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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135759
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】継合部材及びこれを備えた釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/02 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A01K87/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041011
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】中間 走
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA01
2B019AA05
2B019AA07
2B019AC00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とした釣竿を提供する。
【解決手段】前側の竿体11と後側の竿体12とが着脱可能にされる継合部材であって、筒状に形成され前側の竿体11が取付け可能な第1の継合部13と、筒状に形成され後側の竿体12が取付け可能な第2の継合部14と、これらを接続する中央部15とを備え、前側の竿体11は第1の継合部13の内面又は外面に取付け可能にされ、後側の竿体12は第2の継合部14の内面又は外面に取付け可能にされる釣竿。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿の前側の竿体と後側の竿体とが着脱可能にされる継合部材であって、
筒状に形成され、前記前側の竿体が取付け可能な第1の継合部と、筒状に形成され、前記後側の竿体が取付け可能な第2の継合部と、これらを接続する中央部と、を備え、
前記前側の竿体は、前記第1の継合部の内面又は外面に取付け可能にされ、前記後側の竿体は、前記第2の継合部の内面又は外面に取付け可能にされることを特徴とする、継合部材。
【請求項2】
前記第1の継合部の内径は、前記第2の継合部の内径よりも小さい、請求項1に記載の継合部材。
【請求項3】
前記第1の継合部の外径は、前記第2の継合部の外径よりも小さい、請求項1又は2に記載の継合部材。
【請求項4】
前記第1の継合部の内面は、前記中央部とは反対側の方向に向かうにつれ内径が大きくなる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の継合部材。
【請求項5】
前記中央部は、中空部を有し、該中央部は、前記第1の継合部側の第1の端部から、前記第2の継合部側の第2の端部に向かうにつれその内径が大きくなる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の継合部材。
【請求項6】
前記中央部は、中空部を有し、該中央部は、前記第1の継合部側の第1の端部から前記第2の継合部側の第2の端部までその内径が同じである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の継合部材。
【請求項7】
前記中央部は、その外径が、前記第1の継合部の外径よりも大きく、かつ前記2の継合部の外径と同じ若しくは小さい、請求項1から6までのいずれか1項に記載の継合部材。
【請求項8】
前記継合部材は、繊維強化樹脂材料により形成され、その径方向でみて、繊維方向の異なる複数の繊維強化樹脂層により形成される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の継合部材。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の継合部材と、前記前側の竿体と、前記後側の竿体と、を備える釣竿。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継合部材、及びこれを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、竿体(先節)と竿体(元節)との間に継ぎ部を設けた様々な釣竿が知られている。
【0003】
このような釣竿として、例えば、特許文献1には、複数に分離されているそれぞれの竿を連結管の両端に接続して組み立てられる中通し竿であって、当該連結管には、釣糸を当該中通し竿外から竿内に導入するガイド管を捩じ込む傾斜穴が前記連結管の側面から一方の竿の中空部に連通するように形成されると共に、当該傾斜穴の内壁面には、当該ガイド管の外周部に形成された雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成され、前記ガイド管は、その両端に釣糸ガイドリングを保持させた状態で前記連結管の傾斜穴に装着されていることを特徴とする中通し竿が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、釣竿の接合部において、円錐状に成型された挿入部と、前記円錐状の挿入部の中心を通る軸と、中空構造の内部が円錐状に掘削された受け口を有するティップ部、もしくは、ベリー部を接合し、接合部の接着表面積を広げ、応力分散と、強度を向上することで、接合部の全長を短くすることが可能となり、自然な釣竿の曲がりを実現することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願平06-004548号公報
【特許文献2】特開2015-226526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの特許文献に開示の釣竿においても、先節と元節が着脱可能に構成されているものの、これらを継合する継合部の寸法や形状に合わせた先節と元節の使用がそもそも前提となるため、先節と元節の寸法や形状には自ずと制約が課され、複数の先節と元節とを交換可能に構成しても、事実上交換自由度が著しく低減されてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、元節と先節のいずれも着脱可能としながら、様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とし、釣竿の使用者の種々異なる様々な要求に応えることを可能とする継合部材及びこれを備えた釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る継合部材は、釣竿の前側の竿体と後側の竿体とが着脱可能にされる継合部材であって、筒状に形成され、前記前側の竿体が取付け可能な第1の継合部と、筒状に形成され、前記後側の竿体が取付け可能な第2の継合部と、これらを接続する中央部と、を備え、前記前側の竿体は、前記第1の継合部の内面又は外面に取付け可能にされ、前記後側の竿体は、前記第2の継合部の内面又は外面に取付け可能にされる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記第1の継合部の内径は、前記第2の継合部の内径よりも小さい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記第1の継合部の外径は、前記第2の継合部の外径よりも小さい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記第1の継合部の内面は、前記中央部とは反対側の方向に向かうにつれ内径が大きくなる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記中央部は、中空部を有し、該中央部は、前記第1の継合部側の第1の端部から、前記第2の継合部側の第2の端部に向かうにつれその内径が大きくなる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記中央部は、中空部を有し、該中央部は、前記第1の継合部側の第1の端部から前記第2の継合部側の第2の端部までその内径が同じである。
【0014】
本発明の一実施形態に係る継合部材において、前記中央部は、その外径が、前記第1の継合部の外径よりも大きく、かつ前記2の継合部の外径と同じ若しくは小さい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る継合部材は、繊維強化樹脂材料により形成され、その径方向でみて、繊維方向の異なる複数の繊維強化樹脂層により形成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかに記載の継合部材と、前記前側の竿体と、前記後側の竿体と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
上記実施形態によれば、元節と先節のいずれも着脱可能としながら、様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とし、釣竿の使用者の種々異なる様々な要求に応えることを可能とする継合部材及びこれを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る継合部材を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る継合部材を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る継合部材を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る継合部材を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る継合部材を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る継合部材を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る継合部材を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る継合部材における層構造を説明する図である。
図10】本発明の一実施形態に係る継合部材における層構造を説明する図である。
図11】本発明の一実施形態に係る継合部材における層構造を説明する図である。
図12】本発明の一実施形態に係る継合部材における層構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0020】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2にリールシート9を介して取り付けられたリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0021】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていてもよい。
【0022】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0023】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられているが、詳細は省略する。
【0024】
穂先竿7と、中竿5との間には、後述する継合部材4(継合部品又は継合構造ともいう)が設けられ、穂先竿7と、中竿5は、継合部材4に着脱可能に取付けられ、後述するように種々の形状や寸法の穂先竿7及び中竿5が取付け可能にされる。以降、穂先竿7を、前側の竿体又は先節とし、中竿5を、後ろ側の竿体又は元節とする。また、後ろ側の竿体又は元節とする場合、中竿5及び元竿3のいずれも含めることができる。
【0025】
次に、リールシート9について簡単に説明する。リールシート9は、魚釣用リール6のリール脚(図示しない)が載置されるリール脚載置面(リール脚載置部)をその軸方向に沿って有するリールシート本体を備えている。リールシート本体は、全体として筒状に形成されている。また、リールシート本体は、合成樹脂(例えばポリアミド系合成繊維やABS樹脂等)あるいは金属(例えばSUS、アルミニウム、チタン、真鍮等)等の適宜の材料から形成されている。リールシート本体は、例えば、60-160mmの長さを有するよう構成できるが、これに限られない。また、このリールシート本体は、リール脚載置面の反対側を僅かに膨出させ、握持する手で握り込んだときに、母指球またはその近部を支えることで握持し易い湾曲形状の外面を有する握り部を形成してある。
【0026】
リールシート本体のリール脚載置面は、平坦または、リールシート本体のリール脚載置面に隣接する他の周方向の部位(例えば握り部)よりも大きな曲率をもって略平坦に形成することができ、かつ、リールシート本体の軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体には、一端(竿元側)に固定フードが一体的に配設されている。リールシート本体のリール脚載置面の一端は、固定フードの内部に配設されている。
【0027】
次に、図2-8を参照して、本発明の一実施形態に係る継合部材について説明する。まず、図2-5に示すように、本発明の一実施形態に係る継合部材4は、釣竿1の前側の竿体11と後側の竿体12とが着脱可能にされる継合部材4であって、筒状に形成され、該前側の竿体11が取付け可能な第1の継合部13と、筒状に形成され、該後側の竿体12が取付け可能な第2の継合部14と、これらを接続する中央部15と、を備え、該前側の竿体11は、該第1の継合部の内面(図2、3の場合であり、並継合せともいう)又は外面(図4、5の場合であり、逆並継合せともいう)に取付け可能にされ、該後側の竿体12は、該第2の継合部の内面(図2、4の場合であり、逆並継合せともいう)又は外面(図3、5の場合であり、並継合せともいう)に取付け可能にされ、該後側の竿体は、該第2の継合部の内面又は外面に取付け可能にされる。また、中央部15は、中空部16を備え、第1の継合部13から第2の継合部14へ向けて、内径は同じ(ここで、「同じ」とは、数学的に同じ場合だけでなく、略同じ場合、すなわち、前後反転して使用しても、それほど大きな差異が無い程度(例えば、第1の継合部13側と、第2の継合部14側との内径差の発生の可能性に鑑み、±0.04mm程度の内径差)までも含むこととするが、外径はその中央部分が隆起するように形成されている。本態様では、前側の竿体と後側の竿体とで、その外径ないし内径が同じ若しくは異なるものであって、後述する図6の態様に比してそれ程大きな差異がない場合において、これらを取付ける場合が想定される。
【0028】
本発明の一実施形態に係る継合部材によれば、元節と先節のいずれも着脱可能としながら、様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とし、釣竿の使用者の種々異なる様々な要求に応えることを可能とする継合部材を提供することが可能となる。
【0029】
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態に係る継合部材4について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る継合部材4は、釣竿1の前側の竿体(図示しない)と後側の竿体(図示しない)とが着脱可能にされる継合部材4であって、筒状に形成され、該前側の竿体が取付け可能な第1の継合部13と、筒状に形成され、該後側の竿体が取付け可能な第2の継合部14と、これらを接続する中央部15と、を備える。また、該前側の竿体は、該第1の継合部13の内面又は外面に取付け可能にされ、該後側の竿体は、該第2の継合部14の内面又は外面に取付け可能にされる。また、中央部15は、中空部16を備え、第1の継合部13から第2の継合部14へ向けて、内径及び外径ともに大きくなるように形成されている。本態様では、図2の態様に比して、前側の竿体と後側の竿体との外径ないし内径がより大きく異なるものを取付けることが想定される。
【0030】
本発明の一実施形態に係る継合部材によれば、元節と先節のいずれも着脱可能としながら、様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とし、釣竿の使用者の種々異なる様々な要求に応えることを可能とする継合部材を提供することが可能となる。
【0031】
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係る継合部材4について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る継合部材4は、釣竿1の前側の竿体(図示しない)と後側の竿体(図示しない)とが着脱可能にされる継合部材4であって、筒状に形成され、該前側の竿体11が取付け可能な第1の継合部13と、筒状に形成され、該後側の竿体12が取付け可能な第2の継合部14と、これらを接続する中央部15と、を備える。また、該前側の竿体11は、該第1の継合部13の内面に取付け可能にされ、該後側の竿体12も、該第2の継合部14の内面に取付け可能にされる。また、中央部15は、中空部16を備え、第1の継合部13から第2の継合部14へ向けて、内径及び外径ともに大きくなるように形成されている。本態様では、継合部材が竿先から竿元にかけて剛性が高くなるように形成されることで、しなやかかつ感度良好な先節と操作性がよくしっかりした元節との間を、継ぎ目の少ない繋がりが良好な継合部として形成することが可能となる。
【0032】
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態に係る継合部材4について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る継合部材4は、釣竿1の前側の竿体(図示しない)と後側の竿体(図示しない)とが着脱可能にされる継合部材4であって、筒状に形成され、該前側の竿体11が取付け可能な第1の継合部13と、筒状に形成され、該後側の竿体12が取付け可能な第2の継合部14と、これらを接続する中央部15と、を備える。また、該前側の竿体11は、該第1の継合部13の内面に取付け可能にされ、該後側の竿体12は、該第2の継合部14の外面に取付け可能にされる。また、中央部15は、中空部16を備え、図7の場合とは逆に、第1の継合部13から第2の継合部14へ向けて、内径及び外径ともに小さくなるように形成されている。本態様では、継合部材が竿先から竿元にかけて剛性が低くなるように形成されることで、剛性を確保した先節と操作性がよくしっかりした元節との間を、継ぎ目はるもののより重い錘にも耐え得る継合部として形成することが可能となる。
【0033】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、第1の継合部13の内径は、第2の継合部14の内径よりも小さく形成される。このようにして、異なる外径の竿体の継合が可能となる。
【0034】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、第1の継合部13の外径は、第2の継合部14の外径よりも小さく形成される。このようにして、異なる外径の竿体の継合が可能となる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、第1の継合部13の内面は、中央部15とは反対側の方向に向かうにつれ内径が大きくなるように構成される。このようにして、前側の竿体11の継合部外径並びに形状を継合部13に近い外径とし、継合することで前側の竿体11と係合部13の剛性が近くなる事で、繋がりをよくする(竿体2の曲がりがスムーズとなる)ことができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、中央部15は、中空部16を有し、該中央部15は、第1の継合部13側の第1の端部17から、前記第2の継合14部側の第2の端部18に向かうにつれその内径が大きくなるように構成される。このようにして、継合部材4の剛性の調整、継合が想定される竿体との径調整、異なる外径の竿体との継合が可能となる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、中央部15は、中空部16を有し、該中空部16は、第1の継合部13側の第1の端部17から第2の継合部14側の第2の端部18までその内径が同じであるように構成される。このようにして、同一の外径の竿体との継合、同一の竿体との継合を継合部材4を前後反転しての使用が可能となる。
【0038】
本発明の一実施形態に係る継合部材4において、中央部15は、その外径が、第1の継合部13の外径よりも大きく、かつ第2の継合部14の外径と同じ若しくは小さく形成される。このようにして、先から元にかけて順々に拡径しており、違和感のない外観の形成が可能となる。
【0039】
本発明の一実施形態に係る継合部材4は、繊維強化樹脂材料により形成され、その径方向でみて、繊維方向の異なる複数の繊維強化樹脂層により形成される。このようにして、強度を維持しながら軽量化する事が可能となる。ここで、繊維強化樹脂材料の繊維として、カーボン繊維、ガラス繊維又はボロン繊維が考えられるが、これらに限られない。また、繊維強化樹脂材料の樹脂として、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が考えられるがこれらに限られない。
【0040】
本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかに記載の継合部材4と、前側の竿体11と、後側の竿体12と、を備えるように構成される。このようにして、本発明の一実施形態に係る継合部材を備えた釣竿によれば、元節と先節のいずれも着脱可能としながら、様々な寸法及び形状の元節と先節を継合可能とすることで、元節と先節を柔軟に選択可能とし、釣竿の使用者の種々異なる様々な要求に応えることを可能とする継合部材を備えた釣竿を提供することが可能となる。
【0041】
次に、図9-12を参照して、本発明の一実施形態に係る継合部材4の繊維方向の異なる複数の繊維強化樹脂層についてより詳細に説明する。まず、図9に示すように、本発明の一実施形態に係る継合部材4における複数の繊維強化樹脂層は、内側層21と、外側層22とで構成されている(内側層と外側層が逆になっていてもよい)。内側層21は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに垂直な方向(90°)に指向するように引き揃えられており、外側層22も、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに平行な方向(0°)に指向するように引き揃えられている。これらの層構造により、曲げ強度と潰れ強度を両立させることが可能となる。なお、層の数や弾性率を調整することで、弾性の程度を調整することができる。また、図示の例では、継合部材4の中央領域は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)に垂直な方向に膨出するように形成されている。これは、継合部13、14との剛性差を小さく、又は調整するためである。
【0042】
次に、図10に示すように、本発明の一実施形態に係る継合部材4における複数の繊維強化樹脂層は、内側層23と、外側層24とで構成されている(内側層と外側層が逆になっていてもよい)。内側層23は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに平行な方向(0°)に指向するように引き揃えられており、外側層24も、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに対してバイアスする方向(すなわち、±45°)に指向するように引き揃えられている。これらの層構造により、曲げ強度と捻じれ捻れ強度を両立させることが可能となる。また、継合部材4の軸方向の端部領域において、バイアスの割合を多くすることで、継合部材4のせん断歪を抑制することができるため、良好な繋がりを形成することができる。なお、層の数や弾性率を調整することで、弾性の程度を調整することができる。また、図示の例では、継合部材4の中央領域は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)に垂直な方向に膨出するように形成されている。これは、継合部13、14との剛性差を小さく、又は調整するためである。
【0043】
次に、図11に示すように、本発明の一実施形態に係る継合部材4における複数の繊維強化樹脂層は、内側層25と、外側層26とで構成されている(内側層と外側層が逆になっていてもよい)。内側層25は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに垂直な方向(90°)に指向するように引き揃えられており、外側層26も、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに対してバイアスする方向(すなわち、±45°)に指向するように引き揃えられている。これらの層構造により、潰れ強度と捻じれ捻れ強度を両立させることが可能となる。また、継合部材4の軸方向の端部領域において、バイアスの割合を多くすることで、継合部材4のせん断歪を抑制することができるため、良好な繋がりを形成することができる。なお、層の数や弾性率を調整することで、弾性の程度を調整することができる。また、図示の例では、継合部材4の中央領域は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)に垂直な方向に膨出するように形成されている。これは、継合部13、14との剛性差を小さく、又は調整するためである。
【0044】
次に、図12に示すように、本発明の一実施形態に係る継合部材4における複数の繊維強化樹脂層は、内側層27と、中間層28と、外側層29とで構成されている(内側層と外側層が逆になっていてもよい)。内側層27は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに垂直な方向(90°)に指向するように引き揃えられており、中間層28は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに平行な方向(0°)に指向するように引き揃えられており、外側層29は、長繊維強化樹脂層であり、その長繊維は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)でみて、これに対してバイアスする方向(すなわち、±45°)に指向するように引き揃えられている。これらの層構造により、曲げ強度と潰れ強度と捻じれ捻れ強度とを両立させることが可能となる。また、継合部材4の軸方向の端部領域において、バイアスの割合を多くすることで、継合部材4のせん断歪を抑制することができるため、良好な繋がりを形成することができる。なお、層の数や弾性率を調整することで、弾性の程度を調整することができる。また、図示の例では、継合部材4の中央領域は、継合部材4の軸方向(釣竿1の軸方向)に垂直な方向に膨出するように形成されている。これは、継合部13、14との剛性差を小さく、又は調整するためである。
【0045】
ここで、本発明の一実施形態に係る継合部材4として、長繊維強化樹脂を例に説明したが、その他の態様として、短繊維強化樹脂材料、ゴム成形品、樹脂成形品、アルミ又はABSにより形成することができる。
【0046】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0047】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
4 継合部材
5 中竿
6 リール
6a リール脚
7 穂先竿
9 リールシート
10 釣糸ガイド
11 前側の竿体
12 後側の竿体
13 第1の継合部
14 第2の継合部
15 中央部
16 中空部
17 第1の端部
18 第2の端部
21 内側層
22 外側層
23 内側層
24 外側層
25 内側層
26 外側層
27 内側層
28 中間層
29 外側層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12