(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136150
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】異常検知システム
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20230922BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20230922BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 A
E03D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041618
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早田 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】杉田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】大竹 美保
(72)【発明者】
【氏名】森下 翔午
(72)【発明者】
【氏名】野村 航希
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】坪井 宏之
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D037EA01
2D037EB00
2D038KA01
2D038KA07
2D039FA01
2D039FB01
(57)【要約】
【課題】トイレの使用対象に関する異常を適切に判定すること。
【解決手段】実施形態に係る異常検知システムは、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が前記使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する取得部と、前記一の使用対象の前記統計量が、前記一の使用対象以外の複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が前記使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する取得部と、
前記一の使用対象の前記統計量が、前記一の使用対象以外の複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、
を有することを特徴とする異常検知システム。
【請求項2】
前記取得部は、
前記一の使用対象である一のトイレブースの前記統計量を示す情報を取得し、
前記判定部は、
前記一のトイレブースの前記統計量が、前記複数の他の使用対象である複数の他のトイレブースの使用傾向から乖離した場合、前記一のトイレブースに前記異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の異常検知システム。
【請求項3】
前記判定部は、
前記一の使用対象の前記統計量である平均または中央値が、前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異常検知システム。
【請求項4】
前記判定部は、
前記一の使用対象の前記統計量である分散が、前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異常検知システム。
【請求項5】
前記取得部は、
前記異常の判定時点に応じて決定される前記判定時点以前の収集期間である前記所定の期間、または前記収集期間内での前記使用者の使用回数である前記回数において使用される時間の前記統計量を示す情報を取得し、
前記判定部は、
前記一の使用対象の前記統計量が、前記収集期間における前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の異常検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、異常検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレブース等のトイレの使用対象について異常を検知するシステムが知られている(例えば特許文献1、2)。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、トイレブースのドアが閉じられてから再び開かれるまでの時間が所定値未満であった場合、異常が発生したと判定する。例えば、特許文献2に記載されたシステムでは、トイレブースの扉の鍵の閉状態が所定時間継続した場合に、異常が発生したとして警報を発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-141565号公報
【特許文献2】特開2018-198023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術には改善の余地がある。例えば、上述した従来技術のシステムでは、使用者がトイレブース内で休憩したり、入室したが用事がありすぐに退室したりした等、個室内に異常が発生していない状態であっても、異常と判定してしまう場合がある。このように、上記のシステムによる異常判定には改善の余地がある。そのため、大便器が配置されるトイレブース等のトイレの使用対象に関する異常を適切に判定することが望まれている。
【0005】
上記のような点を鑑みて、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することが課題となる。
【0006】
開示の実施形態は、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる異常検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る異常検知システムは、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が前記使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する取得部と、前記一の使用対象の前記統計量が、前記一の使用対象以外の複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、を有することを特徴とする。
【0008】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象について使用される時間(使用時間)に関する統計量が、他の複数の使用対象の傾向と乖離した場合は、その一の使用対象に何かが起こったと推定でき、異常と判定(判別)することで、早期に異常を発見することができる。例えば、異常検知システムでは、従来と異なり、極端に使用時間が長い又は短い使用が一回でも生じると異常と判定してしまうことがないため、精度よく異常を発見することができる。例えば、異常検知システムは、異常が発生した使用対象について、複数人が使用した際の滞在時間の傾向の変化を捉えることで、使用対象について生じる異常を精度よく検知することである。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。なお、使用対象についての例示は後述するが、例えば大便器、大便器が設けられたトイレブース、小便器、洗面台、トイレ空間等の様々な対象であってもよい。例えば、異常検知システムは、滞在時間の傾向を比較する際、同一の種別の使用対象を対象として処理を行う。
【0009】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記取得部は、前記一の使用対象である一のトイレブースの前記統計量を示す情報を取得し、前記判定部は、前記一のトイレブースの前記統計量が、前記複数の他の使用対象である複数の他のトイレブースの使用傾向から乖離した場合、前記一のトイレブースに前記異常が生じたと判定することを特徴とする。
【0010】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一のトイレブースについての使用時間に関する統計量が、他のトイレブースの傾向と乖離した場合は、その一のトイレブースに何かが起こったと推定でき、異常と判定(判別)することで、早期に異常を発見することができる。例えば、異常検知システムでは、従来と異なり、極端にトイレブースへの滞在時間が長い又は短い使用が一回でも生じると異常と判定してしまうことがないため、精度よく異常を発見することができる。例えば、異常検知システムは、異常が発生したトイレブースについて、複数人が使用した際の滞在時間の傾向の変化を捉えることで、トイレブース内に生じる異常を精度よく検知することである。例えば、異常検知システムは、一のトイレブースについての使用時間に関する統計量が、他のトイレブースの傾向と乖離した場合は、一のトイレブースに配置された大便器に異常が生じたと判定することができる。例えば、異常検知システムは、一のトイレブースに配置された大便器を操作するリモコンが壊れて、多くの利用者の使用時間が長くなった場合の異常を判定することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。なお、本発明におけるトイレブースには、例えばトイレブースを構成する大便器も含まれる。
【0011】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記判定部は、前記一の使用対象の前記統計量である平均または中央値が、前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じたと判定することを特徴とする。
【0012】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象についての使用時間の平均または中央値が、他の複数の使用対象の傾向と乖離した場合は、一の使用対象に関する異常が生じたと判定することで、早期にトイレに関する異常を発見することができる。例えば、異常検知システムは、一の使用対象についての使用時間の移動平均が、他の複数の使用対象の傾向と乖離した場合は、一の使用対象に関する異常が生じたと判定することで、早期にトイレに関する異常を発見することができる。また、異常検知システムでは、従来と異なり、極端に滞在時間が長い又は短い使用が一回でも生じると異常と判定してしまうことがないため、精度よく異常を発見することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【0013】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記判定部は、前記一の使用対象の前記統計量である分散が、前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じたと判定することを特徴とする。
【0014】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象についての使用時間の分散が、他の複数の使用対象の傾向と乖離した場合は、一の使用対象に関する異常が生じたと判定することで、早期にトイレに関する異常を発見することができる。また、異常検知システムでは、従来と異なり、極端に滞在時間が長い又は短い使用が一回でも生じると異常と判定してしまうことがないため、精度よく異常を発見することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。なお、本発明における分散とは、例えば不偏分散、標本分散だけでなく、標準偏差、変動係数など、分散値を用いた特徴値も、含まれる。
【0015】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記取得部は、前記異常の判定時点に応じて決定される前記判定時点以前の収集期間である前記所定の期間、または前記収集期間内での前記使用者の使用回数である前記回数において使用される時間の前記統計量を示す情報を取得し、前記判定部は、前記一の使用対象の前記統計量が、前記収集期間における前記複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定することを特徴とする。
【0016】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、統計量の算出に用いる情報の収集期間を判定時点に応じて変動することにより、適切な情報を用いてトイレの使用対象に関する異常を判定することができる。例えば、異常検知システムは、統計量の算出に用いる情報の収集期間を判定時点から所定の期間(直近1週間、1カ月等)にすることにより、判定時点での状況をより反映した判定を行うことができる。例えば、異常検知システムは、トイレブース等の使用対象が長期に使われている場合等に、季節などで使用条件が変わっても、適切に対応して、異常を判定することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【発明の効果】
【0017】
実施形態の一態様によれば、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態に係る異常検知処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る異常検知システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る解析装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、異常検知システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する異常検知システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
<1.実施形態>
<1-1.異常検知処理例>
まず、実施形態に係る異常検知システム1(
図3参照)において実行される異常検知の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る異常検知処理の一例を示す図である。
【0021】
図1では、大便器10が配置されたトイレブースTBを対象として、異常検知システム1が異常判定を行う場合を説明する。なお、異常検知の対象は、トイレの使用対象であればトイレブースTBに限らず、大便器10であってもよいし、
図2中に示すトイレ空間2、小便器20及び洗面器30等の様々なトイレの使用対象であってもよいが、詳細は後述する。
【0022】
以下、
図1に示す処理例について説明する、具体的には、
図1では、大便器10
11が配置されるトイレブースTB1、大便器10
12が配置されるトイレブースTB2、及び大便器10
13が配置されるトイレブースTB3の3つのトイレブースTBを対象として、異常検知システム1が異常判定を行う。例えば、異常検知システム1の解析装置100(
図3参照)は、
図1に示す処理を実行する。解析装置100は、検知対象となるトイレブースTB1~TB3の各々の使用時間を取得する。
【0023】
図1中のグラフGR11は、大便器10
11が配置されるトイレブースTB1が使用者により使用される使用時間に関する情報を示す。グラフGR11の横軸は、トイレブースTB1の各使用者に対応し、グラフGR11の縦軸は、使用時間を示す。グラフGR11の縦軸のプラス(上)方向に進む程、使用時間が長いことを示す。グラフGR11中の複数の黒丸は、トイレブースTB1を使用した使用者毎の使用時間PTを示す。なお、
図1では一部の黒丸のみに符号「PT
*(*は任意の文字列)」を付す。
【0024】
例えば、グラフGR11中の1人目から延びる点線上の黒丸は、例えば判定処理の対象とする1人目の使用者によるトイレブースTB1の使用時間を示す。なお、トイレブースTB1等のトイレの使用対象の使用時間については任意の手法により取得可能であるが、この点については後述する。解析装置100は、各トイレブースTBについて、直近のいくつかのデータを用いて、移動平均等の統計量を算出する。
【0025】
グラフGR11の線LN11は、トイレブースTB1の使用時間の統計量を示す。
図1では、使用時間の中央値を統計量として用いる場合を一例として説明する。解析装置100は、トイレブースTB1を使用した複数の使用者の使用時間を用いて、トイレブースTB1の使用時間の統計量を算出する。例えば、解析装置100は、トイレブースTB1の複数回における使用者の使用時間を用いて、トイレブースTB1の使用時間の統計量を算出する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTB1を使用した3人の使用者の使用時間、すなわち3回分の使用時間を用いて、トイレブースTB1の使用時間の統計量を算出する。
【0026】
例えば、解析装置100は、トイレブースTB1のN人目の使用者に対応する統計量を、N-2人目、N-1人目及びN人目の3人の使用時間を用いて算出する。すなわち、解析装置100は、トイレブースTB1の使用における連続する複数回での使用時間を用いて、トイレブースTB1の使用時間の統計量を算出する。
【0027】
図1では、解析装置100は、トイレブースTB1のN-2人目の使用者の使用時間PT
N-2、N-1人目の使用者の使用時間PT
N-1、及びN人目の使用者の使用時間PT
Nを用いて、トイレブースTB1のN人目の使用者に対応する統計量を算出する。解析装置100は、使用時間PT
N-2、使用時間PT
N-1、及び使用時間PT
Nの3つの使用時間の平均を、トイレブースTB1のN人目の使用者に対応する統計量として算出する。解析装置100は、3つの使用時間を用いて移動平均を算出する。例えば、グラフGR11中のN人目から延びる点線と線LN11の交点が、トイレブースTB1のN人目の使用者に対応する統計量を示す。
【0028】
また、例えば、解析装置100は、トイレブースTB1のN+1人目の使用者に対応する統計量を、N-1人目、N人目及びN+1人目の3人の使用時間を用いて算出する。解析装置100は、使用時間PTN-1、使用時間PTN、及び使用時間PTN+1の3つの使用時間の平均を、トイレブースTB1のN+1人目の使用者に対応する統計量として算出する。
【0029】
図1中のグラフGR12は、大便器10
11が配置されるトイレブースTB2が使用者により使用される使用時間に関する情報を示す。グラフGR12について、グラフGR11と同様の点については適宜説明を省略する。グラフGR12中の複数の黒丸は、トイレブースTB2を使用した使用者毎の使用時間PTを示す。なお、
図1では1つの黒丸のみに符号「PT」を付す。例えば、グラフGR12中の1人目から延びる点線上の黒丸は、例えば判定処理の対象とする1人目の使用者によるトイレブースTB2の使用時間を示す。
【0030】
グラフGR12の線LN12は、トイレブースTB2の使用時間の統計量を示す。解析装置100は、トイレブースTB2を使用した複数の使用者の使用時間を用いて、トイレブースTB2の使用時間の統計量を算出する。
【0031】
例えば、解析装置100は、トイレブースTB2のN人目の使用者に対応する統計量を、N-2人目、N-1人目及びN人目の3人の使用時間、すなわち3回の使用の使用時間を用いて算出する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTB2のN-2人目の使用者の使用時間、N-1人目の使用者の使用時間、及びN人目の使用者の使用時間の3つの使用時間の平均を、トイレブースTB2のN人目の使用者に対応する統計量として算出する。例えば、グラフGR12中のN人目から延びる点線と線LN12の交点が、トイレブースTB2のN人目の使用者に対応する統計量を示す。
【0032】
図1中のグラフGR13は、大便器10
11が配置されるトイレブースTB3が使用者により使用される使用時間に関する情報を示す。グラフGR13について、グラフGR11と同様の点については適宜説明を省略する。グラフGR13中の複数の黒丸は、トイレブースTB3を使用した使用者毎の使用時間PTを示す。なお、
図1では1つの黒丸のみに符号「PT」を付す。例えば、グラフGR13中の1人目から延びる点線上の黒丸は、例えば判定処理の対象とする1人目の使用者によるトイレブースTB3の使用時間を示す。
【0033】
グラフGR13の線LN13は、トイレブースTB3の使用時間の統計量を示す。解析装置100は、トイレブースTB3を使用した複数の使用者の使用時間を用いて、トイレブースTB3の使用時間の統計量を算出する。
【0034】
例えば、解析装置100は、トイレブースTB3のN人目の使用者に対応する統計量を、N-2人目、N-1人目及びN人目の3人の使用時間、すなわち3回の使用の使用時間を用いて算出する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTB3のN-2人目の使用者の使用時間、N-1人目の使用者の使用時間、及びN人目の使用者の使用時間の3つの使用時間の平均を、トイレブースTB3のN人目の使用者に対応する統計量として算出する。例えば、グラフGR13中のN人目から延びる点線と線LN13の交点が、トイレブースTB3のN人目の使用者に対応する統計量を示す。
【0035】
解析装置100は、トイレブースTB1~TB3の各々の統計量と閾値とを用いて、トイレブースTB1~TB3について異常が生じたか否かを判定する(ステップS1)。解析装置100は、同一種別の使用対象のデータから異常検知の閾値を設定する。解析装置100は、同一種別の使用対象であるトイレブースTBのデータから異常検知の閾値を設定する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTB1~TB3のデータから閾値を設定する。例えば、解析装置100は、同種の複数の機器のデータから異常検知の閾値を設定する。解析装置100は、同一種別の使用対象である大便器10
11~10
13の各々が配置されたトイレブースTB1~TB3のデータから閾値を設定する。例えば、解析装置100は、トイレブースTB1~TB3について算出した統計量を用いて閾値を算出する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTB1~TB3について算出した統計量の平均及び分散を算出し、算出した統計量の平均及び分散を用いて閾値を算出する。例えば、解析装置100は、トイレブースTB1~TB3について算出した移動平均の平均及び分散を算出し、算出した移動平均の平均及び分散を用いて閾値を算出する。
【0036】
図1中のグラフGR2は、トイレブースTB1~TB3の各々の統計量と閾値に関する情報を示す。グラフGR2について、グラフGR11~GR13と同様の点については適宜説明を省略する。
【0037】
グラフGR2の線TH1は、トイレブースTB1~TB3の統計量の平均と、標準偏差(SD:Standard Deviation)に3を乗じた値とを加算した値である異常検知の閾値(「第1閾値」ともいう)を示す。解析装置100は、トイレブースTB1~TB3の統計量の平均と、標準偏差(SD)に3を乗じた値とを加算することにより第1閾値を算出する。第1閾値は、使用対象の統計量がその値を上回った場合に異常が発生したと判定するために用いられる閾値である。
【0038】
グラフGR2の線TH2は、トイレブースTB1~TB3の統計量の平均から、標準偏差(SD)に3を乗じた値を減算した値である異常検知の閾値(「第2閾値」ともいう)を示す。解析装置100は、トイレブースTB1~TB3の統計量の平均から、標準偏差(SD)に3を乗じた値を減算することにより第2閾値を算出する。第2閾値は、使用対象の統計量がその値を下回った場合に異常が発生したと判定するために用いられる閾値である。なお、上述した第1閾値及び第2閾値等の閾値は一例に過ぎず、第1閾値及び第2閾値等の閾値は様々な情報を用いて、適宜設定されてもよい。
【0039】
解析装置100は、使用対象の統計量が第1閾値を上回った場合、または使用対象の統計量が第2閾値を下回った場合に、その使用対象に異常が発生したと判定する。
図1では、解析装置100は、トイレブースTBの統計量が第1閾値を上回った場合、すなわちトイレブースTBの統計量が第1閾値を超えた場合に、そのトイレブースTBに異常が発生したと判定する。また、
図1では、解析装置100は、トイレブースTBの統計量が第2閾値を下回った場合、すなわちトイレブースTBの統計量が第2閾値未満になった場合に、そのトイレブースTBに異常が発生したと判定する。
【0040】
図1では、解析装置100は、トイレブースTB1の使用時間の統計量を示す線LN11が第2閾値を示す線TH2を下回っており、トイレブースTB1に異常が発生したと判定する。例えば、解析装置100は、トイレブースTB1の使用時間の統計量を示す線LN11が第2閾値を示す線TH2を下回った後の判定において、トイレブースTB1に異常が発生したと判定する。
【0041】
<1-1-1.異常検知の対象>
上述した例では、大便器10が配置されたトイレブースTBを一例として異常検知システム1が異常判定を行う場合を説明したが、異常検知の対象は、トイレブースTBに限らず、
図2で説明するトイレ空間2、大便器10、小便器20及び洗面器30等の様々なトイレの使用対象であってもよい。
【0042】
例えば、異常検知システム1は、
図2中の小便器20
11、小便器20
12、小便器20
13の3つの小便器20の情報を用いて、小便器20
11、小便器20
12、小便器20
13の異常検知を行ってもよい。また、異常検知システム1は
図2中の洗面器30
11、洗面器30
12、洗面器30
13の3つの洗面器30の情報を用いて、洗面器30
11、洗面器30
12、洗面器30
13の異常検知を行ってもよい。なお、判定対象となる使用対象がトイレブースTB以外であっても、判定処理等は
図1で示した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
<1-1-2.統計量>
上述した例では、統計量として平均を用いる場合を示したが、平均は統計量の一例に過ぎず、使用時間の統計量は、平均に限らず、中央値、分散等の任意の統計量が採用可能である。例えば、解析装置100は、使用時間の中央値を統計量として用いる場合、トイレブースTB1のN人目の使用者に対応する統計量として、N-2人目、N-1人目及びN人目の3人の使用者の使用時間のうち、2番目に使用時間が長いN-2人目の使用時間PTN-2を用いる。
【0044】
また、解析装置100は、複数の種別の統計量を用いて異常検知を行ってもよい。例えば、解析装置100は、平均及び分散の2つの統計量を用いて異常検知を行ってもよい。例えば、解析装置100は、一の使用対象の複数の統計量うち、所定数の統計量が異常検知を示す場合に、その一の使用対象に異常が発生したと判定してもよい。この場合、解析装置100は、一の使用対象の2つの統計量の両方が異常検知を示す場合に、その一の使用対象に異常が発生したと判定してもよい。
【0045】
<1-1-3.判定処理に用いる情報>
なお、上述した例では、所定の回数での使用における使用時間の統計値を用いて、異常検知システム1が異常判定を行う場合を説明したが、判定処理に用いる情報は、様々な情報であってもよい。例えば、異常検知システム1は、所定の期間における使用対象の統計値を用いて、異常判定を行ってもよい。例えば、異常検知システム1は、1週間等の所定の期間内の使用における使用対象の統計値を用いて、異常判定を行ってもよい。
【0046】
例えば、異常検知システム1は、複数の使用対象について、共通の期間(例えば2022年1月の1カ月等)内のデータを用いて算出した統計値を用いて、異常判定を行ってもよい。
図1では、トイレブースTB1~TB3の各々について共通の期間のデータを用いて算出した統計量を用いて、トイレブースTB1~TB3の各々の異常判定を行ってもよい。この場合、トイレブースTB1~TB3の各々の統計量の算出に用いるデータの数(使用回数)は異なってもよい。
【0047】
<1-2.トイレの利用対象例>
ここから、
図2を用いて、トイレの利用対象例について説明する。
図2は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。
図2は、トイレの利用対象の物理的な配置等の概念的に示す。なお、
図2に示すトイレの利用対象は一例に過ぎず、トイレの利用対象は、ユーザに使用される対象となり得るトイレに関する要素であり、異常検知の対象となり得るものであればどのような要素であってもよい。
【0048】
図2に示すように、トイレの利用対象には、トイレ空間2
1、トイレ空間2
2等のトイレ空間が含まれてもよい。
図2に示すトイレ空間2
1は、個室空間を形成するトイレブースであるトイレブースTB1~TB3と、トイレブース以外の空間である共有空間である共有空間CS1を有する。なお、トイレブースTB1、トイレブースTB2、トイレブースTB3等、トイレ空間2に設けられるトイレブースを区別せずに説明する場合、「トイレブースTB」と記載する場合がある。
【0049】
なお、トイレ空間2
1、トイレ空間2
2等のトイレ空間を区別せずに説明する場合、「トイレ空間2」と記載する場合がある。
図2では、トイレ空間2が2つのトイレ空間2
1、トイレ空間2
2を図示するが、トイレの利用対象には3つ以上のトイレ空間2が含まれてもよい。
図2では、トイレ空間2が3つのトイレブースTBを有する場合を一例として説明するが、トイレ空間2は2つ以下または4つ以上のトイレブースTBを有してもよい。
【0050】
すなわち、
図2に示すトイレ空間2
1は、トイレ空間2の一例に過ぎず、トイレ空間2については任意の構成が採用可能である。例えば、トイレ空間2は、1つのトイレブースTBを有する構成であってもよい。トイレ空間2は、使用者に使用され得るトイレの使用対象となるものが1つでも含まれば、どのような構成であってもよい。例えば、トイレ空間2は、大便器10、小便器20及び洗面器30等の機器(トイレ機器)のうち少なくとも1つを有すれば、どのような構成であってもよい。
【0051】
トイレブースTBは、パーティション(間仕切り)で区切られた空間(個室空間)である。各トイレブースTBは、大便器10を備え、人が排泄行為を行う場所としての機能を有する。また、各トイレブースTBは、そのトイレブースTB内に入室するための開閉可能なドア(図示は省略)を備える。なお、各トイレブースTBのドアは、一般的なトイレブースTBに設けられるドアと同様であるため、詳細な説明は省略する。また、トイレブースTBは、パーティションによって、完全に区切られた空間でなくてもよく、パーティションの上部や下部に、隣接するトイレブースTBや共有空間と区切られていない部分が設けられていてもよい。
【0052】
また、共有空間CS1等、トイレ空間2に設けられる共有空間を区別せずに説明する場合、「共有空間CS」と記載する場合がある。共有空間CSは、トイレ空間2内において複数人が同時に滞在し得る共有部である。例えば、共有空間CSは、トイレ空間2への入り口、洗面器30等の洗面の設備、各トイレブースTBへの経路を有する。共有空間CSは、トイレ空間2への入場、手等の洗浄、各トイレブースTBへの移動等を行うための場所としての機能を有する。なお、トイレ空間2が男性用のトイレ空間2として機能する場合、その共有空間CSには小便器20が配置される。すなわち、共有空間CSも人が排泄行為を行う場所として機能する場合がある。
【0053】
次に、
図2に示すトイレ空間2
1を一例として説明しつつ、トイレ空間2における各装置の配置について説明する。大便器10
11は、トイレブースTB1に配置される。また、大便器10
12は、トイレブースTB2に配置される。また、大便器10
13は、トイレブースTB3に配置される。なお、大便器10
11、大便器10
12、大便器10
13等、大便器を区別せずに説明する場合、「大便器10」と記載する場合がある。
【0054】
図2では、大便器10の数が3つである場合を一例として示すが、大便器10の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、大便器10の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、大便器10の機能などの詳細は後述する。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、大便器10を説明する記載は、その大便器10が配置されるトイレブースTBと読み替えてもよい。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、トイレブースTBを説明する記載は、そのトイレブースTBに配置される大便器10と読み替えてもよい。例えば、大便器10
11は、トイレブースTB1と読み替えてもよく、トイレブースTB1は、大便器10
11と読み替えてもよい。
【0055】
小便器20
11、小便器20
12、小便器20
13は、共有空間CS1に配置される。小便器20
11、小便器20
12、小便器20
13等、トイレ空間2に配置される小便器を区別せずに説明する場合、「小便器20」と記載する場合がある。
図2では、小便器20の数が3つである場合を一例として示すが、小便器20の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、小便器20の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、小便器20の機能などの詳細は後述する。
【0056】
洗面器30
11、洗面器30
12、洗面器30
13は、共有空間CS1に配置される。洗面器30
11、洗面器30
12、洗面器30
13等、トイレ空間2に配置される小便器を区別せずに説明する場合、「洗面器30」と記載する場合がある。
図2では、洗面器30の数が3つである場合を一例として示すが、洗面器30の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、洗面器30の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、洗面器30の機能などの詳細は後述する。
【0057】
<1-3.トイレ空間の配置>
トイレ空間2の配置について簡単に説明する。トイレ空間2は、そのトイレ空間2が物理的に配置可能な空間であれば、どのような場所に設けられてもよい。すなわち、トイレ空間2が設けられる場所は、任意の場所が採用可能である。例えば、トイレ空間2は、デパート(百貨店)等のような商業施設に設けられてもよい。また、トイレ空間2が設けられる場所は、店舗等の商業施設に限らず、種々の施設であってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、遊園地や競技場やオフィスビル等であってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、観光地等の地域に設けられるトイレであってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、公園や駐車場等であってもよい。すなわち、トイレは公園や駐車場等の屋外に設けられてもよい。このように、トイレ空間2が設けられる場所は、トイレ空間2が配置可能な空間があれば、どのような場所であってもよい。
【0058】
<1-4.異常検知システムの構成>
次に、異常検知システム1の構成について
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係る異常検知システムの構成例を示す図である。具体的には、
図3は、異常検知システム1の構成を示す。
【0059】
異常検知システム1は、異常検知の処理を実行する情報処理装置(
図3では解析装置100)を有する。また、異常検知システム1は、異常検知の処理に用いる情報を収集する情報処理装置(
図3では収集装置50)を有する。
図3に示す異常検知システム1は、解析装置100、収集装置50、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301を有する。なお、異常検知システム1には、複数の解析装置100、複数の収集装置50、複数の検知部21、複数の検知部101、複数の検知部201、複数の検知部301等が含まれてもよい。
【0060】
図3では、異常検知システム1の異常検知の対象となるトイレの使用対象には、トイレ空間2、大便器10、小便器20及び洗面器30のうち少なくとも1つが含まれる。なお、異常検知システム1の異常検知の対象となるトイレの使用対象には、
図2に示すように、複数のトイレ空間2、複数の大便器10、複数の小便器20、複数の洗面器30等が含まれてもよい。
【0061】
トイレ空間2は、施設等の空間に設けられ、トイレを使用する使用者が入退場する空間である。例えば、トイレ空間2は、トイレブースTB、共有空間CS等を有し、トイレに関する構造物が配置される空間である。例えば、
図2に示すトイレ空間2
1は、複数の大便器10
11、10
12、10
13、が各々配置されるトイレブースTB1~TB3、及び複数の小便器20
11、20
12、20
13、及び複数の洗面器30
11、30
12、30
13が配置される共有空間CS1を有する。なお、トイレ空間2は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0062】
トイレ空間2の検知部21は、トイレ空間2に関する検知を行う。検知部21は、トイレ空間2への人(使用者)の入退場を検知する検知部として機能する。検知部21は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部21は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部21は、トイレ空間2の出入り口を撮像する画像センサ(行動検知センサ)であってもよい。なお、上記は一例であり、検知部21は、使用者のトイレ空間2への入退場を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。
【0063】
トイレ空間2の検知部21は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部21は、トイレ空間2への人の入退場を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、そのトイレ空間2を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、トイレ空間2へ入場した人が退場するまでの時間(使用時間)を示す検知情報を、そのトイレ空間2を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象にトイレ空間2が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部21が含まれなくてもよい。
【0064】
大便器10は、トイレを使用する使用者が大便または小便等を排泄する際に使用されるトイレの使用対象である。大便器10は、トイレ空間2内に設けられるトイレブースTBに配置される。例えば、大便器10は、使用者が着座する便座、及び洗浄用の水を吐水するためのノズルを操作するための操作部を含む便座装置を有する。大便器10は、便座装置以外にも、便蓋、便器等、大便器としての機能を実現するための各種構成を有するが、詳細な説明は省略する。なお、大便器10は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0065】
大便器10の検知部101は、大便器10に関する検知を行う。大便器10の検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBに関する検知を行う。検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBへの人(使用者)の入退場を検知する検知部として機能する。検知部101は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部101は、人体検知センサ、行動検知センサ、着座検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア等に設けられ、トイレブースTBのドアの開閉を検知するドアセンサであってもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア付近を撮像する画像センサであってもよい。検知部101は、大便器10への使用者の着座を検知する着座センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部101は、使用者の大便器10への入退場を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、大便器10と検知部101とは一体であってもよい。この場合、検知部101を有する大便器10が、異常検知システム1に含まれてもよい。なお、検知部101の配置位置は、特に限定されず、トイレブースTBの天井、壁面、床等に設置してもよく、大便器10の便座に搭載してもよい。
【0066】
大便器10の検知部101は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBへの人の入退場を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その大便器10または大便器10が配置されたトイレブースTBを識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、大便器10が配置されたトイレブースTBへ入室した人が退室するまでの時間(使用時間)を示す検知情報を、その大便器10または大便器10が配置されたトイレブースTBを識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に大便器10が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部101が含まれなくてもよい。
【0067】
小便器20は、男性用のトイレ空間2に設けられ、トイレを使用する使用者が小便を排泄する際に使用されるトイレの使用対象である。小便器20は、トイレ空間2内に設けられる共有空間CSに配置される。なお、小便器20は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0068】
小便器20の検知部201は、小便器20に関する検知を行う。検知部201は、小便器20の人(使用者)の使用を検知する検知部として機能する。検知部201は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部201は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部201は、小便器20への人の近接を検知する近接センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部201は、使用者の小便器20の使用を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、小便器20と検知部201とは一体であってもよい。この場合、検知部201を有する小便器20が、異常検知システム1に含まれてもよい。例えば、検知部201は、小便器20の前面に設けられ、小便器20の前に位置する人を検知する。なお、検知部201の配置位置は、特に限定されず、共有空間CSの天井、壁面、床等に設置してもよい。
【0069】
小便器20の検知部201は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部201は、小便器20の人の使用を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その小便器20を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、人が使用している間(例えば小便器20に人が近接してから離れるまでの間)の時間(使用時間)を示す検知情報を、その小便器20を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に小便器20が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部201が含まれなくてもよい。
【0070】
洗面器30は、トイレを使用する使用者が手を洗ったり、顔を洗ったり、鏡を見たりする際に使用されるトイレの使用対象である。洗面器30は、トイレ空間2内に設けられる共有空間CSに配置される。例えば、洗面器30は、自動水栓の機能を有する蛇口、蛇口からの水を受けるボウル部を有する。なお、洗面器30は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0071】
洗面器30の検知部301は、洗面器30に関する検知を行う。検知部301は、洗面器30の人(使用者)の使用を検知する検知部として機能する。検知部301は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部301は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部301は、洗面器30のへの人の身体の近接を検知する近接センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部301は、使用者の洗面器30の使用を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、洗面器30と検知部301とは一体であってもよい。この場合、検知部301を有する洗面器30が、異常検知システム1に含まれてもよい。例えば、検知部301は、洗面器30の蛇口付近に設けられ、洗面器30の蛇口への人の手の近接を検知する。なお、検知部301の配置位置は、特に限定されず、共有空間CSの天井、壁面、床等に設置してもよい。
【0072】
洗面器30の検知部301は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部301は、洗面器30の人の使用を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その洗面器30を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、人が使用している間(例えば洗面器30の蛇口が水を吐水している間)の時間(使用時間)を示す検知情報を、その洗面器30を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に洗面器30が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部301が含まれなくてもよい。
【0073】
収集装置50は、各種情報を収集する。例えば、収集装置50は、ゲートウェイ装置等であってもよい。収集装置50は、各使用対象について検知されるセンサデータ等の検知情報を収集する装置である。収集装置50は、他の装置から情報を収集する。収集装置50は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等について検知された情報である検知情報を収集する。収集装置50は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の情報を検知する装置から検知情報を受信する。
【0074】
収集装置50は、トイレ空間2の検知部21からトイレ空間2の検知結果を受信する。収集装置50は、大便器10の検知部101から大便器10の検知情報を受信する。収集装置50は、小便器20の検知部201から小便器20の検知情報を受信する。収集装置50は、洗面器30の検知部301から洗面器30の検知情報を受信する。収集装置50は、トイレ空間2の検知部21、大便器10の検知部101、小便器20の検知部201及び洗面器30の検知部301と、無線により通信可能に接続される。なお、収集装置50は、情報の送受信が可能であれば、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の情報を検知する装置とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0075】
収集装置50はトイレ空間2外に配置されてもよいし、トイレ空間2内に配置されてもよい。例えば、収集装置50は、トイレ空間2が設けられた施設などに配置されるサーバ装置であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301と通信して、情報を収集し、収集した情報を解析装置100へ送信可能であれば、収集装置50の装置構成及び配置は任意の形態が採用可能である。また、収集装置50は、解析装置100と一体であってもよい。この場合、解析装置100が収集装置50の機能を有し、解析装置100は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の使用対象の情報を収集する。
【0076】
解析装置100は、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、解析装置100は、クラウドサーバ等であってもよい。解析装置100は、収集装置50と、インターネット等の所定のネットワークNを介して、無線または有線により通信可能に接続される。なお、解析装置100は、情報の送受信が可能であれば、収集装置50とどのように接続されてもよく、無線により通信可能に接続されてもよいし、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0077】
解析装置100は、収集装置50が収集した情報を用いて、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する。解析装置100は、収集装置50から受信した情報である収集情報を用いて、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する。解析装置100は、収集情報を用いて、トイレ空間2に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、大便器10に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、小便器20に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、洗面器30に関する異常が生じたか否かを判定する。
【0078】
<1-5.解析装置の機能構成>
以下、解析装置の機能構成について
図4を参照して説明する。
図4は、実施形態に係る解析装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0079】
図4に示すように、解析装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、解析装置100は、解析装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0080】
通信部110は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部110は、所定のネットワークN(
図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、所定のネットワークN(
図3参照)と有線または無線で接続され、収集装置50等の他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0081】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、判定処理等の異常検知プログラム等によって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0082】
実施形態に係る記憶部120は、
図4に示すように、配置情報記憶部121と、収集情報記憶部122とを有する。なお、記憶部120は、配置情報記憶部121及び収集情報記憶部122に限らず、処理に必要な様々な情報を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる様々な情報(例えば閾値に関する情報)を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる閾値を算出するための関数、算出した関数の情報を記憶する。
【0083】
実施形態に係る配置情報記憶部は、異常検知システム1の検知対象となる各種の使用対象の配置に関する各種情報を記憶する。例えば、配置情報記憶部は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30の配置に関する情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。
図5に示す配置情報記憶部には、「施設」、「トイレ空間」、「配置箇所」、「配置要素」といった項目が含まれる。
【0084】
「施設」は、トイレ空間が配置される場所を示す。なお、「施設」には、構造物に限らず、トイレ空間が配置される場所であれば様々な場所が登録可能である。「トイレ空間」は、各トイレ空間を識別するための識別情報を示す。
図5では、説明の為に「トイレ空間」に「2
1」、「2
2」といった各トイレ空間に付した符号を図示するが、「トイレ空間」には、トイレ空間を特定可能な情報(例えばトイレ空間ID等)が記憶される。
【0085】
「配置箇所」は、各配置箇所を識別するための識別情報を示す。
図5では、説明の為に「配置箇所」に「TB1」、「TB2」、「TB3」、「CS1」といったトイレ空間2の各構成に付した符号を図示するが、「配置箇所」には、配置箇所を特定可能な情報(例えば配置箇所ID等)が記憶される。
【0086】
「配置要素」は、対応する配置箇所に配置されるトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。例えば、「配置要素」は、対応する配置箇所に配置される大便器10、小便器20、及び洗面器30等のトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。
図5では、説明の為に「配置要素」に「10
11」、「10
12」、「10
13」、「20
11」、「20
12」、「20
13」、「30
11」、「30
12」、「30
13」等の各構成に付した符号を図示するが、「配置要素」には、各使用対象を識別可能であればどのような情報が登録されてもよい。
【0087】
例えば、「配置要素」には、対応する配置箇所に配置される大便器を特定可能な情報(例えば大便器ID等)、小便器を識別するための識別情報(例えば小便器ID等)、または洗面器を識別するための識別情報(例えば洗面器ID等)が記憶される。
【0088】
図5の例では、「2
1」により識別されるトイレ空間2
1には、「TB1」により識別されるトイレブースTB1、「TB2」により識別されるトイレブースTB2、「TB3」により識別されるトイレブースTB3が配置箇所として含まれることを示す。また、トイレ空間2
1には、「CS1」により識別される共有空間CS1が配置箇所として含まれることを示す。
【0089】
「TB1」により識別される配置箇所であるトイレブースTB1には、「1011」により識別される大便器1011が配置されることを示す。また、「TB2」により識別される配置箇所であるトイレブースTB2には、「1012」により識別される大便器1012が配置されることを示す。また、「TB3」により識別される配置箇所であるトイレブースTB3には、「1013」により識別される大便器1013が配置されることを示す。
【0090】
また、「CS1」により識別される配置箇所である共有空間CS1には、「2011」により識別される小便器2011、「2012」により識別される小便器2012、「2013」により識別される小便器2013が配置されることを示す。また、共有空間CS1には、「3011」により識別される洗面器3011、「3012」により識別される洗面器3012、「3013」により識別される洗面器3013が配置されることを示す。
【0091】
なお、配置情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、検知対象となる各使用対象のセンサデータ(検知情報)を検知するセンサ(検知部)を特定可能な情報(例えばセンサID等)を、そのセンサが検知する使用対象に対応付けて記憶してもよい。
【0092】
各トイレの使用対象の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレの使用対象に対応付けて記憶してもよい。例えば、各トイレ空間2の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレ空間2に対応付けて記憶してもよい。例えば、各大便器10の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各大便器10に対応付けて記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、各小便器20が検知する情報や各小便器20の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各小便器20に対応付けて記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、各洗面器30が検知する情報や各洗面器30の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各洗面器30に対応付けて記憶してもよい。
【0093】
収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象について収集したセンサデータ等の検知情報を記憶する。収集情報記憶部122は、収集装置50から受信した情報を記憶する。収集情報記憶部122は、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301により検知された検知情報を記憶する。例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象の使用履歴を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0094】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が使用された日時を、各大便器10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が配置されたトイレブースTBが使用された日時を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各小便器20が使用された日時を、各小便器20を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各洗面器30が使用された日時を、各洗面器30を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ空間2が使用された日時を、各トイレ空間2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0095】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各大便器10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が配置されたトイレブースTBが使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各小便器20が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各小便器20を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各洗面器30が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各洗面器30を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ空間2が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレ空間2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0096】
なお、上記は一例に過ぎず、収集情報記憶部122は、収集された様々な情報を記憶する。
【0097】
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、解析装置100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る判定処理等の異常検知プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0098】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、算出部132と、判定部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0099】
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、他の装置から情報を受信する。取得部131は、収集装置50が収集した情報(検知情報等)を収集装置50から受信する。取得部131は、トイレの使用対象について検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、トイレの使用対象に対応するセンサ等により検知された検知情報を収集装置50から受信する。
【0100】
取得部131は、トイレ空間2について検知部21により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、大便器10について検知部101により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、大便器10が配置されたトイレブースTBについて検知部101により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、小便器20について検知部201により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、洗面器30について検知部301により検知された検知情報を収集装置50から受信する。
【0101】
取得部131は、処理に用いる情報を記憶部120から取得する。取得部131は、判定処理に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、判定対象となるトイレの使用対象に対応する情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、統計量の算出に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、閾値の算出に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。
【0102】
取得部131は、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する。取得部131は、一の使用対象である一のトイレブースの統計量を示す情報を取得する。取得部131は、異常の判定時点に応じて決定される判定時点以前の収集期間である所定の期間、または収集期間内での使用者の使用回数である回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する。
【0103】
算出部132は、算出処理を行う。算出部132は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて算出処理を行う。算出部132は、取得部131により取得された各種の情報を用いて算出処理を行う。
【0104】
算出部132は、判定処理に用いる各種の値を算出する。算出部132は、判定処理に用いる閾値を算出する。算出部132は、判定対象となる使用対象に関する統計量を算出する。
【0105】
算出部132は、使用対象に関する統計量を算出する。算出部132は、使用対象が使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を算出する。
【0106】
算出部132は、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を算出する。算出部132は、一の使用対象である一のトイレブースの統計量を算出する。算出部132は、異常の判定時点に応じて決定される判定時点以前の収集期間である所定の期間、または収集期間内での使用者の使用回数である回数において使用される時間の統計量を算出する。
【0107】
判定部133は、判定処理を行う。判定部133は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部133は、取得部131により取得された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部133は、算出部132により算出された各種の値(情報)を用いて判定処理を行う。
【0108】
判定部133は、算出部132により算出された閾値を用いて判定処理を行う。判定部133は、算出部132により算出された使用対象に関する統計量を用いて判定処理を行う。判定部133は、判定対象となる一の使用対象に関する統計量を用いて、一の使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する。
【0109】
判定部133は、一の使用対象の統計量が、一の使用対象以外の複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。判定部133は、一のトイレブースの統計量が、複数の他の使用対象である複数の他のトイレブースの使用傾向から乖離した場合、一のトイレブースに異常が生じたと判定する。判定部133は、一の使用対象の統計量である平均または中央値が、複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。判定部133は、一の使用対象の統計量である分散が、複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。判定部133は、一の使用対象の統計量が、収集期間における複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。
【0110】
送信部134は、外部の情報処理装置へ情報を送信する。送信部134は、判定部133による判定結果に関する情報を、異常検知システム1を管理する管理者が利用する管理者装置へ送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象に関する情報を送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象を識別する情報を管理者装置へ送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象が配置される場所を示す情報を管理者装置へ送信する。なお、送信部134は、収集装置50へ情報を送信してもよい。例えば、送信部134は、収集装置50が収集した情報を要求する情報を収集装置50へ送信する。
【0111】
<1-6.処理の流れ>
ここから、
図6を用いて、異常検知処理の処理フローについて説明する。
図6は、異常検知システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0112】
異常検知システム1は、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象が使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する(ステップS101)。例えば、異常検知システム1の解析装置100は、大便器10が配置されるトイレブースTBが使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を示す情報を取得する。
【0113】
異常検知システム1は、一の使用対象の統計量が、一の使用対象以外の複数の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する(ステップS102)。例えば、異常検知システム1の解析装置100は、大便器10が配置されるトイレブースTBの統計量が、複数の他のトイレブースTBの使用傾向から乖離した場合、一のトイレブースTBに関する異常が生じたと判定する。
【0114】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 異常検知システム
2 トイレ空間
10 大便器
20 小便器
30 洗面器
50 収集装置
100 解析装置
110 通信部
120 記憶部
121 配置情報記憶部
122 収集情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 判定部
134 送信部
CS 共有空間
TB トイレブース