(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136114
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0235 20230101AFI20230922BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20230922BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230922BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230922BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20230922BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20230922BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/02 370
G08G1/123 A
G06Q50/10
G06Q50/30
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041563
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 誠一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC12
5H181MA02
5H181MA07
5H181MA13
5L049BB07
5L049CC11
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】移動サービスに利用可能な電子クーポンによる収益性を向上させることを可能とする。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御部、を備える。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記移動サービスはタクシーである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
端末装置に搭載され、前記ユーザに関連付けられた所定プログラムを用いて前記移動サービスの利用の依頼がなされた場合に、前記電子クーポンの適用の可否を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記充足の条件が前記地理的条件を含み、
前記所定プログラムを用いて前記移動サービスの利用を依頼する際に、前記依頼により指定された前記移動サービスによる前記ユーザの移動開始位置および移動終了位置少なくとも一方が前記電子クーポンに設定された制限外である場合に、前記電子クーポンの適用を不可とする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記充足の条件が前記地理的条件を含み、
前記ユーザが、前記所定プログラムを用いて前記移動サービスを利用した際に、前記移動サービスにより前記ユーザが移動を開始した移動開始位置および移動を終了した移動終了位置のうち少なくとも一方が前記電子クーポンに設定された制限外である場合に、前記電子クーポンを無効とする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記充足の条件が前記利用条件を含み、前記利用条件として前記所定サービスに対するチェックイン情報を含める、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記発行主体が提供する前記所定サービスの利用を前記利用条件として、前記ユーザに対して前記電子クーポンそれぞれを識別する識別コードが送信され、
前記制御部は、
前記電子クーポンごとにユニークな前記識別コードを発行し、前記端末装置から前記所定プログラムにより送信された前記識別コードを付加した前記電子クーポンを発行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記端末装置から前記所定プログラムにより前記発行主体が提供するデバイスを介して要求があった場合に、前記電子クーポンを前記ユーザに対して適用する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記地理的条件および前記利用条件に時間的条件を加えた各条件のうち少なくとも1つがユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記ユーザが前記電子クーポンに係る前記移動サービスを既に利用し、且つ、当該移動サービスを利用した時点から、当該電子クーポンによる所定サービスを利用開始した時点までの時間が一定範囲内である場合に、当該電子クーポンを当該ユーザに適用する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ユーザが前記電子クーポンに係る前記移動サービスを利用していない場合、当該電子クーポンに係る所定サービスを利用開始または利用終了した時点から当該移動サービスを利用するまでの時間が一定範囲内である場合に、当該電子クーポンを当該ユーザに適用する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記電子クーポンが前記移動サービスにより利用された場合に、前記電子クーポンとは異なる他のクーポンを利用可能な状態とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記発行主体が発行した、前記電子クーポンとは異なる他のクーポンが利用されたことに応じて、前記電子クーポンを利用可能な状態とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記移動サービスは、タクシーと、利用者が運賃を支払って利用する公共交通機関とを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータにより実行される、
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御ステップ、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが、
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御ステップ、
を実行するための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに対してタクシーなどの移動手段をインターネットなどを介して提供する移動サービスが知られている。このような移動サービスの一つとして、ユーザがスマートフォンなどを用いて、現在位置に対するタクシー配車を受けることができるタクシー配車サービスが知られている。
【0003】
一例として、タクシー配車サービスにおいて、ユーザは、当該サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、タクシー配車アプリ)を、スマートフォンに予めインストールする。ユーザは、インストールしたタクシー配車アプリを起動させ、タクシー配車を要求する。この要求に応じて、例えば、当該タクシー配車アプリに対応するタクシー会社などは、要求が行われた場所にタクシーを配車する。また、ユーザは、タクシー配車アプリからタクシー運賃の支払いなどを済ませることが可能である。
【0004】
このようなタクシー配車サービスにおいて、タクシー配車アプリのユーザ獲得や定着の目的で、タクシー運賃あるいは料金の一部を当該タクシー配車アプリを提供するアプリ提供者側で負担する電子クーポンを提供する場合がある(例えば特許文献1)。
【0005】
この電子クーポンの原資は、アプリ提供者側の負担に限られない。例えば、商業施設などが、集客や特定のサービスを利用させるなどの目的で、タクシーによる移動料金の一部を負担する場合も有り得る。このような電子クーポンでは、タクシー配車アプリのユーザに利用を促すべく有効期限を設けたり、ユーザの獲得や定着の目的を達すべく、電子クーポンの利用をタクシー配車アプリ使用の初回に限定するなど利用回数を制限する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既存技術による、タクシー配車サービスに関連する電子クーポンの仕組みによれば、電子クーポンの提供を受けたタクシー配車アプリのユーザは、当該電子クーポンの有効期限や利用回数などの制限範囲内であれば、自由に電子クーポンを利用することができる。そのため、当該電子クーポンの提供が集客や特定のサービス利用に繋がらない可能性があり、電子クーポン原資を負担するタクシー配車アプリの提供者や商業施設などの立場からは、既存技術による当該電子クーポンの仕組みが電子クーポン提供を躊躇する要因となるおそれがある。
【0008】
本開示は、移動サービスに利用可能な電子クーポンによる収益性を向上させることが可能な情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る情報処理装置は、移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御部、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】実施形態に係る情報処理システムの構成を概略的に示す模式図である。
【
図1B】実施形態に係る情報処理システムの構成を概略的に示す模式図である。
【
図2】実施形態に適用可能なタクシー配車システムの一例の構成を示すブロック図である。
【
図3】空車のタクシーを割り当てることができる場合の、タクシー配車システム全体における通常配車制御の流れを説明するフローチャートである。
【
図4】ユーザが配車依頼を行うためにユーザアプリを起動した場合のユーザアプリの配車依頼画面の例を示す図である。
【
図5】実施形態に適用可能な、配車統合管理部による通常配車処理を説明するための一例のフローチャートである。
【
図6】実施形態に係るクーポン管理部の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
【
図7】実施形態に適用可能なユーザ端末の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
【
図8】実施形態に適用可能な、サーバの一例のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態に適用可能なユーザ端末の一例のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】実施形態に係る第1の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
【
図11】ユーザ端末に表示されるID提示画面の例を示す模式図である。
【
図12】ユーザ端末に表示される登録結果画面の例を示す模式図である。
【
図13】実施形態に係る第2の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
【
図14】店舗において用意される、電子クーポンを識別するためのクーポンIDを含むクーポン登録用印刷物の例を示す模式図である。
【
図15】ユーザ端末に表示される、クーポン登録用印刷物に印刷されるQRコードの読み込み画面の例を示す模式図である。
【
図16】実施形態に係る第3の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
【
図17】ユーザ端末に表示されるクーポン登録用コード送信画面の例を示す模式図である。
【
図18】実施形態に係る電子クーポン利用時の処理を示す一例のシーケンス図である。
【
図19】ユーザ端末に表示される乗車地および目的地の設定画面の例を示す模式図である。
【
図20】ユーザ端末における、乗車地および目的地の妥当性判定の結果に応じた結果表示画面の例を示す模式図である。
【
図21】実施形態の変形例に係る電子クーポンの利用時の処理を示す一例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0012】
以下、本開示の実施形態について、下記の順序に従って説明する。
1.実施形態
1-1.実施形態に係る構成
1-2.実施形態に係るクーポン配布処理
1-2-1.第1の例
1-2-2.第2の例
1-2-3.第3の例
1-3.実施形態に係るクーポン利用時の処理
2.実施形態の変形例
【0013】
(1.実施形態)
本開示の実施形態について説明する。実施形態では、移動サービスに利用可能な電子クーポンについて、その配布および利用に関する構成および方法を提供する。
【0014】
より具体的には、本開示の実施形態に係る情報処理システムでは、移動サービスに利用可能な電子クーポンが、当該電子クーポンの発行主体により、当該電子クーポンの適用に際しての地理的条件および所定サービスの利用条件とのうち少なくとも一方が設定されて、ユーザに対して発行される。当該情報処理システムは、電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件と所定サービスの利用条件とのうち少なくとも一方が、電子クーポンが発行されたユーザにより充足された場合に、当該電子クーポンを適用可とする。
【0015】
本開示の実施形態では、このような構成とすることで、移動サービスに利用可能な電子クーポンによる収益性を向上させることが可能となる。
【0016】
なお、電子クーポンは、店舗や商業施設などにおいて割引などの特典サービスを受けたり、金券として用いることができるクーポンを、電子データとして提供するものである。電子クーポンは、当該電子クーポンによるサービスを提供する店舗や商業施設、団体などを発行主体として発行される。
【0017】
電子クーポンは、例えばサービス内容と関連付けられたコードを含み、ユーザは、このコードを当該電子クーポンに対応する店舗や商業施設などに提示することで、当該コードに対応するサービスを受けることができる。電子クーポンのコードは、例えば、画像化されたコードとして提示されたり、所定の通信により提示される。画像化されたコードとしては、1次元コード(バーコード)や、QR(Quick Response)コード(登録商標)などの2次元コードを適用することができる。実施形態では、電子クーポンをQRコードを用いて提供するものとして説明を行う。
【0018】
移動サービスは、ユーザが地点間を移動するために運賃や料金を支払って利用するサービスである。実施形態では、移動サービスの例として、タクシーを適用する。移動サービスは、タクシーに限定されず、例えば鉄道やバス、航空機といった公共交通機関であってもよい。なお、運賃は、移動サービスによる人または物品の運送に対する対価を指す。また、料金は、移動サービスに係る運送以外の設備の利用や付加サービス、役務の提供に対する対価を指す。移動サービスがタクシーである場合、料金は、迎車料金や、深夜割増料金であってよい。
【0019】
(1-1.実施形態に係る構成)
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る情報処理システムの構成を概略的に示す模式図である。
図1Aにおいて、情報処理システム1は、インターネットなどによるネットワーク2により互いに通信可能に接続された、サーバ10と、ユーザ端末20と、顧客側端末30と、配車管理装置40a、40b、…を含む。また、サーバ10は、電子クーポンの情報などを格納するデータベース(DB)11が接続される。
【0020】
なお、
図1Aの例では、サーバ10が単体の装置により構成されるように示されているが、これは説明のためであり、この例に限定されない。サーバ10は、例えばクラウドネットワーク上に分散的に構成されてもよい。
【0021】
ユーザ端末20は、携帯容易でネットワーク2を介した通信が可能な端末装置ある。ユーザ端末20としては、スマートフォン、タブレット型コンピュータなどが適用可能である。以下では、ユーザ端末20がスマートフォンであるものとして、説明を行う。ユーザは、ユーザ端末20に所定のアプリケーションプログラムを搭載(インストール)することで、実施形態に係るサービスを利用することが可能となる。以下では、ユーザ端末20に搭載される、実施形態に係るサービスを利用するためのアプリケーションプログラムを、タクシー配車アプリと呼ぶ。
【0022】
配車管理装置40a、40b、…は、例えばそれぞれタクシー会社であるA社、B社、…による配車管理システムを構成する。顧客側端末30は、例えば顧客(店舗、商業施設など)において使用可能な端末装置であって、QRコードの読み込みや、QRコードの提示を行うことが可能とされている。顧客側端末30としては、タブレット型コンピュータやスマートフォン、レジスタ装置を適用することが可能である。
【0023】
図1Bは、実施形態に係るサーバ10の構成を概略的に示すブロック図である。
図1Bにおいて、サーバ10は、クーポン管理部100と、配車統合管理部400と、を含む。クーポン管理部100は、DB11が接続され、電子クーポンの発行や適用を管理する。配車統合管理部400は、実施形態に適用可能なタクシー配車システムにおけるタクシー配車アプリに係るタクシー配車の管理を行う。また、配車統合管理部400は、クーポン管理部100と協働して、電子クーポンに係るタクシー配車の管理を行う。
【0024】
(タクシー配車システムの構成例)
図2は、実施形態に適用可能なタクシー配車システムの一例の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2のタクシー配車システム4は、タクシーの利用者であるユーザの依頼に基づいて、移動装置としてのタクシーをユーザに配車するシステムであり、A社およびB社それぞれのタクシー会社の配車管理装置40aおよび40bと、それらを統合管理する配車統合管理部400とを有する。
【0026】
A社の配車管理装置40aは、A社に属する1以上のタクシー430aと所定のネットワークを介して接続されると共に、配車統合管理部400とも所定のネットワークを介して接続されている。
【0027】
同様に、B社の配車管理装置40bは、B社に属する1以上のタクシー430bと所定のネットワークを介して接続されると共に、配車統合管理部400とも所定のネットワークを介して接続されている。
【0028】
また、所定の会社に属さない個人タクシー430cは、配車管理装置を介さず、直接、配車統合管理部400と所定のネットワークを介して接続されている。A社およびB社それぞれのタクシー430aおよび430b、ならびに、個人タクシー430cを特に区別しない場合には、単に、タクシー430と称する。
【0029】
ここで、所定のネットワークは、例えば、インターネット、公衆電話回線網、所謂4G回線や5G回線等の携帯通信用の広域通信網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行う無線通信網、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信の通信路、赤外線通信の通信路、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠した有線通信の通信網等、任意の通信規格の通信網や通信路で構成することができる。
【0030】
A社のタクシー430aは、車載器431と、通信部423とを有する。また、A社のタクシー430aには、端末装置433が搭載されている。
【0031】
車載器431は、料金メータ、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、速度メータなど(いずれも不図示)から、必要なデータを取得し、車両(タクシー430a)の動態ログを表す車両動態データを生成する車両動態データ生成部434を備える。
【0032】
車両動態データ生成部434は、例えば、料金メータから、「実車」、「空車」、または「迎車」のステータスと、料金(運賃)などのデータを取得する。ステータスは、タクシー430の営業状態を表す。また、車両動態データ生成部434は、例えば、GNSS受信機、ジャイロセンサ、速度メータなどから、車両の現在位置、移動速度および移動方向などの情報を取得する。
【0033】
そして、車両動態データ生成部434は、タクシー430aが所属する会社を識別する会社ID、タクシー430aの車両を識別する無線ID、タクシー430aに乗務しているドライバを識別する乗務員ID、ステータスの生成時刻を表すステータス時刻、タクシー430aの位置情報である緯度および経度、タクシー430aの走行速度および進行方向、「実車」、「空車」、または、「迎車」のステータス、並びに、ステータスが「実車」または「迎車」の場合にはそのタクシー430の乗車地および目的地、などの情報を、車両動態データとして定期的または不定期に生成し、通信部423を介して、A社の配車管理装置40aに送信する。
【0034】
通信部423は、車載器431の車両動態データ生成部434で生成された車両動態データを、A社の配車管理装置40aに送信する。通信部423は、所定のネットワークを介したネットワーク通信を行うネットワークインタフェースで構成される。
【0035】
端末装置433は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置で構成される。端末装置433には、ドライバ用のアプリケーションプログラムであるドライバアプリ435がインストールされている。ドライバアプリ435は、配車統合管理部400からの配車依頼に関するデータを取得してディスプレイに表示したり、ドライバの操作に基づき、配車依頼に対する応答のデータを配車統合管理部400に送信する。ドライバアプリ435は、携帯通信用の広域通信網などのネットワークを介して直接、配車統合管理部400と通信を行う。なお、ドライバアプリ435は、通信部423を介して、A社の配車管理装置40aを経由して、配車統合管理部400と通信を行ってもよい。
【0036】
B社のタクシー430bは、会社が異なるのみで、A社のタクシー430aと基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0037】
A社の配車管理装置40aは、1以上のA社のタクシー430aの車両動態データを収集し、配車統合管理部400に送信すると共に、配車統合管理部400からA社のタクシー430aへ送信される配車依頼に関するデータを中継して、指定されたA社のタクシー430aへ送信する。
【0038】
A社の配車管理装置40aは、車両動態データ管理部421、注文情報管理部422および通信部423を有する。A社の配車管理装置40aは、例えば、ネットワーク接続機能を有するサーバ装置(情報処理装置)で構成される。
【0039】
車両動態データ管理部421は、A社のタクシー430aそれぞれから供給される車両動態データを管理する。具体的には、車両動態データ管理部421は、A社のタクシー430aそれぞれから供給される車両動態データを内部の記憶部に記憶し、各タクシー430aの車両動態データを不図示のディスプレイに表示させる。また、車両動態データ管理部421は、各タクシー430aから供給される車両動態データを配車統合管理部400に送信する。
【0040】
A社のタクシー430aの運行を管理するオペレータは、A社に配車依頼の電話等があった場合、車両動態データ管理部421に記憶されている、A社の各タクシー430aの現在位置や、「実車」または「空車」等のステータスを確認し、配車依頼に対応可能なタクシー430aを検索したり、割り当てることができる。
【0041】
注文情報管理部422は、ユーザ等からの事前の配車依頼(配車予約)の情報を管理する。例えば、A社のタクシー430aのオペレータが、ユーザから配車予約の電話を受け付けた場合、オペレータは、配車予約の情報、例えば、迎車場所、迎車時刻、ユーザ名、目的地などの情報を、操作端末から注文情報管理部422に入力する。注文情報管理部422は、配車予約の情報を記憶し、予約時刻の所定時間前になると、配車依頼の表示を行う。配車依頼の表示を確認したオペレータは、車両動態データ管理部421に記憶されている車両動態データに基づいて、所定のタクシー430aに配車依頼を行う。なお、注文情報管理部422が、予約時刻の所定時間前になると、車両動態データ管理部421の車両動態データから、最適なタクシー430aを検索し、配車依頼を行ってもよい。
【0042】
通信部423は、配車統合管理部400およびA社のタクシー430aそれぞれと所定の通信を行う。例えば、通信部423は、配車統合管理部400からの配車依頼を所定のタクシー430aに送信したり、各タクシー430aから定期的に取得される車両動態データを、配車統合管理部400に送信する。
【0043】
B社のタクシー会社の配車管理装置40bも、会社が異なるのみで、A社の配車管理装置40aと基本的に同様であるので、その説明は省略する。なお、A社およびB社を特に区別しない場合、単に、配車管理装置40と称する場合がある。
【0044】
配車統合管理部400は、A社およびB社の配車管理装置40との間で、車両動態データや配車依頼などのデータを送受信する。また、配車統合管理部400は、タクシーの利用者であるユーザの端末装置であるユーザ端末20にインストールされた、配車依頼を行うアプリケーションプログラム200(以下、ユーザアプリ200と称する)とも、所定のネットワークを介して通信を行う。配車統合管理部400は、例えば、ネットワーク接続機能を有するサーバ装置で構成される。
【0045】
配車統合管理部400は、全てのタクシー430の配車を管理する配車管理装置である。配車統合管理部400は、車両動態データ管理部411、ユーザデータ管理部412、注文情報管理部413、配車管理部414、タクシー会社通信部415、および、アプリ通信部416を有する。
【0046】
車両動態データ管理部411は、各タクシー会社の配車管理装置40、および、各個人タクシー430cから供給される車両動態データを管理する。具体的には、車両動態データ管理部411は、各タクシー会社の配車管理装置40および各個人タクシー430cから供給される車両動態データを内部の記憶部に記憶し、車両動態データを不図示のディスプレイに表示させる。車両動態データは、タクシー430の会社ID、タクシー430の無線ID、乗務員ID、ステータス時刻、タクシー430の位置情報、タクシー430の走行速度および進行方向、ステータス、並びに、ステータスが「実車」または「迎車」の場合のタクシー430の乗車地および目的地などの情報である。また、車両動態データ管理部411は、1回の「実車」のステータスが終了するごとに、タクシー430の会社ID、タクシー430の無線ID、乗務員ID、乗車地および目的地、料金などを、過去の実車データとして内部の記憶部に記録する。
【0047】
ユーザデータ管理部412は、オペレータによって入力されたり、ユーザアプリ200から送信されてくるデータに基づいて、ユーザデータを生成し、内部の記憶部に記憶する。例えば、ユーザデータ管理部412は、ユーザデータとして、ユーザの名前、ユーザが好きなタクシー会社や優先的に配車して欲しいタクシー会社、よく利用するタクシー乗り場、迎車に対する平均待ち時間、などの情報を、ユーザを識別する識別情報であるユーザIDと共に記憶する。ユーザデータは、ユーザアプリ200においてユーザが入力(指定)したデータであってもよし、ユーザの乗車履歴などに基づいて、ユーザデータ管理部412が生成したデータでもよい。
【0048】
ユーザアプリ200の利用者は、会員の種別として、一般会員か、または、優先会員のいずれかに分類される。優先会員は、一般会員よりも優遇措置が得られる会員である。優先会員は、例えば、過去の一定期間の利用頻度や利用額に応じて決定することができ、利用頻度や利用額が一定値以上のユーザとすることができる。あるいはまた、優先会員は、一定額の課金を行った有料登録のユーザを割り当てるようにしてもよい。ユーザデータ管理部412が記憶するユーザデータには、ユーザの会員の種別も記憶されている。
【0049】
注文情報管理部413は、ユーザ等からの事前の配車依頼(配車予約)の情報を管理する。各配車管理装置40の注文情報管理部422は、各タクシー会社が受け付けた配車依頼(配車予約)の情報であるのに対して、注文情報管理部413は、各タクシー会社を統括する代表の予約センターやユーザアプリ200で受け付けた配車依頼(配車予約)の情報を管理する。注文情報管理部413は、配車予約の予約時刻の所定時間前になると、配車管理部414に配車依頼を行う。
【0050】
配車管理部414は、配車依頼または配車予約に基づく配車の制御を行う。例えば、配車管理部414は、ユーザアプリ200から配車依頼が送信されてくると、車両動態データ管理部411に記憶されている車両動態データに基づいて、配車依頼の条件を満たすタクシー430を抽出して、抽出したタクシー430に配車依頼を送信する。また、配車管理部414は、注文情報管理部413から配車依頼が送信されてくると、車両動態データ管理部411に記憶されている車両動態データに基づいて、配車依頼の条件を満たすタクシー430を抽出して、抽出したタクシー430に配車依頼を送信する。
【0051】
タクシー会社通信部415は、各タクシー会社の配車管理装置40それぞれと所定の通信を行う。例えば、タクシー会社通信部415は、各タクシー430aから定期的に送信されてくる車両動態データを受信し、車両動態データ管理部411に供給したり、配車管理部414からの配車依頼を、配車管理装置40を介して所定のタクシー430に送信する。
【0052】
なお、タクシー会社通信部415は、各タクシー会社の配車管理装置40を介さずに、直接、各タクシー会社のタクシー430と通信を行うことにより、車両動態データを受信したり、配車管理部414からの配車依頼を所定のタクシー430に送信するようにしてもよい。
【0053】
アプリ通信部416は、ユーザアプリ200と所定の通信を行う。例えば、アプリ通信部416は、ユーザアプリ200からの配車依頼を受信して、配車管理部414に供給したり、所定のタクシー430の配車が確定した場合に、配車確定通知をユーザアプリ200へ送信する。
【0054】
なお、
図2では、理解を容易にするため、1人のユーザに対応するユーザ端末20とユーザアプリ200しか図示されていないが、配車統合管理部400は、複数のユーザ端末20のユーザアプリ200と必要に応じて、所要の通信を行うことができる。
【0055】
ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の情報処理装置で構成され、配車統合管理部400と所定の通信を行う。ユーザアプリ200は、ユーザの操作に基づいて、タクシー430の配車を配車統合管理部400に依頼したり、配車依頼に応じた配車確定の表示を行う。また、ユーザアプリ200は、配車統合管理部400から、ユーザの現在地近傍の車両動態データを取得することで、現在のタクシー430の運行状況などをディスプレイに表示することもできる。
【0056】
以上のように構成されるタクシー配車システム4においては、ユーザがユーザアプリ200を操作して、タクシー430の配車依頼を行った場合、配車統合管理部400は、車両動態データ管理部411の車両動態データを参照して、最適なタクシー430を探索し、探索されたタクシー430に配車依頼を送信する。
【0057】
配車統合管理部400は、最適なタクシー430を探索する場合に、最初に、タクシー430のステータスが「空車」であるタクシー430のなかから、配車依頼の要求に応えるタクシー430があるかを探索する。
【0058】
しかしながら、配車依頼の場所や時間、天候、その他の状況によってタクシー需要が多い場合は必ず存在し、希望の配車依頼に対して必ず応えられることが難しい場合がある。
【0059】
そこで、配車統合管理部400では、ユーザアプリ200の利用者のうち、優先会員からの配車依頼に対しては、一般会員と比較して高い確率で応えられるような配車制御が構築されている。
【0060】
具体的には、優先会員であるユーザが配車依頼を行った際に、ステータスが「空車」であるタクシー430が1台も存在しない場合、配車統合管理部400は、一般会員である他のユーザの配車依頼に割り当てたタクシー430であって、割り当てられたユーザの乗車地に迎車中のタクシー430を、優先会員のユーザに割り当て直すような配車の制御を行う。配車の権利を譲渡する一般会員のユーザには、配車権利の譲渡に対する報酬として所定のインセンティブが与えられる。インセンティブは、例えば、次回、配車を利用した際に利用できる迎車料金無料や割引券の電子クーポンであったり、現在地周辺や目的地周辺で利用できるショップ等の無料券や割引券などとすることができる。あるいはまた、インセンティブは、配車権利の譲渡に対して、譲渡人に与えられる、電子マネー、ポイントなどの報酬であってもよい。
【0061】
以下では、最初に、一般会員と優先会員とを区別せずに、ユーザが配車依頼を行った際に、ステータスが「空車」であるタクシー430が1台以上存在し、ユーザからの配車依頼に対して、「空車」のタクシー430を割り当てることができる場合の配車の制御(通常配車制御)について説明する。次に、「空車」のタクシー430が存在しないような状況において、優先会員からの配車依頼に対して応えることができるようにした配車の制御について説明する。
【0062】
(通常配車制御の流れ)
図3は、「空車」のタクシー430を割り当てることができる場合の、タクシー配車システム4全体における通常配車制御の流れを説明するフローチャートである。
【0063】
なお、
図3の処理とは別に、配車統合管理部400が、タクシー430の車両動態データを各タクシー430から定期的または不定期に取得し、車両動態データ管理部411の車両動態データを更新する処理が、常時実行されていることとする。
【0064】
最初に、ユーザが、ステップS1において、ユーザアプリ200を起動し、ユーザアプリ200に乗車地「X」および目的地「Y」を入力して配車依頼の操作を行う。
【0065】
図4は、ユーザが配車依頼を行うために、ユーザアプリ200を起動した場合のユーザアプリ200の配車依頼画面の例を示している。
【0066】
図4の配車依頼画面には、現在地近傍の地図を表示するエリアマップ81、配車依頼操作を行う配車依頼操作部82、乗車地を入力する乗車地入力部83、目的地を入力する目的地入力部84、および、支払方法を指定する支払設定部85が設けられている。
【0067】
エリアマップ81には、ステータスが「空車」のタクシー430を表すタクシーマーク91Aと、ステータスが「実車」または「迎車」のタクシー430を表すタクシーマーク91Bとが、タクシー430の現在位置に応じた地図上の位置に表示されている。ステータスが「空車」のタクシーマーク91Aと、ステータスが「実車」または「迎車」のタクシーマーク91Bとでは、表示の色または模様が異なっており、区別して表示されている。
図4の例では、ステータスが「空車」のタクシーマーク91Aは、白色(無地)で表され、ステータスが「実車」または「迎車」のタクシーマーク91Bは、灰色で表されている。
【0068】
なお、
図4の例では、ステータスが「実車」のタクシーマーク91Bと、「迎車」のタクシーマーク91Bとを区別することなく、同一の色または模様で表しているが、「実車」のタクシーマーク91Bと、「迎車」のタクシーマーク91Bとを区別可能に色または模様などで異なる表示としてもよい。
【0069】
以下では、ステータスが「空車」のタクシー430を表すタクシーマーク91Aを、空車タクシーマーク91Aと称し、ステータスが「実車」または「迎車」のタクシーマーク91Bを、実車・迎車タクシーマーク91Bと称して説明することとする。空車タクシーマーク91Aと実車・迎車タクシーマーク91Bとを特に区別しない場合、単にタクシーマーク91と称する。
【0070】
エリアマップ81には、ユーザ端末20のGNSS受信機で取得されたユーザの現在地を示す現在地マーク93と、ユーザによって乗車地入力部83に入力された乗車地に対応する位置に乗車地マーク94が表示されている。乗車地マーク94は、ユーザがタッチ操作により、エリアマップ81上の所望の場所に自由に移動させることができ、乗車地マーク94の場所に応じた住所が、乗車地入力部83に表示される。
【0071】
配車依頼操作部82には、操作バー82Aが表示されており、操作バー82Aを右側にスライドすることにより、配車依頼を実行することができる。
【0072】
乗車地入力部83には、ユーザが希望する乗車地が入力される。乗車地入力部83は、アプリ起動時には空欄とされてもよいし、GNSS受信機で取得された現在地がデフォルトで入力されてもよい。乗車地入力部83が空欄とされる場合には、乗車地マーク94も表示されない。
【0073】
目的地入力部84には、ユーザが希望する行き先である目的地が入力される。
【0074】
支払設定部85では、支払方法を指定することができる。支払方法には、例えば、ドライバに現金で支払う現金払いや、ユーザアプリ200に登録されているクレジットカードで支払うカード払いなどを選択することができる。
図4の支払設定部85には、カード払いを指定した際の表示例が示されている。
【0075】
アプリ起動時には、ユーザアプリ200は、ユーザの現在地に対して地図の縮尺に応じた所定の範囲内に位置する、ステータスが「空車」、「実車」または「迎車」のタクシー430のタクシーマーク91をエリアマップ81上に表示する。
【0076】
ステップS1の処理は、
図4の配車依頼画面において、ユーザが、乗車地入力部83に乗車地「X」を入力し、目的地入力部84に目的地「Y」を入力した後、操作バー82Aを右側にスライドする操作に対応する。
【0077】
説明は
図3に戻り、ユーザによって操作バー82Aが右側にスライドされると、ステップS2において、ユーザアプリ200は、乗車地「X」および目的地「Y」の情報と共に配車依頼を、配車統合管理部400に送信する。
【0078】
ステップS11において、配車統合管理部400の配車管理部414は、ユーザアプリ200からの配車依頼を受信し、車両動態データ管理部411が管理する現在の車両動態データを参照し、配車可能なタクシー430を抽出する。ここで、乗車地「X」に最も近いタクシー430で、「空車」のステータスを有するA社のタクシー430aが、検索されたとする。
【0079】
ステップS12において、配車管理部414は、検索されたA社のタクシー430aに配車依頼を送信する。
【0080】
ステップS21において、A社のタクシー430aのドライバアプリ435は、配車統合管理部400からの配車依頼に関するデータ(例えば、乗車地「X」および目的地「Y」など)を取得してディスプレイに表示する。そして、ドライバが、配車依頼を受諾する旨の応答操作を行うと、ステップS22において、ドライバアプリ435は、配車依頼を受諾する旨の依頼受諾通知を、配車統合管理部400に送信する。
【0081】
配車統合管理部400の配車管理部414は、ステップS13において、タクシー430aからの依頼受諾通知を受信すると、そのタクシー430aを、配車するタクシーに決定し、ステップS14において、ユーザのドライバアプリ435に、配車確定通知を送信する。
【0082】
ユーザのドライバアプリ435は、ステップS3において、配車確定通知を受信すると、配車確定表示を行う。そして、ユーザに割り当てられたA社のタクシー430aが、乗車地「X」に到着すると、ステップS4において、ユーザは、タクシー430aに乗車し、目的地「Y」への移動を開始する。
【0083】
(配車統合管理部の通常配車処理)
次に、
図3を参照して説明したタクシー配車システム4全体の配車制御の流れのうち、配車統合管理部400による通常配車処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
図5の処理は、例えば、配車統合管理部400としてのサーバ装置において配車処理を実行するプログラムが起動されたとき、開始される。
【0084】
初めに、ステップS41において、配車統合管理部400の配車管理部414は、ユーザアプリ200から、配車依頼を受信したかを判定し、配車依頼を受信したと判定されるまで待機する。
【0085】
ステップS41で、配車依頼を受信したと判定された場合、処理はステップS42に進む。タクシー430から送信されてくる配車依頼には、
図4を参照して説明したように、ユーザアプリ200の配車依頼画面で入力された、乗車地、目的地、および、支払方法と共に、ユーザを識別するユーザIDおよび名前などの情報が含まれる。
【0086】
ステップS42において、配車管理部414は、車両動態データ管理部411に記憶されている車両動態データを参照し、ステータスが「空車」のタクシー430のなかから、配車依頼があった乗車地に所定時間以内に配車可能なタクシー430を抽出する。例えば、配車管理部414は、ステータスが「空車」のタクシー430について、タクシー430の現在位置から、ユーザが指定した乗車地までの移動時間を計算し、計算された移動時間が所定時間以内であるタクシー430を抽出する。
【0087】
ステップS43において、配車管理部414は、抽出された1台以上のタクシー430のなかから、乗車地に一番早く到着可能なタクシー430を配車候補に決定し、ステップS44において、配車候補に決定したタクシー430に配車依頼を送信する。
【0088】
ステップS45において、配車管理部414は、配車依頼を送信したタクシー430から、依頼受諾通知があったか否かを判定する。
【0089】
ステップS45で、配車依頼を送信したタクシー430から依頼受諾通知を一定時間内(例えば、15秒)に受信しなかった場合、または、依頼拒否通知が送信されてきた場合、配車管理部414は、依頼受諾通知がないと判定し、処理をステップS43に戻す。これにより、配車依頼に対応可能な次のタクシー430が配車候補に決定される。
【0090】
一方、配車依頼を送信したタクシー430から依頼受諾通知を受信した場合、配車管理部414は、ステップS45で、配車依頼を送信したタクシー430から依頼受諾通知があったと判定し、処理をステップS46に進める。
【0091】
ステップS46において、配車管理部414は、依頼受諾通知を送信してきたタクシー430を、配車するタクシー430に決定し、決定したタクシー430に配車予約情報を送信する。配車予約情報は、例えば、配車依頼をしてきたユーザの名前、乗車地、乗車時刻、目的地などの情報である。
【0092】
そして、ステップS47において、配車管理部414は、配車依頼をしてきたユーザアプリ200に配車確定通知を送信する。
【0093】
通常配車処理は、以上のように実行される。
【0094】
ユーザが配車依頼を行った際に、ステータスが「空車」であるタクシー430が1台以上存在する場合には、一般会員または優先会員の区別関係なく、ユーザの配車依頼に即座に応えることができる。
【0095】
(クーポン管理部)
図6は、実施形態に係るクーポン管理部100の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
図6において、クーポン管理部100は、通信部110と、クーポン制御部111と、コード生成部112と、配車管理部113と、を含む。
【0096】
これら通信部110、クーポン制御部111、コード生成部112および配車管理部113は、例えばサーバ10が有するCPU(Central Processing Unit)上で実施形態に係る情報処理プログラムが実行されることで構成される。これに限らず、これら通信部110、クーポン制御部111、コード生成部112および配車管理部113の一部または全部を、互いに協働して動作するハードウェア回路により構成してもよい。
【0097】
通信部110は、ネットワーク2を介した通信を行う。クーポン管理部100は、通信部110の通信により、ユーザ端末20および顧客側端末30との間での通信を行う。
【0098】
クーポン制御部111は、電子クーポンに関する制御を行う。例えば、クーポン制御部111は、電子クーポンを発行し、発行された電子クーポンに関するクーポン情報をDB11に登録する。また、クーポン制御部111は、発行した電子クーポンの、ユーザによるユーザ端末20からの利用に応じて、クーポン情報と当該ユーザを識別するユーザ識別情報とを関連付けて、DB11に登録する。さらに、クーポン制御部111は、例えば通信部110により顧客側端末30と通信を行うことにより、発行した電子クーポンのユーザによる利用に対する適用可否の判定や、当該電子クーポンに係る決済処理なども行う。
【0099】
コード生成部112は、クーポン制御部111により生成されたクーポン情報に基づき、発行する電子クーポンを特定するコードを生成する。コード生成部112は、当該コードをQRコードとして生成してよい。コード生成部112が生成するコードは、QRコードに限定されない。
【0100】
配車管理部113は、配車統合管理部400と連携して、タクシー430の配車管理を行う。配車管理部113は、例えば、ユーザ端末20から提示されクーポン制御部111により取得された電子クーポンに応じて、配車統合管理部400に対してタクシー430の配車を要求することができる。
【0101】
図7は、実施形態に適用可能なユーザ端末20の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
【0102】
図7において、ユーザ端末20は、通信部201と、全体制御部202と、表示部203と、入力部204と、撮像・センシング部205と、記憶部206と、認証処理部207と、位置情報取得部208とを含む。また、ユーザ端末20は、ユーザアプリ200が搭載される。
【0103】
これら通信部201、全体制御部202、表示部203、入力部204、撮像・センシング部205、記憶部206、認証処理部207および位置情報取得部208は、CPU上で所定のプログラムが実行されることで構成される。これに限らず、通信部201、全体制御部202、表示部203、入力部204、撮像・センシング部205、記憶部206、認証処理部207および位置情報取得部208を、互いに協働して動作するハードウェア回路により構成してもよい。
【0104】
通信部201は、ネットワーク2を介した通信を行う。全体制御部202は、このユーザ端末20の全体の動作を制御するもので、例えばOS(Operating System)である。表示部203は、このユーザ端末20が備える表示デバイス(後述する)に対する表示を制御する。入力部204は、このユーザ端末20が備える入力デバイス(後述する)に対するユーザ操作を受け付ける。
【0105】
撮像・センシング部205は、このユーザ端末20が備えるカメラや各種センサ(後述する)を制御すると共に、撮像部および各種センサの出力を取得する。記憶部206は、このユーザ端末20が備えるメモリやストレージ装置(後述する)に対する情報の記憶と、記憶された情報の読み出しを行う。認証処理部207は、例えば撮像・センシング部205により取得された情報に基づき、このユーザ端末20をユーザが使用する際の、当該ユーザの認証を行う。位置情報取得部208は、後述する位置センサの出力に基づき当該ユーザ端末20の現在位置を取得する。位置情報取得部208は、ユーザ端末20の現在位置を、例えば緯度・経度情報により取得する。
【0106】
ユーザアプリ200は、実施形態に係るタクシー配車アプリであって、クーポン処理部210と、配車処理部211とを含む。
【0107】
クーポン処理部210は、電子クーポンに関する処理を行う。例えば、クーポン処理部210は、電子クーポンの取得時に、当該ユーザ端末20に登録されるユーザ識別情報を、表示部203によりユーザ端末20が有する表示デバイスに表示させて、顧客側端末30などに提示する。例えば、クーポン処理部210は、店舗や商業施設などから画像あるいは印刷媒体により提示された電子クーポンを、撮像・センシング部205によりカメラを用いて撮像することで、取得する。取得した電子クーポンは、例えば記憶部206により記憶される。また例えば、クーポン処理部210は、取得した電子クーポンを通信部201によりサーバ10に送信する。
【0108】
さらに、クーポン処理部210は、取得した電子クーポンの利用時に、当該電子クーポンと、当該ユーザ端末20に登録されるユーザ識別情報とを、サーバ10あるいは顧客側端末30に送信する。このとき、電子クーポンがタクシー配車に関するものである場合、クーポン処理部210は、表示部203に対してタクシーの乗車地および目的地の指定を促す画面を表示させるように要求することができる。また、クーポン処理部210は、当該画面に入力された乗車地および目的地を示す情報を、電子クーポンに付加することができる。
【0109】
ユーザアプリ200において、配車処理部211は、タクシー配車に関する処理を行う。例えば、配車処理部211は、表示部203により、
図4を用いて説明した配車依頼画面をユーザ端末20の表示デバイスに表示させる。配車処理部211は、当該配車依頼画面に従ったユーザ入力に応じてサーバ10の配車統合管理部400に対して、通信により配車を依頼する。
【0110】
なお、顧客側端末30は、ユーザ端末20におけるユーザアプリ200の代わりに、電子クーポンを発行するためのクーポン発行ツールとして、所定の顧客用アプリが搭載される。顧客側アプリは、例えばユーザ端末20により提示された電子クーポンを読み込む機能、読み込んだ電子クーポンをサーバ10に登録させる機能、サーバ10に対して電子クーポンの発行を依頼する機能、電子クーポンに対して利用条件を設定するための機能、などを含む。
【0111】
顧客側端末30は、顧客用アプリを、ブラウザアプリケーション(以下、ブラウザと呼ぶ)を用いて構成することができる。例えば、顧客側端末30は、ブラウザが起動されブラウザ上で所定のURL(Uniform Resource Locator)が指定されることで、当該URLにおいて用意された、上述した各機能を実現するためのアプリケーションプログラム(Webアプリと呼ぶ)を読み込んで実行する。これに限らず、顧客側端末30において、各機能を予め含む顧客用アプリを搭載していてもよい。
【0112】
図8は、実施形態に適用可能な、サーバ10の一例のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、
図8の例では、サーバ10が単体の情報処理装置(コンピュータ)により構成されるものとして示している。
【0113】
図8において、サーバ10は、それぞれバス1010により互いに通信可能に接続されたCPU1000と、ROM(Read Only Memory)1001と、RAM(Random Access Memory)1002と、ストレージ装置1003と、データI/F1004と、通信I/F1005と、を含む。
【0114】
ストレージ装置1003は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリといった不揮発性の記憶媒体である。ストレージ装置1003は、サーバ10に対して外部接続されていてもよい。
【0115】
CPU1000は、ストレージ装置1003およびROM1001に記憶されるプログラムに従い、RAM1002をワークメモリとして用いて、このサーバ10における動作を制御する。
【0116】
データI/F1004は、外部機器との間で有線あるいは無線通信を用いてデータの送受信を行うためのインタフェースである。データI/F1004に対してキーボードなどの入力デバイスや、ディスプレイを接続してもよい。通信I/F1005は、CPU1000の制御に従い、ネットワーク2に対する通信を制御する。
【0117】
サーバ10において、CPU1000は、実施形態に係る機能を実現するための情報処理プログラムが実行されることで、上述したクーポン管理部100における通信部110、クーポン制御部111、コード生成部112および配車管理部113を、RAM1002における主記憶領域上に、それぞれ例えばモジュールとして構成する。
【0118】
当該情報処理プログラムは、例えば通信I/F1005を介した通信により、ネットワーク2を介して外部から取得し、あるいは、データI/F1004を介して外部機器より取得し、当該サーバ10上にインストールすることが可能とされている。これに限らず、当該情報処理プログラムは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリといった着脱可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。
【0119】
同様に、サーバ10において、CPU1000は、実施形態に適用可能な配車管理プログラムが実行されることで、上述した配車統合管理部400における各部を、RAM1002における主記憶領域上に、それぞれ例えばモジュールとして構成する。当該配車管理プログラムは、例えば通信I/F1005やデータI/F1004を介して外部から取得され、当該サーバ10上にインストールされる。これに限らず、当該配車管理プログラムは、CDやDVD、USBメモリといった着脱可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。
【0120】
図9は、実施形態に適用可能なユーザ端末20の一例のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、一般的なスマートフォンのハードウェアを適用することができる。
【0121】
図9の例では、ユーザ端末20は、バス2010により互いに通信可能に接続されたCPU2000と、ROM2001と、RAM2002と、ストレージ装置2003と、データI/F2004と、通信I/F2005と、タッチパネル2006と、を含む。
【0122】
ストレージ装置1003は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。ストレージ装置1003として、ハードディスクドライブを適用することも可能である。
【0123】
CPU2000は、ストレージ装置2003およびROM2001に記憶されるプログラムに従い、RAM2002をワークメモリとして用いて、このユーザ端末20における動作を制御する。
【0124】
データI/F2004は、外部機器との間で有線あるいは無線通信を用いてデータの送受信を行うためのインタフェースである。通信I/F2005は、CPU2000の制御に従い、ネットワーク2に対する通信を制御する。
【0125】
タッチパネル2006は、入力デバイス2007と表示デバイス2008とが一体的に構成される。入力デバイス2007は、ユーザによりなされた例えばタッチ操作を検知し、検知された操作に応じた信号を出力する。表示デバイス2008は、例えばCPU2000により生成された表示制御信号に従い画面表示を行う。例えば、表示デバイス2008の表示に応じた例えばタッチ操作を入力デバイス2007が検知し受け付けることで、タッチパネル2006としての機能が実現される。
【0126】
ユーザ端末20は、それぞれバス2010に接続された、カメラ2020と、認証用センサ2021と、位置センサ2022と、をさらに含む。カメラ2020は、被写体を撮像し撮像画像を出力する。認証用センサ2021は、ユーザ認証を行うためのセンサを含む。認証用センサ2021は、接触により認証を行う指紋認証センサなどであってもよいし、3D(Three-Dimensions)点群を用いて非接触により認証を行うセンサであってもよい。位置センサ2022は、例えばGNSSによる信号を受信するGNSS受信機を適用できる。
【0127】
ユーザ端末20において、CPU2000は、実施形態に係る機能を実現するための端末用プログラムが実行されることで、上述したユーザアプリ200におけるクーポン処理部210および配車処理部211を、RAM2002における主記憶領域上に、それぞれ例えばモジュールとして構成する。
【0128】
当該端末用プログラムは、例えば通信I/F2005を介した通信により、ネットワーク2を介して外部から取得し、あるいは、データI/F2004を介して外部機器より取得し、当該ユーザ端末20上にインストールすることが可能とされている。これに限らず、当該端末用プログラムは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリといった着脱可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。
【0129】
なお、顧客側端末30は、ユーザ端末20と同等のハードウェア構成を適用できるので、ここでの説明を省略する。
【0130】
(1-2.実施形態に係るクーポン配布処理)
次に、実施形態に係る電子クーポン配布処理について説明する。以下では、実施形態に係る電子クーポンの配布処理として、第1の例、第2の例および第3の例の3つの例を挙げて説明する。
【0131】
第1の例は、店舗あるいは商業施設が、例えば客としてのユーザに対してQRコードなどの画像情報として電子クーポンを提示する例である。第2の例は、店舗あるいは商業施設が、印刷物を用いて電子クーポンを提示する例である。第3の例は、店舗あるいは商業施設が、ユーザに対して電子クーポンを取得および登録するための登録コードを送信する例である。
【0132】
以下では、電子クーポンの発行主体が、何らかの店舗であるものとして説明を行う。適用される店舗の種類は特に限定されないが、予約を入れて利用するレストラン、ホテル、式場などが例として考えられる。
【0133】
(1-2-1.第1の例)
実施形態に係る第1の例による電子クーポン配布処理について説明する。
【0134】
図10は、実施形態に係る第1の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
【0135】
図10の処理に先立って、ユーザ端末20の使用者であるユーザ50は、ユーザ端末20に搭載されるユーザアプリ200に対して、当該ユーザ50を識別するためのユーザIDを登録する。例えば、ユーザアプリ200は、ユーザ50により入力されたユーザIDを、記憶部206によりストレージ装置2003に記憶させることで、ユーザIDの登録を行ってよい。また、店舗60では、発行する電子クーポンを識別するためのクーポンIDを設定しておく。
【0136】
ユーザ50は、ユーザ端末20を持参して目的の店舗60に出向く(ステップS100)。店舗60では、顧客側端末30により、ユーザ端末20により提示されるQRコードを読み込むための読み込み画面を表示させ、ユーザ50に提示する(ステップS101)。ユーザ50は、提示された読み込み画面に応じて、ユーザ端末20に対して、ユーザを識別するためのユーザIDを表示デバイス2008に表示させる操作を行い(ステップS102)、ユーザIDを顧客側端末30に提示する。
【0137】
以下、ユーザ端末20の表示デバイス2008に表示を行うことを、ユーザ端末20に表示する、などのように記述する。同様に、顧客側端末30が有する表示デバイスに表示を行うことを、顧客側端末30に表示する、などのように記述する。
【0138】
図11は、ユーザ端末20に表示されるID提示画面230の例を示す模式図である。
図11に例示されるように、ユーザ端末20において、クーポン処理部210は、ユーザIDを、例えばQRコード240に変換してID提示画面230に表示させて提示する。
【0139】
説明は
図10に戻り、店舗60において、顧客側端末30は、ユーザ端末20により提示されたユーザIDを読み込む(ステップS103)。これにより、ユーザIDがユーザ端末20から顧客側端末30に渡される(ステップS104)。
【0140】
顧客側端末30は、ユーザ端末20からユーザIDを取得すると、取得したユーザIDと、電子クーポンを識別するためのクーポンIDとをサーバ10に送信し、電子クーポンの登録をサーバ10に依頼する(ステップS105)。
【0141】
サーバ10において、クーポン管理部100は、顧客側端末30から、クーポンIDとユーザIDとを含むクーポン登録依頼を受け取ると、受け取ったクーポンIDとユーザIDとを関連付けてDB11に保存する(ステップS106)。サーバ10は、DB11への各情報の登録が完了すると、登録結果を顧客側端末30に通知する(ステップS107)。顧客側端末30は、例えば登録結果を顧客側端末30が有する表示デバイスに表示させる(ステップS108)と共に、ユーザ端末20に対して登録結果を送信する(ステップS109)。
【0142】
ユーザ端末20は、顧客側端末30から送信された登録結果を示す画面を表示する。ユーザ50は、ユーザ端末20に表示された登録結果を確認する(ステップS110)。
【0143】
図12は、ユーザ端末20に表示される登録結果画面の例を示す模式図である。
【0144】
図12のセクション(a)は、登録が完了した旨を示す登録結果画面231aの例を示している。セクション(a)の例では、登録結果画面231aは、登録が完了した旨を示すメッセージ241aが表示されると共に、当該登録結果画面231aから他の画面(例えばユーザアプリ200のメニュー画面)に遷移させるためのボタン250が配置されている。
【0145】
図12のセクション(b)は、登録が失敗した旨を示す登録結果画面231bの例を示している。セクション(b)の例では、登録結果画面231bは、登録が失敗したことを示すと共に、ユーザ50に再試行を促すメッセージ241bが表示されると共に、ボタン251aおよび251bが配置されている。ボタン251aは、登録の再試行を実行する旨を指示するボタンである。当該ボタン251aを操作することで、例えば
図10のステップS101以降の処理を再実行することができる。ボタン251bは、登録の再試行を実行しない旨を支持するボタンである。当該ボタン251bが操作されることで、ユーザ50による店舗60における電子クーポンの登録が中止される。
【0146】
(1-2-2.第2の例)
実施形態に係る第2の例による電子クーポン配布処理について説明する。
【0147】
図13は、実施形態に係る第2の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
図13の処理に先立って、ユーザ端末20の使用者であるユーザ50は、ユーザ端末20に搭載されるユーザアプリ200に対して、当該ユーザ50を識別するためのユーザIDを登録する。
【0148】
店舗60では、発行する電子クーポンのクーポンIDを含む情報を印刷した印刷物を、予め用意する。クーポンIDは、例えばQRコードに変換されて印刷される。
図14は、店舗60において用意される、電子クーポンを識別するためのクーポンIDを含むクーポン登録用印刷物260の例を示す模式図である。
図14の例では、クーポン登録用印刷物260に対して、クーポンIDを含むQRコード261が印刷される。クーポンIDは、クーポン登録用印刷物260の1枚ごとにユニークな値が設定される。
【0149】
クーポン登録用印刷物260は、さらに、QRコード261の読み込みを促すメッセージや、店舗60の宣伝など、クーポンID以外の情報が印刷されていてもよい。
【0150】
店舗60側において、クーポン登録用印刷物260がユーザ50に配布される(ステップS120)。クーポン登録用印刷物260は、店舗60内にて配布してもよいし、店舗60の外部にて配布してもよい。
【0151】
ユーザ50は、配布されたクーポン登録用印刷物260に印刷されるQRコード261を、ユーザ端末20により読み込む(ステップS121、S122)。
【0152】
図15は、ユーザ端末20に表示される、クーポン登録用印刷物260に印刷されるQRコード261の読み込み画面232aの例を示す模式図である。ユーザ端末20は、ユーザアプリ200のクーポン処理部210により、ユーザ50によるユーザ端末20に対する所定の操作に応じて、セクション(a)に例示する読み込み画面232aを表示する。例えば、ユーザ端末20は、クーポン処理部210により、読み込み画面232aに対して、カメラ2020を起動させて撮像範囲を示すビューウィンドウ262を表示させる。
【0153】
図15のセクション(b)は、QRコード261が読み込まれた場合の読み込み画面232bの例を示している。この例では、読み込み画面232bは、ビューウィンドウ262内にQRコード261の読み込みを補助するインジケータが表示されると共に、ボタン252aおよび252bが配置されている。
【0154】
ユーザ端末20は、クーポン処理部210により、クーポン登録用印刷物260のQRコード261がビューウィンドウ262内に収まったことを検知すると、QRコード261を読み取ってデコードし、QRコード261からクーポンIDを抽出する。セクション(b)の例では、クーポン処理部210は、読み込み画面232に対して、抽出したクーポンIDを示すメッセージ242を表示している。クーポン処理部210は、ボタン252aが操作されると、クーポン登録処理を続行する。一方、クーポン処理部210は、ボタン252bが操作されると、一連のクーポン登録処理を終了させる。
【0155】
説明は
図13に戻り、ユーザ端末20は、クーポン処理部210により、読み込んだQRコード261からクーポンIDを取得する(ステップS123)。クーポン処理部210は、取得したクーポンIDと、当該ユーザ端末20に記憶されるユーザIDとを含めて、クーポン登録依頼をサーバ10に送信する(ステップS124)。
【0156】
サーバ10は、クーポン管理部100により、ユーザ端末20から送信されたクーポン登録依頼に応じて、電子クーポンを新規にDB11に保存する(ステップS125)。
【0157】
上述したように、クーポンIDは、クーポン登録用印刷物260の1枚ごとにユニークな値とされている。また、クーポン管理部100は、DB11に、ユーザIDごとに電子クーポンの利用履歴を記憶してよい。これにより、クーポン管理部100は、クーポンIDと、当該クーポンIDに関連付けられたユーザIDとに基づき、当該電子クーポンが既に登録されたものであるか否かを判定することができる。クーポン管理部100は、当該電子クーポンが未登録であると判定した場合には、当該電子クーポンの登録を有効とする。一方、クーポン管理部100は、当該電子クーポンが既に登録されていると判定した場合には、例えば当該電子クーポンの新規の登録を無効とする。
【0158】
サーバ10は、クーポン管理部100により、ユーザ端末20に対して、ステップS124による登録依頼に対する登録結果を通知する(ステップS126)。ユーザ端末20は、クーポン処理部210により、サーバ10から送信された登録結果を表示させてよい。ユーザ50は、ユーザ端末20に通知された登録結果を確認する(ステップS127)。
【0159】
(1-2-3.第3の例)
実施形態に係る第3の例による電子クーポン配布処理について説明する。
【0160】
図16は、実施形態に係る第3の例による電子クーポン配布処理を示す一例のシーケンス図である。
図16の処理に先立って、ユーザ端末20の使用者であるユーザ50は、ユーザ端末20に搭載されるユーザアプリ200に対して、当該ユーザ50を識別するためのユーザIDを登録する。
【0161】
例えば店舗60では、顧客側端末30を用いて、電子クーポンを登録するためのクーポン登録用コードの発行を、サーバ10に要求する(ステップS140、ステップS141)。クーポン登録用コードは、例えばクーポンIDを適用することができる。
【0162】
また、第3の例では、店舗60は、複数のユーザ50に対して、当該複数のユーザ50それぞれにユニークなクーポン登録用コードを配布する。店舗60は、例えば、各ユーザ50の電子メールアドレスが登録されたメーリングリストを用いて、クーポン登録用コードを各ユーザ50に対して配布する。店舗60は、クーポン登録用コードを配布するユーザ数以上の数のユニークなクーポン登録用コードの発行を、ステップS140、ステップS141にてサーバ10に要求する。
【0163】
サーバ10は、クーポン管理部100により、顧客側端末30からの要求に従い、互いにユニークな複数のクーポン登録用コードを発行し、クーポン登録用コードリストとして顧客側端末30に送信する(ステップS142)。クーポン管理部100は、クーポン登録用コードリストを、例えばCSV(Comma Separated Value)形式のデータとして顧客側端末30に送信してよい。なお、クーポン登録用コードリストの形式は、CSV形式に限定されるものではない。
【0164】
店舗60では、顧客側端末30がサーバ10から受信したクーポン登録用コードリストに含まれる各クーポン登録用コードと、電子クーポンを配布する各ユーザのメールアドレスとを1対1に関連付けたリストを作成し(ステップS143)、作成したリストをメール配信システム70に渡す(ステップS144)。メール配信システム70は、店舗60から渡されたリストに基づき、各ユーザ50に対してユニークなクーポン登録用コードを送信する(ステップS145)。
【0165】
ユーザ50は、メール配信システム70からクーポン登録用コードを受信すると、受信されたクーポン登録用コードをユーザ端末20からサーバ10に送信し、サーバ10に対して、当該クーポン登録用コードに応じた電子クーポンの登録を依頼する(ステップS150、ステップS151)。
【0166】
図17は、ユーザ端末20に表示されるクーポン登録用コード送信画面233の例を示す模式図である。ユーザ端末20において、
図17の例では、クーポン処理部210は、クーポン登録用コード送信画面233に対して、メール配信システム70から送信されたクーポン登録用コードと、ユーザ端末20に記憶されるユーザIDとを含むメッセージ243を表示させている。なお、メッセージ243の表示は、省略してよい。
【0167】
また、クーポン処理部210は、クーポン登録用コード送信画面233に対して、ボタン253aおよび253bを配置する。クーポン処理部210は、ボタン253aが操作されると、クーポン登録用コードおよびユーザIDをサーバ10に送信する。一方、クーポン処理部210は、ボタン253bが操作されると、例えばクーポン登録用コードおよびユーザIDをサーバ10に送信せず、一連のクーポン登録処理を終了させる。
【0168】
説明は
図16に戻り、サーバ10は、クーポン管理部100により、ユーザ端末20から送信されたクーポン登録依頼に応じて、クーポン登録用コードおよびユーザIDをDB11に保存し、電子クーポンを新規にDB11に登録する(ステップS152)。このとき、クーポン管理部100は、クーポン登録用コードをクーポンIDとしてユーザIDに関連付けてDBに保存してもよいし、クーポン登録用コードに基づきクーポンIDを生成して、ユーザIDと関連付けてDB11に保存してもよい。
【0169】
サーバ10において、クーポン管理部100は、クーポン登録用コードの登録結果を、顧客側端末30に送信する(ステップS153)。顧客側端末30は、サーバ10から送信された登録結果を示す情報を、ユーザ端末20に送信する(ステップS154)。ユーザ端末20は、例えばクーポン処理部210により、顧客側端末30から送信された登録結果を表示することができる。ユーザ50は、この表示により、クーポン登録用コードの登録結果を確認することができる(ステップS155)。
【0170】
(1-3.実施形態に係るクーポン利用時の処理)
次に、実施形態に係る電子クーポン利用時の処理について説明する。ここでは、電子クーポンは、実施形態に適用可能なタクシー配車システム4によるタクシー配車に際して、運賃あるいは料金に関する特典サービス(割引など)を、ユーザ50に対して提供するものであるとする。また、当該電子クーポンは、実施形態に適用可能なタクシー配車システム4により配車されたタクシーを、当該ユーザ50が店舗60により指定された乗車地から目的地への移動に利用することを適用条件に、ユーザ50に対して特典サービスを提供するものとする。
【0171】
図18は、実施形態に係る電子クーポン利用時の処理を示す一例のシーケンス図である。なお、店舗60では、
図10~
図17を用いて説明したようにして電子クーポンを発行し、ユーザ50は、店舗60で発行された電子クーポンを、ユーザIDと関連付けてサーバ10に登録しているものとする。すなわち、DB11には、既にユーザIDとクーポンIDとが関連付けて登録されている。また、電子クーポンは、当該電子クーポンに伴い配車されたタクシーの運賃および料金のうち少なくとも一方を割り引くサービスを提供するものとする。
【0172】
先ず、店舗60は、顧客側端末30を用いて、サーバ10に対して、電子クーポンの有効領域を、当該電子クーポンのクーポンIDと関連付けて、DB11に登録する(ステップS160~S162)。
【0173】
より具体的には、店舗60側において、有効領域として、タクシー配車システム4により配車されたタクシーによる乗車地および目的地のうち少なくとも一方が設定されると共に、これら乗車地および目的地それぞれについて、有効範囲が設定される。例えば、店舗60側では、顧客側端末30において例えばマップを利用して緯度・経度により乗車地および目的地を設定し、設定された乗車地および目的地それぞれに、有効範囲としてマージンを設ける。
【0174】
例えば、乗車地は、電子クーポンが、ユーザ50が店舗60から他の場所への移動のためにタクシー配車システム4によりタクシー430の配車を依頼する際に適用される場合、店舗60の場所を指定してよい。また例えば、目的地は、電子クーポンが、ユーザ50が任意の場所から店舗60に移動するためにタクシー配車システム4によりタクシー430の配車を依頼する際に適用される場合、店舗60の場所を指定してよい。さらに例えば、乗車地と目的地とをそれぞれ指定することも可能である。
【0175】
また、ステップS160~S162において、店舗60は、サーバ10に対して電子クーポンに関するクーポン情報を登録しているものとする。
【0176】
例えば、店舗60では、ステップS161において、顧客側端末30に対して、電子クーポンの情報を入力してよい。顧客側端末30に入力される電子クーポンの情報は、例えば以下の各情報を含む。
・クーポンコード
・有効期限
・クーポン種別
・金額
・クーポン適用条件
【0177】
クーポンコードは、電子クーポンを識別するための識別情報である。例えば、店舗60あるいはサーバ10(クーポン管理部100)は、当該電子クーポンによるサービスごとにクーポンコードを設定する。有効期限は、当該電子クーポンの有効期限である。クーポン種別は、当該電子クーポンにより提供されるサービスの種別である。例えば、当該電子クーポンによりタクシーの運賃あるいは料金に対するサービスが提供される場合、クーポン種別は、タクシー乗車の際の運賃割引や、タクシー配車を予約する際の予約料であってよい。
【0178】
金額は、当該電子クーポンにより提供されるサービスにおいて、ユーザ50が減免される金額である。金額は、例えば、クーポン種別が運賃割引である場合には、割引情報、例えば割引率あるいは割り引かれる金額であってよい。また、金額は、クーポン種別が予約料である場合には、予約料金そのものであってよい。ユーザ50は、当該電子クーポンを、設定される条件を満たして利用する場合に、金額で示される代金などの負担が低減される。
【0179】
クーポン適用条件は、当該電子クーポンが適用される条件である。クーポン適用条件としては、初回利用限定、それぞれ指定された乗車地および目的地での乗車および降車、指定された時刻範囲での乗車あるいは降車、などを含んでよい。クーポン適用条件として乗車地および目的地を指定する場合、店舗60において、例えば顧客側端末30を用いて、乗車地および目的地を示す情報が設定される。乗車地および目的地を示す情報は、緯度・経度で設定してもよいし、緯度・経度が既知の特定の地名あるいは建造物名などにより設定してもよい。クーポン適用条件として乗車あるいは降車の時刻範囲が指定される場合も同様である。
【0180】
ステップS160~S162では、乗車地および目的地が当該電子クーポンの適用条件とされている。
【0181】
ユーザ50は、ユーザ端末20を用いて、例えばユーザアプリ200における配車処理部211の機能により、タクシー配車システム4に対してタクシーの配車を依頼する(ステップS170)。このとき、ユーザ50は、ユーザ端末20を用いて、配車を依頼したタクシーに対する乗車地および目的地を設定する。
【0182】
図19は、ユーザ端末20に表示される乗車地および目的地の設定画面の例を示す模式図である。ユーザ端末20において、例えばクーポン処理部210は、
図19に例示されるように、設定画面234に対して乗車地および目的地の設定を促すメッセージ244と、マップ280とを表示させている。ユーザ50は、このマップ280を用いて、乗車地および目的地をそれぞれ指定することができる。
【0183】
図19の例では、設定画面234に対し、さらにボタン254aおよび254bが配置されている。クーポン処理部210は、ボタン254aに対する操作に応じて、配車処理部211を介してタクシー配車システム4に対してタクシー配車を依頼すると共に、クーポンIDおよびユーザIDと、乗車地および目的地とを関連付けて、サーバ10に送信する。一方、クーポン処理部210は、ボタン254bに対する操作に応じて、タクシー配車依頼等を中止する。
【0184】
説明は
図19に戻り、サーバ10は、クーポン管理部100により、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地の妥当性について判定する(ステップS172)。より具体的には、クーポン管理部100は、ステップS171でユーザ端末20から送信されたクーポンIDに基づきDB11を参照し、ステップS162で登録された、当該クーポンIDに対応する乗車地および目的地の有効範囲を、DB11から取り出す。クーポン管理部100は、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が、DB11から取り出した乗車地および目的地の有効範囲内にあるか否かを判定する。
【0185】
クーポン管理部100は、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が、DB11から取り出した乗車地および目的地の有効範囲内にある場合に、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が妥当である、と判定する。この場合、クーポン管理部100は、配車統合管理部400を介して、タクシー430(タクシー配車システム4)に対して、ユーザ端末20から送信された乗車地への当該電子クーポンに伴う配車を依頼する(ステップS173)。
【0186】
ステップS173の配車依頼に際して、クーポン管理部100は、タクシー430に対して、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地を示す情報と、ユーザ50のユーザIDと、クーポンIDとを送信する。
【0187】
なお、クーポン管理部100は、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が妥当である、と判定しステップS172で配車依頼が行われた場合に、その旨をユーザ端末20に対して通知してよい。
【0188】
一方、クーポン管理部100は、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が、DB11から取り出した乗車地および目的地の有効範囲外である場合に、ユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が妥当ではない、と判定する。この場合、クーポン管理部100は、ユーザ端末20に対して、配車エラーの通知を送信する(ステップS174)。
【0189】
ユーザ端末20は、クーポン処理部210により、ステップS172の判定結果に応じた画面を表示させてよい。
図20は、ユーザ端末20における、乗車地および目的地の妥当性判定の結果に応じた結果表示画面の例を示す模式図である。
【0190】
図20において、セクション(a)は、乗車地および目的地が妥当である旨の通知に応じた結果表示画面235aの例を示している。セクション(a)の例では、結果表示画面235aは、配車依頼が完了した旨を示すメッセージ244aが表示される。結果表示画面235aに配置されるボタン255は、例えば、この結果表示画面235aの表示を解除するためのボタンである。
【0191】
図20において、セクション(b)は、ステップS174の配車エラー通知に応じた結果表示画面235bの例を示している。セクション(b)の例では、結果表示画面235bは、配車エラーおよび適切な乗車地および目的地の再指定を促すメッセージ244bが表示されている。結果表示画面235bに配置されるボタン256aは、例えばステップS170の処理に戻り乗車地および目的地の再指定を行うためのボタンである。また、結果表示画面235bに配置されるボタン256bは、例えばタクシーの配車依頼を中止するためのボタンである。
【0192】
説明は
図18に戻り、ステップS173でタクシー430に対して配車が依頼されると、タクシー430は、サーバ10から送信された乗車地および目的地の情報に基づき、迎車のため乗車地に向けて移動する(ステップS175)。ユーザ50は、乗車地で待機し、迎車にて廃車されたタクシー430に乗車して目的地に向かう(ステップS176)。ユーザ50は、目的地に到着するとタクシー430から降車する(ステップS177)。
【0193】
タクシー430において、ユーザ50が降車する際に、運賃および料金の決済が行われる。タクシー430からサーバ10に対して、ユーザIDおよびクーポンIDと、例えば今回のタクシー乗車に係る運賃および料金とが送信され、電子クーポンに伴う決済が依頼される(ステップS180)。
【0194】
サーバ10において、クーポン管理部100は、タクシー430からの依頼に応じて、クーポンIDおよびユーザIDに基づきDB11を参照し、クーポンIDおよびユーザIDに対応するクーポン情報をDB11から抽出する(ステップS181)。クーポン管理部100は、クーポン情報に含まれる割引情報に基づき、タクシー430から送信された運賃および料金に対して割引処理を実行する(ステップS182)。クーポン管理部100は、割引処理を実行した結果の金額をタクシー430に送信する(ステップS183)。
【0195】
タクシー430では、ステップS183でサーバ10から送信された、割引処理が実行された金額に基づき、乗車したユーザ50に対して乗車に伴う代金を請求してよい。なお、代金の決済は、現金やクレジットカードなどによりその場で行ってもよいし、クレジットカードに係る自動引き落としでもよい。
【0196】
ステップS182の割引処理の後、サーバ10において、クーポン管理部100は、当該電子クーポンのステータスを更新する(ステップS184)。例えば、クーポン管理部100は、当該電子クーポンの利用に関するステータスを、未利用から利用済みに更新してよい。
【0197】
このように、実施形態では、電子クーポンの発行主体(例えば店舗60)により設定された地理的条件が、ユーザ50によるタクシー430の利用において充足された場合に、当該電子クーポンが適用される。そのため、移動サービスに利用可能な電子クーポンの、当該電子クーポンの発行主体における収益性を向上させることが可能となる。
【0198】
なお、上述では、乗車地および目的地といった地理的条件に基づき電子クーポンの適用可否を判定しているが、これはこの例に限定されない。例えば、地理的条件に加え、時間的条件を電子クーポンの適用可否の要素としてもよい。例えば、店舗60の利用の例では、店舗60を利用終了後から所定時間内に、当該店舗60を乗車地としてタクシー430の配車を依頼した場合に、電子クーポンを適用可とする、などが考えられる。
【0199】
また、
図18では、クーポン管理部100は、ステップS172でユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が妥当である、と判定した場合に、電子クーポンが適用可であるとしているが、これはこの例に限定されない。例えば、クーポン管理部100は、ステップS172でユーザ端末20から送信された乗車地および目的地が妥当である、と判定した場合であっても、その判定に伴い配車されたタクシー430において実際に乗車された乗車地あるいは目的地が、DB11から取り出した乗車地および目的地の有効範囲外である場合に、当該電子クーポンを無効にしてよい。
【0200】
(2.実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、地理的条件に応じて電子クーポンの適用可否を行っていた。これに対して、実施形態の変形例では、所定サービスの利用条件に応じて電子クーポンの適用可否を行う。
【0201】
図21は、実施形態の変形例に係る電子クーポンの利用時の処理を示す一例のシーケンス図である。なお、実施形態の変形例における電子クーポンの配布は、実施形態において説明した第1~第3の例を適用できるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0202】
実施形態の変形例では、実施形態における乗車地および目的地の代わりに、所定サービスの利用に関する情報が、電子クーポンの適用条件として、当該電子クーポンの発行主体、例えば店舗60において設定される。電子クーポンの適用条件としての所定サービスの利用に関する情報は、例えば、電子クーポンの発行主体である当該店舗60に対するチェックインや、当該店舗60が発行する、当該電子クーポンとは異なるクーポンの利用情報であってよい。なお、店舗60に対するチェックインは、店舗60におけるサービスの利用開始に相当する。
【0203】
図21において、先ず、店舗60は、顧客側端末30を用いて、サーバ10に対して、電子クーポンによるサービスと、当該サービスの適用条件とを、当該電子クーポンのクーポンIDと関連付けて、DB11に登録する(ステップS200~S202)。
【0204】
より具体的には、店舗60側において、電子クーポンによるサービスとして、タクシー配車システム4により配車されたタクシー430の運賃および料金の割引が設定される。また、当該サービスの適用条件として、当該店舗60に対するチェックイン、あるいは、当該店舗60が発行する、当該電子クーポンとは異なるクーポン(店舗クーポンと呼ぶ)の利用情報が設定される。
【0205】
ユーザ50は、ユーザ端末20を用いて、クーポン処理部210から配車統合管理部400を介して、タクシー配車システム4に対してタクシー430の配車を依頼する。ユーザ50は、この依頼に応じて迎車により配車されたタクシー430に乗車して、例えば店舗60を目的地として移動し、目的地において降車する(ステップS210)。ユーザ50は、降車した後、店舗60に対してチェックインする。
【0206】
なお、この場合のタクシー430の運賃および料金の代金は、例えばサーバ10においてユーザ50のユーザIDに関連付けられて登録される例えばクレジットカード情報に基づき、サーバ10の処理により自動引き落としされるものとする。
【0207】
ユーザ50は、店舗60にチェックインし、店舗60において店舗クーポンを利用する。ユーザ50は、ユーザ端末20に対して、この店舗クーポンの利用、あるいは、当該店舗60に対するチェックインによる、ステップS210で利用したタクシー430の運賃および料金に対する割引手続きを依頼する操作を行う。ユーザ端末20は、この操作に応じて、クーポン処理部210により、予め取得された電子クーポンのクーポン情報と、ステップS210におけるタクシー430の利用に係るタクシー430の乗車情報とを、店舗60に提示する(ステップS212)。
【0208】
クーポン処理部210は、これらの情報を、例えばQRコードに変換してユーザ端末20に表示させて、店舗60に提示する。なお、クーポン情報は、クーポンIDとユーザIDとを含むものとする。
【0209】
店舗60では、ユーザ50から提示されたクーポン情報と、乗車情報とを、顧客側端末30により読み込む。また、店舗60では、ユーザ50による店舗60に対するチェックインや、店舗クーポンの利用について確認する。店舗60において、顧客側端末30により、店舗60に対するチェックインや、店舗クーポンの利用に対する確認結果に基づき、電子クーポンによる割引条件に対する適合可否が判定される(ステップS213)。
【0210】
すなわち、タクシー配車システム4を介して配車されたタクシー430に対する電子クーポンの利用をトリガとして、店舗クーポンによるサービス適用の可否が判定されるということができる。また、店舗クーポンや店舗60へのチェックインをトリガとして、タクシー430に対する電子クーポンによるサービス(割引など)の適用の可否が判定される、ともいうことができる。
【0211】
顧客側端末30は、ステップS213で電子クーポンによる割引条件に適合していると判定した場合、割引条件に適合している旨を示す割引条件適合情報を、クーポン情報と共にサーバ10に送信し、割引条件適合情報の登録を要求する(ステップS214)。割引条件適合情報は、この例では、ユーザ50による店舗60に対するチェックインを示す情報、あるいは、店舗クーポンを利用したことを示す情報と、クーポン情報とを含む。
【0212】
サーバ10は、クーポン管理部100により、顧客側端末30から送信された割引条件適合情報とクーポン情報とを関連付けて、DB11に登録する(ステップS215)。
【0213】
タクシー430において、運賃および料金の決済が行われる。タクシー430からサーバ10に対して、ユーザIDおよびクーポンIDと、例えば今回のタクシー乗車に係る運賃および料金とが送信され、電子クーポンに伴う決済が依頼される(ステップS220)。
【0214】
サーバ10において、クーポン管理部100は、タクシー430からの依頼に応じて、クーポンIDおよびユーザIDに基づきDB11を参照し、クーポンIDおよびユーザIDに対応する割引条件適合情報およびクーポン情報をDB11から抽出する(ステップS221)。クーポン管理部100は、割引条件適合情報と、クーポン情報に含まれる割引情報とに基づき、タクシー430から送信された運賃および料金に対する割引額を提示する(ステップS222)。クーポン管理部100は、提示された割引額をタクシー430に送信する(ステップS223)。
【0215】
タクシー430では、ステップS223でサーバ10から送信された、割引処理が実行された金額に基づき、乗車したユーザ50に対して乗車に伴う代金を請求してよい。なお、代金の決済は、クレジットカードに係る自動引き落としにより行われる。
【0216】
ステップS222の割引額の提示の後、サーバ10において、クーポン管理部100は、当該電子クーポンのステータスを更新する(ステップS224)。例えば、クーポン管理部100は、当該電子クーポンの利用に関するステータスを、未利用から利用済みに更新してよい。
【0217】
このように、実施形態の変形例では、電子クーポンの発行主体(例えば店舗60)により設定された適合条件が、ユーザ50による店舗60に対するチェックインや、店舗60により発行される店舗クーポンの利用可否とされている。実施形態の変形例では、この適合条件が充足された場合に、当該電子クーポンが適用される。そのため、移動サービスに利用可能な電子クーポンの、当該電子クーポンの発行主体における収益性を向上させることが可能となる。
【0218】
また、実施形態の変形例は、この例に限らず、例えば店舗60が発行した電子クーポンが移動サービスに利用された場合に、当該電子クーポンの発行主体である店舗60が発行した、当該電子クーポンとは異なる店舗クーポンを利用可能とするものであってもよい。
【0219】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0220】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御部、
を備える情報処理装置。
(2)
前記移動サービスはタクシーである、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、
端末装置に搭載され、前記ユーザに関連付けられた所定プログラムを用いて前記移動サービスの利用の依頼がなされた場合に、前記電子クーポンの適用の可否を判定する、
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、
前記充足の条件が前記地理的条件を含み、
前記所定プログラムを用いて前記移動サービスの利用を依頼する際に、前記依頼により指定された前記移動サービスによる前記ユーザの移動開始位置および移動終了位置少なくとも一方が前記電子クーポンに設定された制限外である場合に、前記電子クーポンの適用を不可とする、
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、
前記充足の条件が前記地理的条件を含み、
前記ユーザが、前記所定プログラムを用いて前記移動サービスを利用した際に、前記移動サービスにより前記ユーザが移動を開始した移動開始位置および移動を終了した移動終了位置のうち少なくとも一方が前記電子クーポンに設定された制限外である場合に、前記電子クーポンを無効とする、
前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、
前記充足の条件が前記利用条件を含み、前記利用条件として前記所定サービスに対するチェックイン情報を含める、
前記(3)乃至(5)の何れかに記載の情報処理装置。
(7)
前記発行主体が提供する前記所定サービスの利用を前記利用条件として、前記ユーザに対して前記電子クーポンそれぞれを識別する識別コードが送信され、
前記制御部は、
前記電子クーポンごとにユニークな前記識別コードを発行し、前記端末装置から前記所定プログラムにより送信された前記識別コードを付加した前記電子クーポンを発行する、
前記(3)乃至(6)の何れかに記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、
前記端末装置から前記所定プログラムにより前記発行主体が提供するデバイスを介して要求があった場合に、前記電子クーポンを前記ユーザに対して適用する、
前記(3)乃至(7)の何れかに記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、
前記地理的条件および前記利用条件に時間的条件を加えた各条件のうち少なくとも1つがユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする、
前記(3)乃至(8)の何れかに記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、
前記ユーザが前記電子クーポンに係る前記移動サービスを既に利用し、且つ、当該移動サービスを利用した時点から、当該電子クーポンによる所定サービスを利用開始した時点までの時間が一定範囲内である場合に、当該電子クーポンを当該ユーザに適用する、
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、
前記ユーザが前記電子クーポンに係る前記移動サービスを利用していない場合、当該電子クーポンに係る所定サービスを利用開始または利用終了した時点から当該移動サービスを利用するまでの時間が一定範囲内である場合に、当該電子クーポンを当該ユーザに適用する、
前記(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記制御部は、
前記電子クーポンが前記移動サービスにより利用された場合に、前記電子クーポンとは異なる他のクーポンを利用可能な状態とする、
前記(1)乃至(11)の何れかに記載の情報処理装置。
(13)
前記制御部は、
前記発行主体が発行した、前記電子クーポンとは異なる他のクーポンが利用されたことに応じて、前記電子クーポンを利用可能な状態とする、
前記(1)乃至(12)の何れかに記載の情報処理装置。
(14)
前記移動サービスは、タクシーと、利用者が運賃を支払って利用する公共交通機関とを含む、
前記(1)乃至(13)の何れかに記載の情報処理装置。
(15)
コンピュータにより実行される、
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御ステップ、
を含む情報処理方法。
(16)
コンピュータが、
移動サービスに利用可能な電子クーポンであって、前記電子クーポンの発行主体により設定された地理的条件または所定サービスの利用条件がユーザの前記移動サービスの利用により充足された場合に、前記電子クーポンを適用可とする制御ステップ、
を実行するための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0221】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
4 タクシー配車システム
10 サーバ
11 DB
20 ユーザ端末
30 顧客側端末
40,40a,40b 配車管理装置
50 ユーザ
60 店舗
100 クーポン管理部
111 クーポン制御部
112 コード生成部
113 配車管理部
200 ユーザアプリ
210 クーポン処理部
211 配車処理部
240,261 QRコード
400 配車統合管理部
430,430a,430b タクシー
430c 個人タクシー