(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135744
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】車両用燈体装置
(51)【国際特許分類】
F21S 45/50 20180101AFI20230922BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20230922BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20230922BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20230922BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20230922BHJP
F21W 107/17 20180101ALN20230922BHJP
【FI】
F21S45/50
H01R13/52 301H
F21V31/00 100
F21V23/06
F21W103:20
F21W107:17
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040984
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】村越 哲也
【テーマコード(参考)】
3K014
5E087
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014HA03
3K014NA04
5E087FF03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM02
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR13
(57)【要約】
【課題】組み立て性を向上しつつ、外部とのシール性も向上できる車両用燈体装置を提供する。
【解決手段】基板3の端子14は、表面3aの法線方向と交差する方向に延びる。ハウジング2は、表面3aを露出させる開口部と、カバー4を端子14に向かって挿入可能なカバー挿入孔12aが形成され、基板3が配置されている側と外部コネクタ102が配置される側とを隔壁する隔壁部11と、を備える。シール部材5は、カバー4の右端面4aと外部コネクタ102との間のシール性、及びカバー4とカバー挿入孔12aとの間のシール性を確保する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に発光体が実装されるとともに外部コネクタが接続される端子を有する基板と、
前記基板を収納するハウジングと、
前記端子が挿入される端子挿入孔を有するとともに、前記端子の挿入方向とは反対側の一端面から前記外部コネクタを受け入れ、前記端子と前記外部コネクタとを接続させるカバーと、
シール部材と、
を備え、
前記端子は、前記一面の法線方向と交差する方向に延び、
前記ハウジングは、
前記一面を露出させる開口部と、
前記カバーを前記端子に向かって挿入可能なカバー挿入孔が形成され、前記基板が配置されている側と前記外部コネクタが配置される側とを隔壁する隔壁部と、
を備え、
前記シール部材は、前記カバーの前記一端面と前記外部コネクタとの間のシール性、及び前記カバーと前記カバー挿入孔との間のシール性を確保する
ことを特徴とする車両用燈体装置。
【請求項2】
前記カバーと前記シール部材とが一体化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用燈体装置。
【請求項3】
前記カバーと前記シール部材とのいずれか一方に形成された係合突起と、
前記カバーと前記シール部材とのいずれか他方に形成され前記係合突起を受け入れる係合孔と、
を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用燈体装置。
【請求項4】
前記シール部材は前記係合孔を備え、
前記カバーは前記係合孔を貫通して前記シール部材から突出する係合突起を備え、
前記係合突起の先端に形成され、前記シール部材から前記係合突起の抜けを防止する返し部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用燈体装置。
【請求項5】
前記隔壁部に設けられ、前記カバー挿入孔を形成する筒状部を有し、
前記筒状部に、前記カバー、前記シール部材、及び前記外部コネクタが挿入される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用燈体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用燈体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動二輪車の車体側部から車幅方向外側に向かって設けられるウィンカ装置として、車両用燈体装置が知られている。車両用燈体装置としては、例えば一面に発光体が実装される基板と、基板が収納されるハウジングと、を備える。ハウジングの前方には、開口部が形成されている。この開口部を閉塞するように、レンズが設けられている。基板は、開口部側に発光体が向くように配置されている。
【0003】
また、この種の車両用燈体装置の中には、ハウジング内にダイレクトコネクタを設けたものがある。ダイレクトコネクタは、基板と外部コネクタとを電気的に接続するためのものである。ダイレクトコネクタは、ハウジングの車体寄りに配置されている。ダイレクトコネクタには、車幅方向に沿う端子挿入孔が形成されている。基板には、基板の面方向に沿うように車体側に向かって端子が延びている。ダイレクトコネクタの端子挿入孔に、端子が挿入されている。そして、ダイレクトコネクタを介して基板から延びる端子と外部コネクタとを電気的に接続する。このため、基板に外部コネクタを接続すべく、ハウジングの奥深くまで外部コネクタを引き回す必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような車両用燈体装置を組み立てる場合、ハウジングの開口部側から後方に向かって基板を挿入することにより、ハウジング内に基板を配置する。この際、この基板のハウジングへの挿入と同時に、ダイレクトコネクタの車幅方向に沿う端子挿入孔に基板の端子を挿入させる必要がある。このように、ハウジング内に基板を組み付けづらく、車両用燈体装置の組み立て性が悪化してしまうという課題があった。
【0006】
ハウジングへの基板の組み付け性を向上させるために、例えばダイレクトコネクタの端子挿入孔の孔径を大きく形成すると、端子挿入孔等を介してハウジング内に塵埃等が侵入しやすくなってしまう。また、端子挿入孔の孔径が大きい分、端子挿入孔をシールしにくくなってしまう。このため、車両用燈体装置の外部とのシール性が悪化してしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、組み立て性を向上しつつ、外部とのシール性も向上できる車両用燈体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る車両用燈体装置は、一面に発光体が実装されるとともに外部コネクタが接続される端子を有する基板と、前記基板を収納するハウジングと、前記端子が挿入される端子挿入孔を有するとともに、前記端子の挿入方向とは反対側の一端面から前記外部コネクタを受け入れ、前記端子と前記外部コネクタとを接続させるカバーと、シール部材と、を備え、前記端子は、前記一面の法線方向と交差する方向に延び、前記ハウジングは、前記一面を露出させる開口部と、前記カバーを前記端子に向かって挿入可能なカバー挿入孔が形成され、前記基板が配置されている側と前記外部コネクタが配置される側とを隔壁する隔壁部と、を備え、前記シール部材は、前記カバーの前記一端面と前記外部コネクタとの間のシール性、及び前記カバーと前記カバー挿入孔との間のシール性を確保することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両用燈体装置の組み立て性を向上しつつ、外部とのシール性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態における車体の左側部に設けられた車両用燈体装置の水平方向に沿う断面図である。
【
図2】
図1の車両用燈体装置を右方からみた斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態におけるカバー及びシール部材を左方からみた分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態におけるカバー及びシール部材を右方からみた分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態におけるハウジングに基板を組み付ける際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
<車両用燈体装置>
図1は、車体101の左側部に設けられた車両用燈体装置1の水平方向に沿う断面図である。
図2は、
図1の車両用燈体装置1を右方からみた斜視図である。
車両用燈体装置1は、例えば自動二輪車100における車体101の前方両側部に取り付けられるいわゆるウィンカ装置である。車体101の両側部に設けられる車両用燈体装置1は、車体101を挟んで対称であり、同一構成である。このため、以下の説明では、車体101の左側部に設けられた車両用燈体装置1についてのみ説明する。
【0013】
また、以下の説明では、車体101の車幅方向を左右方向と称する場合がある。自動二輪車100の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方と称する。重力方向上下方向は、単に上下方向と称する。以下の図では、前方を矢印FRで示し、左方(車幅方向外側)を矢印LHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0014】
図1、
図2に示すように、車両用燈体装置1は、ハウジング2と、ハウジング2内に収納される基板3、カバー4、及びシール部材5と、を備える。
【0015】
<ハウジング>
ハウジング2は、例えば樹脂により形成されている。ハウジング2は、前方に開口部6aが形成された箱状のハウジング本体6と、ハウジング本体6の右端に取り付けられ、車両用燈体装置1を車体101に固定するための固定部7と、が一体成形されている。
【0016】
ハウジング本体6は、左右方向に長くなるように形成されている。開口部6aの周縁は、左右方向に沿うように形成され、かつ前方からみて左右方向に長い長円形状に形成されている。開口部6aの周縁には、図示しないレンズを取り付けるための取付溝6bが形成されている。図示しないレンズは、開口部6aを閉塞するように設けられる。図示しないレンズは、その周縁が取付溝6bに嵌り込むようにして固定される。
【0017】
また、ハウジング本体6は、左方に向かうに従って先細りとなるように形成されている。このため、ハウジング本体6の後方の底部6cは、左方に向かうに従って前方に位置するように斜めに延びている。このような底部6cに、開口部6aに向かって複数の支持凸部8,9,10(第1支持凸部8、第2支持凸部9、第3支持凸部10)が突出形成されている。複数の支持凸部8,9,10は、基板3を支持する。
【0018】
複数の支持凸部8,9,10のうち、固定部7寄りに配置された第1支持凸部8は、板状に形成されている。第1支持凸部8上に、基板3が配置される。第1支持凸部8には、後述する端子14のピン部16が挿入されるスリット8aが形成されている。第1支持凸部8よりも左方に、第2支持凸部9及び第3支持凸部10が配置されている。左方に向かって、第2支持凸部9、第3支持凸部10の順で配置されている。第2支持凸部9及び第3支持凸部10は円柱状に形成されている。
【0019】
これら支持凸部9,10上に、基板3が配置される。第2支持凸部9及び第3支持凸部10の前端には、雌ネジ部9a,10aが形成されている。雌ネジ部9a,10aに図示しないボルトを締め付けることによって、各支持凸部8~10上に基板3が締結固定される。各支持凸部8~10の突出高さは、基板3が左右方向に沿って配置されるように、徐々に低くなっている。すなわち、第1支持凸部8の突出高さよりも第2支持凸部9の突出高さが低い。第2支持凸部9の突出高さよりも第3支持凸部10の突出高さが低い。
【0020】
ハウジング本体6の第1支持凸部8よりも右側には、ハウジング本体6と固定部7とを隔壁する隔壁部11が形成されている。隔壁部11の前後方向中央には、筒状部12が一体成形されている。筒状部12は、軸方向が左右方向に沿うように、左右方向に沿って延びている。筒状部12は、左右方向からみてやや前後方向に長くなるように若干四角筒状に形成されている。筒状部12は、隔壁部11を貫通して設けられている。筒状部12によって形成される孔は、カバー4を挿入するカバー挿入孔12aとして機能する。これについての詳細は後述する。
【0021】
隔壁部11は、筒状部12を挟んで前後でずれて配置されている。すなわち、隔壁部11のうち、筒状部12の前側に配置された前壁部11aの位置よりも筒状部12の後側に配置された後壁部11bの位置が左方向にずれて配置されている。後壁部11bの左側面11cと筒状部12の左端部12bとが同一面上に位置しされている。後壁部11bの左側面11c(筒状部12の左端部12b)と第1支持凸部8との間には、所定の隙間Gが形成されている。
【0022】
固定部7は、筒状部12とほぼ同心円上となるように筒状に形成されている。固定部7によって、筒状部12の周囲が取り囲まれている。固定部7の右端が、車体101に固定される。固定部7の車体101側(右端)からこの固定部7内に外部コネクタ102が臨まされる。外部コネクタ102は、車体101に搭載された図示しないバッテリに接続されており、車両用燈体装置1に電力を供給する。
【0023】
<基板>
各支持凸部8~10上に配置された基板3は、ハウジング本体6の開口部6aよりもやや後方に位置する。基板3は、開口部6aの形状に対応するように、左右方向に長く形成されている。基板3の前方を向く表面(請求項における一面の一例)3aには、複数の発光体13が実装されている。これら発光体13から発行される光が開口部6a及び図示しないレンズを介して前方に照射される。
【0024】
基板3の後方を向く裏面3bには、右端に複数(例えば、本実施形態では2つ)の端子14が実装されている。端子14は、基板3の裏面3bに接続される接続部15と、接続部15から右方に向かって突出するピン部16と、を有する。
【0025】
ピン部16は、接続部15側の基端を形成するピン支持部16aと、ピン支持部16aから右方に向かって、かつ左右方向に沿って延びるピン本体16bと、を有する。基板3の表面3aと、端子14(ピン部16)とは、同一方向に延びている。換言すれば、端子14(ピン部16)は、基板3における表面3aの法線方向と交差する方向に延びている。ピン支持部16aが第1支持凸部8のスリット8aに挿入される。そして、第1支持凸部8を介し、右方に向かってピン本体16bが突出される。ピン本体16bは、筒状部12内に臨まされる。
【0026】
<カバー>
図3は、カバー4及びシール部材5を左方からみた分解斜視図である。
図4は、カバー4及びシール部材5を右方からみた分解斜視図である。
図2から
図4に示すように、カバー4は、例えば樹脂により形成されている。カバー4は、筒状部12に右方から挿入されて嵌合可能なように形成されたブロック体である。カバー4の外形状は、筒状部12の孔(カバー挿入孔12a)の形状に対応するように、左右方向からみてやや前後方向に長い若干四角状に形成されている。このようなカバー4が、筒状部12に挿入される。つまり、筒状部12の孔は、カバー4を挿入するカバー挿入孔12aとして機能する。
【0027】
カバー4の右端面(請求項における一端面の一例)4aには、左右方向からみて中央の大部分にコネクタ挿入凹部17が形成されている。コネクタ挿入凹部17に、外部コネクタ102が嵌め込まれる。
カバー4の左端面4bには、左右方向に貫通する複数(例えば、本実施形態では2つ)の端子挿入孔18が形成されている。端子挿入孔18の孔径の大きさは、ピン本体16bの軸径よりも若干大きい程度である。端子挿入孔18によって、カバー4の左方とコネクタ挿入凹部17とが連通される。
【0028】
端子挿入孔18は、筒状部12にカバー4を挿入した状態で、ピン本体16bに対応する位置に配置されている。筒状部12にカバー4を挿入した状態では、端子挿入孔18にピン本体16bが挿入される。ピン本体16bの先端は、カバー4のコネクタ挿入凹部17内に突出される。
カバー4の左端面4bには、端子挿入孔18に対応する箇所に、座繰り部18aが形成されている。座繰り部18aは、ピン本体16bにカバー4の端子挿入孔18を刺し込む際のガイドとして機能する。
【0029】
カバー4の外周面のうち下面4cには、左端面4bから右端面4aのやや手前に至る間に、凹部19が形成されている。この凹部19の右側面から左方に向かって舌片部20が形成されている。舌片部20は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。舌片部20の先端(左端)には、下面20aに爪部21が一体成形されている。
【0030】
舌片部20及び爪部21は、筒状部12にカバー4を挿入する際、爪部21が押し上げられて舌片部20が弾性変形される。そして、筒状部12を爪部21が突き抜けると舌片部20に復元力が作用され、爪部21と筒状部12の左端部12bとが係合される。すなわち、舌片部20及び爪部21は、筒状部12にカバー4をスナップフィット固定させる役割を有する。
【0031】
カバー4の右端面4aには、コネクタ挿入凹部17を挟んで前後両側に、右方に向かって突出する丸棒状の2つの係合突起22が一体成形されている。係合突起22の先端には、返し部23が一体成形されている。返し部23は、係合突起22の軸径よりも拡径された円板状に形成されている。また、返し部23は、右方に向かって先細りとなるように滑らかな先細り状に形成されている。係合突起22及び返し部23は、カバー4とシール部材5とを一体化するためのものである。
【0032】
<シール部材>
シール部材5は、圧縮変形可能な弾性部材により形成されている。例えば、シール部材5は、ゴム等により形成されている。しかしながらこれに限られるものではなく、圧縮変形可能な弾性部材でシール性を有する材料であればよい。シール部材5として、多孔質材を用いることも可能である。
【0033】
シール部材5は、カバー4の右端面4aの形状に対応するように、左右方向からみてやや前後方向に長い若干四角環状に形成されている。シール部材5によってカバー4の右端面4aが覆われる。また、シール部材5の外形状は、筒状部12のカバー挿入孔12aの形状よりも若干大きい程度に形成されている。
【0034】
シール部材5には、係合突起22に対応する位置に、係合孔24が形成されている。この係合孔24に係合突起22が圧入されることにより、カバー4とシール部材5とが一体化される。カバー4とシール部材5とを組み付けた状態では、係合突起22の先端の返し部23は、シール部材5の右端面5aから突出される。返し部23により、係合突起22からのシール部材5の抜けが防止される。
【0035】
<車両用燈体装置の組み立て方法>
次に、
図1、
図2、
図5に基づいて、車両用燈体装置1の組み立て方法について説明する。
図5は、ハウジング2に基板3を組み付ける際の説明図である。
図5は、
図1に対応している。なお、車両用燈体装置1の組み立て自体は、車体101にハウジング2を組み付ける前でも可能である。しかしながら以下の説明では、便宜上車体101にハウジング2が組み付いているものとして説明する。
【0036】
図5に示すように、まず、ハウジング2に基板3を組み付ける。このとき、基板3の端子14には、カバー4及びシール部材5は組み付けられていない。この状態で、基板3の表面3aを前方に向けた状態で、ハウジング本体6の開口部6aから基板3をハウジング本体6内に挿入する。この際、筒状部12に、端子14のピン本体16bを斜めに挿入しながらハウジング本体6内に基板3を挿入する(
図5における矢印参照)。
【0037】
またこのとき、筒状部12のカバー挿入孔12aにカバー4やシール部材5が組み付けられていない。このため、筒状部12のカバー挿入孔12aは大きく開口された状態である。この結果、筒状部12の軸方向(左右方向)に対し、端子14のピン本体16bを容易に斜めに挿入できる。
筒状部12に端子14のピン本体16bを挿入しながら基板3の姿勢を変化させ、各支持凸部8~10上に基板3を配置する。そして、図示しないボルトによって各支持凸部8~10上に基板3を締結固定する。
【0038】
続いて、筒状部12の右方からこの筒状部12のカバー挿入孔12aにカバー4及びシール部材5を挿入する。この際、予めシール部材5の係合孔24にカバー4の係合突起22を圧入し、カバー4とシール部材5とを一体化させておく。そして、一体化されたカバー4及びシール部材5のうち、カバー4側を筒状部12に向けて挿入する。すると、カバー4の端子挿入孔18にピン本体16bが刺し込まれる。カバー4の左端面4bには、座繰り部18aが形成されているので、この座繰り部18aがガイドとなってピン本体16bと端子挿入孔18との位置調整が行われる。このため、カバー4の端子挿入孔18に、ピン本体16bが容易に差し込まれる。
【0039】
この後、筒状部12にカバー4がスナップフィット固定されるまで、カバー挿入孔12aにカバー4を挿入する。このとき、カバー4と一体となって、カバー挿入孔12aにシール部材5が挿入される。シール部材5の外形状は、筒状部12のカバー挿入孔12aの形状よりも若干大きい程度に形成されているので、シール部材5は、径方向内側に若干圧縮変形された形でカバー挿入孔12aに挿入される。このため、カバー挿入孔12aの内周面とシール部材5の外周面とが密着される。
【0040】
筒状部12にカバー4がスナップフィット固定されると、車両用燈体装置1に組み立てが完了する。ここで、カバー4には、ピン本体16bの軸径よりも若干大きい程度の大きさの端子挿入孔18しか形成されていないので、カバー4を介してハウジング2のハウジング本体6側と固定部7側とのシール性が確保される。また、シール部材5によって、カバー挿入孔12aとカバー4との間のシール性が確保される。
【0041】
車両用燈体装置1の組み立て完了後に、シール部材5を介してカバー4のコネクタ挿入凹部17に外部コネクタ102を挿入する。カバー4のコネクタ挿入凹部17には、ピン本体16bが突出されているので、このピン本体16bと外部コネクタ102とが接続される。これにより、車両用燈体装置1に電力が供給される。
【0042】
カバー4のコネクタ挿入凹部17に外部コネクタ102を挿入した状態では、カバー4と外部コネクタ102との間にシール部材5が介在された状態になる。カバー4と外部コネクタ102との間の周囲が、シール部材5によって覆われる。また、この状態では、シール部材5は、カバー4の右端面4aと外部コネクタ102とにより若干圧縮された状態になる。このため、シール部材5によって、カバー4と外部コネクタ102との間のシール性が十分確保される。
【0043】
なお、外部コネクタ102は、カバー4のコネクタ挿入凹部17への装着時に返し部23との干渉が回避されるように形成されている。これにより、カバー4の係合突起22に形成された返し部23によって、外部コネクタ102とシール部材5との密接が阻害されてしまうことを防止できる。
【0044】
このように、上述の車両用燈体装置1は、ハウジング2とは別にカバー4とシール部材5とを備える。ハウジング2は、基板が配置されるハウジング本体6と外部コネクタ102が配置される固定部7とを隔壁する隔壁部11と、隔壁部11に形成されたカバー挿入孔12aと、を有する。カバー4は、端子14(ピン本体16b)が挿入される端子挿入孔18を有する。カバー挿入孔12aに端子14(ピン本体16b)を挿入した後から、カバー挿入孔12aに車体101側からカバー4を挿入している。そして、カバー4を介して端子14と外部コネクタ102とを接続するようにしている。このため、カバー挿入孔12aを十分に大きく形成でき、カバー挿入孔12aに端子14(ピン本体16b)を挿入しやすくできる。よって、車両用燈体装置1の組み立て性を向上できる。
【0045】
カバー4の端子挿入孔18の孔径の大きさは、端子14のピン本体16bを挿入できる程度の大きさにできる。つまり、端子挿入孔18の孔径の大きさを、ピン本体16bの軸径よりも若干大きい程度の大きさにすることができる。このため、カバー4の端子挿入孔18からのハウジング本体6への塵埃を侵入しにくくできる。
また、シール部材5によって、カバー挿入孔12aとカバー4との間のシール性を確保できる。さらに、シール部材5によって、カバー挿入孔12aとカバー4との間のシール性を確保できる。
【0046】
カバー4に係合突起22を設けるとともに、シール部材5に係合孔24を形成することにより、カバー4とシール部材5とを容易に一体化できる。そして、ハウジング2にカバー4とシール部材5とを同時に組み付けることが可能になる。このため、車両用燈体装置1の組み立て性をさらに向上できる。
係合突起22の先端には、返し部23が一体成形されている。このため、返し部23により、係合突起22からのシール部材5の抜けを防止でき、カバー4とシール部材5とを確実に一体化できる。
【0047】
隔壁部11にカバー挿入孔12aを形成するにあたり、隔壁部11に筒状部12を一体成形した。この筒状部12に、カバー4、シール部材5、及び外部コネクタ102を挿入するようにした。このため、ハウジング2にカバー4、シール部材5、及び外部コネクタ102を容易に固定できる。また、ハウジング2へのカバー4及びシール部材5の組み付け性を向上できる。
【0048】
車両用燈体装置1の組み立て性を向上できるので、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る」に貢献することが可能となる。
また、車両用燈体装置1におけるハウジング本体6内と外部とのシール性も向上できるので、車両用燈体装置1の品質を安定でき、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することが可能となる。
【0049】
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば上述の実施形態では、自動二輪車100に設けられる車両用燈体装置1について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、自動四輪車等、さまざまな車両に車両用燈体装置1を用いることができる。
【0050】
上述の実施形態では、カバー4とシール部材5とを一体化させるにあたり、カバー4に係合突起22を形成するとともに、シール部材5に係合突起22を受け入れる(圧入される)係合孔24を形成した場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、シール部材5に係合突起22を形成し、カバー4に係合孔24を形成してもよい。さらに、カバー4とシール部材5とが一体化されていればよく、例えばカバー4とシール部材5とを二色成形してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…車両用燈体装置、2…ハウジング、3…基板、3a…表面(一面)、3a…表面、3b…裏面、4…カバー、4a…右端面(一端面)、4a…右端面、4b…左端面、4c…下面、5…シール部材、5a…右端面、6…ハウジング本体、6a…開口部、6b…取付溝、6c…底部、7…固定部、8…第1支持凸部、8a…スリット、9…第2支持凸部、9a…雌ネジ部、10…第3支持凸部、10a…雌ネジ部、11…隔壁部、11a…前壁部、11b…後壁部、11c…左側面、12…筒状部、12a…カバー挿入孔、12b…左端部、13…発光体、14…端子、15…接続部、16…ピン部、16a…ピン支持部、16b…ピン本体、17…コネクタ挿入凹部、18…端子挿入孔、18a…座繰り部、19…凹部、20…舌片部、20a…下面、21…爪部、22…係合突起、23…返し部、24…係合孔、100…自動二輪車、101…車体、102…外部コネクタ