(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135598
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20230921BHJP
G06N 3/045 20230101ALI20230921BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20230921BHJP
【FI】
G08G1/01 E
G06N3/045
G06N20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192814
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0032311
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 南 赫
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181DD03
5H181DD04
5H181FF05
5H181MC12
(57)【要約】
【課題】渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法に関し、過去の交通速度及び過去の交通量それぞれを入力として未来の交通速度を予測し、予測された未来の交通速度を基盤として渋滞時点を予測することで、交通量データをさらに活用して高い正確度を有する予測結果を導出する渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置は、第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する第1深層学習部、第2時間の交通量データを用いて第2出力データを出力する第2深層学習部、及び前記第1出力データ及び前記第2出力データを少なくとも一部用いて渋滞時点を予測する渋滞時点予測モデルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する第1深層学習部、
第2時間の交通量データを用いて第2出力データを出力する第2深層学習部、及び
前記第1出力データ及び前記第2出力データを少なくとも一部用いて渋滞時点を予測する渋滞時点予測モデル、を含むことを特徴とする渋滞時点予測装置。
【請求項2】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第1出力データ及び前記第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得し、
前記入力データを用いて前記渋滞時点を予測することを特徴とする請求項1に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項3】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記入力データを用いて未来の指定された時間までの交通速度を予測し、
予測された前記交通速度を用いて前記渋滞時点を予測することを特徴とする請求項2に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項4】
前記第1時間及び前記第2時間は同一の過去時間に該当することを特徴とする請求項3に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項5】
前記渋滞時点予測モデルは、
予測された前記交通速度を用いて、MSE(mean squared error)が減少されるように前記渋滞時点予測モデルが含む加重値(weight)を更新することを特徴とする請求項3に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項6】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び前記第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別し、
前記第1時点及び前記第2時点の間の相関関係を識別し、
識別された前記相関関係に基盤して、前記渋滞時点を予測することを特徴とする請求項1に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項7】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別し、
識別された前記前方道路の交通量及び前記当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否をさらに用いて、前記渋滞時点を予測することを特徴とする請求項1に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項8】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別し、
現在交通速度が前記第1交通速度と同一であり、前記当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞が起こらないものとして予測することを特徴とする請求項7に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項9】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第2時間のうち前記当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別し、
現在交通量が前記第1交通量と同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞が解消されるものであると予測することを特徴とする請求項7に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項10】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記第1出力データ及び前記第2出力データを訓練セット(train set)及びテストセット(test set)に区分し、
前記訓練セット及び前記テストセットを用いて、Cross Validationを行うことを特徴とする請求項1に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項11】
前記渋滞時点予測モデルは、
前記訓練セットのうち少なくとも一部を検証セット(validation set)として用いて正確度を算出し、指定された値以上の正確度を有するものとして識別されたエポック(epoch)で早期終了(early stopping)機能を行うことを特徴とする請求項10に記載の渋滞時点予測装置。
【請求項12】
第1深層学習部において、第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する段階、
第2深層学習部において、第2時間の交通量データを用いて第2出力データを出力する段階、及び
渋滞時点予測モデルにおいて、前記第1出力データ及び前記第2出力データを少なくとも一部用いて渋滞時点を予測する段階、を含むことを特徴とする渋滞時点予測方法。
【請求項13】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記第1出力データ及び前記第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得する段階、及び
前記入力データを用いて前記渋滞時点を予測する段階、を含むことを特徴とする請求項12に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項14】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記入力データを用いて未来の指定された時間までの交通速度を予測する段階、及び
予測された前記交通速度を用いて前記渋滞時点を予測する段階、を含むことを特徴とする請求項13に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項15】
前記渋滞時点予測方法は、
予測された前記交通速度を用いて、MSE(mean squared error)が減少されるように前記渋滞時点予測モデルが含む加重値(weight)を更新する段階、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項16】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び前記第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別する段階、
前記第1時点及び前記第2時点の間の相関関係を識別する段階、及び
識別された前記相関関係に基盤して、前記渋滞時点を予測する段階、を含むことを特徴とする請求項12に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項17】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別する段階、及び
識別された前記前方道路の交通量及び前記当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否をさらに用いて、前記渋滞時点を予測する段階、をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項18】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別する段階、及び
現在交通速度が前記第1交通速度と同一であり、前記当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞が起こらないものとして予測する段階、を含むことを特徴とする請求項17に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項19】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、
前記第2時間のうち前記当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別する段階、及び
現在交通量が前記第1交通量と同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞が解消されるものであると予測する段階、を含むことを特徴とする請求項18に記載の渋滞時点予測方法。
【請求項20】
前記渋滞時点予測方法は、
前記第1出力データ及び前記第2出力データを訓練セット(train set)及びテストセット(test set)に区分する段階、及び
前記訓練セット及び前記テストセットを用いて、Cross Validationを行う段階、をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の渋滞時点予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法に関し、より詳細には、複数の深層学習部及び予測モデルを基盤として、交通速度データ及び/又は交通量データを用いて未来の指定された時間の交通速度を予測し、予測結果に基盤して渋滞時点を予測する渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術による予測装置は、過去の指定された時間の交通速度データを用いて未来の指定された時間の交通速度を予測することができる。例えば、予測装置は、深層学習(Deep Learning or Deep Neural Network)を介して過去データを用いた未来予測である。
一般的に、深層学習(Deep Learning or Deep Neural Network)は、機械学習(Machine Learning)の一種類であって、入力層(input layer)と出力層(output layer)の間に多重の隠匿層(hidden layer)を含む人工神経網(ANN、Artificial Neural Network)を備える。
【0003】
従来の深層学習を基盤とする交通速度の予測は、入力データと出力データ(正解データ)の対からなる学習データを基盤としてモデルを指導学習(supervised learning)させ、前記指導学習が完了したモデルを用いて未来の交通速度を予測する。
このような従来の技術は、ひたすら過去の交通速度を用いて統計的な予測のみを行うため、交通速度の傾向性が過去と変わることや、交通速度を除いた外部要因の変化を反映することができないという問題がある。
【0004】
特に、従来の技術による予測装置は、未来交通速度の予測のために車両が現在移動中の当該道路及び/又は今後移動するものと予想される前方道路の交通量を全く考慮しないだけでなく、渋滞が発生すると予想される開始時点及び渋滞が解消されると予想される解消時点に対する予測性能が急激に減少するという問題点がある。
したがって、渋滞可能性又は渋滞時点をより正確に予測するために、交通速度だけではなく多様なパラメーターをさらに考慮して渋滞時点を予測する技術の開発が必要である。
本背景技術の部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進するために作成されたものであって、本技術の属する分野において通常の知識を有する者に既に知られている従来の技術ではない事項を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような従来の技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、過去の交通速度及び過去の交通量それぞれを入力として未来の交通速度を予測し、予測された未来の交通速度を基盤として渋滞時点を予測する渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法を提供することにある。
以上で言及した目的に制限されず、言及されていない本発明の他の目的及び長所は下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるようになるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による渋滞時点予測装置は、第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する第1深層学習部、第2時間の交通量データを用いて第2出力データを出力する第2深層学習部、及び前記第1出力データ及び前記第2出力データを少なくとも一部用いて渋滞時点を予測する渋滞時点予測モデルを含むことを特徴とする。
【0008】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第1出力データ及び前記第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得し、前記入力データを用いて前記渋滞時点を予測することを特徴とする。
【0009】
前記渋滞時点予測モデルは、前記入力データを用いて未来の指定された時間までの交通速度を予測し、予測された前記交通速度を用いて前記渋滞時点を予測することを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記データセットに含まれた前記自律走行車両の前記複数の部品に対する部品情報に基盤して、前記複数の情報それぞれに対応する前記基準予測値を算出し、前記部品情報は、部品生産時期、部品モデル、部品品番、部品適用車両、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0011】
前記渋滞時点予測モデルは、予測された前記交通速度を用いて、MSE(mean squared error)が減少されるように前記渋滞時点予測モデルが含む加重値(weight)を更新することを特徴とする。
【0012】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び前記第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別し、前記第1時点及び前記第2時点の間の相関関係を識別し、識別された前記相関関係に基盤して、前記渋滞時点を予測することを特徴とする。
【0013】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別し、識別された前記前方道路の交通量及び前記当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否をさらに用いて、前記渋滞時点を予測することを特徴とする。
【0014】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別し、現在交通速度が前記第1交通速度と同一であり、前記当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞が起こらないものとして予測することを特徴とする。
【0015】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第2時間のうち前記当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別し、現在交通量が前記第1交通量と同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞が解消されるものであると予測することを特徴とする。
【0016】
前記渋滞時点予測モデルは、前記第1出力データ及び前記第2出力データを訓練セット(train set)及びテストセット(test set)に区分し、前記訓練セット及び前記テストセットを用いて、Cross Validationを行うことを特徴とする。
【0017】
前記渋滞時点予測モデルは、前記訓練セットのうち少なくとも一部を検証セット(validation set)として用いて正確度を算出し、指定された値以上の正確度を有するものとして識別されたエポック(epoch)で早期終了(early stopping)機能を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明による渋滞時点予測方法は、第1深層学習部において、第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する段階、第2深層学習部において、第2時間の交通量データを用いて第2出力データを出力する段階、及び渋滞時点予測モデルにおいて、前記第1出力データ及び前記第2出力データを少なくとも一部用いて渋滞時点を予測する段階を含むことを特徴とする。
【0019】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記第1出力データ及び前記第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得する段階、及び前記入力データを用いて前記渋滞時点を予測する段階を含むことを特徴とする。
【0020】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記入力データを用いて未来の指定された時間までの交通速度を予測する段階、及び予測された前記交通速度を用いて前記渋滞時点を予測する段階を含むことを特徴とする。
【0021】
前記渋滞時点予測方法は、予測された前記交通速度を用いて、MSE(mean squared error)が減少されるように前記渋滞時点予測モデルが含む加重値(weight)を更新する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び前記第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別する段階、前記第1時点及び前記第2時点の間の相関関係を識別する段階、及び識別された前記相関関係に基盤して、前記渋滞時点を予測する段階を含むことを特徴とする。
【0023】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別する段階、及び識別された前記前方道路の交通量及び前記当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否をさらに用いて、前記渋滞時点を予測する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別する段階、及び現在交通速度が前記第1交通速度と同一であり、前記当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞が起こらないものとして予測する段階を含むことを特徴とする。
【0025】
前記渋滞時点予測モデルが、前記渋滞時点を予測する段階は、前記第2時間のうち前記当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別する段階、及び現在交通量が前記第1交通量と同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞が解消されるものであると予測する段階を含むことを特徴とする。
【0026】
前記渋滞時点予測方法は、前記第1出力データ及び前記第2出力データを訓練セット(train set)及びテストセット(test set)に区分する段階、及び前記訓練セット及び前記テストセットを用いて、Cross Validationを行う段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明による自律走行制御装置及び渋滞時点予測方法の効果に対して説明する。本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、交通量データ及び交通速度データを用いて渋滞時点を予測する装置及び渋滞時点予測方法を提供することができる。また、本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、予測結果を用いて予測モデルを持続的に学習させ、より高い正確度を有する予測結果を算出するようにする渋滞時点予測装置及び渋滞時点予測方法を提供することができる。この他、本文書を介して直接的又は間接的に把握される多様な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置が含む構成要素を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置が含む構成要素を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による実時間速度、パターン速度、及び交通量の間の関係を示す図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
【
図4c】本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置の動作フローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による交通量、事故発生可否、及び渋滞発生可否の間の関係、及び渋滞時点予測装置の予測結果の例示を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図を介して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断された場合は、その詳細な説明は省略する。
【0030】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。かかる用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的もしくは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0031】
以下、
図1から
図8を参照しつつ、本発明の実施形態を具体的に説明する。また、
図1から
図8の説明において、渋滞時点予測装置によって行われるものと記述された動作は、渋滞時点予測装置が含む渋滞時点予測装置の制御部によって遂行又は制御されるものと理解されてよい。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置100が含む構成要素を示す図である。
図1を参照しつつ、本発明の一実施形態によると、渋滞時点予測装置100は、複数の人工神経網(ANN、Artificial Neural Network)を含むことができる。渋滞時点予測装置100は、プロセッサ(図示せず)を用いて少なくとも1つの人工神経網を制御することができる。例えば、渋滞時点予測装置100は、人工神経網にデータを入力し、人工神経網に含まれた多様なレイヤーを経て出力される出力データを介して車両の走行状況(例:交通速度及び/又は交通量)に基盤した渋滞時点予測機能を提供する。
【0033】
一実施形態において、渋滞時点予測装置100は、第1深層学習部110、第2深層学習部120、及び渋滞時点予測モデル130を含む。図示された構成要素は、それぞれ少なくとも1つのレイヤー(例:入力層、出力層、及び入力層及び出力層の間に配置される多重の隠匿層)を含む人工神経網構造に具現された構成要素であってよい。
例えば、渋滞時点予測装置100は、第1深層学習部110の入力層に交通速度データを入力し、複数のレイヤーを介して出力層に出力される第1出力データを獲得することができる。一例として、交通速度データは、過去の第1時間の交通速度データを含む。
【0034】
例えば、渋滞時点予測装置100は、第2深層学習部120の入力層に交通量データを入力し、複数のレイヤーを介して出力層に出力される第2出力データを獲得する。一例として、交通量データは、過去の第2時間の交通量データを含む。例えば、第1時間及び第2時間は実質的に同一の時間であってよい。一例として、第1時間及び第2時間は、入力データを入力する時期を基準として実質的に同一の過去の時間帯に定義されてよい。例えば、渋滞時点予測装置100は、第1出力データ及び第2出力データを少なくとも一部用いて、渋滞時点予測モデル130を介して渋滞時点を予測する。
【0035】
一例として、渋滞時点予測装置100は、第1出力データ及び第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得することができる。渋滞時点予測装置100は、算出された前記入力データを渋滞時点予測モデル130の入力層に入力し、複数のレイヤーを介して渋滞時点予測モデル130の出力層に出力されるデータの少なくとも一部に基盤して渋滞時点を予測する。一例として、渋滞時点予測装置100は、渋滞時点予測モデル130に前記入力データを入力し、複数のレイヤーを介して渋滞時点予測モデル130の出力層に出力されるデータの少なくとも一部に基盤して現在から未来の指定された時間までの交通速度を予測し、予測された前記交通速度を用いて渋滞時点を予測する。
【0036】
一例として、渋滞時点予測装置100は、予測された前記交通速度を用いて、渋滞時点予測モデル130が含む加重値(weight)を更新することができる。渋滞時点予測装置100は、MSE(mean squared error)が減少されるように、渋滞時点予測モデル130の加重値を更新する。
【0037】
一実施形態において、渋滞時点予測装置100は、渋滞時点予測モデル130を用いて、第1出力データ及び第2出力データに基盤して交通速度及び交通量が指定された値を超過する時点及び/又は時間による交通速度及び交通量の増減可否を識別し、識別の結果に基盤して渋滞時点を予測する。例えば、渋滞時点予測装置100は、第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別する。
【0038】
例えば、渋滞時点予測装置100は、第1時点及び第2時点の間の相関関係を識別し、識別された相関関係に基盤して渋滞時点を予測することができる。例えば、渋滞時点予測装置100は、第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別することができる。一例として、前方道路は、車両が移動するものと予想される予想経路の道路を含むことができる。他の例として、当該道路は、車両が現在走行中の道路を含む。
【0039】
例えば、渋滞時点予測装置100は、前方道路の交通量及び当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否を用いて渋滞時点を予測する。例えば、渋滞時点予測装置100は、第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別する。渋滞時点予測装置100は、現在交通速度が第1交通速度と実質的に同一であり、当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞が起こらないものとして予測する。
【0040】
例えば、渋滞時点予測装置100は、第2時間のうち当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別する。渋滞時点予測装置100は、現在交通量が第1交通量と実質的に同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞が解消されるものであると予測する。
【0041】
一実施形態において、渋滞時点予測装置100は、渋滞時点予測モデル130に入力するためのデータを分類及び/又は区分して識別する。例えば、渋滞時点予測装置100は、渋滞時点予測のためのデータ(例:第1時間の交通速度データ、第2時間の交通量データ、第1出力データ、及び/又は第2出力データ)を訓練セット(train set)及びテストセット(test set)に区分する。渋滞時点予測装置100は、訓練セット及びテストセットを用いて渋滞時点予測モデル130に対するCross Validationを行う。
【0042】
例えば、渋滞時点予測装置100は、訓練セットのうち少なくとも一部を検証セット(validation set)に区分する。渋滞時点予測装置100は、検証セットを用いて正確度を算出する。前記正確度は、第1深層学習部110、第2深層学習部120、及び/又は渋滞時点予測モデル130の予測結果に対する正確度を含む。
【0043】
例えば、渋滞時点予測装置100は、検証セットを用いて正確度を算出し、渋滞時点予測モデル130が指定された値以上の正確度を有するものとして識別された指定されたエポック(epoch)で予測動作に対する早期終了(early stopping)機能を行う。
【0044】
前述した
図1の説明において、渋滞時点予測装置100によって行われるものと記述された動作は、渋滞時点予測モデル130及び/又は後述する
図2の説明に開示された制御部40によって行われるものと理解されてよい。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置100が含む構成要素を示す図である。
図2に示されている通り、本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置100は、貯蔵部20、通信部30、出力部10、及び制御部40を含む。このとき、本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置100を実施する方式に応じて、各構成要素は互いに結合されて1つに具現されてもよく、一部の構成要素が省略されてもよい。
【0046】
一実施形態において、貯蔵部20は、渋滞時点予測装置100が予測結果を算出するために利用する入力データ、及び/又は渋滞時点予測装置100が出力した結果データを貯蔵する。このとき、前記入力データは、プローブ車両(図示せず)から通信部30を用いて受信したプローブデータを含む。一例として、プローブデータは、GPSデータ、座標データ、及び/又は時間データを含む。貯蔵部20は、渋滞時点を予測するために入力データ及び出力データを処理する過程で要求される各種ロジックとアルゴリズム及びプログラムを貯蔵する。
【0047】
このような貯蔵部20は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マイクロタイプ(micro type)、及びカードタイプ(例えば、SD カード(Secure Digital Card)又はXDカード(eXtream Digital Card))などのメモリと、ラム(RAM、Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ロム(ROM、Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、磁気メモリ(MRAM、Magnetic RAM)、磁気ディスク(magnetic disk)、及び光ディスク(optical disk)タイプのメモリのうち少なくとも1つのタイプの記録媒体(storage medium)を含む。
【0048】
一実施形態において、通信部30は、渋滞時点予測装置100及びプローブ車両の間の通信インターフェースを提供するモジュールであって、プローブ車両から指定された周期に基盤してプローブデータを受信する。このとき、プローブ車両は、車両端末機としてテレマティクス端末機を備える。通信部30は、プローブ車両と通信するために、移動通信モジュール、無線インターネットモジュール、近距離通信モジュールのうち少なくとも1つを含む。
【0049】
前記移動通信モジュールは、移動通信のための技術標準又は通信方式(例えば、GSM(Global System for Mobile communication)、CDMA(Code Division Multi Access)、CDMA2000(Code Division Multi Access 2000)、EV-DO(Enhanced Voice-Data Optimized or Enhanced Voice-Data Only)、WCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTEA(Long Term Evolution-Advanced)など)、4G(4th Generation mobile telecommunication)、5G(5th Generation mobile telecommunication)によって構築された移動通信網を介してプローブ車両と通信する。
【0050】
前記無線インターネットモジュールは、無線インターネット接続のためのモジュールであって、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)などを介してプローブ車両と通信する。
【0051】
前記近距離通信モジュールは、ブルートゥース(登録商標)(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association、IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)技術のうち少なくとも1つを用いて近距離通信を支援する。
【0052】
出力部10は、制御部40によって予測された渋滞時点を含む交通情報を使用者に提供する。例えば、出力部10は、車両が指定された区間を通過するとき、交通量又は交通速度の増加によって渋滞が発生すると予測した渋滞時点予測情報を使用者に提供する。
【0053】
制御部40は、前記各構成要素が本来の機能を正常に行うことができるように全般的な制御を行う。このような制御部40は、ハードウェアの形態に具現されるか、又はソフトウェアの形態に具現されるか、又はハードウェア及びソフトウェアが結合された形態に具現されてよい。好ましくは、制御部40は、マイクロプロセッサーに具現されてよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態による実時間速度、パターン速度、及び交通量の間の関係を示す図である。
図3に示された表によると、特定の時間帯で車両の実時間速度、パターン速度、及び交通量が互いに指定された関係を有することを識別することができる。
図3に示されたパターン速度は、車両が同一の区間で過去に走行した速度をパターン化したものと定義される。
【0055】
一実施形態において、約04:30から18:00の時間帯で交通量が急増し、実時間速度は減少することを識別する。一実施形態において、約16:30から19:30の時間帯でパターン速度が減少する傾向を有し、同一の時間帯で実時間速度が減少する関係を有するということを識別する。
【0056】
一実施形態において、約15:00から18:00の時間帯で交通量が漸進的に減少し、実時間速度は急増することを識別する。一実施形態において、約15:00から18:00の時間帯でパターン速度が増加する傾向を有し、同一の時間帯で実時間速度が急増する関係を有するということを識別する。したがって、前述した情報を総合するとき、実時間速度は、過去の車両のパターン速度だけでなく、交通量に応じて時間帯別に特定の相関関係を有するということを識別する。よって、本文書の実施形態による渋滞時点予測装置は、交通量データをさらに用いて、車両の渋滞時点をより正確に予測する。
【0057】
以下、
図4aから
図4cに対する説明において、交通量及び実時間速度の間の相関関係を後述する。各図に対する説明は、互いに異なる時間帯による交通量及び実時間速度の間の関係を含む。
【0058】
図4a、
図4b、及び
図4cは、本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
図4a、
図4b、及び
図4cを参照すると、交通量が最大値である時点及び交通速度が減少する時点の間の相関関係を識別する。
図4aを参照しつつ、一実施形態によると、第1時点401(例:07:22 AM)で交通量が最大値に該当し、第2時点402(例:07:52 AM)で交通速度が減少し始める(又は、渋滞が開始)。
【0059】
一実施形態において、第1時点401及び第2時点402は、約30分の差を有し得る。すなわち、交通量が飽和状態に進入した時点から約30分が経過した後、当該道路で渋滞が発生するものと識別する。
【0060】
図4bを参照しつつ、一実施形態によると、第3時点403(例:09:23 AM)で交通量が最大値に該当し、第4時点404(例:09:40 AM)で交通速度が減少し始める(又は、渋滞が開始)。一実施形態において、第3時点403及び第2時点404は、約17分の差を有し得る。すなわち、交通量が飽和状態に進入した時点から約17分が経過した後、当該道路で渋滞が発生するものと識別する。
【0061】
図4cを参照しつつ、一実施形態によると、第5時点405(例:09:09 AM)で交通量が最大値に該当し、第6時点406(例:09:30 AM)で交通速度が減少し始める(又は、渋滞が開始)。一実施形態において、第5時点405及び第6時点406は、約21分の差を有し得る。すなわち、交通量が飽和状態に進入した時点から約21分が経過した後、当該道路で渋滞が発生するものと識別する。
【0062】
本文書の一実施形態によると、渋滞時点予測装置(例:
図1及び
図2の渋滞時点予測装置100)は、前述した交通量及び実時間速度の間の相関関係を用いて、渋滞時点を予測するためのモデル(例:
図1の第1深層学習部110、第2深層学習部120、及び/又は渋滞時点予測モデル130)を学習させ、各モデルが含む加重値(weight)を更新(又は、アップデート)する。
【0063】
図5は、本発明の一実施形態による交通量及び実時間速度の間の関係を示す図である。
図5を参照しつつ、一実施形態によると、渋滞時点予測装置(例:
図1及び
図2の渋滞時点予測装置100)は、複数の時間帯域それぞれの当該道路交通量、少なくとも1つの前方道路交通量、交通量の和、及び/又は実時間速度を識別し、識別結果に基盤して今後の渋滞時点を予測する。
【0064】
一実施形態において、参照番号510を参照すると、前方道路1、前方道路2、及び当該道路の交通量が飽和状態に進入したものと識別される時点(例:505分)から約1時間後の時点(例:565分)に実時間速度が急減することを識別する。よって、渋滞時点予測装置は、前記のような交通量が識別されると、約1時間後に実時間速度が急減して渋滞区間に進入し得るという相関関係を識別する。
【0065】
一実施形態において、参照番号520を参照すると、前方道路1、前方道路2、及び当該道路の交通量が飽和状態から解除されたものと識別される時点(例:745分)と隣接した時点(例:720分)に実時間速度が急増することを識別する。よって、渋滞時点予測装置は、前記のように交通量の飽和状態が解除される場合、それと隣接した時点に実時間速度が急増して渋滞が解消され得るという相関関係を識別する。
【0066】
一実施形態において、参照番号530を参照すると、前方道路1、前方道路2、及び当該道路の交通量が一時的に増加する時点(例:850分及び910分)とそれぞれ隣接した時点(例:841分及び900分)に実時間速度が急減することを識別する。よって、渋滞時点予測装置は、前記のように交通量が一時的に増加する状態で、これと隣接した時点に実時間速度が一時的に減少して渋滞が発生し得るという相関関係を識別する。
【0067】
本文書の一実施形態による渋滞時点予測装置は、前記のようなデータを用いて渋滞時点を予測するためのモデル(例:
図1の第1深層学習部110、第2深層学習部120、及び/又は渋滞時点予測モデル130)を学習させ、各モデルが含む加重値(weight)を更新(又は、アップデート)する。
【0068】
図6は、本発明の一実施形態による渋滞時点予測装置の動作フローチャートである。
【0069】
図6は、本発明の他の実施形態による自律走行制御方法を説明するためのフローチャートである。以下では、
図1及び
図2の構成要素を有する自律走行制御装置100が
図6のプロセスを行うことを仮定する。また、
図6の説明において、装置によって行われるものと記述された動作は、
図1及び
図2の自律走行制御装置100の制御部40によって制御されるものとして理解されてよい。
【0070】
渋滞時点予測装置は、第1深層学習部(例:
図1の第1深層学習部110)を介して、第1時間の交通速度データを用いて第1出力データを出力する(S601)。一例として、渋滞時点予測装置は、第1深層学習部の入力レイヤーに第1時間の交通速度データを入力し、入力された交通速度データが第1深層学習部に含まれた複数のレイヤーを通過して出力される第1出力データを第1深層学習部の出力レイヤーを介して獲得する。
【0071】
渋滞時点予測装置は、第2深層学習部(例:
図1の第2深層学習部120)を介して、第2時間の交通速度データを用いて第2出力データを出力する(S602)。一例として、渋滞時点予測装置は、第2深層学習部の入力レイヤーに第2時間の交通量データを入力し、入力された交通量データが第2深層学習部に含まれた複数のレイヤーを通過して出力される第2出力データを第2深層学習部の出力レイヤーを介して獲得する。
【0072】
渋滞時点予測装置は、第1出力データ及び第2出力データを用いて渋滞時点を予測する(S603)。一例として、渋滞時点予測装置は、第1出力データ及び第2出力データをコンカチネート(concatenate)演算して算出された入力データを獲得し、獲得された前記入力データを渋滞時点予測モデル(例:
図1の渋滞時点予測モデル130)に入力した結果で出力される出力データを介して未来の指定された時間までの交通速度を予測し、予測された交通速度を用いて渋滞時点を予測する。
【0073】
一例として、渋滞時点予測装置は、予測された交通速度を用いて、MSE(mean squared error)が減少されるように渋滞時点予測モデルが含む加重値(weight)を更新する。一例として、渋滞時点予測装置は、第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点及び前記第2時間のうち交通量が飽和状態に到達した第2時点を識別し、第1時点及び第2時点の間の相関関係を識別し、識別された相関関係に基盤して渋滞時点を予測する。
【0074】
一例として、渋滞時点予測装置は、第2出力データに含まれた前方道路の交通量及び当該道路の交通量を識別し、識別された前方道路の交通量及び当該道路の交通量それぞれの飽和可否又は増減可否をさらに用いて、渋滞時点を予測する。一例として、前方道路は、車両が移動するものと予想される予想経路の道路を含むことができる。他の例として、当該道路は、車両が現在走行中の道路を含む。
【0075】
一例として、渋滞時点予測装置は、第1時間のうち交通速度が減少して渋滞状態に到達した第1時点における第1交通速度を識別する。現在交通速度が第1交通速度と実質的に同一であり、当該道路の現在交通量が飽和状態に到達しない場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が起こらないものとして予測する。
【0076】
一例として、渋滞時点予測装置は、第2時間のうち当該道路の交通量が飽和状態に到達した第2時点における第1交通量を識別する。現在交通量が第1交通量と実質的に同一であり、今後漸進的に減少するものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が解消されるものであると予測する。
【0077】
一例として、渋滞時点予測装置は、第1出力データ及び第2出力データを訓練セット及びテストセットに区分し、区分されたデータを少なくとも一部用いて渋滞時点予測モデルに対するCross Validationを行うか、訓練セットのうち少なくとも一部を検証セットとして用いて渋滞時点予測モデルに対する正確度を算出し、遂行の結果、指定された値以上の正確度を有するものとして識別されたエポックで早期終了機能を行う。
【0078】
図7は、本発明の一実施形態による交通量、事故発生可否、及び渋滞発生可否の間の関係、及び渋滞時点予測装置の予測結果の例示を示す図である。
【0079】
参照番号710を参照しつつ、一実施形態によると、車両は、多様な外部要因によって発生する渋滞時点に進入する。例えば、車両が走行する当該道路の交通量が飽和状態に到達した場合に渋滞が発生し得る。しかし、交通量が飽和状態に到達した場合でも、渋滞が発生しない場合があり得る。この場合、本文書の一実施形態による渋滞時点予測装置は、他の外部要因をさらに考慮して渋滞時点を予測する。一例として、渋滞時点予測装置は、交通速度データ及び/又は事故発生有無をさらに用いて渋滞時点をより正確に予測する。
【0080】
例えば、車両が走行する当該道路、及び/又は車両の移動経路上に今後走行するものと予想される前方道路に事故が発生した場合、渋滞が発生し得る。しかし、事故が発生した場合であっても、この場合、本文書の一実施形態による渋滞時点予測装置は、他の外部要因をさらに考慮して渋滞時点を予測する。一例として、渋滞時点予測装置は、交通速度データ及び/又は交通量データをさらに用いて渋滞時点をより正確に予測する。
【0081】
参照番号720を参照しつつ、一実施形態によると、渋滞時点予測装置は、図示された表による予測結果を出力する。例えば、実時間速度及びパターン速度が円滑状態であり、交通量が飽和状態であるものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、未来の指定された時間、渋滞が発生する可能性があるものとして予測する。
【0082】
例えば、実時間速度及びパターン速度が円滑状態であり、交通量が飽和状態ではないものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が発生することなく車両が円滑に走行するものと予測する。例えば、実時間速度が円滑状態であり、パターン速度が渋滞状態であり、交通量が飽和状態であるものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が発生するものと予測する。
【0083】
例えば、実時間速度が円滑状態であり、パターン速度が渋滞状態であり、交通量が飽和状態でないものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が発生することなく車両が円滑に走行するものと予測する。例えば、実時間速度が渋滞状態であり、パターン速度が円滑状態であり、交通量が飽和状態であるものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が発生するものと予測する。
【0084】
例えば、実時間速度が渋滞状態であり、パターン速度が円滑状態であり、交通量が飽和状態でないものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、未来の指定された時間、円滑状態(又は、渋滞状態の解消)に進入するものと予測する。例えば、実時間速度及びパターン速度が渋滞状態であり、交通量が飽和状態であるものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、渋滞が発生するものと予測する。
【0085】
例えば、実時間速度及びパターン速度が渋滞状態であり、交通量が飽和状態でないものとして識別された場合、渋滞時点予測装置は、未来の指定された時間、円滑状態(又は、渋滞状態の解消)に進入するものと予測する。
【0086】
前述した渋滞時点予測装置の予測結果は例示的なものであって、本文書の実施形態がこれに制限されるものではない。例えば、実時間速度、パターン速度、及び飽和交通量が、
図7の表のような場合にも、渋滞時点予測装置は、当該道路の交通量及び前方道路の交通量の間の差、実時間速度及びパターン速度の間の差、事故発生可否、又はこれらの組み合わせによって異なる予測結果を出力する。また、渋滞時点の予測のための前記パラメーターは例示的なものであって、渋滞時点予測装置は、多様な外部要因(例:天気、道路状態、及び/又は車両の走行状態)と連関されたデータをさらに用いて渋滞時点を予測する。
【0087】
図8は、本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
図8を参照すると、コンピュータシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100、メモリ1300、使用者インターフェース入力装置1400、使用者インターフェース出力装置1500、ストレージ1600、及びネットワークインターフェース1700を含む。
【0088】
プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)又はメモリ1300及び/又はストレージ1600に貯蔵された命令語に対する処理を行う半導体装置であってよい。メモリ1300及びストレージ1600は、多様な種類の揮発性又は不揮発性貯蔵媒体を含む。例えば、メモリ1300は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。
【0089】
したがって、本明細書に開示されている実施形態に関して説明された方法、又は、アルゴリズムの段階は、プロセッサ1100によって実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、又はその2つの結合に直接具現されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMのような貯蔵媒体(すなわち、メモリ1300及び/又はストレージ1600)に常在してもよい。
【0090】
例示的な貯蔵媒体は、プロセッサ1100にカップリングされ、そのプロセッサ1100は、貯蔵媒体から情報を読み取ることができ、貯蔵媒体に情報を書き込む。他の方法として、貯蔵媒体は、プロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び貯蔵媒体は、注文型集積回路(ASIC)内に常在してもよい。ASICは、使用者端末機内に常在してもよい。他の方法として、プロセッサ及び貯蔵媒体は、使用者端末機内に個別コンポネントとして常在してもよい。
【0091】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能なはずである。したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈され、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈される。
【符号の説明】
【0092】
100 自律走行制御装置
110 第1深層学習部
120 第2深層学習部
130 渋滞時点予測モデル