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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135715
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】計測端末装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230922BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20230922BHJP
   G01J 5/48 20220101ALI20230922BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
A61B5/01 350
G01J5/48 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040939
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】川本 康貴
【テーマコード(参考)】
2G066
4C117
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066BA14
2G066BC15
2G066CA02
2G066CA16
4C117XA07
4C117XB01
4C117XB02
4C117XB04
4C117XB06
4C117XE23
4C117XE43
4C117XE48
4C117XE76
4C117XG03
4C117XG05
4C117XH12
4C117XH16
4C117XJ13
4C117XJ46
4C117XJ48
4C117XJ52
4C117XL01
4C117XQ18
(57)【要約】
【課題】計測者の負担を軽減して、計測対象毎に計測結果を確実に登録できるようにする。
【解決手段】本発明に係る計測端末装置は、計測対象を特定するための計測対象特定情報を取得する計測対象特定手段と、計測対象に対して所定種類の計測を行ない、その計測結果を計測表示部に表示する計測手段と、少なくとも、計測表示部に表示される計測結果を捉えた画像を撮像する撮像手段と、撮像手段により連続的に出力される映像から、計測結果を捉えた画像候補を決定する決定手段と、決定手段により決定された画像候補と、計測対象特定情報とを関連付けた情報を、外部に登録する登録手段とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象を特定するための計測対象特定情報を取得する計測対象特定手段と、
前記計測対象に対して所定種類の計測を行ない、その計測結果を計測表示部に表示する計測手段と、
少なくとも、前記計測表示部に表示される前記計測結果を捉えた画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により連続的に出力される映像から、前記計測結果を捉えた画像候補を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された画像候補と、前記計測対象特定情報とを関連付けた情報を、外部に登録する登録手段と
を備えることを計測端末装置。
【請求項2】
前記計測手段が、前記計測対象の体温を計測するものであることを特徴とする請求項1に記載の計測端末装置。
【請求項3】
前記計測対象特定情報が、前記計測対象の特定情報をコード化したコード情報であり、
前記計測対象特定手段が、前記撮像装置により撮像された、前記コード情報を含む画像から抽出した前記コード情報に対応する前記計測対象の前記特定情報を認識する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測端末装置。
【請求項4】
前記計測対象が人間であり、前記計測対象特定手段が被計測者を撮影したカメラ画像を用いて顔認証して、当該顔認証の結果を前記計測対象特定情報として取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測端末装置に関し、例えば、計測対象の体温のデータ値を計測対象毎に保存する検温システムで利用される計測端末装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、保育園では、園児の体調管理のため、1日に1回若しくは複数回、園児の検温して記録している。園児の体温はそもそも少し高いため、体調の良し悪しは体温の絶対値ではわからない。そのため園児の体温を数時間おきに複数回測定し、体温の変化量を見ることで体調の良し悪しを判断することが望ましいとされている。
【0003】
これまで、保育士が園児一人ひとりの体温を測定して、各園児用の紙の記録表に体温の値を保育士が記録していることが多く、保育士にとって負担が大きい。近年、保育士の負担を軽減することを目的とした保育園向け保育士支援システムが多数提案されており、そのうちの1つとして、非特許文献1、2に例示するような検温システムがある。
【0004】
非特許文献1は、タブレット型コンピュータ6と無線体温計5の連携したシステム(ここでは、「タブレット型検温システム」とも呼ぶ。)である。図7に例示するように、保育士が無線体温計5を用いて園児(被計測者)Tの体温を計測し、無線体温計5が計測した体温データをタブレット型コンピュータ6に無線送信する。タブレット型コンピュータ6は、例えば検温管理用のアプリケーション(「体温管理アプリ」とも呼ぶ。)60を搭載しており、体温管理アプリ60で園児名前などの被計測者情報と体温データとを関連づけて記録する。
【0005】
非特許文献2は、カメラ画像に基づいて被計測者を特定する機能と体温計とを連携させた固定型の検温システム(以下、「固定型カメラ検温システム」とも呼ぶ。)である。図8に例示するように、固定型カメラ検温システム7は、園児(被計測者)Tを撮影するカメラ73と、被計測者Tの表面温度を計測するサーマルカメラ(赤外線カメラ)71とを有している。体温測定部72がサーマルカメラ71の画像に基づいて被計測者Tの表面温度データを計測し、認識部74がカメラ画像を解析して被計測者を特定する。そして、被計測者を特定する被計測者情報と表面温度のデータとを関連づけて記録する。このとき、例えば、カメラ73の撮影画像と、被計測者特定情報77と、表面体温の値78とがディスプレイ76に表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社学研教育みらい,学研保育ICTサービス hugmo紹介ホームページ,“Hugsafety”,2022(令和4)年1月5日検索,https://www.hugmo.net/hugsafety/
【非特許文献2】KDDI株式会社,法人のお客様 サービス紹介ホームページ,“KDDI IoTクラウド Standard サーマルカメラ パッケージ”,2022(令和4)年1月5日検索,https://biz.kddi.com/service/iot-cloud-standard/thermal/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したタブレット型検温システムの場合、体温を計測する際、無線体温計とタブレット型コンピュータという2つの機器を保育士が取り扱う必要があり、保育士にとって煩わしい。また、被計測者である園児を特定するための情報については保育士が手入力する必要があるため、誤入力の可能性もある。また、その負担も大きい。
【0008】
上述した固定型カメラ検温システムの場合、固定型カメラはサーマルカメラを搭載しているため大型となってしまい、据え置き型が一般的である。園児の体温を計測するときには、保育士の付き添いが必要である。また計測が完了するまで、固定型カメラの前に、園児をじっと立たせておくことが必要であるが、活発な園児を固定型カメラの前に立たせることは難しいという問題もある。
【0009】
なお、上述した課題は、被計測者が園児である場合を例示して具体的に課題を説明したが、被計測者は園児であることに限らず、従来の検温システムにも同様の課題が生じる。
【0010】
そのため、計測者の負担を軽減して、計測対象毎に計測者が選択した計測結果を確実に登録できる計測端末装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために、本発明に係る計測端末装置は、計測対象を特定するための計測対象特定情報を取得する計測対象特定手段と、計測対象に対して所定種類の計測を行ない、その計測結果を計測表示部に表示する計測手段と、少なくとも、計測表示部に表示される計測結果を捉えた画像を撮像する撮像手段と、撮像手段により連続的に出力される映像から、計測結果を捉えた画像候補を決定する決定手段と、決定手段により決定された画像候補と、計測対象特定情報とを関連付けた情報を、外部に登録する登録手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、計測者の負担を軽減して、計測対象毎に計測者が選択した計測結果を確実に登録できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る検温システムの全体構成を示す全体構成図である。
図2】実施形態に係る計測端末装置の内部構成を示す内部構成図である。
図3】実施形態に係る記録装置の内部構成を示す内部構成図である。
図4】実施形態に係る検温システムの処理動作を示す動作遷移図である。
図5】実施形態に係る検温システムの処理動作を説明する説明図である。
図6】実施形態に係る記録装置の記憶部に記録される記録情報の構成を示す構成図である。
図7】従来のタブレット型検温システムの構成を説明する説明図である。
図8】従来の固定型カメラ検温システムの構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)実施形態
以下、本発明に係る計測端末装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(A-1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る検温システムの全体構成を示す全体構成図である。
【0016】
図1において、検温システムSは、計測端末装置1と、記録装置2と、情報表示装置3とを有する。
【0017】
計測端末装置1は、例えば、無線通信機能を有する体温計を適用できる。また、計測端末装置1、スマートフォン、タブレット端末、ウェアブル端末、検温専用の携帯端末等の情報処理装置を用いることができる。計測端末装置1のハードウェアは、既存の情報処理装置と同様のものを適用でき、例えば、CPU、ROM、RAM、ディスプレイ等の表示部、タッチパネル等の入力部、通信機能部等を有する。計測端末装置1は、CPUを機能させる処理プログラム(この実施形態の場合、例えば、体温計測等の計測アプリケーションプログラム等)をインストールしており、CPUが処理プログラムを実行することで、各種機能が実現される。
【0018】
計測端末装置1は、少なくとも、計測対象である被計測者Tを特定するためのデータと、被計測者Tの体温値を含むデータ(この実施形態は、少なくとも体温値を含むカメラ画像のデータ)とを関連付けた記録情報を、記録装置2に送信する。
【0019】
例えば、「被計測者Tを特定するためのデータ」は、被計測者Tを一意に識別する計測対象識別情報、つまりユーザID等のように被計測者毎に付された識別番号とする。また例えば、記録装置2がコード情報に基づいて計測対象識別情報を出力する機能を有している場合、被計測者Tを特定するためのデータは、例えば、バーコード等の1次元コードのコードデータ自体、又はQRコード(登録商標)等の2次元コードのコードデータ自体としてもよい。
【0020】
「被計測者Tの体温値を含むデータ」は、例えば、計測端末装置1のカメラ18が撮影したカメラ画像であって、そのカメラ画像に、例えば体温測定部12のディスプレイ(体温表示部)121に表示されている測定値が映り込んでいる画像データとする。
【0021】
また、記録情報は、計測対象である被計測者Tを特定するためのデータと、被計測者Tの体温値を含むデータとに加えて、計測時刻を含んでもよい。
【0022】
さらに、記録情報は、計測対象識別情報と体温データの値と計測時刻に加えて、計測した位置情報(例えば、GPS機能を利用した緯度経度データ、基地局の位置を利用した位置情報等)、又は位置情報と地図情報を利用して特定した計測場所(又は計測住所)等の情報を関連付けたものでもよい。このように、記録情報は、少なくとも、計測対象識別情報と体温データの値とを関連付けた情報であるが、これに加えて他のデータを関連付けたものでもよい。
【0023】
記録装置2は、例えば、園内施設に設けられたサーバ、ネットワークNTに接続可能なサーバ、ネットワークNTを通じてクラウドサービスで提供されているクラウドディングコンピュータ等を用いることができる。図1では、記録装置2がクラウドコンピュータである場合を例示している。
【0024】
記録装置2は、ネットワークNTとの通信インタフェース部である通信部21と、計測端末装置1から受信した記録情報を記憶する記憶部22を有する。また、記録装置2は、記録情報を用いて、事前に決められた時間に検温したかを確認(検温確認)したり、被計測者の園児の体調不良を検出(体調管理)したり、園児の出欠管理をしたりする。
【0025】
記録情報を記憶する方法は、様々な方法を適用でき、例えば、記録装置2は登録ユーザの保育園毎に、記録情報を記憶部22に記憶する。また例えば、記録装置2は、保育園で定めた学年・組名を区別して、学年・組名毎に記録情報を記憶するようにしてもよい。具体的に、保育園の学年・組名毎に、園児の計測対象識別情報を対応付けしたテーブルを備えることで実現することができる。
【0026】
情報表示装置3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアブル端末、検温専用の携帯端末等の情報処理装置を用いることができる。情報表示装置3のハードウェアは、既存の情報処理装置と同様のものを適用でき、例えば、CPU、ROM、RAM、ディスプレイ等の表示部、タッチパネル等の入力部、通信機能部等を有する。情報表示装置3は、CPUを機能させる処理プログラム(この実施形態の場合、例えば、体温管理アプリケーションプログラム等)をインストールしており、CPUが処理プログラムを実行することで、各種機能が実現される。情報表示装置3は、ネットワークNTを介して記録装置2が記憶している記録情報を表示したり、音や表示等でアラーム通知をする。
【0027】
なお、図1では、機能的に、計測端末装置1と情報表示装置3を物理的に区別している場合を示しているが、物理的に同じ端末が、計測端末装置1と情報表示装置3との機能を有してもよい。つまり、1台の携帯端末が、計測端末装置1と情報表示装置3とを兼ね備えてもよい。
【0028】
(A-1-2)計測端末装置1の内部構成
図2は、実施形態に係る計測端末装置1の内部構成を示す内部構成図である。
【0029】
図2において、実施形態に係る計測端末装置1は、計測対象特定部11、体温測定部12、時計部13、位置情報取得部14、記録情報作成部15、通信部16、表示部17、カメラ18を有する。
【0030】
計測対象特定部11は、計測対象を特定するための情報(データ)を取得する。図2に示すように、計測対象特定部11は、計測対象認識用情報入力部111と、計測対象認識部112とを有する。
【0031】
計測対象認識用情報入力部111は、計測対象を特定するための認識用情報の入力を受け付ける。
【0032】
計測対象認識部112は、計測対象の認識用情報を用いて計測対象を認識して得た計測対象識別情報を取得する。
【0033】
例えば、計測対象特定部11は、計測端末装置1に搭載されているカメラ18を用いて、計測対象を特定することができる。
【0034】
その一例として、例えば、被計測者を特定する情報をコード化した1元コード又は2次元コードを、被計測者に貼り付けたり、又は被計測者の近くに置いてカメラ18で撮影する場合、計測対象特定部11は、カメラ画像に映っているコードを解読して、コードに対応する計測対象識別情報を読み取る。
【0035】
この例の場合、計測対象認識用情報入力部111が、計測端末装置1搭載のカメラ18と、カメラ画像を解析してカメラ画像上のコード(1次元コード又は2次元コード)からデータを読み取るコードリーダに相当し、計測対象認識部112が、1次元コード又は2次元コードのデータから1次元コードID又は2次元コードIDを取得するコード認識手段に相当する。
【0036】
また例えば、計測端末装置1搭載のカメラ18が被計測者を撮影し、そのカメラ画像を用いて顔の特徴量を利用した顔認証を行い、顔認証の結果、計測対象特定部11が計測対象を特定する被計測者識別情報を取得するようにしてもよい。その場合、事前に被計測者毎の認証用顔特徴データと、被計測者識別情報とを関連付けたデータベース部を有することが必要である。
【0037】
この例の場合、計測対象認識用情報入力部111が計測端末装置1搭載のカメラ18に相当し、計測対象認識部112が、認証用顔特徴データのデータベース部と、データベース部を用いて顔認証を行ない被計測者識別情報を出力する顔認証処理部とに相当する。
【0038】
体温測定部12は、計測対象である被計測者の体温データを測定して、被計測者の体温データを、記録情報作成部15に与える。
【0039】
ここで、体温測定部12は、非接触型の体温測定方法としてもよいし、接触型の体温測定方法としてもよい。この実施形態では、サーマルカメラ122を用いた非接触型の体温測定方法を用いる。
【0040】
時計部13は、被計測者の体温を計測した時刻を通知するために、時刻情報を記録情報作成部15に与える。
【0041】
位置情報取得部14は、被計測者の体温を計測した位置又は場所を特定するための位置情報を記録情報作成部15に与える。
【0042】
記録情報作成部15は、体温測定部12が測定した測定値を含んでいる画像と、計測対象特定部11からの計測対象識別情報とを関連付けた情報を、記録情報として作成する。
【0043】
「体温測定部12が測定した測定値を含んでいる画像」については、動作の項で詳細に説明するが、計測端末装置1のカメラ18が撮影したカメラ画像であって、そのカメラ画像に、例えば体温測定部12のディスプレイ(体温表示部)121に表示されている測定値が映り込んでいる画像である。
【0044】
表示部17は、計測端末装置1のディスプレイ(タッチパネルを含むディスプレイ)等の表示部である。
【0045】
通信部16は、ネットワークNTとの通信インタフェース部である。通信部16は、記録情報作成部15により作成された記録情報を送信する。通信部16の通信方式は、例えば、携帯電話通信規格で規定された無線通信方法、IEEE802.11で規定された無線通信方法、近距離無線通信規格の無線通信方法等を広く適用できる。
【0046】
(A-1-3)記録装置2の内部構成
図3は、実施形態に係る記録装置2の内部構成を示す内部構成図である。
【0047】
図3において、実施形態に係る記録装置2は、通信部21、記憶部22、制御部23を有する。
【0048】
制御部23は、記録装置2の各種機能を司る部分である。図3に示すように、制御部23は、機能的には、計測値読取部231、検温実施確認部232、体調管理部233、出欠管理部334を有する。
【0049】
計測値読取部231は、計測端末装置1から記録情報を取得する。計測端末装置1からの記録情報は、体温測定部12が測定した測定値を含んでいるカメラ画像を含んでいる。計測値読取部231は、カメラ画像を画像解析をして、カメラ画像に含まれている測定値(体温値)を読み取り、被計測者Tを一意に識別する計測対象識別情報と、測定値(体温値)とを関連付けた情報を記憶部22に記憶する。
【0050】
検温実施確認部232は、事前に設定した、1又は複数回の検温時間に検温が実施されたか否かを確認する。
【0051】
体調管理部233は、計測対象(被計測者)毎の体温データの値の時間的な変化と、閾値とを用いて、体調不良と思われる被計測者を推定する。
【0052】
出欠管理部234は、計測対象(被計測者)毎の検温実施状況に基づいて、当該被計測者が保育園に登園したか又は降園したかを管理する。
【0053】
(A-1-4)情報表示装置3の内部構成
図1に示すように、実施形態に係る情報表示装置3は、通信部31、表示部32、制御部33を有する。
【0054】
通信部31は、ネットワークNTとの通信インタフェース部である。通信部31は、ネットワークNTを介して、記録装置2から記録情報を受信する。
【0055】
なお、通信部31の通信方式は、計測端末装置1の通信部16と同様に、例えば、携帯電話通信規格で規定された無線通信方法、IEEE802.11で規定された無線通信方法、近距離無線通信規格の無線通信方法等を広く適用できる。
【0056】
表示部32は、情報表示装置3のディスプレイ(タッチパネルを含むディスプレイ)等の表示部である。表示部32は、制御部33の命令の下、記録装置2から取得した記録情報を表示する。
【0057】
制御部33は、情報表示装置3の各種機能を司る部分である。制御部33は、記録装置2から受信した計測対象(被計測者)の体温値を表示部32に表示する。
【0058】
(A-2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る検温システムSにおける処理動作を、図面を参照して説明する。
【0059】
図5は、実施形態に係る検温システムSの処理動作を説明する説明図である。図5(A)は、計測者Mがカメラ18で撮影する際に、計測端末装置1の本体と、計測端末装置1の体温測定部12及びコード情報が付与された媒体19との位置関係を説明する図である。
【0060】
まず、例えば保育士、保護者等の計測者Mは、計測端末装置1の電源をONにして、計測端末装置1にインストールされている計測アプリケーション、カメラ18を起動する。
【0061】
また、計測者Mは、被計測者Tの特定情報をコード化した1次元コード又は2次元コード(以下では、「コード」と呼ぶ。)を付与した媒体19を、被計測者(例えば園児)Tに貼り付けたり、又は被計測者Tの近くに置く。
【0062】
そして、計測者Mは、計測端末装置1上で計測アプリケーションとカメラ18を起動し、図5(A)に例示するように、計測者Mは、計測端末装置1のカメラ18で、前記媒体19のコードと、サーマルカメラ122を用いた体温測定部12とが映り込むようにする。
【0063】
つまり、サーマルカメラ122を用いた体温測定部12は、測定値を表示する体温表示部121を備えており、媒体19に付与されているコードと、体温測定部12の体温表示部121に表示されている体温値(測定値)とが、カメラ画像に映り込むようにする。なお、コードと、体温値とは、同時にカメラ画像に映り込んでいる必要はない。
【0064】
図5(B)は、計測端末装置1の表示部17に表示される計測操作画面例を示す構成図である。
【0065】
図5(B)に例示するように、計測操作画面40は、カメラ18が撮像しているカメラ画像を表示するカメラ画像表示部41と、計測者Mにより操作される計測操作部42とを有する。
【0066】
カメラ画像表示部41は、シャッターボタンも兼ねており、カメラ画像表示部41の領域が計測者Mに選択されると、シャッターが切られ、その時点の静止画が撮影される。
【0067】
計測操作部42は、被計測者Tの計測対象識別情報を取得するために、1次元コード又は2次元コードの読み取りを開始するコード読取ボタン421と、体温測定部12が被計測者Tの体温を連続的に測定した測定値の中から、計測者Mの操作によって測定値を決定するための体温測定ボタン422と、体温測定ボタン422で決定した測定値(体温値)と計測対象識別情報とを関連付けた記録情報を記録装置2に登録(記録)するための登録ボタン423とを有する。
【0068】
このような状態で、計測者Mの操作による計測端末装置1における計測処理の動作を、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る検温システムSの処理動作を示す動作図である。
【0069】
[ステップS401]
例えば図5(B)において、計測端末装置1の表示部17のコード読取ボタン421が、計測者Mによって押下されると、計測対象認識用情報入力部111が、計測対象とする被計測者Tの計測対象認識用情報を取得する(ステップS401)。
【0070】
図5(B)におけるコード読取ボタン421が選択されると、計測対象認識用情報入力部111としてのコードリーダが継続的に有効に起動する。つまり、カメラ18のカメラ画像に、1次元コード又は2次元コードが含まれると、継続的に起動しているコードリーダがコードデータを読み取る。
【0071】
[ステップS402]
次に、計測端末装置1において、計測対象認識部112は、計測対象認識用情報入力部111から計測対象認識用情報を受け取り、その計測対象認識用情報に基づいて、計測対象識別情報を取得する(ステップS402)。
【0072】
上述した例の場合、計測対象認識用情報入力部111としてのコードリーダが読み取ったコードデータに基づいて、計測対象認識部112が、コードデータに対応する被計測者Tの計測対象識別情報を取得する。
【0073】
例えば、事前に、被計測者Tの計測対象識別情報と、その計測対象識別情報に対応するコードとを対応付けたテーブルが、ネットワークNTのサーバに登録されている場合、計測対象認識部112が、前記ネットワークNT上のサーバにアクセスして、コードに対応する計測対象識別情報を取得する。
【0074】
なお、コードに対応する計測対象識別情報を取得できた場合、その計測対象識別情報(又は、計測対象識別情報に紐づけされている被計測者Tの特定情報等)を図5(B)のカメラ画像表示部41に表示するようにしてもよい。
【0075】
[ステップS403]
次に、例えば図5(B)の体温測定ボタン422が、計測者Mにより選択されると、体温測定部12が、被計測者Tの体温を測定する(ステップS403)。
【0076】
例えば、サーマルカメラ122を用いた体温測定部12を利用する場合、サーマルカメラ122を、被計測者Tのオデコ部分に当てることで、被計測者Tの体温(表面温度)を測定できる。体温測定部12による体温測定が完了すると、体温表示部121に体温値が表示される。したがって、図5(B)のカメラ画像表示部41には、体温表示部121に表示される体温値が映し出される。
【0077】
なお、ステップS401及びS402と、ステップS403との順番は、逆でも良い。つまり、体温測定部12が被計測者Tの体温を測定した後に(ステップS403)、計測対象認識部112が計測対象識別情報を取得するようにしてもよい(ステップS401、S402)。
【0078】
図5(A)及び図5(B)のように、計測端末装置1搭載のカメラ18で、コードを付した媒体19と、体温測定部12の体温表示部121とが同時に映り込むように撮影して、カメラ画像を解析して、計測対象識別情報及び体温値を読み取る場合には、ステップS401及びS402と、ステップS403とを同時に行なうようにしてもよい。
【0079】
[ステップS404]
図5(B)のカメラ画像表示部41には、体温表示部121の体温値を含むカメラ画像が表示される。計測者Mは、体温値の数値が認識できる程度(すなわち、ピントが合い、数値が読める程度)となるように、シャッタ機能を有するカメラ画像表示部41を押下して、体温値を含むカメラ画像を撮影する。
【0080】
そして、カメラ画像における体温値の数値が認識できる場合、ステップS405に進み、認識できない場合、再度、図5(B)の体温測定ボタン422が計測者Mにより押下されると、ステップS403に移行して、再度体温が測定される(ステップS404)。
【0081】
また、カメラ画像上で、体温値にピントが合っていない場合に限らず、体温測定部12が測定した体温値が、想定を超えて低かったりする場合には、正しき検温できていないと判断でき、その場合にもステップS404と同様に、再検温するようにしてもよい。
【0082】
ここで、シャッタ機能を有するカメラ画像表示部41は、カメラ18により連続的に出力する映像の中から、測定値(体温値)を含む画像候補を決定する決定手段として機能する。シャッタとして機能するカメラ画像表示部41は、ソフトウェア的のボタンに相当し、時間的に出力される映像の中から、計測者Mが意識的に選択して、候補とする画像を決定する。
【0083】
なお、シャッタ機能を有するカメラ画像表示部41は「決定手段」の一例である。決定手段は、ソフトウェアのボタンに限らず、例えば物理的なボタンであってもよい。また例えば、音声認識処理を利用して、計測者Mが候補画像を選択するためのキーワードを発したことを認識して、候補とする画像を選択するものでもよい。
【0084】
[ステップS405]
図5(B)の登録ボタン423が計測者Mに押下されると、記録情報作成部15の記録情報決定部151は、体温値を含むカメラ画像と、計測対象識別情報とを関連付けた記録情報を作成して、記録情報登録部152が記録情報を記録装置2に送信する(ステップS405)。
【0085】
なお、この実施形態では、記録装置2が、カメラ画像を解析して計測値を読み取る計測値読取部231を備えることを前提に説明するため、計測端末装置1は、体温値を含むカメラ画像と、計測対象識別情報とを関連付けた記録情報を記録装置2に送信する場合を例示した。しかし、計測端末装置1が、前記計測値読取部231を備えてもよい。その場合、計測端末装置1の記録情報作成部15は、体温値と計測対象識別情報とを関連付けた記録情報を、記録装置2に送信することになる。
【0086】
図6は、実施形態に係る記録装置2の記憶部22に記録される記録情報の構成を示す構成図である。
【0087】
図6に示すように、記録情報は、「計測対象識別情報」、被計測者Tの「氏名」、「体温値」、「計測時刻」、「計測場所情報」を項目とする。なお、項目は、図6に挙げたものに限定されない。
【0088】
「計測対象識別情報」は、被計測者Tを一意に識別する識別情報を記録する。「氏名」は、被計測者Tの計測対象識別情報に紐付けられた、被計測者Tの氏名を記録する。例えば計測対象識別情報と氏名とを対応付けた別テーブル(図示しない)を備えることで、計測対象識別情報に対応する氏名を記録する。
【0089】
「体温値」は、体温値を含むカメラ画像を解析して、読み取った数値を記録する。
【0090】
「計測時刻」は、計測端末装置1の時計部13で記録した計測時刻を記録すするが、これに限らず記録装置2が記録情報を受信した時刻であってもよい。
【0091】
「計測場所情報」は、例えば位置情報取得部14がGPS情報(緯度経度)と事前に用意した地図情報とを用いて、緯度経度が指し示す位置に登録されている場所名称を記録する。これにより、どの場所で、被計測者Tの体温を計測したかを知ることができる。例えば、自宅で検温した場合には、自宅の住所が記録される。
【0092】
[ステップS406]
情報表示装置3では、通信部31が、記録装置2に保存されている記録情報を受信し、表示部32が、計測対象識別情報及び体温値を含む記録情報を表示する(ステップS406)。これにより、保育士等が情報表示装置3に表示される記録情報を確認することができる。
【0093】
(A-3)記録情報を用いた処理
記録装置2は、記憶部22に記憶されている記録情報と、事前に設定された情報とを用いて、以下のような処理を行なうことができる。
【0094】
[検温実施確認処理]
記録装置2において、検温実施確認部232は、例えば、各日の午前10時等のように、事前に検温時間を定義する。そして、検温実施確認部232は、検温時間までに、計測端末装置1から、被計測者Tの体温データの値の入力がない場合は、検温の測定し忘れと判断し、被計測者Tの計測対象識別情報と、検温し忘れの旨を示す情報を含む情報を、情報表示装置3に通知する。
【0095】
なお、1日のうちに複数回の検温時間を設けることができ、複数の検温時間のそれぞれになっても、被計測者Tの体温値の登録がないときには、その都度、検温実施確認部232が、情報表示装置3にアラーム通知するようにしても良い。
【0096】
[体調管理処理]
記録装置2において、体調管理部233は、被計測者T毎に、過去の複数の体温値を用いて、当該被計測者Tの体温値の平均値と、その平均値を基準としたときの変動幅を示す値を求める。そして、体調管理部233は、当該被計測者Tの最新の体温値を取得し、その体温値と平均値との差分値を求め、その差分値が変動幅の値より大きい場合、当該被計測者Tは、体温が高い状態であると判断し、当該被計測者Tの計測対象識別情報と、その旨を含む情報を、情報表示装置3に通知する。
【0097】
[出欠管理処理]
記録装置2において、出欠管理部234は、入園と同時に体温測定をした時刻を入園時刻とし、退園時に体温測定した時刻を退園時刻として園児の保育園への入園退園記録として扱うこともできる。
【0098】
同じ保育園に複数台の計測端末装置1がある場合、入園退園記録用として体温測定時刻を入力できるものを限定してもよい。
【0099】
(A-4)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、次の効果が得られる。
【0100】
実施形態によれば、計測者は、被計測者を特定する氏名やIDを入力する必要がない。したがって、計測者としての保育士の負担を大きく軽減できる。
【0101】
また、実施形態によれば、活発な園児であっても、計測者が、被計測者を測定しやすいように誘導しながら、体温を測定することができる。
【0102】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の実施形態にも適用できる。
【0103】
(B-1)上述した実施形態では、計測対象としての被計測者Tの識別情報は、1次元コード又は2次元コード等のコードを用いることとしたが、別方法で、被計測者を特定してもよい。例えば、カメラ18が、顔認証のために、被計測者Tの顔を撮影し、そのカメラ画像から顔特徴データを抽出し、被計測者T毎の顔認証用特徴データを保存したデータベース部から、抽出した顔特徴データに一致するデータを検索して、被計測者識別情報を取得するようにしてもよい。
【0104】
(B-2)上述した実施形態も触れたが、検温システムSにおいて、被計測者の体温を計測した場所を推定する機能を備えるようにしてもよい。例えば、GPS情報(緯度経度データ)と地図情報とを用いて、GPS情報に対応する位置の場所情報を推定して、記録装置2に記録するようにしてもよい。これにより、どの施設で測定したかを、測定の度に人が入力する必要がなくなる。「体温測定を実施した場所」を推定する機能は、計測端末装置1にGPSを搭載して、測定時に測定結果とともに位置情報を合わせて送信する。また別の方法としては、情報表示装置3にGPSを搭載して設置時に位置情報を送信するようにしてもよい。
【0105】
また、このように、いろいろな場所で検温できるようにすることで、例えば、園児が家にいるときには、園児の親が測定した体温情報を測定して、記録装置2への記録をすることができる。
【0106】
(B-3)さらに、上述した実施形態では、計測対象として園児等の人間を計測対象として、対象者の体温を計測する構成となっているが、計測対象として人間以外の生物や物品等を計測対象とし、その温度や温度以外の振動その他の状態情報を計測する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…計測端末装置、2…記録装置、3…情報表示装置、11…計測対象特定部、12…体温測定部、13…時計部、14…位置情報取得部、15…記録情報作成部、16…通信部、17…表示部、18…カメラ、19…媒体、21…通信部、22…記憶部、23…制御部、31…通信部、32…表示部、33…制御部、40…計測操作画面、41…カメラ画像表示部、42…計測操作部、111…計測対象認識用情報入力部、112…計測対象認識部、121…体温表示部、122…サーマルカメラ、151…記録情報決定部、152…記録情報登録部、231…計測値読取部、232…検温実施確認部、233…体調管理部、234…出欠管理部、334…出欠管理部、421…コード読取ボタン、422…体温測定ボタン、423…登録ボタン、S…検温システム。
図1
図2
図3
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図6
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図8