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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135912
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】非接触情報媒体
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20230922BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06K19/07 260
G06K19/077 264
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041239
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】小宮 実
(72)【発明者】
【氏名】種子田 大幸
(57)【要約】
【課題】コンデンサのキャパシタンス又はインダクタのインダクタンスを容易に調整可能な非接触情報媒体を提供すること。
【解決手段】
非接触情報媒体であって、第1の面及び第2の面を有する基板と、前記第1の面又は前記第2の面に配置されたコイルアンテナと、前記第1の面に配置された第1の電極、及び、前記第2の面に配置され前記第1の面に対向する第2の電極を含み、前記コイルアンテナに電気的に接続されたコンデンサと、前記第1の電極を覆う第1の凹部を有し、前記第1の凹部と前記第1の電極との間に第1の空隙を形成する第1のカバー部材と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び第2の面を有する基板と、
前記第1の面又は前記第2の面に配置されたコイルアンテナと、
前記第1の面に配置された第1の電極、及び、前記第2の面に配置され前記第1の面に対向する第2の電極を含み、前記コイルアンテナに電気的に接続されたコンデンサと、
前記第1の電極を覆う第1の凹部を有し、前記第1の凹部と前記第1の電極との間に第1の空隙を形成する第1のカバー部材と、
を有する非接触情報媒体。
【請求項2】
前記第1のカバー部材を覆う保護部材を有し、
前記保護部材は前記第1のカバー部材と異なる部材である、
請求項1に記載の非接触情報媒体。
【請求項3】
前記第1の面に配置され前記コイルアンテナ、及び前記第1の電極に電気的に接続されるインダクタと、
前記インダクタを覆う第2の凹部を有し、前記第2の凹部と前記インダクタとの間に第2の空隙を形成する第2のカバー部材と、
を有し、
前記保護部材は、前記第1のカバー部材と前記第2のカバー部材との間において、前記基板と接触する、
請求項2に記載の非接触情報媒体。
【請求項4】
前記第1の空隙に前記第1のカバー部材と異なる誘電率を有する材料が配置される、
請求項1に記載の非接触情報媒体。
【請求項5】
前記第2の空隙に前記第2のカバー部材と異なる透磁率を有する材料が配置される、
請求項3に記載の非接触情報媒体。
【請求項6】
前記第1の電極と前記第1のカバー部材との第1の間隔は、前記インダクタと前記第2のカバー部材との第2の間隔と異なる、
請求項3に記載の非接触情報媒体。
【請求項7】
前記コイルアンテナの巻き数は、1巻きである、
請求項6に記載の非接触情報媒体。
【請求項8】
前記第1の面に配置され、前記コイルアンテナ、前記コンデンサ及び前記インダクタに電気的に接続されるICチップを有する、
請求項3に記載の非接触情報媒体。
【請求項9】
前記第1の面に配置され、前記第1の電極、及び前記コイルアンテナに電気的に接続されたインダクタ、を有し、
前記第1のカバー部材は、前記インダクタを覆う第2の凹部を有し、前記第2の凹部と前記インダクタとの間に第2の空隙を形成する、
請求項1に記載の非接触情報媒体。
【請求項10】
前記第2の電極を覆う第3の凹部を有し、前記第3の凹部と前記第2の電極との間に第3の空隙を形成する第2のカバー部材を有する、
請求項9に記載の非接触情報媒体。
【請求項11】
前記第1の空隙に前記第1のカバー部材と異なる誘電率を有する材料が配置される、
請求項9に記載の非接触情報媒体。
【請求項12】
前記第2の空隙に前記第1のカバー部材と異なる透磁率を有する材料が配置される、
請求項9に記載の非接触情報媒体。
【請求項13】
前記第3の空隙に前記第2のカバー部材と異なる誘電率を有する材料が配置される、
請求項10に記載の非接触情報媒体。
【請求項14】
前記第3の凹部と前記第2の電極との第3の間隔は、前記第1の電極と前記第1のカバー部材との第1の間隔又は前記インダクタと前記第1のカバー部材との第2の間隔と異なる、
請求項10に記載の非接触情報媒体。
【請求項15】
前記コイルアンテナの巻き数は、1巻きである、
請求項14に記載の非接触情報媒体。
【請求項16】
前記第1の面に配置され、前記コイルアンテナ、前記コンデンサ及び前記インダクタに電気的に接続されるICチップを有する、
請求項14に記載の非接触情報媒体。
【請求項17】
切れ目を有する金属リングを有し、
前記第1のカバー部材は、前記第1のカバー部材の周縁部において、組付け部を含み、
前記組付け部は、前記第2のカバー部材の周縁部と接し、
前記金属リングは、前記第1のカバー部材の周縁部、及び前記第2のカバー部材の周縁部と接する、
請求項16に記載の非接触情報媒体。
【請求項18】
平面視において、前記切れ目は、前記ICチップが配置される位置及び前記コンデンサが配置される位置を結ぶ延長線上、かつ、前記ICチップに対して前記コンデンサが配置される位置と反対側に配置される、
請求項17に記載の非接触情報媒体。
【請求項19】
前記第1のカバー部材、前記第2のカバー部材、及び前記金属リングを覆うように配置される保護部材を有する、請求項18に記載の非接触情報媒体。
【請求項20】
前記第1のカバー部材は、第4の凹部を有し、前記第4の凹部と前記ICチップとの間に第4の空隙を形成する、
請求項19に記載の非接触情報媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、非接触情報媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触情報媒体通信システムは、非接触情報媒体とリーダライタとの非接触での通信が可能であり、利便性が高く、需要が増加している。
【0003】
非接触情報媒体通信システムでは、非接触情報媒体及びリーダライタが、互いのアンテナを用いて無線で通信し、情報の送受信を互いに行う。非接触情報媒体は、電波を受信するコイルアンテナ、電波に含まれる情報を処理するICチップ、コンデンサ及びインダクタを有し、リーダライタから受信した電波を用いて電磁誘導によって発生した電力を用いて動作する。例えば、コンデンサのキャパシタンスが調整されることによって、非接触情報媒体は電波を効率よく受信可能である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-233703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電波を効率よく受信するためのコンデンサのキャパシタンスの調整方法は、例えば、コンデンサの切断(特許文献1参照)、コンデンサの選択及び実装などの作業を含み、当該調整は容易ではなかった。また、コンデンサの切断、コンデンサの選択及び実装に伴い、非接触情報媒体が損傷するおそれがあった。
【0006】
本発明の実施形態の課題の一つは、コンデンサのキャパシタンス又はインダクタのインダクタンスを容易に調整可能な非接触情報媒体、及び前記非接触情報媒体を有する非接触情報媒体通信システムを提供することである。また、本発明の実施形態の課題の一つは、コンデンサのキャパシタンス又はインダクタのインダクタンスの調整にあたり、損傷を抑制可能な非接触情報媒体、及び前記非接触情報媒体を有する非接触情報媒体通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る非接触情報媒体は、第1の面及び第2の面を有する基板と、前記第1の面又は前記第2の面に配置されたコイルアンテナと、前記第1の面に配置された第1の電極、及び、前記第2の面に配置され前記第1の面に対向する第2の電極を含み、前記コイルアンテナに電気的に接続されたコンデンサと、前記第1の電極を覆う第1の凹部を有し、前記第1の凹部と前記第1の電極との間に第1の空隙を形成する第1のカバー部材と、を有する。
【0008】
前記非接触情報媒体は、前記第1のカバー部材を覆う保護部材を有し、前記保護部材は前記第1のカバー部材と異なる部材であってもよい。
【0009】
前記非接触情報媒体は、前記第1の面に配置され前記コイルアンテナ、及び前記第1の電極に電気的に接続されるインダクタと、前記インダクタを覆う第2の凹部を有し、前記第2の凹部と前記インダクタとの間に第2の空隙を形成する第2のカバー部材と、を有し、前記保護部材は、前記第1のカバー部材と前記第2のカバー部材との間において、前記基板と接触してもよい。
【0010】
前記第1の空隙に前記第1の上部カバー部材と異なる誘電率を有する材料が配置されてもよい。
【0011】
前記第2の空隙に前記第2の上部カバー部材と異なる透磁率を有する材料が配置されてもよい。
【0012】
前記第1の電極と前記第1のカバー部材との第1の間隔は、前記インダクタと前記第2のカバー部材との第2の間隔と異なってもよい。
【0013】
前記コイルアンテナの巻き数は、1巻きであってもよい。
【0014】
前記第1の面に配置され、前記コイルアンテナ、前記コンデンサ及び前記インダクタに電気的に接続されるICチップを有してもよい。
【0015】
前記非接触情報媒体は、前記第1の面に配置され、前記第1の電極、及び前記コイルアンテナに電気的に接続されたインダクタ、を有し、前記第1のカバー部材は、前記インダクタを覆う第2の凹部を有し、前記第2の凹部と前記インダクタとの間に第2の空隙を形成してもよい。
【0016】
前記非接触情報媒体は、前記第2の電極を覆う第3の凹部を有し、前記第3の凹部と前記第2の電極との間に第3の空隙を形成する第2のカバー部材を有してもよい。
【0017】
前記第3の空隙に前記第2のカバー部材と異なる誘電率を有する材料が配置されてもよい。
【0018】
前記第3の凹部と前記第2の電極との第3の間隔は、前記第1の電極と前記第1のカバー部材との第1の間隔又は前記インダクタと前記第1のカバー部材との第2の間隔と異なっていてもよい。
【0019】
前記第1のカバー部材は、前記第1のカバー部材の周縁部において、組付け部を含み、前記組付け部は、前記第2のカバー部材の周縁部と接してもよい。
【0020】
前記非接触情報媒体は、切れ目を有する金属リングを有し、前記第1のカバー部材は、前記第1のカバー部材の周縁部において、組付け部を含み、前記組付け部は、前記第2のカバー部材の周縁部と接し、前記金属リングは、前記第1のカバー部材の周縁部、及び前記第2のカバー部材の周縁部と接してもよい。
【0021】
平面視において、前記切れ目は、前記ICチップが配置される位置及び前記コンデンサが配置される位置を結ぶ延長線上、かつ、前記ICチップに対して前記コンデンサが配置される位置と反対側に配置されてもよい。
【0022】
前記非接触情報媒体は、前記第1のカバー部材、前記第2のカバー部材、及び前記金属リングを覆うように配置される保護部材を有してもよい。
【0023】
前記第1のカバー部材は、第4の凹部を有し、前記第4の凹部によって前記ICチップを覆うと共に、前記第4の凹部と前記ICチップとの間に第4の空隙を含むように配置されてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態によれば、コンデンサのキャパシタンス又はインダクタのインダクタンスを容易に調整可能な非接触情報媒体、及び前記非接触情報媒体を有する非接触情報媒体通信システムを提供することができる。また、本発明の一実施形態によれば、コンデンサのキャパシタンス又はインダクタのインダクタンスの調整にあたり、損傷を抑制可能な非接触情報媒体、及び前記非接触情報媒体を有する非接触情報媒体通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図2図2(A)は図1に示されるA1-A2線に沿った断面構造の端部断面図であり、図2(B)は図1に示される第1の凹部を示す平面図であり、図2(C)は図1に示される第3の凹部を示す平面図であり、図2(D)は図1に示される第2の凹部を示す平面図であり、図2(E)は図2(A)の第1の凹部及び第3の凹部の拡大図であり、図2(F)は図2(A)の第2の凹部の拡大図である。
図3】第1実施形態に係る非接触情報媒体のICチップの構成を示すブロック図である。
図4図4(A)及び図4(B)は第1実施形態に係る非接触情報媒体の回路図である。
図5】第1実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図6図5に示されるB1-B2線に沿った断面構造の端部断面図である。
図7】第1実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図8図8(A)はカバー部材を配置する製造方法を説明するための断面構造を示す端部断面図であり、図8(B)は図7に示されるC1-C2線に沿った断面構造を示す端部断面図である。
図9】第1実施形態に係る非接触情報媒体の製造方法を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態に係る非接触情報媒体通信システムの構成を示すブロック図である。
図11】第2実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図12図12(A)は図11に示されるD1-D2線に沿った断面構造の端部断面図であり、図12(B)は図11に示される第4の凹部を示す平面図であり、図12(C)は図12(A)に示される第4の凹部の拡大図である。
図13】第2実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図14図13に示されるE1-E2線に沿った断面構造の端部断面図である。
図15】第2実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図16図16(A)はカバー部材を配置する製造方法を説明するための断面構造を示す端部断面図であり、図16(B)は図15に示されるF1-F2線に沿った断面構造の端部断面図である。
図17】第2実施形態に係る非接触情報媒体の概略を示す平面図である。
図18図18(A)は、図14に示される断面構造及び金属リングの断面構造を併記した端部断面図であり、図18(B)は図17に示されるG1-G2線に沿った断面構造の端部断面図である。
図19】第2実施形態に係る非接触情報媒体の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0027】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0028】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には、同一の符号または同一の符号に大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0029】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0030】
本明細書において、非接触情報媒体に含まれる基板を基準とし、ICチップが設けられる基板の面を「上面」とし、上面と反対の基板の面を「底面」として説明する。また、上面および底面と交差する面を「側面」として説明する。
【0031】
本明細書において、「近接する」とは、複数の非接触情報媒体が互いに空間を有して近づいている場合だけでなく、複数の非接触情報媒体が互いに直接接している場合も含む。また、「近接する」には、複数の非接触情報媒体が互いに重なった状態を含むものとする。
【0032】
1.第1実施形態
1-1.非接触情報媒体10の構成
図1は、非接触情報媒体10の概略を示す平面図であり、図2(A)は図1に示される非接触情報媒体10のA1-A2線に沿った断面構造の端部断面図である。図1、又は図2(A)を参照して、非接触情報媒体10の構成を説明する。図1、又は図2(A)に示されるように、非接触情報媒体10は基板20、及び保護部材90を含む。基板20は、非接触情報媒体10の内部に位置し、保護部材90によって覆われている。
【0033】
保護部材90は、非接触情報媒体10の外観形状を形成する。また、保護部材90は、外部からの衝撃に対して基板20を保護する。非接触情報媒体10では、基板20が保護部材90によって完全に覆われていることが好ましい。保護部材90は、樹脂を材料とする部材である。樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂である。具体的には、樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリカーボネート、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、又は塩化ビニルである。
【0034】
平面視において、非接触情報媒体10の形状は円形平板状であるが、非接触情報媒体10の形状は図1に示される形状に限定されない。非接触情報媒体10の形状は、例えば、楕円形平板状であってよく、多角形平板状であってもよい。
【0035】
非接触情報媒体10は、例えば、カジノ、又はアミューズメント施設などにおいて使用されるチップ(コイン又はトークン)であるが、非接触情報媒体10の用途はここで示される例に限定されない。非接触情報媒体10は、例えば、物品管理用のタグとして使用されてもよい。
【0036】
図1に示されるように、基板20は、上面22及び底面24を有する。基板20には、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80、接続部102及び104が配置されている。基板20は、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、第1のカバー部材70、第2のカバー部材80、接続部102及び104を支持する基材である。基板20は、例えば、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板、複合基材エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスポリイミド基板、BT基板、テフロン(登録商標)基板、又はPPO基板である。なお、上面22は第1の面と呼ばれる場合があり、底面24は第2の面と呼ばれる場合がある。また、上面22は第2の面と呼ばれ、底面24は第1の面と呼ばれてもよい。
【0037】
コイルアンテナ30は、基板20の上面22に配置される(図2(A)参照)と共に、ICチップ40の外側に配置されている。コイルアンテナ30の一端は接続部102と電気的に接続され、コイルアンテナ30の他端は第1のインダクタ60と電気的に接続されている。コイルアンテナ30は、リーダライタ202(図10参照)含まれるアンテナ(図10参照)との無線通信によって、電波を送受信する。電波は、例えば電気信号を含み、電気信号は情報を含む。情報は、例えば、リーダライタ202からの要求、非接触情報媒体10に固有の識別情報などを含む。なお、コイルアンテナ30は、基板20の底面24に配置されてもよい。基板20には、基板20を貫通し上面22と底面24を接続する貫通孔(図示は省略)が形成されている。また、当該貫通孔には導電膜(図示は省略)が形成されている。第1実施形態では、当該貫通孔に形成された導電膜を用いて、上面22に配置されたコイルアンテナ30は底面24に配置された部材と電気的に接続され、底面24に配置されたコイルアンテナ30は上面22に配置された部材と電気的に接続される。
【0038】
第1実施形態では、コイルアンテナ30のコイルの巻き数は好ましくは1回以上3回以下であり、特に好ましくは2回である。一例として、図1に示される非接触情報媒体10では、コイルアンテナ30のコイルの巻き数は1回である。従来のコイルアンテナと比較すると、コイルアンテナ30のコイルの巻き数は大幅に少ない。また、コイルアンテナ30は、例えば、印刷、塗布、又はエッチングを用いて、基板20上に所定の形状を有するように形成される。コイルアンテナ30を形成する材料は導電性材料である。導電性材料は、例えば、銅、アルミニウムなどである。
【0039】
詳細は後述されるが、ICチップ40は、基板20の上面22に配置され(図2(A)参照)、接続部102、及び接続部104の間において第1のコンデンサ50と並列に電気的に接続されている。なお、コイルアンテナ30と同様に、ICチップ40が基板20の底面24に配置されてよく、上面22と底面24を接続する貫通孔に形成された導電膜を用いて、上面22に配置されたICチップ40は底面24に配置された部材と電気的に接続され、底面24に配置されたICチップ40は上面22に配置された部材と電気的に接続される。
【0040】
第1のコンデンサ50は、基板20の上面22に配置される第1の電極56A、及び基板20の底面24に配置される第2の電極56B、第1の電極56A及び第2の電極56Bに挟持される基板20を用いて構成される(図2(A)参照)。非接触情報媒体10では、例えば、第1の電極56Aは、コイルアンテナ30と同一の層に、同様の材料及び同様の方法を用いて形成され、第2の電極56Bは、第1の電極56Aに対向するように同様の材料及び異なる工程で同様の方法を用いて形成される。なお、コイルアンテナ30と同様に、第1の電極56Aが基板20の底面24に配置されると共に第2の電極56Bが基板20の上面22に配置されてよく、上面22と底面24を接続する貫通孔に形成された導電膜を用いて、上面22に配置された第1の電極56Aは底面24に配置された部材と電気的に接続されると共に底面24に配置された第2の電極56Bは上面22に配置された部材と電気的に接続され、底面24に配置された第1の電極56Aは上面22に配置された部材と電気的に接続されると共に上面22に配置された第2の電極56Bは底面24に配置された部材と電気的に接続される。
【0041】
第1の電極56Aは、例えば、接続部102に電気的に接続される。基板20には、例えば、基板20を貫通し上面22と底面24を接続する貫通孔(図示は省略)が形成されている。第2の電極56Bは、例えば、上面22と底面24を接続する貫通孔に形成された導電膜を用いて、接続部104に電気的に接続される。なお、第1の電極56A及び第2の電極56Bは入れ替わってもよい。
【0042】
第1のインダクタ60は、基板20の上面22に配置される(図2(A)参照)と共に、コイルアンテナ30と直列に電気的に接続されている。第1のインダクタ60の一端はコイルアンテナ30の他端に電気的に接続され、第1のインダクタ60の他端は接続部104に電気的に接続されている。第1のインダクタ60は、基板20上に実装可能な形態(チップインダクタ)である。なお、コイルアンテナ30と同様に、第1のインダクタ60が基板20の底面24に配置されてよく、上面22と底面24を接続する貫通孔に形成された導電膜を用いて、上面22に配置された第1のインダクタ60は底面24に配置された部材と電気的に接続され、底面24に配置された第1のインダクタ60は上面22に配置された部材と電気的に接続される。
【0043】
接続部102、及び104は、コイルアンテナ30、及び第1の電極56Aと同一の層に、同様の材料及び同様の方法を用いて形成される。
【0044】
第1のカバー部材70は、上面22に配置される第1の上部カバー部材72(図2(A)参照)、及び底面24に配置される第1の下部カバー部材74(図2(A)参照)を含む。第1の上部カバー部材72の第1の凹部59(図2(A)参照)、及び第1の下部カバー部材74の第3の凹部58(図2(A)参照)は、第1のコンデンサ50を挟持している。詳細は後述されるが、第1のカバー部材70は、非接触情報媒体10のキャパシタンスを調整する機能を有し、非接触情報媒体10のキャパシタンスが調整された第2のコンデンサ52(図4(A)参照)を構成する。なお、第1のコンデンサ50のキャパシタンスはキャパシタンスCaであり、第2のコンデンサ52のキャパシタンスはキャパシタンスCbである。また、第1のカバー部材70は、第1のコンデンサ50を外部から保護する機能を有する。
【0045】
第1の上部カバー部材72の形状は、例えば、四辺形であり、中央に第1の凹部59(図2(A)参照)を有し、四隅のそれぞれの近傍に、第1の凹部59より小さな凹部を有する。また、第1の下部カバー部材74の形状は、例えば、四辺形であり、中央に第3の凹部(図2(A)参照)を有し、四隅のそれぞれの近傍に凸部を有する。第1の下部カバー部材74の四隅の凸部のそれぞれは、第1の上部カバー部材72の四隅の凹部のそれぞれに、1対1で対応する。第1の下部カバー部材74の四隅の凸部のそれぞれは、基板20に形成された第1の貫通孔54(図2(A)参照)に挿通されると共に、第1の上部カバー部材72の対応する凹部にそれぞれ挿通されている。なお、第1の上部カバー部材72が底面24に配置されると共に第1の下部カバー部材74が上面22に配置されてもよい。すなわち、第1の上部カバー部材72及び第1の下部カバー部材74は互いに入れ替わってもよい。
【0046】
第2のカバー部材80は、上面22に配置される第2の上部カバー部材82(図2(A)参照)、及び底面24に配置される第2の下部カバー部材84(図2(A)参照)を含む。第2の上部カバー部材82の第2の凹部69(図2(A)参照)、及び第2の下部カバー部材84は、第1のインダクタ60を挟持している。詳細は後述されるが、第2のカバー部材80は、非接触情報媒体10のインダクタンスを調整する機能を有し、非接触情報媒体10のインダクタンスが調整された第2のインダクタ62(図4(A)参照)を構成する。なお、第1のインダクタ60のインダクタンスはインダクタンスLaであり、第2のインダクタ62のインダクタンスはインダクタンスLbである。また、第2のカバー部材80は、第1のインダクタ60を外部から保護する機能を有する。
【0047】
第2の上部カバー部材82の形状、及び第2の下部カバー部材84の形状は、第1の上部カバー部材72の形状、及び第1の下部カバー部材74の形状と同様の形状を有する。第2の上部カバー部材82の形状は四辺形であり、中央に第2の凹部69(図2(A)参照)を有し、四隅のそれぞれの近傍に凹部を有し、第2の下部カバー部材84の形状は四辺形であり、四隅のそれぞれの近傍に凸部を有する。第2の下部カバー部材84の四隅の凸部のそれぞれは、第2の上部カバー部材82の四隅の凹部のそれぞれに、1対1で対応する。第2の下部カバー部材84の四隅の凸部のそれぞれは、基板20に形成された第2の貫通孔64(図2(A)参照)に挿通されると共に、第2の上部カバー部材82の対応する凹部にそれぞれ挿通されている。
【0048】
第1の上部カバー部材72、第1の下部カバー部材74、第2の上部カバー部材82の形状、及び第2の下部カバー部材84は、例えば、保護部材90と同様の材料を用いて、射出成型によって成形される。
【0049】
なお、第1の上部カバー部材72、第1の下部カバー部材74、第2の上部カバー部材82、及び第2の下部カバー部材84は、第1実施形態で説明された構成に限定されない。第1のカバー部材70(第1の上部カバー部材72、及び第1の下部カバー部材74)は、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCbを調整する機能を有すると共に、第1のコンデンサ50を外部から保護する機能を有するように構成されていればよい。例えば、第1の上部カバー部材72、及び第1の下部カバー部材74は、円形であってよく、円形の周縁部の内側に少なくとも2つ以上の凹部又は凸部を有していてよく、第1の上部カバー部材72、及び第1の下部カバー部材74は凹部又は凸部を用いて互いに組付け可能に構成されていてよい。また、第2の上部カバー部材82、及び第2の下部カバー部材84は第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整する機能を有すると共に、第1のインダクタ60を外部から保護する機能を有するように構成されていればよく、第1の上部カバー部材72、及び第1の下部カバー部材74と同様の構成を用いて互いに組付け可能に構成されていてよい。
【0050】
1-2.ICチップ40の構成
図3は、非接触情報媒体10のICチップ40の構成を示すブロック図である。図3を参照して、ICチップ40の構成を説明する。ICチップ40の構成において、図1、及び図2(A)と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。
【0051】
図3に示されるように、ICチップ40は、制御部42、通信部44、及び記憶部46を含む。通信部44は、コイルアンテナ30を介してリーダライタ202(図10参照)から受信した電波を処理する。制御部42は、通信部44、及び記憶部46の動作を制御する。例えば、制御部42は、処理された電気信号に含まれる情報を通信部44から受信し、処理された電気信号に含まれる情報を記憶部46から抽出する。また、制御部42は、抽出した情報に対応する電気信号を生成し、生成した電気信号を通信部44に送信する。さらに、通信部44は、生成した電気信号を電波に載せて、コイルアンテナ30を介してリーダライタ202に送信する。記憶部46は、各種情報を記憶している。上述のとおり、各種情報は、例えば、リーダライタ202からの要求、非接触情報媒体10を識別するための非接触情報媒体10に固有の識別情報などを含む。
【0052】
詳細は後述されるが、非接触情報媒体10では、第2のコンデンサ52、及び第2のインダクタ62を用いて共振回路100(図4(A)参照)が構成されている。共振回路100は、リーダライタ202から受信した電波を用いて、電磁誘導によって電力を生成する。共振回路100を用いて生成された電力がしきい値電圧値(動作可能電圧値)以上であるとき、ICチップ40は、動作を開始する。
【0053】
1-3.非接触情報媒体10の電気特性
図2(B)は図1に示される第1の凹部59を示す平面図であり、図2(C)は図1に示される第3の凹部58を示す平面図であり、図2(D)は図1に示される第2の凹部69を示す平面図であり、図2(E)は図2(A)に示される第1の凹部59及び第3の凹部58の拡大図であり、図2(F)は図2(A)に示される第2の凹部69の拡大図である。図4(A)はキャパシタンス及びインダクタンスを調整後の非接触情報媒体10の等価回路図であり、図4(B)はキャパシタンス及びインダクタンスを調整前の非接触情報媒体12の等価回路図である。キャパシタンス及びインダクタンスの調整前の非接触情報媒体10は、非接触情報媒体12と表される。図2(A)~図2(F)、図4(A)、及び図4(B)を参照して、非接触情報媒体10の電気特性を説明する。非接触情報媒体10の電気特性において、図1、及び図3と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。
【0054】
図4(A)に示されるように、非接触情報媒体10では、第2のインダクタ62は、接続部104及び接続部102の間に直列に電気的に接続され、ICチップ40及び第2のコンデンサ52は接続部104及び接続部102の間に並列に電気的に接続され、第2のコンデンサ52、及び第2のインダクタ62は、閉回路を形成している。第2のインダクタ62、及び第2のコンデンサ52を用いて形成されている閉回路は、いわゆる共振回路100である。なお、第2のコンデンサ52は第1のコンデンサ50を含み、第2のインダクタ62は、コイルアンテナ30、及び第1のインダクタ60を含む。
【0055】
図4(B)に示されるように、非接触情報媒体12では、コイルアンテナ30及び第1のインダクタ60は、接続部104及び接続部102の間に直列に電気的に接続され、ICチップ40及び第2のコンデンサ52は接続部104及び接続部102の間に並列に電気的に接続され、コイルアンテナ30、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60は、閉回路を形成している。コイルアンテナ30、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60を用いて形成されている閉回路は、共振回路100Aである。
【0056】
図2(A)、図2(B)、図2(C)、図2(E)、及び図4(A)を用いて、第2のコンデンサ52を説明する。上述のように、第2のコンデンサ52は、非接触情報媒体10のキャパシタンスが調整されたコンデンサである。第2のコンデンサ52は、少なくとも、第1のカバー部材70(第1の上部カバー部材72、及び第1の下部カバー部材74)、及び第1のコンデンサ50を用いて構成される。第1のコンデンサ50は第1の凹部59、及び第3の凹部58によって挟持され、覆われている。第1の上部カバー部材72において、少なくとも四隅の小さな凹部及び第1の凹部59を除き、上面22に面している一部は上面22に接し、第1の下部カバー部材74において、少なくとも四隅の凸部及び第3の凹部58を除き、底面24に面している一部は底面24に接している。
【0057】
第1実施形態では、第1の凹部59、第1の電極56A及び第1の電極56Aと上面22が接する以外の上面22に囲まれた空間は、第1の空隙51を形成し、第1の凹部59及び第1の電極56Aの上面の間隔は、第1の間隔H1と呼ばれる。第1の間隔H1は、例えば、第1の電極56Aの上面と第1の凹部59の最も近いところの距離(長さ)であってよく、基板20から垂直に伸びた最も近いところの距離(長さ)であってもよい。例えば、第1の電極56Aの厚みは、基板20、及び第1の間隔H1より薄い場合、第1の空隙51の大きさは、第1の間隔H1、及び上面視における第1の凹部59の大きさ(幅W1×幅W2)を用いて近似することができる。
【0058】
また、第1の空隙51には、空気が入っていてよく、図2(E)に示されるように第1の部材55が配置されてもよい。第1の部材55は、第1の上部カバー部材72と同一の誘電率を有する材料を用いて形成されてよく、第1の上部カバー部材72と異なる誘電率を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0059】
第1の空隙51と同様に、第1実施形態では、第3の凹部58、第2の電極56B及び第2の電極56Bと底面24が接する以外の底面24に囲まれた空間は、第3の空隙53を形成し、第3の凹部58及び第2の電極56Bの上面の間隔は、第3の間隔H3と呼ばれる。第3の間隔H3は、例えば、第2の電極56Bの上面と第3の凹部58の最も近いところの距離(長さ)であってよく、基板20から垂直に伸びた最も近いところの距離(長さ)であってもよい。例えば、第2の電極56Bの厚みは、基板20、及び第3の間隔H3より薄い場合、第3の空隙53の大きさは、第3の間隔H3、及び上面視における第3の凹部58の大きさ(幅W3×幅W4)を用いて近似することができる。なお、第1実施形態では、幅W1、幅W2、幅W3、及び幅W4は同一又は略同一であるが、幅W1、幅W2、幅W3、及び幅W4は同一又は略同一でなくてもよい。また、第1の間隔H1は、第3の間隔H3と同一又は略同一であってよく、異なっていてもよい。
【0060】
また、第3の空隙53には、空気が入っていてよく、図2(E)に示されるように第3の部材57が配置されてもよい。第3の部材57は、第1の下部カバー部材74と同一の誘電率を有する材料を用いて形成されてよく、第1の下部カバー部材74と異なる誘電率を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0061】
ここで、上述のように、例えば、第1のコンデンサ50のキャパシタンスはキャパシタンスCa、第2のコンデンサ52のキャパシタンスはキャパシタンスCbである。キャパシタンスCbはキャパシタンスCaを含む。キャパシタンスCbは、第1の空隙51の大きさ及び第3の空隙53の大きさを変更することで、調整可能である。また、キャパシタンスCbは、第1の空隙51に配置される材料及び第3の空隙53に配置される材料を変更することで、調整可能である。
【0062】
次に、図2(D)、及び図4(A)を用いて、第2のインダクタ62を説明する。上述のように、第2のインダクタ62は、非接触情報媒体10のインダクタンスが調整されたインダクタである。第2のインダクタ62は、少なくとも、コイルアンテナ30、第2のカバー部材80(第2の上部カバー部材82、及び第2の下部カバー部材84)、及び第1のインダクタ60を用いて構成される。第1のインダクタ60は第2の凹部69、及び第2の下部カバー部材84によって挟持され、覆われている。第2の上部カバー部材82において、少なくとも第2の凹部69を除き、上面22に面している一部は上面22に接し、第2の下部カバー部材84は底面24に接している。
【0063】
第1実施形態では、第2の凹部69、及び第1のインダクタ60と上面22が接する以外の上面22に囲まれた空間は、第2の空隙61を形成し、第2の凹部69及び第1のインダクタ60の上面の間隔は、第2の間隔H2と呼ばれる。第2の間隔H2は、例えば、第1のインダクタ60の上面と第2の凹部69の最も近いところの距離(長さ)であってよく、基板20から垂直に伸びた最も近いところの距離(長さ)であってもよい。例えば、第1のインダクタ60の厚みは、基板20、及び第2の間隔H2より薄い場合、第2の空隙61の大きさは、第2の間隔H2、及び上面視における第2の凹部69の大きさ(幅W5×幅W6)を用いて近似することができる。なお、第1実施形態では、幅W5、及び幅W6は同一又は略同一であるが、幅W5、及び幅W6は同一又は略同一でなくてもよい。また、第2の間隔H1は、第1の間隔H1又は第3の間隔H3と、同一又は略同一であってよく、異なっていてもよい。
【0064】
また、第2の空隙61には、空気が入っていてよく、図2(F)に示されるように第2の部材63が配置されてもよい。第2の部材63は、第2の上部カバー部材82と同一の透磁率を有する材料を用いて形成されてよく、第2の上部カバー部材82と異なる透磁率を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0065】
第1実施形態では、一例として、第1の凹部59、第2の凹部69、及び第3の凹部58の形状は、基板20の上面22に対向して矩形の凹状である。第1の凹部59、第2の凹部69、及び第3の凹部58の形状は、ここで示される形状に限定されない。第1の凹部59、第2の凹部69、及び第3の凹部58の形状は、例えば、基板20の上面22に対向して曲面となっている凹状であってもよい。
【0066】
ここで、上述のように、例えば、第1のインダクタ60のインダクタンスはインダクタンスLa、第2のインダクタ62のインダクタンスはインダクタンスLbである。また、コイルアンテナ30のインダクタンスはインダクタンスLcである。インダクタンスLbはインダクタンスLc、及びインダクタンスLaを含む。第2のインダクタンスLbは、例えば、第2の空隙61の大きさを変更することで、調整可能である。また、第2のインダクタンスLbは、例えば、第2の空隙61に配置される材料を変更することで、調整可能である。
【0067】
第2のコンデンサ52、及び第2のインダクタ62を用いて構成される共振回路100の共振周波数frは、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCb、及び第2のインダクタ62のインダクタンスLbを用いて、以下の式(1)によって表される。
【0068】
【数1】

【0069】
共振回路100の共振周波数frが、リーダライタ202(図10)から送信される電波の周波数(所定の周波数)fcと一致すると、共振回路100は、リーダライタ202から受信した周波数fcの電波を用いて、電磁誘導によって、最も大きな電力を生成することができる。
【0070】
第1実施形態では、非接触情報媒体12を用いて、非接触情報媒体10のキャパシタンス及びインダクタンスを調整する前の共振周波数fraを求めることができる。すなわち、第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を基板20に配置する前の状態である非接触情報媒体12を用いて、非接触情報媒体12の共振周波数fraを求めることができる。非接触情報媒体12は、例えば、図4(B)に示されるような共振回路100Aを含む。共振周波数fraは、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCa、第1のインダクタ60のインダクタンスLa、及びコイルアンテナ30のインダクタンスLcを用いて、以下の式(2)によって表される。
【0071】
【数2】

【0072】
第1実施形態では、共振周波数frがリーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCb、又は第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整することができる。
【0073】
例えば、第1のカバー部材70において、第1の間隔H1、幅W1、幅W2、第3の間隔H3、幅W3及び幅W4のうち少なくとも一つを調整する。それによって、リーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCbを調整することができる。非接触情報媒体10では、第1のカバー部材70及び第2のカバー部材80を用いることによって、第1のコンデンサ50の特性又は性能のばらつきを抑制するように、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCbを調整することができる。
【0074】
また、第2のカバー部材80において、第2の間隔H2、幅W5、及び幅W6のうち少なくとも一つを調整し、リーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整してもよい。非接触情報媒体10では、第2のカバー部材80を用いることによって、第1のインダクタ60又はコイルアンテナ30の特性又は性能のばらつきを抑制するように、第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整することができる。なお、非接触情報媒体10では、キャパシタンスCb、及びインダクタンスLbの両方を調整してもよい。
【0075】
例えば、共振周波数frを調整するにあたり、互いに異なるキャパシタンスCbに調整された複数の第1のカバー部材70、及び、互いに異なるインダクタンスLbに調整された複数の第2のカバー部材80を予め準備しておく。共振周波数frがリーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、複数の第1のカバー部材70、及び複数の第2のカバー部材80から、一つの第1のカバー部材70、及び一つの第2のカバー部材80を選択する。第1実施形態では、選択された第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を、非接触情報媒体12に実装することによって、共振周波数frがリーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致し、最適な非接触情報媒体10を形成することができる。
【0076】
また、上述したように、第1のインダクタ60は、チップインダクタである。よって、第1のインダクタ60のサイズは、コイルアンテナ30より十分に小さく、第1のインダクタ60は、集中定数化が可能である集中定数型インダクタということもできる。非接触情報媒体10では、コイルアンテナ30のコイルの巻き数が従来の非接触情報媒体より少なく、コイルアンテナ30のインダクタンスLcは、第1のインダクタ60のインダクタンスLaより小さい。非接触情報媒体10では、第1のインダクタ60のインダクタンスLaを大きくすることによって共振回路100のインダクタンスを大きくすると共に、第2のカバー部材80を用いて、第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整することができる。
【0077】
さらに、非接触情報媒体10では、設計段階において、コイルアンテナ30のインダクタンスLcが小さくても、設計後にチップインダクタである第1のインダクタ60のインダクタンスLbを大きくすることができる。設計後に第1のインダクタ60のインダクタンスLbを調整することによって、共振周波数frを調整することができるため、設計段階において、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCaを必要以上に大きくする必要はない。よって、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCaは、従来のキャパシタンスと同一又は略同一とすることができる。また、非接触情報媒体10では、第1のカバー部材70を用いて第2のコンデンサ52のキャパシタンスCb、及び、第2のカバー部材80を用いて第2のインダクタ62のインダクタンスLbをそれぞれ独立に調整可能である。
【0078】
したがって、非接触情報媒体10は、第1のコンデンサ50のサイズを大きくすることなく、小型化可能であると共に、共振周波数frを調整可能である。また、非接触情報媒体10では、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCaを増加させる必要がないため、大きなキャパシタンスを充放電する必要が無い。よって、非接触情報媒体10では、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCaを充放電する負荷が抑制されると共に、共振周波数frをリーダライタ202から送信される電波の周波数fcに限りなく一致又は略一致させることができるため、共振回路100を用いて生成された大きな電力がICチップ40に十分に供給される。その結果、非接触情報媒体10では、電力不足に起因したICチップ40の誤動作を抑制することができる。したがって、非接触情報媒体10は、リーダライタ202と安定した無線通信を行うことができる。
【0079】
1-4.非接触情報媒体10の製造方法
図5は非接触情報媒体10の概略を示す平面図である。図6図5に示される非接触情報媒体10のB1-B2線に沿った断面構造の端部断面図である。図7は、非接触情報媒体10の製造方法を説明するための非接触情報媒体10の概略を示す平面図である。図8(A)は第1の上部カバー部材72、第1の下部カバー部材74、第2の上部カバー部材82、及び第2の下部カバー部材84を配置する製造方法を説明するための断面構造を示す端部断面図であり、図8(B)は図7に示される非接触情報媒体10のC1-C2線に沿った断面構造を示す端部断面図である。図9は非接触情報媒体10の製造方法を示すフローチャートである。
【0080】
図1図5図9を参照して、非接触情報媒体10の製造方法を説明する。非接触情報媒体10の製造方法において、図2(A)~図2(D)、図3図4(A)及び図4(B)と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。非接触情報媒体10は、図9に示されるステップS30~ステップS34の製造方法によって、製造される。非接触情報媒体10の製造方法は、図9に示される製造方法に限定されず、別のステップを含んでもよい。
【0081】
はじめに、図5及び図6を参照し、図9に示されるステップS30を説明する。ステップS30では、所定の形状を有するコイルアンテナ30、接続部102及び104、第1のコンデンサ50が形成された基板20上に、ICチップ40、及び第1のインダクタ60を実装する。ステップS30によって、第1のインダクタ60が、コイルアンテナ30及び接続部104の間に電気的に接続され、ICチップ40が接続部102及び接続部104の間に電気的に接続される。その結果、コイルアンテナ30、接続部102及び104、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、及びICチップ40が電気的に接続され、第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を基板20に配置する前の状態である非接触情報媒体12が形成される。また、コイルアンテナ30、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、及びICチップ40を用いて閉回路が形成されると共に、コイルアンテナ30、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60によって、共振回路100A(図4(B))が構成される。
【0082】
次に、図9に示されるステップS31では、非接触情報媒体12を用いて、共振周波数が調整される。例えば、予め、リーダライタ202及び複数の非接触情報媒体12を用いて、通信距離、共振周波数、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCa、及び第1のインダクタ60のインダクタンスLaなどの情報を取得し、通信距離、共振周波数、第1のコンデンサ50のキャパシタンスCa、及び第1のインダクタ60のインダクタンスLaなどを紐付けしたテーブルを準備しておく。形成された非接触情報媒体12をリーダライタ202と無線通信させ、通信距離を測定する。測定された通信距離と当該テーブルを用いて、例えば、共振周波数を求める。求められた共振周波数を用いて、リーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、複数の第1のカバー部材70、及び複数の第2のカバー部材80から、一つの第1のカバー部材70、一つの第2のカバー部材80を選択する。
【0083】
次に、図7図8(A)及び図8(B)を参照し、図9に示されるステップS32を説明する。ステップS32では、ステップS31で選択された第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を非接触情報媒体12に実装する。
【0084】
具体的には、第1の下部カバー部材74の凸部のそれぞれが、第1の貫通孔54に挿通されると共に、第1の上部カバー部材72の対応する凹部にそれぞれ挿通される。その結果、第1のコンデンサ50は、第1の上部カバー部材72の第1の凹部59、及び第1の下部カバー部材74の第3の凹部58によって挟持されると共に、第1の上部カバー部材72の第1の凹部59、及び第1の下部カバー部材74の第3の凹部58によって覆われる。
【0085】
また、第2の下部カバー部材84の四隅の凸部のそれぞれは、第2の貫通孔64に挿通されると共に、第2の上部カバー部材82の対応する凹部にそれぞれ挿通される。その結果、第1のインダクタ60は、第2の上部カバー部材82の第2の凹部69、及び第2の下部カバー部材84によって挟持されると共に、第2の上部カバー部材82の第2の凹部69、及び第2の下部カバー部材84によって覆われる。
【0086】
その結果、ステップS32では、第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62が形成され、第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62を用いて共振回路100(図4(A))が構成される。
【0087】
最後に、図9に示されるステップS34では、射出成型を用いて、基板20に配置された、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を覆う保護部材90を成型する。具体的には、金型内に配置された基板20に樹脂を射出し、所定の温度および圧力の下で樹脂を成型することによって、基板20に配置された、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、第1のカバー部材70、及び第2のカバー部材80を覆う保護部材90を成型する。このとき、コイルアンテナ30とICチップ40との間、コイルアンテナ30と第1のカバー部材70との間、コイルアンテナ30と第2のカバー部材80との間、ICチップ40と第1のカバー部材70との間、ICチップ40と第2のカバー部材80との間、及び、第1のカバー部材70と第2のカバー部材80との間において、保護部材90は基板20と接触する。また、例えば、保護部材90を形成する材料は、第1のカバー部材70を形成する材料、及び、第2のカバー部材80を形成する材料と異なる。
【0088】
以上説明した製造方法を用いて、非接触情報媒体10は製造される。また、非接触情報媒体10では、保護部材90、第1のカバー部材70及び第2のカバー部材80を用いて、コンデンサ及びインダクタが保護されている。よって、非接触情報媒体10では、コンデンサ及びインダクタが損傷することなく、コンデンサのキャパシタンス及びインダクタのインダクタンスを容易に調整可能である。また、非接触情報媒体10は、保護部材90、第1のカバー部材70及び第2のカバー部材80によって保護され、高い耐衝撃性を有する。
【0089】
1-5.非接触情報媒体通信システム200の構成
図10は非接触情報媒体通信システム200の構成を示すブロック図である。図10を用いて、非接触情報媒体通信システム200を説明する。非接触情報媒体通信システム200において、図1図9と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。
【0090】
図10に示されるように、非接触情報媒体通信システム200は、非接触情報媒体10を複数個含む非接触情報媒体群120、及びリーダライタ202を含む。第1実施形態では、非接触情報媒体群120とリーダライタ202との無線通信を説明するが、非接触情報媒体群120のうち、一つの非接触情報媒体10がリーダライタ202と無線通信してもよい。
【0091】
リーダライタ202は、入力部204、処理部206、出力部208、及びアンテナ210を含む。アンテナ210は、例えば、所定の周波数の電波を介して、非接触情報媒体10への電力の供給、及び、非接触情報媒体10と情報を含む電気信号の送受信を行う機能を有する。入力部204は、例えば、リーダライタ202の動作を指示する指示情報を入力する機能を有する。処理部206は、例えば、アンテナ210を介して非接触情報媒体10から受信した電波を処理し、処理された電気信号に含まれる情報を用いてリーダライタ202を動作させる機能を有する。出力部208は、例えば、処理部206によって処理された情報を含む電気信号を出力する機能を有する。リーダライタ202は、アンチコリジョン機能を備えており、非接触情報媒体群120の複数の非接触情報媒体10のそれぞれから情報を受信することができる。
【0092】
「1-3.非接触情報媒体10の電気特性」において説明したとおり、非接触情報媒体10は、第2のコンデンサ52、及び第2のインダクタ62を用いて構成される共振回路100の共振周波数frが、リーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように調整されている。
【0093】
ここで、第2のインダクタ62を有していない従来の非接触情報媒体を説明する。第2のインダクタ62を有していない従来の非接触情報媒体では、例えば、アンテナのコイルの巻き数を多くすることによって、アンテナのインダクタンスを増加させて共振周波数frを調整していた。コイルの巻き数が多いアンテナ同士が近接すると、コイル間の相互干渉が起きるため、従来の非接触情報媒体を含む非接触情報媒体群では、アンテナ、コンデンサ及びインダクタを用いて構成された共振回路の共振周波数が変化していた。その結果、共振回路を用いて電磁誘導によって生成される電力が変化し、従来の非接触情報媒体を含む非接触情報媒体群は十分な電力を供給されないため、従来の非接触情報媒体を含む非接触情報媒体群とリーダライタとの間で正確な無線通信を行うことが困難であった。
【0094】
また、コイルの形状も、コイル間の相互干渉に影響を及ぼす。例えば、従来の非接触情報媒体を含む非接触情報媒体群において、コイルの形状が大きくなるほど、コイルが重なる領域が増加する。その結果、コイル間の相互干渉が発生しやすくなる。
【0095】
一方、上述の通り、非接触情報媒体10では、第1のカバー部材70及び第2のカバー部材80を用いることによって、第1のコンデンサ50の特性又は性能のばらつきを抑制するように、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCbを調整することができる。また、非接触情報媒体10では、第2のカバー部材80を用いることによって、第1のインダクタ60又はコイルアンテナ30の特性又は性能のばらつきを抑制するように、第2のインダクタ62のインダクタンスLbを調整することができる。
【0096】
また、非接触情報媒体10では、コイルアンテナ30のコイルの巻き数は1回であり、従来の非接触情報媒体のアンテナのコイルの巻き数より大幅に少ない。よって、複数の非接触情報媒体10を含む非接触情報媒体群120が近接した場合であっても、コイルアンテナ30によるコイル間の相互干渉は発生しにくい。
【0097】
よって、非接触情報媒体通信システム200では、複数の非接触情報媒体10を含む非接触情報媒体群120が近接した場合であっても、第1のインダクタ60を含む第2のインダクタ62によるコイル間の相互干渉は発生しにくい。
【0098】
したがって、非接触情報媒体通信システム200では、複数の非接触情報媒体10を含む非接触情報媒体群120におけるコイル間の相互干渉が抑制される。その結果、非接触情報媒体通信システム200では、複数の非接触情報媒体10を含む非接触情報媒体群120が近接した場合であっても、複数の非接触情報媒体10の各々は、動作に必要な電力を効率よく供給されるため、円滑に動作を開始することができる。よって、非接触情報媒体通信システム200では、複数の非接触情報媒体10を含む非接触情報媒体群120とリーダライタ202との間で正確な無線通信を行うことができる。
【0099】
2.第2実施形態
第2実施形態に係る非接触情報媒体10Aは、第1実施形態に係る非接触情報媒体10と比較して、第1の上部カバー部材72及び第2の上部カバー部材82を一体化した第1のカバー部材78、及び、第1の下部カバー部材74及び第2の下部カバー部材84を一体化した第2のカバー部材88を用いて、第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62を形成する点、及び金属リングを有している点において異なる。また、非接触情報媒体10Aは、非接触情報媒体10と比較して、基板20を第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88を用いて挟持した後に金属リングを装着し、その状態で保護部材で覆う点において異なる。非接触情報媒体10Aにおいて、それ以外の構成は、非接触情報媒体10と同様であるから、非接触情報媒体10Aの説明では、主に、非接触情報媒体10と異なる点が説明される。
【0100】
2-1.非接触情報媒体10Aの構成
図11は非接触情報媒体10Aの概略を示す平面図である。図12(A)は図11に示される非接触情報媒体10AのD1-D2線に沿った断面構造の端部断面図であり、図12(B)は図11に示される第4の凹部49を示す平面図であり、図12(C)は図12(A)に示される第4の凹部49の拡大図である。図11、及び図12(A)~図12(C)を参照して、非接触情報媒体10Aの構成を説明する。非接触情報媒体10Aの構成において、図1図10と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。
【0101】
図11、又は図12(A)に示されるように、非接触情報媒体10Aは基板20、金属リング110及び保護部材90を含む。非接触情報媒体10Aの形状及び用途は非接触情報媒体10と同様の形状及び用途である。
【0102】
基板20には、非接触情報媒体10と同様のコイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、接続部102及び104が配置されている。また、基板20には、第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88が配置されている。基板20は、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88、接続部102及び104を支持する基材である。
【0103】
保護部材90は、基板20、第1のカバー部材78、第2のカバー部材88及び金属リング110を覆い、非接触情報媒体10Aの外観形状を形成する。また、保護部材90は、外部からの衝撃に対して基板20、第1のカバー部材78、第2のカバー部材88及び金属リング110を保護する。非接触情報媒体10Aでは、基板20、第1のカバー部材78、第2のカバー部材88及び金属リング110が保護部材90によって完全に覆われていることが好ましい。非接触情報媒体10Aの保護部材90は、非接触情報媒体10の保護部材90と同様の材料を用いて形成される。
【0104】
非接触情報媒体10Aにおいて、コイルアンテナ30、ICチップ40、第1のコンデンサ50、第1のインダクタ60、接続部102及び104の構成は、非接触情報媒体10と同様の構成であるから、ここでは、説明を省略する。ここでは、主に、第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88を説明する。
【0105】
第1のカバー部材78は、第1の上部カバー部材72及び第2の上部カバー部材82を一体化され、第1の凹部59、及び第2の凹部69を含む。また、第1のカバー部材78は第4の凹部49を含む。第1の凹部59、第2の凹部69、及び第4の凹部49を除く第1のカバー部材78において、基板20の上面22に対向する面は、基板20の上面22に接する。第1の凹部59は第1のコンデンサ50の第1の電極56Aを覆い、第2の凹部69は第1のインダクタ60を覆い、第4の凹部49はICチップ40を覆う。
【0106】
また、平面視において、第1のカバー部材78の形状は、非接触情報媒体10Aと同様に、図11に示されるような円形平板状である。さらに、平面視において、第1のカバー部材78の直径は、基板20の直径より大きく、断面視において、第1のカバー部材78の周縁部76は、基板20の側面より外側に位置する(図12(A)参照)。
【0107】
さらに、第1のカバー部材78(第1の凹部59)は、非接触情報媒体10Aのキャパシタンスを調整する機能を有し、第2のカバー部材88(第3の凹部58)と共に、非接触情報媒体10Aのキャパシタンスが調整された第2のコンデンサ52を構成する。また、第1のカバー部材78(第2の凹部69)は、非接触情報媒体10Aのインダクタンスを調整する機能を有し、非接触情報媒体10Aのインダクタンスが調整された第2のインダクタ62を構成する。
【0108】
また、第1のカバー部材78の第4の凹部49、ICチップ40、及びICチップ40と上面22が接する以外の上面22に囲まれた空間は、第4の空隙41を形成し、第4の凹部49及びICチップ40の上面の間隔は、第4の間隔H4と呼ばれる(図12(A)参照)。第4の間隔H4は、例えば、ICチップ40の上面と第4の凹部49の最も近いところの距離(長さ)であってよく、基板20から垂直に伸びた最も近いところの距離(長さ)であってもよい。例えば、ICチップ40の厚みは、基板20、及び第4の間隔H4より薄い場合、第4の空隙41の体積は、第4の間隔H4、及び上面視における第4の凹部49の大きさ(幅W7×幅W8)を用いて近似することができる(図12(A)~図12(C)参照)。
【0109】
また、第4の空隙41には、空気が入っていてよく、図12(C)に示されるように第4の部材47が配置されてもよい。第4の部材47は、第1のカバー部材78と同一の誘電率を有する材料を用いて形成されてよく、第1の上部カバー部材72と異なる誘電率を有する材料を用いて形成されてもよい。また、第4の部材47は、第1のカバー部材78と同一の透磁率を有する材料を用いて形成されてよく、第1の上部カバー部材72と異なる透磁率を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0110】
第2実施形態では、一例として、第1の凹部59の形状、第2の凹部69の形状、及び第4の凹部49の形状は、基板20の上面22に対向して矩形の凹状であり、第3の凹部58の形状は、基板20の底面24に対向して矩形の凹状である。第1実施形態と同様に、第1の凹部59、第2の凹部69、及び第3の凹部58の形状は、ここで示される形状に限定されない。また、第4の凹部49の形状は、ここで示される形状に限定されない。第1の凹部59、第2の凹部69、第3の凹部58及び第4の凹部49の形状は、例えば、基板20の上面22に対向して曲面となっている凹状であってもよい。
【0111】
以上説明したように、第1のカバー部材78は、ICチップ40、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60を覆い、ICチップ40、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60を外部から保護する機能を有する。
【0112】
第2のカバー部材88は、第1の下部カバー部材74及び第2の下部カバー部材84を一体化され、第3の凹部58を含む。第3の凹部58を除く第2のカバー部材88において、基板20の底面24に対向する面は、底面24に接する。第3の凹部58は、第1のコンデンサ50の第2の電極56Bを覆う。
【0113】
また、平面視において、第2のカバー部材88の形状は、非接触情報媒体10Aと同様に円形平板状である。さらに、平面視において、第2のカバー部材88の直径は、基板20の直径より大きく、第1のカバー部材78と同一又は略同一である。
【0114】
さらに、第2のカバー部材88は、第1のカバー部材78と同様に、非接触情報媒体10Aのキャパシタンスを調整する機能を有し、第2のコンデンサ52を構成すると共に、第1のコンデンサ50を外部から保護する機能を有する。また、第2のカバー部材88は、第1のカバー部材78と同様に、非接触情報媒体10Aのインダクタンスを調整する機能を有し、第2のインダクタ62を構成する。
【0115】
図12(A)に示されるように、断面視において、第2のカバー部材88の周縁部86は、基板20の側面より外側に位置している。基板20には第1実施形態に係る第1の貫通孔54及び第2の貫通孔64が形成されておらず、基板20は、断面視において、第2のカバー部材88及び第1のカバー部材78と重畳する。第2のカバー部材88及び第1のカバー部材78は、第2のカバー部材88の周縁部86及び第1のカバー部材78の周縁部76において、第1のカバー部材78の組付け部79を用いて、基板20に互いに組付けられると共に、基板20を挟持している。その結果、第2のカバー部材88及び第1のカバー部材78は基板20を覆い、基板20を外部から保護する機能を有する。
【0116】
第1実施形態に係る第1の上部カバー部材72、第1の下部カバー部材74、第2の上部カバー部材82の形状、及び第2の下部カバー部材84と同様に、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88は、例えば、保護部材90と同様の材料を用いて、射出成型によって成形される。
【0117】
なお、第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88は、第2実施形態で説明された構成に限定されない。第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88は、非接触情報媒体10のキャパシタンス及びインダクタンスを調整する機能を有すると共に、ICチップ40、第1のコンデンサ50、及び第1のインダクタ60を外部から保護する機能を有するように構成されていればよい。
【0118】
上述したように、第2実施形態に係る第2のコンデンサ52は、少なくとも、第1のカバー部材78(第1の凹部59)、及び第2のカバー部材88(第3の凹部58)を用いて構成される。また、第2実施形態に係る第2のインダクタ62は、少なくとも、第1のカバー部材78(第2の凹部69)を用いて構成される。第2実施形態に係る第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62は、「1-3.非接触情報媒体10の電気特性」において説明した第1実施形態に係る第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62と同様の構成を有する。よって、ここでの、第2実施形態に係る第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62の説明は省略される。
【0119】
また、非接触情報媒体10Aでは、第2のコンデンサ52、及び第2のインダクタ62を用いて、共振回路100(図4(A)参照)が構成されている。非接触情報媒体10Aの共振回路100は、「1-3.非接触情報媒体10の電気特性」において説明した非接触情報媒体10の共振回路100と同様の構成を有する。よって、ここでの、非接触情報媒体10Aの共振回路100の説明は省略される。
【0120】
金属リング110は、第1のカバー部材78の周縁部76及び第2のカバー部材88の周縁部86に内接し、組付け部79を用いて基板20に互いに組付けられた部分(第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88の接続部)を塞ぐ機能を有すると共に、非接触情報媒体10に重量を付与する重り部材として機能することができる。金属リング110を形成する材料は、例えば真鍮、アルミニウムなどを用いることができる。金属リング110の形状は、環状又は略環状であり、金属リング110の一部が切断された切れ目112を含む(図11参照)。換言すると、金属リング110の形状は、切れ目112を含むC字状である。金属リング110は切れ目112を含むことによって、リーダライタ202から送信される電波による渦電流の発生を抑制することができる。その結果、非接触情報媒体10は、切れ目112を含む金属リング110を含むことによって、渦電流に伴う電力の損失を抑制することができ、リーダライタ202と安定した無線通信を行うことができる。
【0121】
金属リング110の内径は、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88の直径と同一又は略同一である。平面視において、切れ目112は、ICチップ40が配置される位置及び第2のコンデンサ52が配置される位置を結ぶ延長線114上、かつ、ICチップ40に対して第2のコンデンサ52が配置される位置と反対側に配置されている。この構成によって、切れ目112がICチップ40及び第2のコンデンサから離れて配置され、切れ目112の無い金属リング110の一部がICチップ40及び第2のコンデンサの近くに配置されるため、ICチップ40及び第2のコンデンサは金属リング110の側面によって保護される。その結果、非接触情報媒体10Aが外部から衝撃を与えられても、金属リング110によって衝撃が吸収されるため、ICチップ40、及び第2のコンデンサに伝達される衝撃を緩和することができる。なお、第1のインダクタ60は、ICチップ40、及び第2のコンデンサの近傍に配置されるため、第1のインダクタ60も金属リング110によって保護される。
【0122】
以上説明したように、非接触情報媒体10Aでは、第2のコンデンサ52のキャパシタンスCb及び第2のインダクタ62のインダクタンスLbの両方を一度に調整可能な部材(第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88)を用いて、調整することができる。よって、非接触情報媒体10Aにおいて、キャパシタンス及びインダクタンスが、より容易に調整可能である。その結果、非接触情報媒体10Aでは、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88を用いることによって、第1のコンデンサ50及び第1のインダクタ60の両方の特性又は性能のばらつきを抑制するように、キャパシタンスCb及びインダクタンスLbを調整することができる。
【0123】
また、非接触情報媒体10Aでは、基板20の上面22において、第1の凹部59、第2の凹部69、第4の凹部49が配置される以外の上面22は第1のカバー部材78と接すると共に、第1のカバー部材78で覆われる。基板20の底面24において、第3の凹部58が配置される以外の底面24は、第2のカバー部材88と接すると共に、第2のカバー部材88で覆われる。よって、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88は、基板20を保護すると共に、基板20を補強することができる。また、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88の周縁も金属リング110によって保護される。その結果、非接触情報媒体10Aの強度が増し、非接触情報媒体10Aはより高い耐衝撃性を有する。
【0124】
2-2.非接触情報媒体10Aの製造方法
図11図13図19を参照して、非接触情報媒体10Aの製造方法を説明する。非接触情報媒体10Aの製造方法において、図1図10と同様又は類似する構成に関しては説明を省略することがある。
【0125】
図19は、非接触情報媒体10Aの製造方法を示すフローチャートである。非接触情報媒体10Aは、ステップS40~ステップS44に示される製造方法によって、製造される。非接触情報媒体10Aの製造方法は、図19に示される製造方法に限定されず、別のステップを含んでいてもよい。
【0126】
はじめに、図13及び図14を参照し、図19に示されるステップS40を説明する。ステップS40は図9に示されるステップS30と同様の製造方法であるから、ここでの詳細な説明は省略される。なお、第2実施形態では、ステップS40によって、第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88を基板20に配置する前の状態である非接触情報媒体12Aが形成される。
【0127】
次に、図19に示されるステップS41では、非接触情報媒体12Aを用いて、共振周波数が調整される。ステップS41は図9に示されるステップS31と同様の製造方法であるから、ここでの詳細な説明は省略される。なお、第2実施形態では、ステップS41によって求められた共振周波数を用いて、リーダライタ202から送信される電波の周波数fcと一致又は略一致するように、複数の第1のカバー部材78、及び複数の第2のカバー部材88から、一つの第1のカバー部材78、一つの第2のカバー部材88を選択する。
【0128】
次に、図17図16(A)及び図16(B)を参照し、図19に示されるステップS42を説明する。ステップS42では、ステップS41で選択された第1のカバー部材78、及び第2のカバー部材88を非接触情報媒体12Aに実装する。具体的には、第2のカバー部材88及び第1のカバー部材78は、第2のカバー部材88の周縁部86及び第1のカバー部材78の周縁部76において、第1のカバー部材78の組付け部79を用いて、基板20に互いに組付けられると共に、基板20を挟持する。
【0129】
第1のコンデンサ50は、第1のカバー部材78の第1の凹部59、及び第2のカバー部材88の第3の凹部58によって挟持されると共に、第1のカバー部材78の第1の凹部59、及び第1のカバー部材78の第3の凹部58によって覆われる。また、第1のインダクタ60は、第1のカバー部材78の第2の凹部69、及び第2のカバー部材88によって挟持されると共に、第1のカバー部材78によって覆われる。さらに、ICチップ40は、第1のカバー部材78の第4の凹部49、及び第2のカバー部材88によって挟持されると共に、第1のカバー部材78によって覆われる。
【0130】
その結果、ステップS42では、第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62が形成され、第2のコンデンサ52及び第2のインダクタ62を用いて共振回路100(図4(A))が構成される。また、第2のカバー部材88及び第1のカバー部材78は基板20を覆い、基板20が外部から保護されると共に、ICチップ40も保護される。
【0131】
次に、図17図18(A)及び図18(B)を参照し、図19に示されるステップS43を説明する。ステップS43では、金属リング110を実装する。具体的には、金属リング110は、第1のカバー部材78の周縁部76及び第2のカバー部材88の周縁部86に内接するように配置される。このとき、切れ目112は、ICチップ40が配置される位置及び第1のコンデンサ50が配置される位置を結ぶ延長線114上に配置される。
【0132】
最後に、図19に示されるステップS44では、射出成型を用いて、基板20に配置された第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88、及び金属リング110を覆う保護部材90を成型する。具体的には、金型内に配置された基板20に配置された第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88、及び金属リング110に樹脂を射出し、所定の温度および圧力の下で樹脂を成型することによって、基板20に配置された第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88、及び金属リング110を覆う保護部材90を成型する。
【0133】
このとき、組付け部79を用いて基板20に互いに組付けられた部分(第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88の接続部)が金属リング110によって塞がれているため、コイルアンテナ30、第1のコンデンサ50及び第1のインダクタ60、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88などの部材又は素子は、射出成型時の樹脂の圧力から保護される。
【0134】
以上説明した製造方法を用いて、非接触情報媒体10Aは製造される。また、以上説明したように、非接触情報媒体10Aでは、保護部材90、第1のカバー部材78及び第2のカバー部材88を用いて、コンデンサ及びインダクタが保護されている。よって、非接触情報媒体10Aでは、コンデンサ及びインダクタが損傷することなく、コンデンサのキャパシタンス及びインダクタのインダクタンスを容易に調整可能である。また、非接触情報媒体10Aは金属リング110を備えることによって、より高い耐衝撃性を有する。
【0135】
本発明の実施形態として上述した非接触情報媒体、非接触情報媒体の製造方法、及び非接触情報媒体通信システムは、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0136】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0137】
10:非接触情報媒体、10A:非接触情報媒体、12:非接触情報媒体、12A:非接触情報媒体、20:基板、22:上面、24:底面、30:コイルアンテナ、40:ICチップ、41:第4の空隙、42:制御部、44:通信部、46:記憶部、47:第4の部材、49:第4の凹部、50:第1のコンデンサ、51:第1の空隙、52:第2のコンデンサ、53:第3の空隙、55:第1の部材、56A:第1の電極、54:第1の貫通孔、56B:第2の電極、57:第3の部材、58:第3の凹部、59:第1の凹部、60:第1のインダクタ、61:第2の空隙、62:第2のインダクタ、63:第2の部材、64:第2の貫通孔、69:第2の凹部、70:第1のカバー部材、72:第1の上部カバー部材、74:第1の下部カバー部材、76:周縁部、78:第1のカバー部材、79:組付け部、80:第2のカバー部材、82:第2の上部カバー部材、84:第2の下部カバー部材、86:周縁部、88:第2のカバー部材、90:保護部材、100:共振回路、100A:共振回路、102、104:接続部、110:金属リング、112:切れ目、114:延長線、120:非接触情報媒体群、200:非接触情報媒体通信システム、202:リーダライタ、204:入力部、206:処理部、208:出力部、210アンテナ
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