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特開2023-135794情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135794
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/015 20060101AFI20230922BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06K7/015
G06K7/10 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041064
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】高坂 拓実
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 秀斗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】近距離無線通信を行う対象の適切なかざし位置を特定可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置11は、自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部15と、通信部の通信対象との通信状態に基づいて、通信状態が一定の条件を満たしたときの通信対象のかざし位置を適切であると判定する演算処理部12と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部と、
前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する処理部と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して要求信号を送信し、前記要求信号に対する前記通信対象から前記通信部への応答信号の受信の成功及び失敗の検出結果に基づいて前記通信状態を検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記要求信号としてpollingコマンドを送信し、前記応答信号としてpollingレスポンスを受信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して前記要求信号を繰り返し送信し、前記応答信号の受信の成功が連続した回数に基づいて、前記通信状態を検出する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記成功が連続した回数が規定回数以上になった場合に、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
表示部を有し、
前記処理部は、前記成功が連続した回数に応じて視覚的に変化するゲージを前記表示部に表示する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記通信状態をユーザに提示する提示情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定したことをユーザに提示する情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示部を有し、
前記処理部は、自装置を第1の情報処理装置として、第2の情報処理装置から取得したかざし位置情報に基づいて、前記かざし位置情報が示すかざし位置をユーザに対して提示するかざし位置提示画像を前記表示部に表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記かざし位置提示画像として、前記第1の情報処理装置の外観画像と、前記外観画像に対して前記かざし位置情報が示す前記かざし位置を示すマークとを含む画像を前記表示部に表示する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記マークを前記通信対象の中心を対向させる位置に表示させる
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記処理部は、前記かざし位置提示画像における前記第1の情報処理装置の前記外観画像に対して前記通信対象の外観画像を前記かざし位置情報が示す前記かざし位置に重ねたかざし位置案内画像を前記表示部に表示する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記かざし位置案内画像として、前記通信対象の前記外観画像を前記かざし位置情報が示す前記かざし位置の周辺で移動させたアニメーション画像を前記表示部に表示する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して要求信号を繰り返し送信し、前記要求信号に対する前記通信対象から前記通信部への応答信号の受信の成功及び失敗の検出結果に基づいて前記通信状態を検出し、
前記応答信号の受信が成功したことを検出した場合に、前記かざし位置案内画像における前記通信対象の前記外観画像の前記移動を停止させる
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定した際の前記かざし位置を特定するかざし位置情報を、前記第2の情報処理装置に送信する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記通信対象は、非接触ICカードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置の機種ごとに、前記情報処理装置が近距離無線通信を行う通信対象を前記情報処理装置に対してかざすべきかざし位置を特定するかざし位置情報が登録されたデータベースと、
自装置を第2の情報処理装置として、第1の情報処理装置に対して、前記第1の情報処理装置の機種に対応した前記かざし位置情報を前記第1の情報処理装置に送信する送信部と、
前記第1の情報処理装置が前記第2の情報処理装置からの前記かざし位置情報が示すかざし位置をユーザに提示した結果、実際に前記近距離無線通信が行われた際の前記通信対象のかざし位置を特定するかざし位置情報を前記第1の情報処理装置から受信する受信部と、
前記第1の情報処理装置からの前記かざし位置情報に基づいて、前記データベースに登録された前記かざし位置情報を更新する処理部と
を有する情報処理装置。
【請求項18】
通信部と、
処理部と
を有する情報処理装置の
前記通信部が、自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行い、
前記処理部が、前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する
情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータを
自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部と、
前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する処理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関し、特に、近距離無線通信を行う対象の適切なかざし位置を特定できるようにした情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラでとらえた近距離無線通信の対象のかざし位置(アンテナ)の位置を画面に表示し、適切なかざし位置へ誘導する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2018-528435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近距離無線通信における適切なかざし位置は通信対象のアンテナの位置からでは特定することができない場合がある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、近距離無線通信を行う対象の適切なかざし位置を特定できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面の情報処理装置、又は、プログラムは、自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部と、前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する処理部とを有する情報処理装置、又は、そのような情報処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
本技術の第1の側面の情報処理方法は、通信部と、処理部とを有する情報処理装置の前記通信部が、自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行い、前記処理部が、前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する情報処理方法である。
【0008】
本技術の第1の側面の情報処理装置、及び、プログラムにおいては、かざされた通信対象との近距離無線通信における通信状態に基づいて、通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置が適切であると判定される。
【0009】
本技術の第2の側面の情報処理装置は、情報処理装置の機種ごとに、前記情報処理装置が近距離無線通信を行う通信対象を前記情報処理装置に対してかざすべきかざし位置を特定するかざし位置情報が登録されたデータベースと、自装置を第2の情報処理装置として、第1の情報処理装置に対して、前記第1の情報処理装置の機種に対応した前記かざし位置情報を前記第1の情報処理装置に送信する送信部と、前記第1の情報処理装置が前記第2の情報処理装置からの前記かざし位置情報が示す前記かざし位置をユーザに提示した結果、実際に前記近距離無線通信が行われた際の前記通信対象のかざし位置を特定するかざし位置情報を前記第1の情報処理装置から受信する受信部と、前記第1の情報処理装置からの前記かざし位置情報に基づいて、前記データベースに登録された前記かざし位置情報を更新する処理部とを有する情報処理装置である。
【0010】
本技術の第2の側面の情報処理装置においては、情報処理装置の機種ごとに、前記情報処理装置が近距離無線通信を行う通信対象を前記情報処理装置に対してかざすべきかざし位置を特定するかざし位置情報が登録され、自装置を第2の情報処理装置として、第1の情報処理装置に対して、前記第1の情報処理装置の機種に対応した前記かざし位置情報が前記第1の情報処理装置に送信され、前記第1の情報処理装置が前記第2の情報処理装置からの前記かざし位置情報が示す前記かざし位置をユーザに提示した結果、実際に前記近距離無線通信が行われた際の前記通信対象のかざし位置を特定するかざし位置情報が前記第1の情報処理装置から受信され、前記第1の情報処理装置からの前記かざし位置情報に基づいて、前記データベースに登録された前記かざし位置情報が更新される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本技術が適用された実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示したブロック図である。
図2図1の情報処理装置(スマホ)、サーバ、及び、カードの処理の流れを示したシーケンス図である。
図3】かざし位置情報のデータベースの作成の様子を表した図である。
図4】かざし位置情報の表示例を示した図である。
図5】かざし位置情報の表示例を示した図である。
図6】かざし位置案内画像を例示した図である。
図7】かざし位置案内画像を例示した図である。
図8】pollingコマンドに対するpollingレスポンスの受信の成功又は失敗の一例を示した図である。
図9】pollingレスポンスの連続受信回数の表示例を示した図である。
図10】フィードバック入力画面を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。
【0013】
<<本実施の形態に係る情報処理システム>>
図1は、本技術が適用された実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示したブロック図である。情報処理システム1は、情報処理装置11(第1の情報処理装置)、サーバ21(第2の情報処理装置)、及びカード31を有する。情報処理装置11とサーバ21とは、例えば、ネットワークを介して通信を行う。ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)のような有線通信網、移動通信網や無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)のような無線通信網、又は複合通信網を含むことができる。ネットワークとしては、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットを含むことができる。
【0014】
情報処理装置11と非接触ICカード31(以下、ICカード31又はカード31ともいう)とは、近距離無線通信(NFC:Near field communication)を行う。NFCでは、例えば13.56[MHz]など所定の周波数の磁界(搬送波)を用いて通信が行われる。
【0015】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ21と個別に通信を行う任意の数の情報処理装置11が含まれるが、図1では、それらの情報処理装置11のうちの1つが示されている。また、情報処理装置11がNFCにより接続する通信対象は必ずしも非接触ICカードに限定されないが、本実施の形態では非接触ICカードであることする。
【0016】
情報処理装置11は、例えば、スマートフォンのような端末装置であり、インストールされたソフトウェア(アプリケーション)に含まれるプログラムが実行されることにより、情報処理システム1の情報処理装置11としての一連の処理が行われる。ただし、情報処理装置11の一連の処理の一部又は全てをハードウェアによって行う場合であってもよい。また、本実施の形態では、情報処理装置11が主にスマートフォンである場合を想定するが、情報処理装置11は非接触ICカード等の通信対象と近距離無線通信を行う機能を有する任意の装置であってよく、例えばPOS(Point Of Sales)端末のような装置であってよい。また、情報処理装置11は、全体が一体の装置であってもよいし、複数の別体の装置からなる装置であってもよい。情報処理装置11は、演算処理部12、表示部13、入力部14、通信部15、記憶部16、CLF(Contactless Front End)17、アンテナ18、及びSE(Secure Element)19を有する。
【0017】
演算処理部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)を含み、記憶部16に記憶されたプログラム等の各種データを読み出して各種処理を実行する。表示部13は、液晶や有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイに演算処理部12から供給された各種情報を表示する。入力部14は、ディスプレイに設置されたタッチパネル、ボタン、キー、ダイヤルなどの入力装置によりユーザの操作を検出し、検出したユーザの操作を演算処理部12に供給する。通信部15は、ネットワークを介してサーバ21等の外部装置との通信を制御し、演算処理部12と外部装置との間の各種データの送受信を行う。記憶部16は、演算処理部12が使用するプログラム、演算パラメータなどの各種データを記憶する。演算処理部12がデータの書き込み又は読み出しを行うことが可能な全てのメモリは記憶部16として一括して表されている。記憶部16に含まれるメモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)、磁気記録媒体等の任意の種類のメモリであってよい。CLF17は、カード31と非接触通信を制御する非接触通信デバイス(モジュール)である。CLF17は、例えば、近距離無線通信の標準規格であるNFC(NFCフォーラム仕様)に準拠し、非接触ICカードの規格であるISO/IEC 14443 Type A/BやFeliCa(登録商標)技術方式等に準拠したICカード31との非接触通信の制御を行う通信部である。なお、本明細書では、NFCフォーラム仕様に準拠した近距離無線通信をNFCということとする。ただし、本技術は、NFCフォーラム仕様に準拠しているか否かを問わず、情報処理装置11と非接触ICカード(通信対象)とが非接触による近距離無線通信を行う場合に適用され得る。
【0018】
また、CLF17は、例えば、3つのモードに対応したNFCの制御を行う。モードの種類としては、Reader/Writer(リーダ/ライタ)モード、Peer-to-Peer(P2P)モード、及び、Card Emulationモードがある。リーダ/ライタモードは、非接触ICカード等の通信対象(カード31)に含まれるデータを読み書きするモードであり、P2Pモードは、NFC機能を有する機器同士で通信するモードであり、Card Emulationモードは、ICカードの機能をICカードとは別のデバイス(情報処理装置11)で実現するモードである。本技術においては、CLF17は、リーダ/ライタモードのみのNFCの制御を行う場合であってよく、以下において、CLF17は、NFCのリーダ/ライタモードでカード31に接続する場合に限定して説明する。アンテナ18は、近接して配置されたカード31とのNFCのための無線信号を送受信する。SE19は、安全にデータを格納するメモリや暗号ロジック回路などを内蔵したICチップである。SE19は、CLF17がCard Emulationモードの場合に、情報処理装置11がICカードとして機能するときのICカードに搭載されたSEとして役割を果たす。本技術では、CLF17がCard EmulationモードでNFCを制御することを要件としないので、情報処理装置11はSE19を有していなくてもよく、詳細な説明は省略する。
【0019】
サーバ21は、例えば、汎用のコンピュータであり、インストールされたソフトウェアに含まれるプログラムが実行されることにより、情報処理システム1のサーバ21としての一連の処理が行われる。ただし、サーバ21の一連の処理の一部又は全てをハードウェアによって行う場合であってもよい。サーバ21は、演算処理部22、表示部23、入力部24、通信部25、及び、記憶部26を有する。
【0020】
演算処理部22は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部26に記憶されたプログラム等の各種データを読み出して各種処理を実行する。表示部23は、液晶や有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイに演算処理部22から供給された各種情報を表示する。入力部24は、キーボード、ディスプレイに設置されたタッチパネル等の入力装置によりユーザの操作を検出し、検出したユーザの操作を演算処理部22に供給する。通信部25は、ネットワークを介して情報処理装置11等の外部装置との通信を制御し、演算処理部22と外部装置との間の各種データの送受信を行う。記憶部26は、演算処理部22が使用するプログラム、演算パラメータなどの各種データを記憶する。演算処理部22がデータの書き込み又は読み出しを行うことが可能な全てのメモリは記憶部26として一括して表されている。記憶部26に含まれるメモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)、磁気記録媒体等の任意の種類のメモリであってよい。
【0021】
<情報処理システム1の処理>
(データベースの作成)
図2は、図1の情報処理システム1において、情報処理装置11の一形態であるスマートフォン(スマホ)、サーバ21、及び、カード31の処理の流れを示したシーケンス図である。以下、図2のシーケンス図に従って本技術の説明を行う。なお、以下において、情報処理装置11は、スマートフォンであるとして、着目する1つのスマートフォンをスマートフォン11で表すこととする。ただし、情報処理装置11は、スマートフォンに限らず、図1の情報処理装置11の構成要素を有する任意の装置又はシステムであってよい。
【0022】
図2において、サーバ21は、スマートフォンの機種ごとのかざし位置情報が登録されたデータベースを作成する。作成されたデータベースは記憶部26に保存される(ステップS1)。かざし位置は、NFCを利用する際にユーザがスマートフォン11に対して近接させたカード31のスマートフォン11に対する位置(スマートフォン11とカード31との相対的な位置)を表す。スマートフォン11に搭載されたNFC用のアンテナ18の位置等は、機種によって異なる。そのため、スマートフォン11とカード31とが適切にNFCで接続されるための適切なかざし位置(以下、単に適切なかざし位置という)は、スマートフォン11の機種によって異なる。サーバ21で作成されるデータベースは、スマートフォンの機種ごとのかざし位置情報からなり、かざし位置情報は、適切なかざし位置を特定し、かつ、適切なかざし位置をユーザに提示するための情報を含む。スマートフォンの機種ごとのかざし位置情報は、例えば、データベース作成者の作業によりサーバ21に入力される。なお、適切なかざし位置とは、スマートフォン11とカード31とのNFCでの通信状態が所定の条件(一定の条件)を満たした良好な状態となるカード31のかざし位置を表す。サーバ21においてデータベースに登録されるかざし位置情報におけるかざし位置は、適切なかざし位置の候補としてカード31をかざすべきかざし位置をユーザに提示するものであり、必ずしも適切なかざし位置とは限らないが、データベースに登録されるかざし位置情報におけるかざし位置を適切なかざし位置ということとする。
【0023】
図3は、かざし位置情報のデータベースの作成の様子を表した図である。図3(A)において、データベース作成者は、例えば、サーバ21を使用して、又は、サーバ21に接続可能な端末装置を使用して、データベースに登録するスマートフォンの機種に対応した取扱説明書51を電子データとしてインターネット上のサイト等から取得する。データベース作成者は、取得した取扱説明書51を参照して、かざし位置情報を取得し、サーバ21のデータベースに登録する。データベースに登録するかざし位置情報の内容としては、スマートフォンの表面側の機種画像(外観画像)、スマートフォンのサイズ(外形寸法)に対する適切なかざし位置の縦横の割合(以下、かざし位置特定情報ともいう)、及び、カード31を適切にかざすスマートフォンの面(かざし面)が表面側か裏面側かを示すかざし面の情報(かざし面情報)を含む。
【0024】
スマートフォンの機種画像については、カメラで撮影したスマートフォンの実物の写真をサーバ21に入力してもよく、取扱説明書51から取得する場合に限らない。また、かざし位置情報は、スマートフォンのメーカ等から直接的に取得してもよく、特定の方法で取得する場合に限らない。例えば、データベース作成者が、データベースにかざし位置情報を登録する機種の実機を用いて、適切なかざし位置等を実測してデータベースを作成する場合であってもよい。
【0025】
(かざし位置提示画像61A、61B)
図3(B)及び(C)には、それぞれ異なる機種A、及びBのスマートフォンに関して、それぞれに対応した取扱説明書51等から取得された機種A、及び機種Bのそれぞれのかざし位置情報の内容が例示されている。
【0026】
図3(B)に示された機種Aのかざし位置情報において、かざし位置提示画像61Aは、機種画像62Aと、かざし位置マーク63Aとから構成された画像である。機種画像62Aは、機種Aの表面側の機種画像であり、データベースに登録された機種Aの機種画像である。かざし位置マーク63Aは、機種画像62A上に合成された×印の画像である。かざし位置マーク63Aは、データベースに登録された機種Aのかざし位置特定情報により特定される位置を表す。例えば、かざし位置特定情報として、縦方向の割合が1:16、横方向の割合が1:9という情報が登録されている場合、機種画像62Aにおいて上端から下端までの間を1:16に分割し、かつ、左端から右端までの間を1:9に分割する位置にかざし位置マーク63Aが合成される。図3(B)には、データベースにかざし位置情報として登録されたかざし面情報が表面であることを「表」という情報で表されている。なお、かざし位置提示画像61Aは、データベースにかざし位置情報として登録された機種Aの機種画像と、かざし位置特定情報とに基づいて、最終的にユーザに提示される画像として生成されるので、かざし位置提示画像61Aは、かざし位置情報として事前に生成されてデータベースに登録されるようにしてもよい。また、かざし位置特定情報は、スマートフォンの機種画像上に設定された座標系における適切なかざし位置を示す座標などであってもよく、適切なかざし位置を特定する情報であればよい。
【0027】
図3(C)に示された機種Bのかざし位置情報においても、機種Aと同様に、データベースにかざし位置情報として登録された機種Bの機種画像62Bとかざし位置マーク63Bとから構成されたかざし位置提示画像61Bと、かざし面情報(裏面)とが示されている。かざし位置マーク63Bは、かざし位置特定情報として、縦方向の割合が1:1、横方向の割合が1:1という情報が登録されている場合を表し、機種画像62Bの中心に合成されている。
【0028】
ここで、適切なかざし位置は、例えば、NFCのためのアンテナ18が設置されている位置、取扱説明書などでメーカが指定する位置等に基づいて決定される。一方、カード31においてNFCに使用されるアンテナは、一般にカード31の周縁部に沿って環状に配置されているので、カード31の中心がスマートフォン11の適切なかざし位置に対向するようにかざすことで適切にNFCが行われる(NFCの通信状態が良好となる)と考えられる。即ち、適切なかざし位置は、スマートフォン11に対してカード31をかざしてNFCを利用する際において、カード31の中心を対向させる位置を表す。ただし、データベースにかざし位置特定情報として登録された適切なかざし位置が正しくない場合(アンテナ18が設置されている位置が適切なかざし位置ではない場合を含む)や、カード31のアンテナの配置がカード31の周縁部ではない場合等においては、適切なかざし位置にカード31の中心を対向させても適切にNFCが行われない場合が生じ得る。その場合には、後述の処理により、適切にNFCが行われた際のカード31の中心に対応するスマートフォン11の位置が適切なかざし位置として修正される。
【0029】
以上のように図2のステップS1において、サーバ21が多様な機種に関するかざし位置情報を登録したデータベースを作成し、記憶部26に保存していることとする。
【0030】
所定のユーザが所有するスマートフォン11において、演算処理部12は、入力部14に対するユーザの入力操作に従って、NFCを利用する所定のアプリケーション(以下、アプリという)を起動したとする(ステップS2)。このとき、演算処理部12は、スマートフォン11がNFCに対応しているか否かを判断する(ステップS3)。スマートフォン11がNFCに対応していないと判断された場合には、演算処理部12は、表示部13にその旨を表示し、NFCが使用できない旨をユーザに通知する。スマートフォン11がNFCに対応していない場合の処理については、特定の処理内容に限定されず、詳細な説明を省略する。
【0031】
スマートフォン11がNFCに対応していると判断された場合には、演算処理部12は、NFCのオン/オフ(有効又は無効)を判断する(ステップS4)。NFCがオンされていないと判断された場合には、NFCをオンに切り替える案内画面を表示部13に表示し、ユーザにNFCをオンにするように促す。NFCがオンされない場合の処理については、特定の処理内容に限定されず、詳細な説明を省略する。
【0032】
NFCがオンされていると判断された場合には、演算処理部12は、ユーザによりスマートフォン11の記憶部16にかざし位置情報が保存済みか否かを確認する(ステップS5)。かざし位置情報が保存済みであることを確認した場合には、ステップS6乃至ステップS9をスキップしてステップS10に進む。かざし位置情報が保存済みでないことを確認した場合には、演算処理部12は、サーバ21に対して、自装置の機種を特定する機種情報を通信部15を介してサーバ21に送信する(ステップS6)。サーバ21では、演算処理部22は、通信部25を介してスマートフォン11から機種情報を受信すると、スマートフォン11の機種を認識し、かざし位置情報のデータベースの中から、スマートフォン11の機種に関するかざし位置情報を検索する(ステップS7)。検索の結果、演算処理部22は、スマートフォン11の機種に関するかざし位置情報を通信部25を介してスマートフォン11に送信する(ステップS8)。スマートフォン11の機種に関するかざし位置情報が検出されない場合には、演算処理部22は、かざし位置情報が存在しない旨を通信部25を介してスマートフォン11に送信する。なお、サーバ21の演算処理部22は、ステップS6のように、かざし位置情報を取得するために(かざし位置情報の問合せのために)任意の機種のスマートフォンから機種情報が送信されてきた場合に、その機種情報を問合せ履歴情報として記憶部26に記憶するようにしてもよい。その場合に、例えば、サーバ21の管理者が、かざし位置情報のデータベースに対して新たにかざし位置情報を追加するときの指標として問合せ履歴情報を利用することができる。具体的には、演算部22は、サーバ21の管理者がかざし位置情報のデータベースに対して新たにかざし位置情報を追加するとき等において、その問合せ履歴情報を参照し、かざし位置情報がデータベースに未登録の機種のうち、かざし位置情報の問合せ回数が多い機種を優先してかざし位置情報をデータベースに追加するように促す提示を管理者に対して行うことができる。
【0033】
スマートフォン11では、演算処理部12は、サーバ21から通信部15を介してかざし位置情報が存在しない旨の通知を受信した場合には、かざし位置情報がサーバ21のデータベースに未登録である旨を表示部13に表示し、ユーザに通知する(ステップS9)。この場合の処理は、ステップS10及びステップS11をスキップしてステップS12に進む。
【0034】
一方、演算処理部12は、サーバ21から通信部15を介してかざし位置情報を受信した場合には、かざし位置情報を表示部13に表示し(ステップS10)、かざし位置情報のアニメーション表示を開始する(ステップS11)。また、演算処理部12は、ステップS5において、かざし位置情報が保存済みであることを確認した場合には、サーバ21からかざし位置情報を取得することなく、記憶部16に保存されているかざし位置情報を表示部13に表示し(ステップS10)、かざし位置情報のアニメーション表示を開始する(ステップS11)。
【0035】
(かざし位置情報の表示例)
図4及び図5は、かざし位置情報の表示例を示した図である。図4は、スマートフォン11が図3(B)の機種Aである場合を表し、スマートフォン11をスマートフォン71Aとして表す。図5は、スマートフォン11が図3(C)の機種Bである場合を表し、スマートフォン11をスマートフォン71Bとして表す。
【0036】
図4において、機種Aのスマートフォン71Aの画面72A(表示部13)には、図2のステップS2で起動されたアプリにおける画面が表示され、その画面72A上にかざし位置情報としてかざし位置案内画像81Aが表示される。かざし位置情報としてのかざし位置案内画像81Aが表示される画面72Aは、アプリの種類やカード31の利用形態によって異なり、図4の画面は一例である。図4の画面72Aは、例えば、アプリを使用するためのユーザネームとパスワードと入力するログイン画面である。そのログイン画面には、ユーザネームとパスワードとをスマートフォン71A(11)の入力部14からユーザが手動で入力するための入力欄の領域(画面上部)が含まれる。また、ログイン画面には、ユーザネームとパスワードとをユーザが手動で入力してログインする代わりに、カード31に記憶されているユーザの識別情報をNFCを用いて読み取らせてログインすることが可能であることを通知する領域(画面下部)が含まれる。その後者の領域にかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81Aが表示される。かざし位置案内画像81Aについては後述する。
【0037】
図5において、機種Bのスマートフォン71Bの画面72B(表示部13)においても図4と同様にかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81Bが表示される。かざし位置案内画像81Bが表示される画面72Bについては図4のログイン画面と同様であるので説明を省略する。かざし位置案内画像81Bについては後述する。
【0038】
図6は、図4の機種Aのスマートフォン71Aの画面72Aに表示されるかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81Aを例示した図である。図6において、かざし位置案内画像81Aは、図3(B)に示したかざし位置提示画像61Aとカード31を表すカード画像91とを有する。かざし位置提示画像61Aは、機種Aの表面側の外観画像である機種画像62Aと、適切なかざし位置を示した×印のかざし位置マーク63Aとからなる。なお、適切なかざし位置を示すかざし位置マーク63Aは、×印に限定されず、他の形状のマークであってもよいし、かざし位置マーク63A自体が描画されない場合であってもよい。かざし位置提示画像61Aは、サーバ21から取得したかざし位置情報、又は、記憶部16に保存済みのかざし位置情報に含まれる機種画像、かざし位置特定情報、及びかざし面情報のうち、機種画像及びかざし位置特定情報に基づいて生成される。かざし位置提示画像61Aは、機種画像及びかざし位置特定情報に基づいて、サーバ21で生成されてかざし位置情報としてスマートフォン71Aに供給される場合であってもよいし、スマートフォン71Aで生成される場合であってもよい。スマートフォン71Aにかざし位置情報を保存する際には、かざし位置情報として、かざし位置提示画像61Aが保存されるようにしてもよい。
【0039】
また、演算処理部12でのかざし位置提示画像61Aの生成を容易にするために、機種ごとに応じた機種画像62Aのピクセル数割合や使用できる画面範囲をデータベースに登録されたかざし位置情報としてサーバ21からスマートフォン11に送信するようにしてもよい。
【0040】
カード画像91は、その中心がかざし位置マーク63Aと一致する位置に描画されると共に、かざし位置情報のかざし面情報に基づいて、かざし位置提示画像61Aに対して前側(手前側)又は後側(奥側)に重ねて描画される。即ち、かざし面情報が表面である場合には、カード画像91がかざし位置提示画像61Aの前側に重ねて描画され、カード31の適切なかざし位置がスマートフォン71Aの表面側であることが提示される。なお、この場合、カード画像91は半透明で描画され、かざし位置提示画像61Aのカード画像91に重なる領域が半透明のカード画像91と重ねて描画される。かざし面情報が裏面である場合には、カード画像91がかざし位置提示画像61Aの後側に重ねて描画され、カード31の適切なかざし位置がスマートフォン71Aの裏面側であることが提示される。なお、かざし面情報が表面である場合と裏面である場合におけるかざし位置提示画像61Aに対するカード画像91の描画形態は特定の形態に限定されない。例えば、前者の場合に半透明のカード画像91ではなく、不透明なカード画像91をかざし位置提示画像61Aの前側に描画してもよいし、それ以外の形態であってもよい。図6のかざし位置案内画像81Aは、機種Aのかざし面情報が表面である場合を表し、カード画像91がかざし位置提示画像61Aの前側に重ねて描画され、適切なかざし位置がスマートフォン71Aの表面側であることを表す。
【0041】
また、カード画像91は、ステップS11のかざし位置情報のアニメーション表示において、カード画像91の中心がかざし位置マーク63Aと一致する位置を基準位置として、基準位置の周辺を上下方向及び左右方向に移動する。例えば、かざし位置マーク63Aに対してカード画像91の画像領域が重なる範囲内で、カード画像91が上下方向及び左右方向に移動する。
【0042】
かざし位置案内画像91Aによれば、ユーザは、スマートフォン71Aに対してNFCで接続するカード31の適切なかざし位置を視覚的に容易に認識することができる。また、かざし位置提示画像61Aに対してカード画像91を移動させるアニメーション表示を行うことで、適切なかざし位置が必ずしも基準位置(カード31の中心をかざし位置マーク63Aに対向させた位置)ではなく、基準位置の周辺であることをユーザに示唆することができ、ユーザに対してカード31を基準位置の周辺で動かすように誘導することができる。
【0043】
図7は、図5の機種Bのスマートフォン71Bの画面72Bに表示されるかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81Bを例示した図である。かざし位置案内画像81Bは、図6の機種Aにおけるかざし位置案内画像81Aと略同様の構成を有するので、適宜説明を省略する。図7において、かざし位置案内画像81Bは、図3(C)に示したかざし位置提示画像61Bとカード31を表すカード画像91とを有する。かざし位置提示画像61Bは、機種Bの表面側の外観画像である機種画像62Bと、×印のかざし位置マーク63Bとからなる。なお、適切なかざし位置を示すかざし位置マーク63Bは、×印に限定されず、他の形状のマークであってもよいし、かざし位置マーク63B自体が描画されない場合であってもよい。かざし位置提示画像61Bは、サーバ21から取得したかざし位置情報、又は、記憶部16に保存済みのかざし位置情報に含まれる機種画像、かざし位置特定情報、及びかざし面情報のうち、機種画像及びかざし位置特定情報に基づいて生成される。
【0044】
カード画像91は、その中心がかざし位置マーク63Aと一致する位置に描画されると共に、かざし位置情報のかざし面情報に基づいて、かざし位置提示画像61Bに対して前側又は後側に重ねて描画される。図7のかざし位置案内画像81Bは、機種Bのかざし面情報が裏面である場合を表し、カード画像91がかざし位置提示画像61Bの後側に重ねて描画され、適切なかざし位置がスマートフォン71Bの裏面側であることを表す。
【0045】
また、カード画像91は、図6の機種Aのかざし位置案内画像81Aと同様に、ステップS11のかざし位置情報のアニメーション表示において、カード画像91の中心がかざし位置マーク63Bと一致する位置を基準位置として、基準位置の周辺を上下方向及び左右方向に移動する。
【0046】
かざし位置案内画像91Bによれば、ユーザは、スマートフォン71Bに対してNFCで接続するカード31の適切なかざし位置を視覚的に容易に認識することができる。また、かざし位置提示画像61Bに対してカード画像91を移動させるアニメーション表示を行うことで、適切なかざし位置が必ずしも基準位置(カード31の中心をかざし位置マーク63Bに対向させた位置)ではなく、基準位置の周辺であることをユーザに示唆することができ、ユーザに対してカード31を基準位置の周辺で動かすように誘導することができる。
【0047】
(かざし位置の適切さの評価)
図2において、スマートフォン11の演算処理部12は、ステップS10及びステップS11により、図4及び図5のように表示部13へのかざし位置情報の表示、及び、かざし位置情報のアニメーション表示を開始すると、CLF17に対してpollingコマンドのオン(送信)を指示する(ステップS12)。CLF17は、アンテナ18を介してNFCによるpollingコマンドの送信を開始する(ステップS13)。pollingコマンドは、アンテナ18に近接する非接触ICカードを捕捉及び特定するためのコマンドである。pollingコマンドは周期的に繰り返し送信される。
【0048】
カード31がスマートフォン11に近接されてpollingコマンドを受信した場合、カード31は、NFCによるpollingレスポンスを送信する(ステップS14)。pollingレスポンスは、例えば、製造者コード及びカード識別番号からなるIDm(製造ID/Manufacture ID)やICチップの種類や性能を識別するPMm(製造パラメータ/Manufacture Parameter)等のpollingコマンドを受信したICカードを特定する情報を含む。スマートフォン11からカード31へのpollingコマンドへの送信が繰り返し行われている間、スマートフォン11の演算処理部12は、カード31がpollingコマンドを受信するごとに送信するpollingレスポンスをCLF17が連続して受信した回数(連続受信回数)をカウントする。例えば、図8に示すように、スマートフォン11(CLF17)から送信されたpollingコマンドに対してカード31から送信されたpollingレスポンスをスマートフォン11(CLF17)が正しく受信した場合を成功とし、pollingレスポンスをスマートフォン11(CLF17)が正しく受信できなかった場合を失敗とする。演算処理部12は、成功を1回検出すると、カウント値を1だけ増加させ、失敗を検出するとカウント値を0にリセットする。これにより、演算処理部12は、連続して成功した回数(pollingレスポンスの連続受信回数)をカウント値により取得する。図8の例では、スマートフォン11からカード31へのpollingコマンドへの送信ごとに、カード31から送信されたpollingレスポンスの受信が、失敗、失敗、成功、失敗、成功、成功、成功の順に検出されている。この場合に、pollingレスポンスの連続受信回数は、0、0、1、0、0、1、2、3の順に変化する。このように検出される連続受信回数は、NFCの通信状態を表しており、カード31の現在のかざし位置の適切さを通信状態に基づいて評価する値となる。カード31の現在のかざし位置が適切なかざし位置であるか否かは、NFCの通信状態が良好か否かによって判定することができるので、連続受信回数を用いて判定することができる。即ち、連続受信回数の到達値が大きい程、NFCの通信状態が良好であり、かざし位置の適切さは高い。したがって、適切なかざし位置とは、連続受信回数が予め決められた規定回数以上であるという通信状態に関する条件を満たしたときのかざし位置と定義することができる。
【0049】
図2において、演算処理部12は、pollingレスポンスの受信の成功を検出したときには、かざし位置情報のアニメーション表示を停止させる(ステップS16)。このとき、演算処理部12は、図6及び図7に例示したかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81A、81Bのカード画像91を、成功を検出したときの位置に静止させた状態で表示する。これにより、ユーザに対してpollingレスポンスの受信の成功を検出したこと、即ち、カード31の現在のかざし位置が適切なかざし位置である可能性が高いことを通知し、カード31を現在のかざし位置で静止させるように促す。演算処理部12は、pollingレスポンスの受信の失敗を検出したときには、かざし位置情報のアニメーション表示を再開させ(ステップS16)、ユーザに対してカード31を動かすように促す。
【0050】
なお、かざし位置の適切さの評価(NFCの通信状態の評価)は、pollingレスポンスの連続受信回数による場合に限らない。例えば、最新の所定回数分のpollingコマンドに対して(pollingレスポンスの受信可能な回数に対して)、pollingレスポンスの受信を成功した回数の割合(レスポンス成功率)に基づいて、かざし位置の適切さを評価する場合や、レスポンス成功率の移動平均に基づいて、かざし位置の適切さを評価する場合であってもよい。磁界インピーダンス検知機能を使用(Low Power Polling)し、カード31をかざした際のインピーダンス値に基づいて、かざし位置の適切さを評価してもよい。
【0051】
(かざし位置の適切さの表示)
また、演算処理部12は、pollingレスポンスの連続受信回数を表示部13に表示する(ステップS17)。連続受信回数の表示は、連続受信回数自体や規定回数に対する連続受信回数の割合(応答率)のような数値による場合であってもよいし、ゲージ(インジケータ)のような画像による場合であってもよく、特定の表示形態に限らない。
【0052】
図9は、pollingレスポンスの連続受信回数の表示例を示した図である。図9には、図4の機種Aのスマートフォン71Aの画面72Aが示されている。その画面72Aのほぼ全体をゲージ枠として、連続受信回数の増加に伴い、元の背景色(第1背景色)と異なる背景色(第2背景色)の領域73A(インジケータ)の上端が画面72Aの下端部から上端部に向かって上昇する。連続受信回数が予め決められた所定の規定回数に到達すると、領域73Aの上端が画面72Aの上端部に到達し、画面72Aのほぼ全体の背景色が第2背景色となる。これによれば、ユーザは、カード31の現在のかざし位置の適切さを視覚的に容易に認識することができる。
【0053】
なお、図9のように視覚的にpollingレスポンスの連続受信回数を表示する以外に、音声や振動を使用して連続受信回数をユーザに提示してもよい。例えば、連続受信回数自体や規定回数に対する連続受信回数の割合(応答率)に応じてスマートフォン11から出力される音の大きさや、スマートフォン11に生じさせる振動の大きさを変化させるようにしてもよい。これによっても、ユーザは、カード31の現在のかざし位置の適切さを容易に認識することができる。
【0054】
また、pollingレスポンスの最新の連続受信回数を表示する場合に限らず、過去からの連続受信回数の移動平均を表示してもよいし、pollingレスポンスの受信可能な回数(所定回数)に対して受信を成功した回数の割合の最新値などを表示してもよい。以下で説明する適切なかざし位置の確定の際に、pollingレスポンスの最新の連続受信回数ではなく、これらの値に基づいて適切なかざし位置を確定してもよい。なお、本実施の形態では、スマートフォン11とカード31との近距離無線通信としてNFC(NFCフォーラム仕様)に準拠したFeliCa(登録商標)の通信技術であるTYPE-Fを想定しているので、スマートフォン11からカード31へのpollingコマンドと、pollingコマンドに対する応答であるカード31からスマートフォン11へのpollingレスポンスとを用いて、かざし位置の適切さの評価や表示を行うこととしている。本技術は、スマートフォン11とカード31との間の近距離無線通信の方式(規格)に制限なく適用可能であり、その場合に、スマートフォン11からカード31への任意の種類の要求信号をpollingコマンドとみなし、その要求信号に対する応答信号をカード31からスマートフォン11へのpollingレスポンスとしてみなして、かざし位置の適切さの評価や表示を本実施の形態と同様にして行うことができる。言い換えると、本実施の形態では、スマートフォン11からカード31への任意の種類の要求信号をpollingコマンドと称し、その要求信号に対するカード31からスマートフォン11への応答信号をpollingレスポンスと称しているとみなしてもよい。
【0055】
(適切なかざし位置の確定)
図2において、演算処理部12は、pollingレスポンスの連続受信回数と予め決められた規定回数とを比較する(ステップS18)。例えば1秒間においてpollingレスポンスの受信可能な回数を数回(例えば2回)とする。pollingレスポンスの受信可能な回数は、pollingコマンドの送信回数に相当する。このとき、規定回数は10回程度とすることができる。ただし、規定回数はこれに限らない。連続受信回数が規定回数未満であると判定された場合には、演算処理部12は、カード31のかざし位置が適切ではないと判定し、ステップS15乃至ステップS18の処理を繰り返す。連続受信回数が規定回数以上であると判定された場合には、演算処理部12は、そのときのカード31のかざし位置を適切なかざし位置として確定する。なお、適切なかざし位置である旨をユーザに明示的に通知されるようにしてもよい。また、かざし位置の適切さの評価(NFCの通信状態の評価)を、pollingレスポンスの連続受信回数以外の方法に基づいて行う場合には、その評価結果を示す評価値と規定値とを比較し、評価値が規定値以上であると判定された場合に、そのときのカード31のかざし位置が適切なかざし位置として確定する。適切なかざし位置を確定すると、演算処理部12は、CLF17に対してpollingコマンドのオフを指示し(ステップS19)、pollingレスポンスの連続受信回数のカウントや、pollingレスポンスの連続受信回数の表示を終了する。
【0056】
演算処理部12は、pollingコマンドがオフされた後は、ステップS2で起動したアプリのプログラムに従ったサービスシーケンスを開始する(ステップS20)。ステップS2で起動したアプリは、NFCを利用することが前提となるアプリであるので、詳細は省略するが、NFCにより、スマートフォン11から各種コマンドがカード31に送信され(ステップS21)、それに対応した各種レスポンスがカード31からスマートフォン11に送信される(ステップS22)。
【0057】
(かざし位置情報のフィードバック)
演算処理部12は、ステップS2で起動したアプリが提供するサービス、又は、アプリが利用するサイト(サーバ)へのログインや認証を完了させると(ステップS23)、スマートフォン11のディスプレイ(画面)に、フィードバック入力画面を表示させる(ステップS24)。フィードバック入力画面は、ユーザがかざし位置特定情報及びかざし面情報を入力する画面である。ユーザは、フィードバック入力画面においてかざし位置情報(かざし位置特定情報及びかざし面情報)を入力する(ステップS25)。フィードバック入力画面においてユーザが入力したかざし位置特定情報及びかざし面情報は、サーバ21のデータベースに登録されたかざし位置情報、又は、記憶部16に保存済みのかざし位置情報の修正等に用いられる。
【0058】
図10は、フィードバック入力画面を例示した図である。図10には、スマートフォン11として機種Aのスマートフォン71Aが例示されている。なお、任意の機種のスマートフォンでのフィードバック入力画面は、図10と同様であるので機種Aのスマートフォン71Aでのフィードバック入力画面のみを説明する。図10(A)に示すように、スマートフォン71Aの画面72Aには、フィードバック入力画面としてカード画像91が表示される。カード画像91には中心を示す×印のマークが描画されている。ユーザは、画面72A上において、ドラッグ操作等によりカード画像91の位置を動かし、ピンチ操作等でカード画像91を拡大又は縮小する。これにより、図10(B)に示すように、ユーザは、カード画像91の大きさを、実際に使用したカード31と合致させるようにし、かつ、カード画像91の位置を、図2のステップS18でpollingレスポンスの連続受信回数が規定回数以上であると判定されたときのカード31のかざし位置に合致させるようにする。演算処理部12は、ユーザにより操作されたカード画像91の位置及び大きさに基づいて、カード画像91の中心に対応するスマートフォン71Aにおける位置を特定する。仮にカード画像91の中心が画面72Aの範囲外であっても、画面72Aの範囲内のカード画像91からカード画像91の中心に対応するスマートフォン71Aにおける位置を特定することができる。演算処理部12は、特定した位置をユーザにより入力されたかざし位置特定情報とする。
【0059】
また、カード画像91の位置及び大きさが確定されると、図10(B)に示すように、フィードバック入力画面には、かざし面(カード位置)がスマートフォン71Aの表面側か裏面側かを選択する選択部が表示される。ユーザは、その選択部において、表か裏かを選択する。演算処理部12は、選択された表又は裏の情報をユーザにより入力されたかざし面情報として取得する。
【0060】
図2において、ステップS25により、かざし位置情報(かざし位置特定情報及びかざし面情報)が入力されると、演算処理部12は、ユーザにより入力されたかざし位置情報を通信部15を介してサーバ21に送信する(ステップS26)。なお、演算処理部12は、ステップS6でのスマートフォン11の機種情報の送信とは別に、かざし位置情報と併せてスマートフォン11の機種情報もサーバ21に送信してもよい。また、演算処理部12は、カード31の種類もかざし位置情報と併せてサーバ21に送信してもよい。サーバ21において、データベースとしてスマートフォン(情報処理装置11)の機種ごとにかざし位置情報を生成するだけでなく、ICカード等の通信対象の種類ごとにかざし位置情報を生成する場合に、スマートフォン11からのカード31の種類の情報を有効に利用することができる。
【0061】
サーバ21は、スマートフォン11から受信したかざし位置情報(ユーザ入力のかざし位置情報)に基づいて、データベースに登録されているかざし位置情報(登録済みのかざし位置情報)を更新(修正)する。例えば、サーバ21の演算処理部22は、様々なユーザの様々な機種のスマートフォンから受信したユーザ入力のかざし位置情報(かざし位置特定情報及びかざし面情報)と、登録済みのかざし位置情報とを機種別に比較する。演算処理部22は、登録済みのかざし位置情報に対して、ずれが大きいと判定されるユーザ入力のかざし位置情報の数、ユーザ入力のかざし位置情報の分布等に基づいて、ユーザ入力のかざし位置情報が信用できると判定した場合に、その機種に関するデータベースのかざし位置情報を更新する。
【0062】
登録済みのかざし位置情報に対して、ずれが大きいと判定される具体例としては、かざし位置特定情報について、登録済みのかざし位置情報であるかざし位置特定情報が特定するかざし位置と、ユーザ入力のかざし位置情報であるかざし位置特定情報が特定するかざし位置との距離が所定の閾値以上である場合には、ずれが大きいと判定される。ずれが大きいと判定されるユーザ入力のかざし位置特定情報の数が一定数以上存在し、かつ、それらが特定するかざし位置の分布が1つの位置の近傍に集中して存在するような場合には、ユーザ入力のかざし位置情報が信用できると判定される。この場合に、ユーザ入力のかざし位置特定情報が特定するかざし位置が集中する位置(例えば、平均的な位置や分布的にピークと推定される位置)を適切なかざし位置としてデータベースのかざし位置特定情報を更新する。
【0063】
登録済みのかざし位置情報に対して、ずれが大きいと判定される他の具体例としては、かざし面情報について、登録済みのかざし面情報に対してユーザ入力のかざし面情報が表と裏とで異なる場合には、ずれが大きいと判定される。ずれが大きいと判定されるユーザ入力のかざし面情報(表又は裏)が一定数以上存在する場合には、ユーザ入力のかざし面情報が信用できると判定し、データベースのかざし面情報を更新する。
【0064】
サーバ21において、スマートフォン11から受信したユーザ入力のかざし位置情報に基づいて、データベースに登録されているかざし位置情報(登録済みのかざし位置情報)を更新(修正)する方法は、上述の場合に限らない。例えば、サーバ21は、様々なユーザのスマートフォン11から受信したユーザ入力のかざし位置情報に対して機械学習やAI(Artificial Intelligence)を用いて、かざし位置特定情報(適切なかざし位置)やかざし面情報を推定し、データベースを更新することで、かざし位置情報の精度の向上を図るようにしてもよい。
【0065】
また、データベースに登録されたかざし位置情報(かざし位置特定情報)の適切なかざし位置に対して、意図的に異なる位置(所定距離ずらした位置)を適切なかざし位置として、スマートフォン11に送信し、スマートフォン11でのかざし位置情報としてのかざし位置案内画像81A、81B(図6及び図7参照)の表示において、かざし位置マーク63A、63Bをデータベースに登録されているかざし位置特定情報とは異なる位置に表示させるようにしてもよい。機種が同じスマートフォン11であってもユーザが異なるスマートフォン11には、それぞれ異なるかざし位置を送信する。この場合に、スマートフォン11は、pollingレスポンスの連続受信回数が規定回数以上となるまでに要した時間、pollingレスポンスの受信を失敗した回数などの情報を記録し、サーバ21に送信する。サーバ21は、様々なユーザのスマートフォン11から受信したそれらの情報に基づいて、データベースに登録されたかざし位置特定情報を、通信状態がより良好となるようなかざし位置に修正し、精度の向上を図ることができる。また、サーバ21に対して、ユーザ入力のかざし位置情報をスマートフォン11から送信することも不要となる。
【0066】
また、スマートフォン11の演算処理部12は、ステップS25でユーザにより入力されたユーザ入力のかざし位置情報(かざし位置特定情報及びかざし面情報)を記憶部16に保存する(ステップS27)。かざし位置情報が記憶部16にすでに保存されている場合には、記憶部16のかざし位置情報を、ステップS25でユーザにより入力されたユーザ入力のかざし位置情報に更新する。なお、機種画像が記憶部16に保存されていない場合にはサーバ21から取得した機種画像をかざし位置情報として保存する。記憶部16に保存されたかざし位置情報は、次回からのアプリの実行時において、保存済みのかざし位置情報としてかざし位置案内画像81A、81Bの生成に使用される。
【0067】
演算処理部12は、ステップS27の処理が終了すると、ステップS2で起動したアプリが提供するサービスの画面を表示部13に表示させ(ステップS28)、以後、サービスに応じた処理を行う。
【0068】
なお、以上の図2に示したシーケンス図では、ステップS2で起動されたアプリに対して、かざし位置情報を表示する処理、かざし位置の適切さを評価、かざし位置情報のサーバ21へフィードバックする処理等のかざし位置に関する処理(プログラム)を組み込むことが必要となるが、起動したアプリにおいてNFCを使用する処理等が実行される際に、かざし位置に関する処理に自動的に切り替わるようにし、かざし位置に関する処理は、アプリに組み込まないようにしてもよい。
【0069】
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部と、
前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する処理部と
を有する情報処理装置。
(2)
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して要求信号を送信し、前記要求信号に対する前記通信対象から前記通信部への応答信号の受信の成功及び失敗の検出結果に基づいて前記通信状態を検出する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記通信部は、前記要求信号としてpollingコマンドを送信し、前記応答信号としてpollingレスポンスを受信する
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して前記要求信号を繰り返し送信し、前記応答信号の受信の成功が連続した回数に基づいて、前記通信状態を検出する
前記(2)又は(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記処理部は、前記成功が連続した回数が規定回数以上になった場合に、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定する
前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
表示部を有し、
前記処理部は、前記成功が連続した回数に応じて視覚的に変化するゲージを前記表示部に表示する
前記(4)又は(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記処理部は、前記通信状態をユーザに提示する提示情報を生成する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記処理部は、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定したことをユーザに提示する情報を生成する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
表示部を有し、
前記処理部は、自装置を第1の情報処理装置として、第2の情報処理装置から取得したかざし位置情報に基づいて、前記かざし位置情報が示すかざし位置をユーザに対して提示するかざし位置提示画像を前記表示部に表示する
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記処理部は、前記かざし位置提示画像として、前記第1の情報処理装置の外観画像と、前記外観画像に対して前記かざし位置情報が示す前記かざし位置を示すマークとを含む画像を前記表示部に表示する
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記処理部は、前記マークを前記通信対象の中心を対向させる位置に表示させる
前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記処理部は、前記かざし位置提示画像における前記第1の情報処理装置の前記外観画像に対して前記通信対象の外観画像を前記かざし位置情報が示す前記かざし位置に重ねたかざし位置案内画像を前記表示部に表示する
前記(9)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
前記処理部は、前記かざし位置案内画像として、前記通信対象の前記外観画像を前記かざし位置情報が示す前記かざし位置の周辺で移動させたアニメーション画像を前記表示部に表示する
前記(12)に記載の情報処理装置。
(14)
前記処理部は、前記通信部から前記通信対象に対して要求信号を繰り返し送信し、前記要求信号に対する前記通信対象から前記通信部への応答信号の受信の成功及び失敗の検出結果に基づいて前記通信状態を検出し、
前記応答信号の受信が成功したことを検出した場合に、前記かざし位置案内画像における前記通信対象の前記外観画像の前記移動を停止させる
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記処理部は、前記通信対象のかざし位置が適切であると判定した際の前記かざし位置を特定するかざし位置情報を、前記第2の情報処理装置に送信する
前記(9)乃至(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)
前記通信対象は、非接触ICカードである
前記(1)乃至(15)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17)
情報処理装置の機種ごとに、前記情報処理装置が近距離無線通信を行う通信対象を前記情報処理装置に対してかざすべきかざし位置を特定するかざし位置情報が登録されたデータベースと、
自装置を第2の情報処理装置として、第1の情報処理装置に対して、前記第1の情報処理装置の機種に対応した前記かざし位置情報を前記第1の情報処理装置に送信する送信部と、
前記第1の情報処理装置が前記第2の情報処理装置からの前記かざし位置情報が示す前記かざし位置をユーザに提示した結果、実際に前記近距離無線通信が行われた際の前記通信対象のかざし位置を特定するかざし位置情報を前記第1の情報処理装置から受信する受信部と、
前記第1の情報処理装置からの前記かざし位置情報に基づいて、前記データベースに登録された前記かざし位置情報を更新する処理部と
を有する情報処理装置。
(18)
通信部と、
処理部と
を有する情報処理装置の
前記通信部が、自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行い、
前記処理部が、前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する
情報処理方法。
(19)
コンピュータを
自装置に対してかざされた通信対象と近距離無線通信を行う通信部と、
前記通信部の前記通信対象との通信状態に基づいて、前記通信状態が一定の条件を満たしたときの前記通信対象のかざし位置を適切であると判定する処理部
として機能させるためのプログラム。
【0070】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理システム, 11 情報処理装置, 12 演算処理部, 13 表示部, 14 入力部, 15 通信部, 16 記憶部, 18 アンテナ, 21 サーバ, 22 演算処理部, 23 表示部, 24 入力部, 25 通信部, 26 記憶部, 31 非接触ICカード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10