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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136086
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】衝撃吸収機構
(51)【国際特許分類】
   F16F 7/12 20060101AFI20230922BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20230922BHJP
   B62D 29/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
F16F7/12
B62D21/15 B
B62D29/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041512
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 豪軌
(72)【発明者】
【氏名】武井 一剛
(72)【発明者】
【氏名】西村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
【テーマコード(参考)】
3D203
3J066
【Fターム(参考)】
3D203BB12
3D203CA25
3D203CA40
3D203CA43
3J066AA02
3J066AA23
3J066BA03
3J066BB01
3J066BC01
3J066BD10
3J066BF01
(57)【要約】
【課題】好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供する。
【解決手段】衝撃吸収機構は、柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部を、その軸方向と直交する方向に配列したものである。衝撃吸収機構の全ての衝撃吸収部の木材は、木材種において共通する。また、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす無節材である。さらに、全ての衝撃吸収部の木材の軸方向の長さが同一である。
d1-0.05≦d≦d1+0.05
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、
全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす無節材である
d1-0.05≦d≦d1+0.05
ことを特徴とする衝撃吸収機構。
【請求項2】
柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、
全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす有節材である
d1+0.05<d
ことを特徴とする衝撃吸収機構。
【請求項3】
柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、
全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、
一部の前記衝撃吸収部の木材が、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす無節材であり、
d1-0.05≦d≦d1+0.05
残りの前記衝撃吸収部の木材が、気乾密度dが次式を満たす有節材である
d1+0.05<d
ことを特徴とする衝撃吸収機構。
【請求項4】
d1の値が0.35であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
【請求項5】
全ての前記衝撃吸収部の木材の軸方向の長さが同一であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の側面衝突時の衝撃吸収機構として、柱状の木材からなる衝撃吸収部を複数本平行に配置し、衝突時に木材が軸圧縮されて潰れることにより衝撃を吸収するものがある。一般的に、これらの衝撃吸収部は同一の長さであるが、特許文献1には、衝撃吸収部の長さを、衝突時に衝撃吸収部に生じる圧縮荷重変動波が所定の位相差となるように調節することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-112152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同一長さの複数本の衝撃吸収部を並べても、必ずしもこれらの衝撃吸収性能が同一というわけではなく、木材のばらつきにより、衝突箇所によって衝撃吸収部が吸収するエネルギーに違いが生じることがある。
【0005】
また特許文献1においても、個々の衝撃吸収部の衝撃吸収性能にばらつきがあると、衝撃吸収部が所定のタイミングで圧壊せず、衝撃吸収機構全体として期待された衝撃吸収効果が得られない。
【0006】
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための第1の発明は、柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす無節材であることを特徴とする衝撃吸収機構である。
d1-0.05≦d≦d1+0.05
【0008】
第2の発明は、柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす有節材であることを特徴とする衝撃吸収機構である。
d1+0.05<d
【0009】
第3の発明は、柱状の木材を含む複数の衝撃吸収部が、その軸方向と直交する方向に配列された車両の衝撃吸収機構であって、全ての前記衝撃吸収部の木材が、木材種において共通し、一部の前記衝撃吸収部の木材が、当該木材種の全乾密度をd1(g/cm3)とした時に、気乾密度d(g/cm3)が次式を満たす無節材であり、
d1-0.05≦d≦d1+0.05
残りの前記衝撃吸収部の木材が、気乾密度dが次式を満たす有節材であることを特徴とする衝撃吸収機構である。
d1+0.05<d
【0010】
本発明者は、鋭意実験、検討を行うことにより、衝撃吸収機構に使用する全ての衝撃吸収部の木材を、第1~第3の発明のいずれかにより選定することで、衝撃吸収性能のばらつきを抑制できることを見出した。本発明の衝撃吸収機構では、これらの衝撃吸収部が軸方向と直交する方向に配列されるので、衝突物がどの箇所に衝突しても好適に衝撃吸収を行うことができる。
【0011】
また第2、第3の発明では、木材の気乾密度が不揃いであっても、有節材であれば使用可能となるので歩留まりが向上する。さらに、従来この種の衝撃吸収部に用いられてこなかった有節材について、その使用の上での1つの基準が示されることで、森林資源の有効利用が可能になる。
【0012】
d1の値は、例えば0.35とする。
これにより、木材種がスギである場合に、衝撃吸収性能のばらつきを好適に抑制できる。
【0013】
また、全ての前記衝撃吸収部の木材の軸方向の長さが同一であることが望ましい。
これにより、衝突物が衝撃吸収機構のどの箇所に衝突しても、安定した衝撃吸収効果が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両1の衝撃吸収機構2の配置を示す概略図。
図2】衝撃吸収機構2を示す図。
図3】気乾密度dと吸収エネルギーEの関係を示す図。
図4】吸収エネルギーEについて説明する図。
図5】気乾密度dと吸収エネルギーEの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る車両1の衝撃吸収機構2の配置を示す概略図である。衝撃吸収機構2は、車両1の側面衝突時に車両1に加わる衝撃を吸収して衝突荷重を軽減するためのものである。車両1の種類は特に限定されない。
【0018】
衝撃吸収機構2は、車両1の構成部材である外側構成部材3と内側構成部材4の間で、車両前後方向に配置される。これらの構成部材は車両1の側部の金属製のボディを構成するものであり、前輪と後輪の間の部材であるが、車両1を構成する部材であれば特に限定されない。なお、車両前後方向は図1の上下方向に対応する。図1の左右方向は車両幅方向であり、車両前後方向と平面において直交する。また「外側」とは車両1の外部側をいい、「内側」とは車両1の内部側をいうものとする。
【0019】
図2(a)は衝撃吸収機構2を上から見た図であり、衝撃吸収機構2の水平方向の断面を部分的に示している。図2(b)は衝撃吸収機構2の斜視図であり、外側構成部材3を省略して示したものである。
【0020】
図2に示すように、衝撃吸収機構2では、複数の衝撃吸収部5が車両前後方向に等間隔に並べて平行に配列される。車両前後方向は、図2(a)の上下方向、図2(b)の奥行方向に対応する。
【0021】
衝撃吸収部5は、木材51と枠体52を含む略直方体状の柱状部材である。衝撃吸収部5は、その軸方向を車両幅方向に合わせて配置される。すなわち、衝撃吸収部5の軸方向は、衝撃吸収部5の配列方向(車両前後方向)と平面において直交する。
【0022】
衝撃吸収部5は、外側の端部が車両1の外側構成部材3に面接触する。内側の端部は、車両1の内側構成部材4に形成された取付穴41に嵌め込まれて接着固定される。外側構成部材3と内側構成部材4は平面において直線状である。なお、衝撃吸収部5の内側構成部材4への固定方法はこれに限らない。例えば、枠体52から外側に張り出すように固定用のブラケット(不図示)を設け、このブラケットを内側構成部材4に固定してもよい。
【0023】
木材51は柱状の木製部材であり、本実施形態では全ての衝撃吸収部5について、木材51の木材種が共通する。本実施形態ではこの木材種をスギとする。また木材51は切欠き、くり抜き等による欠損の無い中実の部材であり、その軸方向と直交する断面は正方形となっている。しかしながら、木材51の形状がこれに限ることはなく、例えば断面を長方形状としてもよいし、円形としてもよい。ただし、木材51の軸方向の長さ、軸方向と直交する断面の形状、寸法は、衝撃吸収機構2を構成する全ての衝撃吸収部5について同一とする。
【0024】
枠体52は、木材51の側面(軸方向に沿った面)を囲うように設けられる筒状の金属部材である。枠体52は、木材51の軸方向の全長に亘って配置される。なお、枠体52の材料は金属に限らない。枠体52は必要な強度が得られれば樹脂等であってもよく、場合によっては枠体52を省略することも可能である。
【0025】
衝撃吸収機構2では、外側構成部材3に衝突荷重が入力されると、衝撃吸収部5の木材51が枠体52によって拘束されつつ軸圧縮されることにより高い衝撃吸収効果が得られる。木材51が持つ衝撃吸収性能を良好に発揮させるためには、木材51の年輪の軸心方向(木材51の繊維方向)を荷重入力方向すなわち衝撃吸収部5の軸方向に対応させることが望ましい。
【0026】
さらに本実施態では、衝突箇所により衝撃吸収性能に差が生じるのを防止するため、衝撃吸収部5に用いる木材51を、気乾密度を用いた所定の基準により選定する。
【0027】
図3はその基準について説明する図であり、気乾密度d(g/cm3)を横軸、衝突時の吸収エネルギーE(J)を縦軸とし、木材51の試験体について、気乾密度dと吸収エネルギーEの値をプロットしたグラフである。図3の式E=f(d)は各プロットを近似した直線を示したものであり、気乾密度dの値が大きい程、吸収エネルギーEが小さくなることがわかる。
【0028】
試験体は、同一の立体形状を有するスギの無節材4体とした。気乾密度dは含水率が15%のときの密度であり、通常の大気中に長時間放置した時の木材51の密度を想定している。気乾密度dは、日本規格協会:JIS Z2101:2009(木材の試験方法)の「5.密度の測定」に記載された方法で測定することが可能である。
【0029】
一方、吸収エネルギーEは、既知の落錘試験機を用い、図4(a)に示すように衝撃吸収部5の軸方向(木材51の繊維方向)に衝撃荷重Aを加える衝撃吸収試験を実施することによって得られる。図4(b)は衝撃吸収試験で得られる衝撃吸収部5の変位-荷重関係を模式的に示すグラフであり、吸収エネルギーEは、当該グラフの変位による積分値として求められる。
【0030】
図3のd1はスギの全乾密度0.35(g/cm3)であり、この全乾密度d1を基準値とすると、近似直線E=f(d)より、d±0.05の範囲内の気乾密度dであれば、吸収エネルギーEのばらつきが、およそ±3%の範囲R内に抑えられる。すなわち、f(d1-0.05)の値が、f(d1)の値を約1.03倍したものとなり、f(d1+0.05)の値が、f(d1)の値を約0.97倍したものとなる。全乾密度は含水率が0%のときの密度であり、木材種毎の全乾密度d1については、株式会社ケツト科学研究所「木材水分計HM-540 比重表」(URL:https://www.kett.co.jp/wp-content/uploads/2021/07/ad5bd3e68a2895647699a1aa2caf6e75.pdf、参照日:2022年2月2日)に記載の値を用いることが可能である。
【0031】
図3より、本実施形態の衝撃吸収機構2において、全ての衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dがd1±0.05の範囲内に収まる無節材とし、気乾密度dがこの範囲外となる無節材を使用しなければ、その衝撃吸収性能を、全乾密度d1の値に応じた高レベルの範囲R内で揃えることができる。
【0032】
図5は、図3のグラフに、木材51の試験体をスギの有節材とした場合の気乾密度dと吸収エネルギーEの値を追加してプロットしたものである。試験体は、無節材と同一の立体形状を有するスギの有節材6体であり、気乾密度dや吸収エネルギーEの測定方法は無節材の場合と同様である。
【0033】
図5に示すように、有節材は気乾密度dが大きくても吸収エネルギーEが低下せず、気乾密度dがd1+0.05を超えるものであっても、その吸収エネルギーEは前記の範囲R内に収まる。有節材では、節が重いために通常の無節材より気乾密度dが大きくなるが、節を除いた部分の繊維構造は通常の無節材と同様であるため、衝撃吸収性能に変化がなかったと予想される。
【0034】
図5より、本実施形態の衝撃吸収機構2において、全ての衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dがd1+0.05を超える有節材とすることによっても、その衝撃吸収性能を、前記と同じ範囲Rで揃えることができる。
【0035】
あるいは、本実施形態の衝撃吸収機構2において、一部の衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dがd1±0.05の範囲内に収まる無節材とし、残りの衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dがd1+0.05を超える有節材とすることによっても、上記と同様、その衝撃吸収性能を、前記と同じ範囲Rで揃えることができる。
【0036】
図3、5をまとめると、衝撃吸収機構2では、衝撃吸収部5の木材51を下記(a)~(c)のいずれかにより選定することで、衝撃吸収性能のばらつきを抑制し、高いレベルの範囲R内で揃えることが可能になる。
(a)全ての衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dが次式(1)を満たす無節材とする。
d1-0.05≦d≦d1+0.05…(1)
(b)全ての衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dが次式(2)を満たす有節材とする。
d1+0.05<d…(2)
(c)一部の衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dが式(1)を満たす無節材とし、残りの衝撃吸収部5の木材51を、気乾密度dが式(2)を満たす有節材とする。
【0037】
本発明者は、鋭意実験、検討を行うことにより、衝撃吸収機構2に使用する全ての衝撃吸収部5の木材51を上記の(a)~(c)のいずれかにより選定することで、衝撃吸収性能のばらつきを抑制できることを見出した。衝撃吸収機構2では、これらの衝撃吸収部5が、軸方向と直交する方向に配列されるので、衝突物がどの箇所に衝突しても好適に衝撃吸収を行うことができる。
【0038】
また前記の(b)、(c)の場合は、木材51の気乾密度dが不揃いであっても、有節材であれば使用可能となるので歩留まりが向上する。さらに、従来この種の衝撃吸収部5に用いられてこなかった有節材について、その使用の上での1つの基準が示されることで、森林資源の有効利用が可能になる。
【0039】
また本実施形態では全乾密度d1の値を0.35とすることで、木材種がスギである場合に、衝撃吸収性能のばらつきを好適に抑制できる。
【0040】
さらに、本実施形態では全ての衝撃吸収部5の木材51の軸方向の長さが同一であるので、衝突物が衝撃吸収機構2のどの箇所に衝突しても、安定した衝撃吸収効果が得られる。
【0041】
しかしながら、本発明は以上の実施形態に限らない。例えば木材51の木材種はスギに限らず、別の木材種であっても、木材種毎の全乾密度d1を基準として前記の(a)~(c)により衝撃吸収部5に用いる木材51の選定を行うことで、全乾密度d1に応じた高レベルの範囲Rで衝撃吸収性能を揃えることができる。
【0042】
また本実施形態の衝撃吸収機構2では、衝撃吸収部5の木材51の軸方向の長さを一定としたが、特許文献1のように、衝撃吸収部5の木材51の軸方向の長さが異なる場合であっても本発明は適用できる。各木材51の衝撃吸収性能を略同等とすることで、圧壊のタイミングを順次制御して安定した衝撃吸収効果が得られやすくなる。
【0043】
また実際に衝撃吸収機構2を製作する際の製作方法としては、木材51の選定を行う際に、日本規格協会:JIS Z2101:2009(木材の試験方法)の「5.密度の測定」に記載された方法で、木材51の木材種に応じた試験体から全乾密度d1を測定することも可能である。
【0044】
また本実施形態では車両1の側面衝突を想定して車両1の側部に衝撃吸収機構2を配置したが、衝撃吸収機構2は衝突荷重の入力が想定される車両1の各部において適切な配置で取付けることが可能である。例えば衝突時の荷重が車両前後方向に対して入力されることを想定する場合、車両1の前部や後部に衝撃吸収機構2を固定することができ、衝撃吸収部5は軸方向を車両前後方向として配置することができる。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0046】
1:車両
2:衝撃吸収機構
3:外側構成部材
4:内側構成部材
5:衝撃吸収部
51:木材
52:枠体
図1
図2
図3
図4
図5