特開 2023-13611 水質及び／又は空気質制御資材、並びに、水質及び／又は空気質制御用具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023013611

(43)【公開日】2023-01-26

(54)【発明の名称】水質及び／又は空気質制御資材、並びに、水質及び／又は空気質制御用具

(51)【国際特許分類】

   C02F 1/50 20230101AFI20230119BHJP

   B01D 35/027 20060101ALI20230119BHJP

   A61L 9/01 20060101ALI20230119BHJP

   C02F 1/28 20230101ALI20230119BHJP

   A61L 9/00 20060101ALI20230119BHJP

   A61L 9/014 20060101ALI20230119BHJP

   C02F 1/68 20230101ALI20230119BHJP

   C02F 1/72 20230101ALI20230119BHJP

   B01J 20/10 20060101ALI20230119BHJP

   B01J 20/20 20060101ALI20230119BHJP

   B08B 13/00 20060101ALI20230119BHJP

   B08B 3/04 20060101ALI20230119BHJP

   D06F 35/00 20060101ALI20230119BHJP

   E03D 9/02 20060101ALI20230119BHJP

【ＦＩ】

C02F1/50 531S

B01D35/02 F

A61L9/01 B

C02F1/50 510A

C02F1/50 520J

C02F1/50 531A

C02F1/50 531C

C02F1/50 531E

C02F1/50 531F

C02F1/28 D

C02F1/28 E

A61L9/00 Z

A61L9/014

C02F1/68 510A

C02F1/68 520B

C02F1/68 520K

C02F1/68 520M

C02F1/72 101

B01J20/10 C

B01J20/20 D

C02F1/50 550B

C02F1/50 560Z

C02F1/50 560B

C02F1/50 540D

C02F1/68 530C

C02F1/68 540A

C02F1/68 540G

C02F1/28 F

B08B13/00

B08B3/04 Z

D06F35/00 Z

E03D9/02

C02F1/50 531Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】12

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021117924

(22)【出願日】2021-07-16

(71)【出願人】

【識別番号】510203809

【氏名又は名称】株式会社エクスプロア

(74)【代理人】

【識別番号】100110559

【弁理士】

【氏名又は名称】友野 英三

(72)【発明者】

【氏名】羽澤 学

【テーマコード（参考）】

2D038

3B116

3B168

3B201

4C180

4D050

4D116

4D624

4G066

【Ｆターム（参考）】

2D038BA01

2D038BA12

3B116AA31

3B116AA47

3B116AB52

3B116BB21

3B168AE01

3B168BA52

3B168BA78

3B168WA06

3B168WA13

3B201AA31

3B201AA47

3B201AB52

3B201BB21

3B201BB96

4C180AA02

4C180AA07

4C180AA10

4C180AA16

4C180CC01

4C180CC03

4C180CC04

4C180CC15

4C180EA02X

4C180EA04X

4C180EA05X

4C180EA06X

4C180EA07X

4C180EA14X

4C180EA14Y

4C180EA22Y

4C180EA23Y

4C180EA26Y

4C180EA27Y

4C180EA28Y

4C180EA30X

4C180EA33X

4C180EA34X

4C180EA39X

4D050AA01

4D050AB06

4D050BC04

4D050BC06

4D050BD02

4D050CA06

4D050CA12

4D050CA14

4D116BB01

4D116BC17

4D116FF12B

4D116FF14B

4D116FF15B

4D116FF20B

4D116GG02

4D116GG12

4D116GG13

4D116GG28

4D116GG29

4D116KK01

4D116QA41F

4D116QA44F

4D116UU09

4D116UU13

4D116VV07

4D116ZZ05

4D116ZZ07

4D116ZZ08

4D116ZZ09

4D116ZZ10

4D624AA01

4D624AA06

4D624AB07

4D624BA02

4D624BA05

4D624BA07

4D624BB01

4D624BB05

4D624BC01

4D624CA04

4D624CA12

4D624DB23

4D624DB26

4D624DB27

4G066AA04B

4G066AA22B

4G066CA02

4G066DA01

4G066DA07

(57)【要約】      （修正有）

【課題】抗菌剤、芳香消臭剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品、特に生活環境で使用する水及び空気を清浄化する生活環境維持製品を提供する。
【解決手段】本発明の水質及び／又は空気質制御資材は、一種以上の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が、それらの物質を捕集可能な濾材で形成した袋体に封入されていることを特徴とする。また、本発明の水質及び／又は空気質制御用具４０は、水質及び／又は空気質制御資材の一つ以上が、水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素が備えられている筐体に収容されていることを特徴とする。更に、水質及び／又は空気質制御家庭用品は、水質及び／又は空気質制御用具が備えられていることを特徴としても良く、水質及び／又は空気質制御用具で代替えすることもできる。
【選択図】図７

【特許請求の範囲】

【請求項1】

一種以上の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が、前記水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を捕集可能な濾材で形成した袋体に封入されていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項2】

前記濾材は、メッシュ、編物、織物、及び、不織布であることを特徴とする請求項１に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項3】

前記濾材は、前記メッシュ、前記編物、前記織物、及び、前記不織布の同種又は異種の二種以上が積層されていることを特徴とする請求項１に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項4】

前記水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が、抗菌性金属イオン含有体、抗菌性金属含有体、抗菌性金属化合物含有体、光触媒含有体、消臭性無機多孔質体含有体、洗浄性無機物質含有体、消臭性無機多孔質体、及び、洗浄性無機物質の中から選択される一種以上であることを特徴とする請求項１～３のいずれか一項に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項5】

前記抗菌性金属イオン含有体、前記抗菌性金属含有体、前記抗菌性金属化合物含有体、及び、前記光触媒含有体が、それぞれ、前記消臭性無機多孔質体を担体としていることを特徴とする請求項４に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項6】

前記無機多孔質体が、二酸化ケイ素（ＳｉＯ_２）成分及び炭素（Ｃ）成分のいずれかを約７０ｗｔ％以上含有することを特徴とする請求項４又は５に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項7】

前記光触媒含有体の光触媒が、紫外光応答型の二酸化チタン（ＴｉＯ_２）、並びに、可視光応答型の二酸化チタン（ＴｉＯ_２）及び酸化タングステン（ＷＯ_３）から選択される一つ以上であることを特徴とする請求項４～６のいずれか一項に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項8】

前記抗菌性金属化合物が、リン酸チタニウム系化合物であることを特徴とする請求項４～６のいずれか一項に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項9】

前記洗浄性無機物質含有体が、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）_２）及び／又は金属マグネシウム（Ｍｇ）を含有することを特徴とする請求項４に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項10】

前記洗浄性無機物質が、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）_２）及び／又は金属マグネシウム（Ｍｇ）であることを特徴とする請求項４に記載の水質及び／又は空気質制御資材。

【請求項11】

請求項１～１０のいずれか一項に記載の水質及び／又は空気質制御資材の一つ以上が、水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素が備えられている筐体に収容されていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御用具又は水質及び／又は空気質制御家庭用品。

【請求項12】

請求項１１に記載の水質及び／又は空気質制御用具が一つ以上備えられていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御家庭用品。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、洗濯機、水洗トイレ、風呂、流し台、アクアリウム、及び、水耕栽培等の家庭で使用する水の悪臭及び汚染物質等を除去すると共に、有効成分を供給して水の状態を用途に応じて適正化する水質制御に適した物質を、及び／又は、居住空間の悪臭及び汚染物質等を除去し、快適に過ごすことができる空気質制御に適した物質を、家庭で扱い易い形態に構成した水質及び／又は空気質制御資材、その水質及び／空気質制御資材を水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素として備えた水質及び／又は空気質制御用具、並びに、水質及び／又は空気質制御資材や水質及び／又は空気質制御用具を利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品に関する。

【背景技術】

【0002】

人間は、物質的欲求が満足されると、清潔で罹患しない快適な生活環境、すなわち、悪臭がなく、目に見えない真菌、細菌、及び、ウィルス等の病原体から保護された生活環境を要求するようになる。その結果、現在では、家庭・台所用品、食品容器・包材、衣料品、文具・おもちゃ、電気・電子製品、住宅・建材、及び、車両・航空機等に抗菌加工処理を謳った抗菌用品を目にしないことはない（非特許文献１～３）。ここで「抗菌」とは、真菌、細菌、及び、ウィルスの増殖を抑制又は阻止すること、又は、これらを殺滅又は損傷することに限定されず、病原性を有しない微生物の滅菌、殺菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防腐、防菌、防黴等も含めた総称とする。なお、この分野では、学術的に類似した用語が多いため、「抗菌」という用語に対する適正な理解は低く、抗菌製品の効果効用に対する誤解も多いことに留意が必要である。

【0003】

また、リビング、トイレ、台所、浴室、及び、玄関等の居住空間、下駄箱、冷蔵庫、箪笥等の家庭用品内部、病院、映画館、及び、学校等の公共施設の各所、並びに、自動車、車両、及び、航空機等の交通手段室内等に、脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び、防臭剤と呼称される芳香消臭剤が散布されたり、芳香消臭剤を各種形態で収容した芳香消臭用品が、当然のごとく常置されたりしている（非特許文献４及び５）。

【0004】

そして、このような現況に至る間には、抗菌性及び芳香消臭性の作用効果を高めるために、対象となる病原体及び悪臭源の種類、並びに、抗菌及び芳香消臭用品の使用状況及び環境等各種要因を考慮すると共に、抗菌作用機構及び芳香消臭作用機構が選択され、抗菌剤及び芳香消臭剤の改良、並びに、これらを用いた製品形態の改良が講じられてきた（非特許文献１～５）。特に、芳香消臭剤に関しては、消臭という機能的価値ばかりではなく、利用者が楽しむ芳香という情緒的価値が重要な意義を有しており、時の流れに伴う芳香の変遷にも対応する必要があった（非特許文献６）。

【0005】

例えば、抗菌剤については、特に、抗菌効果の持続安定性及び安全性という観点から、有機系抗菌剤から無機系抗菌剤に移行し、様々な無機系抗菌剤が開発されてきた（非特許文献３）。特に、銀（Ａｇ）、銅（Ｃｕ）、亜鉛（Ｚｎ）、金（Ａｕ）、及び、白金（Ｐｔ）等の微粒子及びイオン、並びに、それらの金属化合物が、無機多孔質体やハイドロキシアパタイト等の担体に担持された抗菌剤が数多く認められる（特許文献１）。

【0006】

更に、紫外線の照射によって酸化力の強いヒドロキシラジカルを発生し、有機物質、すなわち、病原体や悪臭の根源を分解するアナターゼ型二酸化チタン（ＴｉＯ_２）光触媒が、抗菌機能と消臭機能を兼ねる物質として脚光を浴びると共に、利用されるようになってきた（非特許文献７）。そのため、ＴｉＯ_２の紫外線暴露量が少ない室内等の環境でも光触媒機能を発現する可視光応答型のＴｉ系光触媒及び酸化タングステン（ＷＯ_３）系光触媒が開発されている（特許文献２及び非特許文献８）。また、チタン（Ｔｉ）を利用した抗菌剤及び消臭剤として、有機物の吸着性を高めたチタン（Ｔｉ）含有ハイドロキシアパタイトや光を必要としないリン酸チタニウム系化合物も開発された（特許文献３及び４）。

【0007】

ここで、「抗菌」とは、上述したように、幅広い包括的な意味を有しているが、微生物の殺滅、増殖阻止、及び、除去、並びに、微生物を含む医薬品及び食料品等の劣化防止、並びに、病原体だけの殺滅及び増殖阻止等、様々な作用効果があるように、「芳香消臭」にも、主に三つの作用効果がある。第一に、臭気の原因になる微生物を分解し殺滅すること、第二に、臭気を化学的及び物理的に吸着して系外に除去すること、そして、第三に、臭気を上回る香気によって臭気を隠蔽（マスキング）することである。実際には、これらを複合化させることによって、「芳香消臭」機能を発揮させることが多い。

【0008】

従って、薬局の店頭に並ぶ芳香消臭用品を見れば分かるように、芳香消臭剤及び芳香消臭用品は、抗菌剤及び抗菌用品以上に多岐にわたる物質及び形態が開発されてきた（非特許文献４～６）。例えば、芳香消臭剤をスプレーするもの、液状、ゲル状、固体状等の芳香消臭剤を容器に収納して、芳香消臭剤を蒸散又は臭気を吸着させるもの等が挙げられる。更に、芳香成分は、利用者が楽しむ芳香という情緒的価値が重要な意義を有しており、時の流れに伴う芳香の変遷にも対応する必要があり、フローラル調、シトラス調、ハーバル調、ソープ調、及び、フルーツ調等数多くの芳香剤が利用されている。

【0009】

更に、人間のライフスタイルに対する価値の多様化が進むに連れ、このような清潔で罹患しない快適な生活環境に対する人間の要求には止まるところがなく、抗菌機能及び芳香消臭機能だけでなく、日常生活の中における人間及び動植物の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も要求されるようになってきた。

【0010】

例えば、従来、陶磁器、研磨材、熱交換用資材、耐火材、及び、電子・電気部材等に利用されてきた非金属無機材料であるセラミックス、並びに、自然から産出される金属を含む無機材料である鉱物及び岩石等を含有するセラミックボールと呼称される製品に対する関心が高まっている（非特許文献９）。このセラミックボールには、抗菌効果及び消臭効果だけではなく、洗浄効果、ミネラル補給効果、遠赤外線効果、及び、マイナスイオン効果等の多岐に亘る効果を奏すると謳われているが、その効果には不明な点も多い。

【0011】

これは、セラミックボールが、特に、鉱物及び岩石に存在するＡｇ、Ｃｕ，Ｚｎ等の重金属イオンや光触媒であるＴｉＯ_２等を含有させることができ、抗菌性に優れていること、及び、セラミックス、鉱物、及び、岩石等の多孔質体を含有させることができ、活性炭及びゼオライトに代表される臭気を吸着する消臭性に優れていることに起因するだけでなく、ミネラル補給、疲労回復、細胞活性化、及び、洗浄力向上等の日常生活の中における人間及び動植物等の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も備えているからであると考えられる。

【0012】

例えば、鉱物や岩石を含有させたセラミックボールは、鉱物及び岩石が多孔質体である上、ナトリウム（Ｎａ）、カリウム（Ｋ）、マグネシウム（Ｍｇ）、カルシウム（Ｃａ）等のミネラルを豊富に含んでいるため、水道にセラミックボールを収容した濾過装置を取り付けるだけで、水道水から塩素化合物等が浄化されたミネラルウォーターが得られる。

【0013】

また、このようなセラミックボールに二酸化ケイ素（ＳｉＯ_２）を含有する鉱物及び岩石を用いた場合、そのセラミックボールをシャワーヘッドに収容すると、上記効果に加え、ＳｉＯ_２の遠赤外線放射効果により、毛髪、頭皮、及び、肌の損傷を軽減すると共に、体を温め、血流を促進することができると報告されている（非特許文献１０）。この遠赤外放射効果は、遠赤外線に対する放射率が大きいＳｉＯ_２をセラミックボールが多量に含んでいることに基づいている。なお、この放射率は、入射する全波長の光を吸収して光の反射も透過もない理想物体である「黒体」を基準とした理想的な全放射エネルギーＷと、物体が放射するエネルギーＷ’との比率ε＝Ｗ’／Ｗと定義されるものであり、ＳｉＯ_２は、３～１，０００μｍの遠赤外線に対し不透明で、放射率と吸収率は等しいというキルヒホッフの法則から、遠赤外線を吸収しやすく放射し易い性質を有しているのである。

【0014】

更に、このようなセラミックボールに、光触媒であるＴｉＯ_２を含有させたセラミックボールでは、抗菌効果を持たせることができるので、水耕栽培(ハイドロカルチャー)において、黴や病原体の発生を抑制して根腐れを予防する清潔な水環境を長期間に亘り維持することができると共に、ミネラルの溶出により水質を変え植物が成長しやすい水環境をつくることもでき、液肥使用量を削減し食物の味を向上させることができる。

【0015】

そして、このセラミックボールを洗濯に利用すると、洗濯物の洗浄効果、抗菌効果、及び、消臭効果を高めると共に、洗濯槽及びその排水管の洗浄、抗菌、及び、消臭もできるので、日常生活の家事の負担を軽減することができる（特許文献５及び６）。これは、ＳｉＯ_２による遠赤外線放射が、水の洗濯物への浸透を促進して洗浄力を高め、光触媒であるＴｉＯ_２が、抗菌効果及び消臭効果を発揮するからであると考えられている。このセラミックボールを、洗濯物の絡まりを防止し、物理的衝突によって洗浄効果を高めるランドリーボールに収容して使用すれば、洗浄効果は一層高められる。洗浄力を高める方法としては、洗浄効果を発現するマグネシウム（Ｍｇ）及び水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）_２）をセラミックボールに含有させる方法もあり、洗濯洗浄用品として広く利用されている（非特許文献１１）。

【0016】

以上のように、悪臭がなく、目に見えない真菌、細菌、及び、ウィルス等の病原体から保護された、清潔で罹患しない快適な生活環境、更には、日常生活の中における人間及び植物等の健康を維持増進し、日常生活の家事の負担から解放される生活環境を創出するため、数々の抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等を用いた各種生活環境維持製品が市場に満ち溢れている。

【0017】

しかしながら、これらの生活環境維持製品は家庭用品であって、法律により表示の適正化が図られている食料品や医薬品と比較し、一般消費者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、使用目的や使用環境等も考慮すると、その識別は一層困難を極める。そのため、一般消費者が、生活環境維持製品の満足できる効果効用を享受できない場合もある。

【0018】

いくら優れた効果を発現する抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等であったとしても、その効果を発現するためには、病原体や臭気等が存在する液体及び気体、特に、生活環境においては、水及び居住空間の空気と接触する必要があるため、必要最低限の比表面積が必要であり、数ミクロンから数十ミクロン程度の粒状であることが好ましい。

【0019】

例えば、優れた効果を発現する抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等をその他のセラミックスと混合して成形加工して製造されるセラミックボールは、明治時代に特許が取得された金平糖の製造方法のように、ミキサーに原料と水を供給してミキサーを回転させながらボールサイズを成長させ、最終的に焼結させる方法で、約７～１０ｍｍの大きさである（本明細書においては、このセラミックボールの製造方法を「ミキサー造粒法」と呼称する）。そのため、セラミックボール自体の比表面積が少ない上、有効成分をセラミックボール表面に偏在させることは困難であり、その効果は限定的にならざるを得ない。また、抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等をセラミックボールに成形加工するには特殊な技術を要し、容易に製造することができない。

【0020】

従って、現状では、抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品が、一般消費者に提供されていない。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0021】

【特許文献1】特開２００６－２８４５３号公報

【特許文献2】特許第５５６７８２８号公報

【特許文献3】特許第３６７８６０６号公報

【特許文献4】特許第４４３０８７７号公報

【特許文献5】実用新案登録第３１４７９２５号公報

【特許文献6】特許第５８３８２７３号公報

【特許文献7】特許第２５６７７１９号公報

【特許文献8】特許第３１１７６１４号公報

【特許文献9】特許第３６０２６５４号公報

【特許文献10】特開２００９－８４１７４号公報

【特許文献11】特許第３８２９６４０号公報

【特許文献12】特許第４４３０８７７号公報

【特許文献13】特許第５４７３３２４号公報

【特許文献14】特許第５５６７８２８号公報

【特許文献15】特開２０１６－５３１２８号公報

【特許文献16】特許第３６７８６０６号公報

【特許文献17】特許第３２７５０３２号公報

【特許文献18】特許第４０３５６２２号公報

【特許文献19】特許第５６６４９５２号公報

【非特許文献】

【0022】

【非特許文献1】白井汪芳，「消臭抗菌繊維と表面処理」，表面技術，Ｖｏｌ．４６，Ｎｏ．１１，ｐｐ．９７７－９８２（１９９５）

【非特許文献2】檜山圭一郎，「プラスチック製品の抗菌加工」，繊維製品消費科学会誌，Ｖｏｌ．４０，Ｎｏ．９，ｐｐ．５７６－５８４（１９９９）

【非特許文献3】菊地靖志，「抗菌性金属材料の現状と課題」，まてりあ，第３９巻，第２号，ｐｐ．１４６－１５０（２０００）

【非特許文献4】西田耕之助，「消臭剤とその作用」，繊維製品消費科学会誌，Ｖｏｌ．２９，Ｎｏ．９，ｐｐ．３５９－３６９（１９８８）

【非特許文献5】永友茂美，「家庭用芳香消臭剤の市場と開発動向」，におい・かおり環境学会誌，Ｖｏｌ．３７，Ｎｏ．５，ｐｐ．３５５－３６１（２００６）

【非特許文献6】矢田英樹，「芳香消臭剤の香りの変遷」，におい・かおり環境学会誌，Ｖｏｌ．４６，Ｎｏ．６，ｐｐ．３８２－３８９（２０１５）

【非特許文献7】正橋直哉，「二酸化チタン光触媒の基礎と最新開発動向」，[ｏｎｌｉｎｅ]，［２０２１年７月２日検索]，インターネット＜ｈｔｔｐ：／／ｐｏｌａｒ．ｉｍｒ．ｔｏｈｏｋｕ．ａｃ．ｊｐ／＿ｕｓｅｒｄａｔａ／ｐｈｏｔｏｃａｔ２０１０．ｐｄｆ＞

【非特許文献8】西川貴志，「可視光増感型酸化チタン光触媒」，色材協会誌，Ｖｏｌ．７７，Ｎｏ．１０，ｐｐ．４４６－４５０（２００４）

【非特許文献9】株式会社ＦＴ・Ｔ，「プロが選ぶオススメのセラミックボール企業５選」，[ｏｎｌｉｎｅ]，［２０２１年７月２日検索],インターネット＜ｈｔｔｐｓ：／／ｆｔ－ｆ．ｃｏｍ／ｃｅｒａｍｉｃｓ／ｒｅｃｏｍｅｎｄａｔｉｏｎ／＞

【非特許文献10】作田雅之，宿利成章，高橋清太郎，図子修，大河内正一，岡島敏，「貴宝石岩盤温浴における遠赤外線波長特性とその有効性について」，日本機械学会北海道支部講演会第４６回講演概要集，４６巻，２００７年，９月２９日，函館，函館，ｐｐ．９－１０（２００７）

【非特許文献11】磯谷悠里，岡田洋子，中島彩花，「マグネシウムで洗濯できるのか」，[ｏｎｌｉｎｅ]，［２０２１年７月２日検索],インターネット＜ｈｔｔｐｓ：／／ｋｏｚｕ－ｏｓａｋａ．ｊｐ／ｃｍｓ／ｗｐ－ｃｏｎｔｅｎｔ／ｕｐｌｏａｄｓ／２０１９／０２／ｃ２ｃｂａｆａａ４６６４ｆ４０ａ０ｄａ７ｂ１ａ８３７ｂ８４ｆ２５．ｐｄｆ＞

【非特許文献12】飯島智彦・行足智明，「複合系抗菌・防かび剤と銀系無機抗菌剤の特性」，無機マテリアル，Ｖｏｌ．６，Ｎｏｖ．５１２－５１６（１９９９）

【非特許文献13】(株)ユー・イー・エス，「触媒加工活性炭」，[ｏｎｌｉｎｅ]，［２０２１年７月２日検索], インターネット＜ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｃｏｃｏｗｏｒｋ．ｃｏｍ／ｐｒｏｄｕｃｔｓ／ｇｒａｎｕｌａｒ／ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ＞

【非特許文献14】金武直幸，小橋眞，「燃焼合成法によるポーラス材料の開発」，高温学会誌，第３４巻，第２号，ｐｐ．４５－５０（２００８年３月）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0023】

背景技術で説明したように、物質的欲求が満足された人間は、悪臭がなく、目に見えない真菌、細菌、及び、ウィルス等の病原体から保護され、清潔で罹患しない快適な生活環境、更には、日常生活の中における人間及び植物等の健康を維持増進し、日常生活の家事の負担から解放される生活環境を確保するために多大な努力が払われている。しかしながら、数多く開発されてきた抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の中から、このような要求を十分に満足できる優れた効果を発現するものの選択、及び、これらを効果的に作用させることができる家庭用品としての生活環境維持用品が見出されていない。

【0024】

本発明は、抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品の提供を目的としている。より具体的には、本発明は、生活環境で使用する水及び空気を清浄化すると共に、日常生活の中における人間及び動植物等の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も備えている生活環境維持製品として、水質及び／または空気質制御資材、並びに、この資材を用いた水質及び／又は空気質制御用具、更に、これらの資材及び用具を利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品の提供を目的としている。

【課題を解決するための手段】

【0025】

本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、活性炭及びゼオライト等の吸着剤、Ａｇイオンを担持した抗菌剤、ＳｉＯ_２を多量に含む岩石粉砕物を捕集可能な目付（単位面積当たりの重量で、一般的にはｇ／ｍ^２の単位で表記）及び厚さの不織布に封入した袋体を作製し、その袋体二種以上を流体が容易に移動可能な開孔部を有する筐体に収容して、居間、トイレ、及び、台所等への設置、並びに、水洗トイレの貯水タンク、浴槽、及び、アクアリウム等への投入の結果、水及び／又は空気に存在する病原体及び臭気を取り除くことができ、入浴時の遠赤外線効果を発現可能であると共に、使用目的及び使用環境に応じて抗菌剤及び吸着剤等を多種多様に交換可能な、一般消費者が十分に満足する生活環境維持用品、すなわち、上記袋体の水質及び／又は空気質制御資材、この資材を利用した水質及び／又は空気質制御用具、並びに、これらの資材及び用具を利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品を提供できることを見出し、本発明の完成に至った。

【0026】

第一に、本発明は、一種以上の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が、透過することができず、捕集され得る濾材で形成された袋体に封入されていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御資材である。従って、本発明の水質及び／又は空気質制御資材は、様々な形態の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を用いることができ、そのまま、居間、トイレ、及び、台所等への設置、並びに、水洗トイレの貯水タンク、浴槽、及び、アクアリウム等への投入を行うことができる。また、本発明の水質及び／又は空気質制御資材は、変形自在な濾材で形成された袋体に封入されているだけであるため、例えば、洗濯機における洗濯物との接触による損傷及び洗浄効果、箪笥等の中における狭い設置占有空間、水槽等への設置におけるアクアリウムの趣向、並びに、費用等、目的及び用途に応じて、そのまま使用することが好ましい場合と、下記のとおり、更に、筐体に収容することが好ましい場合とがあり、提供者及び利用者が自由に選択できる。

【0027】

第二に、本発明は、上記水質及び／又は空気質制御資材の一つ以上が、水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素が備えられている筐体に収容されており、用途が特定されるものではなく、様々な家庭用品として、及び、家庭用品を構成する要素として利用できることを特徴としている水質及び／又は空気質制御用具である。この筐体は、主として、外部環境との接触による損傷、設置安定性すること及び濾材を包装又は被覆して意匠性を高めることを目的としている。

【0028】

第三に、本発明は、上記水質及び／又は空気質制御資材の一つ以上が、水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素が備えられており、用途が特定される筐体に収容されている水質及び／又は空気質制御家庭用品、又は、上記水質及び／又は空気質制御用具が備えられ、用途が特定されていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御家庭用品である。これは、例えば、洗濯機で利用されるランドリーボールのような家庭製品において、水質及び／又は空気質制御機能を有する物質による抗菌、消臭、及び、洗浄機能だけでなく、洗濯物との接触による洗浄促進機能及び毛髪や毛玉等の塵埃捕獲機能を備えていることが好ましいように、目的及び用途に適した形態及び機能を備えるように構成された筐体に、水質及び／又は空気質制御部として機能する水質及び／又は空気質制御資材又は水質及び／又は空気質制御用具が備えられていることを意味する。

【0029】

このように、水質及び／又は空気質制御用具並びに水質及び／又は空気質制御家庭品を構成し、共用する基本単位は水質及び／又は空気質制御資材であって、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を透過することができず、捕集され得る濾材と、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の組み合わせによって選択されるものである。すなわち、濾材は、それが形成している空隙の最大の大きさよりも大きな水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を用いることに限定されると同時に、濾材の空隙は、水及び空気等の流体が、抵抗が少なく、十分に透過することが可能な大きさであるということに、本発明の基本的な技術がある。

【0030】

具体的には、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が、抗菌機能、芳香消臭機能、ミネラル供給機能、遠赤外線放射機能、及び、洗浄機能等を効果的に発現するためには、水及び／又は空気等の流体との接触面積が大きい程好ましく、その表面積が大きくなるように、小さな物質である程好ましい。一方、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が封入される袋体を形成する濾材は、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を捕集可能であると共に、水及び／又は空気等の流体を、大きな抵抗がなく透過可能な空隙を擁している必要がある。

【0031】

従って、実験結果に基づけば、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の粒子径は、約１μｍ～５ｍｍであることが好ましく、この範囲内の大きさの水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が選択される。この下限値より小さい場合、これらを捕集することが可能な濾材の水及び／又は空気等の流体の透過機能が低下するために好ましくなく、この上限値より大きい場合、水質制御機能及び／又は空気質制御機能が損なわれる。

【0032】

一方、濾材は、少なくとも、その開孔径が約３μｍ～１ｍｍ、その空隙率が約４０％～９０％、及び、その通気度が約１ｍ^３／ｍ^２・ｓ～２００ｍ^３／ｍ^２・ｓであることが好ましく、この範囲の中で、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を捕集することができる濾材が選択される。この下限値より小さい場合、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を完全に捕集することが可能であるが、濾材の水及び／又は空気等の流体の透過機能が著しく低下するために好ましくなく、この上限値より大きい場合は、使用できる水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が大きくなり過ぎ、水質制御機能及び／又は空気質制御機能の効果が低下すると共に、使用できる水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質が限定されるために好ましくなく、しかも、上記粒子径の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を完全に捕集することができる。編物、織物、及び、不織布では、目付、厚さ、繊維径等のパラメーターもあるが、本発明の濾材としては、上記三つのパラメーターが水質及び／又は空気質制御機能を有する物質の捕集性に最も重要である。これは、後述するように、空隙率を目付、厚さ、及び、繊維体積から計算して求めているためであると考えられる。

【0033】

このように、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質は、機能的に好ましく選択されなければならないが、濾材の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を十分に捕集する機能と、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の十分に効果を奏する機能との好ましい相互関係があり、これらを有機的に組み合わせることによって、一般消費者である利用者が十分に満足する生活環境維持用品、すなわち、袋体の水質及び／又は空気質制御資材を手にすることができる。以下、本発明に利用できる濾材及び水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質をより具体的に説明する。

【0034】

濾材は、メッシュ、編物、織物、及び、不織布のいずれかであることが好ましい。メッシュは、目開きにより、使用可能な水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の大きさを特定することができる。一方、編物、織物、及び、不織布は、通常、目付及び厚さにより水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の透過の有無を判断できる。しかし、後述するように、本発明で使用される水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の大きさの下限値辺りの約０．３μｍ～１ｍｍの開孔径が評価可能な、バブルポイント法、ウォーターブレークスルー法、水銀又は非水銀圧入法、及び、ガス吸着法等の貫通細孔径分布測定装置により測定した編物、織物、及び、不織布の最大開孔径から、これらに使用可能な水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の大きさを特定し、選択することが好ましい。約１ｍｍ以上の開孔径は、光学顕微鏡や目視で確認することができる。

【0035】

水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質の大きさの制約、特に、小さな物質に対応するため、濾材は、メッシュ、編物、織物、及び、不織布の同種又は異種の二種以上が積層されて開孔径を制御した積層濾材を用いることができる。本明細書では、このような積層濾材について、少なくともメッシュを含む濾材は積層メッシュ濾材、少なくとも編物を含む濾材は積層編物、少なくとも織物を含む濾材は積層織物、及び、少なくとも不織布を含むものは積層不織布と呼称することにする。

【0036】

このような濾材の中でも、メッシュ及び積層メッシュ、並びに、不織布及び積層不織布が好ましく用いられる。メッシュは、規則正しい織物で、水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を正確に篩にかけることができるからである。また、ステンレスメッシュ及び樹脂メッシュ等があるが、屈曲性が高く、細い繊維径を使用でき、開孔径、空隙率、及び、通気度の低いものを選択できる樹脂メッシュが好ましい。一方、不織布は多孔質構造であり、原料として、有機繊維及び無機繊維の中から幅広い材質、太さ、及び、長さ等の多様な繊維を利用でき、様々な特性を変化させることができる製造方法を選択できるため、目的及び用途に応じた特性、すなわち、通気性、透水性、及び、濾過性（捕集性）、開孔径、及び、開孔率等を幅広くかつ細かく制御可能であるためである。特に、合成繊維の不織布のバリエーションが広く、本発明の濾材に最も相応しい。そこで、不織布について詳しく説明する。

【0037】

不織布の素材は、有機繊維としては、綿、羊毛、麻、絹、及び、パルプ等の天然繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、及び、ポリアミド繊維等の合成繊維、無機繊維としては、ガラス繊維等を用いることができるが、性能の観点から合成繊維が最も好ましい。

【0038】

製造方法は、基本的には、フリースと呼称される繊維集積層を形成するフリース形成工程と、繊維同士を結合させる繊維間結合工程とからなる。そして、フリース形成工程には、乾式法、湿式法、スパンボンド法、及び、メルトブローン法のフリース形成方法があり、繊維間結合工程には、エマルション系又は溶液系接着剤を用いるケミカルボンディング法、接着剤を用いないサーマルボンディング法、針のようなニードルで繊維を絡ませるニードルパンチ法、高圧水流で繊維を絡ませるスパンレース法がある。このように、多種多様な製造方法があるため、目的及び用途に応じた多種多様な不織布が提供され得る。

【0039】

特に、フリース形成方法によって使用できる繊維の材質、太さ、及び、長さ等が異なり、不織布の多種多様化が図られる。乾式法は、長さが約１０～１００ｍｍの繊維に適し、カード機というものの中を通って、凹凸を有するロールの回転速度差及び空気流により繊維を配向又は無配向に集積するので、広範囲の開孔径の不織布を製造できる。湿式法は、水に分散させた繊維を、紙の抄紙工程のように、網状ワイヤーで掬い上げて濾過し、フェルトで乾燥させて繊維を集積するので、長さが約１０ｍｍ以下の短繊維に適し、繊維の材質を選ばない特徴があり、厚さが均一で広範囲の目付の不織布を製造できる。スパンボンド法は、原料樹脂を溶融・紡糸させて得られる連続した長い繊維を直接集積するので、マシンの長さの繊維長となり、合成繊維に限定されるが、強度が強い不織布が得られる。メルトブローン法は、樹脂を溶融して紡糸ノズルの周囲から噴射する高温エアにより延伸した細い繊維をシート状に集積するので、約０．３μｍの繊維径で、最も開孔径が小さい不織布を製造できる。そのため、メルトブローン法で製造した不織布（Ｍ）、及び、Ｍとスパンボンド法で製造した不織布（Ｓ）との積層不織布、例えば、Ｓ－Ｍ－Ｓ三層構造、Ｓ－Ｍ－Ｍ－Ｓ四層構造等の積層不織布は、１～３μｍの疑似ウィルスを９９％以上捕集する医療用マスク、及び、０．３μｍの塩化ナトリウム（ＮａＣｌ）結晶を９５％以上捕集するＮ９５マスクが製造されている。

【0040】

このように、不織布及び積層不織布には、開孔径及び開孔率を含めた多種多様な特性を付与することができるため、様々な性状の水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を捕集する濾材として広く対応することができる。

【0041】

このような濾材を用いて形成される袋体の形態は、特に限定されるものではなく、目的及び用途に適した形態に縫製されることが好ましい。形状としては、角柱状、平板状、円柱状、角錐状、円錐状、球状、楕球状、巾着状、並びに、これらに中空又は襞が設けられた形状等を挙げることができ、中空及び襞が設けられた形状は、水及び／又は空気等の流体との接触面積が大きく好ましい。ただし、封入される水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質を交換可能な出入口を、ファスナー、紐、及び、雄雌部材等の開閉手段で備え付けることが好ましい。

【0042】

一方、水質制御機能及び／又は空気質制御機能を有する物質は、抗菌性金属イオン含有体、抗菌性金属含有体、抗菌性金属化合物含有体、光触媒含有体、消臭性無機多孔質含有体、洗浄性無機物質含有体、及び、無機多孔質体の中から選択されるいずれか一種以上であり、それぞれの性状に応じて捕集可能な濾材で形成した袋体に封入され、水質及び／又は空気質制御資材として提供される。

【0043】

抗菌性金属イオン含有体としては、Ａｇイオン、Ｚｎイオン、及び、Ｃｕイオン等の抗菌性金属イオンを一種以上担持したゼオライト≪例えば、（株）シナネンゼオミック製ゼオミック（登録商標）、富士ケミカル（株）製バクテキラー（登録商標）、及び、特許文献７）、ガラス≪例えば、石塚硝子（株）製イオンピュア（登録商標）、興亞硝子（株）製ミリオンガード（登録商標）、及び、非特許文献１２≫、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム（ＳｉＯ_２－Ａｌ_２Ｏ_３－ＭｇＯ）≪例えば、日揮触媒化成工業（株）製アイス（登録商標）≫、及び、リン酸ジルコニウム≪例えば、東亞合成（株）製ノバロン（登録商標）ＡＱ≫等の無機系抗菌剤を挙げることができる。更に、これらの無機系抗菌剤を含有した約０．１ｍｍ～１ｍｍの粒子径のセラミックボール、ミキサー造粒法で製造されたこのような無機系抗菌剤を含有する約１ｍｍ～５ｍｍのセラミックボール、及び、このような約１ｍｍ～５ｍｍのセラミックボール又はミキサー造粒法で製造されたそれ以上の大きさのセラミックボールを粉砕した粒子径約０．１ｍｍ～１ｍｍの粒子を用いることもできる。約０．１～１ｍｍの粒子径のセラミックボールは、金型に原材料を投入して圧縮成形機で製造した粉末成形体を焼結して製造することができる。この焼結法で製造されるセラミックボールは、一般的に粉末成形体の密度及び加熱条件等により気孔を発生するが、本発明のセラミックボールでは、水及び又は空気等の流体との接触面積を大きくするため、気孔が発生しやすい条件で製造された多孔質体であることが好ましい。また、セラミックボールの粉砕粒子は、ハンマー、ローラー、カッター、及び、ボール等の粉砕媒体を用いたクラッシャー等の粉砕機を用いて製造することができる。そして、目的及び用途等に応じ、このような多種多様な抗菌性金属イオン含有体から一つ以上を選択し、選択された抗菌性金属イオン含有体に適した濾材と組合せて水質及び／又は空気質制御資材を製造することができる。

【0044】

抗菌性金属含有体としては、Ａｇ、Ｚｎ、Ｃｕ、Ａｕ、Ｐｔ、及び、ニッケル（Ｎｉ）／パラジウム（Ｐｄ）等の抗菌性金属を、微粒子、ナノ粒子、及び、被膜として担持したゼオライト、活性炭≪例えば、非特許文献１３≫、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト≪例えば、（株）サンギ製アパサイダー（登録商標）≫、シリカゲル、トバモライト≪例えば、特許文献９≫、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂≪例えば、特許文献８≫、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙（メノウ）、及び、礫岩等の無機多孔質体の所定の大きさの粒状体である無機系抗菌剤を挙げることができる。更に、抗菌性金属イオン含有体同様、これらの無機系抗菌剤を含有した約０．１ｍｍ～１ｍｍの粒子径のセラミックボール、ミキサー造粒法で製造されたこのような無機系抗菌剤を含有する約１ｍｍ～５ｍｍのセラミックボール、及び、このような約１ｍｍ～５ｍｍのセラミックボール又はミキサー造粒法で製造されたそれ以上の大きさのセラミックボールを粉砕した粒子径約０．１ｍｍ～１ｍｍの粒子を用いることもできる。ここで、Ａｇ、Ｚｎ、Ｃｕ、Ａｕ、及び、Ｐｔは、所謂、病原体等に対する抗菌効果を奏するが、Ｎｉ／Ｐｄは、青果物から放出されるエチレンガスを分解し、青果物の鮮度保持効果を奏する。

【0045】

抗菌性金属化合物含有体は、ベンゾトリアゾールＡｇ化合物を担持したゼオライト≪例えば、特許文献１０≫、抗菌性金属又は抗菌性金属化合物を含むＳｉＯ_２の被膜が表面に形成された砂≪（株）日鉱製ホロキラー（登録商標）サンド≫、上記無機系抗菌剤を含有するロジン、高級脂肪酸、高級アルコール等の疎水性物質が包埋されたゼオライト、活性炭、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト、シリカゲル、トバモライト、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙（メノウ）、及び、礫岩等の無機多孔質体≪例えば、特許文献９≫の所定の大きさの粒状体、並びに、光を必要としない抗菌性のリン酸チタニウム系化合物を被覆したゼオライト、活性炭、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト、シリカゲル、トバモライト、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙、及び、礫岩等の無機系多孔質体≪例えば、特許文献１１及び１２の活用≫の所定の大きさの粒状体等を挙げることができる。このリン酸チタニウム系化合物は、リン酸チタニウム化合物単独でも抗菌性及び消臭性を有するが、ケイ酸チタニウム化合物及び／又はホウ酸チタニウム化合物を含有していることがより好ましく、これらを全て含めてリン酸チタニウム系化合物と総称している。また、この場合も、抗菌性金属イオン含有体及び抗菌性金属含有体同様、これらの抗菌性金属化合物を含有するセラミックボール及びその粉砕体として用いることもできる。

【0046】

以上の抗菌性金属含有体及び抗菌性金属化合物含有体で、無機多孔質体を担体として使用する場合、無機多孔質体の比表面積を維持し、抗菌成分と無機多孔質体との接着力に優れ、持続安定性に優れた抗菌力を発揮するという観点から、リン酸チタニウム系化合物が被覆された無機多孔質体が特に好ましい。

【0047】

光触媒含有体としては、光触媒の微粒子又はナノ粒子を担持したゼオライト、活性炭、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト、シリカゲル、トバモライト、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙、及び、礫岩等の無機系多孔質体の所定の大きさの粒状体等を挙げることができる。光触媒は、広く利用されている紫外線応答型のＴｉＯ_２、並びに、可視光応答型のＴｉＯ_２及び可視光応答型のＷＯ_３≪例えば、特許文献１３～１５≫の中から選択される一つ以上が好ましく用いられる。特に、本発明の水質制御及び／又は空気質制御資材は、屋内で使用される場合が多いため、可視光応答型のＴｉＯ_２及び／又はＷＯ_３の光触媒であることが好ましい。

【0048】

光触媒含有体は、これらに限定されず、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト等のアパタイトの金属イオンをＴｉＯ_２のＴｉと置換した複合体≪例えば、特許文献１６、太平化学産業（株）製ＰＨＯＴＯＨＡＰ（登録商標）ＰＣＡＰ－１００≫、並びに、多孔質リン酸カルシウム被膜が形成されたＴｉＯ_２粒子又はＴｉＯ_２被膜で被覆されたゼオライト、活性炭、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト、シリカゲル、トバモライト、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙、及び、礫岩等の無機系多孔質体≪例えば、特許文献１７≫等の所定の大きさの粒状体等を用いることができる。

【0049】

更に、抗菌性金属イオン含有体、抗菌性金属含有体、抗菌性金属化合物含有体同様、紫外線応答型ＴｉＯ_２の微粒子又はナノ粒子、可視光応答型ＴｉＯ_２及びＷＯ_３の微粒子又はナノ粒子、並びに、上記光触媒含有体を含有するセラミックボール及びその粉砕体として用いることもできる。

【0050】

消臭性無機多孔質体としては、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、ハイドロキシアパタイト、シリカゲル、トバモライト、漆喰、焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、パーライト、火成岩、瑪瑙、及び、礫岩等の所定の大きさの粒状体を挙げることができる。

【0051】

ゼオライトは、天然及び合成ゼオライトのいずれであってもよい。活性炭は、ヤシ殻炭、木炭、石炭、オガ屑炭、竹炭、繭炭、及び、珈琲炭等を用いることができ、消臭力の観点からは、比表面積が大きい繭炭が特に好ましい（特許文献１８）。珪石は、ＳｉＯ_２の含有量が多く、遠赤外線放射性に優れているが、ＴｉＯ_２が多く含まれ、ミネラルが豊富な黒鉛珪石が、多目的に利用することができ、より好ましい。火成岩及び礫岩も、黒鉛珪石と同様の理由で、花崗斑岩、石英斑岩、花崗岩質礫岩が好ましい。

【0052】

特に、遠赤外線放射性を考慮すると、波長３μｍ～１ｍｍの遠赤外線に対する熱放射率が０．９以上有するＳｉＯ_２及び炭素（Ｃ）成分のいずれかが約７０ｗｔ％以上含有されている無機多孔質体が好ましい。従って、無機多孔質体としては、活性炭、珪石、シリカゲル、炭化ケイ素（ＳｉＣ）を多量に含む焼成耐火レンガ、サンゴ砂、珪藻土、珪石、珪砂、花崗斑岩、石英斑岩、及び、瑪瑙が特に好ましい。

【0053】

このような無機多孔質体も、セラミックボール及びその粉砕体として、無機多孔質含有体として、水質制御及び／又は空気質制御機能を有する物質として使用することができる。

【0054】

そして、洗浄性無機物質及び洗浄性無機物質含有体は、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）_２）及び金属マグネシウム（Ｍｇ）を投入した水が洗浄力を示すため、Ｍｇ（ＯＨ）_２及び／又はＭｇ単体、並びに、これらを含有する物質であるものが好ましい。Ｍｇ（ＯＨ）_２が洗浄力を示すのは、Ｍｇ（ＯＨ）_２が、微量ではあるが、１８℃の水に約９．０×１０－４ｇ／１００ｇ溶解し、弱アルカリ性となることに基づいていると考えられる。また、Ｍｇは、常温の水とは反応することがなく沸騰水と激しく反応し、水素（Ｈ_２）とＭｇ（ＯＨ）_２を生成するが、常温におけるｐＨの上昇及び洗浄力の向上が認められるので、常温の水でも僅かではあるが反応してＭｇ（ＯＨ）_２を生成しているものと考えられる（非特許文献１１）。

【0055】

洗浄性無機物質は、Ｍｇ（ＯＨ）_２及びＭｇの粒子、ペレット、及び、ボールをそのまま使用することができる。一方、洗浄性無機物質含有体は、例えば、Ｍｇ（ＯＨ）_２を主成分とする水滑石の粉砕体をそのまま使用することができる。また、Ｍｇ（ＯＨ）_２粉及びＭｇ粉を含有したセラミックボール及びその粉砕体として使用することもできる。特に、Ｍｇ（ＯＨ）_２粉及びＭｇ粉を含有したセラミックボールは、水に微溶解性である亜硫酸カルシウム粉体等と混合され、所定の大きさに成形された粉末成形体を焼結したものが好ましい（特許文献１９）。これは、水と反応したＭｇ（ＯＨ）の水への溶解を促進するからである。しかし、洗浄性無機物質をそのまま用いる方がより好ましい。

【0056】

以上のような水質及び／又は空気質制御資材は、本発明の基本単位であり、水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を選択及び混合すると共に、目的及び用途に応じた形態とすれば、そのまま、抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品として、より具体的には、生活環境で使用する水及び空気を清浄化すると共に、日常生活の中における人間及び動植物等の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も備えている生活環境維持製品として、居間、トイレ、及び、台所等へ設置することができるばかりか、水洗トイレの貯水タンク、浴槽、及び、アクアリウム等へ投入して使用することが可能である。

【0057】

しかしながら、例えば、洗濯・脱水機で使用する場合では、水質及び／又は空気質制御資材の濾材が、洗濯物、洗濯・脱水槽壁面、及び、洗濯羽根等と頻繁に何度も激しく衝突すると共に、水質及び／又は空気質制御資材に剪断力が加わり、濾材が損傷を受ける可能性があるため、保護する筐体に収容することが好ましい。また、その筐体が水質及び／又は空気質制御資材を保護するだけでなく、ランドリーボールとして、洗濯物との接触による洗浄促進機能及び毛髪や毛玉等の塵埃捕獲機能を備えていることが好ましい。更に、水質及び／又は空気質制御資材毎に異なる水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を封入しておけば、目的及び用途によって、筐体に収容する水質及び／又は空気質制御資材だけを交換するだけでよく、使い捨ても可能となるので、効率的で扱い易い製品となる。

【0058】

また、例えば、水質及び／又は空気質制御資材を、アクアリウムの水質保全及び水草育成促進等のために水槽へ設置する場合、並びに、水洗トイレの便器、タンク、及び、配管等の抗菌、消臭、及び、洗浄等のために手洗い吐水口のタンクへの水流入口へ設置する場合、アクアリウム及び手洗い口の趣味、趣向、雰囲気、及び、美的感覚等を考慮すると、濾材が露出された水質及び／又は空気質制御資材をアクアリウム及びトイレに適した形状、大きさ、及び、色等を備えた筐体に収容する方が好ましい。

【0059】

このような観点から、本発明は、水質及び／又は空気質制御資材の一つ以上が、水質及び／又は空気質制御部として機能する構成要素が備えられている筐体に収容されていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御用具又は水質及び／又は空気質制御家庭用品を提供するものである。そして、この空気質制御家庭用品は、水質及び／又は空気質制御用具が一つ以上備えられていることを特徴とする水質及び／又は空気質制御家庭用品であってもよい。

【0060】

すなわち、水質及び／又は空気質制御用具は、水質及び／又は空気質制御資材を一つ以上収容され、水質及び／又は空気質制御資材を保護すると共に、意匠性を備えており、目的及び用途に関係なく利用できるものと定義でき、空気質制御家庭用品は、上記水質及び／又は空気質制御用具の筐体自体に、目的及び用途に特別な意匠及び機能を備えたもの、又は、上記水質及び／又は空気質制御用具の筐体はそのまま用いるが、新たな意匠及び機能の筐体や手段で外装したものと定義できる。

【0061】

ランドリーボールを例に用いて説明すると、水質及び／又は空気質制御資材の濾材と、洗濯物、洗濯・脱水槽壁面、及び、洗濯羽根等との衝突、並びに、水質及び／又は空気質制御資材に加わる剪断による濾材の損傷から保護するため、水質及び／又は空気質制御部となる水の出入口を設けた筐体に水質及び／又は空気質制御資材を収容したものが水質及び／又は空気質制御用具である。これは、そのまま、居間、トイレ、台所、水洗トイレの貯水タンク、浴槽、及び、アクアリウム等に共通して使用できので、水質及び／又は空気質制御用具と定義する。しかし、この水の出入口を設けた水質及び／又は空気質制御用具の筐体自体を、洗浄促進機能及び塵埃捕獲機能を付設した新たな筐体とし、水質及び／又は空気質制御資材を収容したものがランドリーボールであり、水質及び／又は空気質制御家庭用品と定義する。また、上記水質及び／又は空気質制御用具をそのまま用いるが、洗浄促進機能及び塵埃捕獲機能を発現する手段を添設して外装したもの、上記水質及び／又は空気質制御用具を洗浄促進機能及び塵埃捕獲機能を発現する手段を設けた新たな筐体に収容したものもランドリーボールであり、水質及び／又は空気質制御家庭用品と定義する。

【0062】

また、アクアリウム及び水洗トイレを例に用いた説明すると、上記水質及び／又は空気質制御部となる水の出入口を設けた筐体に水質及び／又は空気質制御資材を収容した水質及び／又は空気質制御用具は、そのまま、アクアリウムの水槽内及びトイレの手洗い吐水口に設置でき、水質及び／又は空気質制御用具として機能する。しかし、水質及び／又は空気質制御部となる水の出入口を設け、アクアリウムに適した水草の形態の筐体に水質及び／又は空気質制御資材を収容したものは水質及び／又は空気質制御家庭用品である。また、手洗い吐水口下方のタンクへの水流入口に適した形態の筐体に上記水質及び／又は空気質制御部となる水の出入口を設けた筐体に水質及び／又は空気質制御資材を収容した水質及び／又は空気質制御用具をそのまま収容したものも、水質及び／又は空気質制御家庭用品である。

【0063】

このように、本発明を、水質及び／又は空気質制御資材、水質及び／又は空気質制御用具、及び、水質及び／又は空気質制御家庭用品と区別したのは、本発明が、次のような効果を奏し、あらゆる目的及び用途の生活環境維持製品を効率的に提供することができるからである。第一に、多種多様な水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を封入した水質及び／又は空気質制御資材を準備し、この水質及び／又は空気質制御資材を複数収容できる筐体を準備しておけば、あらゆる目的及び用途に適した水質及び／又は空気質制御用具を効率的に作製できることである。第二に、特別な形態の筐体が必要な目的及び用途に対しても、水質及び／又は空気質制御用具の筐体を共有化して、水質及び／又は空気質制御家庭用品にできることである。第三に、水質及び／又は空気質制御用具の筐体を目的及び用途に応じた特別な形態の筐体とすれば、水質及び／又は空気質制御資材を交換する水質及び／又は空気質制御家庭用品を提供できることである。そして、これらを自由に選択することができることも本発明の大きな特長である。

【発明の効果】

【0064】

本発明によれば、居間、トイレ、台所、水洗トイレの貯水タンク、浴槽、及び、アクアリウム等の居住空間のあらゆる目的及び用途に効率よく対応可能な抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品を提供することができる。より具体的には、生活環境で使用する水及び空気を清浄化すると共に、日常生活の中における人間及び動植物等の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も備えている生活環境維持製品を、多種多様で効果的な水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を効率的に選択し、組み合わせて用いることができる、水質及び／または空気質制御資材、この資材を用いた水質及び／又は空気質制御用具、更に、これらの資材及び用具を利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品という形態として提供できる。

【図面の簡単な説明】

【0065】

【図1】（ａ）は、本発明の一実施形態に係る、不織布で形成された平板状袋体に抗菌剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材の平面模式図である。（ｂ）は、（ａ）の切断線Ｘにおける断面模式図である。（ｃ）は、本発明の一実施形態に係る、不織布で形成された角柱状袋体に吸着剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材の平面模式図である。

【図2】（ａ）は、本発明の一実施形態に係る、不織布で形成された巾着状袋体に洗浄剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材の正面模式図である。（ｂ）（ａ）の切断線Ｙにおける断面模式図である。

【図3】（ａ）は、本発明の一実施形態に係る、図１及び２に示した抗菌剤、吸着剤、及び、洗浄剤を封入している水質及び／又は空気質制御資材が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具の外観模式図である。（ｂ）は、（ａ）の切断線Ｚにおける断面模式図である。

【図4】本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具が埋設されており、洗濯物押圧部が備えられている飛翔体状ランドリーボールの外観模式図である。

【図5】本発明の一実施形態に係る、図１及び２に示した抗菌剤、吸着剤、及び、洗浄剤を封入している水質及び／又は空気質制御資材が収容されており、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部並びに洗濯物押圧部が備えられている球状ランドリーボールの外観模式図である。

【図6】本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具が埋設されており、洗濯物押圧部及び塵埃等を捕獲するスポンジ機能部が備えられている飛翔体状ランドリーボールの外観模式図である。

【図7】本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具が埋設されており、洗濯物押圧部及び塵埃等を捕獲するブラシ機能部が備えられている飛翔体状ランドリーボールの外観模式図である。

【図8】本発明の一実施形態に係る、図１及び２に示した抗菌剤、吸着剤、及び、洗浄剤を封入している水質及び／又は空気質制御資材が収容されており、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部、洗濯物押圧部、並びに、塵埃等を捕獲するスポンジ機能部が備えられている球状ランドリーボールの外観模式図である。

【図9】（ａ）は、本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具が収容されている水洗トイレ用水質及び／又は空気質制御家庭用品の概略模式図である。（ｂ）は、本発明の一実施形態に係る図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具及び本発明の一実施形態に係る（ａ）に示した水洗トイレ用水質及び／又は空気質制御家庭用品を水洗ロータンクに利用した場合の設置状況を示す概略模式図である。

【図10】本発明の一実施形態に係る図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具をアクアリウムに利用した場合の概略模式図である。

【図11】本発明の一実施形態に係る、図３に示す球状水質及び／又は空気質制御用具を変形した長球状水質及び／又は空気質制御用具が収容されて、手洗い用スプレーとして利用されている水質及び／又は空気質制御家庭用品の概略模式図である。

【図12】本発明の一実施形態に係る、図３に示す球状水質及び／又は空気質制御用具が収容されて、消臭剤としてされている水質及び／又は空気質制御家庭用品の概略模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0066】

以下、図面に示した実施形態を用い、本発明をより具体的に説明することによって、その技術思想を明確にすることを意図しているが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想によってのみ限定されるものである。

【0067】

図１は、本発明の一実施形態に係る、抗菌剤が不織布で形成された袋体に封入されている水質及び／又は空気質制御資材の模式図である。（ａ）は、平板状袋体１２に抗菌剤１１が封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０の平面模式図であり、（ｂ）は、（ａ）の切断線Ｘにおける断面模式図である。（ｃ）は、角柱状袋体２２に（図示されていない）吸着剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０の平面模式図である。図から明らかなように、この実施例では、抗菌剤等の水質及び／又は空気質制御機能を有する物質の交換可能な出入口を、ファスナー１３、２３の開閉手段で形成している。これによって、多種多様な水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を簡単に交換することができる。

【0068】

抗菌剤１１は、光を必要としない抗菌性リン酸チタニウム系化合物を被覆した粒子径が約２．０ｍｍ～５．０ｍｍのヤシ殻活性炭を用い、吸着剤は、粒子径が０．５ｍｍ～４．８ｍｍの合成ゼオライトを用いた。抗菌剤１１が封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０の濾材は、開孔径が約４０μｍ～３００μｍ、空隙率が約８０％、通気度が約１８０ｍ^３／ｍ^２・ｓであるスパンボンド法で製造したポリプロピレン（ＰＰ）不織布を用いた。角柱状袋体２２に吸着剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０の濾材は、開孔径が約１０μｍ～４０μｍ、空隙率が約７０％、通気度が約２５ｍ^３／ｍ^２・ｓである湿式法で製造したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）不織布を用いた。開孔径は、バブルポイント法により、空隙率は、目付、厚さ、及び、繊維体積から計算により、通気度は、フラジール法（ＪＩＳＬ １０９６）により求めた。

【0069】

リン酸チタニウム系化合物で被覆されたヤシ殻活性炭は、リン酸チタニウム化合物が被覆されたヤシ殻活性炭とケイ酸チタニウム化合物が被覆されたヤシ殻活性炭との混合物であり、特許文献１２を参考にして製造された。リン酸チタニウム化合物が被覆されたヤシ殻活性炭は、ヤシ殻活性炭の存在下で、イソプロピルアルコールと精製水の混合溶液中、室温で四塩化チタンを混合して反応させた後、リン酸水溶液を添加して反応させることによって製造された。ケイ酸チタニウム化合物が被覆されたヤシ殻活性炭は、ヤシ殻活性炭の存在下で、イソプロピルアルコールと精製水の混合溶液中、室温で四塩化ケイ素を加えて反応させた後、四塩化チタンを添加して反応させることによって製造された。リン酸チタニウム化合物及びケイ酸チタニウム化合物の被覆量は、ヤシ殻活性炭に対し、約１～３重量％とすることが好ましく、リン酸チタニウム化合物に対するケイ酸チタニウム化合物は、約２０～５０重量％とすることが好ましい。

【0070】

図２は、本発明の一実施形態に係る、不織布で形成された巾着状袋体３２に洗浄剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０である。（ａ）は、正面模式図であり、（ｂ）は、（ａ）の切断線Ｙにおける断面模式図である。この実施例では、抗菌剤等の水質及び／又は空気質制御機能を有する物質の交換可能な出入口を、雄部材と雌部材とが咬合して開閉する咬合部３３とした。これによって、多種多様な水質及び／又は空気質制御機能を有する物質を簡単に交換することができる。

【0071】

洗浄剤は、約１５μｍの粒子径の水酸化マグネシウムを用い、巾着状袋体３２に洗浄剤が封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０の濾材は、開孔径が約３μｍ～１０μｍ、空隙率が約５０％、通気度が約７ｍ_３／ｍ_２・ｓであるメルトブローン法で製造したＰＰ不織布を用いた。

【0072】

図３は、本発明の一実施形態に係る、図１（ａ）及び（ｂ）に示した抗菌剤が平板状袋体１２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０、図１（ｃ）に示した吸着剤が角柱状袋体２２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０、並びに、図２に示した洗浄剤が巾着状袋体３２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具４０である。(ａ)は、その球状水質及び／又は空気質制御用具４０の外観模式図であり、（ｂ）は、（ａ）の切断線Ｚにおける断面模式図である。

【0073】

図示したように、水質及び／又は空気質制御用具４０には、収容されている水質及び／又は空気質制御資材１０、２０、３０が機能するために、水及び／又は空気等の流体が移動可能な水質及び／又は空気質制御部４１が設けられる必要があり、この実施形態では円柱状開孔が備えられている。それに加え、水質及び／又は空気質制御資材１０、２０、３０を簡単に交換できるように、開閉可能な形態にしておく必要がある。この実施形態では、水質及び／又は空気質制御用具４０が、蓋部材４２と水質及び／又は空気質制御資材収容部材４３とに分割されており、蓋部材４２と水質及び／又は空気質制御資材収容部材４３において開閉することができる構成としている。これによって、多種多様な水質及び／又は空気質制御資材を簡単に交換することができる。

【0074】

図４は、本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されており、洗濯物押圧部１２０～１６０が備えられている飛翔体状ランドリーボール１００の外観模式図である。

【0075】

図から明らかなように、抗菌剤が平板状袋体１２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０、吸着剤が角柱状袋体２２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０、並びに、洗浄剤が巾着状袋体３２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具４０の埋設部１１０と、円盤状主柱の洗濯物押圧部１２０、円盤状主柱１２０の直径上に嵌合する第一の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部１３０、第一の半円盤状垂直片翼１３０に嵌合する第一の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部１４０、円盤状主柱１２０の直径上に嵌合する第二の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部１５０、及び、第二の半円盤状垂直片翼１５０に嵌合する第二の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部１６０を備えた筐体の埋設部１１０に、球状水質及び／又は空気質制御用具４０が備えられた水質及び／又は空気質制御家庭用品として機能する飛翔体状ランドリーボール１００を構成している。

【0076】

このランドリーボール１００を洗濯に用いることによって、抗菌剤及び吸着剤を含む水質及び／又は空気質制御資材１０、２０が、洗濯物に対して優れた抗菌及び消臭作用が働くと共に、洗浄剤を含む水質及び／又は空気質制御資材３０と、洗濯物押圧部１２０～１６０との相乗効果が洗浄力を向上させる。更に、このような飛翔体状ランドリーボール１００は、洗濯物押圧部１２０～１６０が洗濯物の絡み防止効果を奏し、抗菌力、消臭力、及び、洗浄力を一層高めることができる。また、水質及び／又は空気質制御資材１０、２０、３０は、洗濯槽、脱水槽、及び、排水管等の抗菌、消臭、及び、洗浄にも効果を奏する。

【0077】

図５は、本発明の一実施形態に係る、図１及び２に示した抗菌剤、吸着剤、及び、洗浄剤を封入している水質及び／又は空気質制御資材１０、２０、３０が収容されており、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部２２０並びに突起状洗濯物押圧部２１０が備えられている球状ランドリーボール２００の外観模式図である。

【0078】

抗菌剤が平板状袋体１２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０、吸着剤が角柱状袋体２２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０、並びに、洗浄剤が巾着状袋体３２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具４０の筐体に必要な、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部４１、蓋部材４２、及び、水質及び／又は空気質制御資材収容部材４３の基本構成に、突起状洗濯物押圧部２１０を付加したランドリーボールとして機能するための水質及び／又は空気質制御家庭用品である。このように、水質及び／又は空気質制御用具に、目的及び用途に応じた機能を付与することによって、水質及び／又は空気質制御資材の選択及び交換が容易な水質及び／又は空気質制御家庭用品を提供することができる。

【0079】

図６は、本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されており、洗濯物押圧部３２０～３６０及び塵埃等を捕獲するスポンジ機能部３７０が備えられている飛翔体状ランドリーボール３００の外観模式図である。

【0080】

これは、図４のランドリーボール１００に洗濯物に付着している塵埃や毛髪等を捕獲する機能を更に付与したものである。

【0081】

図７は、本発明の一実施形態に係る、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されており、洗濯物押圧部４２０～４６０及び塵埃等を捕獲するブラシ機能部４７０が備えられている飛翔体状ランドリーボール４００の外観模式図である。

【0082】

これは、図６のスポンジ機能部３７０の代わりにブラシ機能部４７０を設け、スポンジ機能以上に優れた洗濯物に付着している塵埃や毛髪等の捕獲機能に加え、ブラシ機能による洗浄力向上を図るものである。

【0083】

図８は、本発明の一実施形態に係る、図１及び２に示した抗菌剤、吸着剤、及び、洗浄剤を封入している水質及び／又は空気質制御資材１０、２０、３０が収容されており、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部５２０、洗濯物押圧部５１０、並びに、塵埃等を捕獲するスポンジ機能部５６０が備えられている球状ランドリーボールの外観模式図であり、図６のランドリーボール同様、図５に示した球状ランドリーボール２００に洗濯物に付着している塵埃や毛髪等の捕獲機能を加えたものである。

【0084】

図９は、図３、４、６、及び７に示された抗菌剤が平板状袋体１２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材１０、吸着剤が角柱状袋体２２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０、並びに、洗浄剤が巾着状袋体３２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具４０を、水洗トイレにおいて利用した実施形態の一例である。

【0085】

図９（ａ）は、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具４０が収容されている水洗トイレ用水質及び／又は空気質制御家庭用品６００の概略模式図である。また、図９（ｂ）は、図３に示した球状水質及び／又は空気質制御用具４０をそのまま水洗ロータンク貯水タンク１に設置して利用する例と、図９（ａ）に示した水洗トイレ用水質及び／又は空気質制御家庭用品６００を、手洗い吐水口４の直下、ロータンク蓋３に設置して利用する例とを示している。

【0086】

このように、球状水質及び／又は空気質制御用具４０は、異なる目的及び用途においても共有して利用することができる。水洗ロータンク貯水タンク１に設置される球状水質及び／又は空気質制御用具４０は、水洗ロータンク及び水洗トイレの配管等の抗菌、消臭、及び、洗浄を目的とした利用方法である。一方、流水通過口６２０が備えられている蓋部材６１０、球状水質及び／又は空気質制御用具４０収容筐体６３０、並びに、流水通過兼筐体支持円筒部６４０から構成され、手洗い吐水口４の直下、ロータンク蓋３に設置できるように設計された特別な目的の筐体内に、球状水質及び／又は空気質制御用具４０を収容して水質及び／又は空気質制御家庭用品６００として利用した場合は、手の抗菌、消臭、及び、洗浄を目的とした利用方法である。なお、この場合は、水洗ロータンク及び水洗トイレの配管等の抗菌、消臭、及び、洗浄を兼ねることができる。

【0087】

また、図１０に示すように、球状水質及び／又は空気質制御用具４０をアクアリウムの水質保全に利用することもできる。この用途においては、吸着剤として機能する消臭性無機多孔質体として、ミネラルを放出する黒鉛珪石、花崗斑岩、石英斑岩、及び、花崗岩質礫岩等を利用することによって、水草の育成促進を図ることもできる。

【0088】

更に、図１１は、球状水質及び／又は空気質制御用具４０と同じく、流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部５１、蓋部材５２、水質及び／又は空気質制御資材収容部材５３、蓋部材５２と水質及び／又は空気質制御資材収容部材５３との嵌合部５４から構成されるが、形状だけが異なる楕球状水質及び／又は空気質制御用具５０を、手洗い用スプレー７００に利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品である。

【0089】

図示されていないが、吸着剤が角柱状袋体２２に封入されている水質及び／又は空気質制御資材２０の吸着剤として、ＳｉＯ_２の含有量が多く、遠赤外線放射性に優れている珪石、黒鉛珪石、花崗斑岩、石英斑岩、及び、花崗岩質礫岩を用いれば、浴槽等に利用して身体を温める効果をもたらすこともできる。

【0090】

最後に、球状水質及び／又は空気質制御用具４０を空気質制御に利用した実施形態を図１２に示す。図から明らかなように、この実施形態は、球状水質及び／又は空気質制御用具４０が、球状水質及び／又は空気質制御用具４０受け皿８１０と流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部８３０を備えた抗菌消臭用品本体８２０とからなる筐体に収容されて、抗菌消臭用品８００として利用されている水質及び／又は空気質制御家庭用品である。このように、球状水質及び／又は空気質制御用具４０は、居住空間の抗菌及び消臭に利用することができる。ただし、この場合、洗浄剤が巾着状袋体に封入されている水質及び／又は空気質制御資材３０は不要である。

【0091】

以上、抗菌剤、芳香消臭剤、ミネラル供給剤、遠赤外線放射剤、及び、洗浄剤等の優れた効果を十分に発揮できる形態の生活環境維持製品、より具体的には、生活環境で使用する水及び空気を清浄化すると共に、日常生活の中における人間及び動植物等の健康を維持増進する機能及び日常生活で営まれる家事等の労力の負担から解放される機能等も備えている生活環境維持製品として、水質及び／または空気質制御資材、並びに、この資材を用いた水質及び／又は空気質制御用具、更に、これらの資材及び用具を利用した水質及び／又は空気質制御家庭用品の実施形態を説明したが、一例であって、本発明の主旨を逸脱することなく、特許請求の範囲に記載された技術思範囲内で種々変更して実施することが可能である。

【産業上の利用可能性】

【0092】

本発明の水質及び／又は空気質制御資材、水質及び／又は空気質制御用具、及び、水質及び／又は空気質制御家庭用品は、水質及び／又は空気質制御を有する物質の大きさとそれを封入する袋体を形成する濾材の開孔径とを制御することによって創造されたものであり、抗菌剤、消臭剤、及び、洗浄剤等だけでなく、多種多様な固体物質の機能、例えば、触媒機能、植物育成促進機能、及び、生分解性促進機能等を有効かつ効率よく利用する技術として応用できる可能性があり、産業上の利用可能性は極めて高い。

【符号の説明】

【0093】

１ 水洗ロータンク貯水タンク
２ 洗浄ハンドル
３ ロータンク蓋
４ 手洗い吐水口
５ アクアリウム水槽
６ 水
７ 水草
８ 金魚
１０ 抗菌剤が平板状袋体に封入されている水質及び／又は空気質制御資材
１１ 抗菌剤
１２ 不織布で形成された袋体
１３ ファスナー
１４ 接着面
２０ 吸着剤が角柱状袋体に封入されている水質及び／又は空気質制御資材
３０ 洗浄剤が巾着状袋体に封入されている水質及び／又は空気質制御資材
３１ 洗浄剤
３２ 積層不織布
３３ 雄部材と雌部材との咬合部
４０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている球状水質及び／又は空気質制御用具
４１ 流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部
４２ 蓋部材
４３ 水質及び／又は空気質制御資材収容部材
４４ 蓋部材４２と水質及び／又は空気質制御資材収容部材４３との嵌合部
５０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている楕球状水質及び／又は空気質制御用具
５１ 流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部
５２ 蓋部材
５３ 水質及び／又は空気質制御資材収容部材
５４ 蓋部材５２と水質及び／又は空気質制御資材収容部材５３との嵌合部
１００ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されている飛翔体状ランドリーボール
１１０ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０の埋設部
１２０ 円盤状主柱の洗濯物押圧部
１３０ 円盤状主柱１２０の直径上に嵌合する第一の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
１４０ 第一の半円盤状垂直片翼１３０に嵌合する第一の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
１５０ 円盤状主柱１２０の直径上に嵌合する第二の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
１６０ 第二の半円盤状垂直片翼１５０に嵌合する第二の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
２００ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている球状ランドリーボール
２１０ 突起状洗濯物押圧部
２２０ 流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部
２３０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている上部半球体
２４０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている下部半球体
２５０ 上部半球体２３０と下部半球体２４０の嵌合部
３００ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されているスポンジ機能を有する飛翔体状ランドリーボール
３１０ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０の埋設部
３２０ 円盤状主柱の洗濯物押圧部
３３０ 円盤状主柱３２０の直径上に嵌合する第一の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
３４０ 第一の半円盤状垂直片翼３３０に嵌合する第一の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
３５０ 円盤状主柱３２０の直径上に嵌合する第二の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
３６０ 第二の半円盤状垂直片翼３５０に嵌合する第二の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
３７０ スポンジ機能部
４００ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０が埋設されているブラシ機能を有する飛翔体状ランドリーボール
４１０ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０の埋設部
４２０ 円盤状主柱の洗濯物押圧部
４３０ 円盤状主柱４２０の直径上に嵌合する第一の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
４４０ 第一の半円盤状垂直片翼４３０に嵌合する第一の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
４５０ 円盤状主柱４２０の直径上に嵌合する第二の半円盤状垂直片翼の洗濯物押圧部
４６０ 第二の半円盤状垂直片翼４５０に嵌合する第二の半円盤状水平片翼の洗濯物押圧部
４７０ ブラシ機能部
５００ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されているスポンジ機能を有する球状ランドリーボール
５１０ 突起状洗濯物押圧部
５２０ 流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部
５３０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている上部半球体
５４０ 水質及び／又は空気質制御資材が収容されている下部半球体
５５０ 上部半球体５３０と下部半球体５４０の嵌合部
５６０ スポンジ機能部
６００ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０が収容されている水洗トイレ用水質及び／又は空気質制御家庭用品
６１０ 流水通過口が備えられている蓋部材
６２０ 流水通過口
６３０ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０収容筐体
６４０ 流水通過兼筐体支持円筒部
７００ 長球状水質及び／又は空気質制御用具５０が収容されている手洗い用スプレー
７１０ スプレー本体
７２０ ボトル
７３０ ノズル
７４０ ハンドル
８００ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０が収容されている抗菌消臭用品
８１０ 球状水質及び／又は空気質制御用具４０受け皿
８２０ 抗菌消臭用品本体
８３０ 流体移動可能な開孔である水質及び／又は空気質制御部
Ｘ，Ｙ，Ｚ 切断線

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】