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  • 特開-電子スコアブック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135574
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】電子スコアブック
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A63B71/06 C
A63B71/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022062102
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】503412919
【氏名又は名称】株式会社ウイルダイフレックス
(71)【出願人】
【識別番号】308022922
【氏名又は名称】株式会社ワークソリューション
(72)【発明者】
【氏名】荻原 真二
(72)【発明者】
【氏名】木内 勝也
(57)【要約】
【課題】 従来までのボタン入力を前提とした野球向けの電子スコアブックでは、打席結果の各ケースに対する操作ボタンの数が多すぎてボタン選定が煩雑である為、容易に入力できるとは言い難いうえ、入力が間違っていないか確認するのは難しい。また実戦において監督が欲しいデータの蓄積には不十分である。
【解決手段】 本発明における電子スコアブックは図2の入力画面を持つ。入力画面はフィールド入力画面及び投球入力画面及びポジションアイコン、各ゾーンボタン及び各種イベントボタンを装備する。ランナーがいる場合は存在する塁にランナーアイコンが表示される。リプレー機能を用いるとピッチャーからスタートするボールアイコンが実際に動作した画面上の軌道を動く。各投球入力にはゾーンフレームを有する投球入力画面を利用し、ゾーンフレームにタッチ入力された位置や、見逃し、変化球等の入力からゾーンフレームに適応したボールマークが表示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド入力画面及び投球入力画面を併せ持つ入力画面を有し、入力画面には各打者の打席結果入力に、守備側の選手を表すポジションアイコン、1つないし複数の各ゾーンボタン及び各種イベントボタンを用い、打席に対する投球の結果入力にゾーンフレームを用いる電子スコアブック。
【請求項2】
予め先発メンバー等の試合データを入力するホーム画面を持ち、ホーム画面と入力画面はいつでも表示を入れ替え、どちらも編集が可能な請求項1における電子スコアブック。
【請求項3】
打席の入力結果に伴い、ランナーが存在する場合はランナーアイコンがフィールド入力画面に現れ、自動的に得点、アウトカウント及び回数が遷移する請求項2における電子スコアブック。
【請求項4】
打席結果に入力の際、頻繁に起こる通常イベントボタンを画面上に映し、使用頻度の低いイベントを例外ボタン「他」ボタンを押してから一覧が表示されるようボタンが配置された請求項1における電子スコアブック。
【請求項5】
打席結果を入力した際、フィールド画面にボールアイコンが現れ、実際のボールの軌跡がアニメーションとして再現される請求項1における電子スコアブック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球等スポーツに使用するスコアブックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球等のスポーツにおいて、試合の得点や経過はスコアブックに記載し、野球連盟等に提出し公式戦の記録として保管される。ただしスコアブックの記載の仕方は専門的な知識が必要になり複雑であるため、ある程度学習をした者でないと記載することが難しく、例えば単に野球に興味を覚えマネージャーをしたいと考えたとしてもスコアブックの入力が障壁になり断念することがある。
【0003】
野球における公式のスコアブックは様式が図1のように決まっており、この様式以外で野球協会に提出することは出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-253265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、電子スコアブックが開発され、従来の電子スコアブックは入力をボタンにより単純化し、入力されたデータに基づいて最終的に公式の様式に変換されプリントアウトして提出しようとするものである。
上述した特許文献1では、例えばピッチャーが投げてショートゴロを打者が打ってアウトとなった等の遷移状態の入力を操作ボタンにより入力する為、容易に入力できるとは言い難い。また、打球等の各ケースに対するイベントが多すぎてボタンの数が多くなり選定が煩雑である。入力を行った際、入力が間違っていないか確認するのは面倒な作業であり、思い込みのまま間違ったままでスコアブックが出来上がってしまうことがある。入力の間違いを遷移状態のみから確認するのは(例えばフライなのかライナーなのか等)難しい場合がある。ストライクとボールの判別について2種類のボタンでの入力になるため、例えば外角低めのボールであるなどコースについての入力が出来ない。あくまで公式のスコアブックに掲載されるデータ入力であり、実戦において監督が欲しいデータの蓄積には不十分である。
【0006】
途中経過を試合に観戦出来ない父兄、OB等にスコアブックのデータをもとに配信する場合、途中まで入力されたスコアブックから読み取らなければならない為、臨場感に欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の改善を目的とし、達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる電子スコアブックの一形態によれば、フィールド入力画面及び投球入力画面を併せ持つ入力画面を有し、入力画面には各打者の打席結果入力に、守備側の選手を表すポジションアイコン、1つないし複数の各ゾーンボタン及び各種イベントボタンを用い、打席に対する投球の結果入力にゾーンフレームを用いる。
【0008】
本発明にかかる電子スコアブックの一形態によれば、予め先発メンバー等の試合データを入力するホーム画面を持ち、ホーム画面と入力画面はいつでも表示を入れ替え、どちらも編集が可能なことを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる電子スコアブックの一形態によれば、打席の入力結果に伴い、ランナーが存在する場合はランナーアイコンがフィールド入力画面に現れ、自動的に得点、アウトカウント及び回数が遷移することを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる電子スコアブックの一形態によれば、打席結果に入力の際、頻繁に起こる通常イベントボタンを画面上に映し、使用頻度の低いイベントを例外ボタン「他」ボタンを押してから一覧が表示されるようボタンが配置されたことを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる電子スコアブックの一形態によれば、打席結果を入力した際、フィールド画面にボールアイコンが現れ、実際のボールの軌跡がアニメーションとして再現されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、各種スポーツにおける複雑なスコアブック入力の負担を軽減することにより、少子化の折でもマネージャーの希望者を増加させる可能性がある。また、レギュラーになれない者でもスコアブックの入力係を引き受け、データ解析でチームに貢献することにより将来に役立つことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】正式な野球スコアブック。
図2】入力画面
図3】ホーム画面。
図4】投球入力画面詳細
【発明を実施するための形態】
本発明における電子スコアブックは図2の入力画面を持つ。入力画面はフィールド入力画面10及び投球入力画面11及びポジションアイコン12(「P1」~「P9」)、1つないし複数の各ゾーンボタン13、イベントボタンを装備する。ゾーンボタン13の内訳はファウルゾーンボタン「F」、ホームランゾーンボタン「HR」、左中間ゾーンボタン「LM」、右中間ゾーンボタン「RM」となる。イベントボタンの内訳は、「アウト」、「ヒット」、「エラー」、「盗塁」、「ゴロ」、「フライ」、「ライナー」等の通常イベントボタン14a、例外ボタン14b「他」、及びイベント修正ボタン14c「修正」となっている。通常イベント以外のイベントが発生した場合(例えば振り逃げ等)、例外ボタン14b「他」を使用する。例外ボタン14b「他」を使用することにより、発生頻度の高いつまり頻繁に入力される通常イベントボタンをある程度限定することにより入力が容易になり、特別なイベントが発生したとき例外ボタン「他」を使用して特別な一覧から選定することにより、最初から一覧で選定するに比べて入力の負担が軽減される。誤って入力した場合はイベント修正ボタン14c「修正」を使用して訂正入力する。ランナーがいる場合は存在する塁にランナーアイコン15が表示される。後述するリプレー機能を用いた場合、ピッチャーからスタートするボールアイコン18が現れ、実際に動作した画面上の軌道を動く。ここでいうアイコンとは実際に競技をしている選手及びボールを表し、リプレー時に画面上を動くものを示す。ボタンとは画面上の位置が固定されている入力のスイッチを示す。
【0014】
各投球入力には投球入力画面11を利用する。投球入力画面11は9分割されたストライクゾーンとその周りのボールゾーンに分かれているゾーンフレーム16を有する。ピッチャーが投球するとコースをゾーンフレーム16にタッチ入力し、ストライクやボール或いは変化球等の球種については投球ボタン17にて入力する。投球ボタン17はストライクボタン「ストライク」、ボールボタン「ボール」、変化球ボタン「変化球」、ファウルボタン「ファウル」、見逃しボタン「見逃し」、空振りボタン「空振り」にて構成される。入力が行われるとゾーンフレーム16にファウルや変化球等に対応する図形(○や△、□等)の形状の中に打者に対する投球数の数字が入った、ストライク、ボール等に対応する各色で塗りつぶされているボールマーク19が表示される。
【0015】
予め先発メンバー等の試合データはホーム画面(図3)に入力しておき、ホーム画面(図3)と入力画面(図2)はいつでも表示を入れ替え、どちらも編集が可能である。ホーム画面にはストライク、ボール、アウト数を示したBSOカウンタ20と得点経過を表すスコアボード21を有する。
【0016】
以下に投球の入力例を示す。入力例として3球目が変化球見逃しストライクの場合、投球のコースをゾーンフレーム16にタッチ記録し、投球ボタン「変化球」「見逃し」を入力するとゾーンフレーム16に青色の▲3▼がボールマーク19として表示される。尚、ボールマーク19に表示される数字は投球ごと自動的に1つ増加する。また、変化球ボタンを押さない場合はストレートと識別される。
【0017】
打球の入力例を示す。フィールド画面10にて入力する。
例1 ショートゴロでアウトの場合
P1→ 「ゴロ」 → 「アウト」
例2 ランナー1塁 3塁ゴロのケース
P5→「ゴロ」→P2→「セーフ」→P3→「アウト」
また、例2の場合で、既に2アウトだった場合、攻撃側の攻撃が終わりチェンジとなり回数が自動的に進み、1アウトであればランナーアイコンが2塁に表示されアウトカウントが1つ増えて2アウトになる。遷移結果は入力画面(図2)とホーム画面(図3)に瞬時に反映される。
【0018】
本発明では一連のイベント入力が終わった際(実際に野球では1人のバッターが打ち終わりランナーがいれば塁に定着した際)ボールのアイコンがピッチャーから始まりバッターから、例えばショートへのフライであればフライの軌道を描きながらアイコンP6のショートがキャッチするまでがアニメーションにて再現されるため(本機能をリプレー機能と呼ぶ)現実と比較することにより確認が容易である。
【0019】
スコアブックの活用として、監督が戦術を考えるときに相手チームの分析や自チームの戦力分析に使用することが考えられる。本発明における電子スコアブックは公式のスコアブックには表記されないストライクやボールにおけるコース別データまたは変化球等が記録できるため、蓄積された過去データを参照することにより、監督はデータに基づいた選択をすることができる。また、過去のスコアブックを集計することにより、個人におけるランナー状況による得点圏打率等の監督が必要と思われるデータを本電子スコアブックから瞬時に引き出すことで采配に役立てることができる。
【0020】
高校野球におけるOB等が仕事等で観戦にいくことができない場合、実際に観戦しているものが試合の途中経過を配信する場合がある。この場合スマートフォンなどからメール等で配信するとしても、先行、後攻現在の得点や回数、アウトカウントを伝える程度が限度である。途中までのスコアブックを配信することも可能であるが、この場合スコアブック自体を読み解ける人に限定される。また仮にスコアブックから試合内容が分かったとしても、試合の臨場感が伝わりづらい。本発明における電子スコアブックはホーム画面(図3)を配信すると、バックスクリーンをモチーフにしているため球場にいる感覚が味わえる。またアニメーションによるリプレー機能を装備しているため、例えば7回表の攻撃をみたいとき、設定するとアニメーションによる再現が行われることでより詳細な試合内容を伝えることが出来る。
【0021】
以上、本発明につき好適な形態例並びに野球用を例に挙げて説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で、他のスポーツ用を含む多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0022】
10 フィールド入力画面
11 投球入力画面
12 ポジションアイコン
13 ゾーンボタン
14a 通常イベントボタン
14b 例外イベントボタン
14c イベント修正ボタン
15 ランナーアイコン
16 ゾーンフレーム
17a 投球ボタン
17b 投球修正ボタン
18 ボールアイコン
19 ボールマーク
20 BSOカウンタ
21 スコアボード
図1
図2
図3
図4