の説明】
【0073】
1、2 ガス供給設備
10 タンク
20 供給ライン
21 ポンプ
22 加温器ユニット
22a 温水入口
22b 温水出口
23 供給流量計
24 圧力計
25 回収流量計
30 回収ライン
31 冷却器ユニット
31a 冷却水入口
31b 冷却水出口
40 戻りライン
40a 戻りライン入口
40b 戻りライン出口
41 流量可変バルブ
42 戻りライン流量計
50 リリーフライン
50a リリーフライン入口
50b リリーフライン出口
51 リリーフバルブ
52 リリーフライン流量計
60 制御部
G 燃料ガス
X ガス消費装置
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスを貯留するタンクと、この燃料ガスをガス消費装置に供給する供給ラインと、上記ガス消費装置で未使用の燃料ガスを回収する回収ラインとを備えるガス供給設備であって、
上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送る戻りラインと、
上記供給ラインに設けられる圧力計と、
上記戻りラインに設けられる流量可変バルブと、
上記圧力計で測定される圧力に基づいて上記流量可変バルブの開度を制御する制御部と
上記供給ライン及び上記回収ライン間に接続され、上記供給ラインから上記回収ラインへ燃料ガスを送るリリーフラインと、
上記リリーフラインに設けられるリリーフバルブと
を備え
上記リリーフバルブの上流側の圧力に基づいて上記リリーフバルブの開閉が制御され、
上記リリーフバルブの開閉が上記流量可変バルブの開度制御より短時間で行うことが可能であるガス供給設備。
【請求項2】
上記圧力計が、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されている請求項1に記載のガス供給設備。
【請求項3】
上記供給ラインに設けられ、上記戻りラインの上記供給ラインとの接続位置より下流側に配設されている供給流量計を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記供給流量計で測定される流量を用いる請求項1又は請求項2に記載のガス供給設備。
【請求項4】
上記回収ラインに設けられ、上記戻りラインの上記回収ラインとの接続位置より上流側に配置されている回収流量計を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記回収流量計で測定される流量を用いる請求項3に記載のガス供給設備。
【請求項5】
上記戻りラインに設けられる戻りライン流量計と、
上記リリーフラインに設けられるリリーフライン流量計と
を備え、
上記制御部が、上記流量可変バルブの開度制御に上記戻りライン流量計及び上記リリーフライン流量計で測定される流量を用いる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガス供給設備。
【請求項6】
上記制御部が、上記ガス消費装置から提供される負荷情報を上記流量可変バルブの開度制御に用いる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス供給設備。
【請求項7】
上記ガス消費装置が、エンジンであり、
上記負荷情報が、消費電力、エンジンの回転数又はエンジンの出力である請求項6に記載のガス供給設備。