(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136180
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び太陽電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/054 20140101AFI20230922BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20230922BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01L31/04 620
H01L31/04 570
C03C19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041659
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田飼 伸匡
【テーマコード(参考)】
4G059
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AB03
4G059AC01
4G059AC09
5F151BA03
5F151BA16
5F151BA17
5F151EA19
5F151JA03
5F151JA30
5F251BA03
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5F251JA03
5F251JA30
(57)【要約】
【課題】複数の太陽電池セルが、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材によって接続されている太陽電池モジュールにて、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させる太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び、太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の太陽電池セルと、前記複数の太陽電池セルの受光面に接するように配置され、前記複数の太陽電池セルの各々において集電を行う、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材と、前記複数の太陽電池セルの前記受光面側に設けられ前記配線材を覆う透明な保護材と、を有し、前記保護材における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、
前記複数の太陽電池セルの受光面に接するように配置され、前記複数の太陽電池セルの各々において集電を行う、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材と、
前記複数の太陽電池セルの前記受光面側に設けられ前記配線材を覆う透明な保護材と、を有し、
前記保護材における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きい、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記保護材における300-1500nmの波長における拡散透過率の平均値が300-1500nmの波長における正透過率の平均値よりも大きい、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の太陽電池モジュールであって、設置面上に配置された1台以上の太陽電池モジュールを備え、
前記太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールの受光面が太陽の正中方向の方角とは逆の方角を向いて配置されている、太陽光発電装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の太陽電池モジュールであって、設置面上に配置された1台以上の太陽電池モジュールを備え、
前記設置面が建物の垂直または略垂直の壁面である、太陽光発電装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の太陽電池モジュールを製造する方法であって、
前記保護材の材料である硬質材料に対して研磨材を投射して、光入射側の面に凹凸を形成するブラスト加工工程を有する、太陽電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断面形状が矩形状である配線材の代わりに、複数の太陽電池セルの各々が、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである複数の配線材によって集電されるマルチワイヤ構造の太陽電池モジュールが提案されている(非特許文献1)。また、この太陽電池モジュールでは、断面形状が真円状であることにより、断面形状が矩形状である場合と比べて、配線材における太陽電池セルに接する面積が小さくすることができるため、太陽電池セルの受光面積が大きくなり、有利である(非特許文献1の
図3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Stefan Braun他4名「The multi-busbar design: an overview」Energy Procedia 43(2013)86-92
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この太陽電池モジュールのマルチワイヤ構造のメリットは、受光面に対して垂直に光が入射する際に主に発生し、ソーラーシミュレータによる測定や、太陽電池モジュールを南面に設置した場合において主に得ることができる。このメリットは、受光面に対して垂直に光が入射した場合、配線材の断面が円状であることにより、配線材で反射された光が低角度になって太陽電池セルに入射する、又は、太陽電池セルに入射しない成分も低角度であるためガラス面で再反射されやすいという原理に基づく。
【0005】
一方、このような太陽電池モジュールを南面以外の方位に向けた設置や壁面設置すると、受光面に対して垂直に近い角度で光が入射しにくいため、このような角度からの光による発電の機会はほとんど無く、受光面に対して低角度で入射する光で主に発電することになる。この場合、受光面に対して低角度で入射した光が、配線材に入射すると受光面に対して高角度で反射されるため、反射された光は太陽電池セルに再入射しにくく、ガラス面に入射したときに再反射せずに外に放出されやすい。このように、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合、前述のようにメリットとして働くことが想定されていた配線材の断面が円状であることは、むしろデメリットとして働くこととなる。
【0006】
本発明は、複数の太陽電池セルが、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材によって接続されている太陽電池モジュールにて、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させる太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び、太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、前記複数の太陽電池セルの受光面に接するように配置され、前記複数の太陽電池セルの各々において集電を行う、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材と、前記複数の太陽電池セルの前記受光面側に設けられ前記配線材を覆う透明な保護材と、を有し、前記保護材における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きい。
【0008】
かかる構成によれば、保護材における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きいため、太陽光が低角度で入射した場合に、太陽電池セルにおいて直達光では配線材の影にかかる部分に、保護材で発生した拡散光を到達させられるため、太陽電池セルの受光量を増加させられる。この保護材で発生した拡散光によって、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる。
【0009】
また、前記太陽電池モジュールでは、前記保護材における300-1500nmの波長における拡散透過率の平均値が300-1500nmの波長における正透過率の平均値よりも大きくてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、太陽電池セルの発電に寄与する波長範囲において、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる。
【0011】
本発明の太陽光発電装置は、前記太陽電池モジュールであって、設置面上に配置された1台以上の太陽電池モジュールを備え、前記太陽電池モジュールは、該太陽電池モジュールの受光面が太陽の正中方向の方角とは逆の方角を向いて配置されている。
【0012】
かかる構成によれば、太陽電池モジュールを例えば北半球で北向きに設置する場合、直達光が低角度で入射することが多くなる。この場合の発電効率の向上について有効に対策できる。
【0013】
また、前記太陽光発電装置は、前記太陽電池モジュールであって、設置面上に配置された1台以上の太陽電池モジュールを備え、前記設置面が建物の垂直または略垂直の壁面である。
【0014】
かかる構成によれば、太陽電池モジュールを建物の垂直または略垂直の壁面に設置する場合、直達光が低角度で入射することが多くなる。この場合の発電効率の向上について有効に対策できる。
【0015】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、前記太陽電池モジュールを製造する方法であって、前記保護材の材料である硬質材料に対して研磨材を投射して、光入射側の面に凹凸を形成するブラスト加工工程を有する。
【0016】
かかる構成によれば、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる太陽電池モジュールを、一般的なブラスト加工により形成できる。
【発明の効果】
【0017】
以上より、本発明によれば、複数の太陽電池セルが、断面形状が真円状、楕円状、長円状のいずれかである配線材によって接続されている太陽電池モジュールにて、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させる太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び、太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの模式的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の太陽電池モジュールの模式的な拡大断面図である。
【
図3】
図3は、前記太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の設置状態における模式的な側面図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る前記太陽光発電装置の設置状態における模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、
図1~
図3を参照しつつ説明する。
【0020】
太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池セル2と、複数の太陽電池セル2の受光面20に接するように配置され、複数の太陽電池セル2の各々において集電を行う、横断面形状が真円状である配線材3と、複数の太陽電池セル2の受光面20側に設けられ配線材3を覆う透明な保護材4と、を有する。本実施形態の太陽電池モジュール1は、太陽電池セル2と保護材4の間に設けられた封止材5を備える。また、太陽電池モジュール1は、板状である。なお、配線材3の形状は、真円状以外に、楕円状、長円状のいずれかであってもよい。
【0021】
本実施形態では、保護材4において、太陽光が当たる表面40には微細な凹凸が形成されており、この凹凸によって入射光が屈折する。このため、保護材4における拡散透過率の平均値は、正透過率の平均値よりも大きい。そのため、太陽電池モジュール1に対して太陽光が低角度で入射した場合に、太陽電池セル2において直達光では配線材3の影にかかる部分に、保護材4で発生した拡散光を回り込むようにして到達させられるため、太陽電池セル2の受光量を増加させられる。この保護材4で発生した拡散光によって、受光面20に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる。この太陽電池モジュール1による効果は、直達光において、受光面20に対して低角度で入射する光が優位になる場合に特に有効である。具体的には、北半球において、太陽電池モジュール1を北面に向けて設置した場合や、太陽電池モジュール1を北面以外(例えば、南面)に向けて設置した場合における朝や夕方の時間帯等において、特に有効である。
【0022】
太陽電池セル2の発電には、300-1500nmという波長範囲の光が寄与する。これに対応して、本実施形態では、保護材4における一点での太陽電池セル2の発電に寄与する波長範囲(300-1500nm)の複数の波長における拡散透過率の平均値は、この波長範囲(300-1500nm)の複数の波長における正透過率の平均値よりも大きい。そのため、太陽電池2セルの発電に寄与する波長範囲(300-1500nm)において、受光面20に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる。
【0023】
保護材4は、例えば、透明な硬質材料により構成される。また、保護材4は、板状の部材であり、具体的には、ガラス板である。また、保護材4の厚みは、例えば、2mm以上8mm以下である。本実施形態の太陽電池モジュール1では、保護材4は、太陽電池セル2の表面(受光面)20のみに設けられている(
図2参照)。この場合、太陽電池セル2の裏面21には、樹脂シート6が設けられている。
【0024】
なお、保護材4は、太陽電池セル2の受光面20(表面20)及び裏面21の両方に設けられていてもよい。この場合、太陽電池セル2の受光面20側に設けられた保護材4においてのみ、保護材4における拡散透過率の平均値が、正透過率の平均値よりも大きければよい。
【0025】
太陽電池セル2は、例えば、長方形の板状である(
図1参照)。以下、本実施形態では、太陽電池セル2の短辺の延びる方向を縦方向、太陽電池セル2の長辺の延びる方向を横方向として説明する。また、太陽電池セル2は、結晶系太陽電池である。図示した太陽電池モジュール1には、縦3列横6行の計18の太陽電池セル2が配置されている。本実施形態の太陽電池モジュール1では、各太陽電池セル2の大きさ及び形状は同じである。
【0026】
配線材3は、各太陽電池セル2の集電を行う部材である。また、配線材3によってバスバー電極から集電が行われる。本実施形態では、配線材3は、太陽電池セル2の受光面20上に接して配置されるとともに、封止材5に埋め込まれている。さらに、配線材3は、受光面20上では、フィンガー電極(図示なし)に交差するように設けられている。また、配線材3は、太陽電池セル2にのみ設けられていてもよいし、複数の太陽電池セル2のうち隣り合う太陽電池セル2を接続してもよい。さらに、配線材3は、複数の太陽電池セル2にまたがって設けられていてもよい。なお、配線材3が、各太陽電池セル2にのみ設けられる場合、各太陽電池セル2の配線材3は、インターコネクタ(接続材)により接続される。
【0027】
本実施形態では、配線材3は、縦方向に延び、且つ、縦方向に隣り合う太陽電池セル2を接続している。本実施形態では、各太陽電池セル2に対して、9本の配線材3が配置されている。なお、各太陽電池セル2に対する配線材3の本数は9本以外であってもよく、その本数は限定されない。
【0028】
なお、配線材3の断面形状が楕円状や長円状である場合、配線材3は、配線材3が太陽電池セル2を覆う面積を小さくするために、断面視における配線材3の長手方向が上下方向に沿うように配置されていることが好ましい。
【0029】
一列の太陽電池セル2に設けられた配線材3の縦方向における端部は、それぞれ、横方向に延びる集電部材7に接続されている。集電部材7は、複数の太陽電池セル2にて、複数の配線材3が集電した電流を集電する部材であり、例えば、横方向に延びている。配線材3は、銅、アルミニウムといった金属により構成される。配線材3の断面の直径は、0.2~0.5mmである。
【0030】
本実施形態では、
図3に示すように、複数の太陽電池モジュール1から太陽光発電装置10が構成される。太陽光発電装置10は、設置面S上に配置された1台以上の太陽電池モジュール1を備える。
【0031】
太陽光発電装置10は、例えば、3つの太陽電池モジュール1を備える。なお、太陽光発電装置10に備えられる太陽電池モジュール1の数は、2つ乃至4つ以上の複数であってもよい。
【0032】
また、太陽光発電装置10は、例えば、受光面100(主面)側を上方(太陽側)に向けた状態で、民家等の建物の屋根に設置されている。この場合、太陽電池モジュール1の設置面Sは、建物の屋根の表面であり、傾斜面(水平面に対して45°以内で傾斜した面、通常、20°~30°傾斜した面)又は水平面である。
【0033】
以下、太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。この製造方法は、保護材4の材料である硬質材料に対して研磨材を投射して、光入射側の面(表面40)に凹凸を形成するブラスト加工工程を有する。ブラスト加工を行うことにより、形成された凹凸が光を屈折するため、上述のように太陽電池モジュール1の保護材4における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きくなる。この太陽電池モジュール1の製造方法では、受光面に対して太陽光が低角度で入射した場合の発電効率を向上させられる太陽電池モジュール1を、一般的なブラスト加工により形成できる。
【0034】
ブラスト加工は、例えば、サンドブラストである。本実施形態の製造方法では、サンドブラストは、研磨材を吹き付けるノズル及び硬質材料の両方を動かしながら行われる。
【0035】
保護材4の加工は、ブラスト加工以外に、硬質材料に対するエッチング加工(例えば、マスクを用いて部分的に行うエッチング加工)による表面40の粗化であってもよい。なお、保護材4における拡散透過率の平均値を正透過率の平均値よりも大きくするために、凹凸による屈折の他、複数素材の組み合わせにより屈折率を変化させるものであってもよい。このため、硬質材料に対する薄膜形成、硬質材料に対する偏光フィルムの貼付等により行ってもよい。
【0036】
本発明の太陽電池モジュール、太陽光発電装置、及び、太陽電池モジュールの製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0037】
太陽電池モジュール1は、該太陽電池モジュール1の受光面100が太陽の正中方向の方角とは逆の方角を向いて配置されていてもよい。具体的に、太陽電池モジュール1は、例えば、南基準左手系の方位角表示で、北半球で、90度~270度(西~北~東)の方向を向いて設置されることが考えられる。太陽電池モジュール1を例えば北半球で北向きに設置する場合、直達光が低角度で入射することが多くなるが、保護材4における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きくした太陽電池モジュール1を備えることで、この場合の太陽光発電装置10における発電効率の向上について有効に対策できる。
【0038】
例えば、太陽電池モジュール1の設置面Sは、民家等の建物の屋根の表面であったが、
図4に示すように、建物の垂直または略垂直の壁面であってもよい。具体的に、建物の垂直または略垂直の壁面は、民家の外壁等の垂直面またはそれに近い面(例えば、垂直面に対して15°以内で傾斜した面)である。例えば、北半球においては、夏場の正午付近の太陽高度が60°~70°であるため、このように、太陽電池モジュール1を設置した場合の直達光は垂直面に対して20°~30°の低角度で入射することになる。そのため、太陽電池モジュール1を建物の垂直または略垂直の壁面に設置する場合、直達光が低角度で入射することが多くなるが、保護材4における拡散透過率の平均値が正透過率の平均値よりも大きくした太陽電池セル2を有する太陽電池モジュール1を用いることで、この場合の発電効率の向上について有効に対策できる。
【0039】
太陽電池モジュール1には、縦方向及び横方向の少なくとも一方向に、複数の太陽電池セル2が並んだ状態で配置されていればよい。記実施形態の太陽電池モジュール1では、配線材3は、縦方向に延び、且つ、縦方向に隣り合う太陽電池セル2を接続していたが、配線材3は、縦方向以外の方向に延びていてもよい。例えば、横方向に延びる配線材3が、横方向に隣り合う太陽電池セル2を接続する構成であってもよい。
【0040】
なお、太陽電池セル2を短冊状(細長形状)とすることもできる。この場合、複数の太陽電池セル2がシングリング接続されて、太陽電池ストリングを構成してもよい。シングリング接続とは、細長形状の太陽電池セル2を、屋根板を葺くようにして、各太陽電池セル2における長辺が重なるように順次配置していくことによる接続である。この場合、太陽電池セル2同士を、太陽電池セル2間をまたぐ配線材3やインターコネクタで接続する必要が無い。複数の太陽電池セル2がシングリング接続された太陽電池ストリングでは、単体の太陽電池セル2が小さく、配線材3の影の影響による出力低下が生じやすいので、このような太陽電池ストリングを備えた太陽電池モジュール1において、配線材3による出力低下の対策を有効にできる。
【0041】
また、保護材4につき、表面加工によるものではなく、保護材4の構成物質ではない他の物質を混合することによって、拡散透過率を向上させてもよい。混合する物質は、例えば、表面で光を反射する微粒子や屈折率を変化させる物質である。
【符号の説明】
【0042】
1…太陽電池モジュール、2…太陽電池セル、3…配線材、4…保護材、5…封止材、5…保護材、6…樹脂シート、7…集電部材、10…太陽光発電装置、20…受光面(表面)、21…裏面、40…表面、100…受光面、S…設置面