(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135661
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】表面実装技術(SMT)のための分析システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20230921BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230921BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20230921BHJP
G06N 3/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
G06N20/00
G06N3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023041184
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】17/695,719
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523095945
【氏名又は名称】クラリトリクス・インコーポレイテッド・ディー・ビー・エー・ブディ・エーアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラム・スワミナサン
(72)【発明者】
【氏名】ハリナス・クリシュナムールティ
(72)【発明者】
【氏名】モハメド・シャラファス
(72)【発明者】
【氏名】プラヴィーン・クマール・スレシュ
(72)【発明者】
【氏名】スリラム・ラジクマール
(72)【発明者】
【氏名】スダルスン・サンティアッパン
【テーマコード(参考)】
3C100
5E353
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA58
3C100AA70
3C100BB13
3C100BB27
3C100CC02
3C100EE07
5E353AA01
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC13
5E353CC14
5E353CC21
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5E353CC30
5E353EE41
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5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ01
5E353QQ08
5E353QQ23
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】表面実装技術(SMT)のための方法、装置、およびコンピュータ可読媒体を提供すること。
【解決手段】本システムは、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合するように構成されるデータ統合(DI)プラットフォーム、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、照合されたデータを処理して、組立ラインに存在する1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するように構成される人工知能(AI)プラットフォームを備える。本システムは、組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカをシミュレートし、視覚表現を提供し、組立ライン内の1人または複数のオペレータが少なくとも1つの措置を取れるようにし、組立ライン内の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号としてAIプラットフォームに提供して、上記システムの予測速度を改善するように構成されるデジタルツインシミュレーション(DTS)プラットフォームを更に開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装技術(SMT)のための分析システムであって、
組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合するように構成されるデータ統合(DI)プラットフォームであって、種々の形式の前記1つまたは複数のユニットからのデータを受信および照合し、前記照合されたデータを記憶するように構成される、DIプラットフォームと、
前記DIプラットフォームに動作的に結合される人工知能(AI)プラットフォームであり、前記DIプラットフォームから前記照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、前記照合されたデータを処理して、前記組立ラインに存在する前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するように構成される、AIプラットフォームと、
前記AIプラットフォームおよび前記DIプラットフォームに動作的に結合されるデジタルツインシミュレーション(DTS)プラットフォームであって、
前記組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートし、
前記シミュレートされたレプリカ上に、前記組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、前記AIプラットフォームによって生成された前記予測および予防分析の視覚表現を提供し、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータが、前記生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにし、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータによって取られた前記少なくとも1つの措置をフィードバック信号としてAIプラットフォームに提供して、前記システムの予測速度を改善するように構成される、DTSプラットフォームと、
前記AIプラットフォームおよび前記DTSプラットフォームに動作的に結合される通知プラットフォームであって、前記AIプラットフォームが前記1人または複数のオペレータと前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を共有できるようにする、通知プラットフォームとを備える、分析システム。
【請求項2】
前記DIプラットフォームが、
一定期間にわたる種々の組立ラインにわたる1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、
前記AIプラットフォームを訓練するために、データレイクに古い処理したデータをアーカイブし、
前記AIプラットフォームがリアルタイムで前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を提供できるようにするために、前記データレイク内のスケーラブルNOSQLデータストアにリアルタイムデータを記憶し、
オフラインモードの間にバッチローディング手法を使用して前記AIプラットフォームを事前訓練し、前記バッチローディング手法が、前記データレイクにアーカイブした古いデータを検索すること、および前記データ上で前記AIプラットフォームを訓練することを含み、
オンラインモードの間に前記NOSQLデータストアに記憶した前記リアルタイムデータを使用して前記AIプラットフォームを訓練するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記AIプラットフォームが、
ニューラルネットワークを備え、該ニューラルネットワークが、
1つまたは複数の分析モジュールと組み合わせて、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットからの、前記照合されたデータを処理するように構成される1つまたは複数の処理ユニットを備え、前記分析モジュールが、
前記照合されたデータを処理して、前記1人または複数のオペレータにグラフおよび表を通じて複数の重要業績評価指標(KPI)を提示することによって、前記1人または複数のオペレータが所定の時間間隔の間、前記組立ラインの前記種々のユニットの様々な態様の概観を得ることを可能にするように構成され、前記重要業績評価指標が、前記組立ラインから出てくる製品の計数、前記製品の不良率、生産速度、タクトタイム、総合ユニット効率、およびダウンタイムのうちの少なくとも1つを含む、記述分析モジュールと、
前記処理されたデータを分析して、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの損傷の1つまたは複数の原因を提供するように構成される診断分析モジュールと、
前記生成された予測および予防分析の傾向を連続的に監視するように、ならびに前記1人または複数のオペレータに視覚的直観を提供するように構成される状態監視モジュールと、
機械学習を使用して、前記生成された予測および予防分析を前記データレイクに存在する前記データとマッピングすることによって、前もって前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの故障を予測するように構成される予測分析モジュールと、
機械学習を使用して、前記故障を軽減する1つまたは複数の考え得る解決策を勧告するように構成される処方分析モジュールとから成る、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記AIプラットフォームが、データ取得管理、照合データの種類に基づく機械学習モデルの選択の自動化、選択した機械学習モデルの展開、およびモデル性能の連続監視のうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
次の段階での機能エラーを予測するために、はんだペースト検査(SPI)ユニット、配置ユニット、プレリフローAOIユニット、ポストリフローAOIユニットのうちの少なくとも1つからのデータを照合して、それによって前記1人または複数のオペレータが前記エラーの原因を分析し、様々な要因により発生するエラーとしてのダウンタイムを防止できるように効率を改善することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記DIプラットフォームが、種々の製造業者からの、前記組立ライン内の機械と前記DIプラットフォームとの間の相互作用のためのゲートウェイを提供するデータアダプタを含み、前記データアダプタは、種々の形式の全ての機械からのデータをシームレスに照合し、全ての種々のデータ形式を統一形式に変換するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
表面実装技術(SMT)のための分析方法であって、
種々の形式の、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、前記照合されたデータを記憶するステップと、
前記照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、前記照合されたデータを処理するステップと、
前記処理に応答して、前記組立ラインに存在する前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するステップと、
前記組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートするステップと、
前記シミュレートされたレプリカ上に、前記組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、このように生成された前記予測および予防分析の視覚表現を提供するステップと、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータが、前記生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにするステップと、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータによって取られた前記少なくとも1つの措置をフィードバック信号として提供して、システムの予測速度を改善するステップと、
前記1人または複数のオペレータに、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を受けさせるステップとを含む、分析方法。
【請求項8】
一定期間にわたる種々の組立ラインにわたる1つまたは複数のユニットからのデータを照合するステップと、
AIプラットフォームを訓練するために、データレイクに古い処理したデータをアーカイブするステップと、
リアルタイムで前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を提供するために、前記データレイク内のスケーラブルNOSQLデータストアにリアルタイムデータを記憶するステップと、
オフラインモードの間にバッチローディング手法を使用して前記AIプラットフォームを事前訓練するステップであって、前記バッチローディング手法が、前記データレイクからアーカイブした古いデータを検索すること、および前記データ上で前記AIプラットフォームを訓練することを含む、ステップと、
オンラインモードの間に前記NOSQLデータストアに記憶した前記リアルタイムデータを使用して前記AIプラットフォームを訓練するステップとを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記照合されたデータを処理して、前記1人または複数のオペレータにグラフおよび表を通じて複数の重要業績評価指標(KPI)を提示することによって、前記1人または複数のオペレータが所定の時間間隔の間、前記組立ラインの前記種々のユニットの様々な態様の概観を得ることを可能にするステップであって、前記重要業績評価指標が、前記組立ラインから出てくる製品の計数、前記製品の不良率、生産速度、タクトタイム、総合ユニット効率、およびダウンタイムのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記処理したデータを分析して、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの損傷の1つまたは複数の原因を提供するステップと、
前記生成された予測および予防分析の傾向を連続的に監視し、前記1人または複数のオペレータに視覚的直観を提供するステップと、
機械学習を使用して、前記生成された予測および予防分析を前記データレイクに存在する前記データとマッピングすることによって、前もって前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの故障を予測するステップと、
機械学習を使用して、前記故障を軽減する1つまたは複数の考え得る解決策を勧告するステップとを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
データ取得を管理すること、照合データの種類に基づいて機械学習モデルの選択を自動化すること、選択した機械学習モデルを展開すること、およびモデル性能の連続監視をすることのうちの少なくとも1つを行うステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
はんだペースト検査(SPI)ユニット、配置ユニット、プレリフローAOIユニット、ポストリフローユニットのうちの少なくとも1つからのデータを照合して、次の段階での機能エラーを予測し、それによって前記1人または複数のオペレータが前記エラーの原因を分析し、様々な要因により発生するエラーとしてのダウンタイムを防止できるように効率を改善するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
種々の製造業者からの、前記組立ライン内の機械とDIプラットフォームとの間の相互作用のためのゲートウェイを提供して、種々の形式の全ての機械からのデータをシームレスに照合するステップと、
全ての種々のデータ形式を統一形式に変換するステップとを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記1つまたは複数の命令が、
種々の形式の、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、前記照合されたデータを記憶するための1つまたは複数の命令と、
前記照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、前記照合されたデータを処理するための1つまたは複数の命令と、
前記処理に応答して、前記組立ラインに存在する前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するための1つまたは複数の命令と、
前記組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートするための1つまたは複数の命令と、
前記シミュレートされたレプリカ上に、前記組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、このように生成された前記予測および予防分析の視覚表現を提供するための1つまたは複数の命令と、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータが、前記生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにするための1つまたは複数の命令と、
前記組立ライン内の前記1人または複数のオペレータによって取られた前記少なくとも1つの措置をフィードバック信号として提供して、システムの予測速度を改善するための1つまたは複数の命令と、
前記1人または複数のオペレータに、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を受けさせるための1つまたは複数の命令とを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1つまたは複数の命令が、
一定期間にわたる種々の組立ラインにわたる1つまたは複数のユニットからのデータを照合するための1つまたは複数の命令と、
AIプラットフォームを訓練するために、データレイクに古い処理したデータをアーカイブするための1つまたは複数の命令と、
リアルタイムで前記1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を提供するために、前記データレイク内のスケーラブルNOSQLデータストアにリアルタイムデータを記憶するための1つまたは複数の命令と、
オフラインモードの間にバッチローディング手法を使用して前記AIプラットフォームを事前訓練するための1つまたは複数の命令であって、前記バッチローディング手法が、前記データレイクからアーカイブした古いデータを検索すること、および前記データ上で前記AIプラットフォームを訓練することを含む、1つまたは複数の命令と、
オンラインモードの間に前記NOSQLデータストアに記憶した前記リアルタイムデータを使用して前記AIプラットフォームを訓練するための1つまたは複数の命令とを更に含む、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1つまたは複数の命令が、
前記照合されたデータを処理して、前記1人または複数のオペレータにグラフおよび表を通じて複数の重要業績評価指標(KPI)を提示することによって、前記1人または複数のオペレータが所定の時間間隔の間、前記組立ラインの前記種々のユニットの様々な態様の概観を得ることを可能にするための1つまたは複数の命令であって、前記重要業績評価指標が、前記組立ラインから出てくる製品の計数、前記製品の不良率、生産速度、タクトタイム、総合ユニット効率、およびダウンタイムのうちの少なくとも1つを含む、1つまたは複数の命令と、
前記処理したデータを分析して、前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの損傷の1つまたは複数の原因を提供するための1つまたは複数の命令と、
前記生成された予測および予防分析の傾向を連続的に監視し、前記1人または複数のオペレータに視覚的直観を提供するための1つまたは複数の命令と、
機械学習を使用して、前記生成された予測および予防分析を前記データレイクに存在する前記データとマッピングすることによって、前もって前記組立ライン内の前記1つまたは複数のユニットの故障を予測するための1つまたは複数の命令と、
機械学習を使用して、前記故障を軽減する1つまたは複数の考え得る解決策を勧告するための1つまたは複数の命令とを更に含む、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、表面実装技術(SMT)の分野に関する。詳細には、本開示は、SMT製造組立ラインにおいて、事前にエラーを予測し、そのようなエラーを回避するために予防保全を行うための知的システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装技術(SMT)製造は、家庭、産業および戦略用途のための電子機器のいずれの大規模生産にとって根幹と考えられる。SMT製造は、主として、幾つかの自動機械を持つ組立ラインとして実装される自動プロセスである。そのため、ダウンタイムを回避し、修理を最小限に抑え、かつ生産性を上げるために、製造プロセスにおいて機械保全が非常に重要な部分になる。
【0003】
過去数十年で、歩留まりを上げ、かつ材料および労力の浪費を最小限に抑えるために幾つかの最適保全実務が開発された。主に、保全実務は、2つのバケット(i)事後保全および(ii)予防保全に分類できる。事後保全は、損傷または故障の後にだけなされる費用がかかる手順であり、そのためそのようなプロセスは、ダウンタイムまたは修理を最小限に抑えるのにも生産性を上げるのにも役立たない。一方で予防保全は、定期的になされるプロセスである。しかしながら、予防保全プロセスでは、保全の期間は、最適であるとは限らない個人の経験に基づいて決定される。
【0004】
工業規格4.0の出現とともに、産業界は、予防保全プロセスに向けて動いている。しかしながら、既存の予防保全プロセスは、それら自体の課題を有する。例えば、既存の技術に使用される従来の統計的プロセス制御は、高歩留まり設定においては効果的でない。更に、従来のシステムは、種々の場所に散在するデータの根底にあるパターンを理解するためにデータサイエンス手法を利用する。その上、それらは、機械が予防保全を必要とするか否かを分析するために、回数、不良率、速度等などの重要なKPIを考慮に入れていない。
【0005】
そのため、当該技術において、事前にSMT製造組立ラインにおけるいかなるエラーも予測できるだけでなく、SMT製造組立ラインのいかなる故障/損傷も回避するために予防保全を行うこともでき、かつ工業規格4.0と適合する、知的予測および予防システムおよび方法の必要性が存在する。
【0006】
この背景技術の項に開示される情報は、単に本発明の一般的背景の理解の向上のためであり、この情報が当業者に既知の先行技術を形成するという承認またはいかなる形態の示唆としてとられるべきでない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示によって、上記した1つまたは複数の欠点が克服され、かつ追加の利点が提供される。本開示の手法を通じて追加の特徴および利点が実現される。本開示の他の実施形態および態様が本明細書に詳細に記載され、本開示の一部と考えられる。
【0008】
本開示の1つの目的は、事前にSMT製造組立ラインにおけるエラーを予測することである。
【0009】
本開示の別の目的は、予測したエラーに鑑みて組立ライン内の様々な機械の予防保全を行い、起こり得る故障/損傷からSMT製造組立ラインを回避させることである。
【0010】
本開示の別の目的は、工業規格4.0と適合する、知的予測および予防システムを提供することである。
【0011】
本開示の上記の目的、ならびに他の目的、特徴および利点は、以下の説明、添付の図面、および添付の特許請求の範囲を検討すれば当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様によれば、SMT製造組立ラインにおいて、事前にエラーを予測し、そのようなエラーを回避するために予防保全を行うための、方法、装置、およびコンピュータ可読媒体が提供される。
【0013】
本開示の非限定的な実施形態において、本出願は、表面実装技術(SMT)のための分析システムを開示する。本分析システムは、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合するように構成されるデータ統合(DI)プラットフォームを備える。DIプラットフォームは、種々の形式の1つまたは複数のユニットからのデータを受信および照合し、上記照合されたデータを記憶するように構成される。本分析システムは、DIプラットフォームに動作的に結合される人工知能(AI)プラットフォームを更に備える。上記AIプラットフォームは、DIプラットフォームから照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、照合されたデータを処理して、組立ラインに存在する1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するように構成される。本分析システムは、AIプラットフォームおよびDIプラットフォームに動作的に結合されるデジタルツインシミュレーション(DTS)プラットフォームを追加して含む。上記DTSプラットフォームは、組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートし、シミュレートされたレプリカ上に、組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、AIプラットフォームによって生成された予測および予防分析の視覚表現を提供するように構成される。更に、DTSプラットフォームは、組立ライン内の1人または複数のオペレータが、生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにし、組立ライン内の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号としてAIプラットフォームに提供して、上記システムの予測速度を改善するように構成される。本分析システムは、AIプラットフォームおよびDTSプラットフォームに動作的に結合される通知プラットフォームを更に含んでよく、上記通知プラットフォームは、AIプラットフォームが1人または複数のオペレータと組立ライン内の1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を共有できるようにする。
【0014】
本開示の別の非限定的な実施形態において、本出願は、表面実装技術(SMT)のための分析方法を開示する。本方法は、種々の形式の、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、上記照合されたデータを記憶するステップと、照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、上記照合されたデータを処理するステップとを含む。上記方法は、上記処理に応答して、組立ラインに存在する1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するステップと、組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートするステップとを更に含む。本方法は、シミュレートされたレプリカ上に、組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、このように生成された予測および予防分析の視覚表現を提供するステップと、組立ライン内の1人または複数のオペレータが、生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにするステップとを更に含んでよい。本方法は、組立ライン内の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号として提供して、上記システムの予測速度を改善するステップと、1人または複数のオペレータに組立ライン内の1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を受けさせるステップとを更に開示する。
【0015】
本開示の別の非限定的な実施形態において、本出願は、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体を開示する。1つまたは複数の命令は、種々の形式の、組立ライン内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、上記照合されたデータを記憶するための1つまたは複数の命令を含んでよい。1つまたは複数の命令は、照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、上記照合されたデータを処理するための1つまたは複数の命令を更に含んでよい。1つまたは複数の命令は、上記処理に応答して、組立ラインに存在する1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成するための、ならびに組立ラインに存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートするための1つまたは複数の命令を更に含んでよい。1つまたは複数の命令は、シミュレートされたレプリカ上に、組立ライン内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、このように生成された予測および予防分析の視覚表現を提供するための、ならびに組立ライン内の1人または複数のオペレータが、生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにするための1つまたは複数の命令を更に含んでよい。1つまたは複数の命令は、組立ライン内の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号として提供して、上記システムの予測速度を改善するための、ならびに1人または複数のオペレータに組立ライン内の1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を受けさせるための1つまたは複数の命令を更に含んでよい。
【0016】
上記の概要は単に例示的であり、決して限定的であるとは意図されない。上記した例示的な態様、実施形態および特徴に加えて、図面および以下の詳細な説明を参照することによって更なる態様、実施形態および特徴が明らかになるであろう。
【0017】
本開示の更なる態様および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。参照数字は、同一または機能的に同様の要素を指すために使用された。以下の詳細な説明と共に図は、本明細書に組み込まれてその一部を形成し、かつ本開示による実施形態を更に例示して様々な原理および利点を説明する役割をする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一部の実施形態による、表面実装技術(SMT)製造のための分析システムを動作させるための例証的な環境100を示す図である。
【
図2】本開示の一部の実施形態による、
図1に例示される組立ライン104(a)のうちの1つと相互作用するデータ統合プラットフォーム110を示すブロック
図200である。
【
図3】本開示の一部の実施形態による、AIプラットフォーム114を示すブロック
図300である。
【
図4】本開示の一部の実施形態による、オペレータシステム108(a)上に生成および提示される組立ライン104(a)のシミュレートされたレプリカの詳細な表現400を示す図である。
【
図5】本開示の一部の実施形態による、組立ライン104(a)内のSPI機/ユニットに対する次の予防保全を分析システム102によって予測するための詳細なプロセスフロー
図500である。
【
図6】本開示の一部の実施形態による、組立ライン104(a)内のSPI機/ユニットにおけるはんだパッド不良を分析システム102によって予測する詳細なプロセスフロー
図600表現を示す図である。
【
図7】本開示の一部の実施形態による、SPIにおいて利用可能なデータを使用してSPI段における配置、プレリフロー、ポストリフローおよび機能エラーのエラーを分析システム102によって予測することを表す詳細なプロセスフロー
図700である。
【
図8】本開示の一部の実施形態による、SMT製造組立ラインにおいて、事前にエラーを予測し、そのようなエラーを回避するために予防保全を行うための方法を例示するフローチャート800である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書におけるいずれのブロック図も本開示の原理を具現化する例示的なシステムの概念図を表すことが当業者によって認識されるべきである。同様に、いずれのフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード等も、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、かつ、コンピュータまたはプロセッサが明示的に図示されるか否かに関わらず、そのようなコンピュータまたはプロセッサによって実行され得る、様々なプロセスを表すことが認識されるであろう。
【0020】
本書において、単語「例証的」は、「一例、事例または例示としての役割をする」を意味するために本明細書において使用される。「例証的」として本明細書に記載される本開示のいずれの実施形態または実装例も、必ずしも他の実施形態より好ましいまたは有利であるとして解釈されるものではない。
【0021】
本開示は様々な変形例および代替形態の余地があるが、その具体的な実施形態が例として図面に図示されており、以下に詳細に記載される。しかしながら、それは、本開示を開示される特定の形態に限定するとは意図されず、逆に本開示は、本開示の趣旨および範囲内に収まる全ての変形例、均等例および代替例を包含することが理解されるべきである。
【0022】
用語「comprise(s)(備える)」、「comprising(備えている)」、「include(s)(含む)」、またはその任意の他の変化形は、一連の部品またはステップを含む構成、デバイス、装置、システムまたは方法がそれらの部品またはステップだけを含むのではなく、明示的に列記されない、またはそのような構成もしくはデバイスもしくは装置もしくはシステムもしくは方法に固有の、他の部品またはステップを含み得るように、非排他的包括を包含すると意図される。言い換えれば、「comprises...a」に続くデバイスまたはシステムまたは装置における1つまたは複数の要素は、更なる制約なしで、システムにおける他の要素または追加の要素の存在を排除しない。
【0023】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、かつ本開示が実施され得る具体的な実施形態が例示として図示される、添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分に詳細に記載され、そして他の実施形態が活用され得ること、および本開示の範囲から逸脱することなく変更がなされ得ることが理解されるはずである。以下の説明は、したがって、限定的な意味にとられるものではない。以下の説明では、周知の機能または構造は、それらが不必要に詳細に説明を不明瞭にし得るので詳細には記載されない。
【0024】
「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」のような用語は、説明を通して互換的に使用されてよい。「複数の」および「複数」のような用語は、説明を通して互換的に使用されてよい。更に、「SMT製造組立ライン」および「SMT組立ライン」および「組立ライン」のような用語は、説明を通して互換的に使用されてよい。更に、「AIベースの分析システム」および「分析システム」のような用語は、説明を通して互換的に使用されてよい。
【0025】
本開示は、予測保全(PdM)を使用して予定外のダウンタイムを回避するためにインダストリー4.0標準を採用する人工知能(AI)ベースの分析システムを提案する。本開示に開示される予測保全(PdM)手法は、SMT製造組立ラインにおいていつ故障が発生し得るかをリアルタイムで予測する。更に、本開示に開示される予測保全(PdM)手法は、そのような故障が発生し得る前に保全を行うことによって故障の発生を防止する。正確には、本開示に開示される予測保全手法は、予防保全をすることと関連付けられた費用を招くことなく、計画外の事後保全を防止するために保全頻度が可能な限り低くなるようにする。更に、上記AIベースの分析システムは、様々なデータ形式にわたって高い相互運用性のベンダ非依存プラットフォームを提供し、かつ水平データ統合を提供する。
【0026】
ここで
図1を参照すると、
図1は環境100を例示しており、少なくとも1つのネットワーク106を介して複数のSMT製造組立ライン104(a)~104(n)に動作的に接続される、AIベースの分析システム102を開示する。例証的な一実施形態において、分析システム102は、複数のSMT製造組立ライン104(a)~104(n)からの1つまたは複数のユニットからのデータを分析のために照合する(本開示の以降の段落で詳細に述べる)ようにこれらの組立ライン104(a)~104(n)に動作的に接続されていてよい。追加して、分析システム102は、少なくとも1つのネットワーク106を介して複数のオペレータシステム108(a)~108(n)に動作的に接続されていてよい。例証的な一実施形態において、分析システム102は、複数の組立ライン104(a)~104(n)のユニットのいずれかにおけるいかなる来るべきエラーに関して、複数のオペレータシステム108(a)~108(n)に警告を提供し、いかなるそのようなエラーも修正し、かつ複数のSMT製造組立ライン104(a)~104(n)のいずれかの故障/停止を回避する予防対策を提供するために複数のオペレータシステム108(a)~108(n)に動作的に接続されていてよい。
【0027】
ネットワーク106は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)等などであるが、これらに限定されない、データネットワークから成ってよい。幾つかの実施形態において、ネットワーク106は、セルラネットワークなどであるが、これに限定されない、無線ネットワークを含んでよく、かつグローバルエボリューションのための拡張データレート(EDGE)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)等を含む様々な技術を利用してよい。1つの実施形態において、ネットワーク106は、ネットワークまたはサブネットワークを含んでまたは他の方法で包含してよく、その各々は、例えば、有線または無線データ経路を含んでよい。
【0028】
非限定的な実施形態において、複数の組立ライン104(a)~104(n)の1つまたは複数の機械/ユニットによって生成されるデータは、時間とともに機械/ユニット挙動を理解するために非常に重要である。概して、データは、温度、湿度、振動、磁場および光学センサなどの物理パラメータを捕捉するための関連センサから生成される。しかしながら、複数の組立ライン104(a)~104(n)の多くの現代の検査機/ユニットは、組立ライン内のプロセスおよび製品についての情報のトーンを搬送する検査ビューポートから画像、オーディオおよびビデオデータを生成する。
【0029】
図1に図示されるように、分析システム102は、複数の組立ライン104(a)~104(n)の1つまたは複数のユニットからのそのようなデータを照合するように構成されるデータ統合(DI)プラットフォーム110を含んでよい。例証的な実施形態において、DIプラットフォーム110は、種々の形式の複数の組立ライン104(a)~104(n)の1つまたは複数のユニットからのデータを検索および照合し、上記照合されたデータを記憶するように構成されてよい。基本的な一実施形態において、DIプラットフォーム110は、一定期間にわたる種々の組立ライン104(a)~104(n)にわたる1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、IIOTベースのデータレイク112内に古い、処理されたデータをアーカイブするように構成されてよい。更に、DIプラットフォーム110は、産業用モノのインターネット(IIOT)ベースのデータレイク112内のスケーラブルNOSQLデータストアにリアルタイムデータを記憶して、分析システム102がリアルタイムで1つまたは複数の機械/ユニットに対する予測および予防分析を提供できるようにするために構成されてよい。例証的な実施形態において、DIプラットフォーム110は、組立ライン104(a)~104(n)の様々な機械/ユニットとDIプラットフォーム110との間のインタフェースを暗号化させて、それによってシステム102のデータセキュリティを上げる産業用モノのインターネット(IIOT)ベースのプラットフォームである。
【0030】
当業者は、複数の組立ライン104(a)~104(n)内の1つまたは複数のユニットが、
図2に図示されるように、はんだペースト検査(SPI)機/ユニット、配置機/ユニット、プレリフローAOIユニットおよびポストリフローAOIユニットならびにICテストユニットおよび機能テストユニットを含んでよいが、これらに限定されないことを認識するであろう。
【0031】
なお、上記の実施形態から、分析システム102が一度に1つまたは複数の組立ラインと併せて機能するように構成され得ることが明らかである。しかしながら、明瞭さおよび理解のために、本開示の以降の段落は、分析システム102が単に1つの組立ライン104(a)と併せて機能する実施形態を使用して説明される。しかしながら、そのことは、決して限定的であると考えられるものではない。
【0032】
図2と併せて
図1を見ると、
図2は、本開示の一部の実施形態による、組立ライン104(a)の様々なユニットと相互作用するDIプラットフォーム110をブロック
図200として開示する。本開示の一実施形態によれば、DIプラットフォーム110は、データアダプタ202、メモリ204および少なくとも1つのプロセッサ206を備えてよい。データアダプタ202は、種々の製造業者からの、組立ライン104(a)内の、様々な機械/ユニットとDIプラットフォーム110との間の相互作用のためのゲートウェイとして機能する。特に、データアダプタ202は、種々の形式の、組立ライン104(a)内の1つまたは複数の機械/ユニット(はんだペースト検査(SPI)機/ユニット、配置機/ユニット、プレリフローAOIユニットおよびポストリフローAOIユニットならびにICテストユニットおよび機能テストユニット)からのデータをシームレスに照合し、照合されたデータを少なくとも1つのプロセッサ206に渡すように構成されてよい。更に、少なくとも1つのプロセッサ206は、種々の形式の照合されたデータを統一形式に変換して、国際工業規格ANSI/ISA-95を適合させるように構成される。
【0033】
更に、
図1に図示されるように、分析システム102は、人工知能(AI)プラットフォーム114も含んでよい。AIプラットフォーム114は、DIプラットフォーム110に動作的に結合されていてよく、かつDIプラットフォーム110から照合されたデータを取り出し、上記照合されたデータを処理するように構成される。例証的な実施形態において、AIプラットフォーム114は、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、照合されたデータを処理して、組立ライン104(a)に存在する1つまたは複数のユニット(はんだペースト検査(SPI)機/ユニット、配置機/ユニット、プレリフローAOIユニットおよびポストリフローAOIユニットならびにICテストユニットおよび機能テストユニット)に対する予測および予防分析を生成するように構成されてよい。
【0034】
AIプラットフォーム114が上記の目的を達成するためにどのように機能するかを理解するために、ここで
図3が参照される。一態様において、
図3は、AIプラットフォーム114の詳細なブロック
図300を開示する。特に、
図3に図示されるように、AIプラットフォーム114は、ニューラルネットワーク302を有することがわかる。一実施形態において、ニューラルネットワーク302は、1つまたは複数の分析モジュールと組み合わせてDIプラットフォーム110から受信される照合されたデータを処理するように構成される1つまたは複数の処理ユニット304を含んでよい。本開示の一態様において、上記1つまたは複数の分析モジュールは、照合されたデータを処理して、オペレータのシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータが組立ライン104(a)の種々のユニット(はんだペースト検査(SPI)機/ユニット、配置機/ユニット、プレリフローAOIユニットおよびポストリフローAOIユニットならびにICテストユニットおよび機能テストユニット)の様々な態様の概観を得ることを可能にするように構成される記述分析モジュール306を含んでよい。
【0035】
正確には、記述分析モジュール306は、オペレータのシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータに、グラフおよび表を通じて複数の重要業績評価指標(KPI)を提示することによって所定の時間間隔の間、組立ライン104(a)の種々の機械/ユニットの様々な態様の概観を提供するように構成されてよい。具体的には、上記KPIは、組立ラインから出てくる製品の主計数、製品の不良率、生産速度、タクトタイム、総合ユニット効率(OEE)、ダウンタイムおよび同様の他の業績評価指標のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0036】
例証的な一態様において、1つまたは複数の処理ユニット304は、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、状態機械、論理回路、および/または演算命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスを含んでよいが、これらに限定されない。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せて1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0037】
更に、
図3に図示されるように、AIプラットフォーム114の1つまたは複数の分析モジュールは、処理されたデータを分析して、組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニットの起こり得る損傷の1つまたは複数の原因を提供するように構成される診断分析モジュール308も含んでよい。例証的な一実施形態において、診断分析モジュール308は、1つまたは複数の先進確率的因果手法を使用して、組立ライン104(a)の損傷の上位「n」の潜在的原因要素を識別してよい。これは、診断分析モジュール308がいかなる決定をする前にも文脈的にデータを監視できるようにする。一態様において、上記確率的因果手法を使用して予測をすることによって、診断分析モジュール308は、保全時間を削減することができ、かつ組立ライン104(a)内の総合生産性を上げる。
【0038】
AIプラットフォーム114の1つまたは複数の分析モジュール(
図3に図示される)は、診断分析モジュール308に動作的に結合される状態監視モジュール310を更に含んでよい。状態監視モジュール310は、生成された予測および予防分析の傾向を連続的に監視するように、ならびに上記傾向についてオペレータのシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータに視覚的直観を提供するように構成される。
【0039】
AIプラットフォーム114の1つまたは複数の分析モジュールを進むと(
図3に図示されるように)、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、生成された予測および予防分析をデータレイク112に存在するデータとマッピングすることによって、前もって組立ライン内の1つまたは複数のユニットの故障を予測するように構成される予測分析モジュール312を更に含んでよい。追加して、様々な上述の分析モジュールの中でもAIプラットフォーム114は、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、故障を軽減する1つまたは複数の考え得る解決策を勧告するように構成される処方分析モジュール314も含んでよい。
【0040】
基本的な一実施形態において、AIプラットフォーム114は、異常検出モジュール316も含んでよい。異常検出モジュール316は、部品番号変更、プロセス変更およびステンシル変更などの外的要因により予想外のエラーが伝搬することがあるので、SMT組立ライン内の重要なモジュールである。外的要因によるエラーに対処するために、異常検出モジュールは、統計的推論手法に基づいて全てのイベントおよびパターンを記録および学習するように構成される。
【0041】
上記の目的を達成するために、システム102のAIプラットフォーム114は、SMT製造のためのデータ分析タスクのために特に調整された1つまたは複数の統計、機械学習および深層学習法を含んでよい。更に、上記AIプラットフォーム114は、データ取得、機械学習モデルの自動選択、それらのモデルの展開およびモデル性能の連続監視のうちの少なくとも1つを管理して、1つまたは複数の上述の分析モジュール306~316によって行われるプロセスを実施するエンドツーエンドワークフローシステムを表してよい。
【0042】
1つの実施形態において、組立ライン104(a)に対する予測および予防分析を実施するために、AIプラットフォーム114は、オフラインモードの間にバッチローディング手法を使用して事前訓練されてよい。バッチローディング手法は、データレイク112にアーカイブされた古いデータを検索すること、および上記データを通じてAIプラットフォーム114を訓練することを含む。別の実施形態において、組立ライン104(a)に対する予測および予防分析を実施するために、AIプラットフォーム114は、オンラインモードの間にNOSQLデータストアに記憶されるリアルタイムデータを使用して訓練されてよい。
【0043】
更に、
図1に図示されるように、分析システム102は、AIプラットフォーム114およびDIプラットフォーム110に動作的に結合されるデジタルツインシミュレーション(DTS)プラットフォーム116を更に含んでよい。特に、DTSプラットフォーム116は、組立ライン104(a)~104(n)に存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順にシミュレートし、1つまたは複数のオペレータシステム108(a)~108(n)において組立ライン104(a)(上記の場合)のシミュレートされたレプリカを提示するように構成される。正確には、DTSプラットフォーム116は、組立ライン104(a)内の物理機械/ユニットの正確なレプリカを、それが、
図4に図示されるように、好ましくは上記の場合、オペレータシステム108(a)において組立ライン104(a)を表すことができるように、マイクロスケールからマクロ幾何レベルに、生成するように構成される。
【0044】
更に、具体的な一実施形態において、AIプラットフォーム114の1つまたは複数の分析モジュール306~316(上の段落で述べた)の動作を可能にするのがDTSプラットフォーム116である。例えば、照合されたデータを処理するように構成され、かつオペレータのシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータが組立ライン104(a)の種々のユニットの様々な態様の概観を得ることを可能にするAIプラットフォーム114の記述分析モジュール306は、
図4に図示されるように、DTSプラットフォーム116によって生成されたシミュレートされたレプリカ上で実行される。
【0045】
更に、DTSプラットフォーム116は、シミュレートされたレプリカ上に、組立ライン104(a)内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、AIプラットフォーム114によって生成された予測および予防分析の視覚表現を提供するように構成される。このように、DTSプラットフォーム116により、診断分析モジュール308、状態監視モジュール310、予測分析モジュール312および異常検出モジュール316が先行する段落で述べたようなそれらの機能を行うのも支援するように、簡潔さのためにその繰り返しは回避される。
【0046】
追加して、DTSプラットフォーム116は、シミュレートされたレプリカを通じて、組立ライン104(a)内のオペレーティングシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータが、生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにし、組立ライン104(a)内のオペレーティングシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号としてAIプラットフォーム114に提供して、上記システム102の将来の予測速度を改善するように構成されてよい。AIプラットフォーム114に提供されるフィードバックは、分析システム102の偽コール/偽陽性率を低下させる際に不可欠である。
【0047】
DTSプラットフォーム116は、上記の動作を行うためにメモリおよびプロセッサを含んでよい。一態様において、メモリは、プロセッサに通信的に結合されてよく、かつ実行されると、プロセッサに上記の段落で述べた動作を行わせる様々な命令を含んでよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットおよび/またはリードオンリメモリ(ROM)、光ディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、フラッシュメモリ、電気的消去可能リードオンリメモリ(EEPROM)、サーバもしくはクラウド上のメモリ空間等などの不揮発性メモリユニットを含んでよい。
【0048】
更に、
図1に図示されるように、システム102は、AIプラットフォーム114およびDTSプラットフォーム116に動作的に結合される通知プラットフォーム118を更に含んでよい。上記通知プラットフォーム118は、AIプラットフォーム114がオペレータシステム108(a)~108(n)を介して1人または複数のオペレータと組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニット(はんだペースト検査(SPI)機/ユニット、配置機/ユニット、プレリフローAOIユニットおよびポストリフローAOIユニットならびにICテストユニットおよび機能テストユニット)の予測および予防分析に関する通知を共有できるようにする。
【0049】
そのため、上記の実施形態から、上記のシステム102が、組立ライン104(a)~104(n)内の1つまたは複数の機械/ユニット(はんだペースト検査(SPI)ユニット、配置ユニット、プレリフローAOIユニット、ポストリフローAOIユニットを含む)からのデータを照合し、次の段階において機能エラーを予測するように構成され、それによって1人または複数のオペレータがエラーの原因を分析し、様々な要因により発生するエラーとしてのダウンタイムを防止できるように効率を改善することが明らかである。
【0050】
より良好な理解のために、先行する段落で述べた実施形態は、一例を用いて理解されてよい。例証的な一実施形態において、
図5に図示されるように、組立ライン104(a)内のSPI機/ユニットに対する次の予防保全を予測するために、システム102は、SPI機/ユニットの様々なKPIを絶えず監視するように構成される。監視するKPIは、計数、不良率、速度、タクトタイム、総合設備効率(OEE)およびダウンタイムを含んでよいが、これらに限定されない。監視したパラメータは、オペレータフィードバック、様々なIIOTセンサからの入力およびSPI機/ユニットデータベースとともに、
図1~
図3の開示において述べた1つまたは複数の手法を使用してシステム102によって処理されて、事前にSPI機/ユニットにおけるエラーを予測しかつ、組立ライン104(a)全体が停止されるのを回避するために、次の保全のための時間を予測する。
【0051】
SPI機/ユニットのそのような予防保全は、失敗の確率をシミュレートし、提供される働きの機能不全または劣化の確率を低下させる機械の修理または整備を計画する。更に、SPI機/ユニットのそのような予防保全は、以下に掲載する様々な技術的利点を与え得る。
【0052】
SPI機/ユニット予防保全は、数千ドルかかり生産性の損失にも至る、工場の現場において行われる過剰保全の問題を回避するのに役立つ。更に、それは、機械保全中に、または製品変更があれば、組立ライン104(a)におけるSPIステンシル変更通知警告も提供する。そのため、SMTラインにおいて一定数の基板が交差する場合、オペレータは、ステンシルを変更するように勧告されてよい。例証的な一態様において、空間グループ化が基板上のパターン変化を検出すれば、ステンシルは変更される必要がある。例えば、PCB基板において垂直または水平にエラーが発生する場合、問題がステンシルシートによるかどうかを検出できる。
【0053】
追加して、そのような予防保全は、収集される大量データから取得される、はんだペースト体積分布に基づいてSPI許容限界が分析されるようにする。更には、SPI機/ユニットが特定の基板を合格させるが、同じ基板が印刷問題により不合格であるときに、エラーが次の段階に進むのを回避するために是正措置を取ることができるように、機械エラー流出を識別することによって未熟練工をより短い間隔で生産的にさせることができる。
【0054】
別の例証的な実施形態において、分析システム102は、組立ライン104(a)内のSPI機/ユニットにおけるはんだパッド不良を予測するように構成されてよい。上記実施形態において、
図6に図示されるように、分析システム102は、様々なKPI(
図5で述べた)とともに、SPI機/ユニットから出てくるPCBの量、X軸に沿ったPCBのオフセット、Y軸に沿ったPCBのオフセット、SPI機/ユニットの温度および湿度ならびに他の関連パラメータのうちの少なくとも1つを監視するように構成されてよい。分析システム102は、これらのパラメータを、更なる処理のためにAIプラットフォーム114の1つまたは複数の分析モジュール306~316に供給するように更に構成されてよい。AIプラットフォーム114の様々なモジュール306~316においてなされる処理が
図1~
図3において述べた手法に従っており、簡潔さのためにそれが説明されないことが認識されるはずである。更に、AIプラットフォーム114は、上記処理に基づいて、事前にはんだパッド不良を予測するように構成される。そのような故障検出手法は、完全な基板を故障から回避させるだけでなく様々な他の技術的利点を提供する。第1に、それは、材料浪費を削減しかつ問題の根本原因を見つけるために必要とされるオペレータ労力を削減する。第2に、それは、歩留まり、OEEおよびサイクルタイム等などの製造部門によって定義される幾つかのKPIを上げる。
【0055】
別の例証的な実施形態において、分析システム102は、
図7に図示されるように、SPIにおいて利用可能なデータを使用してSPI段において配置、プレリフロー、ポストリフローおよび機能エラーのエラーを予測するように構成される。一態様において、これは、オペレータがエラーの原因を分析し、エラーが基板、ペーストおよび印刷問題のうちの1つにより得るときにダウンタイムを防止できるように効率を改善するのに役立つ。
【0056】
具体的には、上記目的を達成するために(
図7に図示されるように)、分析システム102は、DIプラットフォーム110を使用して組立ライン104(a)からのSPI特徴、配置特徴、プレリフロー特徴、ポストリフロー特徴およびMFT特徴のうちの少なくとも1つに関するデータを照合するように構成されてよい。上記特徴は、次いでAIプラットフォーム114に供給されるが、AIプラットフォーム114は、組立ライン104(a)の故障を予測するために、オフラインデータ(すなわち、照合された特徴)を使用して事前訓練される。更には、別の実施形態において、AIプラットフォーム114は、組立ライン104(a)の故障を予測するために、リアルタイム/ライブデータ(すなわち、リアルタイムで取得されるSPI特徴、配置特徴、プレリフロー特徴、ポストリフロー特徴およびMFT特徴)を使用して訓練される。分析システム102がより正確に事前に故障を予測し、1人または複数のオペレータに、必要な是正措置を勧告することができるのは、AIプラットフォーム114の二重訓練のためである。
【0057】
図1~
図3で述べた手法を使用する非限定的な一実施形態において、分析システム102は、事前に組立ライン104(a)内の種々の機械/ユニットにおける様々なエラーを識別し、そのような機械/故障に対する予防保全を提案するように構成されてよい。以下の表は、例として、分析システム102を使用して識別できる様々な種類のエラーを示す。更に、これらが単に例証的な実施形態であり、分析システム102が任意の組立ライン内のより多くのエラーを識別するように構成され得ることが認識されるはずである。
【0058】
【0059】
本開示の非限定的な一実施形態において、上記のエラーのうちの1つを識別するために、分析システム102は、異常検出手法を使用して、異常値と呼ばれる、予想される挙動に一致しない、まれなパターンを判別する。当業者は、いずれかの機械が信頼できない方式で機能すると、異常検出が行われ、発生した災難は、それが生産ラインにおける主要問題に拡大する前に抑えられることを認識するであろう。偽コールの急増、およびオフセット問題の急増の理由は、領域専門家によって外的要因により起こった異常と考えられる。
【0060】
ここで
図8を参照すると、本開示の一実施形態による、事前にSMT製造組立ラインにおけるエラーを予測し、予防保全を提案するための例証的な方法800を例示するフローチャートが記載される。方法800は単に例証目的で提供されており、実施形態は、事前にSMT製造組立ラインにおけるエラーを予測し、予防保全を提案するためのいかなる方法または手順も含むまたはその他包含すると意図される。
【0061】
方法800は、ブロック802において、種々の形式の、組立ライン104(a)~104(n)内の1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、データレイク112に上記照合されたデータを記憶することを含んでよい。ブロック802の動作は、
図2のアダプタ202と組み合わせてDIプラットフォーム110の1つまたは複数のプロセッサ206によって行われてよい。
【0062】
方法800は、ブロック804において、照合されたデータを取り出し、1つまたは複数の機械学習手法を使用して、上記照合されたデータを処理することを更に含んでよい。更に、ブロック806において、方法800は、上記処理に応答して、組立ライン104(a)~104(n)に存在する1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を生成することを含んでよい。ブロック804および806の動作は、
図1のシステム102のAIプラットフォーム114によって行われる。
【0063】
本開示の1つの非限定的な実施形態において、排他的に開示するものではないが、方法800は、照合されたデータを処理して、1人または複数のオペレータにグラフおよび表を通じて複数の重要業績評価指標(KPI)を提示することによって、1人または複数のオペレータが所定の時間間隔の間、組立ライン104(a)の種々のユニットの様々な態様の概観を得ることを可能にすることを含んでよい。上記ステップは、AIプラットフォーム114の記述分析モジュール306によって行われてよい。
【0064】
方法800は、処理したデータを分析して、組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニットの損傷の1つまたは複数の原因を提供するステップと、生成された予測および予防分析の傾向を連続的に監視し、それの視覚的直観を1人または複数のオペレータに提供するステップとを更に含んでよい。例証的な一実施形態において、上記のステップは、AIプラットフォームの診断分析モジュール308および状態監視モジュール310によって行われる。
【0065】
一実施形態において、方法800は、機械学習を使用して、生成された予測および予防分析をデータレイクに存在するデータとマッピングすることによって、前もって組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニットの故障を予測するために更に構成されてよい。続いて、方法800は、機械学習を使用して、故障を軽減する1つまたは複数の考え得る解決策をオペレーティングシステム108(a)~108(n)の1人または複数のオペレータに勧告するために構成されてよい。上記のステップは、それぞれ予測分析モジュール312および処方分析モジュール314によって行われる。
【0066】
一実施形態において、前もって組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニットの故障を予測し、予防分析を行うために、方法800は、一定期間にわたる種々の組立ライン104(a)~104(n)にわたる1つまたは複数のユニットからのデータを照合し、AIプラットフォーム114を訓練するために、データレイクに古い処理したデータをアーカイブすることを開示してよい。方法800は、リアルタイムで1つまたは複数のユニットに対する予測および予防分析を提供するために、データレイク112内のスケーラブルNOSQLデータストアにリアルタイムデータを記憶することを更に含んでよい。
【0067】
先に進むと、方法800は、ブロック808において、組立ライン104(a)に存在する全てのユニットの正確なレプリカを同じ順に、すなわち元の組立ライン104(a)に存在するように、シミュレートすることを含んでよい。ブロック810において、方法800は、1つまたは複数のオペレータシステム108(a)~108(n)を使用して、シミュレートされたレプリカ上に、組立ライン104(a)内の1人または複数のオペレータに可読な形式で、このように生成された予測および予防分析の視覚表現を提供することを含む。
【0068】
更に、方法800は、ステップ812において、組立ライン104(a)内の1人または複数のオペレータが、生成された予測および予防分析に応答して、少なくとも1つの措置を取れるようにすること、ならびにステップ814において、組立ライン104(a)内の1人または複数のオペレータによって取られた少なくとも1つの措置をフィードバック信号として提供して、上記システム102の予測速度を改善することを開示する。ブロック808~814の動作は、
図1および
図3のDTSプラットフォーム116によって行われてよい。
【0069】
最後に、ブロック816において、方法800は、1人または複数のオペレータに、組立ライン104(a)内の1つまたは複数のユニットの予測および予防分析に関する通知を提供することを含んでよい。ブロック816の動作は、
図1の通知プラットフォーム118によって行われてよい。
【0070】
一実施形態において、方法800は、はんだペースト検査(SPI)ユニット、配置ユニット、プレリフローAOIユニット、ポストリフローユニットのうちの少なくとも1つからのデータを照合して、次の段階での機能エラーを予測し、それによって1人または複数のオペレータがエラーの原因を分析し、様々な要因により発生するエラーとしてのダウンタイムを防止できるように効率を改善することを含んでよい。
【0071】
上記の方法800は、コンピュータ実行可能命令の一般文脈で記載されてよい。一般に、コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、手順、モジュールおよび機能を含むことができ、コンピュータ実行可能命令は特定の機能を行うまたは特定の抽象データ型を実装する。
【0072】
本方法の様々な動作が記載される順序は、限定として解釈されるとは意図されず、本方法を実装するために、任意の数の記載される方法ブロックを任意の順序で組み合わせることができる。追加して、本明細書に記載される対象の趣旨および範囲から逸脱することなく、本方法から個々のブロックを削除してよい。更には、本方法は、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその組合せで実装できる。
【0073】
上記した方法の様々な動作は、対応する機能を行うことが可能な任意の適切な手段によって行われてよい。上記手段は、
図1および
図2の様々なプラットフォームおよびモジュールを含むが、それらに限定されない、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア部品および/またはモジュールを含んでよい。一般に、図に例示される動作がある場合、それらの動作は、対応する相当ミーンズプラスファンクション部品を有し得る。
【0074】
図1~
図3を参照して記載される、一部または全ての実施形態の対象が本方法に関連し得、それは簡潔さのために繰り返されないことがここで留意されてよい。
【0075】
本開示の非限定的な一実施形態において、本開示と一致する実施形態を実装するために、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体が活用されてよい。或る態様は、本明細書に提示される動作を行うためのコンピュータプログラム製品を備えてよい。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令が記憶(および/または符号化)されており、上記命令が、本明細書に記載される動作を行うために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である、コンピュータ可読媒体を備えてよい。或る態様のために、コンピュータプログラム製品は、包装資材を含んでよい。
【0076】
開示された手法を行うように構成されるデバイスの機能態様を強調するために、様々なコンポーネント、モジュールまたはユニットが本開示に記載されるが、必ずしも種々のハードウェアユニットによる実現を必要とするわけではない。むしろ、上記したように、様々なユニットが、1つのハードウェアユニットに組み合わされても、または適切なソフトウェアおよび/もしくはファームウェアと併せて、上記したように1つもしくは複数のプロセッサを含め、一群の相互動作するハードウェアユニットによって提供されてもよい。
【0077】
用語「including(含んでいる)」、「comprising(備えている)」、「having(有している)」およびその変化形は、別途明記されない限り、「including but not limited to(含んでいるが、それに限定されない)」を意味する。
【0078】
最後に、本明細書で使用される言葉は、主として読み易さおよび教示目的で選択されており、発明の対象を限定または制限するようには選択されていない。したがって本発明の範囲がこの詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に基づく出願で発行される任意の特許請求の範囲によって限定されることが意図される。したがって、本発明の実施形態は、添付の請求の範囲に定められる本発明の範囲を例示するものであり、限定するものではないと意図される。
【符号の説明】
【0079】
100 環境
102 分析システム、システム
104(a)~104(n) SMT製造組立ライン、組立ライン
106 ネットワーク
108(a)~108(n) オペレータシステム、オペレータのシステム、オペレーティングシステム
110 データ統合(DI)プラットフォーム
112 データレイク
114 人工知能(AI)プラットフォーム
116 デジタルツインシミュレーション(DTS)プラットフォーム
118 通知プラットフォーム
202 データアダプタ、アダプタ
204 メモリ
206 プロセッサ
302 ニューラルネットワーク
304 処理ユニット
306 記述分析モジュール、分析モジュール、モジュール
308 診断分析モジュール
310 状態監視モジュール
312 予測分析モジュール
314 処方分析モジュール
316 異常検出モジュール、分析モジュール、モジュール
【外国語明細書】