(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136005
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/209 20210101AFI20230922BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20230922BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20230922BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20230922BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20230922BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230922BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20230922BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/213
H01M50/211
H01G11/12
H01G11/78
H01M50/271 B
H01M50/242
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041398
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 晃希
(72)【発明者】
【氏名】河合 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 泰行
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA13
5E078AA14
5E078AB01
5E078AB13
5E078AB14
5E078DA02
5E078DA11
5E078EA16
5E078HA02
5E078HA05
5E078HA12
5E078HA13
5E078JA02
5E078JA04
5E078JA05
5E078JA07
5E078JA09
5E078JA10
5H040AA01
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS01
5H040AS04
5H040AS05
5H040AS06
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040CC05
5H040CC20
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置を提供すること。
【解決手段】蓄電装置1は、蓄電素子ユニット20と外装体10とを備える。外装体10は、蓄電素子ユニット20の挿入が可能な開口部12aと、底壁部19と、第一側壁部13と、第二側壁部14と、第一側壁部13及び第二側壁部14を連結する連結部材11aとを有する。第一側壁部13は、蓄電素子ユニット20と対向する位置にある。第二側壁部14は、蓄電素子ユニット20を挟んで第一側壁部13と反対側に設けられている。連結部材11aは、第一接合部40Aにおいて第一側壁部13と接合され、第二接合部40Bにおいて第二側壁部14と接合されている。第一接合部40A及び第二接合部40Bは、互いに分離して配置されている。第一接合部40A、第二接合部40B、及び蓄電素子ユニット20の中央部20aは、X軸方向で並ぶ位置に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットを収容する外装体であって、前記第一方向と直交する第二方向の端部に、前記蓄電素子ユニットの挿入が可能な開口部を有する外装体と、を備え、
前記外装体は、
前記第二方向において前記開口部と対向する位置に設けられた底壁部と、
前記底壁部に接続された、前記第一方向で前記蓄電素子ユニットと対向する位置にある第一側壁部と、
前記蓄電素子ユニットを挟んで前記第一側壁部と反対側に設けられた第二側壁部と、
前記第一側壁部及び前記第二側壁部を連結する連結部材と、を有し、
前記連結部材は、前記第一側壁部の前記第二方向の端部である第一端部に設けられた第一接合部、及び、前記第二側壁部の前記第二方向の端部である第二端部に設けられた第二接合部であって、互いに分離して配置された第一接合部及び第二接合部のそれぞれにおいて接合されており、
前記第一接合部、前記第二接合部、及び前記蓄電素子ユニットの前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の中央部は、前記第一方向で並ぶ位置に配置されている、
蓄電装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記開口部を塞ぐ蓋体であり、
前記蓋体は、前記開口部の周縁部である開口周縁部の延びる方向において分散して配置された複数の接合部において、前記開口周縁部と接合されており、
前記第一接合部及び前記第二接合部は、前記複数の接合部のうちの2つの接合部である、
請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記外装体は、前記第一方向において前記中央部に並ぶ位置に、前記第一側壁部の外面または内面から突出状に設けられたリブを有する、
請求項1または2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記蓄電素子ユニットは、前記第一方向で前記第一側壁部と対向する端部が、前記第一側壁部と接触した状態で配置されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第一接合部は、前記連結部材を前記第一側壁部に固定するボルトを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対のエンドプレートと、一対のエンドプレートの間に配置された、一列に並べられた複数の電池セルとを備える電池パックが開示されている。この電池パックはさらに、複数の電池セルの上に配置された天板部材と、複数の電池セルの下に配置された底板部材と、複数の電池セルの側方に配置された側板部材とを備える。一対のエンドプレートは、天板部材、底板部材及び側板部材のそれぞれと接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電池パック(蓄電装置)では、一列に並べられた複数の電池セル(蓄電素子)からなる蓄電素子ユニットを、その配列方向の両側に配置したエンドプレートで挟持する構造が採用されている。これにより、配列方向における複数の蓄電素子それぞれの膨れを抑制することができる。蓄電素子の膨れの抑制は、蓄電素子の損傷抑制等の観点から重要である。しかしながら、上記従来の蓄電装置のように、一対のエンドプレートで蓄電素子ユニットを拘束する構造を採用した場合、蓄電素子ユニットを収容する外装体の内部に、一対のエンドプレートを含む拘束部材を配置する必要がある。このことは、蓄電装置の構成の複雑化または大型化等の要因となる。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、複数の蓄電素子を備える蓄電装置であって、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットを収容する外装体であって、前記第一方向と直交する第二方向の端部に、前記蓄電素子ユニットの挿入が可能な開口部を有する外装体と、を備え、前記外装体は、前記第二方向において前記開口部と対向する位置に設けられた底壁部と、前記底壁部に接続された、前記第一方向で前記蓄電素子ユニットと対向する位置にある第一側壁部と、前記蓄電素子ユニットを挟んで前記第一側壁部と反対側に設けられた第二側壁部と、前記第一側壁部及び前記第二側壁部を連結する連結部材と、を有し、前記連結部材は、前記第一側壁部の前記第二方向の端部である第一端部に設けられた第一接合部、及び、前記第二側壁部の前記第二方向の端部である第二端部に設けられた第二接合部であって、互いに分離して配置された第一接合部及び第二接合部のそれぞれにおいて接合されており、前記第一接合部、前記第二接合部、及び前記蓄電素子ユニットの前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の中央部は、前記第一方向で並ぶ位置に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電素子ユニットの分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る外装体及び蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る外装体本体及び蓄電素子ユニットを示す平面図である。
【
図6】実施の形態に係る外装体と蓄電素子ユニットとの構造上の関係を示す、一部切り欠き斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットを収容する外装体であって、前記第一方向と直交する第二方向の端部に、前記蓄電素子ユニットの挿入が可能な開口部を有する外装体と、を備え、前記外装体は、前記第二方向において前記開口部と対向する位置に設けられた底壁部と、前記底壁部に接続された、前記第一方向で前記蓄電素子ユニットと対向する位置にある第一側壁部と、前記蓄電素子ユニットを挟んで前記第一側壁部と反対側に設けられた第二側壁部と、前記第一側壁部及び前記第二側壁部を連結する連結部材と、を有し、前記連結部材は、前記第一側壁部の前記第二方向の端部である第一端部に設けられた第一接合部、及び、前記第二側壁部の前記第二方向の端部である第二端部に設けられた第二接合部であって、互いに分離して配置された第一接合部及び第二接合部のそれぞれにおいて接合されており、前記第一接合部、前記第二接合部、及び前記蓄電素子ユニットの前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の中央部は、前記第一方向で並ぶ位置に配置されている。
【0010】
蓄電素子ユニットに含まれる複数の蓄電素子のそれぞれは、第三方向の中央部が最も膨らみやすい。これに対し、本態様に係る蓄電装置では、外装体の、蓄電素子ユニットを第一方向で挟む位置に配置された第一側壁部及び第二側壁部のそれぞれの当該中央部に対向する部分が、連結部材によって連結される。これにより、第一側壁部及び第二側壁部のそれぞれの、当該中央部に対向する部分の、互いに離れる方向の変位または変形が抑制される。従って、第一側壁部及び第二側壁部は、蓄電素子ユニットが有する複数の蓄電素子のそれぞれに対して、当該蓄電素子の膨張を抑制するように効果的に作用する。その結果、例えば、蓄電素子の容器の、膨張及び収縮の繰り返しによる疲労に起因する損傷が生じ難い。このように、本態様に係る蓄電装置では、蓄電素子ユニットを拘束するための拘束部材等を外装体の内部に配置する必要はなく、外装体が、蓄電素子ユニットを効率よくまたは効果的に拘束する部材として機能する。従って、本態様に係る蓄電装置は、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置である。
【0011】
前記連結部材は、前記開口部を塞ぐ蓋体であり、前記蓋体は、前記開口部の周縁部である開口周縁部の延びる方向において分散して配置された複数の接合部において、前記開口周縁部と接合されており、前記第一接合部及び前記第二接合部は、前記複数の接合部のうちの2つの接合部である、としてもよい。
【0012】
この構成によれば、外装体の開口部を塞ぐ蓋体によって連結部材が実現される。また、蓋体を開口部に固定するための部材または互いの接合された部分等によって、第一接合部及び第二接合部が実現される。つまり、蓄電装置の基本的な構成を利用して、蓄電素子の損傷の抑制のための構成が実現される。
【0013】
前記外装体は、前記第一方向において前記中央部に並ぶ位置に、前記第一側壁部の外面または内面から突出状に設けられたリブを有する、としてもよい。
【0014】
この構成によれば、第一側壁部に設けられたリブより、第一側壁部の、蓄電素子ユニットの第三方向の中央部に対向する部分の変形が抑制される。従って、より確実に蓄電素子の膨張を抑制することができる。
【0015】
前記蓄電素子ユニットは、前記第一方向で前記第一側壁部と対向する端部が、前記第一側壁部と接触した状態で配置されている、としてもよい。
【0016】
この構成によれば、蓄電素子ユニットは、その第一方向の端部が第一側壁部と接触した状態で配置されているため、蓄電素子ユニットの第一方向の膨張がより確実に抑制される。これにより、各蓄電素子の、膨張収縮を繰り返すことによる疲労に起因する損傷等がより確実に抑制される。
【0017】
前記第一接合部は、前記連結部材を前記第一側壁部に固定するボルトを含む、としてもよい。
【0018】
この構成によれば、ボルトを用いて、連結部材と第一側壁部とを強固に接続でき、その結果、蓄電素子ユニットの第三方向の中央部における膨張をより確実に抑制できる。
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0020】
以下の説明及び図面中において、蓄電素子の短側面の対向方向、または、蓄電素子の容器の蓋板の長手方向を、Y軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、または、蓄電素子の長側面の対向方向を、X軸方向と定義する。蓄電装置の外装体の本体(外装体本体)と蓋体との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0021】
以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。単に「X軸方向」という場合は、X軸に平行な双方向またはいずれか一方の方向を意味する。Y軸及びZ軸に関する用語についても同様である。
【0022】
さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0023】
(実施の形態)
[1.蓄電装置の全般的な説明]
まず、実施の形態に係る蓄電装置1の概略構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電装置1の分解斜視図である。
図3は、実施の形態に係る蓄電素子ユニット20の分解斜視図である。外装体10の内部には、
図2以降の図に示される部材に加え、温度及び電圧計測用のセンサ、並び、センサに接続された電線等の他の部材も収容されているが、これらの部材の図示及び説明は省略する。
【0024】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。蓄電装置1は、例えば、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及び化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置1は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0025】
図1及び
図2に示すように、蓄電装置1は、外装体10と、外装体10に収容された蓄電素子ユニット20とを備えている。蓄電素子ユニット20の上方には、蓄電素子100に接合されるバスバー60を保持するバスバーホルダ30が配置されている。
【0026】
外装体10は、蓄電装置1の筐体を構成する箱形の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電素子ユニット20及びバスバーホルダ30の外方に配置され、これらを所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体10は、本実施の形態では、鉄、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属で形成されている。外装体10を形成する材料としては、金属の他に樹脂等も採用することができる。当該樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、または、ABS樹脂が例示される。
【0027】
外装体10は、Z軸プラス方向の端部に設けられた、蓄電素子ユニット20の挿入が可能な開口部12aと、開口部12aに対向する位置に設けられた底壁部19とを有している。具体的には、外装体10は、外装体本体12と蓋体11とを備えており、開口部12a及び底壁部19は、外装体本体12に設けられている。外装体本体12は、開口部12aが形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電素子ユニット20を収容する。外装体本体12は、外装体10の内部及び外部を仕切る側壁部15等の4つの側壁部を有している。蓄電素子ユニット20は、外装体10の内部において、外装体本体12の4つの側壁部によって囲まれている。この4つの側壁部の内、蓄電素子ユニット20とX軸方向で対向する位置に、第一側壁部13及び第二側壁部14が配置されている。第一側壁部13の外面には、
図2に示すように複数のリブ50が配置されている。
図2では表されていないが、第二側壁部14の外面にも同様に複数のリブ50が配置されている。外装体10は、外装体10の内部のガスを外部に排出するための排気管などの、
図1及び
図2に図示しない要素を備えてもよい。
【0028】
蓋体11は、外装体本体12の開口部12aを閉塞する矩形状の部材である。蓋体11は、複数の接合部40によって外装体本体12と接合され、これにより、蓋体11は外装体本体12に固定される。本実施の形態では、複数の接合部40のそれぞれは、ボルト41と、ボルト41がねじ込まれるねじ穴が形成された固定穴部42とを含む。具体的には、蓋体11の周縁部にボルト41が貫通する貫通孔43が設けられており、外装体本体12の開口部12aの周縁部である開口周縁部12bに、固定穴部42が設けられている。ボルト41は、蓋体11の貫通孔43を貫通した状態で、外装体本体12の固定穴部42にねじ込まれる。これにより、蓋体11と外装体本体12とを接合する接合部40が形成される。本実施の形態では、このような接合部40が、開口周縁部12bの延びる方向において分散して複数設けられている。これにより、蓋体11と外装体本体12とは安定的かつバランスよく接合される。
【0029】
さらに、本実施の形態では、蓋体11は、外装体10において、第一側壁部13及び第二側壁部14をX軸方向で連結する連結部材11aとしても機能する。これにより、第一側壁部13及び第二側壁部14を、蓄電素子ユニット20の膨張を抑制する部材として効果的に作用させることができる。外装体10による蓄電素子ユニット20の膨張抑制の態様については、
図4~
図6を用いて後述する。
【0030】
蓄電素子ユニット20は、複数の蓄電素子100と、複数の蓄電素子100のそれぞれ保持するセルホルダ130とを有する。蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、
図3に示すように、扁平な直方体形状(角形)の容器110と容器110に固定された一対の(正極及び負極の)電極端子120とを有している。容器110の内方には図示しない電極体、集電体及び電解液等が収容されている。蓄電素子100が有する電極体としては、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて形成された巻回型の電極体が例示される。その他、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体が蓄電素子100に備えられてもよい。
【0031】
蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子100は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子100は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。また、蓄電素子100の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。
【0032】
本実施の形態では、容器110は、
図3に示すように、容器本体111と、容器本体111の開口を塞ぐ蓋板112とを有する。容器110は、電極体等を容器本体111の内部に収容後、容器本体111と蓋板112とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器110(容器本体111及び蓋板112)の材質は、特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
【0033】
容器本体111は、一対の長側面110aと、一対の短側面110bとを有する。蓋板112には、正極及び負極の電極端子120、並びに、ガス排出弁105が配置されている。ガス排出弁105は、容器110の内圧が過度に上昇した場合に、その内圧を受けて開放(開弁)し、これにより容器110の内部のガスを外部に排出する部位である。蓄電素子ユニット20において、複数の蓄電素子100それぞれは、2つの電極端子120及びガス排出弁105がZ軸プラス方向に向けられ、かつ、長側面110aが並び方向(X軸方向)に向けられた姿勢で並べられている。本実施の形態では、X軸方向は第一方向の一例であり、Z軸プラス方向は第一方向と直交する第二方向の一例である。
【0034】
蓄電素子ユニット20は、上記のように構成された蓄電素子100を12個有している。12個の蓄電素子100のそれぞれは、本実施の形態では、2つのセルホルダ130の間に配置されている。つまり、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット20は、13個のセルホルダ130を有している。これらセルホルダ130のうち、X軸方向の両端に位置する一対のセルホルダ130を他とは区別する場合、セルホルダ131と表記する。これらセルホルダ130のうち、互いに隣り合う2つの蓄電素子100の間に位置するセルホルダ130を他とは区別する場合、セルホルダ132と表記する。
【0035】
セルホルダ130は、蓄電素子100を保持することで蓄電素子100の位置を安定させる機能の他、蓄電素子100の容器110と、当該蓄電素子100に隣り合う他の導電部材(他の蓄電素子100の容器110を含む)とを絶縁する機能を有する。具体的には、本実施の形態に係るセルホルダ130は、1つの蓄電素子100に対し、蓄電素子100の長側面110a、一対の短側面110b及び、底面のそれぞれに対向する部分を有している。従って、セルホルダ130は、当該蓄電素子100と、当該長側面110aが向く方向、Y軸方向、及びZ軸マイナス方向に位置する、他の蓄電素子100または金属製の外装体10とを電気的に絶縁できる。セルホルダ130は、上記の外装体10の材料として採用可能な材料のうちの、電気的絶縁性を有する樹脂材料のいずれかで形成されている。
【0036】
バスバーホルダ30は、蓄電素子100の蓋板112に対向して配置され、複数のバスバー60を保持する扁平な矩形状の絶縁部材である。バスバーホルダ30は、例えば、上記の外装体10の材料として採用可能な材料のうちの、電気的絶縁性を有する樹脂材料のいずれかで形成されている。バスバーホルダ30に配置されたバスバー60は、接合相手である電極端子120に対して位置決めされ、その状態で、例えばレーザー溶接によって電極端子120に接合される。本実施の形態では、蓄電素子ユニット20が有する12個の蓄電素子100において、連続して並ぶ3つの蓄電素子100がバスバー60により並列接続される。これにより、並列接続された蓄電素子100の組が4組形成される。さらに、4組の蓄電素子100が3つのバスバー60によって直列に接続されている。
【0037】
つまり、直列に接続された4組の蓄電素子100における両端部の組の蓄電素子100の電極端子120が、蓄電素子ユニット20の正極(総プラス端子)及び負極(総マイナス端子)である。本実施の形態では、12個の蓄電素子100のうちの、X軸マイナス方向端部の1組(3個)の蓄電素子100の正極の電極端子120が、蓄電素子ユニット20の正極(総プラス端子)である。12個の蓄電素子100のうちの、X軸プラス方向端部の1組(3個)の蓄電素子100の負極の電極端子120が、蓄電素子ユニット20の負極(総マイナス端子)である。
【0038】
図には表されていないが、外装体10の側壁部15には、蓄電素子ユニット20の正極及び負極のそれぞれに接合されたバスバー60の端部が貫通する開口部が設けられている。これら2つのバスバー60それぞれの端部は、側壁部15に設けられた開口部を介して外装体10の外部に露出しており(
図1参照)、蓄電装置1の正極外部端子及び負極外部端子として機能する。
【0039】
外装体10の内部に、蓄電素子ユニット20が有する複数の蓄電素子100の充電状態を制御するための制御装置及びリレー等の電気機器が配置されてもよい。この場合、蓄電装置1は、例えば、蓋体11に固定された正極外部端子及び負極外部端子であって、電気機器及びバスバー60を介して蓄電素子ユニット20と電気的に接続された正極外部端子及び負極外部端子を備えてもよい。
【0040】
バスバー60による、12個の蓄電素子100の電気的な接続態様は上記の態様に限定されず、例えば、12個の蓄電素子100の全てが複数のバスバー60によって直列に接続されてもよい。また、蓄電素子ユニット20が備える蓄電素子100の数は12には限定されない。蓄電素子ユニット20が備える蓄電素子100の数は2以上であればよい。
【0041】
このように構成された蓄電装置1において、外装体10は、蓄電素子ユニット20を、複数の蓄電素子100の並び方向で拘束可能な構成を有している。これにより、蓄電素子ユニット20が有する複数の蓄電素子100のそれぞれの膨張が抑制される。このような、外装体10による蓄電素子100の膨張抑制のための構成について、以下、
図4~
図6を参照しながら説明する。
【0042】
[2.外装体の構成について]
図4は、実施の形態に係る外装体10及び蓄電素子ユニット20を示す斜視図である。
図4では、蓄電素子ユニット20が外装体本体12に収容され、かつ、連結部材11aとしても機能する蓋体11が、外装体本体12から分離された状態が図示されている。
図5は、実施の形態に係る外装体本体12及び蓄電素子ユニット20を示す平面図である。
図5では、蓋体11(連結部材11a)及び、複数の接合部40のそれぞれに含まれるボルト41の図示は省略されている。
図6は、実施の形態に係る外装体10と蓄電素子ユニット20との構造上の関係を示す、一部切り欠き斜視断面図である。
図6では、蓄電素子ユニット20が収容された外装体10を、第一接合部40A及び第二接合部40Bを通るXZ平面で切断した状態の斜視図が示されている。これら
図4~
図6では、外装体10に収容されているバスバーホルダ30等の他の部材の図示は省略されている。
【0043】
図4~
図6に示すように、本実施の形態において、外装体10が有する蓋体11と外装体本体12とは複数の接合部40において接合されている。外装体10は、複数の蓄電素子100の並び方向(X軸方向)における蓄電素子ユニット20と対向する位置に、第一側壁部13及び第二側壁部14を有している。第一側壁部13には、
図5に示すように、蓄電素子ユニット20の中央部20aとX軸方向で並ぶ位置に、複数の接合部40のうちの1つである第一接合部40Aが配置されている。第二側壁部14には、
図5に示すように、蓄電素子ユニット20の中央部20aとX軸方向で並ぶ位置に、複数の接合部40のうちの1つである第二接合部40Bが配置されている。
【0044】
蓄電素子ユニット20の中央部20aは、蓄電素子ユニット20のY軸方向の中央部分である。Y軸方向は、第一方向及び第二方向に直交する第三方向の一例である。蓄電素子ユニット20の中央部20aは、より具体的には、蓄電素子ユニット20のY軸方向の中央を通る中心線C(
図5参照)を含む部分である。つまり、蓄電素子ユニット20の中央部20aには、蓄電素子ユニット20が有する複数の蓄電素子100それぞれの、Y軸方向の中央部分が含まれている。これら複数の蓄電素子100のそれぞれは、X軸方向に扁平な形状であるため、容器110の内圧が高まった場合に、Y軸方向の中央部分がX軸方向に膨張しやすいという特性を有している。蓄電素子100の容器110が、膨張及び収縮を繰り返した場合、例えば、蓋板112と容器本体111との接合部分に金属疲労に起因する損傷が発生する可能性がある。従って、容器110の膨張を抑制すること、特に、容器110における膨らみやすい部分である、短側面110bの対向方向(本実施の形態におけるY軸方向)の中央部分の膨張を抑制することは、蓄電装置1の信頼性の向上の観点から重要である。そこで、本実施の形態に係る蓄電装置1では、外装体10が、蓄電素子ユニット20のY軸方向における中央部20aの膨張を抑制するための構造を有している。具体的には、上述のように、第一側壁部13と第二側壁部14とは、それぞれの、蓄電素子ユニット20の中央部20aと対向する部分が、蓋体11である連結部材11aによって連結されている。これにより、蓄電素子ユニット20の中央部20aのX軸方向の膨張が抑制され、その結果、各蓄電素子100の膨張が効率よくまたは効果的に抑制される。
【0045】
すなわち、本実施の形態に係る蓄電装置1は、X軸方向に並んで配置された複数の蓄電素子100を有する蓄電素子ユニット20と、蓄電素子ユニット20を収容する外装体10とを備える。外装体10は、X軸方向と直交するZ軸プラス方向の端部に、蓄電素子ユニット20の挿入が可能な開口部12aを有する。外装体10は、Z軸プラス方向において開口部12aと対向する位置に設けられた底壁部19と、第一側壁部13と、第二側壁部14と、第一側壁部13及び第二側壁部14を連結する連結部材11aとを有する。第一側壁部13は、底壁部19に接続され、かつ、X軸方向で蓄電素子ユニット20と対向する位置にある。第二側壁部14は、蓄電素子ユニット20を挟んで第一側壁部13と反対側に設けられている。連結部材11aは、第一接合部40Aにおいて第一側壁部13と接合され、第二接合部40Bにおいて第二側壁部14と接合されている。第一接合部40Aは、第一側壁部13のZ軸プラス方向の端部である第一端部13A(
図6参照)に設けられている。第二接合部40Bは、第二側壁部14のZ軸プラス方向の端部である第二端部14B(
図6参照)に設けられている。第一接合部40A及び第二接合部40Bは、互いに分離して配置されている。第一接合部40A、第二接合部40B、及び蓄電素子ユニット20のX軸方向及びZ軸プラス方向に直交する第三方向の中央部20aは、
図5及び
図6に示すように、X軸方向で並ぶ位置に配置されている。
【0046】
このように、本実施の形態に係る蓄電装置1では、外装体10の、蓄電素子ユニット20をX軸方向で挟む位置に配置された第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれの当該中央部20aに対向する部分が、連結部材11aによって連結される。これにより、第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれの、当該中央部20aに対向する部分の、互いに離れる方向の変位または変形が抑制される。従って、第一側壁部13及び第二側壁部14は、蓄電素子ユニット20が有する複数の蓄電素子100のそれぞれに対して、当該蓄電素子100の膨張を抑制するように効果的に作用する。その結果、例えば、蓄電素子100の容器110の、膨張及び収縮の繰り返しによる疲労に起因する損傷が生じ難い。
【0047】
さらに、このような効果は、蓄電素子ユニット20を収容する外装体10によって奏される。すなわち、蓄電装置1では、蓄電素子ユニット20を拘束するための拘束部材等を、外装体10の内部に配置する必要はなく、外装体10が、蓄電素子ユニット20を効率よくまたは効果的に拘束する部材として機能する。従って、本実施の形態に係る蓄電装置1は、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置である。
【0048】
上記の蓄電素子ユニット20の中央部20aは、中心線C(
図5参照)を含む部分であり、本実施の形態では、各蓄電素子100のY軸方向の中央部には、ガス排出弁105が配置されている。さらに、これら複数のガス排出弁105は、X軸方向に並んで配置されており、つまり、中心線Cが通過する位置に配置されている。そこで、本実施の形態において、蓄電素子ユニット20の中央部20aのY軸方向の範囲は、Y軸方向におけるガス排出弁105の配置範囲、と規定することができる。例えばガス排出弁105のY軸方向の幅がLである場合、中央部20aは、中心線Cを中央とする長さLの幅の範囲(中心線CからY軸プラス方向及びY軸マイナス方向のそれぞれに0.5Lの範囲)である、と規定できる。ガス排出弁105のY軸方向の幅Lは例えば20mm程度であるが、この限りではない。つまり、Y軸方向における第一接合部40A及び第二接合部40Bの位置が、Y軸方向におけるガス排出弁105の配置範囲にある場合、第一接合部40A、第二接合部40B、及び蓄電素子ユニット20の中央部20aが、X軸方向で並んで配置されている、と説明される。これにより、外装体10が、蓄電素子ユニット20を効率よくまたは効果的に拘束する部材として機能する。この効果を得るための、蓄電素子ユニット20の中央部20aのY軸方向における範囲は、蓄電素子100のY軸方向の幅を用いて規定することもできる。具体的には、蓄電素子100は、Y軸方向の中央部分におけるY軸方向の幅の1/3程度の範囲が押さえられることで、X軸方向の膨張が効果的にまたは効率よく抑制される。そこで、Y軸方向における中央部20aの範囲は、中心線Cを含む範囲であって、中心線Cを中央とする蓄電素子100のY軸方向の幅の1/3の範囲である、と規定できる。例えば蓄電素子100のY軸方向の幅が120mmである場合、中央部20aは、中心線Cを中央とする40mmの幅の範囲(中心線CからY軸プラス方向及びY軸マイナス方向のそれぞれに20mmの範囲)である、と規定できる。
【0049】
このように蓄電素子ユニット20の中央部20aは、Y軸方向に所定の幅を持つ範囲である。第一接合部40A及び第二接合部40Bのそれぞれは、Y軸方向の位置が当該範囲内であればよく、これら接合部のY軸方向の位置は、1つの位置には限定されない。つまり、Y軸方向における中央部20aの範囲内に第一接合部40A及び第二接合部40Bが配置されていれば、第一接合部40A及び第二接合部40Bの一方または両方が中央線CからY軸方向にずれた位置に配置されてもよい。この場合であっても、第一接合部40A、第二接合部40B、及び蓄電素子ユニット20の中央部20aは、X軸方向で並ぶ位置に配置されている、と表現される。
【0050】
さらに、第一接合部40Aが、X軸方向で蓄電素子ユニット20の中央部20aと並んでいるか否かの判断の基準となる第一接合部40Aの位置は、第一接合部40AのY軸方向の中央位置である、と規定できる。つまり、第一接合部40AのY軸方向の中央位置が中央部20aの範囲に含まれる場合、第一接合部40Aは、X軸方向において蓄電素子ユニット20の中央部20aと並んでいる、と説明される。第一接合部40Aがボルト41を含む場合、第一接合部40Aの位置は、Y軸方向におけるボルト41の頭部の幅の範囲である、と規定することもできる。つまり、Y軸方向におけるボルト41の頭部の幅の範囲の少なくとも一部が、中央部20aの範囲と重複する場合、当該ボルト41を有する第一接合部40Aは、X軸方向において蓄電素子ユニット20の中央部20aと並んでいる、と説明される。これらの第一接合部40Aの位置についての補足事項は、第二接合部40Bの位置についても適用される。
【0051】
本実施の形態において、第一側壁部13と第二側壁部14とを連結する連結部材11aは、開口部12aを塞ぐ蓋体11である。蓋体11は、開口部12aの周縁部である開口周縁部12bの延びる方向において分散して配置された複数の接合部40において、開口周縁部12bと接合されている。第一接合部40A及び第二接合部40Bは、複数の接合部40のうちの2つの接合部40である。
【0052】
このように、本実施の形態では、外装体10の開口部12aを塞ぐ蓋体11によって連結部材11aが実現される。従って、蓋体11を開口部12aに固定するための部材または互いの接合された部分等によって、第一接合部40A及び第二接合部40Bが実現される。つまり、蓄電装置1の基本的な構成を利用して、蓄電素子100の損傷の抑制のための構成が実現される。本実施の形態では、蓋体11が連結部材11aを兼ねている、または、連結部材11aが蓋体11を兼ねている、と説明することもできる。
【0053】
本実施の形態では、外装体10は、
図4及び
図6に示すように、X軸方向において中央部20aに並ぶ位置に、第一側壁部13の外面から突出状に設けられたリブ50Aを有している。
【0054】
より具体的には、第一側壁部13の外面には、
図4及び
図6に示すように、複数のリブ50が設けられており、これら複数のリブ50のうちの、X軸方向において中央部20aに並ぶ位置にあるリブ50が、リブ50Aである。少なくともこのリブ50Aにより、第一側壁部13の、蓄電素子ユニット20の中央部20aに対向する部分の変形が抑制される。従って、より確実に蓄電素子100の膨張を抑制することができる。本実施の形態では、第二側壁部14にもリブ50が設けられている。つまり、外装体10は、X軸方向において中央部20aに並ぶ位置に、第二側壁部14の外面から突出状に設けられたリブ50Bを有している(
図6参照)。これにより、第二側壁部14の、蓄電素子ユニット20の中央部20aに対向する部分の変形が抑制され、より確実に蓄電素子100の膨張を抑制することができる。
【0055】
第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれは、外面ではなく内面にリブ50を有してもよい。つまり、第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれは、内面にリブ50を有する場合であっても、変形の抑制効果を得ることができる。ただし、外装体10の内部空間の有効利用の観点からは、第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれは、外面にリブ50を有することが好ましい。さらに、リブ50による蓄電素子ユニット20の損傷の可能性を低減させる、という観点からも、第一側壁部13及び第二側壁部14のそれぞれは、外面にリブ50を有することが好ましい。
【0056】
本実施の形態において、蓄電素子ユニット20は、
図5及び
図6に示されるように、X軸方向で第一側壁部13と対向する端部が、第一側壁部13と接触した状態で配置されている。具体的には、蓄電素子ユニット20は第一側壁部13と対向する位置に、セルホルダ131を有しており、蓄電素子ユニット20は、セルホルダ131が第一側壁部13と接触した状態で配置されている。
【0057】
この構成によれば、蓄電素子ユニット20は、そのX軸方向の端部が第一側壁部13と接触した状態で配置されているため、蓄電素子ユニット20のX軸方向の膨張がより確実に抑制される。これにより、各蓄電素子100の、膨張収縮を繰り返すことによる疲労に起因する損傷等がより確実に抑制される。本実施の形態では、蓄電素子ユニット20は、第二側壁部14と対向するセルホルダ131も第二側壁部14と接触している。つまり、蓄電素子ユニット20は、例えば使用開始の前の時点においても、第一側壁部13及び第二側壁部14によってX軸方向で挟まれた状態である。従って、振動または衝撃に起因する蓄電素子ユニット20の、外装体10の内部における位置ずれが抑制され、かつ、蓄電素子ユニット20の膨張も抑制される。
【0058】
本実施の形態では、第一接合部40Aは、連結部材11a(蓋体11)を第一側壁部13に固定するボルト41を含んでいる。
【0059】
この構成によれば、ボルト41を用いて、連結部材11aと第一側壁部13とを強固に接続でき、その結果、蓄電素子ユニット20の中央部20aにおける膨張をより確実に抑制できる。
【0060】
[3.変形例]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0061】
例えば、接合部40は、ボルト41を用いて連結部材11a(蓋体11)と外装体本体12とが接合された部分である必要はない。例えば、スポット溶接等の溶接またはリベットを用いたかしめによって、接合部40が形成されてもよい。接合部40が、ボルト41を含む場合、ボルト41が挿入されるねじ穴は、外装体本体12とは別体の部材に形成されてもよい。例えば、外装体本体12とは別体のナットによって、ねじ穴を有する固定穴部42が実現されてもよい。
【0062】
連結部材11aと蓋体11とは、互いに別体の部材であってもよい。例えば、蓋体11の下方に、蓋体11とは別体の連結部材が、第一側壁部13と第二側壁部14とを連結する状態で配置されてもよい。この場合であっても、例えば、蓄電素子ユニット20の拘束のために、一対のエンドプレートと一対のエンドプレートを接続する一対の連結部材とを外装体10の内部に配置する場合よりも、蓄電装置1の構成は簡易である。
【0063】
蓄電素子ユニット20は、複数のセルホルダ130を有しなくてもよい。例えば、複数のセルホルダ130に換えて、複数の蓄電素子100それぞれの長側面110aに沿って配置された平板状かつ絶縁性を有するスペーサが配置されてもよい。この場合、蓄電素子ユニット20と、外装体10の底壁部19との間に、絶縁部材が配置されてもよい。複数の蓄電素子100それぞれの容器110に、その外面を覆うように絶縁フィルム等の絶縁部材が配置されている場合、隣り合う蓄電素子100の間に、セルホルダ及びスペーサ等の部材が配置されなくてもよい。この場合、蓄電素子ユニット20におけるX軸方向の両端部に、蓄電素子ユニット20と第一側壁部13及び第二側壁部14とを絶縁する絶縁部材が配置されてもよい。
【0064】
蓄電素子ユニット20は、複数の蓄電素子100及び複数のセルホルダ130だけでなく、複数の蓄電素子100の電極端子120に接合された複数のバスバー60及びバスバーホルダ30(
図2参照)を含んでもよい。つまり、実施の形態に係る蓄電素子ユニット20に、バスバーホルダ30及び複数のバスバー60を加えた構成を、「蓄電素子ユニット」と称することもできる。
【0065】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 蓄電装置
10 外装体
11 蓋体
11a 連結部材
12 外装体本体
12a 開口部
12b 開口周縁部
13 第一側壁部
13A 第一端部
14 第二側壁部
14B 第二端部
19 底壁部
20 蓄電素子ユニット
20a 中央部
30 バスバーホルダ
40 接合部
40A 第一接合部
40B 第二接合部
41 ボルト
42 固定穴部
43 貫通孔
50、50A、50B リブ
100 蓄電素子
110 容器