(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136177
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/10 20230101AFI20230922BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230922BHJP
H04N 23/76 20230101ALI20230922BHJP
H04N 23/73 20230101ALI20230922BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20230922BHJP
【FI】
H04N9/04
H04N7/18 J
H04N5/243
H04N5/235 300
B60R1/20 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041652
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 康孝
(72)【発明者】
【氏名】合田 康之
【テーマコード(参考)】
5C054
5C065
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054EE04
5C054FF02
5C054HA30
5C065AA07
5C065BB02
5C065CC01
5C122DA03
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA18
5C122EA47
5C122FB17
5C122FF15
5C122FG14
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA58
5C122HB01
5C122HB06
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】本開示は、車室内に設けられた撮像装置が撮像する画像の表示を、より鮮明に行うことができる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る画像処理装置は、画像取得部と、色温度取得部と、検出部と、調整部と、出力部と、を備える。画像取得部は、車両の車室内に搭載される撮像装置から、当該撮像装置が前記車両に設けられたガラス越しに車室外を撮像した画像を取得する。色温度取得部は、前記画像取得部が取得した画像から色温度を取得する。検出部は、前記色温度取得部が取得した前記色温度から前記撮像装置が白とみなす色温度範囲を検出する。調整部は、前記検出部が検出した前記色温度範囲に基づいて、前記画像のホワイトバランスを調整する。出力部は、前記調整部により前記ホワイトバランスが調整された前記画像を出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内に搭載される撮像装置から、当該撮像装置が前記車両に設けられたガラス越しに車室外を撮像した画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得した画像から色温度を取得する色温度取得部と、
前記色温度取得部が取得した前記色温度から前記撮像装置が白とみなす色温度範囲を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記色温度範囲に基づいて、前記画像のホワイトバランスを調整する調整部と、
前記調整部により前記ホワイトバランスが調整された前記画像を出力する出力部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記車両が備えるガラスの透過率特性に応じて、前記ホワイトバランスを調整する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記撮像装置が取得した入力照度に応じて、前記撮像装置のゲインを調整する、
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記入力照度に応じて、前記撮像装置の露光時間を調整する、
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記色温度範囲を車室外に搭載された撮像装置が撮像する色温度となるように、前記検出部が検出した前記色温度範囲に対して、前記ホワイトバランスを調整する、
請求項1から4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
車両の車室内に搭載される撮像装置から、当該撮像装置が前記車両に設けられたガラス越しに車室外を撮像した画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップが取得した画像から色温度を取得する色温度取得ステップと、
前記色温度取得ステップが取得した前記色温度から前記撮像装置が白とみなす色温度範囲を検出する検出ステップと、
前記検出ステップが検出した前記色温度範囲に基づいて、前記画像のホワイトバランスを調整する調整ステップと、
前記調整ステップにより前記ホワイトバランスが調整された前記画像を出力する出力ステップと、
を含む画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
車両の車室内に搭載される撮像装置から、当該撮像装置が前記車両に設けられたガラス越しに車室外を撮像した画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップが取得した画像から色温度を取得する色温度取得ステップと、
前記色温度取得ステップが取得した前記色温度から前記撮像装置が白とみなす色温度範囲を検出する検出ステップと、
前記検出ステップが検出した前記色温度範囲に基づいて、前記画像のホワイトバランスを調整する調整ステップと、
前記調整ステップにより前記ホワイトバランスが調整された前記画像を出力する出力ステップと、
を実行させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画商処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転支援システムの普及に伴い、撮像装置が車両に搭載されることが増えつつある。また、車室内に、撮像装置と電子ミラーとを搭載し、撮像装置で撮像された車両後方の画像を電子ミラーに表示することも行われている。
【0003】
また、車両では、車室内を車室外から見えにくくする等の目的のため、車両に搭載されるリヤガラスに、透過率を下げるための加工や色をつける等の加工を施すことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6657925号公報
【特許文献2】特許第6537385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像装置が車室内に搭載される場合、リヤガラスを介して車両後方を撮像することになる。そのため、リヤガラスに上述した加工が施されていると、撮像装置が撮像する画像の色合いや画質がリヤガラスの影響で変化し、電子ミラーに鮮明に表示されない可能性がある。
【0006】
本開示は、車室内に設けられた撮像装置が撮像する画像の表示を、より鮮明に行うことができる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る画像処理装置は、画像取得部と、色温度取得部と、検出部と、調整部と、出力部と、を備える。画像取得部は、車両の車室内に搭載される撮像装置から、当該撮像装置が前記車両に設けられたガラス越しに車室外を撮像した画像を取得する。色温度取得部は、前記画像取得部が取得した画像から色温度を取得する。検出部は、前記色温度取得部が取得した前記色温度から前記撮像装置が白とみなす色温度範囲を検出する。調整部は、前記検出部が検出した前記色温度範囲に基づいて、前記画像のホワイトバランスを調整する。出力部は、前記調整部により前記ホワイトバランスが調整された前記画像を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る画像処理装置によれば、車室内に設けられた撮像装置が撮像する画像の表示を、より鮮明に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電子ミラーシステムが搭載される車両の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電子ミラーシステムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る電子ミラーの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る撮像装置の機能の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、リヤガラスの特性の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る撮像装置が検出する白検出範囲の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る電子ミラーシステムが補正する色温度範囲の一例を示すテーブルである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る撮像装置の機能の構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る電子ミラーシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、第1実施形態に係る電子ミラーシステムの実施形態について説明する。
【0011】
第1実施形態に係る電子ミラーシステムは、車両に搭載される撮像装置及び電子ミラー等で構成される。電子ミラーは、例えば、車両後方を視認するためのミラーに代えて、撮像装置で撮像された車両後方の画像を表示する。
【0012】
まず、
図1を用いて、電子ミラーシステム3の全体構成を説明する。
図1は、実施形態に係る電子ミラーシステム3が搭載される車両の一例を示す図である。
【0013】
電子ミラーシステム3は、車両5に搭載されて、カメラ1及び電子ミラー2を備える。なお、電子ミラーシステム3は、本開示に係る画像処理装置の一例である。
【0014】
カメラ1は、車両5の室内に設けられる。例えば、カメラ1は、車両5の室内の後方かつリヤガラス4の前方に備えられ、車両5の後方(X軸負側)に向けて設置される。カメラ1は、例えば、CMОS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備えて、車両5の後方を撮像する。なお、カメラ1は、本開示における撮像装置の一例である。
【0015】
電子ミラー2は、一般的なミラータイプの後写鏡の機能と、カメラ1が撮像した車両5の後方の映像を表示する機能と、を備える。電子ミラー2の構造について、詳細は後述する。なお、電子ミラー2は、本開示における表示装置の一例である。
【0016】
電子ミラー2は、車室内に配される。例えば、電子ミラー2は、車室に向く(
図1に示すX軸の負の方向)面にディスプレイパネル23を有し、カメラ1で取得された画像をディスプレイパネル23に表示する。電子ミラー2は、後方の電子ミラーである場合、ルームミラーの形態で実装されてもよく、ディスプレイパネル23の形状がルームミラーの鏡面の形状であってもよい。
【0017】
次に、
図2を用いて、電子ミラーシステム3が備える構成について説明する。電子ミラーシステム3において、カメラ1及び電子ミラー2は、
図2に示すように、通信媒体8を介して互いに通信可能に接続される。
図2は、本実施形態に係る電子ミラーシステム3の構成を示す図である。通信媒体8は、シリアルケーブル等の通信ケーブルであってもよいし、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信回線であってもよい。
図2では、通信媒体8が通信ケーブルであり、通信媒体8の一端がカメラ1のI/F部13に接続され他端が電子ミラー2のI/F部21に接続される構成が例示される。
【0018】
カメラ1は、車体6の後方を撮像し、取得された画像を電子ミラー2へ通信媒体8経由で供給する。これにより、電子ミラー2は、カメラ1で撮像される画像を受け、受けた画像をディスプレイパネル23に表示する。なお、電子ミラー2では、カメラ1で撮像された画像の全域を表示してもよいし、画像から一部の画像(以下、部分画像ともいう)を切り出してディスプレイパネル23に表示してもよい。
【0019】
図2では、カメラ1で撮像された画像からルームミラーの鏡面の形状に切り出された部分画像が電子ミラー2のディスプレイパネル23に表示される構成が例示されている。電子ミラー2は、その筐体28cの姿勢が可変な状態で筐体が車体6の屋根部6bの内側に固定されていてもよい。電子ミラー2は、支持部28aを介して筐体28bが車体6の屋根部6bに固定されていてもよい。
【0020】
ディスプレイパネル23は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等である。また、ディスプレイパネル23の表示面に対向するように、ハーフミラー24が設置されている。ハーフミラー24は、一般的なルームミラーである。
【0021】
操作スイッチ25は、筐体28cの下部には設ける。操作スイッチ25を操作することにとって、ディスプレイパネル23による表示と、ハーフミラー24に写る車両5の後方の反射像とを切り替える。なお、ハーフミラー24に写る反射像を表示する際には、ディスプレイパネル23は非表示の状態となる。
【0022】
支持部28aは、車両の屋根部6bの内側に筐体28cを支持する部材である。筐体28bは、ディスプレイパネル23を内包する部材である。また、筐体28bは、支持部28aを介して車両の屋根部6bの内側に支持される。
【0023】
電子ミラー2は、筐体28cの姿勢が変更されることに応じて、全体画像から切り出す部分画像の位置を微調整して切り出してディスプレイパネル23に表示してもよい。これにより、電子ミラー2は、カメラ1で撮像された車両周辺の画像をその筐体28cの姿勢に応じて表示でき、ミラーの代替として動作可能である。
【0024】
次に、
図3を用いて、カメラ1が備える構成について説明する。カメラ1は、
図3に示すように、イメージセンサ11、シグナルプロセッサ(ISP:Image Signal Processor)12及びインターフェース(I/F)部13を備える。
図3は、本実施形態に係るカメラ1の構成を示す図である。イメージセンサ11は、端子11a及び端子11bを備える。シグナルプロセッサ12は、端子12a、端子12b、端子12c及び端子12dを有する。インターフェース部13は、端子13a、端子13b及び端子13cを備える。
【0025】
イメージセンサ11は、例えば、車両5後方の画像を取得し、取得された画像に応じた複数の画素信号を生成し、複数の画素信号をシグナルプロセッサ12へ供給する。イメージセンサ11は、画素部111、インターフェース(I/F)112及び駆動制御部113を備える。
【0026】
画素部111は、複数の画素が複数行及び複数列を構成するように配列され、複数列に対応して複数のADコンバータ(複数のADC)が配列される。画素部111は、その撮像面に形成された被写体像(画像)に応じて複数の画素で電荷蓄積動作を行い、蓄積された複数の画素の信号を列ごとにADコンバータでAD変換して、複数の画素信号を生成する。
【0027】
インターフェース112は、端子11b及び端子12bを介して、シグナルプロセッサ12と通信制御情報をやり取りし、シグナルプロセッサ12との通信を確立する。インターフェース112は、SPI(Serial Peripheral Interface)方式に従ってシグナルプロセッサ12との通信を確立してもよい。インターフェース112は、画素部111から出力された複数の画素信号を1フレームの画像として端子11a及び端子12a経由でシグナルプロセッサ12へ伝送する。インターフェース112は、時間連続的な複数フレームの画像を映像信号として端子11a及び端子12a経由でシグナルプロセッサ12へ伝送可能である。
【0028】
駆動制御部113は、垂直走査回路及び水平走査回路を有する。垂直走査回路は、垂直駆動信号(VD)に応じて複数の画素を垂直方向に走査し、複数の画素の電荷蓄積動作等の制御を行単位で駆動する。水平走査回路は、水平駆動信号(HD)に応じて複数の画素を水平方向に走査し、複数の画素から画素信号の読み出し及びAD変換を列単位で駆動する。
【0029】
シグナルプロセッサ12は、画像に応じた複数の画素信号をイメージセンサ11から受け、複数の画素信号に対して所定の信号処理を行う。シグナルプロセッサ12は、信号処理部121及びインターフェース(I/F)122を備える。
【0030】
信号処理部121は、ADコンバータ及びアドレス処理回路を有し、ADコンバータ及びアドレス処理回路を用いて、複数の画素信号に対して所定の信号処理を行う。所定の信号処理は、信号のダイナミックレンジを調整する処理、信号に含まれるノイズを低減するNR補正処理を含む。画素部111が各画素にカラーフィルタを含むなどカラーに対応している場合、所定の信号処理は、画素信号から輝度成分(Y)と色度成分(C)とを含むYC信号を生成するYC信号処理をさらに含んでもよい。
【0031】
信号処理部121は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、フラッシュメモリなどのメモリと、を備える。信号処理部121は、メモリにロードされたプログラムをプロセッサが実行することにより、信号処理部121としての機能を実現する。なお、信号処理部121が備える機能について後述する。
【0032】
インターフェース122は、端子12d及び端子13bを介して、インターフェース部13と通信制御情報をやり取りし、インターフェース部13との通信を確立する。インターフェース122は、I2C(Inter-Integrated Circuit)方式に従ってインターフェース部13との通信を確立してもよい。
【0033】
インターフェース122は、信号処理部121から出力された複数の画素信号を1フレームの画像として端子12c及び端子13a経由でインターフェース部13へ伝送する。インターフェース122は、時間連続的な複数フレームの画像を映像信号として端子12c及び端子13a経由でインターフェース部13へ伝送可能である。
【0034】
インターフェース部13は、イメージセンサ11及び/またはシグナルプロセッサ12で検知された故障を電子ミラー2に通知する。インターフェース部13は、通信媒体8を介して電子ミラー2に接続される。
【0035】
インターフェース部13は、通信における信号のフォーマット変換を行う。通信媒体8がシリアル通信に対応している場合、インターフェース部13は、シリアライザ131を有していてもよい。
【0036】
シリアライザ131は、イメージセンサ11及び/またはシグナルプロセッサ12から端子13a経由で受けた映像信号をパラレル形式からシリアル形式に変換し、シリアル形式の映像信号を端子13c及び通信媒体8経由で電子ミラー2へ送信する。シリアライザ131は、イメージセンサ11及び/またはシグナルプロセッサ12から端子13b経由で受けた通信制御情報をパラレル形式からシリアル形式に変換し、シリアル形式の通信制御情報を端子13c及び通信媒体8経由で電子ミラー2へ送信する。
【0037】
次に、
図4を用いて、電子ミラー2が備える構成について説明する。電子ミラー2は、
図4に示すように、インターフェース(I/F)部21、映像処理部22及びディスプレイパネル23を備える。
図4は、本実施形態に係る電子ミラー2の構成を示す図である。
【0038】
インターフェース部21は、通信媒体8を介してカメラ1に接続される。インターフェース部21は、コネクタ部211を備え、コネクタ部211に通信媒体8を介してカメラ1が接続される。インターフェース部21は、通信における信号のフォーマット変換を行う。通信媒体8がシリアル通信に対応している場合、インターフェース部13は、デシリアライザ212を有していてもよい。
【0039】
デシリアライザ212は、カメラ1から通信媒体8及びコネクタ部211経由で伝送された映像信号をシリアル形式からパラレル形式に変換し、パラレル形式の映像信号を映像処理部22へ伝送する。コネクタ部211からデシリアライザ212への映像信号の伝送は、FPD-Link(Flat Panel Display-Link)方式に従った通信で行われてもよい。デシリアライザ212から映像処理部22への映像信号の伝送は、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式に従った通信で行われてもよい。
【0040】
映像処理部22は、デシリアライザ212から伝送された映像信号を表示用の映像信号に変換してディスプレイパネル23へ供給する。ディスプレイパネル23は、映像処理部22が変換した映像信号を表示する。
【0041】
なお、
図4には図示しないが、電子ミラー2は、
図2で説明したように、ディスプレイパネル23に重畳して設置されたハーフミラー24を備え、電子ミラー2は、操作スイッチ25の操作によって、ディスプレイパネル23に表示された映像信号と、ハーフミラー24に映った車両5の後方の反射像と、を切り替えて表示する。
【0042】
次に、
図5を用いて、信号処理部121が備える機能について説明する。
図5は、信号処理部121が備える機能の一例を示すブロック図である。信号処理部121は、画像取得部1211、色温度取得部1212、検出部1213、第1調整部1214及び出力部1215を備える。なお、信号処理部121が備える機能はこれに限定されない。
【0043】
画像取得部1211は、カメラ1が撮像した画像を取得する。具体的には、車両5の車室内に搭載されるカメラ1から、当該カメラ1が車両5に設けられたリヤガラス4越しに車室外を撮像した画像を取得する。
【0044】
色温度取得部1212は、カメラ1が撮像した画像から色温度を取得する。具体的には、色温度取得部1212は、画像取得部1211が取得した画像から色温度を取得する。なお、色温度については後述する。
【0045】
検出部1213は、色温度取得部1212が取得した色温度から色温度範囲を検出する。具体的には、検出部1213は、色温度取得部1212が取得した色温度からカメラ1が白とみなす色温度範囲を検出する。
【0046】
第1調整部1214は、調整部の一例である。第1調整部1214は、検出部1213が検出した色温度範囲に基づいて、ホワイトバランスを調整する。具体的には、第1調整部1214は、車室内に搭載されたカメラ1によりリヤガラス4越しで撮像される画像が、カメラ1を車外に搭載して撮像した画像、つまりリヤガラス4が存在しない状態の画像と同じ色温度となるように、検出部1213が検出した色温度範囲に対してホワイトバランスを調整する。また、第1調整部1214がホワイトバランスを調整した結果は、メモリに記憶する。
【0047】
出力部1215は、第1調整部1214によりホワイトバランスが調整された画像を出力する。具体的には、出力部1215は、第1調整部1214によりホワイトバランスが調整された画像を電子ミラー2へ出力する。
【0048】
ここで、
図6を用いてリヤガラス4の透過率特性について説明する。
図6は、リヤガラス4の特性の一例を示す図である。
図6に示すグラフは、横軸は波長[nm]であり、縦軸は透過率[%]を示す。なお、透過率が100%での波長の状態は、リヤガラス4がない状態に対応する。
【0049】
リヤガラス4の特性は、例えば、波長と透過率との関係で表すことができる。例えば、グラフG1の特性を備えるリヤガラス4は、可視光線に含まれる波長450nm~650nmの範囲で、透過率が略60%を示す。グラフG2の特性を備えるリヤガラス4は、波長450nm~650nmの範囲で、透過率が25%を示す。グラフG3の特性を備えるリヤガラス4は、波長が450nm~650nmの範囲で、透過率が略15%を示す。グラフG4の特性を備えるリヤガラス4は、波長が450nm~650nmの範囲で、透過率が略10%を示す。
【0050】
カメラ1は、リヤガラス4越しに車両後方を撮像した場合、リヤガラス4の透過率の影響を受けるため、撮像した画像の色温度は、リヤガラス4がない状態で撮像した画像の色温度と異なる。カメラ1が撮像した画像は、波長ごとの透過率の差が大きいほど、白とみなす色温度範囲が大きくずれるため、リヤガラス4の特性に応じてホワイトバランスを調整する必要がある。
【0051】
次に、
図7及び
図8を用いて、第1調整部1214がホワイトバランスを調整する内容について説明する。
図7は、検出部1213が検出する撮像装置が検出する色温度範囲の一例を示す図である。
図8は、第1調整部1214がホワイトバランスを調整する調整内容の一例を示すテーブルである。
【0052】
図7に示すグラフ70は、横軸はR/Gであり、縦軸はB/Gを示す分光感度比を示す。色温度71及び色温度72は、車室外に備えたカメラ1が(リヤガラス4を介さずに)撮像した場合の色温度である。色温度73及び色温度74は、色温度取得部1212が取得した色温度であり、車室内に備えたカメラ1がリヤガラス4越しに撮像した場合の色温度である。検出部1213は、色温度取得部1212が取得した色温度73及び色温度74からカメラ1が白とみなす色温度範囲75を検出する。
【0053】
色温度範囲75は、第1調整部1214がオートホワイトバランス機能の白検出(白とみなす)色温度範囲である。色温度76及び色温度77は、第1調整部1214が色温度を調整した結果、車室内に備えたカメラ1がリヤガラス4越しに撮像した場合の色温度である。
【0054】
また、色温度71及び色温度76の色温度は、8800K[ケルビン]である。色温度72及び色温度77の色温度は、4000K[ケルビン]である。色温度73の色温度は、15000K[ケルビン]である。色温度74の色温度は5250K[ケルビン]である。
【0055】
カメラ1は、例えば、車室外の白検出色温度範囲を4000Kから8000Kとする場合、車室内でリヤガラス4越しに車両後方を撮像すると、検出部1213が検出する色温度範囲が5250Kから15000K相当になる。この場合、カメラ1は、空や色温度の高い日掛けを引き込んでしまう場合がある。カメラ1が撮像した画像を電子ミラー2に表示させると、暗くなった状態で画像が表示されてしまう。
【0056】
したがって、第1調整部1214は、リヤガラス4の色温度に合わせて、イメージセンサ11から出力される映像信号に含まれるRGB信号の信号レベルを調整する。例えば、検出部1213が検出した色温度の検出値が5250Kから15000Kの場合、第1調整部1214は、
図8に示すテーブルに参照し、色温度範囲を4000Kから8800Kに調整する。
【0057】
これにより、車室内に備えられたカメラ1は、第1調整部1214が調整した色温度範囲で撮像すると、車室外で撮像された画像と同等の画像を撮像することができる。また、電子ミラー2は、ホワイトバランスが調整された画像を表示するため、より鮮明に表示することができる。
【0058】
なお、第1実施形態では、第1調整部1214は、カメラ1が撮像した画像から色温度を取得し、その後、白検出色温度範囲を検出し、色温度範囲に対して、ホワイトバランスを調整したが、例えば、ユーザが白とみなす色温度を手動で入力し、入力した範囲に対してホワイトバランスの調整を行っても良い。
【0059】
以上説明したように、第1実施形態の画像処理装置は、取得した色温度から白とみなす色温度範囲を検出し、色温度範囲に対して、ホワイトバランスを調整し、出力する。これにより、第1実施形態の画像処理装置は、車室内に設けられた撮像装置が撮像する画像の表示を、より鮮明に行うことができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態と共通する部分については説明を適宜に省略する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し適宜説明を省略する。
【0061】
上述の第1実施形態では、カメラ1は、検出した色温度範囲に対してホワイトバランスを調整する形態について説明した。第2実施形態では、カメラ1は、入力照度に応じて、ゲインを調整する形態について説明する。なお、ゲインとは、カメラ1で撮影する際の明るさの調整を担うパラメータであり、具体的には、イメージセンサ11が生成する画素信号の調整値に対応する。
【0062】
第2実施形態のカメラ1は、車室外に搭載される撮像装置と同等の明るさを確保するために、まず、露光時間を車室外に搭載される撮像装置と同様に、16.6msec(=60fps)に設定する。また、カメラ1の露光量は-12dBと設定する。カメラ1の露光量を設定することで、車室外に搭載された撮像装置とほぼ同等の明るさを確保することができる。
【0063】
図9は、第2実施形態に係る信号処理部121が備える機能の構成の一例を示すブロック図である。信号処理部121は、信号処理部121は、色温度取得部1212、検出部1213、第1調整部1214、出力部1215、取得照度判定部1216、推定部1217、推定照度判定部1218、第2調整部1219及び第3調整部1220を備える。なお、信号処理部121が備える機能はこれに限定されない。
【0064】
取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達しているか否かを判定する。取得照度判定部1216は、判定部の一例である。具体的には、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が車室外と同等の入力照度を示す目標値に達しているか否かを判定する。
【0065】
推定部1217は、推定照度を推定する。具体的には、推定部1217は、取得照度判定部1216が取得した入力照度が目標値に達していないと判定した場合、取得した入力照度を推定照度として推定する。
【0066】
推定照度判定部1218は、判定部の一例である。推定照度判定部1218は、推定照度が第1閾値を超えているか否かを判定する。具体的には、推定照度判定部1218は、推定部1217が推定した推定照度が第1閾値を超えているか否かを判定する。また、推定照度判定部1218は、推定照度が第2閾値を超えているか否かを判定する。具体的には、推定照度判定部1218は、推定部1217が推定した推定照度が第2閾値を超えているか否かを判定する。
【0067】
さらに、推定照度判定部1218は、推定照度が第3閾値を超えているか否かを判定する。具体的には、推定照度判定部1218は、推定部1217が推定した推定照度が第3閾値を超えているか否かを判定する。
【0068】
ここで、第1閾値、第2閾値及び第3閾値について説明する。第1閾値は、例えば、100ルクスから200ルクスの範囲である。第2閾値は、例えば、30ルクスから60ルクスの範囲である。第3閾値は、例えば、10ルクスから20ルクスの範囲である。
【0069】
第2調整部1219は、推定照度判定部1218が第1閾値を下回ると判定した場合、ゲインを上げるように調整する。具体的には、第2調整部1219は、推定照度判定部1218が推定部1217により推定された推定照度が第1閾値を下回ると判定した場合、画素部111に対してゲインを上げるように調整する。
【0070】
推定部1217により推定された照度が第1閾値を下回る場合、カメラ1は撮像する被写体の照度が低い状態であり、鮮明な画像を取得できない状態である。したがって、例えば、第2調整部1219は、画素部111に対してゲインを車室外設定の露光量よりも+9dBと上げるように調整する。その結果、カメラ1の露光量は-3dBとなり、明るさを車室外に搭載された撮像装置とほぼ同等となる。これにより、カメラ1は、鮮明な画像を撮像することができる。
【0071】
また、第2調整部1219は、推定照度判定部1218が第2閾値を上回ると判定した場合、ゲインを下げるように調整する。具体的には、第2調整部1219は、推定照度判定部1218が推定部1217により推定された推定照度が第2閾値を上回ると判定した場合、画素部111に対してゲインを下げるように調整する。
【0072】
推定部1217により推定された照度が第2閾値を上回る場合、カメラ1は撮像する被写体の照度が高い状態であり、鮮明な画像を取得できない状態である。したがって、例えば、第2調整部1219は、画素部111に対してゲインを下げる(すなわち、一度上げたゲインを-9dB下げる)ように調整する。その結果、カメラ1の露光量は-12dBとなり、明るさを車室外に搭載された撮像装置とほぼ同等となる。また、第2調整部1219は、合わせて画素部111に対して、階調補正で持ち上げるように調整しても良い。その結果、車室外設定とほぼ同じ明るさを維持することができる。これにより、カメラ1は、鮮明な画像を撮像することができる。
【0073】
第3調整部1220は、推定照度判定部1218が第2閾値を下回ると判定した場合、露光を長くするように調整する。具体的には、第3調整部1220は、推定照度判定部1218が推定部1217により推定された推定照度が第2閾値を下回ると判定した場合、画素部111に対して露光を長くするように調整する。
【0074】
推定部1217により推定された照度が第2閾値を下回る場合、カメラ1は撮像する被写体の照度が低い状態であり、鮮明な画像を取得できない状態である。したがって、例えば、第3調整部1220は、画素部111に対して露光を長くするように露光時間を16.6msecから33.3msecへ調整する。その結果、車室外設定とほぼ同じ明るさを維持することができる。これにより、カメラ1は、鮮明な画像を撮像することができる。
【0075】
また、第3調整部1220は、推定照度判定部1218が第3閾値を上回ると判定した場合、露光を短くするように調整する。具体的には、第3調整部1220は、推定照度判定部1218が推定部1217により推定された推定照度が第3閾値を上回ると判定した場合、画素部111に対して露光を短くするように調整する。
【0076】
推定部1217により推定された照度が第3閾値を上回る場合、カメラ1は撮像する被写体の照度が高い状態であり、鮮明な画像を取得できない状態である。したがって、例えば、第3調整部1220は、画素部111に対して露光を短くするように露光時間を33.3msecから16.6msecへ調整する。また、第3調整部1220は、合わせて画素部111に対して、階調補正で持ち上げるように調整しても良い。その結果、車室外設定とほぼ同じ明るさを維持することができる。これにより、カメラ1は、鮮明な画像を撮像することができる。
【0077】
次に、以上のように構成された電子ミラーシステム3で実行される処理の流れについて説明する。
【0078】
図10は、第2実施形態に係る電子ミラーシステム3で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
まず、
図10では、第2実施形態のカメラ1は、車室外に搭載される撮像装置と同等の明るさを確保するために、露光時間を車室外に搭載される撮像装置と同様に、16.6msec(=60fps)に設定する。
【0080】
取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達しているか否かを判定する(ステップS201)。ここで、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していると判定した場合(ステップS201:Yes)、本処理は終了する。取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していないと判定した場合(ステップS201:No)、ステップS202へ進む。
【0081】
推定部1217は、取得照度判定部1216が取得した入力照度を推定照度として推定する(ステップS202)。
【0082】
続いて、推定照度判定部1218は、推定照度が第1閾値を上回るか否かを判定する(ステップS203)。ここで、推定照度判定部1218は、推定照度が第1閾値を上回ると判定した場合(ステップS203:No)、本処理は終了する。推定照度判定部1218は、推定照度が第1閾値を下回ると判定した場合(ステップS203:Yes)、ステップS204へ進む。
【0083】
第2調整部1219は、画素部111に対して、ゲインを上げるように調整する(ステップS204)。
【0084】
続いて、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達しているか否かを判定する(ステップS205)。ここで、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していると判定した場合(ステップS205:Yes)、本処理は終了する。取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していないと判定した場合(ステップS205:No)、ステップS206へ進む。
【0085】
推定部1217は、取得照度判定部1216が取得した入力照度を推定照度として推定する(ステップS206)。
【0086】
続いて、推定照度判定部1218は、推定照度が第2閾値を上回るか否かを判定する(ステップS206)。ここで、推定照度判定部1218は、推定照度が第2閾値を上回ると判定した場合(ステップS206:No)、ステップS208へ進む。推定照度判定部1218は、推定照度が第2閾値を下回ると判定した場合(ステップS203:Yes)、ステップS209へ進む。
【0087】
第2調整部1219は、画素部111に対して、ゲインを下げるように調整する(ステップS208)。
【0088】
第3調整部1220は、画素部111に対して、露光を長くするように調整する(ステップS209)。
【0089】
続いて、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達しているか否かを判定する(ステップS210)。ここで、取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していると判定した場合(ステップS210:Yes)、本処理は終了する。取得照度判定部1216は、イメージセンサ11から取得した入力照度が目標値に達していないと判定した場合(ステップS210:No)、ステップS211へ進む。
【0090】
推定部1217は、取得照度判定部1216が取得した入力照度を推定照度として推定する(ステップS211)。
【0091】
続いて、推定照度判定部1218は、推定照度が第3閾値を上回るか否かを判定する(ステップS212)。ここで、推定照度判定部1218は、推定照度が第3閾値を下回ると判定した場合(ステップS212:Yes)、本処理は終了する。推定照度判定部1218は、推定照度が第3閾値を上回ると判定した場合(ステップS203:No)、ステップS213へ進む。
【0092】
第3調整部1220は、画素部111に対して露光を短くするように調整する(ステップS213)。その後、ステップS201へ戻る。
【0093】
以上説明したように、第2実施形態の画像処理装置では、撮像装置が取得した入力照度に応じて、ゲインを調整する。これにより、第2実施形態の画像処理装置は、ゲインを調整することで、電子ミラー2の映像を鮮明に表示することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成または機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0095】
上述した実施形態では、カメラ1は、推定照度に応じて、露光時間を調整する形態について説明した。但し、車両5の走行環境が夜間の場合、露光時間を頻繁に切り替える可能性がある。そこで、以下では、カメラ1は、推定照度に応じて、露光時間を調整する形態を変形例として説明する。
【0096】
(変形例)
例えば、電子ミラー2に表示される状態を夜間で使用する状態や、表示される映像を暗くする状態にすると、例えば、車両5の後続車ヘッドライトの出入り、後続車のヘッドライトが近接時等、車両後方の明るさがばらつくことがある。カメラ1は、車両後方の明るさを確保するために、露光時間を調整し、露光時間を頻繁に切り替える可能性がある。露光時間を頻繁に切り替えると、電子ミラー2に表示される映像に見づらくなる。
【0097】
そこで、第3調整部1220は、ヒストグラム自動露光を用いて、露出時間を調整する。ヒストグラム自動露光とは、例えば、画素部111により取得した入力照度が最も低い照度を所定の閾値として、推定照度判定部1218が所定の閾値を超えて否かの判定結果に基づいて、露光を調整する。
【0098】
これにより、第3調整部1220は、車両後方の明るさがばらつく状態において、車両後方の明るさにばらつきが発生する場合においても露光時間の切り替え頻度を下げることができる。
【0099】
本実施形態の電子ミラーシステムで実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の電子ミラーシステムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0100】
さらに、本実施形態の電子ミラーシステムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 カメラ
2 電子ミラー
3 電子ミラーシステム
4 リヤガラス
5 車両
11 イメージセンサ
12 シグナルプロセッサ(ISP)
13 インターフェース部(I/F部)
21 インターフェース部(I/F部)
22 映像処理部
23 ディスプレイパネル
111 画素部
121 信号処理部
1211 画像取得部
1212 色温度取得部
1213 検出部
1214 第1調整部
1215 出力部
1216 取得照度判定部
1217 推定部
1218 推定照度判定部
1219 第2調整部
1220 第3調整部