(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135631
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】クエリハンドラデバイス、システム、クエリハンドラ方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20230921BHJP
【FI】
G06F21/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036091
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】22162186.5
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル サーバナティ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス カレット
(57)【要約】
【課題】機械学習モデルを用いるデバイスに関して向上した概念を提供すること。
【解決手段】 データにアクセスするためのクエリハンドラデバイスであって、少なくとも1つのインタフェースと、処理回路とを具備する。少なくとも1つのインタフェースは、要求デバイス及び複数のデータ提供デバイスと通信するように構成される。処理回路は、前記要求デバイスからデータ要求を取得し、前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示するように構成される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データにアクセスするためのクエリハンドラデバイスであって、
要求デバイス及び複数のデータ提供デバイスと通信するように構成される少なくとも1つのインタフェースと、
前記要求デバイスからデータ要求を取得し、
前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、
前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する
ように構成される処理回路と
を具備する
クエリハンドラデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記要求は、分類結果の参照を含み、要求される前記データは、前記分類結果に関する機械学習に関連する
クエリハンドラデバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のクエリハンドラデバイスであって、
要求される前記データは、a)分類される物体、人物、イベント、シーン、活動、及び行動のうちの少なくとも1つのセンサデータ又はセンサデータを抽象化したもの、b)機械学習に関連するデータ、及びc)分類に関連するデータのうちの少なくとも1つである
クエリハンドラデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記要求デバイスから認証情報を取得し、前記認証情報に基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成される
クエリハンドラデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記要求デバイスから前記要求デバイスのデータ処理ポリシーの情報を取得し、前記要求デバイスの前記データ処理ポリシーに基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成される
クエリハンドラデバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記アクセスポリシーについて前記要求デバイスとネゴシエートするように構成される
クエリハンドラデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、要求デバイスからの要求にレート制限を課すように構成され、前記レート制限は、所定の時間間隔において前記要求デバイス毎の要求回数に基づく、又は、あり得る分類のインデックスに対する前記要求デバイス毎の前記要求の範囲を指す
クエリハンドラデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のクエリハンドラデバイスと複数のデータ提供デバイスとを具備するシステムであって、前記データ提供デバイスはそれぞれ、
前記クエリハンドラデバイス及び要求デバイスと通信するための少なくとも1つのインタフェースと、
前記要求デバイスのアクセスポリシーの情報と共に送信された要求を取得し、
要求されたデータが前記データ提供デバイスにおいて利用可能であり、且つ前記アクセスポリシーに従って提供可能である場合、前記データを前記要求デバイスに提供する
ように構成される処理回路と
を具備する
システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスを介さずに前記データを前記要求デバイスに提供するように構成される
システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数のデータソースデバイスと通信するのにさらに適しており、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記1つ又は複数のデータソースデバイスから前記データを取得するように構成される
システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを前記要求デバイスに提供する前に前記データを変換、復号化又は再暗号化するように構成される
システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに対する分類結果の情報と共に前記データを取得するように構成され、前記要求は、前記分類結果の参照を含み、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに含まれる前記分類結果の前記情報と前記要求に含まれる前記分類結果の情報の照合に基づいて、前記データを提供するように構成される
システム。
【請求項13】
請求項10に記載のシステムであって、
複数のデータソースデバイス
をさらに具備し、
前記データソースデバイスはそれぞれ、
前記複数のデータ提供デバイスのうちの少なくとも1つのデータ提供デバイスと通信するための少なくとも1つのインタフェースと、
前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成される処理回路と
を有する
システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、機械学習モデルを用いて前記データを処理し、前記機械学習モデルの出力に基づいて前記データの分類を判定し、前記分類の情報と共に前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成される
システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記分類は、前記データにおいて表現される物体、人物、イベント、シーン、活動及び行動のうちの少なくとも1つに関し、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数の他のデータソースデバイスと通信するのにさらに適しており、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記物体、前記人物、前記イベント、前記シーン、前記活動又は前記行動の前記分類についてプライバシー保護連携メカニズムを用いて前記1つ又は複数の他のデータソースデバイスと連携するように構成される
システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスにさらなるデータを要求し、前記さらなるデータに基づいて前記機械学習モデルを訓練するように構成される
システム。
【請求項17】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供する前に前記データを暗号化するように構成される
システム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、前記データソースデバイスの少なくとも1つのセンサと通信するのにさらに適しており、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのセンサのセンサデータに基づいて前記データを判定するように構成される
システム。
【請求項19】
データにアクセスするためのクエリハンドラ方法であって、
前記要求デバイスからデータ要求を取得し、
前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、
前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する
クエリハンドラ方法。
【請求項20】
コンピュータ、プロセッサ、又はプログラム可能なハードウェアコンポーネント上で実行されると、請求項19に記載のクエリハンドラ方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本例は、クエリハンドラデバイス、クエリハンドラ方法、対応のコンピュータプログラム、及び係るクエリハンドラデバイスを具備するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プライバシー保護の観点から、消費者向け電気機器市場(具体的には、ホームオートメーションの分野)の企業は、ローカルに、つまり、クラウドを介さずに動作するアーキテクチャに移行しつつある。例えば、当該アーキテクチャは、マター(Matter)規格団体にも採用されている。これによって、システムベンダーは、ローカルデータの私的な情報が確実にクラウドに漏れないようにすることができる。
【0003】
周辺エコシステムの係るアーキテクチャによって全ての既存の機能をサポート可能である(但し、クラウドの介入が必要とされるファームウェアの更新及びユーザによる(インターネットを介した)リモートコントロールの2つの機能を除く)。したがって、当該手法において、デバイスは、これら2つの機能が実装されない場合、耐用寿命にわたってインターネットに一切接続されずに動作し得る。AI(人工知能)を向上させる高度な特徴を用いる製品の場合、工場でモデルをインストールし、ローカルデータ上で独立して動作させることができる。しかし、結局のところ、当該システムのベンダーは、ローカルデータを用いてAIモデルを訓練することができない。このため、当該システムのベンダーは、向上したAIモデルを独立して(すなわち、複数の展開中のシステムのデータを用いずに)開発した場合であっても、当該向上したモデルをエッジに拡張することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、機械学習モデルを用いるデバイスに関して向上した概念を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記要望は、独立請求項の主題によって対処される。
【0006】
本開示の種々の例は、消費者施設におけるデバイス数の増加及び通信技術の今後の向上に伴い、デバイスが機械学習モデルを訓練するために大量のデータセットにアクセスする可能性があるという知見に基づいている。例えば、デバイスは他のデバイスとは異なるプライバシーポリシーを有することに起因するデータの悪用を防止するため、データ、例えば、分類に用いられる機械学習モデルの訓練又は向上に用いることができるデータへのアクセスを取り扱うクエリハンドラが提案される。このクエリハンドラは、(当該データに対するアクセスを求める)要求デバイス及び(当該データに対するアクセスできる)データプロバイダ間の仲介者として機能する。このクエリハンドラは、要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、データプロバイダは、各データを当該要求デバイスに提供するかどうかを決定することができる。
【0007】
本開示の種々の例は、データにアクセスするためのクエリハンドラデバイスに関する。当該クエリハンドラデバイスは、要求デバイス及び複数のデータ提供デバイスと通信するように構成される少なくとも1つのインタフェースを具備する。当該クエリハンドラデバイスは、前記要求デバイスからデータ要求を取得するように構成される処理回路を具備する。前記処理回路は、前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定するように構成される。前記処理回路は、前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示するように構成される。クエリハンドラデバイスを用いることによって、例えば、アクセス規制の回避(例えば、データインデックスの反復生成)を防止するように当該データに対するアクセスを制御する。前記アクセスポリシーは、データの悪用を防止する又は困難にするために前記要求デバイスのアクセスを規制するのに用いられる。
【0008】
消費者施設では、例えば、人物(画像に映っている人物が所与の人物である、又は当該人物が子供であるか又は大人であるか等)、状況(或る人物がデバイスとのインタラクションに興味を持っている、パケット送信中である等)、活動(或る人物が運動を行っている又は単に散歩を楽しんでいる)といった分類に機械学習が用いられる場合が多い。したがって、前記データは、分類のために機械学習モデルを訓練するのに用いることができ、且つ/又は、要求される前記データは、機械学習に関連するデータ、例えば、分類に関連するデータであってもよい。例えば、前記要求は、分類結果の参照を含んでもよい。要求される前記データは、前記分類結果に関する機械学習に関連してもよい。このように、デバイスは、特定の分類結果に関して機械学習モデルを向上させるためにデータを要求することができる。
【0009】
分類を実行することができる状況は様々に存在する。例えば、要求される前記データは、分類される物体、人物、イベント、シーン、活動、及び行動のうちの少なくとも1つのセンサデータ又はセンサデータを抽象化したものであってもよい。
【0010】
要求デバイスが異なるIDで前記データを要求することでアクセス制御を回避するのを防止するため、当該要求デバイスに対して前記クエリハンドラデバイスが対面認証を行ってもよい。例えば、前記処理回路は、前記要求デバイスから認証情報を取得し、前記認証情報に基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成される。例えば、前記アクセスポリシーは、要求デバイス毎に前記クエリハンドラデバイスによって記憶及び/又は維持されてもよい。
【0011】
代替的に又は付加的に、前記アクセスポリシーは、前記要求ポリシーによって提供される情報から判定されてもよい。例えば、前記処理回路は、前記要求デバイスから前記要求デバイスのデータ処理ポリシーの情報を取得し、前記要求デバイスの前記データ処理ポリシーに基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成されてもよい。例えば、前記処理回路は、例えば、前記クエリハンドラデバイス(又はデータ提供デバイス)によって課せられる前記データ処理ポリシーと、前記要求デバイスによって提供される前記データ処理ポリシーとに折り合いをつけるように、前記アクセスポリシーについて前記要求デバイスとネゴシエートするように構成されてもよい。
【0012】
データ悪用を防止するため、要求デバイスが要求することができるデータ量を、例えば、インデックスの構築を阻止するように制限してもよい。したがって、前記処理回路は、要求デバイスからの要求にレート制限を課すように構成されてもよい。例えば、前記レート制限は、所定の時間間隔において前記要求デバイス毎の要求回数に基づいてもよく、又は、あり得る分類のインデックスに対する前記要求デバイス毎の前記要求の範囲を指す。
【0013】
本開示の種々の例は、(上述の)クエリハンドラデバイスと複数のデータ提供デバイスとを具備するシステムに関する。例えば、前記データ提供デバイスはそれぞれ、前記クエリハンドラデバイス及び要求デバイスと通信するための少なくとも1つのインタフェースを有してもよい。前記データ提供デバイスはそれぞれ、前記要求デバイスのアクセスポリシーの情報と共に送信された要求を取得するように構成される処理回路を有してもよい。前記データ提供デバイスの前記処理回路は、要求されたデータが前記データ提供デバイスにおいて利用可能であり、且つ前記アクセスポリシーに従って提供可能である場合、前記データを前記要求デバイスに提供するように構成されてもよい。換言すると、前記データ提供デバイスが前記要求に関連するデータを実際に有するかどうかに応じて、且つ、前記アクセスポリシーに応じて、前記処理回路は、前記データを(直接)前記要求デバイスに提供することができる。例えば、前記データ提供デバイスの前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスを介さずに前記データを前記要求デバイスに提供するように構成されてもよい。
【0014】
一般的に、データ提供デバイスは、前記要求デバイスと前記データのソースとを仲介してもよい。いくつかの場合では、データソースは、データプロバイダと同じデバイスの一部であってもよい。他方、より一般的には、データソースは、別個のエンティティとして扱われてもよい。例えば、前記データ提供デバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数のデータソースデバイスと通信するのにさらに適していてもよい。前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記1つ又は複数のデータソースデバイスから前記データを取得するように構成されてもよい。したがって、前記データソースの前記データは、前記アクセスポリシーに従って、前記要求デバイスに利用可能とされてもよい。
【0015】
いくつかの例では、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを暗号形態で取得するように構成される。したがって、前記データは、侵害から保護されてもよい。
【0016】
いくつかの例では、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを前記要求デバイスに提供する前に前記データを復号化又は再暗号化するように構成されてもよい。これによって、特定の前記要求デバイスのみが当該データを用いることができるように、前記データを提供することができる。
【0017】
より一般的には、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを前記要求デバイスに提供する前に前記データを変換するように構成されてもよい。例えば、一定のプライバシー保護変換したもの(例えば、埋め込み)を前記データに適用してもよい。
【0018】
先に概説したように、提案の概念が採用する前記機械学習処理は、分類に適合している。例えば、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに対する分類結果の情報と共に前記データを取得するように構成されてもよい。例えば、前記要求は、前記分類結果の参照を含んでもよい。前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに含まれる前記分類結果の前記情報と前記要求に含まれる前記分類結果の情報の照合に基づいて、前記データを提供するように構成されてもよい。換言すると、提供される前記データは、前記データに適用される分類器の分類結果に基づいて要求されてもよい。
【0019】
いくつかの例では、前記提案のシステムは、複数のデータソースデバイスをさらに具備する。前記データソースデバイスはそれぞれ、前記複数のデータ提供デバイスのうちの少なくとも1つのデータ提供デバイスと通信するための少なくとも1つのインタフェースを有してもよい。前記データソースデバイスはそれぞれ、前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成される処理回路を有してもよい。
【0020】
特定の分類に関連するデータを提供するために、前記ソースデバイスは、まず、前記データを分類してもよい。例えば、前記データソースデバイスの前記処理回路は、機械学習モデルを用いて前記データを処理し、前記機械学習モデルの出力に基づいて前記データの分類を判定し、前記分類の情報と共に前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの例では、複数の前記データソースデバイスは、前記分類の質を向上させるために前記分類について連携してもよい。例えば、前記分類は、前記データにおいて表現される物体、人物、イベント、シーン、活動及び行動のうちの少なくとも1つに関してもよい。前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数の他のデータソースデバイスと通信するのにさらに適していてもよい。前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記物体、前記人物、前記イベント、前記シーン、前記活動又は前記行動の前記分類についてプライバシー保護連携メカニズムを用いて前記1つ又は複数の他のデータソースデバイスと連携するように構成されてもよい。特に、前記プライバシー保護連携メカニズムは、プライバシー保護投票メカニズムであってもよい。
【0022】
このような分類結果の連携には、様々なメカニズムを用いることができる。例えば、前記プライバシー保護連携メカニズムは、準同型暗号、ランダムノイズ付加及びマルチパーティ計算のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。
【0023】
いくつかの場合では、前記データソースは、例えば、データソースデバイスによって用いられる前記機械学習モデルの質を向上させるために、要求デバイスとして機能してもよい。例えば、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスにさらなるデータを要求し、前記さらなるデータに基づいて前記機械学習モデルを訓練するように構成されてもよい。
【0024】
先に概説したように、いくつかの場合では、提供される前記データは、例えば、データソースデバイスによって暗号化されてもよい。例えば、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供する前に前記データを暗号化するように構成されてもよい。
【0025】
一般的に、複数のデータソースデバイスは、例えば、データソースデバイスのカメラ、デプスセンサ又はマイクロフォン等のセンサのセンサデータを用いて前記データを自ら生成してもよい。例えば、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、前記データソースデバイスの少なくとも1つのセンサと通信するのにさらに適していてもよい。前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのセンサのセンサデータに基づいて前記データを判定するように構成されてもよい。
【0026】
本開示のいくつかの例は、データにアクセスするための対応のクエリハンドラ方法に関する。当該方法は、前記要求デバイスからデータ要求を取得する。当該方法は、前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定する。当該方法は、前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する。
【0027】
本開示のいくつかの例は、コンピュータ、プロセッサ、又はプログラム可能なハードウェアコンポーネント上で実行されると、前記クエリハンドラ方法を実行するプログラムコードを有する対応のコンピュータプログラムに関する。
【0028】
装置及び/又は方法のいくつかの例が、単なる例として、添付の図面を参照して、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1a】クエリハンドラデバイスの一例のブロック図である。
【
図1b】クエリハンドラ方法の一例のフローチャートである。
【
図1c】クエリハンドラデバイス、複数のデータ提供デバイス、及び任意選択的に複数のデータソースデバイスを具備するシステムの一例のブロック図である
【
図2】データ提供デバイスの一例のブロック図である。
【
図3】データソースデバイスの一例のブロック図である。
【
図5】データソース、データプロバイダ、及びクエリハンドラを具備するシステムの概略図である。
【
図6】2つのデバイスが同一の対象を監視する場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
いくつかの実施例を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、他のあり得る例は、詳細に説明されるこれらの実施形態の特徴に限定されない。他の例は、特徴の修正、特徴の等価、及び代替物を含むことができる。さらに、特定の例を説明するために本明細書で使用される用語は、さらなるあり得る例を限定するものではない。
【0031】
同一又は同様の参照符号は、図面の説明全体を通して、同様又は類似の要素及び/又は特徴を指している。これらの要素は、同一又は同様の機能を与えつつ、互いに同一であるか又は変形形態で実現可能である。各図において、線、層及び/又は領域の太さ(厚み)は分かり易いように誇張して示す場合がある。
【0032】
2つの要素A及びBが「又は」で繋げられている場合、これは、別途明示的に定義されない限り、全てのあり得る組み合わせ、すなわち、Aのみ、Bのみ、及びA及びBを開示しているものと理解されたい。「A及びBのうち少なくとも1つ」又は「A及び/又はB」は、同一の組み合わせに対する代替的な表現である。これは、2以上の要素の組み合わせに対しても同様である。
【0033】
「a」、「an」及び「the」等の単数形が用いられる場合及び単一の要素の使用が明示的にも黙示的にも義務として定義されていない場合は常に、いくつかのさらなる例において複数の要素を用いて同一の機能を実施してもよい。同様に、或る1つの機能が後に複数の要素を用いて実施されるものとして説明される場合、いくつかのさらなる例において、単一の要素又は処理エンティティを用いて同一の機能を実施してもよい。また、「含む/有する(include/including)」及び/又は「含む/具備する/有する(comprise/comprising)」という用語は、指定の特徴、整数、ステップ、動作、処理、要素、構成要素及び/又はその群の存在を表すが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、処理、要素、構成要素及び/又はその群の存在又は追加を除外するものではないことを理解されたい。
【0034】
本開示の種々の例は、クエリハンドラデバイス10、クエリハンドラデバイスを具備するシステム、クエリハンドラデバイス(及びシステムの他の構成要素)用の方法、及びクエリハンドラデバイス用のコンピュータプログラムに関する。以下、各構成要素(クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20(例えば、20a,20b)、データソース30(例えば、30a,30b)及び要求デバイス5を簡単に説明する。その後、各デバイス間のインタラクションを説明する。
【0035】
図1aは、クエリハンドラデバイス10の一例のブロック図である。クエリハンドラデバイス10は、データ(例えば、分類に関する機械学習に関連するデータ、例えば、分類を実行する機械学習モデルを訓練するためのデータ)にアクセスするのに適している。クエリハンドラデバイスは、少なくとも1つのインタフェース12と、少なくとも1つのインタフェース12に接続される処理回路14とを具備する。任意選択的に、クエリハンドラデバイス10は、処理回路14に接続される記憶回路16をさらに具備する。一般的に、クエリハンドラデバイス10の機能は、処理回路14が、少なくとも1つのインタフェース12(要求デバイス5及び複数のデータ提供デバイス20等の他のエンティティと通信する)及び/又は記憶回路16(情報を記憶及び/又は検索する)と協働することによって実現される。
【0036】
クエリハンドラデバイス10の処理回路14は、要求デバイス5から(例えば、インタフェース12を介して)データ要求を取得するように構成される。クエリハンドラデバイス10の処理回路14は、要求デバイス5のアクセスポリシーを判定するように構成される。クエリハンドラデバイス10の処理回路14は、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示するため、要求をアクセスポリシーの情報と共に複数のデータ提供デバイス(例えば、インタフェース12を介して)に送信するように構成される。
【0037】
図1bは、データにアクセスするための対応のクエリハンドラ方法の一例のフローチャートである。当該方法は、要求デバイスからデータ要求を取得する(110)。当該方法はさらに、要求デバイスのアクセスポリシーを判定する(120)。当該方法は、要求をアクセスポリシーの情報と共に複数のデータ提供デバイスに送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する(130)。一般的に、この点について、当該方法は、クエリハンドラデバイスによって実行され得る。したがって、クエリハンドラデバイスに関して導入される特徴は、同様に対応のクエリハンドラ方法に含まれてもよい。しかし、いくつかの例では、当該方法は、それぞれ異なるデバイス、例えば、クエリハンドラデバイス及びデータ提供デバイスによって、又はクエリハンドラデバイス、データ提供デバイス、及びデータソースデバイスによって合同して実行されてもよい。したがって、クエリハンドラデバイス、データ提供デバイス及びデータソースデバイスに関して導入される特徴は、同様にクエリハンドラ方法に含まれてもよい。
【0038】
図1cでは、本明細書に記載のそれぞれ異なる構成要素が概説される。
図1cは、クエリハンドラデバイス10、複数のデータ提供デバイス20、及び任意選択的に複数のデータソースデバイス30を具備するシステムの一例のブロック図である。
【0039】
図1cに示すように、要求デバイス5(すなわち、前記要求デバイス)は、クエリハンドラ10(例えば、クエリハンドラのインタフェース12)に対してデータ要求を送信する。クエリハンドラは、当該要求を(インタフェース12を介して)各データプロバイダ20a,20bに送信する。データプロバイダ20a,20bはそれぞれ、(センサデバイス38a,38bを用いて当該データを生成することができる)1つ又は複数のデータソース30a,30bに接続される。データプロバイダは、送信された要求を受信し、各データプロバイダにおいて利用可能なデータと比較し、データを要求デバイスに提供するためのアクセスポリシーを処理し、当該データを要求デバイス5に提供することができる。
【0040】
以下、データ提供デバイス20及びデータソースデバイス30について詳細に説明する。
図2は、データ提供デバイス20の一例のブロック図である。データ提供デバイス20は、少なくとも1つのインタフェース22と、少なくとも1つのインタフェース22に接続される処理回路24とを具備することができる。任意選択的に、データ提供デバイス20は、処理回路24に接続される記憶回路26をさらに具備する。一般的に、データ提供デバイス20の機能は、処理回路24が少なくとも1つのインタフェース22(要求デバイス5、クエリハンドラデバイス10及び/又はデータソースデバイス30等の他のエンティティと通信する)及び/又は記憶回路26(情報を記憶及び/又は検索する)と協働することによって実現される。
【0041】
例えば、データ提供デバイス20の処理回路24は、要求デバイスのアクセスポリシーの情報と共に送信された要求を(クエリハンドラデバイス10から、例えば、インタフェース22を介して)取得するように構成されることができる。データ提供デバイス20の処理回路24は、データ要求がデータ提供デバイスにおいて利用可能であり、且つアクセスポリシーに従って提供可能である場合、データを要求デバイスに(例えば、インタフェース22を介して)提供するように構成されることができる。
【0042】
図3は、データソースデバイス30の一例のブロック図である。データソースデバイス30は、少なくとも1つのインタフェース32と、少なくとも1つのインタフェース32と接続される処理回路34とを具備することができる。任意選択的に、データソースデバイス30は、処理回路34に接続される記憶回路36をさらに具備する。一般的に、データソースデバイス30の機能は、処理回路34が、少なくとも1つのインタフェース32(データ提供デバイス20のうちの少なくとも1つ等の他のエンティティと通信する)及び/又は記憶回路36(情報を記憶及び/又は検索する)と協働することによって実現される。例えば、データソースデバイス30の処理回路34は、少なくとも1つのデータ提供デバイスにデータを提供する構成されることができる。
【0043】
当然のことながら、提案のシステムの各構成要素は相互に作用する。したがって、当該システムのそれぞれ異なる構成要素に関して各構成要素10,20,30のそれぞれの特徴について詳細に説明する。
【0044】
種々の例では、提案の概念は、データソースデバイスによって提供されるデータと、係るデータの対応の分類とに焦点を置く。したがって、要求されるデータは、機械学習に関連するデータ、例えば、分類に関連するデータとすることができる。提案の概念では、特に、どのようにして各情報(データ及びその分類)を利用可能とするかに関して、データとデータの分類とを差別化することができる。特に、提案の概念では、分類は、各データにアクセスするための鍵として用いることができるため、データの分類は、データそのものよりも容易に利用可能とされることができる。データそのもの、例えば、分類されるセンサデータは、より限定的に扱われ、データにアクセスしてもよいと判断された他のエンティティに対してのみ開示される。
【0045】
一般的に、データ及びデータの分類は両方、データソースデバイスによって提供可能である。例えば、データソースデバイスの少なくとも1つのインタフェース32は、データソースデバイスの少なくとも1つのセンサ38と通信するために適したものとすることができる。例えば、データソースデバイス30は、カメラセンサ、マイクロフォン、デプスセンサ、及び加速度計のうちの少なくとも1つ等、1つ又は複数のセンサを含むことができる。データソースデバイスの処理回路34は、データソースデバイスの少なくとも1つのセンサのセンサデータに基づいてデータを判定するように構成されることができる。換言すると、データソースデバイスの処理回路は、センサデータにおける分類可能な対象(例えば、物体、人物、イベント、シーン、活動、又は行動)の存在を検出するように構成されることができ、例えば、機械学習モデルの後の訓練及び/又は他のデバイスとの共有のために、処理回路の記憶回路を用いて各データを記憶してもよい。例えば、データ(要求されたデバイスによって順次要求される)は、分類される物体、人物、イベント、シーン、活動、及び行動のうちの少なくとも1つのセンサデータ又はセンサデータを抽象化したもの(例えば、センサデータの埋め込み)とすることができる。したがって、分類は、データにおいて表現される物体、人物、イベント、シーン、活動、及び行動のうちの少なくとも1つに関し得る。
【0046】
先に概説したように、要求デバイスによって要求されるデータは、その分類を介して要求されることができる。換言すると、要求デバイスは、特定の分類に関連する(全ての)データを要求することができる。例えば、要求デバイスは、分類を知らされた後、自身の分類器を訓練及び/又は向上させるためにデータを要求することができる。実際には、例えば、新規のセキュリティカメラを家に設置した場合、この新規のセキュリティカメラには、その家に住む人々のIDが入力されることになる。セキュリティカメラは、家に住む人物がビデオの映像に映った場合に警報が鳴らないように、事前に設置されたセキュリティカメラ、自律ロボットペット、ビデオチャット端末等に、IDを用いて、新規のセキュリティカメラの機械学習ベースの分類器を訓練するために用いることができるデータを要求することができる。したがって、要求デバイスによって行われる要求は、分類結果の参照を含んでもよく、要求されるデータは、分類結果に関する機械学習に関連する。
【0047】
分類結果を含む要求に応じてデータを提供する場合、データソースによって同一の分類を行うことができる。換言すると、データソースデバイスの処理回路は、機械学習モデルを用いて(例えば、機械学習モデルの入力にデータを提供することによって)データを処理するように構成されることができる。データソースデバイスの処理回路は、機械学習モデルの出力に基づいてデータの分類を判定するように構成されることができる。例えば、機械学習モデルは、訓練される分類器、すなわち、分類されるデータに基づいて分類を出力するように訓練される機械学習モデルとすることができる。例えば、機械学習モデルの出力(例えば、所定の識別子)は、分類結果を示すものとすることができる。データ分類後、データソースデバイスの処理回路は、分類の情報と共にデータを少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成されることができる。
【0048】
以下、基本的な機械学習ベースの分類について説明する。機械学習は、明示的な指示を用いずに、代わりにモデル及び推論によって、コンピュータシステムが特定の作業を実行するのに用いることができるアルゴリズム及び統計モデルを指す。例えば、機械学習において、データをルールベースで変換したものの代わりに、データを変換したものを用いることができる。これは、履歴及び/又は訓練データの分析から推論される。例えば、機械学習モデルを用いて又は機械学習アルゴリズムを用いて画像の内容を分析することができる。機械学習モデルが画像の内容を分析するために、訓練画像を入力とし、訓練内容情報を出力として機械学習モデルを訓練することができる。多数の訓練画像及び関連の訓練内容情報を用いて機械学習モデル訓練をすることによって、機械学習モデルは、画像の内容を認識するように「学習する」ため、これらの訓練画像に含まれていない画像の内容は、機械学習モデルを用いて認識することができる。同じ原理を同様に別の種類のセンサデータにも用いることができる。訓練センサデータ及び所望の出力を用いて機械学習モデルを訓練することによって、機械学習モデルは、センサデータ及び出力間の変換したものを「学習」し、機械学習モデルに提供される非訓練センサデータに基づいて出力を提供するのに用いることができる。
【0049】
機械学習モデルは、訓練入力データを用いて訓練される。上述で指定された例は、「教師あり学習」と呼ばれる訓練方法を用いる。教師あり学習では、機械学習モデルは、複数の訓練サンプルを用いて訓練される。各サンプルは、複数の入力データ値及び複数の所望の出力値を含むことができる。すなわち、各訓練サンプルは、所望の出力値に対応付けられる。訓練サンプル及び所望の出力値の両方を指定することによって、機械学習モデルは、訓練時に提供されたサンプルに類似する入力サンプルに基づいて、いずれの出力値を提供するかを「学習する」。教師あり学習の他に、半教師あり学習を用いてもよい。半教師あり学習では、訓練サンプルの一部について、対応の所望の出力値が得られない。教師あり学習は、教師あり学習アルゴリズム、例えば、分類アルゴリズム、回帰アルゴリズム、又は類似性学習アルゴリズムに基づくものとすることができる。出力が限定された値集合に制限される場合、すなわち、入力が当該限定された値集合のうちの1つに分類される場合、分類アルゴリズムを用いることができる。当該出力が任意の数値(範囲内)を有する場合、回帰アルゴリズムを用いることができる。類似性学習アルゴリズムは、分類及び回帰アルゴリズムの両方に類似するが、2つの物体がどれくらい類似しているか、又は関連しているかを測定する類似性機能を用いる例の学習に基づく。提案の概念では、(センサ)データに基づいて分類結果を生成するために分類アルゴリズムを用いることができる。
【0050】
本開示のいくつかの例では、技術を追加して分類を向上させることができる。特に、上述の「ホームセキュリティ」の例から明らかなように、人物、物体、活動、イベント等を異なるデータソースデバイスによって、例えば、同時に又はわずかに異なる時間(人物が玄関ホールを歩くとき等)に知覚することができる。この場合、多数のソースデバイスによって、同一人物(又は物体、イベント、活動等)のデータを収集することができる。いくつかの例では、データソースデバイス(或いは、データソースデバイス、例えば、同一人物、物体、イベント、活動等を知覚したデータソースデバイスのうちのいくつか)は、例えば、プライバシー保護連携メカニズムを用いて、自身の分類を連携させることができる。換言すると、データソースデバイスの処理回路は、物体、人物、イベント、シーン、活動、又は行動の分類について、プライバシー保護連携メカニズムを用いて(各データソースデバイスが生成した(センサ)データに基づいて)1つ又は複数の他のデータソースデバイスと連携するように構成されることができる。特に、データソースデバイス及び1つ又は複数の他のデータソースデバイスが、人物、物体、イベント、活動、又は行動の特定の分類について投票を行うプライバシー保護連携メカニズムを用いることができる。例えば、プライバシー保護連携/投票メカニズムに関与するデータソースデバイスのそれぞれは、それらの分類結果又は分類結果から導出された値を少なくとも1つの他のデータソースデバイスに提供することができ、当該少なくとも1つの他のデータソースデバイスは、分類又は分類から導出された結果に対して操作を実行して分類について連携/投票を行うことができる。例えば、データソースデバイスは、分類に投票すること、又は一般的にローカルな分類結果から導出される情報を共有することができる。例えば、データソースデバイスは、ラベル共有を実行することができる。データソースデバイスが予期されたクラスにアクセスする許可を得ている場合、当該データソースデバイスは、(特に、新規のデバイスに対するオンボーディングに用いられる)信用度の低いデータソースデバイスに対してそれらのラベルを共有することができる。例えば、データソースデバイスのうちの1つが、1つのデータにラベル付けし、その結果を何らかの署名又は証明と共に他のデータソースデバイスに送信してもよい。次いで、これらのデータソースデバイスは、自身が適切とみなす当該ラベルを用いる/評価することを決定することができ、それらの分析を他のデータソースデバイスに送り返す。例えば、プライバシー保護連携メカニズムは、準同型暗号、ランダムノイズ付加及びマルチパーティ計算のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。準同型暗号では、分類等のデータは、結果(例えば、分類)を共同して算出するのに用いることができる数学的特性を保持しながら、ソースデータを復元することができないように暗号化される。マルチパーティ計算では、多数の参加者(例えば、データソースデバイス及び1つ又は複数の他のデータソースデバイス)はそれぞれ、プライベートデータ(例えば、分類)を有しており、それらは、当該プライベートデータを明かさずに当該プライベートデータを用いて公開機能(共同分類)の値を共同して算出するのに用いる。例えば、シャミアの秘密共有又は付加秘密共有等の秘密共有方式を用いて分類を算出してもよく、各分類は、各データソースデバイスが共有する秘密である。ランダムノイズ付加に基づくプライバシー保護連携/投票メカニズムでは、各データソースデバイスは、確率関数に応じて、当該各データソースデバイスが算出した分類結果を共有するか又は別の(誤りの可能性がある)分類結果を共有するかを選択することができ、これによって、他のデータソースデバイスには、当該共有される分類がそのデータソースデバイスによって算出されたものであるかどうかは分からないようになっている。
【0051】
分類結果が算出されると(任意選択的に、連携されると)、データソースデバイスは、各分類結果をデータと共に各データ提供デバイスに提供することができる。したがって、データ提供デバイスの処理回路は、1つ又は複数のデータソースデバイスからデータを(例えば、分類結果と共に)取得するように構成されることができる。一般的に、データソースデバイスと、データ提供デバイスとは、一対一の関係であり得る。例えば、カメラ、映像端末、ロボットペット等のデバイスは、データソースデバイス及び対応付けられたデータ提供デバイスの両方を含んでもよい。代替的に、これらのデバイスは別個のものとされてもよい。特に、データ提供デバイスはそれぞれ、1つ又は複数のデータソースデバイスと対応付けられてもよい(例えば、当該1つ又は複数のデータソースデバイスからデータを取り出してもよい)。他方、データソースデバイスはそれぞれ、1つ又は複数のデータ提供デバイスと対応付けられてもよい(例えば、当該1つ又は複数のデータ提供デバイスにデータを提供してもよい)。
【0052】
種々の例では、データソースデバイスによって提供されるデータは、暗号化することができる。例えば、データソースデバイスの処理回路は、少なくとも1つのデータ提供デバイスにデータを提供する前にデータを暗号化するように構成されることができる。したがって、データ提供デバイスの処理回路は、データを暗号形態で取得するように構成されることができる。例えば、
図4に関して示すように、データは、分類に従って、例えば、分類に対応付けられた公開鍵を用いて暗号化されてもよい。代替的に、データは、例えば、データ提供デバイスによって変換、復号及び/又は再暗号化されるように、関連のデータ提供デバイスに固有の(例えば、既知の)鍵を用いて暗号化されてもよい。代替的に、他の任意の(公開鍵ベースの)暗号形態を用いてもよい。
【0053】
データが各データ提供デバイス(複数可)に利用可能とされると、要求デバイスはクエリハンドラデバイスを介して当該データにアクセスすることができる。したがって、クエリハンドラデバイスの処理回路は、要求デバイスのデータ要求を取得するように構成される。一般的に、要求デバイスは、任意のデバイスとすることができるが、データが要求された場合、要求デバイスは、特に、要求したデータを用いて機械学習モデル、例えば、分類器を訓練しようとするデバイスであり得る。例えば、上記データソースデバイス(複数可)は、係るデータのサプライヤー及び係るデータのユーザの両方であり得る。例えば、データソースデバイスの処理回路は、クエリハンドラデバイスにさらなるデータを要求し、さらなるデータに基づいて機械学習モデルを訓練するように構成されることができる。また、非データソースデバイス(又は未来のデータソースデバイス)も係るデータを要求することができる。このデータ要求は、要求デバイスがデータを用いて行うつもりの(又は行うことを要請する)ものにデータソースデバイスが同意するかどうかに応じて処理(例えば、取得又は否認)される。
【0054】
提案の概念では、クエリハンドラデバイスは、データソースデバイスによって生成されたデータにアクセスするための中央のゲートキーパーとして機能する。しかし、いずれのデータを提供するかを決定する際の負荷をクエリハンドラデバイス及びデータハンドラデバイスが共有することができる。クエリハンドラデバイスは、一定の種類の望ましくないアクセス(例えば、過度の要求回数、又はインデックスの構築に等しい要求回数のもの)を防止することができると同時に、各データ提供デバイスは、(クエリハンドラデバイスによって実際に送信された)要求に応じるべきかどうかをデータを用いて自身で判断することができる。
【0055】
クエリハンドラデバイスの処理回路は、要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、要求をアクセスポリシーの情報と共に複数のデータ提供デバイスに送信し、当該アクセスポリシーに従って要求デバイスにデータを提供するように複数のデータ提供デバイスに対して指示するように構成される。一般的に、アクセスポリシーは、要求デバイスがデータを用いて行うつもりのもの、例えば、要求デバイスは、ローカルな機械学習の訓練のためにデータを用いることを要請しているだけなのかどうか、当該デバイスは、他のデバイスとデータを共有することを要請しているのかどうか、又は、当該デバイスは、(私的な情報を含み得る)訓練後の機械学習モデルを他のデバイスと共有することを要請しているのかどうかに基づくものとすることができる。このアクセスポリシーの判定のために、クエリハンドラデバイスは、異なる要求デバイスによってサポートされるデータアクセスポリシーのインデックスを有してもよい。或いは、クエリハンドラデバイスは、要求デバイスから各情報を受信することによって係るインデックスを構築してもよい(又は特定の機能を実行してもよい)。換言すると、クエリハンドラデバイスの処理回路は、要求デバイスから認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて要求デバイスのアクセスポリシーを判定するように構成されることができる。例えば、クエリハンドラデバイスの処理回路は、認証に基づいて要求デバイスを識別し、要求デバイスのIDに基づいて要求デバイスのアクセスポリシーを取得するように構成されることができる。代替的に又は付加的に、クエリハンドラデバイスの処理回路は、要求デバイスのデータ処理ポリシーの情報(すなわち、要求デバイスがデータを用いて行うつもりのもの)を要求デバイスから取得し、この要求デバイスのデータ処理ポリシーに基づいて、要求デバイスのアクセスポリシーを判定するように構成されることができる。特に、クエリハンドラデバイスの処理回路は、例えば、要求デバイスのデータ処理ポリシーに基づいて、且つ、クエリハンドラデバイスが適用するデフォルトのデータアクセスポリシーに基づいて、アクセスポリシーについて要求デバイスとネゴシエートするように構成されることができる。
【0056】
クエリハンドラデバイスのゲートキーパー機能の一部は、いずれの要求を送信するかを決定することに関する。例えば、クエリハンドラデバイスは、要求デバイスのアクセスポリシーに違反するような又はクエリハンドラデバイスが適用する(例えば、強制する)デフォルトのアクセスポリシーに違反する一定の要求を破棄することができる。例えば、提案の概念では、「プライバシー保護文書共有(privacy-preserving document sharing)」と呼ばれる概念を適用することができる。この概念では、クエリハンドラデバイス自身は、当該データ、又はいずれのデータ提供デバイスがいずれの種類のデータを有する(例えば、データ提供デバイスが特定の分類結果に関するデータを有する)かに関する情報を有しない場合がある。つまり、当該クエリハンドラデバイスは単に、これらの要求(の大半)をデータ提供デバイスに送信するためのゲートキーパー及びプロキシとして機能する。データプロバイダは、データにアクセスすることを許可された要求デバイスにのみデータを提供することを決定する。例えば、いずれのデータプロバイダがどんなデータを有するかに関するインデックスを構築するためにクエリハンドラデバイスが課した規制を回避しようとする要求デバイスの試みを阻止するため、クエリハンドラデバイスは、要求デバイス(複数可)から受信した要求に対して規制を課すことができる。特に、クエリハンドラデバイスの処理回路は、要求デバイスからの要求にレート制限を課すように構成されることができる。例えば、レート制限は、プロバイダデバイスによって利用可能とされる全てのデータを連続して要求する要求デバイスを防止するために、所定の時間間隔において要求デバイス毎の要求回数に基づくことができる。代替的に又は付加的に、レート制限は、(例えば、要求デバイスによるインデックス構築を阻止するために)あり得る分類のインデックスに対する要求デバイス毎の要求の範囲を指すことができる。
【0057】
当該要求がデータ提供デバイス(例えば、データ提供デバイスの全て、又はデータアクセスポリシーに従って提供を行う可能性の高いデータ提供デバイス)に送信されると(及び送信された場合)、当該要求は各データプロバイダによって、利用可能データ及びアクセスポリシーに応じて処理され、要求デバイスに提供される。換言すると、要求デバイスの処理回路は、送信された要求を要求デバイスのアクセスポリシーの情報と共に取得し、要求されたデータがデータ提供デバイスにおいて利用可能であり、且つアクセスポリシーに従って提供可能である場合、データを要求デバイスに提供するように構成されることができる。特に、データ提供デバイスの処理回路は、クエリハンドラデバイスを介さずに(例えば、クエリハンドラがデータにアクセスできない状態で)データを要求デバイスに提供するように構成されることができる。例えば、データ提供デバイスの処理回路は、要求デバイスのアクセスポリシーをデータ提供デバイス(又は当該データのソースデバイス)のアクセスポリシー又はデータ共有ポリシーと比較し、要求デバイスのアクセスポリシーが、データ提供デバイス(又はソースデバイス)のアクセスポリシー又はデータ共有ポリシーと一致した場合にデータを提供するように構成されることができる。このように、クエリハンドラデバイスもいずれのデータ提供デバイスが所与の分類に応じてデータにアクセスできるかを知らない。
【0058】
データソースデバイスに関して概説したように、データは、データの分類を介してアクセス可能である。換言すると、要求デバイスは、分類結果を指定することができ、データプロバイダは、要求された分類結果に応じて分類データを提供してもよい。換言すると、(要求デバイスの)要求は、分類結果の参照を含んでもよい。データ提供デバイスの処理回路は、(各データソースデバイスの)データの分類結果に関する情報と共にデータを取得し、データ内に含まれる分類結果に関する情報と、要求に含まれる及び分類結果に関する情報との照合に基づき、データを提供するように構成されることができる。換言すると、要求された分類と分類が同じデータを提供することができる。
【0059】
いくつかの例では、データは、データ提供デバイスによって変換することができる。換言すると、データ提供デバイスの処理回路は、要求デバイスにデータを提供する前にデータを変換するように構成されることができる。例えば、プライバシー保護変換したもの(例えば、埋め込み)を、データ提供デバイスによってデータに適用することができる。例えば、データは、(例えば、変換したものを適用するために)データ提供デバイスによって復号化することができる。換言すると、データ提供デバイスの処理回路は、要求デバイスにデータを提供する前にデータを復号化するように構成されることができる。変換後、データは、データ提供デバイスによって再暗号化することができる。代替的に、データは、例えば、要求デバイスのためにデータを特別に再暗号化するために、事前に復号化せずに再暗号化することができる。例えば、更新可能暗号又はハイブリッドプロキシ再暗号化等の技術を用いてデータを復号化せずにデータを再暗号化することができる。例えば、更新可能暗号又はハイブリッドプロキシ再暗号化は両方、キーローテーションベースのシステムを用いて、データを復号化せずにデータを再暗号化することが可能である。その結果、データ提供デバイスの処理回路は、要求デバイスにデータを提供する前にデータを再暗号化するように構成されることができる。
【0060】
本開示の種々の例は、データの機械学習ベースの分類に関する。データの導入に関して概説したように、教師あり学習アルゴリズム、特に分類アルゴリズムを用いて、機械学習モデルがデータを分類するように訓練されるように機械学習モデルを訓練することができる。例えば、データが画像データである場合、入力データの複数の訓練入力サンプルを所望の分類結果と共に用いて、画像データを分類するように機械学習モデルを訓練することができる。同様に、データが(マイクロフォンを介して取得される)音声データ、(デプスセンサを介して取得される)デプスセンサデータ又は(加速度計を介して取得される)人物の足取りを示すセンサデータである場合、音声データ、デプスセンサデータ又は足取りを示すセンサデータの複数の訓練入力サンプルを所望の分類結果と共に用いて、音声データ、デプスセンサデータ、又は足取りを示すセンサデータを分類するように機械学習モデルを訓練することができる。
【0061】
機械学習アルゴリズムは通常、機械学習モデルに基づく。換言すると、用語「機械学習アルゴリズム」は、機械学習モデルを生成、訓練、又は利用するのに用いることができる指示集合を示すことができる。用語「機械学習モデル」は、例えば、機械学習アルゴリズムによって実行される訓練に基づき、学習した知識を表すデータ構造及び/又は規則集合を示すことができる。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムの利用は、根底にある機械学習モデル(複数可)の利用を暗に意味し得る。機械学習モデルの利用は、機械学習モデル及び/又は機械学習モデルであるデータ構造/規則集合が機械学習アルゴリズムによって訓練されることを暗に意味し得る。
【0062】
例えば、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)とすることができる。ANNは、生物の脳に存在する神経網に着想を得たシステムである。ANNは、相互に結合された複数のノードと、ノード間の複数の結合部(エッジと呼ばれる)とを具備する。通常、入力値が入力される入力ノード、他のノードに結合される(のみの)隠れノード、及び出力値を出力する出力ノードの3種類のノードが存在する。各ノードは、人工ニューロンを表現することができる。各エッジは、或るノードから別のノードへ情報を送信することができる。ノードの出力は、その入力の合計の(非線形)関数として定義することができる。ノードの入力は、入力を行うエッジ又はノードの「重み」に基づく関数に用いることができる。ノード及び/又はエッジの重みは、学習処理において調節することができる。換言すると、人工ニューラルネットワークの訓練は、人工ニューラルネットワークのノード及び/又はエッジの重みを調節すること、すなわち、所与の入力に対して所望の出力を出力することを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、機械学習モデルは、ディープニューラルネットワーク、例えば、隠れノードの1つ又は複数の層(すなわち、隠れ層)、好ましくは、隠れノードの複数の層を具備するニューラルネットワークとすることができる。
【0063】
代替的に、機械学習モデルは、サポートベクトルマシンであってもよい。サポートベクトルマシン(すなわち、サポートベクトルネットワーク)は、データ分析、例えば、分類又は回帰分析に用いることができる対応付けられた学習アルゴリズムを有する教師あり学習モデルである。サポートベクトルマシンは、2つのカテゴリーのうちの1つに属する複数の訓練入力値を用いて入力を行うことで訓練を行うことができる。サポートベクトルマシンは、2つのカテゴリーのうちの1つに新たな入力値を割り当てるように訓練することができる。代替的に、機械学習モデルは、ベイジアンネットワークであってもよく、これは有向非巡回グラフィカルモデルである。ベイジアンネットワークは、有向非巡回グラフを用いてランダム変数の集合とそれらの条件依存関係とを表現することができる。代替的に、機械学習モデルは、遺伝的アルゴリズムに基づいてもよく、これは、検索アルゴリズム、及び自然選択説の過程を模倣するヒューリスティック技術である。
【0064】
クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20及び/又はデータソースデバイス30の少なくとも1つのインタフェース12,22,32は、情報を送受信するための1つ又は複数の入力及び/又は出力に対応し得る。これらの値は、単一のモジュール内、モジュール間、又は異なるエンティティのモジュール間において指定されたコードに応じたデジタル(ビット)値であり得る。例えば、クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20及び/又はデータソースデバイス30の少なくとも1つのインタフェース12,22,32は、情報を送受信するように構成されるインタフェース回路を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20及び/又はデータソースデバイス30の処理回路14,24,34は、対応して適合されたソフトウェアによって動作可能であるプロセッサ、コンピュータ又はプログラム可能なハードウェアコンポーネントといった1つ又は複数の処理部、1つ又は複数の処理デバイス、任意の処理手段に用いて実装することができる。換言すると、クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20及び/又はデータソースデバイス30の処理回路14,24,34の記載した機能は、1つ又は複数のプログラム可能なハードウェアコンポーネント上で実行されるソフトウェアに実装されることもできる。係るハードウェアコンポーネントは、汎用プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラ等を含むことができる。
【0066】
少なくともいくつかの実施形態では、クエリハンドラデバイス10、データ提供デバイス20及び/又はデータソースデバイス30の記憶回路16,26,36は、磁気又は光記憶媒体等のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、RAM(Random Access Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)、又はネットワークストレージから成る群のうちの少なくとも1つの要素を含むことができる。
【0067】
クエリハンドラデバイス、データ提供デバイス、データソースデバイス、要求デバイス、システム、方法、及びコンピュータプログラムのさらなる詳細及び態様について、提案の概念又は1つ又は複数の上記又は下記例(例えば、
図4~
図6)に関連して言及する。クエリハンドラデバイス、データ提供デバイス、データソースデバイス、要求デバイス、システム、方法、及びコンピュータプログラムは、提案の概念又は1つ又は複数の上記又は下記例の1つ又は複数の態様に対応する1つ又は複数の追加の任意選択の特徴を含むことできる。
【0068】
本開示の種々の例は、エッジにおける共同機械学習のための概念に関する。
【0069】
以下、各デバイス(データソース及び/又はデータプロバイダ)が、デバイス間の信用度が高い群に整理されることを想定する。しかし、1つの群において、或るファミリーに属するデバイスを想定すると、異なるデータ共有ポリシーがそれぞれ異なるデバイス及びタスクに適用される。任意選択的に、より厳しいプライバシーポリシーによって群間のデータ共有が許可される。
【0070】
データセット利用可能性を発見する技術、データの種類(例えば、rgb_image(RGB画像)、no-AWB(オートホワイトバランス)、M12-f/2-24mm(カメラの種類、絞り、焦点距離)、1024×768画素等)を意味的に記述する技術、異なるデバイスのデータを用いる場合の同種データに対して訓練を行う技術、同種データについてエッジにおいて自動でデータラベリングを行う技術、異なるデバイスの様々な種類のデータを用いる場合の訓練技術、又は、文脈に応じたプライバシー保護動的アクセス制御によるプライバシー保護ピアツーピア学習技術等の一部の技術は、エッジで訓練を行うには不十分である場合がある。
【0071】
提案の概念では、文脈は、センサ入力に基づいてデバイス自体が評価し、アクセス制御層において用いられる。文脈評価及び/又はアクセス制御に関係ない任意の追加タスクのために共同作業が存在し得る。提案の概念は、文脈に応じたプライバシー保護動的アクセス制御によるプライバシー保護ピアツーピア学習を提供することができる。
【0072】
以下、提案の概念による推論ストラテジーの一例を示す。以下、
図4に示すように、種々のデバイス30(例えば、カメラ38aを用いたデータソース30a、及びカメラ38bに接続される別のデータソース)は、同一の文脈/被写体410にアクセスする。これらは、共同して情報収集し、特定のイベントを検出するように学習することができるが、プライバシーの懸念から自由に情報を共有することができない。
図4は、一例に係る共同推論を概説する図である。
【0073】
提案の概念の種々の例では、デバイス(複数可)30aは、記録された情報が共同訓練に有益であるかどうかを判定するために文脈を分類する。さらに、デバイスは、共同デバイスが許可を得ていない任意の情報を削除することができる。或るデバイスに対してローカルな1つ又は複数のモデルを用いて、
図5(データ分配)と併せて説明するアクセス制御に用いられる推論結果を生成することができる。
【0074】
図4では、デバイス30aが、カメラ38aを用いて被写体410の画像420を撮影し、分類モデル430を用いて推論結果450(被写体又はイベントのカテゴライズするもの)を出力する。推論結果のカテゴリー毎に、デバイスは、1つの公開暗号鍵(pub_key)440を有してもよい。プライバシー保護投票メカニズム460を用いて、分類結果について他のデバイス30b…30nと連携することができる。
【0075】
いくつかの例では、プライベートデータは、写真の被写体に対応付けられた鍵(例えば、pub_key)によって保護される。この鍵が確実に正しいものであるように、提案の概念は、推論結果の正しさを保証させるようにすることができる。プライバシー保護投票(又は共同)メカニズム460を用いて推論結果の正しさを確認することができる。これは、準同型暗号、ランダムノイズ付加、又はマルチパーティ計算に基づくことができる。同意が得られた場合、当該推論結果に関連する公開暗号鍵(pub_key)を用いることができる。
【0076】
以下、データ共有ストラテジーの一例を提案する。例えば、プライバシー保護インデックス処理と動的アクセス制御との組み合わせを用いてデータソースのデータにアクセスすることができる。以下の図は、係る特徴をサポートする基本のアーキテクチャを示す。
図5は、データソース30a,30b、データプロバイダ20a,20b及びクエリハンドラ10を具備するシステムの概略図である。当該クエリハンドラは、要求デバイス(データ消費者)5と通信を行う。いくつかの例では、データプロバイダは、それ自体がデバイスであり得る。クエリハンドラ10は、グローバルとすることができるか、又は、特定の信頼されるネットワークでのみ機能することができるか、又は、デバイス間で論理的に分離することができる(例えば、これらのデバイスが近傍のデバイスによって配信されるクエリにどのように返答するかを評価する場合)。
【0077】
データソース30a,30bは、対象410を撮像する各々のカメラ38a,38bを用いることができる。データソースは、分類モデルを用いて、写真(例えば、写真に写った物体、人物、イベント、又は活動)を分類し、分類を示す識別子を算出し、分類に対応付けられた公開暗号鍵(pub_key)を用いてデータを暗号化することができる。暗号化されたデータ及び識別子は、暗号化されたデータ及び識別子を記憶することができるデータソース30a,30bによって、当該データソース30a,30bと接続された各データプロバイダ20a,20bに提供されることができる。データ消費者(又は要求デバイス)5は、クエリハンドラ10を対面認証し、データに関するクエリ(例えば、要求)をクエリハンドラ10に送信することができる。クエリハンドラ10は、クエリに対してアクセス制御を行い、アクセスポリシーを判定し、クエリをアクセスポリシーと共にデータプロバイダ20a,20bに送信することができる。データプロバイダ20a,20bは、アクセスポリシー及びクエリを用いて、クエリ結果をデータ消費者5に提供するかどうかを決定することができる。
【0078】
いくつかの例では、デバイスが、データ消費者の役割をすることで訓練に必要なデータを取得することができるように提案の概念を用いることができる。
図6はこのような場合を示す。
図6は、2つのデバイス30a,30bが同一の対象を監視する場合を示す。デバイスはそれぞれ、他の各デバイスのアクセスデータに対して
図5に示すデータアクセス方式(任意選択の仲介者((複数可)610として示す)を用いることができる。
【0079】
以下、訓練ストラテジーに関していくつかの例を挙げる。初期化において、初期化ラベリング期間を用いて分類モデルの動作を開始させることができる。これにより、様々な許可レベルに応じてアクセス群を生成するために、定義されたラベルを用いることができるようになる。デバイスが、共有可能な一部のデータにアクセスできるようになると、これらのデバイスは、アクセス制御モデルの向上等の学習タスクについて連携を開始することができる。
【0080】
さらに、連続的な向上を対象とすることができる。以下の3つメカニズムのうちの1つ又は複数を用いてデバイス間の知識共有を通じて共同で作業することができる。例えば、ラベル共有を実行可能である。デバイスが、予期されたクラスにアクセスする許可を得ている場合、これらのデバイスは、信用度の低いデバイス(特に、新規のデバイスに対するオンボーディングに用いられる)にそれらのラベルを共有することができる。例えば、プライバシー保護同意メカニズムを採用することができる。係るメカニズムでは、デバイスは、個々のラベルを共有することなく、共同してラベルを決定することができる。例えば、キュレーションされたデータ共有を用いることができる。或るデバイスが、プライベートデータにフラグを設定するモデルを学習すると、当該デバイスは、そのモデルを用いて、ローデータからその情報を削除してキュレーションされたデータを共有することができる。例えば、或るデバイスが或る個人についての画像にアクセス可能であるが、当該個人が或る画像に映っている場合にアクセスが他のデバイスに限定されている場合、当該デバイスは、このフィルタの質を向上させるために画像のラベリングに参加することができる。
【0081】
安全性に関して、準ローカルな投票システムでは、或るデバイスは、その投票の質とそのモデルの成熟度とに不一致が見られる場合、破損したものとしてフラグが設定され得る。モデルの成熟度は、コンセンサスレベルにおいて様々な方法で推定することができる。データ消費者は、当該データ消費者が高いモデル成熟度を有していると想定し、データ消費者の信用度に依存することで同様に評価されることができる。一般的に、データにアクセス可能なユーザは、分類モデルにアクセスする許可を得たユーザを意味しない。これは、私的な情報は依然として、当該ユーザがアクセスできないモデルに埋め込むことが可能であるためである。
【0082】
エッジにおける共同機械学習の概念のさらなる詳細及び態様が、上述又は後述の提案の概念又は1つ又は複数の例(例えば、
図1a~
図3)と併せて記載される。エッジにおける共同機械学習の概念は、提案の概念の1つ又は複数の態様に対応する1つ又は複数の追加の任意選択の特徴、又は上述又は後述の1つ又は複数の例を含み得る。
【0083】
以下、提案の概念のいくつかの例を提示する。
(1)データにアクセスするためのクエリハンドラデバイス(10)であって、
要求デバイス(5)及び複数のデータ提供デバイス(20)と通信するように構成される少なくとも1つのインタフェース(12)と、
前記要求デバイスからデータ要求を取得し、
前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定し、
前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する
ように構成される処理回路(14)と
を具備する
クエリハンドラデバイス。
(2)(1)に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記要求は、分類結果の参照を含み、要求される前記データは、前記分類結果に関する機械学習に関連する
クエリハンドラデバイス。
(3)(2)に記載のクエリハンドラデバイスであって、
要求される前記データは、分類される物体、人物、イベント、シーン、活動、及び行動のうちの少なくとも1つのセンサデータ又はセンサデータを抽象化したものであり、且つ/又は、要求される前記データは、機械学習に関連するデータであり、且つ/又は、要求される前記データは、分類に関連するデータのうちの少なくとも1つである
クエリハンドラデバイス。
(4)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記要求デバイスから認証情報を取得し、前記認証情報に基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成される
クエリハンドラデバイス。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記要求デバイスから前記要求デバイスのデータ処理ポリシーの情報を取得し、前記要求デバイスの前記データ処理ポリシーに基づいて前記要求デバイスの前記アクセスポリシーを判定するように構成される
クエリハンドラデバイス。
(6)(1)から(5)のうちいずれか1つに記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、前記アクセスポリシーについて前記要求デバイスとネゴシエートするように構成される
クエリハンドラデバイス。
(7)(1)から(6)のうちいずれか1つに記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記処理回路は、要求デバイスからの要求にレート制限を課すように構成される
クエリハンドラデバイス。
(8)(7)に記載のクエリハンドラデバイスであって、
前記レート制限は、所定の時間間隔において前記要求デバイス毎の要求回数に基づく、又は、あり得る分類のインデックスに対する前記要求デバイス毎の前記要求の範囲を指す
クエリハンドラデバイス。
(9)(1)から(8)のうちいずれか1つに記載のクエリハンドラデバイス(10)と複数のデータ提供デバイス(20)とを具備するシステムであって、前記データ提供デバイスはそれぞれ、
前記クエリハンドラデバイス(10)及び前記要求デバイス(5)と通信するための少なくとも1つのインタフェース(22)と、
前記要求デバイスのアクセスポリシーの情報と共に送信された要求を取得し、
要求されたデータが前記データ提供デバイスにおいて利用可能であり、且つ前記アクセスポリシーに従って提供可能である場合、前記データを前記要求デバイスに提供する
ように構成される処理回路(24)と
を具備する
システム。
(10)(9)に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスを介さずに前記データを前記要求デバイスに提供するように構成される
システム。
(11)(9)又は(10)に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数のデータソースデバイス(30)と通信するのにさらに適しており、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記1つ又は複数のデータソースデバイスから前記データを取得するように構成される
システム。
(12)(11)に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを暗号形態で取得するように構成される
システム。
(13)(12)に記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを前記要求デバイスに提供する前に前記データを復号化又は再暗号化するように構成される
システム。
(14)(11)から(13)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データを前記要求デバイスに提供する前に前記データを変換するように構成される
システム。
(15)(11)から(14)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに対する分類結果の情報と共に前記データを取得するように構成され、前記要求は、前記分類結果の参照を含み、前記データ提供デバイスの前記処理回路は、前記データに含まれる前記分類結果の前記情報と前記要求に含まれる前記分類結果の情報の照合に基づいて、前記データを提供するように構成される
システム。
(16)(11)から(15)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
複数のデータソースデバイス(30)
をさらに具備し、
前記データソースデバイスはそれぞれ、
前記複数のデータ提供デバイスのうちの少なくとも1つのデータ提供デバイスと通信するための少なくとも1つのインタフェース(32)と、
前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成される処理回路(34)と
を有する
システム。
(17)(16)に記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、機械学習モデルを用いて前記データを処理し、前記機械学習モデルの出力に基づいて前記データの分類を判定し、前記分類の情報と共に前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供するように構成される
システム。
(18)(17)に記載のシステムであって、
前記分類は、前記データにおいて表現される物体、人物、イベント、シーン、活動及び行動のうちの少なくとも1つに関し、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、1つ又は複数の他のデータソースデバイスと通信するのにさらに適しており、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記物体、前記人物、前記イベント、前記シーン、前記活動又は前記行動の前記分類についてプライバシー保護連携メカニズムを用いて前記1つ又は複数の他のデータソースデバイスと連携するように構成される
システム。
(19)(18)に記載のシステムであって、
前記プライバシー保護連携メカニズムは、準同型暗号、ランダムノイズ付加及びマルチパーティ計算のうちの少なくとも1つに基づく
システム。
(20)(18)又は(19)に記載のシステムであって、
前記プライバシー保護連携メカニズムは、プライバシー保護投票メカニズムである
システム。
(21)(16)から(20)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記クエリハンドラデバイスにさらなるデータを要求し、前記さらなるデータに基づいて前記機械学習モデルを訓練するように構成される
システム。
(22)(16)から(21)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データを前記少なくとも1つのデータ提供デバイスに提供する前に前記データを暗号化するように構成される
システム。
(23)(16)から(22)のうちいずれか1つに記載のシステムであって、
前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのインタフェースは、前記データソースデバイスの少なくとも1つのセンサ(38)と通信するのにさらに適しており、前記データソースデバイスの前記処理回路は、前記データソースデバイスの前記少なくとも1つのセンサのセンサデータに基づいて前記データを判定するように構成される
システム。
(24) データにアクセスするためのクエリハンドラ方法であって、
前記要求デバイスからデータ要求を取得し(110)、
前記要求デバイスのアクセスポリシーを判定し(120)、
前記アクセスポリシーの情報と共に前記要求を前記複数のデータ提供デバイスへ送信し(130)、前記アクセスポリシーに従って前記要求デバイスに前記データを提供するように前記複数のデータ提供デバイスに対して指示する
クエリハンドラ方法。
(25)コンピュータ、プロセッサ、又はプログラム可能なハードウェアコンポーネント上で実行されると、(24)に記載のクエリハンドラ方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【0084】
上述の例の特定の1つに関連して説明した態様及び特徴は、さらなる例の1つ又は複数と組み合わせて、そのさらなる例の同一又は類似の特徴を置き換えるか、又は特徴をさらなる例に追加的に導入することもできる。
【0085】
本例は、さらに、プログラムがコンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラマブルハードウェア構成要素上で実行されると、上記方法のうちの1つ又は複数を実行するプログラムコードを有する(コンピュータ)プログラムであり得るか、又は当該プログラムに関連し得る。したがって、上記方法のうちの異なる方法のステップ、動作、又はプロセスは、プログラムされたコンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラム可能なハードウェア構成要素によって実行されてもよい。本例はまた、機械、プロセッサ、又はコンピュータ可読及び符号化である、及び/又は機械実行可能、プロセッサ実行可能、又はコンピュータ実行可能プログラム及び命令を含む、デジタルデータ記憶媒体等のプログラム記憶装置を包含し得る。プログラム記憶装置は、例えば、デジタル記憶デバイス、磁気ディスク及び磁気テープ等の磁気記憶媒体、ハードディスクドライブ、又は光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体を含むか、又はそれらであってもよい。他の例はまた、コンピュータ、プロセッサ、制御ユニット、(フィールド)プログラマブルロジックアレイ((F)PLA)、(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)、グラフィックスプロセッサユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ニューロモルフィックプロセッサ、集積回路(IC)、又は上記方法のステップを実行するようにプログラムされたシステムオンチップ(SoC)を含み得る。
【0086】
本明細書又は特許請求の範囲に開示されるいくつかのステップ、プロセス、動作、又は機能の開示は、個々の場合に明示的に記載されない限り、又は技術上必要でない限り、これらの動作が必ずしも記載された順序に依存することを暗示すると解釈されるべきではない。したがって、上記説明は、いくつかのステップ又は機能の実行を特定の順序に限定しない。さらに、さらなる例では、単一のステップ、機能、プロセス、又は動作は、いくつかのサブステップ、機能、プロセス、又は動作を含み、且つ/又はそれらに分割され得る。
【0087】
いくつかの態様がデバイス又はシステムに関して説明されている場合、これらの態様は、対応の方法の説明としても理解されるべきである。例えば、装置又はシステムのブロック、装置、又は機能的態様は、対応の方法の方法ステップ等の特徴に対応し得る。したがって、方式に関連して説明される態様は、対応のブロック、対応の素子、対応の装置又は対応のシステムの特性又は機能的特徴の説明としても理解されたい。
【0088】
以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の例として単独で存在し得る。また、請求項において、従属請求項は、1つ以上の他の請求項との特定の組み合わせに言及しているが、他の例は、従属請求項と、任意の他の従属又は独立請求項の主題との組み合わせも含み得ることに留意されたい。このような組み合わせは、個々の場合において特定の組み合わせが意図されていないことが述べられていない限り、明示的に提示される。さらに、請求項の特徴は、その請求項が他の独立請求項に従属するものとして直接定義されていない場合であっても、他の独立請求項にも含まれるべきである。