(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136026
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置および仮想照明システム
(51)【国際特許分類】
G06T 15/50 20110101AFI20230922BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230922BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20230922BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230922BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230922BHJP
【FI】
G06T15/50
H04N5/232 290
H04N5/225 600
H04N5/222 400
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041423
(22)【出願日】2022-03-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(72)【発明者】
【氏名】春日井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇史
【テーマコード(参考)】
5B080
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5B080AA00
5B080BA00
5B080CA00
5B080FA02
5B080FA05
5B080FA08
5B080GA00
5C122FH01
5C122FH02
5C122FH22
5C122FK24
5C122GG08
5C122HB01
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA02
5L096CA25
5L096FA67
(57)【要約】
【課題】被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる情報処理装置及び仮想照明システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置(300)は、被写体(1,2)の画像を示す画像データを取得する第1取得部と、複数の光源位置から被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する第2取得部と、取得された画像データ及び照度分布情報に基づいて、被写体の画像と、当該画像における位置毎に被写体が光を反射する特性とを含むモデル情報を生成する制御部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像を示す画像データを取得する第1取得部と、
複数の光源位置から前記被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する第2取得部と、
取得された画像データ及び照度分布情報に基づいて、前記被写体の画像と、前記画像における位置毎に前記被写体が光を反射する特性とを含むモデル情報を生成する制御部とを備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1取得部は、前記被写体が撮像された一又は複数の撮像画像を示す画像データを取得し、
前記モデル情報における前記被写体の画像は、前記撮像画像で構成される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記被写体の画像は、前記被写体の全周の少なくとも一部にわたる画像である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記被写体が光を反射する特性は、前記画像における位置毎の前記被写体の法線方向と反射率とのうちの少なくとも一方を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2取得部は、互いに異なる複数の光源位置から前記照明光を個別に発光する照明装置によって得られる前記照度分布情報を取得し、
前記照度分布情報は、前記複数の光源位置からの各照明光の反射光がそれぞれ受光された複数の照度分布を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
被写体の画像を含むモデル情報を格納する記憶部と、
前記被写体に対する仮想的な照明に関するユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作に応じて、設定される仮想的な照明に応じた前記モデル情報に対する照明効果を演算するシミュレーション処理を制御する制御部と、
前記シミュレーション処理によって前記照明効果が付与された画像を表示する表示部と
を備え、
前記モデル情報は、複数の光源位置から前記被写体に照射した照明光による分布に基づいて、前記被写体の画像における位置毎に前記被写体が光を反射する特性を示し、
前記制御部は、前記モデル情報が示す前記被写体の特性に基づいて、前記照明効果を前記被写体の画像に付与するように前記シミュレーション処理を行う
情報処理装置。
【請求項7】
前記モデル情報は、前記被写体として物体を示す第1のモデル情報と背景を示す第2のモデル情報とを含み、
前記第1及び第2のモデル情報のうちの少なくとも一方は、前記照明光による分布に基づいて、前記物体と前記背景とのうちの対応する被写体の特性を示し、
前記操作部は、前記背景における前記物体の配置を指定するユーザ操作を受け付け、
前記制御部は、前記背景における環境光を示すように前記仮想的な照明を設定して、前記シミュレーション処理を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記モデル情報は、前記被写体の全周の少なくとも一部にわたり前記被写体の画像を示し、
前記制御部は、前記操作部において前記被写体の向きを変更するユーザ操作に応じて、変更された向きにおける前記被写体の画像に前記照明効果を付与して前記表示部に表示させる
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
撮像装置により被写体が撮像された画像を示す画像データ、及び/又は、照明装置から前記被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する取得部と、
前記撮像装置および前記照明装置を制御する制御部とを備え、
前記撮像装置は、所定周期において前記被写体を順次、撮像して、前記画像データを生成し、
前記制御部は、前記所定周期において、
前記撮像装置が前記被写体を撮像していないときに、前記照明装置から前記照明光を前記被写体に照射させ、
前記照明装置が前記照明光を前記被写体に照射していないときに、前記撮像装置に前記被写体を撮像させる
情報処理装置。
【請求項10】
被写体に照明光を照射して前記照明光による分布を示す情報を取得する照明装置と、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置と
を備える仮想照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影される画像の照明効果についての情報処理を行う情報処理装置、及び仮想照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像の高輝度領域を補正した上で、立体感のある自然な画像を生成することを目的とした画像処理装置を開示する。この画像処理装置は、距離画像データに基づいて、補正の対象とする画像に対応する法線情報を取得しており、画像に含まれる被写体の高輝度領域に基づいて、実照明パラメータを推定している。さらに、この画像処理装置は、推定した実照明パラメータに基づいて、仮想照明の向きと実照明の向きとの成す角度が所定の角度以上、大きくならないように、仮想照明パラメータを設定する。こうした法線情報と仮想照明パラメータに基づいて、画像に対してライティング処理が実行されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる情報処理装置及び仮想照明システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様における情報処理装置は、被写体の画像を示す画像データを取得する第1取得部と、複数の光源位置から被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する第2取得部と、取得された画像データ及び照度分布情報に基づいて、被写体の画像と、当該画像における位置毎に被写体が光を反射する特性とを含むモデル情報を生成する制御部とを備える。
【0006】
本開示の別の一態様における情報処理装置は、被写体の画像を含むモデル情報を格納する記憶部と、被写体に対する仮想的な照明に関するユーザ操作を受け付ける操作部と、ユーザ操作に応じて、設定される仮想的な照明に応じたモデル情報に対する照明効果を演算するシミュレーション処理を制御する制御部と、シミュレーション処理によって照明効果が付与された画像を表示する表示部とを備える。モデル情報は、複数の光源位置から被写体に照射した照明光による分布に基づいて、被写体の画像における位置毎に被写体が光を反射する特性を示す。制御部は、モデル情報が示す被写体の特性に基づいて、照明効果を被写体の画像に付与するようにシミュレーション処理を行う。
【0007】
本開示の更に別の一態様における情報処理装置は、撮像装置により被写体が撮像された画像を示す画像データ、及び/又は、照明装置から被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する取得部と、撮像装置および照明装置を制御する制御部とを備える。撮像装置は、所定周期において被写体を順次、撮像して、画像データを生成する。制御部は、所定周期において、撮像装置が被写体を撮像していないときに、照明装置から照明光を被写体に照射させ、照明装置が照明光を被写体に照射していないときに、撮像装置に被写体を撮像させる。
【0008】
本開示における仮想照明システムは、被写体を撮像して画像データを生成する撮像装置と、被写体に照明光を照射して照明光による分布を示す情報を取得する照明装置と、上記いずれかの情報処理装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示における情報処理装置及び仮想照明システムによると、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態1に係る仮想照明システムを説明するための図
【
図2】仮想照明システムにおけるデジタルカメラの構成を示す図
【
図3】仮想照明システムにおける照明装置の構成を例示する図
【
図5】仮想照明システムにおける情報端末の構成を例示する図
【
図6】仮想照明システムにおける物品撮影動作を例示するフローチャート
【
図7】仮想照明システムにおける物品撮影動作の環境を例示する図
【
図8】仮想照明システムにおけるモデル情報のデータ構造を例示する図
【
図9】仮想照明システムにおける反射特性の推定処理を説明するためのフローチャート
【
図10】仮想照明システムの照明装置による照度分布データを例示する図
【
図11】仮想照明システムの照明装置の動作を説明するための図
【
図12】仮想照明の画像処理における反射率マップを例示する図
【
図13】仮想照明の画像処理における座標変換を説明するための図
【
図14】仮想照明システムにおける背景撮影動作を例示するフローチャート
【
図15】仮想照明システムにおける背景撮影動作の環境を例示する図
【
図16】仮想照明システムにおける配置シミュレーション処理を例示するフローチャート
【
図17】仮想照明システムにおける配置シミュレーション処理の表示例を示す図
【
図18】仮想照明の画像処理における照明効果の演算を説明するための図
【
図19】実施形態2に係る仮想照明システムにおける動画の撮影動作を例示するフローチャート
【
図20】仮想照明システムにおける排他制御の動作例を説明するためのタイミングチャート
【
図21】仮想照明システムにおける物品撮影動作の変形例1を例示する図
【
図22】仮想照明システムにおける物品撮影動作の変形例2を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施形態1)
1.構成
本開示の実施形態1に係る仮想照明システムについて、
図1を用いて説明する。
【0013】
本実施形態に係る仮想照明システム10は、例えば
図1に示すように、デジタルカメラ100と、照明装置200と、情報端末300とを備える。本システム10は、例えば、インテリアショップ或いは不動産会社等において、顧客が所望する家具等の物品1を、別途所望の部屋等の背景2に仮想的に配置した様子を可視化する画像合成シミュレーション、即ち配置シミュレーションに適用可能である。物品1と背景2とは、例えば別々の撮影現場15においてそれぞれ撮影される被写体の一例である。
【0014】
こうした配置シミュレーションにおいては、物品1の撮像画像と、背景2の撮像画像とを合成しても、両者で異なる撮影現場15の照度等の不整合により合成画像が不自然になる問題が考えられる。そこで、本システム10では、デジタルカメラ100による物品1等の撮影時に、照明効果の画像処理を事後的に行うための照明装置200を併用しておき、配置シミュレーション時に、合成画像において上記不整合を解消するような自然な照明効果を実現する。
【0015】
以下、本システム10における各装置100,200,300の構成について説明する。
【0016】
1-1.デジタルカメラの構成
本実施形態におけるデジタルカメラ100の構成について、
図2を用いて説明する。
【0017】
図2は、本システム10におけるデジタルカメラ100の構成を例示する図である。デジタルカメラ100は、本実施形態における撮像装置の一例である。本実施形態のデジタルカメラ100は、イメージセンサ115と、画像処理エンジン120と、表示モニタ130と、制御部135とを備える。さらに、デジタルカメラ100は、バッファメモリ125と、カードスロット140と、フラッシュメモリ145と、操作部150と、通信モジュール155とを備える。また、デジタルカメラ100は、例えば光学系110及びレンズ駆動部112を備える。
【0018】
光学系110は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS)、絞り、シャッタ等を含む。フォーカスレンズは、イメージセンサ115上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。ズームレンズは、光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ等は、それぞれ1枚又は複数枚のレンズで構成される。
【0019】
レンズ駆動部112は、光学系110におけるフォーカスレンズ等を駆動する。レンズ駆動部112はモータを含み、制御部135の制御に基づいてフォーカスレンズを光学系110の光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部112においてフォーカスレンズを駆動する構成は、DCモータ、ステッピングモータ、サーボモータ、または超音波モータなどで実現できる。
【0020】
イメージセンサ115は、光学系110を介して形成された被写体像を撮像して、撮像データを生成する。撮像データは、イメージセンサ115による撮像画像を示す画像データを構成する。イメージセンサ115は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。イメージセンサ115における、撮像データの生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、制御部135によって制御される。イメージセンサ115は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、またはNMOSイメージセンサなど、種々のイメージセンサを用いることができる。
【0021】
イメージセンサ115は、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作等を実行する。スルー画像は主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために表示モニタ130に表示される。スルー画像及び静止画像は、それぞれ本実施形態における撮像画像の一例である。イメージセンサ115は、本実施形態における撮像部の一例である。
【0022】
画像処理エンジン120は、イメージセンサ115から出力された撮像データに対して各種の処理を施して画像データを生成したり、画像データに各種の処理を施して、表示モニタ130に表示するための画像を生成したりする。各種処理としては、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されない。画像処理エンジン120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータ、プロセッサなどで構成してもよい。
【0023】
表示モニタ130は、種々の情報を表示する表示部の一例である。例えば、表示モニタ130は、イメージセンサ115で撮像され、画像処理エンジン120で画像処理された画像データが示す画像(スルー画像)を表示する。また、表示モニタ130は、ユーザがデジタルカメラ100に対して種々の設定を行うためのメニュー画面等を表示する。表示モニタ130は、例えば、液晶ディスプレイデバイスまたは有機ELデバイスで構成できる。
【0024】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に設けられた操作ボタンや操作レバー等のハードキーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は、例えば、レリーズボタン、モードダイヤル、タッチパネルを含む。操作部150はユーザによる操作を受け付けると、ユーザ操作に対応した操作信号を制御部135に送信する。
【0025】
制御部135は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。制御部135はCPU等を含み、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することで所定の機能を実現する。制御部135は、CPUに代えて、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されるプロセッサを含んでもよい。すなわち、制御部135は、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現できる。制御部135は1つまたは複数のプロセッサで構成してもよい。また、制御部135は、画像処理エンジン120などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0026】
バッファメモリ125は、画像処理エンジン120や制御部135のワークメモリとして機能する記録媒体である。バッファメモリ125は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより実現される。フラッシュメモリ145は不揮発性の記録媒体である。また、図示していないが、制御部135は各種の内部メモリを有してもよく、例えばROMを内蔵してもよい。ROMには、制御部135が実行する様々なプログラムが記憶されている。また、制御部135は、CPUの作業領域として機能するRAMを内蔵してもよい。
【0027】
カードスロット140は、着脱可能なメモリカード142が挿入される手段である。カードスロット140は、メモリカード142を電気的及び機械的に接続可能である。メモリカード142は、内部にフラッシュメモリ等の記録素子を備えた外部メモリである。メモリカード142は、画像処理エンジン120で生成される画像データなどのデータを格納できる。
【0028】
通信モジュール155は、有線又は無線通信における所定の通信規格に従って外部機器に接続するモジュール(回路)である。所定の通信規格は、例えばUSB、HDMI(登録商標)、IEEE802.11、Wi-Fi、Bluetooth等を含む。デジタルカメラ100は、通信モジュール155を介して、他の機器と通信することができる。
【0029】
1-2.照明装置の構成
本実施形態における照明装置200の構成について、
図3~4を用いて説明する。
【0030】
図3は、本システム10における照明装置200の構成を例示する図である。照明装置200は、例えば
図3に示すように、発光部210と、受光部220と、制御部230と、記憶部240と、通信部250とを備える。照明装置200の構造を
図4に例示する。
【0031】
図4は、照明装置200を、照明光が出射する方向から見た前面図を例示する。本システム10の照明装置200は、例えば天井設置型あるいはスタンド型などの各種型式で構成される。照明装置200は、デジタルカメラ100に装着されるクリップオン型であってもよいし、被写体を収容する撮影ボックスと一体的に構成されてもよい。
【0032】
照明装置200において、発光部210は、例えば可視領域の各種波長を有する照明光を発光するように、各種光源装置で構成される。発光部210は、例えば
図4に示すように、複数の照明光源211~213を含む。
図4では、発光部210が3個の照明光源211~213で構成される例を示す。照明装置200の発光部210はこれに限らず、例えば4個以上の照明光源211~213を含んでもよい。以下、照明光源211~213の総称を照明光源21という。
【0033】
照明光源21は、例えば波長可変式のLEDであり、所定の配光角においてRGB等の複数色の照明光を発光する。照明光源21は、それぞれ複数色の単色LED等を含んでもよい。照明光源21の配光角は、例えば物品1や背景2などの被写体11を撮影するための撮影現場15において、被写体11を含む空間範囲に照明光が照射されるように設定される。互いに同じ波長を有する照明光を発光可能に構成される。発光部210は、照明光源21から照明光として白色光を発光してもよい。
【0034】
例えば発光部210における第1~第3の照明光源211~213は、照明装置200において受光部220の周囲を囲むように配置される。こうした配置により、発光部210は、第1~第3の照明光源211~213において互いに異なる光源位置を有する。第1~第3の照明光源211~213は、それぞれ共通の空間範囲に照明光を照射する向きに配置される。
【0035】
受光部220は、発光部210の照明光に対応する可視領域の光を受光可能に構成された受光面を有する。受光部220は、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ又はNMOSイメージセンサ等の各種の撮像素子で構成される。受光部220は、例えばモノクロ画像を撮像して、受光結果として照度の空間分布を示すデータを生成する。受光部220はモノクロに限らず、RGB等のカラーフィルタを含んでもよい。受光部220は、各色の画像を、各色光における受光結果としてデータ出力してもよい。
【0036】
制御部230は、例えば照明装置200の全体動作を制御する。制御部230は、例えばソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU又はMPUを含む。制御部230、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路又は再構成可能な電子回路などのハードウェア回路であってもよい。制御部230は、CPU、MPU、マイコン、DSP、FPGA及びASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
【0037】
記憶部240は、照明装置200の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶するROMやRAMを含む。記憶部240は、例えば各照明光源211~213と、受光部220との位置関係を示す情報を格納する。
【0038】
通信部250は、有線又は無線通信における所定の通信規格に従って外部機器に接続するモジュール(回路)である。所定の通信規格は、例えばUSB、HDMI、IEEE802.11、Wi-Fi、Bluetooth等を含む。
【0039】
1-3.情報端末の構成
本実施形態における情報端末300の構成について、
図5を用いて説明する。
【0040】
図5は、情報端末300の構成を例示する図である。情報端末300は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末などで構成される情報処理装置の一例である。
図5に例示する情報端末300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、通信部350とを備える。
【0041】
制御部310は、例えばソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU又はMPUを含む。制御部310は、例えば情報端末300の全体動作を制御する。制御部310は、記憶部320に格納されたデータ及びプログラムを読み出して種々の演算処理を行い、各種の機能を実現する。
【0042】
制御部310は、例えば上記各機能を実現するための命令群を含んだプログラムを実行する。上記のプログラムは、インターネット等の通信ネットワークから提供されてもよいし、可搬性を有する記録媒体に格納されていてもよい。また、制御部310は、上記各機能を実現するように設計された専用の電子回路又は再構成可能な電子回路などのハードウェア回路であってもよい。制御部310は、CPU、MPU、GPU、GPGPU、TPU、マイコン、DSP、FPGA及びASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
【0043】
記憶部320は、情報端末300の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶部320は、
図5に示すように、格納部321及び一時記憶部322を含む。
【0044】
格納部321は、所定の機能を実現するためのパラメータ、データ及び制御プログラム等を格納する。格納部321は、例えばHDD又はSSDで構成される。例えば、格納部321は、上記のプログラム、及び各種の画像データなどを格納する。
【0045】
一時記憶部322は、例えばDRAM又はSRAM等のRAMで構成され、データを一時的に記憶(即ち保持)する。例えば、一時記憶部322は、編集途中の画像データなどを保持する。また、一時記憶部322は、制御部310の作業エリアとして機能してもよく、制御部310の内部メモリにおける記憶領域で構成されてもよい。
【0046】
操作部330は、ユーザが操作を行う操作部材の総称である。操作部330は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、ボタン及びスイッチ等であってもよい。操作部330は、表示部340上に表示される仮想的なボタンやアイコン、カーソル、オブジェクトといった各種のGUIも含む。
【0047】
表示部340は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイで構成される出力部の一例である。表示部340は、操作部330を操作するための各種GUI及び操作部330から入力された情報など、各種の情報を表示してもよい。
【0048】
通信部350は、有線又は無線通信における所定の通信規格に従って外部機器に接続するモジュール(回路)である。所定の通信規格は、例えばUSB、HDMI、IEEE802.11、Wi-Fi、Bluetooth等を含む。通信部350は、インターネット等の通信ネットワークに情報端末300を接続してもよい。通信部350は、外部機器または通信ネットワークから諸情報を受信する取得部の一例である。
【0049】
以上のような情報端末300の構成は一例であり、情報端末300の構成はこれに限らない。例えば、情報端末300における取得部は、制御部310等における各種ソフトウェアとの協働によって実現されてもよい。情報端末300における入力部は、各種記憶媒体(例えば格納部321)に格納された諸情報を制御部310の作業エリア(例えば一時記憶部322)に読み出すことによって、諸情報の取得を行うものであってもよい。
【0050】
また、情報端末300の表示部340には、プロジェクタおよびヘッドマウントディスプレイなど各種の表示デバイスが用いられてもよい。また、例えば外付けの表示デバイスを用いる場合、情報端末300の表示部340は、例えばHDMI規格などに準拠した映像信号等の出力インタフェース回路であってもよい。
【0051】
2.動作
以上のように構成される仮想照明システム10の動作について、以下説明する。
【0052】
本システム10において、デジタルカメラ100は、例えば配置シミュレーションの対象となる物品1を事前に撮影する。こうした物品撮影動作において、本システム10は、照明装置200を用いた情報取得を行う。又、本実施形態では、配置シミュレーションの背景2についても、デジタルカメラ100及び照明装置200を用いた撮影動作を行う。本システム10は、以上のような撮影結果に基づき、配置シミュレーションにおいて、ユーザの操作に応じて物品1を背景2上に配置した状態を再現して仮想照明の照明効果を与える。
【0053】
以下、こうした本システム10の動作の詳細を説明する。以下では、本システム10の動作の一例として情報端末300を用いた動作例を説明するが、各種撮影動作および配置シミュレーション処理は特に同一端末を用いずに行われてよい。
【0054】
2-1.物品撮影動作
本システム10における物品撮影動作の一例を、
図6~8を用いて説明する。本動作例では、被写体の一例の物品1の全周にわたって、デジタルカメラ100で動画等を撮影すると共に、照明装置200による情報取得を行う。これにより、その後の配置シミュレーションにおいて、物品1の向きを、その全周にわたり変更可能とすることができる。
【0055】
図6は、本システム10における物品撮影動作を例示するフローチャートである。
図7は、
図6の物品撮影動作の環境を例示する。
図6に例示するフローチャートの各処理は、例えば情報端末300の制御部310によって実行される。
【0056】
本動作例では、例えば
図7に示すように、撮影対象の物品1を回転させる回転台400が用いられる。回転台400は、例えば物品1を載置するステージ及びモータ等を備え、物品1の全周に対応する0度から360度までの1周における種々の角度位置に回転駆動するように構成される。又、本動作例では、情報端末300が各装置100,200,400にデータ通信可能に接続され、各装置100,200,400の動作を制御する。又、
図7では、スタンド型の照明装置200を例示するが、特にこれに限定されない。
【0057】
例えば
図6に示すように、情報端末300の制御部310は、照明装置200に、照明光の発光及び受光の動作を実行させるように制御信号を送信する(S1)。制御部310は、例えば通信部350を介して、照明装置200から物品1に照射した照明光についての照度分布データ(
図10参照)を取得する。
【0058】
例えば、照明装置200において制御部230は、情報端末300からの制御信号に応じて、発光部210において第1~第3の照明光源211~213を順番に発光させ、受光部220において時分割で各照明光源211~213の反射光を受光する。照明装置200の制御部230は、こうした照明光源21毎の受光結果を示す照度分布データを生成して、通信部250を介して照度分布データを情報端末300に送信する。照度分布データの生成は、例えばRGB等の色別に行われる。例えば、照明装置200は、各照明光源21における色別の照明光のうちの1種類の照明光を、ステップS1毎に順次、発光する。
【0059】
又、制御部310は、デジタルカメラ100に制御信号を送信して、例えば動画のフレーム毎の撮影動作を実行させる(S2)。情報端末300は、例えば通信部350を介して、デジタルカメラ100から出力された動画データを取得する。本実施形態において、デジタルカメラ100の撮影動作は、照明装置200の発光中に行われてもよいし、発光停止中に行われてもよい。物品1が各種の照明光により照明されている状態の撮像画像を用いて、物品1のモデル情報が生成されてもよい。
【0060】
例えばデジタルカメラ100において制御部135は、情報端末300からの制御信号に応じて、イメージセンサ115の露光タイミングを制御して、ステップS2毎にフレーム画像を順次撮像させる。例えば、1回のステップS2で撮像されるフレーム画像は、回転台400の角度位置に応じた向きにおいてデジタルカメラ100から見た物品1の外観を示す。例えばデジタルカメラ100は、こうした撮像結果の画像データの一例として動画データを通信モジュール155から出力する。なお、デジタルカメラ100は、動画撮影の代わりに静止画の連写撮影を行ってもよいし、単写撮影を繰り返してもよい。
【0061】
制御部310は、例えば回転台400が特定の角度位置にある状態で、照明装置200が全種類の照明光についての発受光動作を行ったか否かを判断する(S3)。全種類の照明光は、第1~第3の照明光源211~213の各々における各色の照明光を含む。制御部310は、照明装置200が全種類の発受光動作を行っていないとき(S3でNO)、照明光の種類を変更してステップS1~S3の処理を繰り返す。
【0062】
照明装置200が全種類の発受光動作を行ったとき(S3でYES)、例えば、制御部310は、照明装置200から取得した照度分布データに基づいて、物品1が種々の照明光を反射する特性を推定する演算処理を行う(S4)。反射特性の推定処理(S4)では、例えば、物品1の表面上の各種位置の法線方向および各色光の反射率といった反射特性の推定結果を示す推定情報が、物品1を撮像した種々の角度位置毎に生成される。ステップS4の処理の詳細については後述する。
【0063】
また、制御部310は、例えば所定の回転角度だけ角度位置を変更するように回転台400を制御する(S5)。ステップS5の回転角度は、回転台400上の物品1の周囲から見える外観においてデジタルカメラ100に撮像される部分をフレーム毎に更新する観点から適宜、設定される(例えば15度)。回転台400の回転は、例えばステップS3毎に断続的に行われる。
【0064】
例えば制御部310は、変更した角度位置に基づいて、回転台400による物品1全周分の周回(例えば360度回転)が完了したか否かを判断する(S6)。回転台400による周回が完了していない場合(S6でNO)、制御部310は、新たな角度位置についてステップS2以降の処理を再び行う。ステップS1~S6の繰り返しにより、物品1の全周にわたる撮影結果の動画データおよび照度分布データが取得される。
【0065】
例えば、制御部310は、回転台400による周回が完了した場合(S6でYES)、制御部310は、デジタルカメラ100から取得された動画データと、ステップS4毎に生成した反射特性の推定情報とに基づいて、物品1のモデル情報を作成する(S7)。物品1のモデル情報は、例えば3次元形状において配置シミュレーションに用いられる物品1(物体)のモデルを示す第1のモデル情報の一例である。こうした本システム10におけるモデル情報のデータ構造を
図8に例示する。
【0066】
例えば
図8に示すように、本例における物品1のモデル情報は、物品1の全周にわたり物品1の外観を映した撮像画像と、撮像画像上の物品1における反射特性とを含む。当該反射特性は、撮像画像上の異なる位置毎に光が反射される特性を含んでいる。例えば、制御部310は、動画データにおいて別々の角度位置に対応した各フレーム画像において各種位置にて推定された法線方向及び反射率を対応付ける。制御部310は、各フレーム画像から物品1が映る領域を切り出して処理してもよい。こうしたモデル情報は、種々のデータ構造で管理されてもよく、例えば、動画データとそのフレーム毎等のメタ情報として管理されてもよい。又、複数の撮像画像を合成した3次元画像、及び物品1の3次元形状における位置毎に反射特性が対応付けされた反射率モデルが管理されてもよい。
【0067】
制御部310は、例えば生成した物品1のモデル情報(S7)を記憶部320に格納して、本フローの処理を終了する。
【0068】
以上の物品撮影動作によると、デジタルカメラ100で物品1を全周にわたり撮影するのと同時進行で照明装置200により照度分布データを取得して(S1~S6)、物品1全周についての仮想照明を実現するためのモデル情報を得られる(S7)。
【0069】
上記のステップS1,S2においては、情報端末300により動画撮影等の動作タイミングが制御される例を説明したが、特に情報端末300により制御されなくてもよい。例えば、デジタルカメラ100及び照明装置200のうちの一方が他方の動作タイミングを制御してもよく、各装置100,200が互いに通信接続されて制御信号の送受信が行われてもよい。
【0070】
また、上記のステップS5において、情報端末300が回転台400の回転を制御する例を説明したが、情報端末300は回転制御を行わなくてもよい。例えば、回転台400は、デジタルカメラ100又は照明装置200からの指示、或いはユーザ操作等により回転を実行してもよい。あるいは、ユーザの手動で回転されるような回転台400が用いられてもよい。情報端末300は、回転台400から角度位置を示す情報を取得してもよいし、デジタルカメラ100の撮像画像から角度位置を推定してもよい。回転台400の回転は、断続的に限らず、連続的であってもよい。
【0071】
ステップS1~S3の繰り返し中に撮像された複数のフレーム画像は、デジタルカメラ100の撮影結果としての合成画像の生成に用いられてよい。例えば、デジタルカメラ100は、こうした特定の角度位置からの複数のフレーム画像に基づいて、深度合成、HDR(ハイダイナミックレンジ)合成、または超解像合成などの各種画像合成を行って、合成画像を生成してもよい。こうした合成画像がステップS7のモデル情報に用いられてもよい。
【0072】
又、以上の説明では、物品撮影動作(
図6)においてデジタルカメラ100と照明装置200とを同時進行で動作させる例を説明したが、物品撮影動作は、特に同時進行で行われなくてもよい。例えば、デジタルカメラ100により物品1全周の撮影を行い、別途、照明装置200による発受光動作を物品1全周分行ってもよい。情報端末300は、こうして各装置100,200により取得された情報を適宜入力して、
図6のステップS4以降の処理を行える。
【0073】
2-1-1.反射特性の推定処理
図6のステップS4における反射特性の推定処理について、
図9~13を用いて説明する。
図9は、本システム10における反射特性の推定処理(S4)を説明するためのフローチャートである。
【0074】
まず、本システム10の制御部310は、例えば
図6のステップS1~S3において繰り返したステップS1に取得された照度分布データを参照する(S11)。こうした照度分布データは、例えば物品1等の被写体の位置が同じ状態で第1~第3の照明光源211~213の各々における各色の照明光の発光に応じた、各々の受光結果の照度分布データを含む。
【0075】
図10は、本システム10の照明装置200による1色分の照度分布データD1~D3を例示する。
図11は、
図10の照度分布データD1を生成する際の照明装置200の動作を説明するための図である。
【0076】
図11では、撮影現場15において照明装置200が発光する照明光の光路の一例を示している。
図11の例では、発光部210における第1の照明光源211から発光強度L1で発光された照明光が、光線方向S
1に出射して、被写体11の表面位置Paにおいて反射されている。こうした照明光の反射光は、被写体11の表面位置Paの法線方向N及び反射係数ρに依存した照度Iにおいて、受光部220における受光位置paにて観測される。
【0077】
光線方向S1及び法線方向Nは、それぞれ3次元空間における単位ベクトルで表され、図中ではベクトルを意味する矢印を付している。光線方向S1は、例えば照明光源21毎に予め設定され、既知の設定値とする。被写体11の表面位置Pa毎の法線方向N及び反射係数ρは、未知の推定対象である。本実施形態の照明装置200は、例えば第1の照明光源211からの照明光の反射光の照度I1を受光位置pa毎に取得して、受光部220の受光面全体における照度I1の分布を示す照度分布データD1を生成する。
【0078】
図10(A)は、第1の照明光源211の発光に応じた受光結果の照度分布データD1を例示する。
図10(B)は第2の照明光源212の発光に応じた照度分布データD2を例示し、
図10(C)は第3の照明光源213の発光に応じた照度分布データD3を例示する。
図10(A)~(C)では、照度が大きいほど灰色を淡くするように、濃淡によって照度の大きさを示している。
【0079】
図10(A)に例示する照度分布データD1は、撮影現場15の環境下で受光部220が観測可能な空間範囲にわたり、第1の照明光源211からの照明光が被写体11における各種の表面位置Paで反射された反射光の照度分布を示す。こうした照度分布においては、被写体11の各表面位置Paの照度が、照明装置200の受光部220における受光面上の座標系すなわち受光座標(x,y)において、対応する受光位置paに分布する。
【0080】
図10(B)の照度分布データD2では、
図10(A)と同じ環境の空間範囲に対して、第1の照明光源211の代わりに第2の照明光源212から照射した照明光に基づき、
図10(A)とは異なる照度分布が得られている。
図10(C)の照度分布データD3も同様に、第3の照明光源213からの照明光に基づき、
図10(A),(B)とは異なる照度分布が得られている。例えば、
図10(A)~(C)の間で同じ受光位置paにおいて観測される照度は、対応する被写体11の表面位置Paの法線方向N及び反射係数ρに応じて、互いに異なっている。
【0081】
本システム10は、例えば照度差ステレオ法により、こうした複数の照明光源211~213による照度分布データD1~D3の間の差異を解析することで、撮影現場15における被写体11の各表面位置Paの法線方向N及び反射係数ρを推定する。なお、法線方向Nは、3次元のベクトル成分に対して単位ベクトルの正規化条件より、推定対象として2変数の自由度を有する。
【0082】
例えば、本システム10における制御部310は、各照明光源211~213の照度分布データD1~D3を参照して(S11)、法線方向Nの2変数p,qを用いた反射率マップを作成する(S12)。各照明光源211~213に応じた反射率マップM1~M3を
図12に例示する。
【0083】
図12(A)は、
図10(A)の照度分布データD1に対応する反射率マップM1を例示する。
図12(B)は
図10(B)に対応する反射率マップM2を例示し、
図12(C)は
図10(C)に対応する反射率マップM3を例示する。反射率マップM1~M3は、例えばpq平面において、特定の光源位置からの照明光の反射光が受光される割合の分布を示し、反射光の明るさについての等高線を含む。pq平面は、例えばガウス写像により種々の法線方向Nに対応する2変数p,qの座標系で規定される。
【0084】
制御部310は、こうした複数の照明光源211~213による照度分布データD1~D3と対応する反射率マップM1~M3から、例えば照度差ステレオ法により被写体11の表面位置Paの法線方向N(即ち表面の傾き)と反射係数ρとを推定する演算処理を行う(S13)。制御部310は、例えばランバート面を仮定した次式(1)~(3)を演算する。
【数1】
【0085】
上式(1)~(3)において、Lnは、第nの照明光源211~213による照明光の発光強度を示す(n=1,2,3)。Snは、第nの照明光源211~213からの光線方向を単位ベクトルとして示す。Inは、第nの照明光源211~213による照度分布データD1~D3として受光された照度を示す。又、上式(1)~(3)中の「×」は乗算を示し、「・」はベクトル間の内積を示す。上式(1),(2),(3)は、それぞれ
図10(A)~(C)の反射率マップM1,M2,M3に対応する。
【0086】
上式(1)~(3)においては、例えば法線方向Nの2変数p,qと反射係数ρとの3変数が、推定対象となることから、第1~第3の照明光源211~213による受光結果の情報に基づき、各変数の推定値が求められる。例えば、制御部310は、受光座標(x,y)における受光位置pa毎に、上式(1)~(3)の演算を実行する(S13)。
【0087】
次に、制御部310は、以上のような被写体11の法線方向N及び反射係数ρの推定結果を示す推定情報を、受光座標(x,y)から撮像座標(X,Y)へ変換して、反射特性の推定情報を生成する(S14)。撮像座標(X,Y)は、補正対象の画像データが示す撮像画像上の位置を示す座標系であり、デジタルカメラ100のイメージセンサ115における撮像面上の位置を示す。
図13(A),(B)に、それぞれステップS14における変換前後の受光座標(x,y)と撮像座標(X,Y)とを示す。
【0088】
ステップS14の座標変換は、例えば、本システム10において撮影現場15におけるデジタルカメラ100と照明装置200との位置関係に応じた三角測量により演算される。この際、被写体距離として、デジタルカメラ100の撮像または照明装置200の受光における焦点距離が用いられてもよい。例えば制御部310は、こうした本システム10における座標変換のための各種情報を、
図6のステップS1,S2等で予め取得して、ステップS14の処理を実行する。
【0089】
制御部310は、例えば動画データにおいて対応するフレーム画像について反射特性の推定情報を生成する(S14)と、反射特性の推定処理(
図6のS4)を終了し、ステップS7に進む。
【0090】
以上の反射特性の推定処理(S4)によると、物品1などの被写体の撮影環境にて照明装置200における複数の照明光源211~213を用いて得られた照度分布データD1~D3により、被写体11の法線方向N及び反射係数ρが推定できる(S13)。
【0091】
例えば、
図6のステップS1~S6で繰り返すステップS4により、制御部310は、対応する角度位置についての反射特性の推定情報をそれぞれ生成する。例えば、制御部310は、角度位置毎の全種類の照度分布データに基づいて、ステップS11~S14と同様の処理を行うことにより、当該角度位置の照度分布データを生成する。あるいは、制御部310は、初期に生成した反射特性の推定情報と、初期よりも後の各回のステップS1の照度分布データを用いて、初期の反射特性の推定情報を補正することにより、対応するフレーム画像についての推定情報を順次、生成してもよい。
【0092】
上記のステップS13では、照度差ステレオ法の推定の演算式(1)~(3)を例示した。本システム10において、ステップS13における推定演算は、特に上式(1)~(3)に限らず、種々の変更が可能である。例えば、照明光源21の個数を4個以上に増やすと共に、連立する演算式を増やしてもよい。
【0093】
又、上式(1)~(3)ではランバート面の仮定を用いたが、特にこの仮定に限らない種々の演算式が適用されてもよいし、機械学習モデルなどのAI技術が適用されてもよい。制御部310は、ステップS13の推定演算と同様の演算を適用して、各種の推定手法に応じた仮想照明の照明効果を算出できる。
【0094】
上記のステップS14では照明装置200の受光座標(x,y)とデジタルカメラ100の撮像座標(X,Y)の座標変換に、三角測量を用いる一例を説明した。ステップS14の処理は特に上記に限らず、例えばデジタルカメラ100においてDFD(Depth From Defocus)等により測距が行われてもよい。又、TOF(Time Of Flight)センサ等の測距センサが本システム10において用いられてもよい。また、例えば照明装置200の照度分布データD1~D3に対応する画像とデジタルカメラ100の撮像画像とから、互いの位置関係を推定する各種の画像認識手法が用いられてもよい。こうした画像認識の機械学習モデルなどの各種AI技術を用いてステップS14が実現されてもよい。
【0095】
また、以上の説明では、反射特性の推定処理(
図6のS4)が、ステップS1~S6の繰り返し中に情報端末300により行われる例を説明した。ステップS4の処理は特にこれに限らず、例えばステップS1~S6の繰り返し後に行われてもよい。
【0096】
又、反射特性の推定処理(S4)は、照明装置200において行われてもよい。照明装置200は、照度分布データの代わりに反射特性の推定情報を、照度分布情報の一例として情報端末300に送信してもよい。
【0097】
2-2.背景撮影動作
本システム10において、背景2について照明装置200による情報取得およびデジタルカメラ100による画像撮影を行う動作の一例を、
図14~15を用いて説明する。以下では、静止画撮影による本システム10の動作例を説明する。
【0098】
図14は、本システム10における背景撮影動作を例示するフローチャートである。
図15は、
図14の背景撮影動作の環境を例示する。
図14に例示するフローチャートの各処理は、例えば情報端末300の制御部310によって実行される。
【0099】
本動作例では、例えば
図15に示すように、デジタルカメラ100が三脚等により固定配置される。また、照明装置200は、一例として天井設置型を例示している。各装置100,200は、特に物品撮影動作(
図7)に用いられたものと同一装置でなくてよい。本動作例においても、情報端末300が各装置100,200にデータ通信可能に接続されることとする。
【0100】
例えば、情報端末300の制御部310は、
図6のステップS1と同様に、照明装置200に発受光動作を実行させる(S21)。ステップS21において、制御部310は、例えば照明装置200から、第1~第3の照明光源211~213における各色の照明光について全種類の照度分布データを取得する。
【0101】
又、例えば制御部310は、デジタルカメラ100に静止画の撮影動作を実行させる(S22)。制御部310は、デジタルカメラ100から撮影結果の画像データを取得する。ステップS21,S22の処理順は、特に限定されない。又、ステップS21,S22において、制御部310は、特に各装置100,200の動作タイミングを制御しなくてもよく、各装置100,200の動作結果の各データを適宜取得してもよい。
【0102】
更に、例えば制御部310は、照明装置200による照度分布データに基づいて、背景2についての反射特性の推定処理を行う(S23)。ステップS23において、制御部310は、例えば
図9のステップS11~S14と同様の処理を行って、背景2についての反射特性の推定情報を生成する。
【0103】
次に、制御部310は、例えば
図6のステップS7と同様に、デジタルカメラ100による画像データと、背景2についての反射特性の推定情報とに基づいて、背景2のモデル情報を作成する(S24)。背景2のモデル情報は、物品1のモデル情報と同様に配置シミュレーションにおける背景2のモデルを示す第2のモデル情報の一例である。背景2のモデル情報は、例えばデジタルカメラ100の撮像座標による2次元において、背景2の撮像画像における位置毎に推定された法線方向及び反射率を対応付けて示す。例えば、背景2のモデル情報は、静止画データとそのメタ情報として管理されてもよい。
【0104】
制御部310は、例えば生成した背景2のモデル情報(S24)を記憶部320に格納して、本フローの処理を終了する。
【0105】
以上の背景撮影動作によると、配置シミュレーションの背景2に用いる部屋等についても、デジタルカメラ100と照明装置200とを用いて、撮像画像と反射特性の推定情報とを対応付けたモデル情報を得ることができる(S21~S24)。
【0106】
以上の説明では、背景撮影動作において1回の静止画撮影(S22)が行われる動作例を説明したが、複数回の静止画撮影が行われてもよいし、動画撮影が行われてもよい。例えば、
図15の例において、デジタルカメラ100を固定した位置において軸回転させながら、異なる向きに応じた複数の撮像画像を取得してもよい。この場合、背景2のモデル情報についても、3次元形状において複数の撮像画像と各々の反射特性が管理されてもよい。
【0107】
また、以上の説明では、照明装置200を用いる背景撮影動作を説明した。本システム10では、背景2について、特に照明装置200を用いなくてもよく、デジタルカメラ100による画像撮影のみ行われてもよい。例えば、制御部310は、背景2の撮像画像に基づいて、画像推定法により背景2の環境光に関する反射特性を推定してもよい。
【0108】
また、以上の説明では、背景2のモデル情報に、デジタルカメラ100による撮影結果を用いる例を説明したが、特にこれに限定されない。例えば、背景2のモデル情報は、CG(コンピュータグラフィクス)などで生成された2次元ないし3次元の画像および反射特性の情報で構成されてもよい。こうした背景2のモデル情報を用いても、以下の配置シミュレーション処理を行うことができる。又、物品1のモデル情報についても、物品1の撮影結果の代わりにCGの画像が用いられてもよい。一方、物品1又は背景2の撮影結果を用いることで、シミュレーションされる画像において各被写体の質感などのリアリティを向上できる。
【0109】
2-3.配置シミュレーション処理
本実施形態の仮想照明システム10において、以上のように得られる物品1及び背景2の各モデル情報を用いて配置シミュレーションを行う動作について、
図16~18を用いて説明する。
【0110】
図16は、本システム10における配置シミュレーション処理を例示するフローチャートである。
図17は、
図16の配置シミュレーション処理の表示例を示す。
【0111】
図16のフローチャートに示す各処理は、例えば情報端末300の記憶部320に各種モデル情報が格納された状態で開始され、制御部310によって実行される。
【0112】
まず、制御部310は、予め選択された物品1についての配置シミュレーションを行うための画面を表示部340に表示させる(S31)。ステップS31の表示例を
図17に示す。
【0113】
図17は、本システム10におけるシミュレーション画面の表示例を示す。例えば、情報端末300の表示部340に表示されるシミュレーション画面は、シミュレーション画像欄41と、背景選択欄42と、照明設定欄43とを含む。シミュレーション画像欄41は、物品1の配置シミュレーションを可視化するための欄であり、例えば、物品1のモデル情報によって生成された物品画像G1と、背景2のモデル情報によって生成された背景画像G2とを含んだ各種画像を表示する。
【0114】
制御部310は、例えば
図17に例示するようなシミュレーション画面を表示部340に表示させた状態で、操作部330を介して各種のユーザ操作を受け付ける(S32~S34)。ステップS31の時点では、シミュレーション画像欄41は、特に背景画像G2を表示せずに物品画像G1を表示してもよい。
【0115】
制御部310は、例えば背景選択欄42におけるユーザ操作に応じて、配置シミュレーションにおける背景を設定する(S32)。背景選択欄42は、例えば予め設定された複数の背景候補の中から所望の背景を選択するユーザ操作を受け付けるためのサムネイル画像を含む。例えば、制御部310は、ユーザ操作によって選択された背景2のモデル情報を記憶部320から読み出して、シミュレーション画像欄41における背景画像G2として、読み出した背景2のモデル情報における撮像画像を、物品画像G1に重畳して表示させる。
【0116】
また、制御部310は、例えばシミュレーション画像欄41におけるユーザ操作に応じて、物品1の配置を設定する(S33)。ステップS33では、例えばシミュレーション画像欄41の背景画像G2に対して物品画像G1の位置をシフトしたり、物品画像G1の向きを回転させたりするユーザ操作が入力できる。例えば、制御部310は、回転のユーザ操作に応じて、物品1のモデル情報における全周分のフレーム画像から、ユーザ所望の向きに対応するフレーム画像を抽出し、物品画像G1としてシミュレーション画像欄41に表示させる。
【0117】
更に、制御部310は、例えば照明設定欄43におけるユーザ操作に応じて、配置シミュレーションにおける環境光を示す仮想的な照明を設定する(S34)。例えば、照明設定欄43は、仮想的な環境光の強度、色温度、および配光角などの照明パラメータを設定するユーザ操作を受け付ける。制御部310は、例えば背景2のモデル情報に基づき、背景画像G2の撮像時の環境光についての照明パラメータ及び光源位置の推定値を算出する。照明パラメータの推定値は、例えば照明設定欄43における初期値として用いられる。
【0118】
次に、制御部310は、以上のような背景2、物品1の配置及び仮想照明の設定(S32~S34)に基づいて、シミュレーション画像欄41において、背景2上に配置された物品1として自然な照明効果を付与するように仮想照明の画像処理を行う(S35)。ステップS35の処理について、
図18を用いて説明する。
【0119】
図18では、例えば各モデル情報における各撮像画像の撮像座標(X,Y)に対応する3次元の座標系(X,Y,Z)において、環境光を示す仮想照明Eaを例示している。制御部310は、例えば
図16のステップS32,S33の設定により背景2から仮想照明Eaの光源位置を推定し、ユーザ操作等から設定された照明パラメータから仮想照明Eaの発光強度La及び光線方向Saを特定する。
【0120】
制御部310は、こうした仮想照明Eaの各種パラメータLa,Sa及び被写体11の推定結果の法線方向N及び反射係数ρに基づき、例えば次式(10)のように、仮想照明の照明効果を演算する(S35)。
【数2】
【0121】
上式(10)において、Ioは、ステップS35による補正前の元画像の明るさを示し、Ieは補正画像の明るさを示し、例えばそれぞれ(単色の)画素値である。制御部310は、例えば撮像座標(X,Y)における画素位置毎に、上式(10)の演算を行う。こうして、制御部310は、元画像に仮想照明の照明効果を付加する補正結果を示す補正画像が生成される(S35)。
【0122】
例えばステップS35において、制御部310は、例えば物品1のモデル情報におけるユーザ操作の回転済みのフレームの物品画像G1を元画像として、上式(10)による照明効果を付与する。又、例えば仮想照明Eaの照明パラメータが、ユーザ操作により背景2のモデル情報における環境光の推定値(初期値)から変更された場合、制御部310は、ユーザ操作による変更分について、背景画像G2に対しても上記と同様に照明効果を付与する。制御部310は、設定された物品1の配置にしたがって、照明効果を付与した物品画像G1と背景画像G2とを重畳する画像合成により補正画像を生成して、シミュレーション画像欄41に表示させる。
【0123】
図16に戻り、制御部310は、例えば、シミュレーション画面において仮想照明の画像処理(S35)の結果の補正画像を表示させた状態で各種のユーザ操作を受け付けて、例えば配置シミュレーションの終了操作が入力されたか否かを判断する(S36)。
例えば、ユーザがシミュレーション画面の各欄41~43において各種設定を変更する操作を行うと、制御部310は、ステップS36でNOに進み、変更された設定を反映するようにステップS32以降の処理を再び行う。これにより、ユーザが設定変更する毎に、制御部310は、変更された設定において自然な照明効果を演算して、例えばシミュレーション画像欄41における補正画像としてユーザに可視化する(S35)。
【0124】
配置シミュレーションの終了操作が入力されると(S36でYES)、制御部310は、例えば最終的に仮想照明の画像処理(S35)で得られた補正画像を示す画像データを、シミュレーション結果として記憶部320に格納する(S37)。
【0125】
制御部310は、例えばシミュレーション結果の画像データの記録(S37)により、
図16の配置シミュレーション処理を終了する。
【0126】
以上の配置シミュレーション処理によると、本システム10において物品1及び背景2の撮影時の撮影時に照明装置200を用いて得られる情報に基づいて、ユーザ所望の物品画像G1と背景画像G2との配置において自然な照明効果を実現できる(S35)。
【0127】
上記のステップS32では、配置シミュレーション処理において物品1が予め設定された状態で背景2をユーザに選択させる例を説明した。本実施形態の配置シミュレーション処理は特にこれに限らず、例えば情報端末300は、背景2が予め設定された状態で、背景2に配置したい物品1を選択するユーザ操作を受け付けてもよい。また、背景2に配置される物品1が複数個、選択可能であってもよい。例えば、情報端末300は、各物品1のモデル情報を予め記憶部320に格納しておくことで、こうした配置シミュレーション処理を上記と同様に行える。
【0128】
上記のステップS34では、照明設定欄43において環境光の照明パラメータを調整するユーザ操作を受け付ける例を説明した。本システム10の情報端末300は、さらに、環境光の光源位置を調整するユーザ操作を受け付けてもよい。例えば、ユーザは、背景2の部屋に配置したい照明器具、或いは部屋の窓から太陽光が所望の時間帯に応じて入る位置及び向き等を入力してもよい。情報端末300は、こうしたユーザ入力に応じて仮想照明を設定して(S34)、ユーザ所望の仮想照明について自然な照明効果を算出できる(S35)。
【0129】
また、以上のような配置シミュレーション処理は、VR(仮想現実)又はAR(拡張現実)技術により行われてもよい。例えば、
図17に代えて、又はこれに加えて、物品1や背景2が、3次元的に表示されてもよい。この場合であっても、予めデジタルカメラ100の撮影時に照明装置200を用いて得られた情報による3次元的なモデル情報を用いて環境光等の照明効果を演算することにより(S35)、3次元の合成画像に自然な照明効果を与えることができる。又、例えばAR技術を適用する場合、背景2として現実の背景が用いられてもよい。
【0130】
又、以上のような配置シミュレーション処理においては、物品1のモデル情報と背景2のモデル情報との双方に照明装置200を用いなくてもよく、一方のモデル情報のみに照明装置200を用いてもよい。この場合であっても、照明装置200を用いたモデル情報について、被写体の反射特性を精度良く再現でき、自然な照明効果を得やすくすることができる。
【0131】
3.まとめ
以上のように、本実施形態において、情報処理装置の一例である情報端末300は、第1及び第2取得部の一例の通信部350と、制御部310とを備える。第1取得部は、撮像装置の一例のデジタルカメラ100により物品1等の被写体が撮像された画像といった被写体の画像を示す画像データを取得する(S1)。第2取得部は、照明装置200の複数の光源位置から被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報の一例の照度分布データを取得する(S2)。制御部310は、取得された画像データ及び照度分布情報に基づいて、被写体の撮像画像と、撮像画像における位置毎に被写体が可視光等の光を反射する特性とを含むモデル情報を生成する(S7)。
【0132】
以上の情報端末300によると、デジタルカメラ100による被写体の画像データと照明装置200による被写体の照度分布情報に基づき生成されるモデル情報により、仮想照明システム10において被写体の画像における自然な照明効果を実現し易くすることができる。被写体の画像は、デジタルカメラ100の撮像画像に限らず、撮像画像に基づいて生成される画像であってもよいし、CG画像であってもよい。
【0133】
本実施形態の情報端末300において、第1取得部は、被写体が互いに異なる向きから撮像された複数の撮像画像、又は一枚の撮像画像を示す画像データを取得する(S2、S22)。モデル情報は、こうした撮像画像に基づき被写体の画像を示す。すなわち、モデル情報における被写体の画像は、上記の撮像画像で構成される。例えば、被写体の画像は、撮像画像自体または撮像画像に各種画像処理を施した画像であってもよいし、複数の撮像画像による合成画像であってもよい。こうした実際の撮像画像を用いることにより、画像合成シミュレーションにおいて被写体のリアリティを向上できる。被写体の画像は、必ずしも撮像画像に基づかなくてもよく、CG画像であってもよい。
【0134】
本実施形態において、モデル情報は、複数の撮像画像と、各撮像画像における位置毎に被写体の特性とを含む(S7、
図7参照)。これにより、複数の向きにおける被写体の画像に自然な照明効果を与えられ、仮想照明システム10における配置シミュレーション等を行い易くできる。
【0135】
本実施形態の情報端末300において、モデル情報は、被写体の全周の少なくとも一部にわたり被写体の画像を含む(S6,S7、
図7参照)。すなわち、モデル情報における被写体の画像は、被写体の全周の少なくとも一部にわたる画像である。これにより、仮想照明システム10の配置シミュレーションにおいて被写体の全周又はその一部にわたり自然な照明効果を得られる。
【0136】
本実施形態の情報端末300において、モデル情報において被写体が光を反射する特性は、撮像画像における位置毎の被写体の法線方向Nと反射率ρとのうちの少なくとも一方を含む(S4、
図11参照)。こうした被写体の反射特性を反映して照明効果が演算でき、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くできる。
【0137】
本実施形態において、第2取得部は、例えば第1~第3の照明光源211~213により互いに異なる複数の光源位置から照明光を個別に発光する照明装置200によって得られる照度分布情報を取得する。照度分布情報は、複数の光源位置からの各照明光の反射光がそれぞれ受光された複数の照度分布を含む(
図10参照)。こうした照明装置200を用いて、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くできる。
【0138】
本実施形態における情報端末300は、記憶部320と、操作部330と、制御部310と、表示部340とを備える。記憶部320は、被写体の画像を含むモデル情報を格納する。操作部330は、被写体に対する仮想的な照明に関するユーザ操作を受け付ける(S32~S34)。制御部310は、ユーザ操作に応じて、設定される仮想的な照明に応じたモデル情報に対する照明効果を演算するシミュレーション処理の一例として配置シミュレーション処理を制御する(S31~S37)。表示部340は、例えばシミュレーション画像欄41(
図17)に、制御部310のシミュレーション処理によって照明効果が付与された画像を表示する。例えば物品1のモデル情報は、照明装置200から照明光を物品1に照射した際の照度分布データに基づいて、物品1の画像における位置毎にその反射特性を示す。制御部310は、モデル情報が示す被写体の反射特性に基づいて、照明効果を被写体の画像に付与するようにシミュレーション処理を行う(S35)。この情報端末300によると、モデル情報を用いて、本システム10の配置シミュレーション等において、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる。
【0139】
本実施形態の情報端末300において、記憶部320に格納されるモデル情報は、物品1のモデル情報(第1のモデル情報)と背景2のモデル情報(第2のモデル情報)とを含む。第1及び第2のモデル情報のうちの少なくとも一方は、照明装置200からの照明光による分布に基づいて、物品1(物体)と背景2とのうちの対応する被写体の反射特性を示す。操作部330は、背景2における物品1の配置を指定するユーザ操作(S33)を受け付ける。制御部310は、背景2における環境光を示すように仮想的な照明を設定して、配置シミュレーションの画像処理を行う(S35)。これにより、背景2の環境光として自然な照明効果を物品画像G1に与えることができる。
【0140】
本実施形態の情報端末300において、操作部330は、仮想的な照明に関するパラメータの一例の照明パラメータを調整するユーザ操作を受け付ける(S34)。制御部310は、調整された照明パラメータに応じた照明効果を被写体の画像に付与するように画像処理を行う(S35)。これにより、ユーザ所望の仮想照明について、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くできる。
【0141】
本実施形態の情報端末300において、例えば
図6の物品撮影動作で生成された物品1のモデル情報は、物品1が互いに異なる向きから撮像された複数の撮像画像に基づき、物品1の全周の少なくとも一部にわたり物品1の画像を示す。制御部310は、操作部330において被写体の向きを変更するユーザ操作(S33)に応じて、変更された向きにおける物品1の画像に照明効果を付与して表示部340に表示させる(S35)。このように、モデル情報を用いて、複数の向きにおける被写体の画像に自然な照明効果を実現できる。
【0142】
本実施形態の情報端末300において、モデル情報は、例えば反射特性の推定処理(S4)により、撮像画像の撮影環境において照明装置200から被写体に照射した照明光による分布に基づき、撮像画像における位置毎に被写体が光を反射する特性を示す。こうしたモデル情報により、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くできる。
【0143】
本実施形態において、仮想照明システム10は、被写体を撮像して画像データを生成するデジタルカメラ100と、被写体に照明光を照射して照明光による分布を示す情報を取得する照明装置200と、情報端末300とを備える。本システム10によると、デジタルカメラ100及び照明装置200により取得された情報を情報端末300で用いて、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる。
【0144】
(実施形態2)
以下、
図19~20を参照して、本開示の実施形態2を説明する。実施形態1では、仮想照明システム10を配置シミュレーションに適用する例を説明した。実施形態2では、仮想照明システム10を映像制作の用途に適用する例について説明する。
【0145】
以下、実施形態1に係る仮想照明システム10と同様の構成、動作の説明は適宜、省略して、本実施形態に係る仮想照明システム10を説明する。
【0146】
図19は、実施形態2に係る仮想照明システム10の動作を例示するフローチャートである。
図19のフローチャートに示す処理は、例えばユーザ操作により動画の撮影開始が指示されたときに開始する。
【0147】
本実施形態において、仮想照明システム10は、例えば撮影者などのユーザが所望の演出において動画等の映像作品を制作する用途に適用される。本システム10は、デジタルカメラ100による動画撮影時に照明装置200を用いることで、事後的に情報端末300等で照明効果を付与することを可能にする。本システム10によると、特に高難度な照明機材の準備を行う必要なく、後処理で所望の照明効果を編集できるといった自由度の高い映像制作を実現可能にすることができる。
【0148】
本システム10における動画の撮影動作(
図19)において、例えば制御部310は、照明装置200に、照明光の種類毎の発受光動作を実行させるように制御信号を送信する(S1A)。又、例えば制御部310は、デジタルカメラ100に、動画のフレーム毎の撮影動作を実行させるように制御信号を送信する(S2A)。
【0149】
本実施形態のステップS1A,S2Aにおいて、例えば制御部310は、実施形態1(
図6)のステップS1,S2と同様の処理において、照明装置200とデジタルカメラ100とを排他的に動作させるように各々の制御信号を生成する。こうした排他制御については後述する(
図20参照)。
【0150】
又、例えば制御部310は、デジタルカメラ100により撮影されるフレーム毎に、反射特性の推定処理を行う(S4A)。ステップS4Aの処理は、現在以前の所定数のフレームにおいて照明装置200により取得された照度分布データに基づいて、実施形態1の反射特性の推定処理(
図6のS4)と同様に行われる。
【0151】
制御部310は、例えば動画の撮影終了が指示されていないとき(S10でNO)、ステップS1A以降の処理を繰り返す。例えばユーザ操作による動画の撮影終了の指示が入力されると(S10でYES)、制御部310は、撮影された動画データとフレーム毎の反射率の推定情報とを適宜、関連付けて記憶部240等に格納して、
図19のフローに示す処理を終了する。
【0152】
以上の処理によると、デジタルカメラ100による動画撮影と同時進行で照明装置200を動作させることで、撮影される動画におけるカメラワーク或いは被写体の動き等に応じて刻々と変化する照度分布データを取得することができる。この際、照度分布データを取得するための発光が動画データに映ってしまい不自然な照明効果等の影響を及ぼす課題が考えられる。本システム10において、こうした新たな課題を解決するための排他制御について、
図20を用いて説明する。
【0153】
図20は、本システム10における排他制御の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図20(A)は、照明装置200の発光タイミングを例示する。
図20(B)は、デジタルカメラ100の露光タイミングを例示する。
【0154】
図20の例では、動画のフレーム期間T1中に、露光マスク期間T11と、露光期間T12とが設けられている。例えば、露光マスク期間T11はステップS1に対応し、露光期間T12はステップS2に対応する。例えば、1/60秒のフレーム期間T1に対して、露光マスク期間T11を3ミリ秒に設定すると、露光期間T12を14ミリ秒程度までに確保できる。なお、各期間T1,T11,T12は上記に限らず、適宜設定可能である。
【0155】
本動作例において、照明装置200は、例えば
図20(A)に示すように、フレーム期間T1において露光マスク期間T11中に、照明光を発光して受光する動作を行う(S1A)。その後の露光期間T12中に、照明装置200は、照明光の発光を停止し、露光マスク期間T11中の受光結果に基づいて照度分布データを生成する。
【0156】
例えば、照明装置200は、露光マスク期間T11(S1A)の1回あたりに、第1~第3の照明光源211~213における各色の発光のうちの1種類の発光を行う。照明装置200は、露光マスク期間T11中に、複数種類の発受光を行ってもよい。例えば、上記の動作例において、照明装置200は、動画撮影の初期段階に、全種類の発受光を行ってもよい。
【0157】
一方、デジタルカメラ100は、例えば
図20(B)に示すように、フレーム期間T1において照明光が発光される露光マスク期間T11中にはイメージセンサ115を露光させず、照明光の発光が停止される露光期間T12中にイメージセンサ115を露光させる(S2A)。
【0158】
本システム10では、以上のようにデジタルカメラ100の動画撮影における露光と照明装置200の発光とを排他制御することで、動画撮影中の照度分布データが取得できると共に、照度分布データを得るための発光が動画に影響を及ぼすような事態を回避できる。よって、動画中で動く被写体等の撮像画像に対して、自然な照明効果を実現し易くすることができる。
【0159】
以上のように、本実施形態における情報処理装置の一例の情報端末300は、デジタルカメラ100により被写体が撮像された画像を示す画像データ、及び、照明装置200から被写体に照射した照明光による分布を示す照度分布情報を取得する取得部の一例の通信部350と、デジタルカメラ100および照明装置200を制御する制御部310とを備える。デジタルカメラ100は、所定周期において被写体を順次、撮像して、画像データを生成する。制御部310は、所定周期において、デジタルカメラ100が被写体を撮像していないときに、照明装置200から照明光を被写体に照射させ、照明装置200が照明光を被写体に照射していないときに、デジタルカメラ100に被写体を撮像させる(S1A,S2A、
図20参照)。
【0160】
こうした情報処理装置によっても、仮想照明システム10にて、被写体の画像において自然な照明効果を実現し易くすることができる。又、こうした情報処理装置は、画像データ又は照度分布情報の何れかを取得するものであってもよい。例えば、デジタルカメラ100又は照明装置200が情報処理装置の一例であってもよい。
【0161】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1~2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0162】
上記の実施形態1では、回転台400を用いた物品撮影動作について説明したが、物品撮影動作は、特に回転台400を用いずに行われてもよい。こうした変形例について、
図21を用いて説明する。
【0163】
図21は、物品撮影動作の変形例1の環境を例示する。本変形例では、回転台400の代わりに、水平面などの同一平面上で物品1の周囲を囲むレール450が配置されている。レール450は、デジタルカメラ100の支持部をスライド移動可能に構成される。本変形例では、
図6と同様の動作において、回転台400により物品1を回転させる代わりに、レール450に沿ってデジタルカメラ100を物品1の全周囲にわたり回転させながら、動画等を撮影する。これによっても、物品1の全周にわたる撮像画像を取得して、上記の例と同様に物品1のモデル情報を作成できる。
【0164】
又、上記のような物品撮影動作は、レール450を用いる代わりに、デジタルカメラ100を用いる撮影者が物品1の周囲を移動しながら撮影することによって行われてもよい。また、物品撮影動作においては、複数の照明装置200が用いられてもよい。例えば、物品1の周囲に複数の照明装置200が配置されてもよい。
【0165】
また、上記の各実施形態では、物品1の全周にわたる物品撮影動作について説明したが、特に物品1の全周でなくてもよい。例えば、デジタルカメラ100は、物品1の全周のうちの一部についての動画を撮影してもよいし、物品1に対して互いに異なる向きから複数回の静止画等の撮影を行ってもよい。これによっても、物品1が互いに異なる向きから撮像された複数の撮像画像についてモデル情報を得られ、配置シミュレーションに利用できる。
【0166】
又、上述した物品撮影動作における物品1の全周又はその一部は、特に同一平面上に限らず、立体的であってもよい。こうした変形例について、
図22を用いて説明する。
【0167】
図22は、物品撮影動作の変形例2を説明するための図である。本変形例では、上記の変形例のレール450の代わりに、デジタルカメラ100が物品1の周囲を立体的にスライド可能なスライダ455が用いられる。スライダ455は、例えばレール450と同様の構成に加えて、デジタルカメラ100がスライド移動する範囲を、水平面等から外す立体的な回転が可能な回転軸を有する。本実施形態において、デジタルカメラ100の物品撮影動作(
図6)は、例えばこうしたスライダ455により、全球面または半球面における物品1の全周において所望の範囲を撮影してもよい。これにより、物品1のモデル情報(
図6のS7)における3次元的なモデリングを高精度にしたり、配置シミュレーション等においてユーザが物品1を閲覧する際に物品1の向きを変更可能な方向(
図17参照)の自由度を向上したりすることができる。
【0168】
また、上記の各実施形態では、物品1等のモデル情報の一例を説明したが、モデル情報はこれに限定されない。本実施形態の仮想照明システム10において、モデル情報は、デジタルカメラ100により被写体を撮像した画像データと、照明装置200による被写体の照度分布データとを互いに関連付けた情報であってもよい。例えば
図6のフローと同様の処理において、情報端末300の制御部310は、ステップS4の処理を特に行わず、ステップS7に代えて上記関連付けによるモデル情報を生成してもよい。こうしたモデル情報に基づいて、例えば配置シミュレーション処理(
図16)の実行時に、ステップS4と同様の処理が行われてもよい。
【0169】
また、上記の各実施形態では、仮想照明システム10の各種情報処理が情報端末300により行われる例を説明した。本システム10は、特にこれに限定されず、例えば情報端末300とデータ通信するサーバ装置をさらに用いてもよい。例えば、配置シミュレーション処理(
図16)における仮想照明の演算処理(S35)がサーバ装置で行われてもよい。情報端末300はこうしたサーバ装置にステップS32~S34で得られた情報を送信し、ステップS35の処理結果をサーバ装置から受信してもよい。又、各種撮影動作においても、反射特性の推定処理(S4,S23)と各種モデル情報の生成(S7,S24)の一部又は全てがサーバ装置で行われてもよい。
【0170】
また、上記の各実施形態では、背景2上で物品1の配置シミュレーション処理を行う仮想照明システム10を説明した。本実施形態において、仮想照明システム10は、特に配置シミュレーションに限らない仮想照明についての演算処理を行ってもよい。例えば、本実施形態の仮想照明システム10は、ユーザが物品1の外観を確認するための仮想照明のシミュレーション処理を行ってもよい。こうした場合においても、シミュレーション時に実際の物品1の色味又は質感といった外観が再現し難い場合が考えられる。
【0171】
これに対して、本実施形態の仮想照明システム10によると、物品1の撮影時に照明装置200を用いて得られる情報を上記実施形態と同様に利用することにより、自然な照明効果を実現して、物品1の外観の再現性を高めることができる。例えば、本実施形態の仮想照明システム10において、制御部310は、
図16と同様の処理において背景画像G2等の表示を省略して、本実施形態のシミュレーション処理を行うことができる。
【0172】
また、本実施形態の仮想照明システム10は、物品1のみのシミュレーション処理に限らず、背景2のみのシミュレーション処理に用いられてもよい。例えば、不動産物件を背景2として照明装置200を用いて撮影しておき、本システム10が、こうして得られるモデル情報を用いて仮想的な内見のシミュレーション処理を行ってもよい。
【0173】
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ100と照明装置200と情報端末300とを備える仮想照明システム10を説明したが、本実施形態の仮想照明システム10はこれに限定されない。例えば、本実施形態の仮想照明システム10において、デジタルカメラ100は省略されてもよい。例えば、照明装置200の受光部220としてのイメージセンサ等を用いて、被写体の画像が撮像あるいは取得されてもよい。又、本システム10において、照明装置200と撮像装置とが一体的に構成されてもよい。さらに被写体の画像は本システム10の外部から取得されてもよい。
【0174】
また、上記の各実施形態では、情報処理装置の一例として情報端末300を例示した。本実施形態において、情報処理装置は、特に情報端末300に限らず、例えばサーバ装置であってもよい。また、デジタルカメラ100が、制御部135等により情報処理装置の機能を有してもよい。この場合、デジタルカメラ100のイメージセンサ115が撮像装置の一例として機能してもよい。
【0175】
また、上記の各実施形態では、光学系110及びレンズ駆動部112を備えるデジタルカメラ100を例示した。本実施形態の撮像装置は、光学系110及びレンズ駆動部112を備えなくてもよく、例えば交換レンズ式のカメラであってもよい。
【0176】
また、上記の各実施形態では、撮像装置の例としてデジタルカメラを説明したが、これに限定されない。本開示の撮像装置は、画像撮影機能を有する電子機器(例えば、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等)であればよい。
【0177】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本開示は、種々の被写体が撮影された画像に事後的に照明効果を付与する用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0179】
10 仮想照明システム
100 デジタルカメラ
200 照明装置
210 発光部
220 受光部
300 情報端末
310 制御部
320 記憶部
330 操作部
340 表示部
350 通信部