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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136031
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ハニカム構造体
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/94 20060101AFI20230922BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20230922BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20230922BHJP
   F01N 3/023 20060101ALI20230922BHJP
   H05B 3/12 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B01D53/94 300
F01N3/20 K ZAB
F01N3/24 L
F01N3/023 E
H05B3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041430
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】村橋 寛
(72)【発明者】
【氏名】植村 公一
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
3K092
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AB13
3G091BA07
3G091CA03
3G091GA06
3G091GA10
3G091GB01W
3G091GB01Y
3G091GB06W
3G091GB07W
3G091GB09W
3G091GB13Y
3G190BA21
3G190CA02
3G190CB13
3G190DA25
3K092PP15
3K092QB02
4D148AA06
4D148AA13
4D148AA18
4D148AB01
4D148AB02
4D148AB09
4D148BA07Y
4D148BA11Y
4D148BA23Y
4D148BA30Y
4D148BA31Y
4D148BA33Y
4D148BB02
(57)【要約】
【課題】 排ガス浄化性能の向上と、ハニカムセグメントの破損の抑制を両立させることのできるハニカムフィルタを提供すること。
【解決手段】 多数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメントを接着剤層を介して複数組み合わせてなるハニカム構造体であって、電熱線が上記接着剤層の内部に配置されており、上記電熱線の端部には、外部から通電するための電極端子が接続されており、上記電熱線と上記電極端子とは、上記接着剤層の内部で接合されており、上記電熱線と上記電極端子とが接合された接合部の厚さが、上記電熱線と上記電極端子とが接合されていない非接合部における上記電熱線の厚さと上記電極端子の厚さの合計よりも薄いことを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】 図5B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメントを接着剤層を介して複数組み合わせてなるハニカム構造体であって、
電熱線が前記接着剤層の内部に配置されており、
前記電熱線の端部には、外部から通電するための電極端子が接続されており、
前記電熱線と前記電極端子とは、前記接着剤層の内部で接合されており、
前記電熱線と前記電極端子とが接合された接合部の厚さが、前記電熱線と前記電極端子とが接合されていない非接合部における前記電熱線の厚さと前記電極端子の厚さの合計よりも薄いことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】
前記接合部の厚さが1mm以下である、請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記接着剤層の厚さが1~3mmである、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記接着剤層の厚さ方向からみたときに、前記接合部において、前記電熱線と前記電極端子とが重なっている、請求項1~3のいずれかに記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記電熱線の長手方向に直交する断面において、前記接合部における前記電熱線の断面積と前記非接合部における前記電熱線の断面積とが略同一であり、前記接合部における前記電熱線の断面形状が略扁平形状であり、前記非接合部における前記電熱線の断面形状が略円形である、請求項4に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記接合部における前記電極端子の厚さが、前記非接合部における前記電極端子の厚さよりも薄い、請求項4又は5に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記接着剤層の厚さ方向に直交する方向からみたときに、前記接合部において、前記電熱線と前記電極端子とが重なっている、請求項1~4のいずれかに記載のハニカム構造体。
【請求項8】
複数本の電熱線が並列つなぎで接続されている、請求項1~7のいずれかに記載のハニカム構造体。
【請求項9】
前記ハニカム構造体の端面視において、前記ハニカムセグメントは縦横に格子状に組み合わされており、すべての前記電熱線は、前記格子状の縦横のうちいずれか一方である第1の方向に沿って、同じ方向で配置されている、請求項1~8のいずれかに記載のハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから排出された排ガス中に含まれる有害物質を浄化するため、排気管の経路には、排ガス浄化が可能な触媒を担持したハニカム基材を備える排ガス浄化装置が設けられている。
排ガス浄化装置による有害物質の浄化効率を高めるためには、排ガス浄化装置の内部の温度を触媒活性化に適した温度(以下、触媒活性化温度ともいう)に維持する必要がある。
【0003】
特許文献1には、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるススを捕集して排ガスを浄化する排ガス浄化装置が開示されている。特許文献1に記載の排ガス浄化装置では、複数のフィルタ(ハニカムセグメントともいう)が複数個隣接して配置されている。ハニカムセグメント同士の間には、フィルタ内部に堆積したススを燃焼させるために発熱体としての電熱線が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-54643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハニカムセグメント同士の間に配設された電熱線は、溶接等の手段により電極端子と接合された後、電極端子を介して外部電源と接続される。
電熱線の熱エネルギーを効率よくハニカムセグメントに伝達するためには、電熱線の端部をフィルタ間に配置する必要がある。すなわち、電熱線と電極端子との接合部をハニカムセグメント同士の間に配置する必要がある。
【0006】
しかしながら、電熱線と電極端子との接合部をハニカムセグメント同士の間に配置した場合、接合部がハニカムセグメントに接触して、ハニカムセグメントを破損させることがあった。
上記の課題は、ハニカムセグメント同士の間の隙間を大きくすることで回避することができるが、この場合には、ハニカムセグメントの占める体積割合が減少することにより、排ガス浄化性能が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、排ガス浄化性能の向上と、ハニカムセグメントの破損の抑制を両立させることのできるハニカムフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明のハニカム構造体は、多数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメントを接着剤層を介して複数組み合わせてなるハニカム構造体であって、電熱線が上記接着剤層の内部に配置されており、上記電熱線の端部には、外部から通電するための電極端子が接続されており、上記電熱線と上記電極端子とは、上記接着剤層の内部で接合されており、上記電熱線と上記電極端子とが接合された接合部の厚さが、上記電熱線と上記電極端子とが接合されていない非接合部における上記電熱線の厚さと上記電極端子の厚さの合計よりも薄いことを特徴とする。
【0009】
電熱線と電極端子とが接合された接合部の厚さは通常、電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計に等しくなるか、合計より厚くなる。そのため、接合部を接着剤層の内部に配置した場合、ハニカムセグメント間の隙間を小さくして排ガス浄化率を向上させることと、接合部によるハニカムセグメントの破損の抑制とを両立させることができない。
【0010】
これに対して、本発明のハニカム構造体では、接合部の厚さが、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くなっている。そのため、ハニカムセグメント間に配置される接着剤層の厚さを薄くして排ガス浄化性能を向上させつつ、接合部がハニカムセグメントと接触してハニカムセグメントを破損させることを抑制することができる。
【0011】
本発明のハニカム構造体は、上記接合部の厚さが1mm以下であることが好ましい。
接合部の厚さが1mm以下であると、ハニカムセグメントの破損をさらに抑制することができる。また、接着剤層の厚さを薄くすることができる。
【0012】
本発明のハニカム構造体は、上記接着剤層の厚さが1~3mmであることが好ましい。
接着剤層の厚さが1~3mmであると、ハニカム構造体に占めるハニカムセグメントの体積を大きくすることができ、排ガス浄化性能を高めることができる。
【0013】
本発明のハニカム構造体は、上記接着剤層の厚さ方向からみたときに、上記接合部において、上記電熱線と上記電極端子とが重なっていることが好ましい。
上記構成であると、電熱線と電極端子との接合面積を大きくすることができ、接合強度を高めることができる。
【0014】
本発明のハニカム構造体は、上記電熱線の長手方向に直交する断面において、上記接合部における上記電熱線の断面積と上記非接合部における上記電熱線の断面積とが略同一であり、上記接合部における上記電熱線の断面形状が略扁平形状であり、上記非接合部における上記電熱線の断面形状が略円形であることが好ましい。
上記構成であると、電熱線において異常発熱する部分がないようにするとともに、接合部における電熱線と電極端子との接触面積を増加させて、接合強度を高めることができる。
【0015】
本発明のハニカム構造体は、上記接合部における上記電極端子の厚さが、上記非接合部における上記電極端子の厚さよりも薄いことが好ましい。
上記構成であると、電熱線を変形させることなく、接合部の厚さを薄くすることができる。
【0016】
本発明のハニカム構造体は、上記接着剤層の厚さ方向に直交する方向からみたときに、上記接合部において、上記電熱線と上記電極端子とが重なっていることが好ましい。
上記構成であると、接合部の厚さをさらに薄くすることができる。
【0017】
本発明のハニカム構造体は、複数本の電熱線が並列つなぎで接続されていることが好ましい。
複数本の電熱線が並列つなぎで接続されていると、電熱線の一部が断線したとしてもハニカム構造体に設けられた電熱線により構成される回路の全体が断線することがないので、加熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0018】
本発明のハニカム構造体の端面視において、ハニカムセグメントは縦横に格子状に組み合わされており、すべての上記電熱線は、上記格子状の縦横のうちいずれか一方である第1の方向に沿って、同じ方向で配置されていることが好ましい。
このような構成であると、局所的な発熱を抑えることができる。また、第1の方向と直交する方向には電熱線が配置されていないため、接着剤層によるハニカムセグメント間の接着力を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、ハニカムセグメントの長手方向に垂直な方向の断面図である。
図3図3は、図1に示すハニカム構造体の部分断面図である。
図4図4は、図1に示すハニカム構造体を第1の端面側からみた端面視図である。
図5A図5Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部の一例を示す模式図である。
図5B図5Bは、図5Aを電熱線の側面からみた側面図である。
図5C図5Cは、図5Aを電極端子側からみた側面図である。
図5D図5Dは、図5BにおけるB-B線断面図である。
図6A図6Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部の別の一例を示す模式図である。
図6B図6Bは、図6Aを電熱線の側面からみた側面図である。
図6C図6Cは、図6Aを電極端子側からみた側面図である。
図7A図7Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部のさらに別の一例を示す模式図である。
図7B図7Bは、図7Aを電熱線の側面からみた側面図である。
図7C図7Cは、図7Aを電極端子側からみた側面図である。
図8A図8Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部のさらに別の一例を示す模式図である。
図8B図8Bは、図8Aを電熱線の側面からみた側面図である。
図8C図8Cは、図8Aを電極端子側からみた側面図である。
【0020】
(発明の詳細な説明)
[ハニカム構造体]
以下、本発明のハニカム構造体について説明する。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメントを接着剤層を介して複数組み合わせてなるハニカム構造体であって、電熱線が上記接着剤層の内部に配置されており、上記電熱線の端部には、外部から通電するための電極端子が接続されており、上記電熱線と上記電極端子とは、上記接着剤層の内部で接合されており、上記電熱線と上記電極端子とが接合された接合部の厚さが、上記電熱線と上記電極端子とが接合されていない非接合部における上記電熱線の厚さと上記電極端子の厚さの合計よりも薄いことを特徴とする。
【0021】
図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すハニカム構造体1は、多数のセル21を区画形成する隔壁22を有するハニカムセグメント20を複数組み合わせてなり、ガスが流入する第1の端面11とガスが流出する第2の端面12を有する。
ハニカムセグメント20のセル21が伸びる方向を長手方向(図1に両矢印Lで示す方向)とする。
複数のハニカムセグメントは接着剤層30を介して組み合わされている。
また、電極端子40が第1の端面11から突出している。
【0022】
ハニカムセグメント(隔壁)を構成する材料としては、SiC、Si含浸SiC等の熱伝導率が高いものであることが望ましい。
【0023】
隔壁の厚さは、均一であることが好ましい。具体的には、隔壁の厚さは、0.30mm未満であることが好ましい。また、0.05mm以上であることが好ましい。
【0024】
セルの形状としては、四角柱状に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。
セルの形状はそれぞれ異なっていてもよいが、全て同じであることが好ましい。すなわち、ハニカムセグメントの長手方向に垂直な断面において、隔壁に囲まれたセルのサイズが同じであることが好ましい。
【0025】
隔壁の気孔率は、50%以下であることが望ましい。
隔壁の気孔率が50%以下であると、高い機械的強度と排ガス浄化性能を両立させることができる。
【0026】
隔壁の気孔率が50%を超えると、気孔率が高くなりすぎるため、ハニカムセグメントの機械的特性が低下し、ハニカム構造体を使用中、クラックや破壊等が発生し易くなる。
【0027】
ハニカム構造体の形状は特に限定されるものではなく、円柱状に限られず、角柱状、楕円柱状、長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。
【0028】
ハニカム構造体の形状が円柱状である場合、ハニカム構造体の端面の直径に対するハニカム構造体の長手方向の長さの割合(長さ/直径)が0.8以下であることが好ましい。
【0029】
ハニカム構造体の長手方向の長さは150mm以下であることが好ましく、また、50mm以上であることが好ましい。
【0030】
図2は、ハニカムセグメントの長手方向に垂直な方向の断面図である。
内燃機関から排出された排ガス(図2中、排ガスの流れを矢印Gで示す)が、ハニカムセグメント20に到達すると、排ガスは、ハニカムセグメント20の第1の端面11からセル21に流入する。さらに、排ガスは、隔壁22に担持された触媒23に接触しながらセル21の中を通過する。この際、排ガス中のCOやHC、NO等の有害なガス成分が隔壁22に担持された触媒23により浄化される。そして、排ガスは、ハニカムセグメント20の第2の端面12においてセル21から流出する。
【0031】
触媒23としては、排ガスを処理できれば特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属からなる触媒、ゼオライト、チタニア、酸化バナジウム等が挙げられる。ゼオライトとしてはCHA型ゼオライトであってもよく、ゼオライトはCu等でイオン交換されていてもよい。
これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの触媒が担持されていると、COやHC、NO等の有毒な排ガスを好適に浄化することができる。
とくに、ゼオライトを触媒としてNOxを還元するSCR触媒としてハニカム構造体を使用することが好ましい。
【0032】
図3は、図1に示すハニカム構造体の部分断面図である。
隣接するハニカムセグメント20の間には電熱線50が配置されている。そして、電熱線50の両端には電極端子40が設けられていて、電極端子40が第1の端面11から突出している。
電熱線50は接着剤層30の内部に配置されている。
【0033】
電熱線の材料としては、ニッケルクロム合金、ニッケルクロム鉄合金、クロム鉄アルミニウム合金等を使用することができる。また、電熱線は線状でも板状でも使用することができる。
電熱線が線状の場合、その直径は特に限定されるものではないが、0.1~1mmであることが好ましく、板状の場合、その厚さは限定されるものではないが、0.1~0.5mmであり、その幅は1~10mmであることが好ましい。
【0034】
接着剤層は、無機バインダと無機粒子とを含む接着剤ペーストを塗布、乾燥させたものである。上記接着剤層は、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
また、接着剤層の厚さは1~3mmであることが好ましく、1~2mmであることがより好ましく、1~1.5mmであることがさらに好ましい。
【0035】
電熱線50の両端には電極端子40が接続されていて、電極端子40が第1の端面11から突出しており、電極端子40から電熱線50に給電して電熱線を発熱させることができる。電極端子40は板状であり、電熱線50と接合されている。
電極端子40同士は、電極端子間を接続する配線により接続される。
【0036】
図3に示す電熱線50は、複数の電熱線(50A、50B、50C)が並列つなぎで接続された組電熱線である。各電熱線の両端に電極端子40が接続されている。
電熱線が組電熱線であると、複数の電熱線のうちの1本が断線したとしても組電熱線全体としては断線しないため、加熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0037】
ハニカム構造体の長手方向のうち、電熱線が配置される領域は限定されず、ハニカム構造体の長手方向の一部だけに電熱線が設けられていてもよいし、長手方向の全部に電熱線が設けられていてもよい。
【0038】
図4は、図1に示すハニカム構造体を第1の端面側からみた端面視図である。
図4に示すハニカム構造体1の端面視において、ハニカムセグメント20は縦横に格子状に組み合わされている。この格子状の一方の方向を第1の方向とし、第1の方向と直交する方向を第2の方向とする。
図4では横方向を第1の方向、縦方向を第2の方向とする。
【0039】
全ての電熱線50は、第1の方向に沿って同じ方向で配置されている。
図4では、電熱線が配置されている、第1の方向に沿った接着剤層30aを濃いハッチングで示しており、電熱線が配置されていない、第2の方向に沿った接着剤層30bを薄いハッチングで示している。
このような構成であると、局所的な発熱を抑えることができる。また、第1の方向と直交する第2の方向には電熱線が配置されていないため、接着剤層によるハニカムセグメント間の接着力を高くすることができる。
【0040】
図4に示す、第1の方向に沿った接着剤層30aに配置された電熱線はそれぞれ組電熱線となっている。そして、組電熱線同士が並列つなぎで接続されている。
このことを詳細に説明する。
ハニカムセグメントの間にある、第1の方向に沿った接着剤層30a1に配置された組電熱線を第1の組電熱線50a1とする。
第1の組電熱線50a1が配置された位置とは異なる位置において隣接するハニカムセグメントの間には、第1の方向に沿った別の接着剤層30a2がある。接着剤層30a2に配置された組電熱線を第2の組電熱線50a2とする。
そして、第1の組電熱線50a1、第2の組電熱線50a2が、電極端子間を接続する配線により並列つなぎで接続されている。
図4には第1の方向に沿った接着剤層30aが6本あり、各接着剤層30aに組電熱線が配置されている。6本の組電熱線が配線により並列つなぎで接続されている。
【0041】
組電熱線が並列つなぎで接続されていると、一部の組電熱線が断線したとしてもハニカム構造体に設けられた電熱線により構成される回路の全体が断線することがないので、加熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0042】
電熱線の両端はそれぞれ、電極端子と接合されている。
電熱線のうち電極端子と接合されている部分を接合部といい、それ以外の部分を非接合部という。同様に、電極端子のうち電熱線と接合されている部分を接合部といい、それ以外の部分を非接合部という。
【0043】
電熱線において、接合部と非接合部とで断面形状は同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、電熱線において、接合部の厚さは、非接合部の厚さと同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0044】
電熱線と電極端子とが接合された接合部の厚さは、電熱線と電極端子とが接合されていない非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄い。
【0045】
接合部の厚さが、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄いと、ハニカムセグメント間に配置される接着剤層の厚さを薄くして排ガス浄化性能を向上させつつ、接合部がハニカムセグメントと接触してハニカムセグメントを破損させることを抑制することができる。
【0046】
接合部の厚さは、1mm以下であることが好ましい。
接合部の厚さが1mm以下であると、ハニカムセグメントの破損をさらに抑制することができる。また、接着剤層の厚さを薄くすることができる。
【0047】
接着剤層を厚さ方向からみたときに、接合部において、電熱線と電極端子とが重なっていることが好ましい。
【0048】
接合部の厚さは、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計の90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることがさらに好ましい。
【0049】
接合部の接合強度は、50N以上であることが好ましく、170N以上であることがより好ましく、210N以上であることがさらに好ましく、電熱線の引張強度以上であることが最も好ましい。
接合部の接合強度は、電熱線と電極端子とを接合したものをサンプル(測定用サンプル)とし、引張試験機を用いて測定することができる。
【0050】
以下、本発明のハニカム構造体における接合部の例を説明する。
【0051】
図5Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部の一例を示す模式図である。図5Bは、図5Aを電熱線の側面からみた側面図である。図5Cは、図5Aを電極端子側からみた側面図である。図5Dは、図5BにおけるB-B線断面図である。
【0052】
図5Aに示す接合部では、厚さ方向からみたときに、電熱線50と電極端子40とが重なっている。なお、厚さ方向とは、接着剤層の厚さ方向を意味する。
【0053】
図5A図5B及び図5Cに示すように、電熱線50の端部50aは断面形状が扁平形状となっている。また、図5Dに示すように、電熱線50の端部50a以外の部分の断面形状は、略円形である。
【0054】
電極端子40は、図5B及び図5Cに示すように厚さが一定の平板形状を有している。
【0055】
電熱線50と電極端子40とは互いに接合されている。具体的には、電熱線50の端部50aが、電極端子40と接合されている。そのため、電熱線50の端部50aを、電熱線50の接合部ともいう。電極端子40が電熱線の端部50aと接合されている部分40aを電極端子40の接合部ともいう。
電熱線50と電極端子40とが接合された接合部は、図5B中、両矢印J1で示す部分である。電熱線50と電極端子40とが接合されていない非接合部は、図5B中、両矢印N1で示す部分である。
接合部J1と非接合部N1とで、電熱線50の断面積は略同一であり、接合部J1における電熱線50の断面形状は略扁平形状で、非接合部N1における電熱線50の断面形状は略円形である。
【0056】
接合部J1における電熱線50の厚さT50aは、非接合部N1における電熱線50の厚さT50よりも薄くなっている。また、接合部J1における電極端子40の厚さT40aは、非接合部N1における電極端子40の厚さT40と変わらない。
電熱線50と電極端子40とが接合された接合部J1の厚さT1は、接合部J1における電極端子40の厚さT40aと電熱線50の厚さT50aの合計で表される。従って、接合部J1の厚さT1は、非接合部N1における電熱線50の厚さT50と電極端子40の厚さT40の合計よりも薄くなっている。
【0057】
図5A図5B及び図5Cに示すように、電熱線の先端を扁平形状に変形させ、変形した部分を電極端子と接合することによって、接合部の厚さを、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くすることができる。
【0058】
扁平形状に変形させた電熱線の先端の厚さは、変形していない電熱線の厚さ(線径)の50~80%であることが好ましい。
【0059】
図5A図5B及び図5Cに示す形態は、電熱線の長手方向に直交する断面において、接合部における電熱線の断面積と非接合部における電熱線の断面積とが略同一であり、接合部における電熱線の断面形状が略扁平形状であり、非接合部における電熱線の断面形状が略円形であるといえる。
【0060】
図6Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部の別の一例を示す模式図である。図6Bは、図6Aを電熱線の側面からみた側面図である。図6Cは、図6Aを電極端子側からみた側面図である。
【0061】
図6Aに示す接合部では、厚さ方向からみたときに、電熱線51と電極端子41とが重なっている。
【0062】
電熱線51は、断面形状が一様に略円形である線状である。
【0063】
電極端子41は、溝60を有する平板形状である。
厚さ方向からみたときに、電熱線51は、溝60に重なるように配置されている。
【0064】
電熱線51と電極端子41とは互いに接合されている。具体的には、電熱線51の端部51aが、電極端子41と接合されている。そのため、電熱線51の端部51aを、電熱線51の接合部ともいう。電極端子41が電熱線の端部51aと接合されている部分41aを電極端子41の接合部ともいう。
電熱線51と電極端子41とが接合された接合部は、図6B中、両矢印J2で示す部分である。電熱線51と電極端子41とが接合されていない非接合部は、図6B中、両矢印N2で示す部分である。
また、接合部J2と非接合部N2とで、電熱線51の断面積は同一であり、接合部J2における電熱線51の断面形状及び非接合部N2における電熱線51の断面形状はいずれも略円形である。
【0065】
図6B及び図6Cに示すように、厚さ方向に直交する方向からみたときに、電熱線51と電極端子41とが重なっている。換言すると、電熱線51の一部が、溝60に埋没している。溝60が形成されている接合部J2における電極端子41の厚さはT41aで示され、溝60が形成されていない非接合部N2における電極端子41の厚さT41よりも薄い。
【0066】
電熱線51と電極端子41とが接合された接合部J2の厚さT2は、接合部J2における電極端子41aの厚さT41aと電熱線51の厚さT51aの合計で表される。従って、接合部J2の厚さT2は、非接合部における電熱線51の厚さT51と、電極端子41の厚さT41の合計よりも薄くなっている。
【0067】
図6A図6B及び図6Cに示すように、電熱線の少なくとも一部が埋没可能な溝を電極端子に形成し、当該溝に電熱線の少なくとも一部が埋没した状態で電熱線と電極端子とを接合することで、接合部の厚さを、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くすることができる。
【0068】
なお、図6A図6B及び図6Cでは、電極端子41のうち、電熱線51と接触しない位置にも溝60が形成されているが、溝60は、電熱線51と接触する位置だけに設けられていてもよい。
【0069】
図6A図6B及び図6Cに示す形態は、接合部における電極端子の厚さが、非接合部における電極端子の厚さよりも薄いといえる。
【0070】
電極端子に溝を設ける場合、溝の深さは、電極端子の厚さの20~60%であることが好ましい。
【0071】
図7Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部のさらに別の一例を示す模式図である。図7Bは、図7Aを電熱線の側面からみた側面図である。図7Cは、図7Aを電極端子側からみた側面図である。
【0072】
図7Aに示すように、厚さ方向からみたときに、電熱線52と電極端子42とは重なっていない。一方で、図7Cに示すように、厚さ方向に直交する方向からみたときに、電熱線52と電極端子42とは重なっている。
【0073】
図7Aに示すように、電熱線52の先端52aはL字状に90°折り曲げられている。
電熱線52は、断面形状が一様に略円形な線状である。
【0074】
電極端子42は、図7B及び図7Cに示すように、厚さが一定の平板形状を有している。
【0075】
図7Aに示すように、電熱線52の先端52aの側面が電極端子42に接合されている。電熱線52と電極端子42とが接合された接合部は、図7C中、両矢印J3で示す部分である。電熱線52と電極端子42とが接合されていない非接合部は、図7C中、両矢印N3で示す部分である。
また、電熱線52の先端52aを、電熱線52の接合部ともいう。電極端子42が電熱線の先端52aと接合されている部分42aを電極端子42の接合部ともいう。
【0076】
図7Cに示すように、電熱線52と電極端子42との接合部J3の厚さは、電熱線52の厚さT52と電極端子42の厚さT42のうちの厚い方と等しくなる。
従って、接合部J3の厚さT3は、非接合部N3における電熱線52の厚さT52と、電極端子42の厚さT42の合計よりも薄くなっている。
【0077】
図7A図7B及び図7Cに示すように、電熱線の先端をL字状に折り曲げて、先端を電極端子の側面に接合することによって、接合部の厚さを、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くすることができる。
【0078】
図8Aは、本発明のハニカム構造体における電熱線と電極端子との接合部のさらに別の一例を示す模式図である。図8Bは、図8Aを電熱線の側面からみた側面図である。図8Cは、図8Aを電極端子側からみた側面図である。
【0079】
図8Aに示すように、厚さ方向からみたときに、電熱線53と電極端子43とは重なっていない。一方で、図8B及び図8Cに示すように、厚さ方向に直交する方向からみたときに、電熱線53と電極端子43とは重なっている。
【0080】
電熱線53は、断面形状が一様に略円形な線状である。
【0081】
電極端子43は、厚さ方向からみたときに、矩形状の切り欠き65を有している。
切り欠き65は、電熱線53が伸びる方向に平行な側面65a及び側面65b、並びに、側面65aと側面65bを接続する側面65cを有する。
切り欠き65の幅Wは電熱線53の幅Wよりも広い。従って、切り欠き65に電熱線53の先端を嵌合することができる。
【0082】
図8Aに示すように、電熱線53の端部53aは、電極端子43の切り欠き65に嵌合した状態で接合されている。電熱線53と電極端子43とが接合された接合部は、図8B中、両矢印J4で示す部分である。電熱線53と電極端子43とが接合されていない非接合部は、図8B中、両矢印N4で示す部分である。
また、電熱線53の端部53aを、電熱線53の接合部ともいう。電極端子43が電熱線の端部53aと接合されている部分43aを電極端子43の接合部ともいう。
【0083】
図8Bに示すように、電熱線53と電極端子43との接合部J4の厚さT4は、電熱線53の厚さT53と電極端子43の厚さT43のうちの厚い方と等しくなる。
従って、接合部J4の厚さT4は、非接合部N4における電熱線53の厚さT53と、電極端子43の厚さT43の合計よりも薄くなっている。
【0084】
図8A図8B及び図8Cに示すように、電極端子に切り欠きを設けて、電熱線の先端を該切り欠きに嵌合させた状態で電極端子と接合することによって、接合部の厚さを、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くすることができる。
【0085】
図8A図8B及び図8Cに示す形態は、図6A図6B及び図6Cに示した形態において、溝の形状を、溝の深さが電極端子の厚さと等しくなる状態まで変形した例ともいえる。
【0086】
なお、図8A図8B及び図8Cでは、電極端子43の切り欠き65の側面65aだけが電熱線53と接合しており、電極端子43の切り欠き65の側面65b及び側面65cと電熱線53との間には隙間が生じている。
電熱線53と電極端子43とが接合される位置は特に限定されず、電極端子43の切り欠き65の側面65a又は側面65bだけが電熱線53と接合されていてもよいし、電極端子43の切り欠き65の側面65a及び側面65bが電熱線53と接合されていてもよいし、電極端子43の切り欠き65の側面65a、側面65b及び側面65cが電熱線53と接合されていてもよい。切り欠き65の側面と電熱線53との接合面積が大きくなるほど、電熱線53と電極端子43の接合強度が増加するため好ましい。
【0087】
本発明のハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
上記ハニカム構造体は、例えば、公知の製造方法でセラミックからなるハニカムセグメントを作製した後、ハニカムセグメントを接着剤層を介して接着することにより製造することができる。
接着剤層をハニカムセグメントの側面に形成する際に、ハニカムセグメントの間に電熱線を配置して、電熱線の端部に電極端子を接続して、電極端子がハニカム構造体の第1の端面から突出するようにする。
【0088】
ハニカムセグメントを接着する際に、ハニカム構造体において第1の方向となる方向に平行な面が露出するようにハニカムセグメントを複数個並べ、接着剤層となる接着剤ペーストを塗布し、電熱線を接着剤ペーストの上に載置する。
また、複数本の電熱線を並列つなぎで接続して組電熱線としておき、電極端子をハニカム構造体において第1の端面となる方向から露出させる。
【0089】
このとき、接合部の厚さが、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くなるように、電熱線と電極端子とを接合する。
このとき、例えば、電熱線の端部の一部をヒートプレス等により略扁平形状に変形させる方法、電極端子の一部に溝や切り欠きを形成する方法、及び、電熱線の先端の一部を折り曲げて側面で接合する方法、等を用いることができる。
【0090】
接着剤ペーストをさらに電熱線の上に塗布してから、接着剤ペーストの上にハニカムセグメントを並べる。
この工程を繰り返してハニカムセグメントを組み合わせて、ハニカム集合体とする。
ハニカム集合体を加熱することにより接着剤ペーストを加熱固化して接着剤層とし、ハニカム構造体を作製する。
ハニカム集合体は、狙いの形状にするために、外周を加工してもよく、加工後に接着剤ペーストと同様のペーストを用いて外周を塗布してもよい。
ハニカム構造体の第1の端面には電極端子が露出する。
組電熱線が並列つなぎで接続されるように、電極端子同士を接続する。
以上の工程により、ハニカム構造体を製造することができる。
【0091】
また、製造したハニカム構造体を、触媒を含むスラリーに浸漬し、乾燥することによりハニカム構造体の隔壁に触媒を担持させることが好ましい。
【実施例0092】
(実施例1)
線径0.6mmの電熱線の先端をプレスにより加圧して、電熱線の先端10mmを扁平形状(厚さ0.4mm)に加工した。
扁平形状に加工した電熱線の先端を、電極端子となる厚さ0.5mmのステンレス板に重ねて、スポット溶接により接合し、実施例1に係るサンプルを得た。
【0093】
(実施例2)
電極端子となる厚さ0.5mmのステンレス板に、機械加工により、幅0.6mm、深さ0.3mmの溝を形成した。溝が形成された部分の電極端子の厚さは0.2mmである。この溝に、線径0.6mmの電熱線の先端10mmが接触するようにして、電熱線とステンレス板とをスポット溶接により接合し、実施例2に係るサンプルを得た。
【0094】
(実施例3)
電極端子となる厚さ0.5mmのステンレス板に、機械加工により、幅0.6mm、長さ10mmの切り欠きを形成した。この切り欠きに、線径0.6mmの電熱線の先端10mmを嵌合させた状態で、電熱線とステンレス板とをスポット溶接により接合し、実施例3に係るサンプルを得た。なお、実施例3では、図8Aに示した切り欠き65のうち、側面65a及び側面65bに対応する位置において、電極端子を電熱線と接合した。
【0095】
(実施例4)
線径0.6mmの電熱線の先端10mmをL字状に90°折り曲げた。折り曲げた部分を、電極端子となる厚さ0.5mmのステンレス板の側面に接触させた状態で、電熱線とステンレス板とをスポット溶接により接合し、実施例4に係るサンプルを得た。
【0096】
(比較例1)
線径0.6mmの電熱線を電極端子となる厚さ0.5mmのステンレス板に重ねて、スポット溶接により接合し、比較例1に係るサンプルを得た。
【0097】
(接合部の厚さの測定)
各実施例及び比較例に係るサンプルを10個ずつ作成して接合部の厚みを測定し、平均値を求めた。なお、接合部の厚みが均一でない場合、最も厚い部分の厚みを測定した。結果を表1に示す。
【0098】
(耐衝撃性評価)
各実施例及び比較例に係るサンプルをセグメントの表面に静置し、さらに厚さ1mmのスペーサーを配置して、接着剤ペーストを塗布し、上から別のセグメントを静置し、圧力を加えながら1分間振動させた。その後、接着剤ペーストと接触したセグメントの表面を洗浄して観察し、破損や陥没の有無を調べた。セグメントの表面に破損又は陥没がみられたものを×、破損及び陥没がみられなかったものを○と評価した。結果を表1に示す。
【0099】
(接合強度の測定)
各サンプルにつき、ステンレス板を固定した状態で、電熱線を引張試験機により引っ張り、サンプルが破壊された際の強度を接合強度とした。測定は各実施例及び比較例につき10個のサンプルで行い、平均値を求めた。結果を表1に示す。なお、接合強度が50N以上であれば、電熱線と電極端子との接合部が充分な接合強度を備えているといえる。
【0100】
【表1】
【0101】
表1の結果より、実施例1~4に係るサンプルでは、充分な接合強度を維持しつつ、接合部における厚さを、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計よりも薄くすることができることがわかった。
比較例1に係るサンプルは充分な接合強度を備えていたが、接合部における厚さが、非接合部における電熱線の厚さと電極端子の厚さの合計に等しく、接合部がハニカムセグメントに接触しているため、耐衝撃性評価においてセグメントの表面に破損又は陥没が見られた。
【符号の説明】
【0102】
1 ハニカム構造体
11 ハニカム構造体の第1の端面
12 ハニカム構造体の第2の端面
20 ハニカムセグメント
21 セル
22 隔壁
23 触媒
30、30a、30a1、30a2、30b 接着剤層
40、41、42、43 電極端子
40a、41a、42a、43a 電極端子が電熱線と接合されている部分(接合部)
50、50A、50B、50C、51、52、53、54 電熱線
50a、51a、52a、53a 電熱線の端部(接合部)
50a1 第1の組電熱線
50a2 第2の組電熱線
60 溝
65 切り欠き
65a、65b、65c 切り欠きの側面
J1、J2、J3、J4 接合部
N1、N2、N3、N4 非接合部

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C