(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135698
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】割付装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230922BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040913
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】後藤 歩
【テーマコード(参考)】
3F522
5H301
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB35
3F522CC05
3F522CC06
3F522GG05
3F522GG09
3F522GG25
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3F522JJ02
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3F522LL32
5H301AA02
5H301AA10
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5H301KK03
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】搬送車システムの搬送効率を向上させる。
【解決手段】搬送要求を順次取得する搬送要求取得部101と、搬送要求を搬送車230に順次割り付ける割付部103と、搬送車230の位置、および搬送要求の割付状況を把握する状況把握部102と、を備え、割付部103は、搬送要求を取得した際に待機搬送車が存在すると状況把握部102が把握している場合は、待機搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付け、待機搬送車が存在しないと状況把握部102が把握している場合は、実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求に含まれる搬送先を基準に距離優先モードで搬送要求を割り付ける割付装置100。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送元から搬送先へ荷物を搬送車に搬送させる情報である搬送要求を順次取得する搬送要求取得部と、
取得した搬送要求を前記搬送車の中のいずれかに順次割り付ける割付部と、
前記搬送車の位置、および搬送要求の割付状況を把握する状況把握部と、を備え、
前記割付部は、
搬送要求を取得した際に作業を有していない搬送車である待機搬送車が存在すると前記状況把握部が把握している場合は、前記待機搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車を決定し、待機搬送車が存在しないと前記状況把握部が把握している場合は、搬送要求が割り付けられている搬送車である実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求に含まれる搬送先を基準に距離優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車を決定する
割付装置。
【請求項2】
前記割付部は、
搬送要求発生時に待機搬送車が存在すると前記状況把握部が把握している場合に、待機搬送車の数が台数閾値未満の場合、待機搬送車および実行中搬送車の中から搬送要求を割り付け、待機搬送車の数が台数閾値以上の場合、待機搬送車の中から搬送要求を割り付ける
請求項1に記載の割付装置。
【請求項3】
前記割付部は、
搬送要求を取得した際に待機搬送車が存在しないと前記状況把握部が把握している場合であって、実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求が最も早く終了するタイミングが所定の終了時間閾値を超える場合、距離優先モードから時間優先モードに切り替えて搬送要求を割り付ける搬送車を決定する
請求項1または2に記載の割付装置。
【請求項4】
前記割付部は、
待機搬送車が存在しないと前記状況把握部が把握している場合であって、充電作業を要する前記搬送車である充電搬送車が存在すると前記状況把握部が把握している場合、搬送要求と充電ポイントの位置に基づき充電搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車を決定する
請求項1から3のいずれか一項に記載の割付装置。
【請求項5】
前記状況把握部は、
待機搬送車の台数の把握、または有無の把握を前記搬送要求取得部の搬送要求取得の時から所定時間後の予想状態で把握する
請求項1から4のいずれか一項に記載の割付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
荷物の移送に関する情報である搬送要求に基づき荷物を搬送する搬送車に搬送要求を割り付ける割付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物を搬送する複数の搬送車と、搬送元から搬送先へ荷物を搬送車に搬送させる情報であるいわゆるフロムトゥー情報などと称される搬送要求を順次取得し、複数の搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車を決定する割付装置を備える搬送車システムが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、所定の軌道に沿って走行する複数の搬送車について、先にロードポートに到着する実荷の搬送車の後方の所定距離内に空荷の搬送車が存在する場合は、後方の搬送車に搬送要求を割り付ける搬送車システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
搬送車システムにおいて、順次発生する搬送要求をどの搬送車に割り付けるかは、搬送効率に影響する。搬送要求の割り付け方法としては、大きく分けて2種類の方法がある。一つは、搬送元までの距離が最も近い搬送車に割り付ける距離優先モードであり、他の一つは、搬送元への到着時刻が最も早い搬送車に割り付ける 時間優先モードである。従来は、距離優先モード、および時間優先モードのどちらを採用するかあらかじめ設計者が決定したうえで搬送車システムが運用されており、最適なモードが採用されているかは不明となっている。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、搬送車システムの状況に応じて搬送要求を割り付けることのできる割付装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の1つである割付装置は、搬送元から搬送先へ荷物を搬送車に搬送させる情報である搬送要求を順次取得する搬送要求取得部と、取得した搬送要求を前記搬送車の中のいずれかに順次割り付ける割付部と、前記搬送車の位置、および搬送要求の割付状況を把握する状況把握部と、を備え、前記割付部は、搬送要求を取得した際に作業を有していない搬送車である待機搬送車が存在すると前記状況把握部が把握している場合は、前記待機搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車を決定し、待機搬送車が存在しないと前記状況把握部が把握している場合は、搬送要求が割り付けられている搬送車である実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求に含まれる搬送先を基準に距離優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送要求の割り付け状況に応じて割付モードを変更し、搬送効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】割付装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】割付装置の第一の処理フローを示すフローチャートである。
【
図4】割付装置の第二の処理フローを示すフローチャートである。
【
図5】割付装置の第三の処理フローを示すフローチャートである。
【
図6】割付装置の第四の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る割付装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0011】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。また、図中に示す場合があるX軸、Y軸、Z軸は、図の説明のために任意に設定した直交座標を示している。つまりZ軸は、鉛直方向に沿う軸とは限らず、X軸、Y軸は、水平面内に存在するとは限らない。
【0012】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0013】
図1は、搬送車システム200の一例を示す斜視図である。搬送車システム200は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、自動倉庫210と、ステーション220と、搬送車230と、充電ポイント240と、割付装置100と、を備えている。
【0014】
自動倉庫210は、所定数の荷物300を保管し、各保管場所に自動的に荷物300を搬入し、各保管場所から荷物300を搬出することができる設備である。本実施の形態の場合、自動倉庫210は、搬送車230に荷物300を受け渡すことができる複数の搬出場所を備え、搬送車230から荷物を受け取ることができる複数の搬入場所を備えている。搬出場所は、搬送車230の搬送元となり、搬入場所は搬送車230の搬送先となる。なお、自動倉庫210には、搬出機能と搬入機能との両方を実現する場所が存在してもかまわない。
【0015】
ステーション220は、搬送車230から荷物300を受け取り、搬送車230へ荷物300を受け渡すことができる設備、または場所である。本実施の形態の場合、搬送車システム200は、複数のステーション220を備えている。ステーション220は、配置された作業者、またはロボットが受け取った荷物300の中から所定数の商品を取り出し、別の荷物300に取り出した商品を収納するいわゆるピッキングステーションである。また、ステーション220では、商品の取り出しが終了した荷物300を搬送車230に受け渡される。
【0016】
搬送車230は、割り付けられた搬送要求に従い搬送要求に定められた場所で荷物300を受け取り、搬送要求に定められた場所まで荷物300を搬送し、搬送した荷物300を受け渡すことができる台車である。本実施の形態の場合、搬送車230は、搬送要求に従って自律的に床面上を無軌道で走行する無人台車であり、荷物300の受け取り、受け渡しができる移載装置を備えている。
【0017】
搬送車システム200において、搬送車230は、作業を有している作業搬送車と、作業を有していない待機搬送車と、に分類される。また、作業搬送車は、搬送要求が割り付けられている実行中搬送車と、充電を要する充電搬送車に分類される。充電を要するには、充電する予定が存在している状態、充電のために充電ポイント240に向かっている状態、充電ポイント240において充電している状態が含まれる。充電する予定が存在するとは、例えば搬送車230のバッテリー残量が残量閾値以下になった場合などである。
【0018】
充電ポイント240は、到着し接続された搬送車230のバッテリーを充電する設備である。本実施の形態の場合、搬送車システム200は、複数の充電ポイント240を備えている。
【0019】
図2は、割付装置100の機能構成を示すブロック図である。割付装置100は、取得した情報を処理し、処理結果を搬送車230に出力することができるコンピュータシステムであり、プロセッサにプログラムを実行させることにより実現される処理部として、搬送要求取得部101と、状況把握部102と、割付部103と、を備えている。なお、割付装置100として機能するコンピュータシステムは、他の機能、例えば自動倉庫210を制御する機能などを備えても構わない。
【0020】
搬送要求取得部101は、自動倉庫210の搬出場所、ステーション220の受け渡し場所などの搬送元から自動倉庫210の搬入場所、ステーション220の受け取り場所などの搬送先へ荷物を搬送車に搬送させる情報である搬送要求を取得する処理部である。搬送要求の取得先は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、搬送要求は上位コンピュータ310から取得している。上位コンピュータ310において、搬送要求が発生するタイミングはランダムであり、搬送要求取得部101は、上位コンピュータ310で搬送要求が発生した順に搬送要求を取得する。
【0021】
搬送要求とは、少なくとも搬送元の位置を示す情報、および搬送先の位置を示す情報が含まれている情報である。本実施の形態の場合、搬送要求には、いつまでに搬送元で荷物300を受け取るかを示す受け取り期限情報、およびいつまでに搬送先に荷物300を受け渡すかを示す受け渡し期限情報の少なくとも一方が含まれている。
【0022】
状況把握部102は、搬送車230のそれぞれの位置、および搬送車230に搬送要求が割り付けられているか否かを示す割付状況を把握する。状況把握部102の状況把握方法は、特に限定されるものではなく、搬送車230から状況を直接取得する方法、割付部103から取得する方法、上位コンピュータ310から取得する方法などを例示することができる。具体的に状況把握部102は、作業を有している作業搬送車か、作業を有していない待機搬送車かを把握する。本実施の形態の場合、状況把握部102は、作業搬送車の中から実行中搬送車か、充電搬送車か、を把握する。さらに、状況把握部102は、少なくとも待機搬送車の台数を把握する。状況把握部102は、実行中搬送車の台数、充電搬送車の台数を把握してもよい。
【0023】
状況把握部102は、待機搬送車の台数の把握、または有無の把握を搬送要求取得部101が搬送要求を取得した時から所定時間(例えば数秒)後の予想状態で把握してもかまわない。具体的には、状況把握部102は、搬送要求が割り付けられている搬送車230の進捗状況を把握し、搬送要求が終了するまでの時間が終了予想閾値未満の搬送車230は、待機搬送車であると把握してもかまわない。また、状況把握部102は、充電搬送車の充電の進捗を把握し、充電が終了するまでの時間が終了予想閾値未満の搬送車230は、待機搬送車であると把握してもかまわない。
【0024】
割付部103は、搬送要求取得部101が取得した搬送要求を搬送車230の中のいずれかに順次割り付ける処理部である。割付部103は、搬送要求取得部101が搬送要求を取得した際に待機搬送車が存在すると状況把握部102が把握している場合は、待機搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車230を決定し、待機搬送車が存在しないと状況把握部102が把握している場合は、実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求に含まれる搬送先を基準に距離優先モードで搬送要求を追加して割り付ける搬送車230を決定する。なお、時間優先モードにおいて、待機搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車230を決定するとは、他の条件(下記参照)において待機搬送車以外の搬送車230に搬送要求を割り付けることを否定するものではない。同様に、距離優先モードにおいて、実行中搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車230を決定するとは、実行中搬送車以外の搬送車230に搬送要求を割り付けることを否定するものではない。
【0025】
具体的に時間優先モードの場合、状況把握部102から各待機搬送車の位置を取得し、搬送要求に含まれる搬送元に最も早く到達できる待機搬送車に搬送要求を割り付ける。距離優先モードの場合は、各実行中搬送車に割り付けられた搬送先の位置から割り付ける搬送要求の搬送元までの距離が最も近い実行中搬送車に搬送要求を割り付ける。
【0026】
また、割付部103は、待機搬送車の数が1台以上、台数閾値未満の場合、待機搬送車および実行中搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付け、待機搬送車の数が台数閾値以上の場合、待機搬送車の中から搬送要求を割り付けてもかまわない。具体的には、搬送要求に含まれている搬送元に待機搬送車が到着する時間、および実行中搬送車が割り付けられた搬送要求を終了した後搬送元に到着する時間を比較し、最も短い時間で搬送元に到着する搬送車230に搬送要求を割り付ける。
【0027】
なお、搬送元に最も早く到達できる搬送車の決定方法は、限定されるものではない。本実施の形態の場合、次の手順で各搬送車の搬送元への到着予想時刻を算出し、算出結果に基づき決定する。
【0028】
(1)各搬送車の到着予想時刻を概算する。
1.1.実行中搬送車の場合:
(概算到着予想時刻)=(実行完了予定時刻)+(実行完了位置から搬送元までの最短距離)/(搬送車の平均速度)+(現在地から搬送元までのターン回数)×(1回あたりのターン時間)
1.2.待機搬送車の場合:
(概算到着予想時刻)=(現在地から搬送元までの最短距離)/(搬送車の平均速度)+(現在地から搬送元までのターン回数)×(1回あたりのターン時間)
(2)算出された概算到着予想時刻が早い上位数台を取り出し、他搬送車との経路干渉を考慮した予定経路を算出する。
(3)算出された予定経路の情報(例えば、搬送車の縦行距離とその回数、ターン時間とその回数)に基づき、1.1.または1.2.と同様の計算式を用い、概算到着予想時刻を到着予想時刻として各搬送車の到着予想時刻を算出する。
(4)算出された到着予想時刻が最も早い搬送車に決定する。
【0029】
なお、他搬送車との経路干渉を考慮した予定経路は、例えば、Enhanced Conflict-Based Searchなどによって算出できる。
【0030】
また、割付部103は、搬送要求を取得した際に待機搬送車が存在しないと状況把握部102が把握している場合であって、実行中搬送車の中から割り付けられた搬送要求が最も早く終了するタイミングが所定の終了時間閾値を超える場合、距離優先モードから時間優先モードに切り替えて搬送要求を割り付ける搬送車230を決定してもかまわない。搬送要求が終了するタイミングは、搬送要求に含まれる受け渡し期限情報に基づき取得してもかまわない。また、状況把握部102が把握している搬送車230のリードタイムに基づき搬送要求が終了するタイミングを取得してもかまわない。
【0031】
また、割付部103は、待機搬送車が存在しないと状況把握部102が把握している場合であって、充電ポイントへ向かう作業が割り付けられた充電搬送車が存在すると状況把握部102が把握している場合、割り付ける搬送要求と充電ポイントの位置に基づき充電搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車230を決定してもかまわない。具体的には、充電搬送車の割り付けを決定する際の位置(充電ポイント240に向かう前の位置、充電ポイント240に向かっている途中の位置も含む)から割り付けられる搬送要求を実行し充電ポイント240に到達するまでの距離が、充電搬送車の位置から充電ポイント240に直接向かう距離の距離閾値倍未満の場合、充電搬送車の中から搬送要求を割り付ける搬送車230を決定してもかまわない。
【0032】
次に割付装置100の第一の処理フローを説明する。
図3は、割付装置100の第一の処理フローを示すフローチャートである。同図に示すように、状況把握部102は、搬送車230の状況を把握している(S101)。次に、搬送要求取得部101が搬送要求を取得すると(S102、Yes)、割付部103は、待機搬送車の有無を判断する(S103)。待機搬送車が存在する場合(S103、Yes)、割付部103は、待機搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S104)。待機搬送車が存在しない場合(S103、No)、割付部103は、実行中搬送車の中から距離優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S104)。以上の処理が操業終了まで繰り返される(S106)。以上により、各搬送車230の状況を総合的に判断して適切なモードに変更し、搬送車システム200の搬送効率を向上させることができる。
【0033】
次に割付装置100の第二の処理フローを説明する。
図4は、割付装置100の第二の処理フローを示すフローチャートである。同図に示すように、状況把握部102は、搬送車230の状況を把握している(S201)。次に、搬送要求取得部101が搬送要求を取得すると(S202、Yes)、割付部103は、待機搬送車の有無を判断する(S203)。待機搬送車が存在する場合(S203、Yes)、割付部103は、さらに待機搬送車が台数閾値未満か否かを判断する(S204)。待機搬送車の数が台数閾値未満の場合(S204、Yes)、割付部103は、待機搬送車、および実行中搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S205)。待機搬送車の数が台数閾値以上の場合(S204、No)、割付部103は、待機搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S206)。待機搬送車が存在しない場合(S203、No)、割付部103は、実行中搬送車の中から距離優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S207)。以上の処理が操業終了まで繰り返される(S208)。以上により、待機搬送車が少数の場合、実行中搬送車も時間優先モードにおける割付対象に加えることで、搬送車システム200の搬送効率を向上させることができる。
【0034】
次に割付装置100の第三の処理フローを説明する。
図5は、割付装置100の第三の処理フローを示すフローチャートである。同図に示すように、状況把握部102は、搬送車230の状況を把握している(S301)。次に、搬送要求取得部101が搬送要求を取得すると(S302、Yes)、割付部103は、待機搬送車の有無を判断する(S303)。待機搬送車が存在する場合(S303、Yes)、割付部103は、さらに待機搬送車が台数閾値未満か否かを判断する(S304)。待機搬送車の数が台数閾値未満の場合(S304、Yes)、割付部103は、待機搬送車、および実行中搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S305)。待機搬送車の数が台数閾値以上の場合(S304、No)、割付部103は、待機搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S306)。待機搬送車が存在しない場合(S303、No)、割付部103は、実行中搬送車が割り付けられた搬送要求を終了するまでの時間が終了時間閾値未満か否かを判断する(S307)。搬送要求を終了するまでの時間が終了時間閾値未満の場合(S307、Yes)、割付部103は、搬送要求を終了するまでの時間が終了時間閾値未満の搬送車230の中から距離優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車230を決定する(S308)。搬送要求を終了するまでの時間が終了時間閾値以上の場合(S307、No)、実行中搬送車の中から時間優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車230を決定する(S309)。以上の処理が操業終了まで繰り返される(S310)。以上により、待機搬送車が存在しない場合において、実行中搬送車の台数に応じてモードを選択することにより搬送車システム200の搬送効率を向上させることができる。
【0035】
次に割付装置100の第四の処理フローを説明する。
図6は、割付装置100の第四の処理フローを示すフローチャートである。同図に示すように、状況把握部102は、搬送車230の状況を把握している(S401)。次に、搬送要求取得部101が搬送要求を取得すると(S402、Yes)、割付部103は、待機搬送車の有無を判断する(S403)。待機搬送車が存在する場合(S403、Yes)、割付部103は、さらに待機搬送車が台数閾値未満か否かを判断する(S404)。待機搬送車の数が台数閾値未満の場合(S404、Yes)、割付部103は、待機搬送車、および実行中搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S405)。待機搬送車の数が台数閾値以上の場合(S404、No)、割付部103は、待機搬送車の中から時間優先モードで割り付ける搬送車230を決定する(S406)。待機搬送車が存在しない場合(S403、No)、割付部103は、充電搬送車が存在するか否かを判断する(S407)。充電搬送車が存在する場合(S407、Yes)、割付部103は、充電搬送車、および実行中搬送車の中から距離優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車230を決定する(S408)。充電搬送車がない場合(S407、No)、実行中搬送車の中から距離優先モードで搬送要求を割り付ける搬送車230を決定する(S409)。以上の処理が操業終了まで繰り返される(S410)。以上により、充電搬送車についても割付対象に加えることで、割付対象の選択肢が増加し引いては搬送車システム200の搬送効率の向上を図ることができる。
【0036】
上記実施の形態にかかる割付装置100によれば、待機搬送車の有無、または数に基づきモードを変更するため、搬送車システム200の搬送効率を向上させることができる。具体的には、時間優先モードに固定することにより発生する現象、例えば搬送要求に含まれる搬送元に距離が遠い搬送車230が向かい狭い空間内で余計な混雑が発生する現象を回避することができる。また、距離優先モードに固定することにより発生する現象、例えば待機搬送車が存在するにもかかわらず、実行中搬送車に搬送要求が割り付けられることが重なり、搬送車230間で搬送数の偏りが発生する現象を回避することができる。
【0037】
また、待機搬送車の台数によってきめ細かにモードを変更することによりさらに非効率な搬送要求の割り付けを防止することができる。
【0038】
また、待機搬送車がない場合に、実行中搬送車の搬送要求の終了までの時間に基づき距離優先モードと時間優先モードとを切り替えることで、搬送車システム200の搬送効率を向上させることができる。
【0039】
また、充電搬送車を搬送要求の割り付け対象に加えることで、割り付ける搬送車230の選択肢が増加し、搬送効率の向上を図ることが可能となる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0041】
例えば、上記実施の形態では、無軌道の搬送車230を例示したが、搬送車230は有軌道であってもかまわない。
【0042】
また、第一の処理フローから第四の処理フローまでの複数のフローを説明したが、これらのフローから処理の一部を省略してもよく、またこれらのフローの処理の一部を組み合わせた新たなフローに基づき割付装置100が処理してもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、搬送要求を割り付ける複数の搬送車を備えた搬送車システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 割付装置
101 搬送要求取得部
102 状況把握部
103 割付部
200 搬送車システム
210 自動倉庫
220 ステーション
230 搬送車
240 充電ポイント
300 荷物
310 上位コンピュータ