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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136102
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】測定装置および選別装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20230922BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G01N21/85 A
B07C5/342
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041545
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伏田 真矢
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏明
【テーマコード(参考)】
2G051
3F079
【Fターム(参考)】
2G051AA04
2G051AB20
2G051BA02
2G051BA04
2G051BA06
2G051BA08
2G051BA20
2G051BB02
2G051BC01
2G051CA03
2G051CB01
2G051CB02
2G051CD01
2G051DA06
2G051DA13
2G051EA11
2G051EA17
2G051ED09
3F079AC13
3F079CA41
3F079CA44
3F079CB25
3F079CB34
(57)【要約】
【課題】 識別精度を低下させることなく、識別可能な状態の種類を増やす。
【解決手段】 対象物の状態を測定するための測定装置は、対象物を移送する移送部と、電磁波照射源と、対象物で反射した反射電磁波、および、対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたセンサと、センサによって取得される信号に基づいて対象物の状態を識別するように構成された識別部と、電磁波照射源からの電磁波の照射を制御するように構成された照射制御部と、を備えている。電磁波照射源は、照射する電磁波の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる第1の照射源および第2の照射源を含む。照射制御部は、第1の照射源が電磁波を照射する期間である第1の照射期間と、第2の照射源が電磁波を照射する期間である第2の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように電磁照射源を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の状態を測定するための測定装置であって、
前記対象物を移送するように構成された移送部と、
前記移送部の作用によって移送中の前記対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、
前記電磁波照射源から照射され、前記対象物で反射した反射電磁波、および、前記対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって取得される信号に基づいて前記対象物の状態を識別するように構成された識別部と、
前記電磁波照射源からの前記電磁波の照射を制御するように構成された照射制御部と
を備え、
前記電磁波照射源は、照射する電磁波の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる第1の照射源および第2の照射源を含み、
前記照射制御部は、前記第1の照射源が前記電磁波を照射する期間である第1の照射期間と、前記第2の照射源が前記電磁波を照射する期間である第2の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源は、前記対象物の移送経路に対する第1の側に配置され、
前記第2の照射源は、前記第1の側と反対の第2の側に配置され、
前記センサは、前記第1の側に配置された第1のセンサと、前記第2の側に配置された第2のセンサと、を備える
測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の測定装置であって、
前記照射制御部は、前記電磁波照射源から前記電磁波が照射されない非照射期間が前記第1の照射期間と前記第2の照射期間との間に介在するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源および前記第2の照射源の各々は、可視光を照射するように構成され、
前記電磁波照射源は、近赤外光を照射するように構成された第3の照射源および第4の照射源を備え、
前記第3の照射源および前記第4の照射源は、照射する近赤外光の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なり、
前記照射制御部は、さらに、前記第3の照射源が前記近赤外光を照射する期間である第3の照射期間と、前記第4の照射源が前記近赤外光を照射する期間である第4の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源および前記第2の照射源の少なくとも一方は、少なくとも、第1の波長領域の電磁波と、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の電磁波と、を照射するように構成され、
前記センサは、前記第1の波長領域と前記第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備え、
前記測定装置は、前記素子によって取得される信号の強度を減じる補正を行う補正部を備え、
前記識別部は、補正後の信号の強度に基づいて前記対象物の状態を識別する
測定装置。
【請求項6】
選別装置であって、
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の測定装置と、
前記識別部の識別結果に基づいて、前記対象物の選別を行うように構成された選別部と
を備える選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
選別対象物に光源から光を照射した際に光学センサによって得られる光情報を使用して、選別対象物に含まれる異物や不良品を識別して除去する光学式選別機(以下、単に選別機とも呼ぶ)が従来から知られている。この種の選別機では、光学センサによって得られた光情報(例えば、色階調値)は閾値と比較され、その比較結果に基づいて、選別対象物の状態(良品であるか、それとも、異物または不良品であるか)が識別される。
【0003】
例えば、下記の特許文献1は、選別対象物の移送経路の一方側に、赤色、緑色および青色の光源が配置され、他方側に緑色および青色の光源が配置された選別機を開示している。この選別機によれば、例えば、赤色光源からの光の反射光および透過光の検出結果に基づいて、選別対象物である米粒がシラタであるか否かの識別を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-42326号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の選別機は、選別対象物の判定可能な状態の種類が限定されている。このため、識別精度を低下させることなく、識別可能な状態の種類を増やすことが求められる。このことは、選別対象物が米である場合に限らず、任意の粒状物である場合に共通する。また、このことは、選別機に限らず、対象物の状態を測定するための測定装置にも共通する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の第1の形態によれば、対象物の状態を測定するための測定装置が提供される。この測定装置は、対象物を移送するように構成された移送部と、移送部の作用によって移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、電磁波照射源から照射され、対象物で反射した反射電磁波、および、対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたセンサと、センサによって取得される信号に基づいて対象物の状態を識別するように構成された識別部と、電磁波照射源からの電磁波の照射を制御するように構成された照射制御部と、を備えている。電磁波照射源は、照射する電磁波の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる第1の照射源および第2の照射源を含む。照射制御部は、第1の照射源が電磁波を照射する期間である第1の照射期間と、第2の照射源が電磁波を照射する期間である第2の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように電磁照射源を制御するように構成される。「移送部の作用によって移送中の対象物」には、例えば、移送部上で移送中の対象物や、移送部から落下中の対象物が含まれる。
【0008】
本明細書において、第1の照射期間と第2の照射期間とが「交互に」出現するとは、第1の照射期間と第2の照射期間とに着目した場合の第1の照射期間と第2の照射期間との出現に言及している。したがって、電磁波照射源が、第1の照射期間および第2の照射期間以外に、他の照射期間を含む場合には、第1の照射期間と第2の照射期間との間に他の照射期間が介在していてもよい。例えば、電磁波照射源が、第1の照射期間と第2の照射期間と第3の照射期間とを含み、第1の照射期間、第2の照射期間および第3の照射期間が、第1の照射期間、第3の照射期間、第2の照射期間、第1の照射期間、第3の照射期間、第2の照射期間の順に出現する態様は、第1の照射期間と第2の照射期間とが「交互に」出現する態様の一つである。また、第1の照射期間、第2の照射期間および第3の照射期間が、第1の照射期間、第2の照射期間、第1の照射期間、第3の照射期間、第2の照射期間の順に出現する態様も、第1の照射期間と第2の照射期間とが「交互に」出現する態様の一つである。第1の照射源および第2の照射源の各々の波長領域は、任意に設定可能である。例えば、第1の照射源および第2の照射源の各々は、可視光を照射してもよい。あるいは、第1の照射源および第2の照射源の各々は、近赤外光を照射してもよい。あるいは、第1の照射源および第2の照射源の一方が可視光を照射し、第1の照射源および第2の照射源の他方が近赤外光を照射してもよい。
【0009】
この測定装置によれば、波長領域および設置位置の少なくとも一方が異なる第1の照射源および第2の照射源から照射される電磁波のそれぞれについて、反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方を検出できる。したがって、識別部によって識別可能な状態の種類を増やすことができる。しかも、第1の照射期間と第2の照射期間とは重複しないので、第1の照射源および第2の照射源の各々から照射される電磁波が干渉しない。また、第1の照射期間と第2の照射期間とは交互に出現するので、第1の照射期間および第2の照射期間のいずれにおいても、十分な解像度の反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方を取得できる。したがって、対象物の状態の識別精度を良好に確保できる。
【0010】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、第1の照射源は、対象物の移送経路に対する第1の側に配置される。第2の照射源は、第1の側と反対の第2の側に配置される。センサは、第1の側に配置された第1のセンサと、第2の側に配置された第2のセンサと、を備えている。この形態によれば、第1の照射源から照射された電磁波に基づく反射電磁波および透過電磁波、および、第2の照射源から照射された電磁波に基づく反射電磁波および透過電磁波の4種類を取得可能である。
【0011】
本発明の第3の形態によれば、第1または第2の形態において、照射制御部は、電磁波照射源から電磁波が照射されない非照射期間が第1の照射期間と第2の照射期間との間に介在するように電磁照射源を制御するように構成される。この形態によれば、第1の照射源から照射された電磁波と、第2の照射源から照射された電磁波と、が干渉した状態でセンサに検出されることを容易に抑制できる。したがって、より正確な反射電磁波および/または透過電磁波を検出でき、ひいては、対象物の状態の識別精度を向上できる。
【0012】
本発明の第4の形態によれば、第1ないし第3のいずれかの形態において、第1の照射源および第2の照射源の各々は、可視光を照射するように構成される。電磁波照射源は、近赤外光を照射するように構成された第3の照射源および第4の照射源を備えている。第3の照射源および第4の照射源は、照射する近赤外光の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる。照射制御部は、さらに、第3の照射源が近赤外光を照射する期間である第3の照射期間と、第4の照射源が近赤外光を照射する期間である第4の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように電磁照射源を制御するように構成される。この形態によれば、第1の照射源および第2の照射源の各々から照射される可視光に基づく反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方と、2種類の波長領域の各々の近赤外光に基づく反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方と、を検出できる。したがって、識別部によって識別可能な状態の種類をさらに増やすことができる。また、第3の照射期間と第4の照射期間は重複しないので、第3の照射源および第4の照射源の各々から照射される近赤外光が干渉せず、対象物の状態の識別精度を良好に確保できる。
【0013】
本発明の第5の形態によれば、第1ないし第4のいずれかの形態において、第1の照射源および第2の照射源の少なくとも一方は、少なくとも、第1の波長領域の電磁波と、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の電磁波と、を照射するように構成される。センサは、第1の波長領域と、第2の波長領域と、の両方に感度を有する素子を備えている。測定装置は、素子によって取得される信号の強度を減じる補正を行う補正部を備えている。識別部は、補正後の信号の強度に基づいて対象物の状態を識別する。この形態によれば、センサが第1の波長領域と第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備えていることに起因して、第1の波長領域の電磁波および第2の波長領域の電磁波の一方の電磁波の検出結果に他方の電磁波がノイズとして重畳しても、その重畳ノイズの影響を補正できる。したがって、対象物の状態の識別精度をいっそう向上できる。
【0014】
本発明の第6の形態によれば、選別装置が提供される。この選別装置は、第1ないし第5のいずれかの形態の測定装置と、識別部の識別結果に基づいて、対象物の選別を行うように構成された選別部と、を備えている。この選別装置によれば、選別装置によって選別される対象物の状態の種類を増やすことができる。あるいは、識別部による識別結果を出力すれば、対象物の状態を、より詳細に把握することができる。
【0015】
本発明の第7の形態によれば、第5の形態において、測定装置は、測定装置で測定を行うべき対象物の種類を受け付けるように構成された受付部を備えている。補正部は、受付部によって受け付けられた対象物の種類に応じて、補正の程度を変更するように構成される。対象物は、その種類に応じて光学特性が異なるので、この形態によれば、対象物の種類に応じて上述の重畳ノイズの影響をより正確に補正できる。
【0016】
本発明の第8の形態によれば、第5または第7の形態において、補正部は、素子によって取得される信号の強度に応じて、補正の程度を変更するように構成される。対象物は、その状態に応じて光学特性が異なるので、この形態によれば、対象物の状態に応じて上述の重畳ノイズの影響をより正確に補正できる。
【0017】
本発明の第9の形態によれば、第1ないし第5、第7および第8のいずれかの形態において、第1の照射源および第2の照射源の各々は、緑色の光を照射するように構成される。この形態によれば、緑色の光の反射光および透過光の少なくとも一方に基づいて、対象物の状態を詳細に識別できる。例えば、対象物が米である場合、青未熟粒と白未熟粒との識別、青死米と白死米との識別、青未熟粒と青死米との識別、および、白未熟粒と白死米との識別を精度良く行うことができる。
【0018】
本発明の第10の形態によれば、第1ないし第5、および、第7ないし第9のいずれかの形態において、第1の照射源および第2の照射源の各々は、青色の光を照射するように構成される。この形態によれば、青色の光の反射光および透過光の少なくとも一方に基づいて、対象物の状態を詳細に識別できる。例えば、対象物が米である場合、青未熟粒と白未熟粒との識別、青死米と白死米との識別、青未熟粒と青死米との識別、および、白未熟粒と白死米との識別を精度良く行うことができる。
【0019】
本発明の第11の形態によれば、第1ないし第3の形態、第4の形態を従属元に含まない第5の形態、および、第4の形態を従属元に含まない第7ないし第10の形態のいずれかにおいて、第1の照射源および第2の照射源の各々は、可視光を照射するように構成される。電磁波照射源は、近赤外光を照射するように構成された第3の照射源を備えている。照射制御部は、第1の照射期間と、第2の照射期間と、第3の照射源が近赤外光を照射する期間である第3の期間と、が重複しないように電磁照射源を制御するように構成される。この形態によれば、第1の照射源および第2の照射源の各々から照射される可視光に基づく反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方と、近赤外光に基づく反射電磁波および透過電磁波の少なくとも一方と、を検出できる。したがって、識別部によって識別可能な状態の種類をさらに増やすことができる。また、第1ないし第3の照射期間は重複しないので、第1ないし第3の照射源の各々から照射される電磁波が干渉せず、対象物の状態の識別精度を良好に確保できる。
【0020】
本発明の第12の形態によれば、第1ないし第5、および、第7ないし第11のいずれかの形態において、移送部は、シュートまたはコンベアの形態である。換言すれば、移送部は、移送中の対象物の移送方向と直交する方向に複数の対象物を並べることが可能な幅を有している。この形態によれば、大量の対象物を同時に移送することができる。したがって、測定装置の時間当たりの処理能力を大きくできる。
【0021】
本発明の第13の形態によれば、選別装置が提供される。この選別装置は、第7ないし第12のいずれかの形態の測定装置と、識別部の識別結果に基づいて、対象物の選別を行うように構成された選別部と、を備えている。
【0022】
本発明の第14の形態によれば、対象物の状態を測定するための測定装置が提供される。この測定装置は、対象物を移送するように構成された移送部と、移送部の作用によって移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、電磁波照射源から照射され、対象物に関連付けられた電磁波を検出するように構成されたセンサと、センサによって取得される信号に基づいて対象物の状態を識別するように構成された識別部と、を備えている。電磁波照射源は、少なくとも、第1の波長領域の電磁波と、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の電磁波と、を照射するように構成される。センサは、第1の波長領域と第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備えている。測定装置は、さらに、素子によって取得される信号の強度を減じる補正を行う補正部を備えている。識別部は、補正後の信号の強度に基づいて対象物の状態を識別する。この測定装置によれば、センサが第1の波長領域と第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備えていることに起因して、第1の波長領域の電磁波および第2の波長領域の電磁波の一方の電磁波の検出結果に他方の電磁波がノイズとして重畳しても、その重畳ノイズの影響を補正できる。したがって、対象物の状態の識別精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態による測定装置の概略構成を示す模式図である。
図2】一つの対象物と、センサの走査ナンバーと、の関係を示す説明図である。
図3】光源の点灯パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図4】識別処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1のセンサおよび第2のセンサの各色用の受光素子の分光感度特性の一例を示すグラフである。
図6】第2実施形態による光源の点灯パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図7】第3実施形態による光源の点灯パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図8】第4実施形態による測定装置の概略構成を示す模式図である。
図9】第4実施形態による光源の点灯パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図10】第5実施形態による測定装置の概略構成を示す模式図である。
図11】第5実施形態による光源の点灯パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図12】第6実施形態による選別装置の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態による測定装置10の概略構成を示す模式図である。測定装置10は、対象物90の状態(換言すれば、品位)を測定するための装置である。以下では、測定装置10によって、対象物90の一例としての米粒(より具体的には、玄米または精白米)の品位(整粒、未熟粒、着色粒、異物(例えば、小石、泥、ガラス片など)など)を測定するものとして説明する。ただし、対象物90は、米粒に限られるものではなく、任意の粒状物であってもよい。例えば、対象物90は、籾、麦粒、豆類(大豆、ひよこ豆、枝豆など)、樹脂(ペレット等)、ゴム片等であってもよい。
【0025】
図1に示すように、測定装置10は、第1の光源ユニット20と、第2の光源ユニット30と、第1のセンサ51と、第2のセンサ52と、貯留タンク71と、フィーダ72と、シュート73と、排出樋74と、コントローラ80と、を備えている。コントローラ80は、測定装置10の動作全般を制御する。コントローラ80は、識別部81、照射制御部82、補正部83および受付部84としても機能する。コントローラ80の機能は、所定のプログラムをCPUが実行することによって実現されてもよいし、専用回路によって実現されてもよい。識別部81、照射制御部82、補正部83および受付部84の機能は、一体的な一つの装置によって実現されてもよいし、個別の装置によってそれぞれ実現されてもよい。コントローラ80の機能の詳細については後述する。
【0026】
貯留タンク71は、対象物90を一時的に貯留する。フィーダ72は、貯留タンク71に貯留された対象物90を、対象物移送手段の一例としてのシュート73上に供給する。シュート73上に供給された対象物90は、シュート73上を下方に向けて滑走し、シュート73下端から落下する。シュート73は、多数の対象物90を同時に落下させることができる所定幅を有している。移送手段として、シュート73に代えて、コンベアが使用されてもよい。
【0027】
第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の各々は、シュート73から滑り落ちた対象物90(つまり、シュート73から落下中の対象物90)に対して光を照射する。なお、代替実施形態では、シュート73上を滑走中の対象物90に対して光が照射されてもよい。また、シュート73に代えて、コンベアが使用される場合には、コンベア上で移送中の対象物90、または、コンベアから落下中の対象物90に対して光が照射されてもよい。
【0028】
本実施形態では、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の各々は、可視光を照射するための光源ユニットである。第1の光源ユニット20は、対象物90の移送経路(換言すれば、シュート73からの落下軌跡)に対して一方側(フロント側とも呼ぶ)に配置されている。一方、第2の光源ユニット30は、対象物90の移送経路に対して他方側(リア側とも呼ぶ)に配置されている。
【0029】
フロント側に配置された第1の光源ユニット20は、フロント側赤色光24を放出するフロント側赤色光源21と、フロント側緑色光25を放出するフロント側緑色光源22と、フロント側青色光26を放出するフロント側青色光源23と、を備えている。リア側に配置された第2の光源ユニット30は、第1の光源ユニット20と同一の波長領域の光を放出する。具体的には、第2の光源ユニット30は、リア側赤色光34を放出するリア側赤色光源31と、リア側緑色光35を放出するリア側緑色光源32と、リア側青色光36を放出するリア側青色光源33と、を備えている。本実施形態では、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の各々は、複数のLEDがシュート73の幅方向に配列されたライン光源である。第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の仕様(例えば、数、発光形式、波長領域など)は、特に限定されない。
【0030】
第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々は、光学センサであり、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ個別に検出可能である。第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々は、本実施形態ではカラーCCDセンサであるが、カラーCMOSセンサなどの他の形式のカラーセンサであってもよい。本実施形態では、第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々は、複数の受光素子がシュート73の幅方向に配列されたラインセンサであるが、エリアセンサであってもよい。第1のセンサ51および第2のセンサ52の仕様は、特に限定されず、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の仕様に応じて任意に決定され得る。第1のセンサ51はフロント側に配置され、第2のセンサ52はリア側に配置される。
【0031】
フロント側の第1のセンサ51は、フロント側緑色光源22、フロント側青色光源23およびフロント側赤色光24からそれぞれ放出され、対象物90で反射されたフロント側赤色光24、フロント側緑色光25およびフロント側青色光26を検出可能である。第1のセンサ51は、さらに、リア側赤色光源31、リア側緑色光源32およびリア側青色光源33からそれぞれ放出され、対象物90を透過したリア側赤色光34、リア側緑色光35およびリア側青色光36を検出可能である。
【0032】
リア側の第2のセンサ52は、リア側赤色光源31、リア側緑色光源32およびリア側青色光源33からそれぞれ放出され、対象物90で反射されたリア側赤色光34、リア側緑色光35およびリア側青色光36を検出可能である。第2のセンサ52は、さらに、フロント側赤色光源21、フロント側緑色光源22およびフロント側青色光源23からそれぞれ放出され、対象物90を透過したフロント側赤色光24、フロント側緑色光25およびフロント側青色光26を検出可能である。
【0033】
以下では、第1のセンサ51および/または第2のセンサ52によって検出される、対象物90で反射された反射光、および/または、対象物90を透過した透過光を、対象物90に関連付けられた光とも呼ぶ。
【0034】
周知のように、第1のセンサ51および第2のセンサ52は、一つの対象物90について複数の走査を行う。換言すれば、第1のセンサ51および第2のセンサ52は、一つの対象物90に関連付けられた光を複数の走査期間の各々で検出する。走査期間とは、一つの走査の開始から終了までの時間である。各走査で得られた画像を合成することにより、当該一つの対象物90の全体画像が取得される。「走査期間」は、光学センサがCCDセンサである場合には、受光素子が電荷の蓄積を開始してから、電荷の蓄積を終了するまでの時間として定義され得る。「走査期間」は、光学センサがCMOSセンサである場合には、受光素子が電荷の蓄積を開始してから、蓄積した電荷を出力するまでの時間として定義され得る。
【0035】
図2は、一つの対象物90と、第1のセンサ51および第2のセンサ52の走査ナンバー(何回目の走査であるかを表す数字)と、の関係を示す説明図である。図2に示すように、本実施形態では、一つの対象物90について8回(説明を簡素化するために、実際よりも少ない回数であるものとして例示している)の走査によって画像データが取得される。図2に示される1~8の数字は、該当する領域の画像データが取得される走査のナンバーを示している。例えば、「1」が付された領域は、1回目の走査によって画像データが取得されることを示している。
【0036】
第1のセンサ51および第2のセンサ52からの出力、すなわち、検出された光の強度を表すアナログ信号は、AC/DCコンバータ(図示省略)によってデジタル信号に変換される。このデジタル信号(換言すれば、アナログ信号に対応する階調値)はコントローラ80に入力される。コントローラ80は、入力された光の検出結果(つまり画像)に基づいて、識別部81の処理として、対象物90の状態を識別する(詳細は後述)。この識別は、対象物90の各々について行われる。
【0037】
第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30からの可視光の照射は、コントローラ80の照射制御部82によって制御される。照射制御部82は、予め定められた規則に従って、フロント側赤色光源21、フロント側緑色光源22、フロント側青色光源23、リア側赤色光源31、リア側緑色光源32およびリア側青色光源33の点灯タイミングを制御する。図3は、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の点灯タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図3では、第1のセンサ51および第2のセンサ52の走査期間と、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の点灯タイミングと、が対応付けられている。図3において、「R」は赤色、「G」は緑色、「B」は青色をそれぞれ表している。また、「走査No.」は、図2に示された走査ナンバーに対応している。
【0038】
図3に示すように、フロント側赤色光源21は、奇数の走査ナンバーを有する走査期間においてのみ所定時間、点灯され(図中にONと示されている)、偶数の走査ナンバーを有する走査期間においては全く点灯されない(図中にOFFと示されている)。一方、リア側赤色光源31は、偶数の走査ナンバーを有する走査期間においてのみ所定時間、点灯され、奇数の走査ナンバーを有する走査期間においては全く点灯されない。つまり、フロント側赤色光源21およびリア側赤色光源31は、一つの走査期間内では、いずれか一方のみが点灯するように、交互に点灯される。換言すれば、フロント側赤色光源21の照射期間と、リア側赤色光源31の照射期間と、は、重複せず、かつ、交互に出現する。
【0039】
同様に、フロント側緑色光源22の照射期間およびリア側緑色光源32の照射期間についても、重複せず、かつ、交互に出現し、フロント側青色光源23の照射期間およびリア側青色光源33の照射期間についても、重複せず、かつ、交互に出現する。換言すれば、第1の光源ユニット20は、奇数の走査ナンバーを有する走査期間においてのみ点灯し、第2の光源ユニット30は、偶数の走査ナンバーを有する走査期間においてのみ点灯する。
【0040】
このような点灯態様によれば、フロント側の第1のセンサ51では、奇数の走査ナンバーを有する走査期間においては、第1の光源ユニット20からの光に基づくRGBそれぞれの反射画像が取得され、偶数の走査ナンバーを有する走査期間においては、第2の光源ユニット30からの光に基づくRGBそれぞれの透過画像が取得される。一方、リア側の第2のセンサ52では、奇数の走査ナンバーを有する走査期間においては、第1の光源ユニット20からの光に基づくRGBそれぞれの透過画像が取得され、偶数の走査ナンバーを有する走査期間においては、第2の光源ユニット30からの光に基づくRGBそれぞれの反射画像が取得される。
【0041】
図3に示すように、本実施形態では、照射制御部82は、いずれの光源からも光が照射されない非照射期間T1が、フロント側の第1の光源ユニット20から光が照射される期間と、リア側の第2の光源ユニット30から光が照射される期間と、の間に介在するように、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30を制御する。非照射期間T1が設定されることによって、各走査期間において、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の一方からの光に、他方からの光がノイズとして重畳することを容易に抑制できる。このため、後述する識別処理の識別精度を向上できる。
【0042】
本実施形態では、非照射期間T1は、隣り合う二つの走査期間の境界を跨ぐように設定される。このため、ノイズの重畳を確実に防止できる。ただし、非照射期間T1は、走査期間の切り替わりと同時に終了してもよいし、あるいは、走査期間の切り替わりと同時に開始されてもよい。
【0043】
識別部81は、このようにして取得される赤色、緑色および青色のそれぞれの反射画像および透過画像に基づいて、対象物90の品位を識別する。具体的には、図2において奇数の走査ナンバーが付された領域によって構成されるRGB各色のフロント側反射画像およびリア側透過画像と、偶数の走査ナンバーが付された領域によって構成される、RGB各色のフロント側透過画像およびリア側反射画像と、が識別部81の処理に使用される。
【0044】
図4は、そのような画像に基づいて識別部81によって実行される識別処理の一例を示すフローチャートである。識別処理は、対象物90の各々について実行される。なお、図4では、簡素化のために、玄米である対象物90を「整粒」、「青死米」、「青未熟粒」、「白死米」、「白未熟粒」、「その他不良粒」のいずれかに識別するものとして説明がなされるが、実際には、様々な情報に基づいて、様々な識別が可能である。例えば、画像の外形特徴に基づいて砕粒や胴割粒が識別されてもよい。あるいは、所定の色の画像を閾値で二値化し、着色粒が識別されてもよい。
【0045】
識別処理では、識別部81は、まず、対象物90の画像に青み特徴が現れているか否かを判断する(ステップS110)。この判断は、例えば、(RR+RB)/RGの値に基づいて行われてもよい。RRは赤色反射画像、RBは青色反射画像、RGは緑色反射画像の階調値を表している。この場合、(RR+RB)/RGの値が第1の閾値以下である場合に、青み特徴があると判断され得る。
【0046】
ステップS110の判断には、第1のセンサ51で取得された画像(以下、フロント側画像とも呼ぶ)、および、第2のセンサ52で取得された画像(以下、リア側画像とも呼ぶ)の平均値が使用されてもよい。あるいは、ステップS110は、フロント側画像およびリア側画像の両方に青み特徴が現れているか否かの判断であってもよい。あるいは、ステップS110は、フロント側画像およびリア側画像の少なくとも一方に青み特徴が現れているか否かの判断であってもよい。これらの点は、後述する他の判断ステップにおいても同様である。
【0047】
判断の結果、青み特徴があれば(ステップS110:YES)、識別部81は、次いで、透過度が大きいか否かを判断する(ステップS120)。この判断は、例えば、RG/TGの値に基づいて行われてもよい。TGは緑色透過画像を表している。この場合、RG/TGの値が第2の閾値以下である場合に、透過度が大きいと判断され得る。
【0048】
判断の結果、透過度が小さければ(ステップS120:NO)、識別部81は、対象物90を青死米と識別する(ステップS130)。一方、透過度が大きければ(ステップS120:YES)、識別部81は、次いで、乳白面積が大きいか否かを判断する(ステップS140)。この判断は、例えば、RGまたはTGの値に基づいて行われてもよい。この場合、対象物90の乳白部分は、緑色反射画像上では明るくなるので、RGの値が第3の閾値以上である画素をカウントし、カウントされた画素数が第4の閾値以上である場合に、乳白面積が大きいと判断され得る。あるいは、対象物90の乳白部分は、緑色透過画像上では暗くなるので、TGの値が第5の閾値以下である画素をカウントし、カウントされた画素数が第6の閾値以上である場合に、乳白面積が大きいと判断され得る。
【0049】
判断の結果、乳白面積が大きければ(ステップS140:YES)、識別部81は、対象物90を青未熟粒と識別する(ステップS160)。一方、乳白面積が小さければ(ステップS140:NO)、識別部81は、対象物90をその他不良粒と識別する(ステップS150)。
【0050】
さらに、青み特徴がない場合には(ステップS110:NO)、識別部81は、対象物90の画像に白み特徴が現れているか否かを判断する(ステップS170)。この判断は、例えば、(RR+RG+RB)/TGの値に基づいて行われてもよい。この場合、(RR+RG+RB)/TGの値が第7の閾値以上である場合に、白み特徴があると判断され得る。
【0051】
判断の結果、白み特徴がなければ(ステップS170:NO)、識別部81は、対象物90を整粒と識別する。一方、白み特徴があれば(ステップS170:YES)、識別部81は、次いで、透過度が大きいか否かを判断する(ステップS190)。この判断は、例えば、RR/TGの値に基づいて行われてもよい。この場合、RR/TGの値が第8の閾値以下である場合に、透過度が大きいと判断され得る。
【0052】
判断の結果、透過度が小さければ(ステップS190:NO)、識別部81は、対象物90を白死米と識別する(ステップS200)。一方、透過度が大きければ(ステップS190:YES)、識別部81は、次いで、乳白面積が大きいか否かを判断する(ステップS210)。この判断は、上記ステップS140と同様の手法で行われ得る。判断の結果、乳白面積が大きければ(ステップS210:YES)、識別部81は、対象物90を白未熟粒と識別する(ステップS230)。一方、乳白面積が小さければ(ステップS210:NO)、識別部81は、対象物90をその他不良粒と識別する(ステップS220)。
【0053】
このようにして対象物90の品位(状態の種類)を識別すると、識別処理は終了となる。コントローラ80は、識別処理の集計結果をメモリに記憶してもよいし、任意のデバイスに出力してもよい。出力先は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、外部機器と通信を行うための通信インタフェースなどであってもよい。
【0054】
上述した測定装置10によれば、設置位置が異なる第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の各々から照射される光に基づく反射光および透過光を、RGB別に検出できる。このため、識別部81によって識別可能な状態の種類を増やすことができる。例えば、従来の光学式選別機では、得られる光情報の種類が少なかったので、青未熟粒、白未熟粒、青死米および白死米を識別できず、それらを一括りに不良品として識別されていた。一方、測定装置10によれば、図4に示した識別処理を参照して例示したように、青未熟粒、白未熟粒、青死米および白死米を識別可能となる。このため、農家は、従来よりも、対象物90に占める不良品の内容および割合をより詳細に把握して、品質の改善対策を検討することができる。図4の例では、主に緑色透過画像に基づいた識別を行う例を示したが、緑色透過画像に代えて、または、加えて、青色透過画像を使用しても、同等の識別を行うことができる。
【0055】
しかも、第1の光源ユニット20の照射期間と第2の光源ユニット30の照射期間とは重複しないので、設置位置が異なる第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の各々から照射される光が干渉しない。また、第1の光源ユニット20の照射期間と第2の光源ユニット30の照射期間とは交互に出現するので、第1の照射期間および第2の照射期間のいずれにおいても、十分な解像度の反射画像および透過画像を取得できる。したがって、対象物90の状態の識別精度を良好に確保できる。なお、第1の光源ユニット20は、特許請求の範囲の「第1の照射源」および「第2の照射源」の一方の非限定的な例であり、第2の光源ユニット30は、「第1の照射源」および「第2の照射源」の他方の非限定的な例である。あるいは、フロント側赤色光源21、フロント側緑色光源22およびフロント側青色光源23のうちの任意の一つまたは二つを「第1の照射源」および「第2の照射源」の一方の非限定的な例として捉えてもよく、リア側赤色光源31、リア側緑色光源32およびリア側青色光源33のうちの任意の一つまたは二つを「第1の照射源」および「第2の照射源」の他方の非限定的な例として捉えてもよい。
【0056】
上述した測定装置10によれば、対象物90の移送手段としてシュート73が使用される。このため、大量の対象物90を同時に移送することができる。したがって、測定装置10の時間当たりの処理能力を大きくできる。シュート73に代えて、コンベアが使用される場合も、同様の効果が得られる。
【0057】
本実施形態では、測定装置10は、さらに、識別部81の識別精度を向上させるための機能を有している。以下、そのような機能について説明する。
【0058】
図5は、第1のセンサ51のRGBのそれぞれ用の受光素子の分光感度特性の一例を示すグラフである。なお、第2のセンサ52も第1のセンサ51と同一の特性を有している。図示するように、RGBのそれぞれの受光素子の分光感度は、重複する感度領域(波長領域)を有している。このため、例えば、フロント側青色光源23から照射されるフロント側青色光26の波長域が400~450nmであり、フロント側緑色光源22から照射されるフロント側緑色光25の波長域が500~550nmである場合、B用の受光素子は、フロント側青色光源23の波長域に対してだけでなく、フロント側緑色光源22の波長域に対しても無視できない大きさの感度を有している。このため、第1のセンサ51でのフロント側青色光26の検出の際に、フロント側緑色光25がノイズとして重畳してしまう。
【0059】
図5に示す例の場合、コントローラ80の補正部83は、そのようなノイズの重畳を補正するために、第1のセンサ51および第2のセンサ52のB用の受光素子によって取得される信号の強度を減じる補正を行う。そして、識別部81は、補正後の信号の強度に基づいて、上述の識別処理を実行する。このような補正は、例えば、第1のセンサ51および第2のセンサ52のB用の受光素子によって取得される信号に値1未満の補正係数を乗じることによって行われてもよい。このような処理によれば、識別部81による識別精度をより向上させることができる。いずれのセンサのいずれの色の受光素子に関して補正を行うのかは、光源の波長域とセンサの分光感度との組み合わせの特性を考慮して、適宜決定され得る。また、補正の程度(どの程度、信号の強度を減じるか)は、当該組み合わせの特性を把握した上で、実験等によって予め設定され得る。
【0060】
さらに、コントローラ80の受付部84は、測定装置10で測定を行うべき対象物90の種類(例えば、玄米、精白米、麦粒、樹脂など)の入力を受け付ける。この対象物90の種類は、例えば、測定装置10のユーザインタフェースや、測定装置10に通信可能に接続された情報端末などを介して、ユーザが入力してもよい。さらに、コントローラ80には、そのメモリに、予め想定される対象物90の種類ごとに設定された補正の程度(例えば、上述の補正係数)を記憶している。この種類ごとの補正の程度は、各色用の受光素子ごとに設定されてもよい。そして、補正部83は、受付部84によって受け付けられた対象物90の種類に対応する補正の程度に基づいて、上記の補正を行う。換言すれば、補正部83は、受付部84によって受け付けられた対象物90の種類に応じて、補正の程度を変更する。対象物90の種類に応じて対象物90の光学特性(反射特性、透過特性など)は異なる(換言すれば、重畳するノイズの大きさが異なる)ので、このように対象物90の種類に応じて補正を行えば、上述の重畳ノイズの影響をより正確に補正できる。
【0061】
さらに、補正部83は、第1のセンサ51および第2のセンサ52の補正対象の受光素子によって取得される信号の強度に応じて補正の程度を変更する。対象物90の状態(例えば、対象物90が米である場合には、整粒であるか、青未熟粒であるか、それとも、青死米であるかなど)に応じて対象物90の光学特性(反射特性、透過特性など)は異なる(換言すれば、重畳するノイズの大きさが異なる)ので、対象物90の状態の違いは受光素子によって取得される信号の強度と相関を有している。このため、受光素子によって取得される信号の強度に応じて、補正の程度を変更することは、対象物90の状態に応じて補正の程度を変更することを意味している。このように対象物90の状態に応じて補正を行えば、上述の重畳ノイズの影響をより正確に補正できる。
【0062】
B.第2実施形態:
以下、図6を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の点灯タイミングのみが第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。図6に示すように、第2実施形態では、3N-2(Nは自然数)回目の走査期間では、フロント側の第1の光源ユニット20のみが点灯し、3N-1回目の走査期間では、フロント側の第1の光源ユニット20とリア側の第2の光源ユニット30との両方が同時に点灯し、3N回目の走査期間では、リア側の第2の光源ユニット30のみが点灯する。
【0063】
つまり、第2実施形態では、第1の光源ユニット20のみの照射期間と、第2の光源ユニット30のみの照射期間と、が、それらの間に第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の両方の照射期間を介在させつつ、重複せず、かつ、交互に出現する。このように、第1の光源ユニット20のみの照射期間(特許請求の範囲における「第1の照射期間」および「第2の照射期間」の一方の非限定的な例)と、第2の光源ユニット30のみの照射期間(特許請求の範囲における「第1の照射期間」および「第2の照射期間」の他方の非限定的な例)と、の間に、他の照射期間が介在してもよい。このような構成によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
また、3N-1回目の走査期間では、フロント側の第1の光源ユニット20とリア側の第2の光源ユニット30との両方が同時に点灯するので、第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々では、反射光と透過光とが合成された光によって表される反射透過画像がRGBのそれぞれについて追加的に取得される。このため、第1のセンサ51および第2のセンサ52によって取得される画像の種類を増やすことができ、ひいては、識別部81によって識別可能な状態の種類をさらに増やすことができる。第1の光源ユニット20と第2の光源ユニット30との両方が同時に点灯する頻度は、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の一方が点灯する頻度と同じであってもよいし、それよりも少なくてもよい。
【0065】
C.第3実施形態:
以下、図7を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の点灯タイミングのみが第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。図7に示すように、第3実施形態では、3M-2(Mは自然数)回目の走査期間では、フロント側赤色光源21およびリア側赤色光源31のみが同時に点灯し、その他の光源は消灯する。3M-1回目の走査期間では、フロント側緑色光源22およびリア側緑色光源32のみが同時に点灯し、その他の光源は消灯する。3N回目の走査期間では、フロント側青色光源23およびリア側青色光源33のみが同時に点灯し、その他の光源は消灯する。つまり、波長領域が異なる複数の光源のそれぞれの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現する。この点灯パターンによれば、第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々によって、RGBのそれぞれについて反射透過画像を取得できる。
【0066】
このような点灯パターンにおいて、フロント側赤色光源21およびリア側赤色光源31の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」のいずれかの非限定的な例になり得る。同様に、フロント側緑色光源22およびリア側緑色光源32の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」のいずれかの非限定的な例になり得る。同様に、フロント側青色光源23およびリア側青色光源33の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」のいずれかの非限定的な例になり得る。
【0067】
このような点灯パターンにおいても、波長領域が異なる複数の光源からの光が干渉することを避けつつ、第1のセンサ51および第2のセンサ52によって取得される画像の種類を増やすことができ、ひいては、識別部81によって識別可能な状態の種類を増やすことができる。
【0068】
D.第4実施形態:
以下、図8および図9を参照して第4実施形態について説明する。図8に示すように、第4実施形態による測定装置310は、装置構成としては、フロント側近赤外光源341とリア側近赤外光源342とをさらに備えている点と、第1のセンサ51および第2のセンサ52が近赤外光も検出可能である点と、が第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。代替実施形態では、可視光用の第1のセンサ51および第2のセンサ52に加えて、近赤外光用のセンサがフロント側およびリア側の各々に設置されてもよい。
【0069】
この測定装置310では、図9に示す点灯パターンによって光源が制御される。具体的には、4P-3(Pは自然数)回目の走査期間では、第1の光源ユニット20のみが点灯し、その他の光源は消灯する。4P-2回目の走査期間では、第2の光源ユニット30のみが点灯し、その他の光源は消灯する。4P-1回目の走査期間では、フロント側近赤外光源341のみが点灯し、その他の光源は消灯する。4P回目の走査期間では、リア側近赤外光源342のみが点灯し、その他の光源は消灯する。つまり、設置場所が異なる第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30のそれぞれの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現する。また、設置場所が互いに異なるとともに、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30とは波長領域が異なるフロント側近赤外光源341およびリア側近赤外光源342のそれぞれの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現する。
【0070】
このような点灯パターンにおいても、設置場所および波長領域が異なる複数の光源からの光が干渉することを避けつつ、取得される画像の種類をさらに増やすことができ、ひいては、識別部81によって識別可能な状態の種類を増やすことができる。なお、可視光同士および近赤外線光同士の干渉は許容しないが、可視光と近赤外光との干渉は許容する点灯パターンが設定されてもよい。つまり、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30のそれぞれの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現し、かつ、フロント側近赤外光源341およびリア側近赤外光源342のそれぞれの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現する限りにおいて、図9に示す点灯パターンは、第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の一方の照射期間と、フロント側近赤外光源341およびリア側近赤外光源342の一方の照射期間と、が重複する点灯パターンに変形され得る。
【0071】
E.第5実施形態:
以下、図10および図11を参照して第5実施形態について説明する。図10に示すように、第5実施形態による測定装置410は、装置構成としては、フロント側第1近赤外光源441と、フロント側第2近赤外光源442と、リア側第1近赤外光源443と、リア側第2近赤外光源444と、をさらに備えている点と、第1のセンサ51および第2のセンサ52が近赤外光も検出可能である点と、が第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。代替実施形態では、可視光用の第1のセンサ51および第2のセンサ52に加えて、近赤外光用のセンサがフロント側およびリア側の各々に追加的に設置されてもよい。
【0072】
フロント側第1近赤外光源441およびリア側第1近赤外光源443は、第1の波長領域の近赤外光を照射するように構成され、フロント側第2近赤外光源442およびリア側第2近赤外光源444は、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の近赤外光を照射するように構成される。第1のセンサ51および第2のセンサ52の各々(あるいは、可視光用の第1のセンサ51および第2のセンサ52に加えて、追加的に設置される近赤外光用のフロント側センサおよびリア側センサの各々)は、第1の波長領域の近赤外光および第2の波長領域の近赤外光の両方を検出可能であってもよいし、第1の波長領域の近赤外光および第2の波長領域の近赤外光の一方をそれぞれ検出可能であってもよい。
【0073】
この測定装置410では、図11に示す点灯パターンによって光源が制御される。具体的には、可視光を照射する第1の光源ユニット20および第2の光源ユニット30の点灯パターンは、第1実施形態(図3参照)と同じである。第1の波長領域の近赤外光を照射するフロント側第1近赤外光源441は、8Q-7(Qは自然数)回目の走査期間と、8Q-6回目の走査期間と、にまたがって点灯する。第1の波長領域の近赤外光を照射するリア側第1近赤外光源443は、8Q-5回目の走査期間と、8Q-4回目の走査期間と、にまたがって点灯する。第2の波長領域の近赤外光を照射するフロント側第2近赤外光源442は、8Q-3回目の走査期間と、8Q-2回目の走査期間と、にまたがって点灯する。第2の波長領域の近赤外光を照射するリア側第2近赤外光源444は、8Q-1回目の走査期間と、8Q回目の走査期間と、にまたがって点灯する。フロント側第1近赤外光源441、リア側第1近赤外光源443、フロント側第2近赤外光源442およびリア側第2近赤外光源444のそれぞれの照射期間の間には、近赤外光源441~444のいずれも点灯しない非照射期間T2が設定されている。
【0074】
図11の近赤外光源441~444の例のように、第1のセンサ51および第2のセンサ52の性能によっては、複数の走査期間に亘って点灯が継続的に行われてもよい。この場合、識別部81は、当該複数の走査期間の各々の第1のセンサ51の出力を足し合わせた演算結果に基づいて、識別処理を行ってもよいし、当該複数の走査期間の各々の第2のセンサ52の出力を足し合わせた演算結果に基づいて、識別処理を行ってもよい。
【0075】
このような点灯パターンによれば、フロント側第1近赤外光源441の照射期間と、リア側第1近赤外光源443の照射期間と、フロント側第2近赤外光源442の照射期間と、リア側第2近赤外光源444の照射期間と、が重複せずに、交互に出現する。このため、2種類の波長の近赤外光について、干渉を避けつつ、反射画像および透過画像を取得することができる。
【0076】
フロント側第1近赤外光源441およびリア側第1近赤外光源443の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」の一方の非限定的な例になり得る。フロント側第2近赤外光源442およびリア側第2近赤外光源444の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」の他方の非限定的な例になり得る。また、フロント側第1近赤外光源441およびリア側第1近赤外光源443の一方または両方は、特許請求の範囲における「第3の照射源」および「第4の照射源」の一方の非限定的な例になり得る。フロント側第2近赤外光源442およびリア側第2近赤外光源444の一方または両方は、特許請求の範囲における「第3の照射源」および「第4の照射源」の他方の非限定的な例になり得る。
【0077】
さらに、フロント側第1近赤外光源441およびフロント側第2近赤外光源442の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」の一方の非限定的な例になり得る。リア側第1近赤外光源443およびリア側第2近赤外光源444の一方または両方は、特許請求の範囲における「第1の照射源」および「第2の照射源」の他方の非限定的な例になり得る。また、フロント側第1近赤外光源441およびフロント側第2近赤外光源442の一方または両方は、特許請求の範囲における「第3の照射源」および「第4の照射源」の一方の非限定的な例になり得る。リア側第1近赤外光源443およびリア側第2近赤外光源444の一方または両方は、特許請求の範囲における「第3の照射源」および「第4の照射源」の他方の非限定的な例になり得る。
【0078】
F.第6実施形態:
以下、図12を参照して第6実施形態について説明する。図12に示すように、第6実施形態による選別装置510は、第1実施形態による測定装置10に加えて、選別部560を備えている点のみが第1実施形態と異なっている。選別部560は、識別部81によって不良品(整粒以外の米粒)と識別された対象物90に向けてエア563を噴射して、対象物90を選別する。具体的には、選別部560は、複数のノズル561と、ノズル561に対応する数(本実施形態では、ノズル561と同数であるが、ノズル561の数と異なっていてもよい)のバルブ562と、を備えている。複数のノズル561は、シュート73の幅方向に配列されている。
【0079】
複数のノズル561は、複数のバルブ562をそれぞれ介して、コンプレッサ(図示せず)に接続されている。コントローラ80からの制御信号に応じて複数のバルブ562が選択的に開かれることによって、複数のノズル561は、不良品と識別された対象物90に向けてエア563を選択的に噴射する。不良品と識別された対象物90は、エア563によって吹き飛ばされ、シュート73からの落下軌道から逸脱して不良品排出樋575に導かれる(図12に対象物91として示す)。一方、良品(整粒)と識別された対象物90には、エア563は噴射されない。このため、良品(整粒)と識別された対象物90は、落下軌道を変えることなく、良品排出樋574に導かれる(図12に対象物92として示す)。
【0080】
なお、シュート73から落下した後の対象物90に向けてエア563を噴射する構成に代えて、シュート73上を滑走中の対象物90に向けてエア563を噴射して、対象物90の移送経路を変更してもよい。また、移送手段として、シュート73に代えて、ベルトコンベヤが使用されてもよい。この場合、ベルトコンベヤの一端から落下する対象物に向けてエアが噴射されてもよい。あるいは、ベルトコンベヤ上で搬送中の対象物に向けてエアが噴射されてもよい。
【0081】
このような選別装置510によれば、選別される不良品の種類(対象物の状態の種類)を増やすことができる。あるいは、識別部81による識別結果を出力すれば、対象物90の状態を、より詳細に把握することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、任意の省略が可能である。
【0083】
例えば、上述したフローチャートは、一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、フローチャートを構成する各処理は、処理順序の変更や、等価な処理への変更が可能である。
【0084】
あるいは、反射画像および透過画像の一方のみが取得されるように、光源の点灯パターンが設定されてもよい。
【0085】
あるいは、測定装置310(図8参照)または測定装置410(図10参照)と、選別部560(図12参照)と、が組み合わされて、選別装置が構成されてもよい。
【0086】
あるいは、上述した種々の光源に代えて、または、加えて、任意の電磁波源が設置されてもよい。そのような電磁波源には、例えば、近赤外線源および/またはX線源が含まれ得る。この場合、全ての電磁波源のうちの、照射する電磁波の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる少なくとも二つの電磁波源(照射源)について、それらの照射期間が、重複せず、かつ、交互に出現するように設定されてもよい。
【0087】
あるいは、補正部83の機能は、上述した実施形態と独立して実現可能である。換言すれば、補正部83の機能は、第1の波長領域の電磁波と、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の電磁波と、を照射する電磁波照射源と、第1の波長領域と第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備えるセンサと、を備える測定装置または選別装置に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
10...測定装置
20...第1の光源ユニット
21...フロント側赤色光源
22...フロント側緑色光源
23...フロント側青色光源
24...フロント側赤色光
25...フロント側緑色光
26...フロント側青色光
30...第2の光源ユニット
31...リア側赤色光源
32...リア側緑色光源
33...リア側青色光源
34...リア側赤色光
35...リア側緑色光
36...リア側青色光
51...第1のセンサ
52...第2のセンサ
71...貯留タンク
72...フィーダ
73...シュート
74...排出樋
80...コントローラ
81...識別部
82...照射制御部
83...補正部
84...受付部
90,91,92...対象物
310...測定装置
341...フロント側近赤外光源
342...リア側近赤外光源
441...フロント側第1近赤外光源
442...フロント側第2近赤外光源
443...リア側第1近赤外光源
444...リア側第2近赤外光源
510...選別装置
560...選別部
561...ノズル
562...バルブ
563...エア
574...良品排出樋
575...不良品排出樋
T1,T2...非照射期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の状態を測定するための測定装置であって、
前記対象物を移送するように構成された移送部と、
前記移送部の作用によって移送中の前記対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、
前記電磁波照射源から照射され、前記対象物で反射した反射電磁波、および、前記対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたセンサと、
前記センサによって取得される信号に基づいて前記対象物の状態を識別するように構成された識別部と、
前記電磁波照射源からの前記電磁波の照射を制御するように構成された照射制御部と
を備え、
前記電磁波照射源は、照射する電磁波の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なる第1の照射源および第2の照射源を含み、
前記照射制御部は、前記第1の照射源が前記電磁波を照射する期間である第1の照射期間と、前記第2の照射源が前記電磁波を照射する期間である第2の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源は、前記対象物の移送経路に対する第1の側に配置され、
前記第2の照射源は、前記第1の側と反対の第2の側に配置され、
前記センサは、前記第1の側に配置された第1のセンサと、前記第2の側に配置された第2のセンサと、を備える
測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の測定装置であって、
前記照射制御部は、前記電磁波照射源から前記電磁波が照射されない非照射期間が前記第1の照射期間と前記第2の照射期間との間に介在するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源および前記第2の照射源の各々は、可視光を照射するように構成され、
前記電磁波照射源は、近赤外光を照射するように構成された第3の照射源および第4の照射源を備え、
前記第3の照射源および前記第4の照射源は、照射する近赤外光の波長領域、および、設置位置の少なくとも一方が異なり、
前記照射制御部は、さらに、前記第3の照射源が前記近赤外光を照射する期間である第3の照射期間と、前記第4の照射源が前記近赤外光を照射する期間である第4の照射期間と、が重複せず、かつ、交互に出現するように前記電磁照射源を制御するように構成された
測定装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の測定装置であって、
前記第1の照射源および前記第2の照射源の少なくとも一方は、少なくとも、第1の波長領域の電磁波と、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の電磁波と、を照射するように構成され、
前記センサは、前記第1の波長領域と前記第2の波長領域との両方に感度を有する素子を備え、
前記測定装置は、前記素子によって取得される信号の強度を減じる補正を行う補正部を備え、
前記識別部は、補正後の信号の強度に基づいて前記対象物の状態を識別する
測定装置。
【請求項6】
選別装置であって、
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の測定装置と、
前記識別部の識別結果に基づいて、前記対象物の選別を行うように構成された選別部と
を備える選別装置。