(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135907
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20230922BHJP
A63F 13/87 20140101ALI20230922BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230922BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230922BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20230922BHJP
A63F 13/5258 20140101ALI20230922BHJP
【FI】
H04N21/431
A63F13/87
A63F13/53
A63F13/79 500
A63F13/795
A63F13/5258
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041232
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA22
5C164UB10S
5C164UB41S
5C164UB90P
5C164UD63S
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上し得るゲームを実行する技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。アバター制御ステップでは、第1ユーザに対応する第1アバターを、仮想空間における領域のうちの1つである第1領域内に配置し、かつ、第1ユーザ以外の第2ユーザに対応する第2アバターを、第1領域以外の第2領域内に配置するように制御する。対話制御ステップでは、第1ユーザと第2ユーザとの間における、第1アバターおよび第2アバターを介した対話を制御する。表示ステップでは、第1ユーザと第2ユーザとの関係に応じて、第1ユーザに対応する視野において、第2領域内における第2アバター、または第2領域に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
アバター制御ステップでは、第1ユーザに対応する第1アバターを、仮想空間における領域のうちの1つである第1領域内に配置し、かつ、前記第1ユーザ以外の第2ユーザに対応する第2アバターを、前記第1領域以外の第2領域内に配置するように制御し、
対話制御ステップでは、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間における、前記第1アバターおよび前記第2アバターを介した対話を制御し、
表示ステップでは、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの関係に応じて、前記第1ユーザに対応する視野において、前記第2領域内における前記第2アバター、または前記第2領域に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記対話は、前記第1ユーザから前記第2ユーザに対して申し込まれ、かつ、前記第2ユーザによって承諾されることで実行され、
前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバター、または前記第1領域に関する情報の表示態様に基づいて決定される、もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1ユーザが前記第2ユーザに対して上位となる関係である場合に、前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバター、または前記第1領域に関する情報の表示態様に基づいて決定される、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記副態様は、前記第1領域または前記第2領域に関連付けて設定された属性に応じて決定される、もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記主態様および前記副態様は、前記第2ユーザの保有するアイテムの中から、前記第2アバターと対応付けて表示させるアイテムを特定することで決定され、ここで
前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバターに関する情報の表示態様として特定されたアイテムに基づいて決定される、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、
前記表示ステップでは、前記第3ユーザに対応する視野において、前記第1アバターと対話中の前記第2アバターに関する情報を、前記副態様に関わらず前記主態様で表示させる、もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、
前記表示ステップでは、前記第3ユーザに対応する視野において、前記第1アバターとの対話中の前記第2アバターに関する情報を、前記主態様に関わらず前記副態様で表示させる、もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、ここで
前記第3アバターは、前記第1ユーザに対応する視野の範囲を規定する、仮想カメラの撮像領域内に配置され、
前記表示ステップでは、前記第1ユーザに対応する視野において、前記第3アバターに関する情報を、前記第1ユーザと前記第3ユーザとの関係に応じてその態様を可変に表示させる、もの。
【請求項9】
プログラムであって、
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを、コンピュータに実行させるように構成される、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想空間内に、ユーザに対応するアバターを配置するように制御する技術が知られている。例えば、特許文献1では、仮想の部屋を含む仮想空間が各ユーザに提供され、ユーザが、アバターを操作して他のユーザの仮想の部屋を訪問することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、仮想空間においては、状況に応じて、アバターに関する表示を適切な態様とすることが望ましい場合がある。
【0005】
本開示では上記事情に鑑み、ユーザの利便性を向上し得るゲームを実行する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。アバター制御ステップでは、第1ユーザに対応する第1アバターを、仮想空間における領域のうちの1つである第1領域内に配置し、かつ、第1ユーザ以外の第2ユーザに対応する第2アバターを、第1領域以外の第2領域内に配置するように制御する。対話制御ステップでは、第1ユーザと第2ユーザとの間における、第1アバターおよび第2アバターを介した対話を制御する。表示ステップでは、第1ユーザと第2ユーザとの関係に応じて、第1ユーザに対応する視野において、第2領域内における第2アバター、または第2領域に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる。
【0007】
本開示によれば、ユーザの利便性を向上し得るゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図4】領域R毎の情報を管理する、領域管理テーブルT1の概要図である。
【
図5】各ユーザが保有するアイテムをユーザ毎に管理する、アイテム管理テーブルT2の概要図である。
【
図6】第2ユーザに対応する視野5a、および、第2ユーザに視認されるコーディネート選択画面60の一例を示すイメージ図である。
【
図7】第2ユーザに対応する視野5bおよび視野5cの一例を示すイメージ図である。
【
図8】第2アバターAV2および第3アバターAV3の、表示の態様の一例を示すイメージ図である。
【
図9】第1ユーザに視認される招待画面61および第2ユーザに視認される通知画面62の一例を示すイメージ図である。
【
図10】第1ユーザに視認される対話画面8aの一例を示すイメージ図である。
【
図11】第3ユーザに対応する視野9の一例を示すイメージ図である。
【
図12】変形例を説明するためのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、仮想現実(以下、VR(Virtual Reality)という)用ヘッドセットを備えるOculus VR(登録商標)などのVRゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、
図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード、音声を入力するマイク、表情または身体の動作のトラッキングを行う撮像装置、身体の動作のトラッキングを行うモーションキャプチャ装置等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
続いて、
図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、管理部230、アバター制御部231、決定部232、対話制御部233、通知部234、受付部235、および表示制御部236として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
管理部230は、管理ステップとして、種々の情報を管理するように構成される。一例として、管理部230は、仮想空間における領域のうちの1つである第1領域R1および第2領域R2と、これらに関連付けられた領域属性AT1とを管理する。特に、管理部230は、記憶部22に記憶される、領域管理テーブルT1とアイテム管理テーブルT2とを管理する。領域R、領域属性AT1、領域管理テーブルT1、およびアイテム管理テーブルT2については、後に詳述する。
【0036】
アバター制御部231は、アバター制御ステップとして、仮想空間においてアバターを制御するように構成される。一例として、アバター制御部231は、アバターを第1領域R1または第2領域R2に配置するように制御する。アバターとは、仮想空間におけるユーザの分身として、ユーザに操作されるオブジェクトである。
【0037】
決定部232は、決定ステップとして、仮想空間におけるアバターに関する表示の態様を決定するように構成される。一例として、決定部232は、第1領域R1または第2領域R2における、アバターに関する表示の態様を決定する。
【0038】
対話制御部233は、対話制御ステップとして、ユーザ間の対話を制御するように構成される。一例として、対話制御部233は、異なる領域Rに配置されたアバターに対応する、複数のユーザの間における対話を制御する。
【0039】
通知部234は、通知ステップとして、ユーザに対して種々の通知を実行するように構成される。通知の方法は特に限定されず、例えば、通知部234は、表示制御部236を介してゲーム装置3のディスプレイ4aに通知を表示させてもよく、スピーカ4bから音を出してもよく、入力デバイス4cを振動させてもよい。通知部234による通知は、一部のユーザに対して継続的に行われてもよく、入力デバイス4cを介したユーザからの入力により解除されてもよい。
【0040】
受付部235は、受付ステップとして、種々の情報を受け付けるように構成される。一例として、受付部235は、ユーザのアカウント情報、ゲームデータ、ユーザからの入力等を、情報処理装置2の記憶部22、ゲーム装置3、または他の外部装置から受け付ける。本実施形態では、受付部235が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0041】
表示制御部236は、表示ステップとして、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。一例として、表示制御部236は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。
【0042】
3.情報処理システム1の動作の流れ
本節では、前述した情報処理システム1の動作の流れについて説明する。
【0043】
3.1 情報処理の概要
図3は、情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、情報処理の流れを概説する。
【0044】
まず、管理部230は、仮想空間における複数の領域Rと、領域Rそれぞれに関連付けられた領域属性AT1とを管理する(アクティビティA001)。具体的には、管理部230は、記憶部22に記憶されている複数の領域Rを管理し、領域Rそれぞれに関連付けられた領域属性AT1を管理する。
【0045】
領域Rとは、仮想空間の中の一区分である。領域Rは、例えば、ユーザがアバターを介して移動可能な、連続的な仮想空間の範囲のことを指す。具体的には例えば、壁と天井と床とで囲まれた仮想の部屋、ユーザが視認可能または不可能な境界線で囲まれた仮想の街またはフィールド等である。本実施形態において、例えば、管理部230は、領域Rとして、第1ユーザの自室、第2ユーザの自室、部署A執務室(第1領域R1の一例)、ワーケーション部屋(第1領域R1以外の第2領域R2の一例)等を管理する。
【0046】
領域属性AT1とは、領域Rそれぞれに設定される属性である。領域属性AT1は、例えば、領域Rの印象を表す属性であり、領域Rの雰囲気を統一するため、領域Rの使用目的をユーザに伝えるため、または、ユーザが領域Rから想起し得る印象を限定するために設定される。本実施形態において、管理部230は、第1ユーザの自室および第2ユーザの自室の領域属性AT1を「カジュアル」、部署A執務室の領域属性AT1を「フォーマル」、ワーケーション部屋の領域属性AT1を「スポーツ」として管理する。
【0047】
次に、以下のアクティビティA002~アクティビティA005の処理と、アクティビティA006~アクティビティA009の処理とが、並列して実行される。
【0048】
アクティビティA002~アクティビティA005では、以下の処理が実行される。受付部235は、入力デバイス4cによる入力を介して、第1アバターAV1のコーディネートの設定を第1ユーザから受け付ける(アクティビティA002)。具体的には、受付部235は、1以上の領域属性AT1それぞれに対する、アイテムの組み合わせの選択入力を第1ユーザから受け付ける。アイテムは、例えば、表示制御部236がアバターと対応付けて表示させる衣服、装飾品、髪型、化粧、表情、ペット等である。
【0049】
続いて、受付部235は、入力デバイス4cによる入力を介して、第1ユーザの自室から、部署A執務室へと第1アバターAV1を移動させるための入力を、第1ユーザから受け付ける(アクティビティA003)。
【0050】
続いて、決定部232は、部署A執務室内における第1アバターAV1に関する表示の態様(すなわち、主態様)を、部署A執務室に関連付けられた領域属性AT1に応じて決定する(アクティビティA004)。具体的には例えば、決定部232は、「フォーマル」の領域属性AT1に対して、第1ユーザによって予め設定されたアイテムの組み合わせを、部署A執務室における第1アバターAV1のコーディネートとして決定する。主態様とは、アバターまたは領域Rの主たる表示の態様である。例えば、同じ領域R内に配置されている他のアバターに視認される、アバターの表示の態様である。または、例えば、領域Rの中から視認される、領域Rの表示の態様である。
【0051】
続いて、アバター制御部231は、第1ユーザに対応する第1アバターAV1を、部署A執務室内に配置するように制御する(アクティビティA005)。これを他の観点から記載すると、部署A執務室内に第1ユーザ以外の他のユーザに対応するアバターがさらに配置されている場合、表示制御部236は、他のユーザに対応する視野において、第1アバターAV1を主態様で表示させる。具体的には、表示制御部236が、部署A執務室内に配置された第1アバターAV1を、アクティビティA004において決定されたアイテムと対応付けた態様で、他のユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示させる。
【0052】
一方で、アクティビティA006~アクティビティA009では、以下の処理が実行される。受付部235は、入力デバイス4cによる入力を介して、第2アバターAV2のコーディネートの設定を第2ユーザから受け付ける(アクティビティA006)。具体的には、受付部235は、1以上の領域属性AT1それぞれに対する、アイテムの組み合わせの選択入力を第2ユーザから受け付ける。
【0053】
続いて、受付部235は、入力デバイス4cによる入力を介して、第2ユーザの自室から、ワーケーション部屋へと第2アバターAV2を移動させるための入力を、第2ユーザから受け付ける(アクティビティA007)。
【0054】
続いて、決定部232は、ワーケーション部屋内における第2アバターAV2に関する表示の態様(すなわち、主態様)を、ワーケーション部屋に関連付けられた領域属性AT1に応じて決定する(アクティビティA008)。具体的には例えば、決定部232は、「スポーツ」の領域属性AT1に対して、第2ユーザによって予め設定されたアイテムの組み合わせを、ワーケーション部屋における第2アバターAV2のコーディネートとして決定する。
【0055】
続いて、アバター制御部231は、第2ユーザに対応する第2アバターAV2を、ワーケーション部屋内に配置するように制御する(アクティビティA009)。これを他の観点から記載すると、ワーケーション部屋内に第2ユーザ以外の他のユーザに対応するアバターがさらに配置されている場合、表示制御部236は、他のユーザに対応する視野において、第2アバターAV2を主態様で表示させる。具体的には、表示制御部236が、部署A執務室内に配置された第2アバターAV2を、アクティビティA008において決定されたアイテムと対応付けた態様で、他のユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示させる。
【0056】
次に、受付部235は、入力デバイス4cによる入力を介して、第1ユーザから第2ユーザへの対話を申し込むための入力を、第1ユーザから受け付ける(アクティビティA010)。対話とは、ユーザ同士がお互いを視認しながら行う会話のことをいう。本実施形態では、ユーザ同士が、それぞれに対応するアバターを視認しながら行う会話のことをいう。
【0057】
次に、決定部232は、通話を申し込んだユーザの主態様に応じて、通話を申し込まれたユーザの副態様を決定する。具体的には、部署A執務室内における第1アバターAV1に関する情報の表示態様に基づいて、対話の際に表示させる、第2アバターAV2に関する表示の態様(すなわち、副態様)を決定する(アクティビティA011)。例えば、第2アバターAV2の副態様は、第1アバターAV1の配置されている部署A執務室に関連付けて設定された領域属性AT1に応じて決定される。例えば、決定部232は、「フォーマル」の領域属性AT1に対して、第2ユーザによって予め設定されたアイテムの組み合わせを、対話の際に表示させる第2アバターAV2のコーディネート(すなわち、副態様)として決定する。上記を他の観点から記載すると、副態様は、部署A執務室内における第1アバターAV1に関する情報の表示態様として特定されたアイテムに基づいて決定される。副態様とは、アバターまたは領域Rの従たる表示の態様である。例えば、他の領域R内に配置されている他のアバターに視認される、アバターの表示の態様である。または、例えば、領域Rの外から視認される、領域Rの表示の態様である。
【0058】
次に、通知部234は、第2ユーザに、第1ユーザから対話の申し込みがあった旨を通知する(アクティビティA012)。具体的には、通知部234は、通信部21を介して、ディスプレイ4aに通知を表示させるための信号を、第2ユーザのゲーム装置3に送信する。続いて、表示制御部236は、対話の申し込みを承認するか辞退するかの選択肢を含む通知を、第2ユーザのゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。
【0059】
ここで、受付部235が、対話の申し込みを辞退する入力を第2ユーザから受け付けた場合、その後の処理は省略される。一方で、受付部235が、対話の申し込みを承認する入力を第2ユーザから受け付けた場合、処理が次に進む。すなわち、以下のアクティビティA013の処理と、アクティビティA014の処理とが、並列して実行される。
【0060】
アクティビティA013では、表示制御部236は、第1ユーザに対応する視野において、第2アバターAV2を副態様で表示させる。具体的には、表示制御部236が、第2アバターAV2を、アクティビティA011において決定されたアイテムと対応付けた態様で、第1ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示させる。これを他の観点から記載すると、表示制御部236は、第1ユーザと第2ユーザとの関係に応じて、第1ユーザに対応する視野において、ワーケーション部屋内における第2アバターAV2に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる。
【0061】
一方、アクティビティA014では、表示制御部236は、第2ユーザに対応する視野において、第1アバターAV1を主態様で表示させる。具体的には、表示制御部236が、第1アバターAV1を、アクティビティA004において決定されたアイテムと対応付けた態様で、第2ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示させる。
【0062】
次に、対話制御部233は、第1ユーザと第2ユーザとの間における、第1アバターAV1および第2アバターAV2を介した対話を制御する。具体的には例えば、対話制御部233は、通信部21を介して、第1ユーザのゲーム装置3と第2ユーザのゲーム装置3との間における、対話に関するデータの通信を制御する。例えば、第1ユーザのゲーム装置3における入力デバイス4cを介して入力された音声が、第2ユーザのゲーム装置3におけるスピーカ4bを介して再生される。なお、その逆についても同様である。アクティビティA010~アクティビティA015の処理を他の観点から記載すると、対話は、第1ユーザから第2ユーザに対して申し込まれ、かつ、第2ユーザによって承諾されることで実行される。
【0063】
以上をまとめると、情報処理システム1は、制御部23を備える。制御部23は、次の各部を備える。アバター制御部231は、第1ユーザに対応する第1アバターAV1を、仮想空間における領域のうちの1つである第1領域R1内に配置し、かつ、第1ユーザ以外の第2ユーザに対応する第2アバターAV2を、第1領域R1以外の第2領域R2内に配置するように制御する。対話制御部233は、第1ユーザと第2ユーザとの間における、第1アバターAV1および第2アバターAV2を介した対話を制御する。表示制御部236は、第1ユーザと第2ユーザとの関係に応じて、第1ユーザに対応する視野において、第2領域R2内における第2アバターAV2、または、第2領域R2に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる。
【0064】
これによれば、ユーザの利便性を向上し得るゲームを実現することができる。特に、対話時のアバターに関する表示の態様が自動的に決定されることで、ユーザが表示の態様を毎回設定する必要がなくなり、ユーザフレンドリーである。また、対話時に、ユーザの関係性に応じた態様でアバターを表示させることで、円滑なユーザ同士のコミュニケーションを促すことが可能な情報処理システム1を実現することができる。また、別の領域Rに配置された複数のアバターを介して、複数のユーザ同士の対話が実行されることで、特定の領域Rに移動する権限を持たないユーザであっても、その領域R内のユーザとの対話が可能になる。これにより、ユーザにとってより公平な情報処理システム1を実現することができる。
【0065】
また、対話を申し込んだ側の第1アバターAV1の主態様に基づいて、第2アバターAV2の副態様が決定されることで、どちらに表示の態様を合わせるかがより明確になり、ユーザがルールを理解しやすく、よりユーザフレンドリーな情報処理システム1を実現することができる。
【0066】
また、副態様が第1領域R1に関連付けて設定された属性に応じて決定されることで、決定部232が副態様を決定するための処理がより簡易になり、情報処理装置2への負荷を低減させることができる。
【0067】
3.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0068】
<領域管理テーブルT1>
図4は、領域R毎の情報を管理する、領域管理テーブルT1の概要図である。領域管理テーブルT1は、情報として、識別子T11と、領域名T12と、管理者ユーザT13と、領域属性T14(AT1)と、属性制御情報T15と、公開範囲T16とを有する。
【0069】
識別子T11は、領域Rを識別するために、領域R毎に1対1に付される固有の情報である。
【0070】
領域名T12は、各領域Rの名称に関する情報である。
図4においては、ダイキの部屋、田中学の部屋、部署A執務室、ワーケーション部屋等が例示されている。
【0071】
管理者ユーザT13は、領域Rを管理するユーザを識別する情報である。例えば、管理者ユーザT13は、領域名T12、領域属性T14(AT1)、属性制御情報T15、および公開範囲T16を設定可能なユーザの情報である。
【0072】
領域属性T14(AT1)は、領域Rそれぞれに設定される属性に関する情報である。領域属性T14(AT1)は、具体的には例えば、フォーマル、カジュアル、アーバン、モダン、クール、スタイリッシュ、クラシック、エレガンス、トラディショナル、ボヘミアン、シック、アンティーク、ビンテージ、レトロ、インダストリアル、ナチュラル、カントリー、シンプル、ポップ、キュート、ミニマル、スポーツ、ロック等の、印象を表す属性である。また、領域属性AT1は、具体的には例えば、北欧、アジアン、和風、ミッドセンチュリー等の現実の地域、年代、または文化等の様式を表す属性である。
【0073】
属性制御情報T15は、領域属性AT1の制御に関する情報である。具体的には、領域Rの領域属性AT1が変更される条件に関する情報である。
図4の例では、部署A執務室は、特定の時刻に領域属性AT1が切り替わるように制御される。例えば、部署A執務室の領域属性T14(AT1)は、9時~18時の間は「フォーマル」として設定され、18時~翌9時の間は「カジュアル」として設定されるように制御される。
【0074】
公開範囲T16は、領域Rの公開範囲に関する情報である。公開範囲T16は、具体的には例えば、非公開、特定のグループ等の一部のメンバーのみに公開、情報処理システム1を利用するユーザ全員に公開等が設定可能である。
【0075】
<アイテム管理テーブルT2>
図5は、各ユーザが保有するアイテムをユーザ毎に管理する、アイテム管理テーブルT2の概要図である。アイテム管理テーブルT2は、情報として、識別子T21と、アイテム名T22と、アイテム属性T23(AT2)と、大カテゴリT24と、中カテゴリT25とを有する。
図5の例では、第2ユーザが保有するアイテムを管理するアイテム管理テーブルT2を示す。
【0076】
識別子T21は、アイテムを識別するために、アイテム毎に1対1に付される固有の情報である。
【0077】
アイテム名T22は、アイテムの名称に関する情報である。
図5においては、家Tシャツ、星Tシャツ、猫トレーナー等が例示されている。
【0078】
アイテム属性T23(AT2)は、アイテムに関連付けられて管理される情報である。具体的には例えば、アイテム属性T23(AT2)は、領域属性T14(AT1)と対応して管理される情報である。
図5の例に示すように、管理部230は、1つのアイテムに対して、2つ以上のアイテム属性AT2を関連付けて管理することができる。
【0079】
アバターに関する主態様および副態様は、第2ユーザの保有するアイテムの中から、第2アバターAV2と対応付けて表示させるアイテムを特定することで決定される。
図4および
図5の例を用いて説明すると、ダイキの部屋(領域Rの一例)においては、領域属性AT1である「カジュアル」に一致するアイテム属性AT2を有するアイテムが特定される。例えば、「カジュアル」のアイテム属性AT2を有するアイテムである、家Tシャツ、星Tシャツ、猫トレーナー等が特定される。これにより、領域Rの印象に適合したアイテムの組み合わせが自動的に特定され、ユーザの利便性がより向上する。
【0080】
大カテゴリT24および中カテゴリT25は、アイテムを分類するカテゴリに関する情報である。中カテゴリT25は、大カテゴリT24をさらに細かく分類するカテゴリである。例えば、大カテゴリが「服装」であれば、中カテゴリはトップス、ボトムス、セット服等となる。なお、不図示ではあるが、トップスを、「ワイシャツ」、「ブラウス」、「ジャケット」等、ボトムスを、「パンツ」、「スカート」等、セット服を、「ワンピース」、「ドレス」等としてさらに細分化することもできる。
【0081】
<コーディネートの設定>
図6は、第2ユーザに対応する視野5a、および、第2ユーザに視認されるコーディネート選択画面60の一例を示すイメージ図である。
【0082】
視野5aは、領域50(第2ユーザの自室)に仮想的に配置された、第2アバターAV2の視野(すなわち、第2ユーザに対応する視野)である。視野5aは、具体的には例えば、第2ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示される画面である。視野5aは、領域50(第2ユーザの自室)内に仮想的に配置される表示ウィンドウ51、領域名501、設定内容表示502、および仮想オブジェクト503を含む。
【0083】
領域名501には、領域50の名称が表示される。設定内容表示502には、例えば、領域管理テーブルT1の領域属性T14(AT1)に対応する情報が表示される。
図6の例では、領域50(第2ユーザの自室)の領域属性AT1が「カジュアル」に設定されていることが表示されている。
【0084】
仮想オブジェクト503は、領域50(第2ユーザの自室)内に仮想的に配置される仮想の物体である。仮想オブジェクト503は、例えば、家具、家電、内装、飲食物、建造物、乗り物、動植物、気象現象によって生じる物体、アバター以外のキャラクタ等である。
図6の例では、仮想オブジェクト503は、領域50(第2ユーザの自室)内に置かれた姿見であり、第1ユーザに対応する、第2アバターAV2の現在の表示の態様(すなわち、主態様)が示される。
【0085】
例えば、仮想オブジェクト503は、それぞれの仮想オブジェクト503に関連付けられた機能を有するように制御されてもよい。
図6の例では、第2ユーザによる、仮想オブジェクト503(この例では、姿見)の前に第2アバターAV2を移動させる操作に応じて、第2アバターAV2のコーディネートを設定するための表示ウィンドウ51が表示される。
【0086】
表示ウィンドウ51は、領域50(第2ユーザの自室)内に表示される、仮想的な画面である。
図6の例では、表示ウィンドウ51は、タブ511と、操作ボタン512と、アバタープレビュー513とを含む。受付部235は、第2ユーザによる、タブ511と操作ボタン512との選択入力を介して、第2アバターAV2のコーディネートの設定を受け付ける。第2ユーザは、タブ511を切り替えることで、領域属性AT1毎のコーディネートを設定することができる。アバタープレビュー513には、領域属性AT1ごとに設定された、第2アバターAV2に関する表示の態様(すなわち、主態様)が、第2ユーザに視認可能な態様で表示される。
【0087】
コーディネート選択画面60は、第2アバターAV2と対応づけて表示させるアイテムの組み合わせの選択入力を、第2ユーザから受け付ける画面である。
図6の例では、コーディネート選択画面60は、「カジュアル」のタブ511が選択された状態で、「服装」の操作ボタン512が第2ユーザによって選択されることで表示された画面である。
【0088】
コーディネート選択画面60は、アバタープレビュー600と、操作ボタン601と、アイテム表示エリア602と、アイテム603とを含む。アイテム表示エリア602には、第2ユーザによって保有されるアイテム603が表示される。
図6の例では、第2ユーザが保有する、「カジュアル」の領域属性AT1を有するアイテムのうち、大カテゴリが「服装」かつ中カテゴリが「トップス」であるアイテムが表示されている。アバタープレビュー600には、第2ユーザによって選択されたアイテム603が、第2アバターAV2に対応付けられた態様で表示される。
【0089】
コーディネート選択画面60または表示ウィンドウ51において、「決定」の操作ボタン601または操作ボタン512が第2ユーザによって選択されることで、第2アバターAV2のコーディネートが設定される。また、例えば、「ショップ」の操作ボタン601が第2ユーザによって選択されたことに応じ、第2ユーザがアイテムを購入可能な画面が表示される。
【0090】
<第2領域R2への移動>
図7は、第2ユーザに対応する視野5bおよび視野5cの一例を示すイメージ図である。視野5bおよび視野5cの説明は、上記の視野5aの説明と同様であるため、省略する。視野5bおよび視野5cは、領域50(第2ユーザの自室)内に仮想的に配置される、表示ウィンドウ52、領域名501、設定内容表示502、および仮想オブジェクト503を含む。
【0091】
図7の例では、仮想オブジェクト503は、領域50(第2ユーザの自室)と他の領域Rとを繋ぐドアである。視野5bの例では、第2ユーザによる、仮想オブジェクト503(この例では、ドア)の前に第2アバターAV2を移動させる操作に応じて、表示ウィンドウ52が表示される。
【0092】
表示ウィンドウ52は、領域50(第2ユーザの自室)内に表示される、仮想的な画面である。視野5bの例では、表示ウィンドウ52は、操作ボタン521を含む。受付部235は、第2ユーザによる操作ボタン512との選択入力を介して、移動先である領域Rの指定を受け付ける。例えば、表示制御部236は、第2ユーザがよく利用する領域Rを移動先の候補として表示させる。また、例えば、第2ユーザによる「移動先一覧」の操作ボタン521の選択に応じて、表示制御部236は、移動可能な領域Rの検索画面を表示させる。
【0093】
決定部232は、「ワーケーション部屋」の操作ボタン521が第2ユーザによって選択され、移動先としてワーケーション部屋が選択されたことに応じて、第2アバターAV2のコーディネートを決定する。続いて、通知部234は、例えば視野5cにおける表示ウィンドウ52の態様で、決定されたコーディネートを第2ユーザに通知する。視野5cの例では、表示ウィンドウ52は、操作ボタン521と、アバタープレビュー522と、表示名プレビュー523とを含む。
【0094】
アバタープレビュー522には、第2アバターAV2のワーケーション部屋における表示の態様(すなわち、主態様)が、第2ユーザに視認可能な態様で表示される。視野5cの例では、ワーケーション部屋の領域属性AT1である「スポーツ」に対応付けて設定された、第2アバターAV2のコーディネートが表示されている。
【0095】
例えば、「OK」の操作ボタン521の選択を介して、第2ユーザによる承認を受け付けた場合に、アバター制御部231は、第2アバターAV2をワーケーション部屋に配置するように制御する。一方で、「選び直す」の操作ボタン521の選択を介して、第2ユーザによる否認を受け付けた場合には、第2アバターAV2の移動は実行されない。代わりに、表示制御部236がコーディネート選択画面60を表示し、続いて受付部235が第2ユーザから「スポーツ」の領域属性AT1に対応するコーディネートの選択を受け付ける。
【0096】
表示名プレビュー523には、部署A執務室において第2アバターAV2に対応して表示される、第2ユーザの名称の表示態様が、第2ユーザに視認可能な態様で表示される。視野5cの例では、表示名プレビュー523には、第2ユーザの名称が「佐藤 大樹」として表示されることが示されている。例えば、「表示名設定」の操作ボタン521が第2ユーザに選択されることで、受付部235が名称の表示態様の設定を受け付けることができる。
【0097】
<第2領域R2における表示の態様>
図8は、第2アバターAV2および第3アバターAV3の、表示の態様の一例を示すイメージ図である。例えば、ワーケーション部屋には、第1アバターAV1、第2アバターAV2、および第4アバターAV4(図示せず)が配置されているとした場合、視野7は、第4アバターAV4を操作する第4ユーザに対応する視野である。視野7は、領域70(ワーケーション部屋)内に仮想的に配置される、領域名701、設定内容表示702、リアクション703、第2アバターAV2、および第3アバターAV3を含む。
【0098】
領域名701には、領域70の名称が表示される。設定内容表示702には、例えば、領域管理テーブルT1の領域属性T14(AT1)に対応する情報が表示される。
図8の例では、領域70(ワーケーション部屋)の領域属性AT1が「スポーツ」に設定されていることが表示されている。
【0099】
視野7において、第2アバターAV2は、アイテムAV2aおよび表示名AV2bを含む。具体的には、第2アバターAV2には、アイテムAV2aおよび表示名AV2bが対応付けて表示される。視野7の例において、アイテムAV2aは、第2アバターAV2の髪型および服装である。アイテムAV2aおよび表示名AV2bは、事前に第2ユーザによって設定された態様で表示される。視野7においては、「スポーツ」の領域属性AT1に対応したアイテムAV2aが、第2アバターAV2の一部として表示されている。第3アバターAV3についても、同様である。
【0100】
出力音71は、第2ユーザが、第2アバターAV2を介して発話した内容を示している。
図8の例では、出力音71は、第3ユーザおよび第4ユーザのゲーム装置3におけるスピーカ4bから出力される音であり、視野7には含まれない。また、リアクション703は、第3ユーザの入力によって表示された絵文字である。この例に示すように、領域70において、複数のユーザ間におけるアバターを介したインタラクションが制御される。インタラクションは、例えば、通話、文字によるチャット、画像(例えば、静止画または動画)によるリアクション、アバターのジェスチャ、アバターの表情等を介した、ユーザ同士のコミュニケーションである。
【0101】
<対話の申し込み>
図9は、第1ユーザに視認される招待画面61および第2ユーザに視認される通知画面62の一例を示すイメージ図である。
【0102】
招待画面61は、例えば、第1ユーザによって、第2ユーザへと対話を申し込むための入力がされたことに応じて表示される確認画面である。この例では、部署A執務室に配置された第1アバターAV1は第1ユーザによって操作され、ワーケーション部屋に配置された第2アバターAV2は第2ユーザによって操作される。つまり、部署A執務室に配置された第1アバターAV1から、ワーケーション部屋に配置された第2アバターAV2へと、仮想的なビデオ通話の申し込みが行われる。招待画面61は、第1ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示される。招待画面61は、操作ボタン611と、表示名プレビュー612とを含む。例えば、受付部235が、第1ユーザから「OK」の操作ボタン611の入力を受け付けたことに応じて、通知部234が、対話の申し込みがあったことを第2ユーザに通知する。招待画面61の例では、表示名プレビュー612には、後述する対話画面8aにおいて、第1ユーザの名称が「田中 学」として表示されることが示されている。
【0103】
通知画面62は、例えば、第1ユーザから「OK」の操作ボタン611の入力を受け付けたことに応じて、第2ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示される画面である。通知画面62は、操作ボタン621と、表示名プレビュー622と、アバタープレビュー623とを含む。通知画面62の例では、表示名プレビュー622には、対話画面8aにおいて、第1ユーザの名称が「佐藤 大樹」として表示されることが示されている。また、アバタープレビュー623には、第1ユーザによって視認される対話画面8aにおいて表示される、第2アバターAV2のコーディネートが表示されている。
【0104】
受付部235が、第2ユーザから「このコーディネートで対話を開始する」の操作ボタン621を受け付けた場合に、対話制御部233が、それぞれのアバターを介した第1ユーザと第2ユーザとの対話を開始するように制御する。第2ユーザは、「コーディネートを選び直す」の操作ボタン621を選択することで、第2アバターAV2のコーディネートを選び直すことができる。上記を他の側面から記載すると、通知部234は、第2ユーザに、アクティビティA011において決定された第2アバターAV2のコーディネートの通知をする。通知は、例えば、決定された態様で第2アバターAV2を表示させてよいか否かを、第2ユーザに確認する内容を含む。これにより、第2ユーザが望まない表示の態様で、第2アバターAV2が第1ユーザに視認されることを防ぐことができ、よりユーザフレンドリーである。
【0105】
<対話画面>
図10は、第1ユーザに視認される対話画面8aの一例を示すイメージ図である。対話画面8aは、具体的には例えば、第1ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示される画面である。対話画面8aは、
図9の通知画面62における操作ボタン621が第2ユーザに選択されたことによって、対話の申し込みが承認された場合に表示される。対話画面8aは、アバター表示エリア81と、アバター表示エリア82と、操作ボタン85と、表示名AV1bと、表示名AV2bとを含む。
【0106】
アバター表示エリア81は、第2アバターAV2と、背景810とを含み、アバター表示エリア82は、第1アバターAV1と、背景820とを含む。アバター表示エリア81およびアバター表示エリア82は、第1アバターAV1および第2アバターAV2が配置された各領域R(すなわち、第1領域R1および第2領域R2)の中を撮像する、仮想カメラの撮像画像である。対話画面8aの例においては、対話を申し込んだ側の第1ユーザの表示の態様が優先され、第2アバターAV2が副態様で表示されている。
【0107】
アバター表示エリア82において、第1アバターAV1は、アイテムAV1aを含む。具体的には、第1アバターAV1には、アイテムAV1aが対応付けて表示される。対話画面8aの例において、アイテムAV1aは、第1アバターAV1の髪型および服装である。例えば、アバター表示エリア82において、アイテムAV1aは、第1領域R1の領域属性AT1である「フォーマル」に対応した態様(すなわち、主態様)で表示される。
【0108】
アバター表示エリア81において、第2アバターAV2は、アイテムAV2aを含む。具体的には、第2アバターAV2には、アイテムAV2aが対応付けて表示される。対話画面8aの例において、アイテムAV2aは、第2アバターAV2の髪型および服装である。例えば、アバター表示エリア81において、アイテムAV2aは、第1領域R1の領域属性AT1である「フォーマル」に対応した態様(すなわち、副態様)で表示される。具体的には例えば、「フォーマル」の領域属性AT1に対して、第2ユーザによって予め設定されたアイテムAV2aの組み合わせが、第2アバターAV2に対応付けて表示される。
【0109】
出力音83は、第1ユーザのゲーム装置3におけるスピーカ4bから出力された、第2ユーザが発話した音声の内容を示し、入力音84は、第1ユーザが発話し、入力デバイス4cに入力した音声の内容を示している。
図10の例では、出力音83および入力音84は、説明の都合上表記されているだけであり、実際には対話画面8aには含まれない。
【0110】
例えば、第1ユーザは、「終了する」の操作ボタン85を選択することにより、第2ユーザとの対話を終了することができる。
【0111】
<第2領域R2における、対話中の第2アバターAV2の表示の態様>
図8においても既に説明したように、アバター制御部231は、さらに、第1ユーザとも第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターAV3を、ワーケーション部屋内に配置するように制御する。
図11は、第3ユーザに対応する視野9の一例を示すイメージ図である。
図11(a)および(b)に示される視野9は、領域90(ワーケーション部屋)内に仮想的に配置される、領域名901、設定内容表示902、仮想画面903、および第2アバターAV2を含む。出力音83は、第3ユーザのゲーム装置3におけるスピーカ4bから出力される音であり、視実際には視野9には含まれない。仮想画面903は、第2アバターAV2の前に仮想的に表示される画面であり、例えば、第2ユーザに対応する視野においては、第1ユーザとの対話画面が表示される。例えば、仮想画面903は、第3ユーザに対応する視野においては、第2ユーザが対話している相手の名前と、対話が実行されている旨とが表示される。視野9の他の説明は、視野7の説明と同様のため、省略する。
【0112】
例えば、表示制御部236は、第3ユーザに対応する視野において、第1アバターAV1と対話中の第2アバターAV2に関する情報を、副態様に関わらず主態様で表示させる。
図11(a)の例においては、「フォーマル」の領域属性AT1に対応したアイテムAV2aが、第2アバターAV2の一部として表示されている。
【0113】
例えば、第3ユーザの視野における第2アバターAV2の表示の態様は、第1ユーザと第3ユーザとの関係に応じて決定される。例えば、第1ユーザが、第2ユーザおよび第3ユーザの共通の上司の場合、第3ユーザも対話に招待される可能性があるため、第2アバターAV2が副態様(
図11(a)の例では、スーツを着用した態様)として表示される。これにより、第3ユーザは、第1ユーザが上司と対話中であることを認識することができ、第1ユーザの邪魔をしないように配慮することが可能となる。また、第3ユーザは、自分自身も対話に参加する準備をすることが可能となるため、よりユーザフレンドリーな情報処理システム1を実現することができる。
【0114】
また、例えば、表示制御部236は、第3ユーザに対応する視野において、第1アバターAV1との対話中の第2アバターAV2に関する情報を、主態様に関わらず副態様で表示させる。
図11(b)の例においては、「スポーツ」の領域属性AT1に対応したアイテムAV2aが、第2アバターAV2の一部として表示されている。
【0115】
例えば、第1ユーザと第3ユーザとが、上司と部下等の特別な関係ではない場合、第2アバターAV2の表示の態様は変化せず、主態様のままで表示される。第1アバターAV1の表示の態様を変化させないことで、ワーケーション部屋のカジュアルな雰囲気が維持され、ワーケーション部屋に滞在するアバターを操作する他のユーザに、居心地の良い仮想空間を提供することができる。
【0116】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような変形例を採用してもよい。
【0117】
第1ユーザと第2ユーザとの関係とは、例えば、上司、部下、同僚、取引先、家族、友人等の関係であってよい。管理部230がユーザ毎の情報として、例えば、他のユーザとの親密度のパラメータや、関係性を分類するカテゴリ等を管理してもよい。
【0118】
一変形例では、対話時に副態様で表示されるのは、アバターに関する情報に限らず、アバターの背景(例えば、アバターが配置されている領域R)に関する情報であってもよい。具体的には例えば、アクティビティA013において、表示制御部236は、第1ユーザと第2ユーザとの関係に応じて、第1ユーザに対応する視野において、ワーケーション部屋に関する情報を、通常の表示の態様である主態様に関わらず副態様で表示させる。例えば、
図10の例に示すように、第2アバターAV2だけでなく背景810が、副態様(すなわち、「フォーマル」の領域属性AT1に対応付けられた表示の態様)で表示されてよい。これにより、対話時に、アバターの背景である領域Rに関する表示の態様が自動的に決定され、ユーザが表示の態様を毎回設定する必要がなくなるため、ユーザフレンドリーである。また、相手の状況に応じたアバターの背景が表示されることで、円滑なユーザ同士のコミュニケーションを促すことが可能な情報処理システム1を実現することができる。
【0119】
一変形例において、第2アバターAV2または第2領域R2に関する情報の副態様は、第1領域R1に関する情報の表示態様に基づいて決定されてよい。例えば、第1アバターAV1が配置される第1領域R1がオフィスの態様で表示された場合には、第2アバターAV2の副態様は、スーツを着用した態様として決定されてよく、第2領域R2の副態様は、オフィスの態様として決定されてよい。対話相手のアバターが配置された領域R(例えば、部屋)の状況に適合した副態様が決定されることで、ユーザの利便性がより向上する。
【0120】
一変形例において、第1ユーザが第2ユーザに対して上位となる関係である場合に、副態様は、第1領域R1内における第1アバターAV1、または第1領域R1に関する情報の表示態様に基づいて決定される。具体的には例えば、管理部230は、ユーザの識別子と、ユーザの役職とを関連付けて管理する。そして、対話に参加するユーザのうち、最も役職が上位のユーザに対応するアバターの表示態様(すなわち、主態様)に合わせて、他のユーザに対応するアバターの表示の態様(すなわち、副態様)を決定してよい。または、例えば、部下から上司へと対話を申し込んだ場合であっても、役職を優先し、上司の主態様に合わせて部下の副態様が決定されてもよい。これにより、現実世界における組織内のユーザ同士の関係性が仮想空間内でも再現され、ユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0121】
上記の実施形態では、第1領域R1である部署A執務室の属性(例えば、領域属性AT1)に応じて、副態様が決定される場合について説明をしたが、副態様は、第2領域R2に関連付けて設定された属性に応じて決定されてもよい。属性は、領域属性AT1に限らず、例えば、時刻、気候(例えば、天気、気温、または湿度)、場所、用途等の、領域Rに設定可能な属性であってよい。例えば、部署A執務室およびワーケーション部屋に就業時間が設定されている場合には、領域Rの時刻の属性が就業時間外であることに応じて、副態様が「カジュアル」として決定されてもよい。
【0122】
一変形例において、ユーザが移動可能な連続的な仮想空間の範囲内に、複数の領域Rが存在してもよい。例えば、その場所に設定された目的、仮想の住所、表示の態様の違い等によって識別されるエリアが、領域Rとされてもよい。具体的には例えば、1つの連続的な仮想空間(例えば、街または部屋)の中において、イベント会場に設定されたエリア、特定の権利を有するユーザのみが入れるエリア、カーペットの色等で他と区別されるエリア等であってよい。
【0123】
一変形例において、アバターのコーディネートは、ユーザの選択によって設定されなくてもよい。例えば、
図6の表示ウィンドウ51において、「おまかせ」の操作ボタン512が第1ユーザによって選択されることで、手持ちのアイテムの中から、推奨されるアイテムの組み合わせが特定されてもよい。
【0124】
一変形例において、アバターに関する表示とは、アバターの服装等に限らず、以下の例であってもよい。例えば、アバターに関する表示は、アバターを表示させるための表示枠の態様、アバターを輝かせる等の特殊効果、アバターに対応付けて表示させる表示名の態様(例えば、文字のフォント、大きさ、色、または背景色)等であってもよい。ユーザの選択によって、これらの表示の態様が、領域属性AT1毎に設定可能であってよい。また、アバターは、人間に限定される必要はなく、例えば、動物、空想上の生物、これらをモチーフにしたキャラクタ等であってもよい。一例において、アバターの肌の色、目の色、髪の色、表情等がユーザによって選択可能であってもよい。
【0125】
一変形例において、ユーザは、情報処理システム1において複数のアカウントを保有してもよい。この例において、領域属性AT1と、特定のアカウントとを関連付ける設定が、ユーザによって行われてもよい。例えば、領域属性AT1が「フォーマル」の領域Rにおいては、仕事用のアカウントに紐づけて設定された「フォーマル」のコーディネートが表示されてもよい。または、例えば、ユーザの職場の領域Rにおいては、仕事用のアカウントに紐づけて設定された、領域属性AT1毎のコーディネートが表示されてもよい。または、例えば、主態様または副態様が、特定のアカウントと関連付けられてもよい。
【0126】
一変形例において、対話制御部233は、アバターではなく、ユーザ同士の対話(例えば、実際のカメラ等を使用したビデオ通話)を実行してもよい。また、ユーザ同士がお互いを視認しないで行う通話が実行されてもよい。
【0127】
一変形例において、対話時において、第2アバターまたは第2領域R2の表示の態様を、副態様ではなく主態様としてもよい。例えば、就業時間外の対話においては、第2アバターまたは第2領域R2は主態様で表示されてよい。また、例えば、副態様ではなく主態様で表示させることを、ユーザが選択可能であってもよい。一例において、第1領域R1の領域属性AT1に対応する、第2ユーザの手持ちアイテムがない場合に、その旨が対話開始前に第2ユーザに通知されてよい。その場合において、表示制御部236は、対話の終了後に、アイテムを購入可能なショップへの移動導線(例えば、移動を受け付けるボタン、リンク等)を、第2ユーザのゲーム装置3におけるディスプレイ4aに表示してよい。ここで、ショップとは、アイテム購入が可能な画面であってもよく、ユーザがアバターを操作して商品を見て回ることが可能な領域Rの1つであってもよい。
【0128】
一変形例において、特定の領域Rから別の領域Rへの移動は、ユーザがアバターを操作することによって行われてもよい。具体的には、ユーザに操作されるアバターが、仮想空間において、街の中を歩く、電車やバス等に乗る等の行動を行い、現実世界における移動が再現されてもよい。
【0129】
図12は、変形例を説明するためのイメージ図である。
図12(a)に示す対話画面8bにおいて、アバター表示エリア81には、第2アバターAV2の他に第3アバターAV3が表示されている。上記以外の対話画面8bの説明は、対話画面8aの説明と同様であるため省略する。この例において、第3アバターAV3は、第1ユーザに対応する視野の範囲を規定する、仮想カメラの撮像領域内に配置される。
図12(b)は、仮想カメラの撮像領域を示す模式図である。具体的には、
図12(b)は、領域70(ワーケーション部屋)を真上から見た様子を示す。例えば、仮想画面704が、仮想カメラの機能を有していてよい。その場合、対話画面8bのアバター表示エリア81には、撮像領域705内に含まれるアバターおよびオブジェクトが表示される。
【0130】
この例において、表示制御部236は、第1ユーザに対応する視野において、第3アバターAV3に関する情報を、第1ユーザと第3ユーザとの関係に応じてその態様を可変に表示させてよい。例えば、第1ユーザと第3ユーザとが、上司と部下の関係である場合に、第1ユーザの表示の態様が優先され、第3アバターAV3が副態様で表示される。例えば、対話画面8bの例では、アバター表示エリア81において、第3アバターAV3に含まれるアイテムAV3aは、第1領域R1の領域属性AT1である「フォーマル」に対応した態様(すなわち、副態様)で表示される。これにより、複数ユーザの間における、より円滑なコミュニケーションを促すことが可能となる。
【0131】
別の例において、第3アバターAV3は、第2アバターAV2とは別のアバター表示エリアに表示されてもよい。例えば、第3アバターAV3が、第1アバターAV1とも第2アバターAV2とも異なる領域Rに配置されている場合に、単独でアバター表示エリアに表示されてよい。この例のように、ユーザが、3箇所以上の領域Rから対話に参加してもよい。例えば、領域属性AT1が「フォーマル」の領域Rから対話に参加するユーザが最も多い場合、他のユーザは「フォーマル」に対応した副態様で表示されてよい。
【0132】
実施形態の一側面は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、情報処理システム1の各ステップを備える。また、実施形態の別の一側面は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、情報処理システム1における各ステップを、コンピュータに実行させるように構成される。
【0133】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記対話は、前記第1ユーザから前記第2ユーザに対して申し込まれ、かつ、前記第2ユーザによって承諾されることで実行され、前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバター、または前記第1領域に関する情報の表示態様に基づいて決定される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1ユーザが前記第2ユーザに対して上位となる関係である場合に、前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバター、または前記第1領域に関する情報の表示態様に基づいて決定される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記副態様は、前記第1領域または前記第2領域に関連付けて設定された属性に応じて決定される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記主態様および前記副態様は、前記第2ユーザの保有するアイテムの中から、前記第2アバターと対応付けて表示させるアイテムを特定することで決定され、ここで前記副態様は、前記第1領域内における前記第1アバターに関する情報の表示態様として特定されたアイテムに基づいて決定される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、前記表示ステップでは、前記第3ユーザに対応する視野において、前記第1アバターと対話中の前記第2アバターに関する情報を、前記副態様に関わらず前記主態様で表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、前記表示ステップでは、前記第3ユーザに対応する視野において、前記第1アバターとの対話中の前記第2アバターに関する情報を、前記主態様に関わらず前記副態様で表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記アバター制御ステップでは、さらに、前記第1ユーザとも前記第2ユーザとも異なる第3ユーザに対応する第3アバターを、前記第2領域内に配置するように制御し、ここで前記第3アバターは、前記第1ユーザに対応する視野の範囲を規定する、仮想カメラの撮像領域内に配置され、前記表示ステップでは、前記第1ユーザに対応する視野において、前記第3アバターに関する情報を、前記第1ユーザと前記第3ユーザとの関係に応じてその態様を可変に表示させる、もの。
プログラムであって、前記情報処理システムにおける各ステップを、コンピュータに実行させるように構成される、もの。
もちろん、この限りではない。
【0134】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0135】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
230 :管理部
231 :アバター制御部
232 :決定部
233 :対話制御部
234 :通知部
235 :受付部
236 :表示制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5a :視野
5b :視野
5c :視野
50 :領域
501 :領域名
502 :設定内容表示
503 :仮想オブジェクト
51 :表示ウィンドウ
511 :タブ
512 :操作ボタン
513 :アバタープレビュー
52 :表示ウィンドウ
521 :操作ボタン
522 :アバタープレビュー
523 :表示名プレビュー
60 :コーディネート選択画面
600 :アバタープレビュー
601 :操作ボタン
602 :アイテム表示エリア
603 :アイテム
61 :招待画面
611 :操作ボタン
612 :表示名プレビュー
62 :通知画面
621 :操作ボタン
622 :表示名プレビュー
623 :アバタープレビュー
7 :視野
70 :領域
701 :領域名
702 :設定内容表示
703 :リアクション
704 :仮想画面
705 :撮像領域
71 :出力音
8a :対話画面
8b :対話画面
81 :アバター表示エリア
810 :背景
82 :アバター表示エリア
820 :背景
83 :出力音
84 :入力音
85 :操作ボタン
9 :視野
90 :領域
901 :領域名
902 :設定内容表示
903 :仮想画面
AT1 :領域属性
AT2 :アイテム属性
AV1 :第1アバター
AV1a :アイテム
AV1b :表示名
AV2 :第2アバター
AV2a :アイテム
AV2b :表示名
AV3 :第3アバター
AV3a :アイテム
AV3b :表示名
AV4 :第4アバター
R :領域
R :領域
R1 :第1領域
R2 :第2領域
T1 :領域管理テーブル
T11 :識別子
T12 :領域名
T13 :管理者ユーザ
T14 :領域属性
T15 :属性制御情報
T16 :公開範囲
T2 :アイテム管理テーブル
T21 :識別子
T22 :アイテム名
T23 :アイテム属性
T24 :大カテゴリ
T25 :中カテゴリ