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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136214
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】異常検知システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20230922BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20230922BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 A
E03D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041715
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早田 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】杉田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】大竹 美保
(72)【発明者】
【氏名】森下 翔午
(72)【発明者】
【氏名】野村 航希
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】坪井 宏之
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D037EA01
2D037EB00
2D038KA01
2D038KA07
2D039FA01
2D039FB01
(57)【要約】
【課題】トイレの使用対象に関する異常を適切に判定すること。
【解決手段】実施形態に係る異常検知システムは、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する取得部と、前記一の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する取得部と、
前記一の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、
を有することを特徴とする異常検知システム。
【請求項2】
前記一の使用対象は、
トイレブース、洗面器、小便器、大便器、トイレ空間のうちいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の異常検知システム。
【請求項3】
前記判定部は、
前記一の使用対象の前記所定時間あたりの使用回数が、前記一の使用対象の過去の前記所定時間に対応する長さの時間あたりの使用回数に基づく閾値を下回った場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異常検知システム。
【請求項4】
前記取得部は、
前記一の使用対象以外の他の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得し、
前記判定部は、
前記他の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記他の使用対象の過去の使用傾向から乖離し、かつ前記一の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じていないと判定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の異常検知システム。
【請求項5】
前記取得部は、
所定のイベントが生じた日時を含むイベント情報を取得し、
前記判定部は、
前記異常の判定時点が、前記イベント情報が示す日時に該当する場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じていないと判定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の異常検知システム。
【請求項6】
前記判定部は、
前記イベント情報が示す日時を除く過去における前記一の使用対象の使用傾向を基に、前記一の使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の異常検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、異常検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレブース等のトイレの使用対象について異常を検知するシステムが知られている(例えば特許文献1)。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、トイレ等の宅内の生活インフラの使用回数が所定の値以下となった際に異常と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-032883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術には改善の余地がある。例えば、上述した従来技術のシステムでは、トイレ等の使用回数の減少が異常ではなく、夜間や休日などに依るものである場合、誤って異常と判定したりしてしまう場合がある。このように、上記のシステムによる異常判定には改善の余地がある。そのため、大便器が配置されるトイレブース等のトイレの使用対象に関する異常を適切に判定することが望まれている。
【0005】
上記のような点を鑑みて、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することが課題となる。
【0006】
開示の実施形態は、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる異常検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る異常検知システムは、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する取得部と、前記一の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定する判定部と、を有することを特徴とする。
【0008】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、その一の使用対象に何かが起こったと推定できるため、異常と判別することで、早期に異常を発見することができる。また、例えば、異常検知システムでは、従来と異なり、休日や定期清掃といった異常ではないものの使用者が減少する事象に対し、誤って異常と判定してしまうことがないため、精度よく異常を発見することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。このように、異常検知システムによれば、一定期間における機器の使用回数を過去の使用回数と比較し、傾向が逸脱した場合に異常と判定するものである。なお、使用対象についての例示は後述するが、例えば大便器、大便器が設けられたトイレブース、小便器、洗面台、トイレ空間、水石鹸供給装置等の様々な対象であってもよい。
【0009】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記一の使用対象は、トイレブース、洗面器、小便器、大便器、トイレ空間のうちいずれかであることを特徴とする。
【0010】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、トイレブース、洗面器、小便器、大便器、トイレ空間のうちいずれかである一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向が、過去の使用傾向から乖離した場合、その一の使用対象に何かが起こったと推定できるため、異常と判別することで、早期に異常を発見することができる。このように、異常検知システムは、その使用対象の現在の使用傾向と過去の使用傾向との比較により、使用対象の異常を検知することにより、その使用対象における現在と過去の使用傾向の差異を基に使用対象の異常を検知することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【0011】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記判定部は、前記一の使用対象の前記所定時間あたりの使用回数が、前記一の使用対象の過去の前記所定時間に対応する長さの時間あたりの使用回数に基づく閾値を下回った場合、前記一の使用対象に関する異常が生じたと判定することを特徴とする。
【0012】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象の所定時間あたりの使用回数が、一の使用対象の過去の所定時間に対応する長さの時間あたりの使用回数に基づく閾値を下回った場合、その一の使用対象に何かが起こったと推定できるため、異常と判別することで、早期に異常を発見することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【0013】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記取得部は、前記一の使用対象以外の他の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得し、前記判定部は、前記他の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記他の使用対象の過去の使用傾向から乖離し、かつ前記一の使用対象の前記使用回数の傾向が、前記一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、前記一の使用対象に関する異常が生じていないと判定することを特徴とする。
【0014】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合であっても、他の使用対象の使用回数の傾向が、他の使用対象の過去の使用傾向から乖離している場合、使用対象自体に生じた事象ではない別の何かが起こったと推定できるため、一の使用対象の異常とは判別しないことで、誤って異常と判定してしまう可能性を低減させることができる。このように、異常検知システムは、一の使用対象の異常判定に一の使用対象以外の他の使用対象の情報を加味することにより、より精度よく異常を発見することができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。例えば、異常検知システムは、他の使用対象の使用回数の傾向を参酌し、他の使用対象の使用回数または累積利用時間の傾向も、過去の周期的な傾向と乖離していた場合は、異常でなく正常であると判別することができる。従来の異常検知では、過去の傾向とは異なるが異常ではない利用者の減少(緊急時対応、不定期の休日など)が生じた場合、誤って異常と判定してしまう。しかしながら、実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、他のトイレ機器の使用回数の傾向を参酌し、本当に異常かどうかを判断するため、誤って異常と判定してしまう可能性を低減させることができる。
【0015】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記取得部は、所定のイベントが生じた日時を含むイベント情報を取得し、前記判定部は、前記異常の判定時点が、前記イベント情報が示す日時に該当する場合、前記一の使用対象に関する前記異常が生じていないと判定することを特徴とする。
【0016】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、異常の判定時点が、所定のイベントが生じた日時に該当する場合、異常が生じていないと判定することにより、誤って異常と判定してしまう可能性を低減させることができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。例えば、異常検知システムは、外部インタフェースから、イベント情報を入力可能であり、そのイベント情報を参酌し、過去の使用傾向から乖離(剥離)した日時とイベント日時が重なっていた場合は、異常でなく正常であると判別する。従来の異常検知では、過去の傾向とは異なるが異常ではない利用者の減少(不定期の休日など)があれば、誤って異常と判定してしまう。しかしながら、実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、あらかじめ設定されたイベント情報を参酌し、本当に異常かどうかを判断するため、誤って異常と判定してしまう可能性を低減させることができる。
【0017】
実施形態の一態様に係る異常検知システムにおいて、前記判定部は、前記イベント情報が示す日時を除く過去における前記一の使用対象の使用傾向を基に、前記一の使用対象に関する異常が生じたか否かを判定することを特徴とする。
【0018】
実施形態の一態様に係る異常検知システムによれば、一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向が、所定のイベントが生じた日時を除く過去の使用傾向から乖離した場合、その一の使用対象に何かが起こったと推定できるため、異常と判別することで、早期に異常を発見することができる。このように、異常検知システムは、異常判定の精度に良くない影響を与え得る情報を除いて、判定処理を行うことにより、誤って異常と判定してしまう可能性を低減させ、判定精度を向上させることができる。したがって、異常検知システムは、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【発明の効果】
【0019】
実施形態の一態様によれば、トイレの使用対象に関する異常を適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係る異常検知処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る異常検知システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る解析装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、異常検知システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する異常検知システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
<1.実施形態>
<1-1.異常検知処理例>
まず、実施形態に係る異常検知システム1(図3参照)において実行される異常検知の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る異常検知処理の一例を示す図である。
【0023】
図1では、大便器10を対象として、異常検知システム1が異常判定を行う場合を説明する。なお、異常検知の対象は、トイレの使用対象であれば大便器10に限らず、図2中に示すトイレ空間2、大便器10が設けられるトイレブースTB、小便器20及び洗面器30等の様々なトイレの使用対象であってもよいが、詳細は後述する。
【0024】
以下、図1に示す処理例について説明する、具体的には、図1では、大便器1011を対象として、異常検知システム1が異常判定を行う。例えば、異常検知システム1の解析装置100(図3参照)は、図1に示す処理を実行する。解析装置100は、検知対象となる大便器1011の使用に関する情報を取得する。
【0025】
解析装置100は、検知対象となる大便器1011の使用回数を示す情報を取得する。例えば、解析装置100は、大便器1011について、その使用対象が使用された時間を示す情報を取得する。例えば、解析装置100は、大便器1011について、その使用対象が使用中であった時間を示す情報を取得する。例えば、解析装置100は、大便器1011について、その使用対象に対応するセンサ(検知部)が使用を検知中であった時間を示す情報を取得する。
【0026】
解析装置100は、一の使用対象について、その一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、一の使用対象の使用回数を算出する。解析装置100は、処理時点の日時が含まれる日(「今日」ともいう)において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、今日における一の使用対象の使用回数を算出する。解析装置100は、今日における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、今日における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。例えば、解析装置100は、今日における7時台(例えば7:00から8:00迄の間)、8時台等の1時間ごとの時間帯ごとに、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、今日における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。
【0027】
図1では、解析装置100は、大便器1011について、今日における7時台、8時台等の時間帯ごとに使用中であった回数をカウントする。これにより、解析装置100は、大便器1011の今日における所定時間あたりの使用回数を算出する。
【0028】
解析装置100は、今日よりも前の日(過去)において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、過去における一の使用対象の使用回数を算出する。解析装置100は、処理時点の日時が含まれる日の前日(「1日前」ともいう)において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、1日前における一の使用対象の使用回数を算出する。解析装置100は、1日前における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、1日前における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。図1では、解析装置100は、大便器1011について、1日前における7時台、8時台等の時間帯ごとに使用中であった回数をカウントする。これにより、解析装置100は、大便器1011の1日前における所定時間あたりの使用回数を算出する。
【0029】
解析装置100は、処理時点の日時が含まれる日の前々日(「2日前」ともいう)において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、2日前における一の使用対象の使用回数を算出する。解析装置100は、2日前における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、2日前における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。図1では、解析装置100は、大便器1011について、2日前における7時台、8時台等の時間帯ごとに使用中であった回数をカウントする。これにより、解析装置100は、大便器1011の2日前における所定時間あたりの使用回数を算出する。
【0030】
同様に、解析装置100は、処理時点の日時が含まれる日の3日前、4日前等の過去の各日における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、過去の各日における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。なお、過去は、処理時点より前の1週間、1カ月等の任意の期間であってもよい。例えば、過去1週間の情報を用いる場合、解析装置100は、処理時点の日時が含まれる日の1日前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前の過去の各日における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントする。これにより、解析装置100は、1日前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前の過去の各日における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。
【0031】
図1では、解析装置100は、集計データDT1に示すように、大便器1011について、今日からN日前までの各日について1時間当たりの使用回数を示す情報を生成する。
【0032】
集計データDT1は、大便器1011について、1時間当たりの使用回数を示す。例えば、集計データDT1は、今日の7時台の使用回数が5回であり、今日の8時台の使用回数が14回であり、今日の9時台の使用回数が22回であることを示す。また、集計データDT1は、1日前の7時台の使用回数が6回であり、1日前の8時台の使用回数が20回であり、1日前の9時台の使用回数が26回であることを示す。また、集計データDT1は、2日前の7時台の使用回数が4回であり、2日前の8時台の使用回数が18回であり、2日前の9時台の使用回数が24回であることを示す。
【0033】
このように、解析装置100は、一の使用対象について複数の日の各々について時間帯ごとに使用回数を集計する。これにより、解析装置100は、図1中のグラフGR1に示すように、複数の日の各々についての1時間当たりの使用回数を用いることで、一の使用退所の使用傾向を基に判定可能となる。
【0034】
図1中のグラフGR1は、大便器1011の今日、1日前、2日前、…N日前の各々の使用回数と閾値に関する情報を示す。グラフGR1の横軸は、時間を示し、グラフGR1の縦軸は、1時間当たりの使用回数を示す。グラフGR1の縦軸のプラス(上)方向に進む程、使用回数が大きいことを示す。グラフGR1中の実線は、各々が今日~N日前のいずれかに対応する。なお、図1のグラフGR1では、今日~N日前の各日のうち一部の日に対応する実線のみを図示し、今日に対応する実線のみに符号「LN11」を付す。すなわち、グラフGR1の線LN11は、対象となった大便器1011の今日~N日前の各日のうち、今日の1時間毎の使用回数を示す。
【0035】
解析装置100は、大便器1011の使用回数と閾値とを用いて、大便器1011について異常が生じたか否かを判定する(ステップS1)。図1では、解析装置100は、大便器1011のデータから閾値を設定する。例えば、解析装置100は、大便器1011の使用回数に関する情報から異常検知の閾値を設定する。例えば、解析装置100は、大便器1011の使用回数を用いて閾値を算出する。図1では、解析装置100は、今日~N日前の各日の使用回数の平均及び分散を算出し、算出した使用回数の平均及び分散を用いて閾値を算出する。例えば、解析装置100は、所定時間ごとに、今日~N日前の各日の使用回数の平均及び分散を算出し、算出した平均及び分散を用いて閾値を算出する。例えば、解析装置100は、今日~N日前の各日の7時台の使用回数の平均及び分散を算出し、算出した平均及び分散を用いて7時台の閾値を算出する。
【0036】
図1中のグラフGR1に点線で示す線TH1は、今日~N日前の各日の使用回数の平均から、標準偏差(SD:Standard Deviation)に3を乗じた値を減算した値である異常検知の閾値を示す。解析装置100は、大便器1011について、算出式「平均-3SD」により閾値を算出する。このような閾値は、使用対象の使用回数がその値を下回った場合に異常が発生したと判定するために用いられる閾値である。なお、上述した閾値は一例に過ぎず、閾値は様々な情報を用いて、適宜設定されてもよい。例えば、閾値の算出に用いる情報には、今日の情報が含まれなくてもよい。この場合、解析装置100は、1日前~N日前の各日の使用回数の平均及び分散を算出し、算出した使用回数の平均及び分散を用いて閾値を算出してもよい。
【0037】
解析装置100は、使用対象の使用回数が閾値を下回った場合に、その使用対象に異常が発生したと判定する。図1では、解析装置100は、一の使用対象の使用回数が閾値を下回った場合、すなわち一の使用対象の使用回数が閾値未満になった場合に、その一の使用対象に異常が発生したと判定する。
【0038】
図1では、解析装置100は、今日の大便器1011の使用回数を示す線LN11が閾値を示す線TH1を下回っており、大便器1011に異常が今日発生したと判定する。例えば、解析装置100は、今日の大便器1011の使用回数を示す線LN11が閾値を示す線TH1を下回った後の判定において、大便器1011に異常が今日発生したと判定する。例えば、解析装置100は、今日の19時台の使用回数が閾値を下回っており、今日の20時前に大便器1011に異常が発生したと判定する。
【0039】
上述したように、解析装置100は、一の使用対象の1時間当たりの使用回数を取得する。そして、解析装置100は、過去の使用回数のばらつきから異常検知の閾値(平均-3SD等)を設定する。解析装置100は、使用回数が閾値を下回った場合、使用対象に異常があったと判定する。このように、解析装置100は、一定期間における一の使用対の使用回数を過去の傾向と比較し、傾向が逸脱した場合に異常と判定する。例えば、PBトイレ(パブリックトイレ)では、基本的に類似した利用傾向を示す。そのため、解析装置100は、過去の傾向と比較することにより、使用対象の異常を検知することができる。例えば、夜間や清掃で使用回数が減少するとしても、過去も同様の傾向を示しているため、上述した処理により、解析装置100は、異常の誤検知が発生することを抑制することができる。
【0040】
<1-1-1.異常検知の対象>
上述した例では、大便器1011が配置されたトイレブースTB1を一例として異常検知システム1が異常判定を行う場合を説明したが、異常検知の対象は、大便器1011に限らず、図2で説明する他の大便器10、トイレ空間2、大便器10が設けられるトイレブースTB、小便器20及び洗面器30等の様々なトイレの使用対象であってもよい。例えば、対象とする大便器10は、大便器1011に限らず、図2に示す大便器1012、または大便器1013であってもよい。
【0041】
例えば、異常検知システム1は、図2中の小便器2011、小便器2012、小便器2013等の小便器20を対象として、異常検知を行ってもよい。また、異常検知システム1は図2中の洗面器3011、洗面器3012、洗面器3013等の洗面器30を対象として、異常検知を行ってもよい。また、異常検知システム1は図2中のトイレブースTB1、トイレブースTB2、トイレブースTB3等のトイレブースTBを対象として、異常検知を行ってもよい。なお、判定対象となる使用対象が大便器10以外であっても、判定処理等は図1で示した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
<1-1-2.判定処理に用いる情報>
なお、異常検知システム1は、上述した情報に限らず、様々な情報を用いてもよい。異常検知システム1は、発生したイベントの情報を用いてもよい。例えば、解析装置100は、判定対象となる使用対象が配置された空間におけるイベントの情報を用いてもよい。なお、ここで言うイベントとは、使用対象の異常判定の精度に影響を及ぼし得る事象であれば、どのような事象であってもよく。例えば、イベントは、使用対象が配置された空間全体異常、使用対象が設けられる施設の催事や休業であってもよい。また、例えば、イベントは、定期清掃、夜間、週末等の周期的な事象であってもよい。
【0043】
解析装置100は、所定のイベントが生じた日時を含むイベント情報を取得し、異常が生じたとされた時点が、イベント情報が示す日時に該当する場合、その時点おいて一の使用対象に関する異常が生じていないと判定してもよい。
【0044】
また、図1では、過去の情報として、今日の1日前からN日前まで日時群(「第1日時群」ともいう)の各日の情報を用いる場合を示したが、判定処理に用いる情報は、様々な情報であってもよい。例えば、解析装置100は、第1日時群からイベントに対応する日除いた日時群(「第2日時群」ともいう)の情報を、過去の情報として、異常判定を行ってもよい。
【0045】
例えば、解析装置100は、今日から1週間前までの各日を含む第1日時群のうち、3日前にイベントが発生している場合、第1日時群から3日前の除外した第2日時群を過去として、異常判定を行う。例えば、図1では、解析装置100は、大便器1011が配置されたトイレ空間2全体が停電する等のイベントが3日前に発生している場合、第1日時群から3日前の除外した第2日時群を過去として、大便器1011について異常判定を行う。例えば、図1では、解析装置100は、大便器1011が設けられた施設が臨時休業となるイベントが3日前に発生している場合、第1日時群から3日前の除外した第2日時群を過去として、大便器1011について異常判定を行う。例えば、図1では、解析装置100は、3日前が土曜日または日曜日等の平日以外に該当する場合、第1日時群から3日前の除外した第2日時群を過去として、大便器1011について異常判定を行う。
【0046】
また、解析装置100は、今日の曜日に対応する曜日のみ過去の情報を用いて、異常判定を行ってもよい。例えば、解析装置100は、今日が土曜日である場合、今日よりも過去の土曜日の情報を過去の情報を用いて、異常判定を行ってもよい。
【0047】
<1-1-3.判定処理の他の例>
なお、上述した例では、一の使用対象の情報のみを用いて、異常検知システム1が一の使用対象の異常判定を行う場合を説明したが、判定処理に用いる情報は、様々な情報であってもよい。例えば、異常検知システム1は、一の使用対象以外の他の使用対象の情報を用いて、一の使用対象の異常判定を行ってもよい。例えば、異常検知システム1は、一の使用対象と同じ空間に配置される他の使用対象の情報を用いて、一の使用対象の異常判定を行ってもよい。
【0048】
例えば、解析装置100は、一の使用対象以外の他の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向が、他の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に異常が発生していないと判定してもよい。例えば、解析装置100は、一の使用対象以外の他の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向が、他の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、かつ一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じていないと判定してもよい。このように、解析装置100は、一の使用対象以外の使用対象も異常であると判定された場合、それらの使用対象が配置された空間全体の異常であると判定してもよい。この場合、解析装置100は、一の使用対象に関する異常が生じていないと判定してもよい。
【0049】
図1では、例えば、解析装置100は、大便器1011以外の大便器1012の所定時間あたりの使用回数の傾向が、大便器1012の過去の使用傾向から乖離した場合、大便器1011に異常が発生していないと判定してもよい。例えば、解析装置100は、大便器1011以外の大便器1012の所定時間あたりの使用回数の傾向が、大便器1012の過去の使用傾向から乖離した場合、かつ大便器1011の使用回数の傾向が、大便器1011の過去の使用傾向から乖離した場合、大便器1011に関する異常が生じていないと判定してもよい。このように、解析装置100は、大便器1011以外の使用対象も異常であると判定された場合、大便器1011及び大便器1012が配置されたトイレ空間2全体の異常である判定してもよい。この場合、解析装置100は、大便器1011に関する異常が生じていないと判定してもよい。
【0050】
なお、上記は一例に過ぎず、解析装置100は、一の使用対象以外の他の使用対象の情報を用いて、異常判定を行ってもよい。例えば、解析装置100は、トイレ空間2全体に配置された全ての使用対象が異常であると判定された場合、個々の使用対象の異常ではなく、トイレ空間2全体の異常である判定してもよい。例えば、解析装置100は、トイレ空間2全体に配置された使用対象のうち所定数(例えば3等)以上の使用対象が異常であると判定された場合、個々の使用対象の異常ではなく、トイレ空間2全体の異常である判定してもよい。
【0051】
<1-2.トイレの利用対象例>
ここから、図2を用いて、トイレの利用対象例について説明する。図2は、実施形態に係るトイレの利用対象の一例を示す図である。図2は、トイレの利用対象の物理的な配置等の概念的に示す。なお、図2に示すトイレの利用対象は一例に過ぎず、トイレの利用対象は、ユーザに使用される対象となり得るトイレに関する要素であり、異常検知の対象となり得るものであればどのような要素であってもよい。
【0052】
図2に示すように、トイレの利用対象には、トイレ空間2、トイレ空間2等のトイレ空間が含まれてもよい。図2に示すトイレ空間2は、個室空間を形成するトイレブースであるトイレブースTB1~TB3と、トイレブース以外の空間である共有空間である共有空間CS1を有する。なお、トイレブースTB1、トイレブースTB2、トイレブースTB3等、トイレ空間2に設けられるトイレブースを区別せずに説明する場合、「トイレブースTB」と記載する場合がある。
【0053】
なお、トイレ空間2、トイレ空間2等のトイレ空間を区別せずに説明する場合、「トイレ空間2」と記載する場合がある。図2では、トイレ空間2が2つのトイレ空間2、トイレ空間2を図示するが、トイレの利用対象には3つ以上のトイレ空間2が含まれてもよい。図2では、トイレ空間2が3つのトイレブースTBを有する場合を一例として説明するが、トイレ空間2は2つ以下または4つ以上のトイレブースTBを有してもよい。
【0054】
すなわち、図2に示すトイレ空間2は、トイレ空間2の一例に過ぎず、トイレ空間2については任意の構成が採用可能である。例えば、トイレ空間2は、1つのトイレブースTBを有する構成であってもよい。トイレ空間2は、使用者に使用され得るトイレの使用対象となるものが1つでも含まれば、どのような構成であってもよい。例えば、トイレ空間2は、大便器10、小便器20及び洗面器30等の機器(トイレ機器)のうち少なくとも1つを有すれば、どのような構成であってもよい。
【0055】
トイレブースTBは、パーティション(間仕切り)で区切られた空間(個室空間)である。各トイレブースTBは、大便器10を備え、人が排泄行為を行う場所としての機能を有する。また、各トイレブースTBは、そのトイレブースTB内に入室するための開閉可能なドア(図示は省略)を備える。なお、各トイレブースTBのドアは、一般的なトイレブースTBに設けられるドアと同様であるため、詳細な説明は省略する。また、トイレブースTBは、パーティションによって、完全に区切られた空間でなくてもよく、パーティションの上部や下部に、隣接するトイレブースTBや共有空間と区切られていない部分が設けられていてもよい。
【0056】
また、共有空間CS1等、トイレ空間2に設けられる共有空間を区別せずに説明する場合、「共有空間CS」と記載する場合がある。共有空間CSは、トイレ空間2内において複数人が同時に滞在し得る共有部である。例えば、共有空間CSは、トイレ空間2への入り口、洗面器30等の洗面の設備、各トイレブースTBへの経路を有する。共有空間CSは、トイレ空間2への入場、手等の洗浄、各トイレブースTBへの移動等を行うための場所としての機能を有する。なお、トイレ空間2が男性用のトイレ空間2として機能する場合、その共有空間CSには小便器20が配置される。すなわち、共有空間CSも人が排泄行為を行う場所として機能する場合がある。
【0057】
次に、図2に示すトイレ空間2を一例として説明しつつ、トイレ空間2における各装置の配置について説明する。大便器1011は、トイレブースTB1に配置される。また、大便器1012は、トイレブースTB2に配置される。また、大便器1013は、トイレブースTB3に配置される。なお、大便器1011、大便器1012、大便器1013等、大便器を区別せずに説明する場合、「大便器10」と記載する場合がある。
【0058】
図2では、大便器10の数が3つである場合を一例として示すが、大便器10の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、大便器10の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、大便器10の機能などの詳細は後述する。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、大便器10を説明する記載は、その大便器10が配置されるトイレブースTBと読み替えてもよい。また、情報の収集や判定等の処理の対象として、トイレブースTBを説明する記載は、そのトイレブースTBに配置される大便器10と読み替えてもよい。例えば、大便器1011は、トイレブースTB1と読み替えてもよく、トイレブースTB1は、大便器1011と読み替えてもよい。
【0059】
小便器2011、小便器2012、小便器2013は、共有空間CS1に配置される。小便器2011、小便器2012、小便器2013等、トイレ空間2に配置される小便器を区別せずに説明する場合、「小便器20」と記載する場合がある。図2では、小便器20の数が3つである場合を一例として示すが、小便器20の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、小便器20の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、小便器20の機能などの詳細は後述する。
【0060】
洗面器3011、洗面器3012、洗面器3013は、共有空間CS1に配置される。洗面器3011、洗面器3012、洗面器3013等、トイレ空間2に配置される小便器を区別せずに説明する場合、「洗面器30」と記載する場合がある。図2では、洗面器30の数が3つである場合を一例として示すが、洗面器30の数は、所望の処理が可能であれば任意の数が採用可能であり、洗面器30の数は、2つ以下または4つ以上であってもよい。なお、洗面器30の機能などの詳細は後述する。
【0061】
<1-3.トイレ空間の配置>
トイレ空間2の配置について簡単に説明する。トイレ空間2は、そのトイレ空間2が物理的に配置可能な空間であれば、どのような場所に設けられてもよい。すなわち、トイレ空間2が設けられる場所は、任意の場所が採用可能である。例えば、トイレ空間2は、デパート(百貨店)等のような商業施設に設けられてもよい。また、トイレ空間2が設けられる場所は、店舗等の商業施設に限らず、種々の施設であってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、遊園地や競技場やオフィスビル等であってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、観光地等の地域に設けられるトイレであってもよい。例えば、トイレ空間2が設けられる場所は、公園や駐車場等であってもよい。すなわち、トイレは公園や駐車場等の屋外に設けられてもよい。このように、トイレ空間2が設けられる場所は、トイレ空間2が配置可能な空間があれば、どのような場所であってもよい。
【0062】
<1-4.異常検知システムの構成>
次に、異常検知システム1の構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係る異常検知システムの構成例を示す図である。具体的には、図3は、異常検知システム1の構成を示す。
【0063】
異常検知システム1は、異常検知の処理を実行する情報処理装置(図3では解析装置100)を有する。また、異常検知システム1は、異常検知の処理に用いる情報を収集する情報処理装置(図3では収集装置50)を有する。図3に示す異常検知システム1は、解析装置100、収集装置50、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301を有する。なお、異常検知システム1には、複数の解析装置100、複数の収集装置50、複数の検知部21、複数の検知部101、複数の検知部201、複数の検知部301等が含まれてもよい。
【0064】
図3では、異常検知システム1の異常検知の対象となるトイレの使用対象には、トイレ空間2、大便器10、小便器20及び洗面器30のうち少なくとも1つが含まれる。なお、異常検知システム1の異常検知の対象となるトイレの使用対象には、図2に示すように、複数のトイレ空間2、複数の大便器10、複数の小便器20、複数の洗面器30等が含まれてもよい。
【0065】
トイレ空間2は、施設等の空間に設けられ、トイレを使用する使用者が入退場する空間である。例えば、トイレ空間2は、トイレブースTB、共有空間CS等を有し、トイレに関する構造物が配置される空間である。例えば、図2に示すトイレ空間2は、複数の大便器1011、1012、1013、が各々配置されるトイレブースTB1~TB3、及び複数の小便器2011、2012、2013、及び複数の洗面器3011、3012、3013が配置される共有空間CS1を有する。なお、トイレ空間2は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0066】
トイレ空間2の検知部21は、トイレ空間2に関する検知を行う。検知部21は、トイレ空間2への人(使用者)の入退場を検知する検知部として機能する。検知部21は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部21は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部21は、トイレ空間2の出入り口を撮像する画像センサ(行動検知センサ)であってもよい。なお、上記は一例であり、検知部21は、使用者のトイレ空間2への入退場を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。
【0067】
トイレ空間2の検知部21は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部21は、トイレ空間2への人の入退場を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、そのトイレ空間2を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、トイレ空間2へ入場した人が退場するまでの時間(使用時間)を示す検知情報を、そのトイレ空間2を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象にトイレ空間2が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部21が含まれなくてもよい。
【0068】
大便器10は、トイレを使用する使用者が大便または小便等を排泄する際に使用されるトイレの使用対象である。大便器10は、トイレ空間2内に設けられるトイレブースTBに配置される。例えば、大便器10は、使用者が着座する便座、及び洗浄用の水を吐水するためのノズルを操作するための操作部を含む便座装置を有する。大便器10は、便座装置以外にも、便蓋、便器等、大便器としての機能を実現するための各種構成を有するが、詳細な説明は省略する。なお、大便器10は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0069】
大便器10の検知部101は、大便器10に関する検知を行う。大便器10の検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBに関する検知を行う。検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBへの人(使用者)の入退場を検知する検知部として機能する。検知部101は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部101は、人体検知センサ、行動検知センサ、着座検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア等に設けられ、トイレブースTBのドアの開閉を検知するドアセンサであってもよい。検知部101は、トイレブースTBのドア付近を撮像する画像センサであってもよい。検知部101は、大便器10への使用者の着座を検知する着座センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部101は、使用者の大便器10への入退場を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、大便器10と検知部101とは一体であってもよい。この場合、検知部101を有する大便器10が、異常検知システム1に含まれてもよい。なお、検知部101の配置位置は、特に限定されず、トイレブースTBの天井、壁面、床等に設置してもよく、大便器10の便座に搭載してもよい。
【0070】
大便器10の検知部101は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部101は、大便器10が配置されたトイレブースTBへの人の入退場を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その大便器10または大便器10が配置されたトイレブースTBを識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、大便器10が配置されたトイレブースTBへ入室した人が退室するまでの時間(使用時間)を示す検知情報を、その大便器10または大便器10が配置されたトイレブースTBを識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に大便器10が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部101が含まれなくてもよい。
【0071】
小便器20は、男性用のトイレ空間2に設けられ、トイレを使用する使用者が小便を排泄する際に使用されるトイレの使用対象である。小便器20は、トイレ空間2内に設けられる共有空間CSに配置される。なお、小便器20は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0072】
小便器20の検知部201は、小便器20に関する検知を行う。検知部201は、小便器20の人(使用者)の使用を検知する検知部として機能する。検知部201は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部201は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部201は、小便器20への人の近接を検知する近接センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部201は、使用者の小便器20の使用を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、小便器20と検知部201とは一体であってもよい。この場合、検知部201を有する小便器20が、異常検知システム1に含まれてもよい。例えば、検知部201は、小便器20の前面に設けられ、小便器20の前に位置する人を検知する。なお、検知部201の配置位置は、特に限定されず、共有空間CSの天井、壁面、床等に設置してもよい。
【0073】
小便器20の検知部201は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部201は、小便器20の人の使用を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その小便器20を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、人が使用している間(例えば小便器20に人が近接してから離れるまでの間)の時間(使用時間)を示す検知情報を、その小便器20を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に小便器20が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部201が含まれなくてもよい。
【0074】
洗面器30は、トイレを使用する使用者が手を洗ったり、顔を洗ったり、鏡を見たりする際に使用されるトイレの使用対象である。洗面器30は、トイレ空間2内に設けられる共有空間CSに配置される。例えば、洗面器30は、自動水栓の機能を有する蛇口、蛇口からの水を受けるボウル部を有する。なお、洗面器30は、異常検知システム1に含まれなくてもよい。
【0075】
洗面器30の検知部301は、洗面器30に関する検知を行う。検知部301は、洗面器30の人(使用者)の使用を検知する検知部として機能する。検知部301は、種々のセンサにより実現されてもよい、例えば、検知部301は、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。検知部301は、洗面器30のへの人の身体の近接を検知する近接センサであってもよい。なお、上記は一例であり、検知部301は、使用者の洗面器30の使用を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。なお、洗面器30と検知部301とは一体であってもよい。この場合、検知部301を有する洗面器30が、異常検知システム1に含まれてもよい。例えば、検知部301は、洗面器30の蛇口付近に設けられ、洗面器30の蛇口への人の手の近接を検知する。なお、検知部301の配置位置は、特に限定されず、共有空間CSの天井、壁面、床等に設置してもよい。
【0076】
洗面器30の検知部301は、例えば無線通信機能を有する通信部(例えば通信回路等)を含み、収集装置50と無線により通信可能に接続される。例えば、検知部301は、洗面器30の人の使用を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を、その洗面器30を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。例えば、検知部21は、人が使用している間(例えば洗面器30の蛇口が水を吐水している間)の時間(使用時間)を示す検知情報を、その洗面器30を識別する識別情報(ID等)とともに収集装置50へ送信する。なお、異常検知システム1の異常検知の対象に洗面器30が含まれない場合、異常検知システム1には、検知部301が含まれなくてもよい。
【0077】
収集装置50は、各種情報を収集する。例えば、収集装置50は、ゲートウェイ装置等であってもよい。収集装置50は、各使用対象について検知されるセンサデータ等の検知情報を収集する装置である。収集装置50は、他の装置から情報を収集する。収集装置50は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等について検知された情報である検知情報を収集する。収集装置50は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の情報を検知する装置から検知情報を受信する。
【0078】
収集装置50は、トイレ空間2の検知部21からトイレ空間2の検知結果を受信する。収集装置50は、大便器10の検知部101から大便器10の検知情報を受信する。収集装置50は、小便器20の検知部201から小便器20の検知情報を受信する。収集装置50は、洗面器30の検知部301から洗面器30の検知情報を受信する。収集装置50は、トイレ空間2の検知部21、大便器10の検知部101、小便器20の検知部201及び洗面器30の検知部301と、無線により通信可能に接続される。なお、収集装置50は、情報の送受信が可能であれば、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の情報を検知する装置とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0079】
収集装置50はトイレ空間2外に配置されてもよいし、トイレ空間2内に配置されてもよい。例えば、収集装置50は、トイレ空間2が設けられた施設などに配置されるサーバ装置であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301と通信して、情報を収集し、収集した情報を解析装置100へ送信可能であれば、収集装置50の装置構成及び配置は任意の形態が採用可能である。また、収集装置50は、解析装置100と一体であってもよい。この場合、解析装置100が収集装置50の機能を有し、解析装置100は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30等の使用対象の情報を収集する。
【0080】
解析装置100は、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、解析装置100は、クラウドサーバ等であってもよい。解析装置100は、収集装置50と、インターネット等の所定のネットワークNを介して、無線または有線により通信可能に接続される。なお、解析装置100は、情報の送受信が可能であれば、収集装置50とどのように接続されてもよく、無線により通信可能に接続されてもよいし、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0081】
解析装置100は、収集装置50が収集した情報を用いて、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する。解析装置100は、収集装置50から受信した情報である収集情報を用いて、トイレの使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する判定処理を実行する。解析装置100は、収集情報を用いて、トイレ空間2に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、大便器10に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、小便器20に関する異常が生じたか否かを判定する。解析装置100は、収集情報を用いて、洗面器30に関する異常が生じたか否かを判定する。
【0082】
<1-5.解析装置の機能構成>
以下、解析装置の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る解析装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0083】
図4に示すように、解析装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、解析装置100は、解析装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0084】
通信部110は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部110は、所定のネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、所定のネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、収集装置50等の他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0085】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、判定処理等の異常検知プログラム等によって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0086】
実施形態に係る記憶部120は、図4に示すように、配置情報記憶部121と、収集情報記憶部122とを有する。なお、記憶部120は、配置情報記憶部121及び収集情報記憶部122に限らず、処理に必要な様々な情報を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる様々な情報(例えば閾値に関する情報)を記憶する。例えば、記憶部120は、判定処理で用いる閾値を算出するための関数、算出した関数の情報を記憶する。
【0087】
実施形態に係る配置情報記憶部は、異常検知システム1の検知対象となる各種の使用対象の配置に関する各種情報を記憶する。例えば、配置情報記憶部は、トイレ空間2、大便器10、小便器20、及び洗面器30の配置に関する情報を記憶する。図5は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。図5に示す配置情報記憶部には、「施設」、「トイレ空間」、「配置箇所」、「配置要素」といった項目が含まれる。
【0088】
「施設」は、トイレ空間が配置される場所を示す。なお、「施設」には、構造物に限らず、トイレ空間が配置される場所であれば様々な場所が登録可能である。「トイレ空間」は、各トイレ空間を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「トイレ空間」に「2」、「2」といった各トイレ空間に付した符号を図示するが、「トイレ空間」には、トイレ空間を特定可能な情報(例えばトイレ空間ID等)が記憶される。
【0089】
「配置箇所」は、各配置箇所を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「配置箇所」に「TB1」、「TB2」、「TB3」、「CS1」といったトイレ空間2の各構成に付した符号を図示するが、「配置箇所」には、配置箇所を特定可能な情報(例えば配置箇所ID等)が記憶される。
【0090】
「配置要素」は、対応する配置箇所に配置されるトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。例えば、「配置要素」は、対応する配置箇所に配置される大便器10、小便器20、及び洗面器30等のトイレの使用対象を識別するための識別情報を示す。図5では、説明の為に「配置要素」に「1011」、「1012」、「1013」、「2011」、「2012」、「2013」、「3011」、「3012」、「3013」等の各構成に付した符号を図示するが、「配置要素」には、各使用対象を識別可能であればどのような情報が登録されてもよい。
【0091】
例えば、「配置要素」には、対応する配置箇所に配置される大便器を特定可能な情報(例えば大便器ID等)、小便器を識別するための識別情報(例えば小便器ID等)、または洗面器を識別するための識別情報(例えば洗面器ID等)が記憶される。
【0092】
図5の例では、「2」により識別されるトイレ空間2には、「TB1」により識別されるトイレブースTB1、「TB2」により識別されるトイレブースTB2、「TB3」により識別されるトイレブースTB3が配置箇所として含まれることを示す。また、トイレ空間2には、「CS1」により識別される共有空間CS1が配置箇所として含まれることを示す。
【0093】
「TB1」により識別される配置箇所であるトイレブースTB1には、「1011」により識別される大便器1011が配置されることを示す。また、「TB2」により識別される配置箇所であるトイレブースTB2には、「1012」により識別される大便器1012が配置されることを示す。また、「TB3」により識別される配置箇所であるトイレブースTB3には、「1013」により識別される大便器1013が配置されることを示す。
【0094】
また、「CS1」により識別される配置箇所である共有空間CS1には、「2011」により識別される小便器2011、「2012」により識別される小便器2012、「2013」により識別される小便器2013が配置されることを示す。また、共有空間CS1には、「3011」により識別される洗面器3011、「3012」により識別される洗面器3012、「3013」により識別される洗面器3013が配置されることを示す。
【0095】
なお、配置情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、検知対象となる各使用対象のセンサデータ(検知情報)を検知するセンサ(検知部)を特定可能な情報(例えばセンサID等)を、そのセンサが検知する使用対象に対応付けて記憶してもよい。
【0096】
各トイレの使用対象の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレの使用対象に対応付けて記憶してもよい。例えば、各トイレ空間2の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各トイレ空間2に対応付けて記憶してもよい。例えば、各大便器10の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各大便器10に対応付けて記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、各小便器20が検知する情報や各小便器20の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各小便器20に対応付けて記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、各洗面器30が検知する情報や各洗面器30の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各洗面器30に対応付けて記憶してもよい。
【0097】
収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象について収集したセンサデータ等の検知情報を記憶する。収集情報記憶部122は、収集装置50から受信した情報を記憶する。収集情報記憶部122は、検知部21、検知部101、検知部201及び検知部301により検知された検知情報を記憶する。例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象の使用履歴を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0098】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が使用された日時を、各大便器10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が配置されたトイレブースTBが使用された日時を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各小便器20が使用された日時を、各小便器20を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各洗面器30が使用された日時を、各洗面器30を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ空間2が使用された日時を、各トイレ空間2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0099】
例えば、収集情報記憶部122は、各トイレの使用対象が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレの使用対象を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各大便器10を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各大便器10が配置されたトイレブースTBが使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレブースTBを識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各小便器20が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各小便器20を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各洗面器30が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各洗面器30を識別する情報に対応付けて記憶する。収集情報記憶部122は、各トイレ空間2が使用された日時、及びその使用における使用時間を、各トイレ空間2を識別する情報に対応付けて記憶する。
【0100】
なお、上記は一例に過ぎず、収集情報記憶部122は、収集された様々な情報を記憶する。
【0101】
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、解析装置100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る判定処理等の異常検知プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0102】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、算出部132と、判定部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0103】
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、他の装置から情報を受信する。取得部131は、収集装置50が収集した情報(検知情報等)を収集装置50から受信する。取得部131は、トイレの使用対象について検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、トイレの使用対象に対応するセンサ等により検知された検知情報を収集装置50から受信する。
【0104】
取得部131は、トイレ空間2について検知部21により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、大便器10について検知部101により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、大便器10が配置されたトイレブースTBについて検知部101により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、小便器20について検知部201により検知された検知情報を収集装置50から受信する。取得部131は、洗面器30について検知部301により検知された検知情報を収集装置50から受信する。
【0105】
取得部131は、処理に用いる情報を記憶部120から取得する。取得部131は、判定処理に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、判定対象となるトイレの使用対象に対応する情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、統計量の算出に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。取得部131は、閾値の算出に用いる情報を、収集情報記憶部122から取得する。
【0106】
取得部131は、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する。取得部131は、トイレブース、洗面器、小便器、大便器、トイレ空間のうちいずれかである一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する。取得部131は、異常の判定時点に応じて決定される判定時点以前の収集期間における一の使用対象の使用回数の傾向を示す情報を取得する。
【0107】
取得部131は、一の使用対象の過去の使用回数の傾向を示す情報を取得する。取得部131は、一の使用対象の過去の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する。取得部131は、一の使用対象以外の他の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する。取得部131は、所定のイベントが生じた日時を含むイベント情報を取得する。例えば、解析装置100は、外部インタフェースから、イベント情報を入力可能である。取得部131は、解析装置100の入力部により受け付けられたイベント情報を取得する。
【0108】
算出部132は、算出処理を行う。算出部132は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて算出処理を行う。算出部132は、取得部131により取得された各種の情報を用いて算出処理を行う。
【0109】
算出部132は、判定処理に用いる各種の値を算出する。算出部132は、判定処理に用いる閾値を算出する。算出部132は、判定対象となる使用対象に関する統計量を算出する。
【0110】
算出部132は、使用対象に関する統計量を算出する。算出部132は、使用対象が使用者により所定の期間または回数において使用される時間の統計量を算出する。
【0111】
算出部132は、使用回数を算出する算出処理を実行する。算出部132は、使用対象の使用回数を算出する。算出部132は、一の使用対象について、その一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、一の使用対象の使用回数を算出する。算出部132は、今日において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、今日における一の使用対象の使用回数を算出する。算出部132は、今日における所定時間ごとに一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、今日における一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を算出する。算出部132は、今日よりも前の日(過去)において、一の使用対象が使用中であった回数をカウントすることにより、過去における一の使用対象の使用回数を算出する。
【0112】
判定部133は、判定処理を行う。判定部133は、記憶部120に記憶された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部133は、取得部131により取得された各種の情報を用いて判定処理を行う。判定部133は、算出部132により算出された各種の値(情報)を用いて判定処理を行う。
【0113】
判定部133は、算出部132により算出された閾値を用いて判定処理を行う。判定部133は、算出部132により算出された使用対象に関する統計量を用いて判定処理を行う。判定部133は、判定対象となる一の使用対象に関する統計量を用いて、一の使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する。
【0114】
判定部133は、一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。判定部133は、トイレブース、洗面器、小便器、大便器、トイレ空間のうちいずれかである一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。
【0115】
判定部133は、一の使用対象の所定時間あたりの使用回数が、一の使用対象の過去の所定時間に対応する長さの時間あたりの使用回数に基づく閾値を下回った場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。判定部133は、他の使用対象の使用回数の傾向が、他の使用対象の過去の使用傾向から乖離し、かつ一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じていないと判定する。
【0116】
判定部133は、異常の判定時点が、イベント情報が示す日時に該当する場合、一の使用対象に関する異常が生じていないと判定する。判定部133は、イベント情報が示す日時を除く過去における一の使用対象の使用傾向を基に、一の使用対象に関する異常が生じたか否かを判定する。判定部133は、一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象以外の他の使用対象の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。
【0117】
送信部134は、外部の情報処理装置へ情報を送信する。送信部134は、判定部133による判定結果に関する情報を、異常検知システム1を管理する管理者が利用する管理者装置へ送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象に関する情報を送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象を識別する情報を管理者装置へ送信する。送信部134は、判定部133による判定が異常を示す場合、異常と判定されたトイレの使用対象が配置される場所を示す情報を管理者装置へ送信する。なお、送信部134は、収集装置50へ情報を送信してもよい。例えば、送信部134は、収集装置50が収集した情報を要求する情報を収集装置50へ送信する。
【0118】
<1-6.処理の流れ>
ここから、図6を用いて、異常検知処理の処理フローについて説明する。図6は、異常検知システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0119】
異常検知システム1は、トイレの使用者による使用の対象となる一の使用対象の所定時間あたりの使用回数の傾向を示す情報を取得する(ステップS101)。例えば、異常検知システム1の解析装置100は、トイレブースTB、洗面器30、小便器20、大便器10、トイレ空間2のうちいずれか1つである一の使用対象の所定時間あたりの使用回数を示す情報を取得する。
【0120】
異常検知システム1は、一の使用対象の使用回数の傾向が、一の使用対象の過去の使用傾向から乖離した場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する(ステップS102)。例えば、異常検知システム1の解析装置100は、一の使用対象の所定時間あたりの使用回数が、一の使用対象の過去の所定時間に対応する長さの時間あたりの使用回数に基づく閾値を下回った場合、一の使用対象に関する異常が生じたと判定する。
【0121】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 異常検知システム
2 トイレ空間
10 大便器
20 小便器
30 洗面器
50 収集装置
100 解析装置
110 通信部
120 記憶部
121 配置情報記憶部
122 収集情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 判定部
134 送信部
CS 共有空間
TB トイレブース
図1
図2
図3
図4
図5
図6