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特開2023-135686燃料電池触媒層、電解質膜-電極接合体、燃料電池および燃料電池触媒層の製造方法
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  • 特開-燃料電池触媒層、電解質膜-電極接合体、燃料電池および燃料電池触媒層の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135686
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】燃料電池触媒層、電解質膜-電極接合体、燃料電池および燃料電池触媒層の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/86 20060101AFI20230922BHJP
   H01M 4/88 20060101ALI20230922BHJP
   B01J 23/89 20060101ALI20230922BHJP
   B01J 23/46 20060101ALI20230922BHJP
   C25B 11/054 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20230922BHJP
【FI】
H01M4/86 M
H01M4/88 K
B01J23/89 M
B01J23/46 301M
C25B11/054
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040889
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】山内 将樹
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 拓也
(72)【発明者】
【氏名】玄番 美穂
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 功彬
(72)【発明者】
【氏名】引地 巧
【テーマコード(参考)】
4G169
4K011
5H018
5H126
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA08A
4G169BB02A
4G169BC67A
4G169BC70A
4G169BC75A
4G169CC32
4G169DA06
4G169EA01Y
4G169EB01
4G169EB18Y
4G169EC08Y
4G169EC14Y
4G169EC15Y
4G169FB24
4K011BA07
4K011DA01
5H018AA06
5H018AS03
5H018BB08
5H018BB12
5H018EE03
5H018EE08
5H018EE10
5H018EE17
5H018HH05
5H126BB06
(57)【要約】
【課題】本開示は、アイオノマによる触媒被毒を抑制でき、燃料電池に用いた場合に高い発電性能が得られる燃料電池触媒層を提供する。
【解決手段】本開示における燃料電池触媒層は、触媒をメソ孔内に担持したメソポーラス材料が凝集体を形成することで、メソポーラス材料における外部に露出する表面積を減らして、メソポーラス材料におけるアイオノマと接触可能性がある表面積を減らしつつ、メソポーラス材料同士の接点数を増やすことができる。そのため、アイオノマにより触媒が被毒されることの抑制と電子伝導性確保の両立ができるようになり、燃料電池に用いた場合に高い発電性能が得られる燃料電池触媒層を提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のメソポーラス材料が凝集した凝集体と、前記メソポーラス材料の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒と、前記凝集体を被覆するアイオノマと、を備えた、燃料電池触媒層。
【請求項2】
前記凝集体を形成する前記メソポーラス材料同士の接点数が、前記メソポーラス材料一つ当たり、平均3.6箇所以上である、請求項1に記載の燃料電池触媒層。
【請求項3】
電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、を備え、
前記カソードは、請求項1または2に記載の燃料電池触媒層を含む、電解質膜-電極接合体。
【請求項4】
請求項3に記載の電解質膜-電極接合体を備える、燃料電池。
【請求項5】
導電性のメソポーラス材料が凝集した凝集体と、前記メソポーラス材料の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒と、前記凝集体を被覆するアイオノマと、を備えた、燃料電池触媒層の製造方法であって、
前記メソポーラス材料が凝集体を形成するように、前記メソポーラス材料にかかる分散力を制御して触媒インクを作製する第1の工程と、前記第1の工程で得られた触媒インクを塗布する第2の工程と、を有する、燃料電池触媒層の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池触媒層、電解質膜-電極接合体、燃料電池および燃料電池触媒層の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、メソポ-ラス材料のメソ孔内に触媒が担持された触媒担持メソポーラス材料がアイオノマによって被覆される燃料電池触媒層を開示する。この燃料電池触媒層はメソポーラス材料と、メソポーラス材料の少なくともメソ孔内に担持された触媒と、触媒を担持したメソポーラス材料を被覆するアイオノマと、を備え、アイオノマが触媒の表面に吸着することによる触媒活性の低下を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/175099号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、アイオノマによる触媒被毒を抑制でき、燃料電池に用いた場合に高い発電性能が得られる燃料電池触媒層を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における燃料電池触媒層は、複数の導電性のメソポーラス材料が凝集した凝集体と、メソポーラス材料の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒と、凝集体を被覆するアイオノマと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における燃料電池触媒層は、触媒をメソ孔内に担持したメソポーラス材料が凝集体を形成することで、メソポーラス材料における外部に露出する表面積を減らして、メソポーラス材料におけるアイオノマと接触可能性がある表面積を減らすことができる。
【0007】
また、触媒をメソ孔内に担持したメソポーラス材料が凝集体を形成すると、メソポーラス材料同士の接点数が増加して、電子伝導性を確保することができる。
【0008】
そのため、アイオノマにより触媒が被毒されることの抑制と高い電子伝導性とを両立することができ、燃料電池に用いた場合に高い発電性能が得られる燃料電池触媒層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における燃料電池触媒層におけるアイオノマによって被覆された凝集体の断面を示す模式図
図2】実施の形態1における電解質膜-電極接合体を備えた燃料電池の断面を示す模式図
図3】実施の形態1における燃料電池触媒層の製造に用いた触媒インクの粒径分布図
図4】実施の形態1における燃料電池触媒層の製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に相到するに至った当時、燃料電池の触媒層における三相界面の形成という技術は、プロトン供給の観点から触媒とアイオノマとを接触させることが性能向上につながると考えられてきたが、近年、アイオノマと触媒との接触により触媒がアイオノマにより被毒され、むしろ性能を低下させることが分かってきた。
【0011】
そのため、当該業界では、アイオノマによる触媒の被毒を抑制することを課題として、メソポーラス材料等の大容量の細孔を有する触媒担持担体の中に触媒を内包させることでアイオノマと触媒とを接触させないという製品設計をするのが一般的であった。
【0012】
しかし、メソポーラス材料の外表面にも触媒が存在してしまうことと、一部のアイオノマはメソ孔内に浸入する場合があるため、メソ孔内に触媒を内包したメソポーラス材料を用いてもアイオノマによる触媒の被毒を抑制する手段としては十分でないという課題があった。
【0013】
そうした状況下において、発明者らは、触媒を担持したメソポーラス材料が凝集体を形成することで、触媒層の電子伝導性を確保しつつ、見かけの凝集体表面積、すなわち、アイオノマと接触可能性があるメソポーラス材料の表面積を減らすという着想を得た。
【0014】
そして、発明者らは、触媒インクの製造時に、例えば、湿式微粒化装置の圧力または超音波振動装置の周波数を低くして、メソポーラス材料にかかる分散力を弱くすることにより、触媒を担持したメソポーラス材料が凝集した凝集体を、意図的に作製できることを見出し、本開示の主題を構成するに至った。
【0015】
そこで、本開示は、凝集体を被覆するようにアイオノマを配置することで、アイオノマとメソポーラス材料との接触面積を減らし、アイオノマによる触媒の被毒を抑制し、燃料電池に用いた場合に高い発電性能が得られる燃料電池触媒層を提供する。
【0016】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0017】
なお、添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを、意図していない。
【0018】
(実施の形態1)
以下、図1図3を用いて、実施の形態1を説明する。
【0019】
[1-1.構成]
(燃料電池)
図2は、燃料電池40の構成例を示している。燃料電池40は、水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子電解質型燃料電池である。
【0020】
燃料電池40は、図2に示すように、アノードセパレータ24と、カソードセパレータ28と、アノードセパレータ24とカソードセパレータ28との間に設けられた電解質膜-電極接合体30と、を有する。
【0021】
アノードセパレータ24における電解質膜-電極接合体30のアノード31と当接する
面には、燃料電池40に供給される水素をアノード31へ流すための流路を有する。
【0022】
カソードセパレータ28における電解質膜-電極接合体30のカソード32と当接する面には、燃料電池40に供給される酸素をカソード32へ流すための流路を有する。
【0023】
燃料電池40が厚み方向に複数積層される場合は、アノードセパレータ24における流路が形成された面とは反対側の面が、アノードセパレータ24と隣接する燃料電池40のカソードセパレータ28における流路が形成された面とは反対側の面と、電気的に接続され、カソードセパレータ28における流路が形成された面とは反対側の面が、カソードセパレータ28と隣接する燃料電池40のアノードセパレータ24における流路が形成された面とは反対側の面と、電気的に接続される。
【0024】
(電解質膜-電極接合体)
電解質膜-電極接合体30は、図2に示すように、電解質膜21と、アノード触媒層22およびアノードガス拡散層23を含むアノード31および、カソード触媒層26およびカソードガス拡散層27を含むカソード32とを備え、電解質膜21の両側を、アノード31とカソード32とによって挟み込む構成となっている。
【0025】
アノード触媒層22は、電解質膜21の一方の主面に配置されている。カソード触媒層26は、電解質膜21の他方の主面に配置されている。アノードガス拡散層23は、アノード触媒層22における電解質膜21側とは反対側に配置されている。カソードガス拡散層27は、カソード触媒層26における電解質膜21側とは反対側に配置されている。
【0026】
アノードガス拡散層23におけるアノード触媒層22側とは反対側にはアノードセパレータ24が配置され、カソードガス拡散層27におけるカソード触媒層26側とは反対側にはカソードセパレータ28が配置されている。
【0027】
(電解質膜)
電解質膜21は、アノード31とカソード32との間の水素イオン伝導を行うものであり、水素イオン伝導性とガスバリア性とを併せ持つ必要がある。本実施の形態では、電解質膜21の材料に、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を用いた。この膜は、水素イオン伝導性が高く、燃料電池40の発電環境下でも安定に存在するため好ましい。
【0028】
(ガス拡散層)
アノードガス拡散層23およびカソードガス拡散層27は、それぞれ集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つ層である。アノードガス拡散層23およびカソードガス拡散層27は、それぞれ基材およびコーティング層の2層を含む構成であっても良い。
【0029】
基材は、導電性、ならびに気体および液体の透過性に優れた材料であれば良い。本実施の形態では、基材の材料に、カーボンペーパーを用いた。
【0030】
コーティング層は、触媒層(アノード触媒層22、カソード触媒層26)と、基材との間に介在して、触媒層と基材との接触抵抗を下げ、液体の透過性(排水性)を向上するための層である。
【0031】
本実施の形態のコーティング層は、カーボンブラックなどの導電性材料およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂を主成分として形成される。
【0032】
(触媒層)
アノード触媒層22は、アノード31の電気化学反応を促進させる層であって、電解質
膜21の一方の主面に配置されている。カソード触媒層26は、カソード32の電気化学反応を促進させる層であって、電解質膜21の他方の主面に配置されている。
【0033】
アノード触媒層22は、カーボンブラックからなる触媒担持材料、白金ルテニウム合金からなる触媒、および水素イオン電導性樹脂からなるアイオノマを含んでいる。触媒は少なくとも触媒担持材料に担持された構成となっている。触媒を担持した触媒担持材料の外表面の少なくとも一部はアイオノマによって覆われている。
【0034】
カソード触媒層26は、図1に示す構造の触媒層4で構成されており、電解質膜21の他方の主面に配置されている。触媒層4は、複数の導電性のメソポーラス材料1が凝集した凝集体と、メソポーラス材料1の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒2と、凝集体を被覆するアイオノマ3と、を備えている。
【0035】
本実施の形態のメソポーラス材料1は、複数のメソポーラス材料1が凝集した凝集体を形成しているので、アイオノマ3と接触ができうるメソポーラス材料1の表面積は、メソポーラス材料1が凝集体を形成していない場合と比較して、小さくなっている。
【0036】
(触媒)
触媒2の材料は、水素又は酸素の触媒作用を有するのであれば特に限定されないが、触媒活性(アノード触媒層22用の触媒については水素酸化活性、カソード触媒層26用の触媒については酸素還元活性)、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、本実施の形態では、カソード触媒層26の触媒2の材料として、白金および白金と異なる金属を含む合金を用いた。触媒2は、白金の含有量が30~90原子%で、白金と異なる金属の含有量が10~70原子%であることが好ましい。
【0037】
触媒2のモード径は、特に限定されないが、触媒利用率および及び耐久性の観点から、触媒2のモード径が1~30nmであることが好ましい。また、触媒2のモード径は、メソポーラス材料1のメソ孔内に入る大きさのモード径が好ましい。
【0038】
本実施の形態では、カソード触媒層26用の触媒2として、平均粒径が4nmの白金とコバルトを含む合金で、白金の含有量が70原子%でコバルトの含有量が30原子%のものを用いた。
【0039】
(メソポーラス材料)
本実施の形態では、触媒層4に用いるメソポーラス材料1として、材料表面から内部へと連通するメソ孔を有する、メソポーラスカーボンを使用した。
【0040】
メソポーラスカーボンは、モード径が200nm以上となるように構成されている。モード径が200nm以上のメソポーラスカーボンであれば、材料表面から内部へと連通するモード半径が1~25nmのメソ孔が形成され、メソ孔内に20nm以下の粒径の触媒2を担持することができる。
【0041】
本実施の形態の触媒層4に用いるメソポーラス材料1は、メソ孔内に触媒2を担持する前において、メソ孔のモード半径が10nmで、メソ孔の細孔容積が2.0cm/gである。また、メソポーラス材料1のモード径が600nmとなるように構成されている。
【0042】
(凝集体)
触媒層4の製造に用いられる触媒インクを適切な分散力で制御すると、触媒2をメソ孔内に担持した複数のメソポーラス材料1が凝集した凝集体の状態が維持される。凝集体はメソポーラス材料1同士に作用する分子間力により最密充填構造に近い形状で、メソポー
ラス材料1同士が互いに引き合って密着して存在する。
【0043】
触媒2をメソ孔内に担持したメソポーラス材料1の凝集体が、最密充填構造をとることで、見かけの外表面積が最小化される。本実施の形態の場合、外部に露出するメソポーラス材料1の表面積を減らして、アイオノマ3と接触可能性があるメソポーラス材料1の表面積を減らすことができる。
【0044】
また、複数のメソポーラス材料1が凝集体を形成することにより、アイオノマ3に分断されることなく、近接するメソポーラス材料1同士が接することができ、電子伝導性を確保することができる。
【0045】
メソポーラス材料1の凝集体の凝集状態は、触媒インク中の凝集体の粒度分布を測定することによって、把握することができる。
【0046】
(アイオノマ)
カソード触媒層26(触媒層4)のアイオノマ3は、アノード31側からカソード32側へ電解質膜21を通過してきた水素イオンを、カソード触媒層26中の触媒2まで伝達する。
【0047】
本実施の形態では、アイオノマ3として、電解質膜21と同質の固体高分子材料(イオン交換性樹脂)であるパーフルオロスルホン酸樹脂を用いる。このパーフルオロスルホン酸樹脂は、イオン交換性樹脂の中でもプロトン伝導性が高く、燃料電池の発電環境下でも安定して存在するため好適である。
【0048】
アイオノマ3は触媒インク中では溶媒中に分散されており、触媒インクを塗布し、乾燥させて触媒層4を形成する過程において、メソポーラス材料1が凝集した凝集体の外表面の少なくとも一部を被覆する。
【0049】
(触媒層の製造方法)
本実施の形態における触媒層4を、以下の工程により作製した。図4は、触媒層4の製造法を模式的に表すフローチャートである。
【0050】
(触媒層の製造法の第1の工程)
第1の工程では、触媒2をメソ孔内に担持した複数のメソポーラス材料1が、所望の粒径の凝集体の状態を維持するように、メソポーラス材料1にかかる分散力を制御して触媒インクを作製した。
【0051】
メソポーラス材料1にかかる分散力を制御することにより、凝集体の粒径を任意の範囲に調整することができる。分散力を制御する手法としては、触媒インク作製時の湿式微粒化装置の圧力調整や、超音波振動装置の周波数調整、触媒インクの固形分濃度調整、等が挙げられる。
【0052】
本実施の形態では、メソポーラス材料1にかかる分散力を制御する手法として、湿式微粒化装置の圧力調整を用いた。湿式微粒化装置の圧力を小さくすると、触媒インク内のメソポーラス材料1の微粒化作用が弱くなり、凝集体形成が促進される。触媒インクの粒径分布を測定することによって、凝集体の粒径を把握することができる。湿式微粒化装置の圧力を変化させて触媒インクを作製することによって、所望の粒径の凝集体を作製することができる。
【0053】
触媒2を担持したメソポーラス材料1を、エタノールと水がエタノール:水=1:1の
割合で含まれる混合溶媒に、投入した。さらに、アイオノマ3(AGC株式会社製、フレミオン(登録商標))の重量が触媒担持担体の重量に対して1.4倍となる量のアイオノマ3を投入し、固形分濃度7%の触媒インクを混合した(S01)。
【0054】
この混合した触媒インクに対して、湿式微粒化装置(スギノマシン製、スターバースト)を用いて、100MPaの圧力で触媒担持担体の分散を行った(S02)。その後、この触媒インクに対して、自公転可変式ミキサー(クラボウ製、マゼルスター)にて20分間撹拌処理を行った(S03)。この撹拌処理をした触媒インクに対して、脱泡処理のため、常温にて12hのエージングを行った(S04)。
【0055】
第1の工程で作製した触媒インクの粒径を、粒度分布計(堀場製作所製、散乱式粒子径分布測定装置LA-960V2)を用いて、測定した。図3に、第1の工程で作製した触媒インクの粒径分布を示す。
【0056】
第1の工程で作製した触媒インクの粒径分布のメインピーク粒径(粒度分布測定時における最も高頻度に観測された粒径)は3.1μmであった。
【0057】
本実施の形態で用いたメソポーラス材料1のモード径は600nmであるので、触媒インク中では、メソポーラス材料1が数個凝集した凝集体を形成していると判断できる。
【0058】
(触媒層の製造法の第2の工程)
第2の工程では、第1の工程で作製した触媒インクを塗布して乾燥させることにより触媒層4を形成した(S05)。このとき、盤面温度が40℃になるように加温した塗工機に電解質膜21を配置し、スプレー塗工法により触媒インクを直接、電解質膜21の片面に噴霧して、電解質膜21上の触媒インクを乾燥させることで、触媒層4を形成した(S06)。
【0059】
塗布、乾燥の過程において、インク溶媒が蒸散除去されて触媒インク中に分散していたアイオノマ3が、メソポーラス材料1からなる凝集体の外表面に被覆される。そして、アイオノマ3による被覆が少なくメソポーラス材料1同士の接点が確保された触媒層4が得られる。
【0060】
[1-2.動作]
以上のように構成された燃料電池40において、以下その動作、作用を説明する。
【0061】
図1および図2に基づいて、燃料電池40の運転方法、作用を説明する。
【0062】
燃料電池40の運転は、燃料電池40の温度を60℃に保ち、アノードセパレータ24とアノード31との間の流路には露点が60℃の水素を100cc/minの流量で供給するとともに、カソードセパレータ28とカソード32との間の流路には露点が60℃の空気を300cc/minの流量で供給して、アノードセパレータ24とカソードセパレータ28とを、外部回路で電気的に接続することにより行った。
【0063】
次に、運転中の燃料電池40での物質の移動と電気化学反応について説明する。アノードセパレータ24とアノード31との間の流路に供給された水素は、アノードガス拡散層23を通り、アノード触媒層22へ到達する。
【0064】
アノードでは、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子とに解離する酸化反応が起こり、水素イオン(H)はアノード触媒層22中のアイオノマ3を通り、電解質膜21内を通り、カソード触媒層26に移動する。
【0065】
【化1】
【0066】
アノード触媒層22において水素から解離した電子は、アノード触媒層22、アノードガス拡散層23、アノードセパレータ24を経由して外部回路へと伝達する。外部回路から放出された電子は、カソードセパレータ28、カソードガス拡散層27を通り、カソード触媒層26に到達する。
【0067】
カソードセパレータ28とカソード32との間の流路へ供給された空気中の酸素は、カソードガス拡散層27を通り、カソード触媒層26へ到達する。
【0068】
カソードでは、(化2)に示す、水素イオン(H)と酸素(O)と電子が結びついて水が生成される還元反応が起こる。
【0069】
【化2】
【0070】
図1に示すように、本実施の形態のカソード触媒層26に用いられる触媒層4は、少なくともメソ孔の内部に触媒2を担持したメソポーラス材料1同士が集合した凝集体を形成することで、外部に露出するメソポーラス材料1の表面積を減らして、アイオノマ3と接触するメソポーラス材料1の表面積を減らすことができる。その結果、アイオノマ3に被毒される触媒2の量を減少させることができる。
【0071】
また、メソポーラス材料1からなる凝集体を形成することで、メソポーラス材料1同士の接点数が増加して、電子伝導性を確保することができる。
【0072】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、複数の導電性のメソポーラス材料1が凝集した凝集体と、メソポーラス材料1の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒2と、凝集体を被覆するアイオノマ3と、を備える。
【0073】
これにより、メソポーラス材料1における外部に露出する表面積を減らして、メソポーラス材料1におけるアイオノマ3と接触可能性がある表面積を減らしつつ、メソポーラス材料1同士の接点数を増やすことができる。
【0074】
そのため、アイオノマ3により触媒2が被毒されることの抑制と電子伝導性確保の両立ができるようになり、燃料電池40に用いた場合に高い発電性能が得られる触媒層4を得ることができる。
【0075】
本実施の形態のように、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、凝集体を形成するメソポーラス材料1同士の接点数が、メソポーラス材料1一つ当たり、平均3.6箇所以上であるようにしてもよい。
【0076】
これにより、アイオノマ3と接する最小の最密充填構造として、平面上でメソポーラス材料1を3つ稠密に配置し、3つのメソポーラス材料1が互いに接するよう配置すると、
その真ん中にできた上下の凹みにそれぞれ、第4、第5のメソポーラス材料1を配置することができる。
【0077】
すなわち、メソポーラス材料1が5つ集合すると分子間力の働きによる充填構造を有する凝集体が形成されうる。この凝集体のメソポーラス材料1同士の接点数は、メソポーラス材料1が1つ当たり平均3.6箇所である。
【0078】
そのため、凝集体を形成するメソポーラス材料1同士の接点数がメソポーラス材料1の1つ当たり平均3.6箇所以上であると、凝集体を構成するメソポーラス材料1の数が更に増加し、アイオノマ3と接触可能性があるメソポーラス材料1の表面積を更に減らすことができる。
【0079】
本実施の形態において、電解質膜-電極接合体30は、電解質膜21と、電解質膜21の一方の主面に設けられたアノード31と、電解質膜21の他方の主面に設けられたカソード32と、を備え、カソード32は、カソード触媒層26を含む。
【0080】
これにより、電解質膜-電極接合体30におけるカソード触媒層26は、複数の導電性のメソポーラス材料1が凝集体を形成し、その凝集体の外表面をアイオノマ3が被覆する構成にすることができる。そのため、触媒被毒抑制と高導電性を得ることができ、高い発電電圧を発現する電解質膜-電極接合体30を得ることができる。
【0081】
(実施の形態2)
以下、図1図2を用いて、実施の形態2を説明する。
【0082】
[2-1.構成]
(燃料電池)
燃料電池40は、図2に示すように、アノードセパレータ24と、カソードセパレータ28と、アノードセパレータ24とカソードセパレータ28との間に設けられた電解質膜-電極接合体30と、を有する。
【0083】
アノードセパレータ24における電解質膜-電極接合体30のアノード31と当接する面には、燃料電池40に供給される水素をアノード31へ流すための流路を有する。
【0084】
カソードセパレータ28における電解質膜-電極接合体30のカソード32と当接する面には、燃料電池40に供給される酸素をカソード32へ流すための流路を有する。
【0085】
(電解質膜-電極接合体)
電解質膜-電極接合体30は、図2に示すように、電解質膜21と、アノード触媒層22およびアノードガス拡散層23を含むアノード31および、カソード触媒層26およびカソードガス拡散層27を含むカソード32とを備え、電解質膜21の両側を、アノード31とカソード32とによって挟み込む構成となっている。
【0086】
アノード触媒層22は、電解質膜21の一方の主面に配置されている。カソード触媒層26は、電解質膜21の他方の主面に配置されている。アノードガス拡散層23は、アノード触媒層22における電解質膜21側とは反対側に配置されている。カソードガス拡散層27は、カソード触媒層26における電解質膜21側とは反対側に配置されている。
【0087】
アノードガス拡散層23におけるアノード触媒層22側とは反対側にはアノードセパレータ24が配置され、カソードガス拡散層27におけるカソード触媒層26側とは反対側にはカソードセパレータ28が配置されている。
【0088】
アノード触媒層22は、アノード31の電気化学反応を促進させる層である。カソード32の電気化学反応を促進させる層である。カソード触媒層26は、図1に示す構造の触媒層4で構成されている。
【0089】
(メソポーラス材料)
本実施の形態の触媒層4に用いるメソポーラス材料1は、メソ孔内に触媒2を担持する前において、メソ孔のモード半径が10nmで、メソ孔の細孔容積が2.0cm/gである。また、メソポーラス材料1のモード径が600nmとなるように構成されている。
【0090】
(触媒層の製造方法)
本実施の形態における触媒層4を、以下の工程により作製した。図4は、触媒層4の製造法を模式的に表すフローチャートである。
【0091】
(触媒層の製造法の第1の工程)
第1の工程では、触媒2をメソ孔内に担持した複数のメソポーラス材料1が、所望の粒径の凝集体の状態を維持するように、メソポーラス材料1にかかる分散力を制御して触媒インクを作製した。
【0092】
メソポーラス材料1にかかる分散力を制御することにより、凝集体の粒径を任意の範囲に調整することができる。分散力を制御する手法としては、触媒インク作製時の湿式微粒化装置の圧力調整や、超音波振動装置の周波数調整、触媒インクの固形分濃度調整、等が挙げられる。
【0093】
本実施の形態では、メソポーラス材料1にかかる分散力を制御する手法として、触媒インクの固形分濃度調整を用いた。
【0094】
触媒インクの固形分濃度を低くすると、触媒インクが希薄化され、溶媒に対するメソポーラス材料1の存在割合が低下する。湿式微粒化装置の圧力が同じ場合には、圧力印加時のメソポーラス材料1同士が衝突する確率が低下するため、メソポーラス材料1の微粒化作用が弱くなり、凝集体状態が維持される。固形分濃度を調整して触媒インクを作製することによって、所望の粒径の凝集体を作製することができる。
【0095】
触媒2を担持したメソポーラス材料1を、エタノールと水がエタノール:水=1:1の割合で含まれる混合溶媒に、投入した。さらに、アイオノマ3(AGC株式会社製、フレミオン(登録商標))の重量が触媒担持担体の重量に対して1.4倍となる量のアイオノマ3を投入し、固形分濃度10%の触媒インクを混合した(S01)。
【0096】
この混合した触媒インクに対して、湿式微粒化装置(スギノマシン製、スターバースト)を用いて、100MPaの圧力で触媒担持担体の分散を行った(S02)。その後、この触媒インクに対して、自公転可変式ミキサー(クラボウ製、マゼルスター)にて20分間撹拌処理を行った(S03)。この撹拌処理をした触媒インクに対して、脱泡処理のため、常温にて12hのエージングを行った(S04)。
【0097】
第1の工程で作製した触媒インクの粒径を、粒度分布計(堀場製作所製、散乱式粒子径分布測定装置LA-960V2)を用いて、測定した。第1の工程で作製した触媒インクの粒径分布のメインピーク粒径は4.4μmであった。
【0098】
本実施の形態で用いたメソポーラス材料1のモード径は600nmであるので、触媒インク中では、メソポーラス材料1が多数集まって凝集した凝集体を形成していると判断で
きる。
【0099】
(触媒層の製造法の第2の工程)
第2の工程では、第1の工程で作製した触媒インクを塗布して乾燥させることにより触媒層4を形成した(S05)。このとき、盤面温度が40℃になるように加温した塗工機に電解質膜21を配置し、スプレー塗工法により触媒インクを直接、電解質膜21の片面に噴霧して、電解質膜21上の触媒インクを乾燥させることで、触媒層4を形成した(S06)。
【0100】
塗布、乾燥の過程において、インク溶媒が蒸散除去されて触媒インク中に分散していたアイオノマ3が、メソポーラス材料1からなる凝集体の外表面に被覆される。そして、アイオノマ3による被覆が少なくメソポーラス材料1同士の接点が確保された触媒層4が得られる。
【0101】
[2-2.動作]
以上のように構成された燃料電池40において、以下その動作を説明する。
【0102】
図2に基づいて、燃料電池40の運転方法を説明する。
【0103】
燃料電池40の運転は、燃料電池40の温度を60℃に保ち、アノードセパレータ24とアノード31との間の流路には露点が60℃の水素を100cc/minの流量で供給するとともに、カソードセパレータ28とカソード32との間の流路には露点が60℃の空気を300cc/minの流量で供給して、アノードセパレータ24とカソードセパレータ28とを、外部回路で電気的に接続することにより行った。
【0104】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、複数の導電性のメソポーラス材料1が凝集した凝集体と、メソポーラス材料1の少なくともメソ孔の内部に担持された触媒2と、凝集体を被覆するアイオノマ3と、を備える。
【0105】
これにより、メソポーラス材料1における外部に露出する表面積を減らして、メソポーラス材料1におけるアイオノマ3と接触可能性がある表面積を減らしつつ、メソポーラス材料1同士の接点数を増やすことができる。
【0106】
そのため、アイオノマ3により触媒2が被毒されることの抑制と電子伝導性確保の両立ができるようになり、燃料電池40に用いた場合に高い発電性能が得られる触媒層4を得ることができる。
【0107】
なお、本実施の形態のように、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、凝集体の粒径分布のメインピーク粒径が、メソポーラス材料1の粒径の2倍以上で10倍未満であるようにしてもよい。
【0108】
これにより、凝集体のメインピーク粒径(粒度分布測定時における最も高頻度に観測された粒径)が、メソポーラス材料1のモード径の2倍以上であれば、少なくともメソポーラス材料1が2つ以上凝集していると想定され、メソポーラス材料1からなる凝集体を概ね形成することができる。
【0109】
そのため、アイオノマ3により触媒2が被毒されることの抑制と電子伝導性確保との両立ができる。
【0110】
凝集体のメインピーク粒径がメソポーラス材料1のモード径の10倍未満であると、凝集体の外側に被覆したアイオノマ3と、凝集体内部のメソポーラス材料1までの距離が長すぎず、触媒反応に必要な水素イオンや酸素が凝集体内部に位置する触媒2まで到達できる。そのため、触媒反応が促進され、燃料電池40に用いた場合に高い発電性能が得られる触媒層4を得ることができる。
【0111】
なお、本実施の形態のように、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、アイオノマ3の重量比は触媒層4に含まれるカーボンの総重量に対して、0.5以上で1.7未満であるようにしてもよい。
【0112】
これにより、触媒層4においてアイオノマ3の重量比が触媒層4に含まれるカーボンの総重量に対して0.5以上であれば、水素イオンの伝達経路が確保されて、触媒反応に必要な水素イオンが触媒層4内の隅々にまで伝達される。
【0113】
また、触媒層4においてアイオノマ3の重量比が触媒層4に含まれるカーボンの総重量に対して1.7未満であれば、過剰な量のアイオノマ3による触媒層4内の水詰まりを抑制し、ガス伝達経路を確保することができる。そのため、触媒反応が促進され、燃料電池40に用いた場合に高い発電性能が得られる触媒層4を得ることができる。
【0114】
なお、本実施の形態のように、カソード触媒層26に用いられる触媒層4は、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブのうち、少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0115】
これにより、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブを構成するカーボン粒子はモード径が10-100nmの範囲の値であり、メソポーラス材料1のモード径が200nm以上であるため、触媒層4を緻密化することができる。
【0116】
そのため、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブのうち少なくとも1つを含むように構成した触媒層4は、毛細管力により高い排水性を得ることができる。
【0117】
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、等から選択できる。カーボンナノチューブとしては、例えば、気相成長カーボン繊維(VGCF)、PAN系炭素繊維、等から選択できる。
【0118】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1と2とを説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1と2とで説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0119】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0120】
実施の形態1および2では、触媒層4の一例として、カソード触媒層26を説明した。触媒層4は、触媒反応が速やかに進行するように設計されているものであればよい。したがって、触媒層4は、カソード触媒層26に限定されない。
【0121】
触媒層4をアノード触媒層22に用いれば、アイオノマにより触媒2が被毒されることの抑制と電子伝導性確保の両立ができるので、水素酸化反応を速やかに進行させることができ、燃料電池40に用いた場合に高い発電電圧を発現することができる。
【0122】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特
許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は、アイオノマにより触媒が被毒されることの抑制と高い電子伝導性とを両立することができるので、高効率な触媒層を備えた電解質膜-電極接合体に適用可能である。具体的には、燃料電池、水素精製器、もしくは水電解装置を構成する電解質膜-電極接合体に利用される触媒層に本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 メソポーラス材料
2 触媒
3 アイオノマ
4 触媒層
21 電解質膜
22 アノード触媒層
23 アノードガス拡散層
24 アノードセパレータ
26 カソード触媒層
27 カソードガス拡散層
28 カソードセパレータ
30 電解質膜-電極接合体
31 アノード
32 カソード
40 燃料電池
図1
図2
図3
図4