(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136287
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】試験方法及び試験システム
(51)【国際特許分類】
H02H 3/05 20060101AFI20230922BHJP
H02H 9/06 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02H3/05 B
H02H9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041815
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 伸二
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義晋
(72)【発明者】
【氏名】橋本 健太
(72)【発明者】
【氏名】藤本 裕紀
【テーマコード(参考)】
5G013
5G142
【Fターム(参考)】
5G013AA09
5G013BA02
5G013CB04
5G013DA01
5G142FF24
(57)【要約】
【課題】保護装置が正常に動作しているか否かを確認することができる試験方法及び試験システムを提供する。
【解決手段】第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、給電器(第1電気機器)11及びカメラ(第2電気機器)14間に接続される通信線の中途に接続されている。第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、通信線に含まれる通信用導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合、放電用導線B2を介して電流を流す。これにより、給電器11及びカメラ14が過電圧の印加から保護される。第2保護装置13の試験では、サージ発生装置15は第2保護装置13の放電用導線B2にサージ電圧を印加する。サージ電圧が印加されている印加期間中に、情報処理端末10は通信線2,3中の少なくとも1つを介して、給電器11に向かってカメラ14から送信されるデータを受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気機器及び第2電気機器間に接続される通信線の中途に配置され、前記通信線に含まれる通信用導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合に、前記通信用導線とは異なる放電用導線を介して電流を流すことによって、前記第1電気機器及び第2電気機器それぞれを、絶対値が前記所定電圧を超える過電圧の印加から保護する第1保護装置及び第2保護装置の一方の前記放電用導線に、絶対値が前記所定電圧を超えるサージ電圧を印加するステップと、
前記サージ電圧が印加されている印加期間中に、前記第1電気機器に向かって前記第2電気機器から前記通信線を介して送信された信号を受信するか、又は、前記印加期間中に前記通信線を介して前記第2電気機器に信号を送信するステップと
を含む試験方法。
【請求項2】
給電用導線を介して前記第2電気機器に電力を供給するステップを含み、
前記第1保護装置及び第2保護装置それぞれは、前記給電用導線の電圧の絶対値が前記所定電圧以上となった場合に前記放電用導線を介して電流を流す
請求項1に記載の試験方法。
【請求項3】
第1電気機器と、
通信線によって前記第1電気機器に接続される第2電気機器と、
前記通信線の中途に配置され、前記通信線に含まれる通信用導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合に、前記通信用導線とは異なる放電用導線を介して電流を流すことによって、前記第1電気機器及び第2電気機器それぞれを、絶対値が前記所定電圧を超える過電圧の印加から保護する第1保護装置及び第2保護装置と、
前記第1保護装置及び第2保護装置の一方の前記放電用導線に、絶対値が前記所定電圧を超えるサージ電圧を印加するサージ発生装置と、
前記サージ発生装置が前記サージ電圧を印加している印加期間中に、前記第1電気機器に向かって前記第2電気機器から前記通信線を介して送信された信号を受信するか、又は、前記印加期間中に前記通信線を介して前記第2電気機器に信号を送信する情報処理端末と
を備える試験システム。
【請求項4】
給電用導線を介して前記第2電気機器に電力が供給され、
前記第1保護装置及び第2保護装置それぞれは、前記給電用導線の電圧の絶対値が前記所定電圧以上となった場合に前記放電用導線を介して電流を流す
請求項3に記載の試験システム。
【請求項5】
前記第1保護装置及び第2保護装置の少なくとも一方は、
前記通信用導線にアノードが接続される第1ダイオードと、
前記通信用導線にカソードが接続される第2ダイオードと、
前記第1ダイオードのカソード、前記第2ダイオードのアノード、及び、前記放電用導線に接続され、前記通信用導線の電圧の絶対値が前記所定電圧以上となった場合に前記放電用導線を介して電流を流す放電器と
を有する請求項3又は請求項4に記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は試験方法及び試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、絶対値が所定電圧を超える過電圧の印加から通信機器を保護する保護装置が開示されている。通信機器には、通信用の2つの導線が接続されている。保護装置では、放電管が2つの導線に各別に接続されている。放電管は、更に、大地に接続されている。例えば、雷によって、屋外に配置されている導線にサージ電圧が印加された場合、導線の電圧の絶対値が上昇する。導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合、電流は放電管及び大地を介して流れる。これにより、導線の電圧の絶対値は所定電圧以下の電圧に維持される。通信機器は過電圧の印加から保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、保護装置が正常に動作しているか否かを確認するための試験方法について考慮されていない。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保護装置が正常に動作しているか否かを確認することができる試験方法及び試験システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る試験方法は、第1電気機器及び第2電気機器間に接続される通信線の中途に配置され、前記通信線に含まれる通信用導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合に、前記通信用導線とは異なる放電用導線を介して電流を流すことによって、前記第1電気機器及び第2電気機器それぞれを、絶対値が前記所定電圧を超える過電圧の印加から保護する第1保護装置及び第2保護装置の一方の前記放電用導線に、絶対値が前記所定電圧を超えるサージ電圧を印加するステップと、前記サージ電圧が印加されている印加期間中に、前記第1電気機器に向かって前記第2電気機器から前記通信線を介して送信された信号を受信するか、又は、前記印加期間中に前記通信線を介して前記第2電気機器に信号を送信するステップとを含む。
【0007】
本開示の一態様に係る試験システムは、第1電気機器と、通信線によって前記第1電気機器に接続される第2電気機器と、前記通信線の中途に配置され、前記通信線に含まれる通信用導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となった場合に、前記通信用導線とは異なる放電用導線を介して電流を流すことによって、前記第1電気機器及び第2電気機器それぞれを、絶対値が前記所定電圧を超える過電圧の印加から保護する第1保護装置及び第2保護装置と、前記第1保護装置及び第2保護装置の一方の前記放電用導線に、絶対値が前記所定電圧を超えるサージ電圧を印加するサージ発生装置と、前記サージ発生装置が前記サージ電圧を印加している印加期間中に、前記第1電気機器に向かって前記第2電気機器から前記通信線を介して送信された信号を受信するか、又は、前記印加期間中に前記通信線を介して前記第2電気機器に信号を送信する情報処理端末とを備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、保護装置が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における試験システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図2】第1保護装置及び第2保護装置の回路図である。
【
図3】実施の形態2における試験システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態3における試験システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態4における試験システムの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における試験システム1の要部構成を示すブロック図である。試験システム1は、情報処理端末10、給電器11、第1保護装置12、第2保護装置13、カメラ14、サージ発生装置15及び4つの通信ケーブルA1,A2,A3,A4を備える。情報処理端末10は、例えばパーソナルコンピュータである。情報処理端末10、給電器11及びカメラ14は電気機器である。通信ケーブルA1,A2,A3,A4それぞれは、例えばLANケーブルである。LANはLocal Area Networkの略語である。
【0011】
情報処理端末10は通信ケーブルA1によって給電器11に接続されている。給電器11は通信ケーブルA2によって第1保護装置12に接続されている。第1保護装置12は通信ケーブルA3によって第2保護装置13に接続されている。第2保護装置13は通信ケーブルA4によってカメラ14に接続されている。第1保護装置12は、放電用導線B1に接続されている。放電用導線B1は接地されている。接地は、例えば、大地への接続によって実現される。給電器11は放電用導線B1の中途に接続されている。
【0012】
第2保護装置13は、放電用導線B2によってサージ発生装置15に接続されている。カメラ14は放電用導線B2の中途に接続されている。サージ発生装置15は接地されている。給電器11は、更に、電源16に接続される。電源16は例えばコンセントである。電源16は給電器11に交流電力を供給する。
【0013】
情報処理端末10は、2つの通信線2,3(
図2参照)によってカメラ14に接続されている。通信線2,3それぞれは、通信ケーブルA1、給電器11、通信ケーブルA2、第1保護装置12、通信ケーブルA3、第2保護装置13及び通信ケーブルA4の内部を通っている。従って、給電器11は2つの通信線2,3によってカメラ14に接続されている。第1保護装置12及び第2保護装置13は、給電器11及びカメラ14間に配置されている2つの通信線2,3それぞれの中途に配置されている。情報処理端末10は通信線2,3それぞれを介してカメラ14と通信する。
【0014】
通信線2には、2つの通信用導線2a,2bが含まれている。情報処理端末10及びカメラ14の一方は、通信線2を介して信号を送信する。情報処理端末10及びカメラ14の他方は、通信線2を介して信号を受信する。同様に、通信線3には、2つの通信用導線3a,3bが含まれている。情報処理端末10及びカメラ14の一方は、通信線3を介して信号を送信する。情報処理端末10及びカメラ14の他方は、通信線3を介して信号を受信する。通信用導線2a,2b,3a,3bそれぞれは、放電用導線B1,B2とは異なる。
【0015】
通信線2を介して信号を送信する送信装置は、通信用導線2a,2bに電圧を印加し、通信用導線2a,2b間の電圧差を種々の信号レベルに調整する。これにより、送信装置から、信号を受信する受信装置に差動信号が送信される。同様に、通信線3を介して信号を送信する送信装置は、通信用導線3a,3bに電圧を印加し、通信用導線3a,3b間の電圧差を種々の信号レベルに調整する。これにより、送信装置から受信装置に差動信号が送信される。
【0016】
カメラ14は、例えば防犯カメラである。カメラ14は例えば屋外に設置される。カメラ14は屋外の画像を周期的に撮影する。カメラ14が撮影する画像は、静止画像又は動画像である。カメラ14は、画像を撮影する都度、撮影した画像の画像データを含む差動信号を、通信線2又は通信線3を介して情報処理端末10に送信する。情報処理端末10はディスプレイを有する。情報処理端末10は、カメラ14から差動信号を受信する都度、受信した差動信号に含まれる画像データの画像をディスプレイに表示する。
【0017】
給電器11は、電源16から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を、通信線2,3を介してカメラ14に供給する。カメラ14に電力が供給されている場合、電流は、給電器11から通信用導線2a,2bを介してカメラ14に流れ、カメラ14から通信用導線3a,3bを介して給電器11に戻る。通信用導線2a,2b,3a,3bそれぞれは、通信を行うための導線としてだけではなく、カメラ14に電力を供給するための給電用導線としても機能する。
【0018】
給電器11は、例えばPoE給電を行う。PoEはPower over Ethernetの略語である。イーサネット(Ethernet)は登録商標である。PoE給電は、LANケーブルを介した給電である。
【0019】
図2は、第1保護装置12及び第2保護装置13の回路図である。前述したように、通信線2,3それぞれは、第1保護装置12、通信ケーブルA3及び第2保護装置13の内部を通っている。第2保護装置13は、第1保護装置12と同様に構成されている。第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、例えば、SPD(Surge protective device)である。
【0020】
第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは4つの第1ダイオードDa、4つの第2ダイオードDb及び放電器Fを有する。放電器Fは所謂アレスタである。第1保護装置12の放電器Fには、放電用導線B1が接続されている。第2保護装置13の放電器Fには、放電用導線B2が接続されている。各放電器Fは第1電極及び第2電極を有する。
【0021】
第1保護装置12では、4つの第1ダイオードDaそれぞれのアノードは、4つの通信用導線2a,2b,3a,3bの中途に接続されている。4つの第1ダイオードDaのカソードは放電器Fの第1電極に接続されている。4つの第2ダイオードDbそれぞれのカソードは、4つの通信用導線2a,2b,3a,3bの中途に接続されている。4つの第2ダイオードDbのアノードは放電器Fの第2電極に接続されている。第2保護装置13における4つの第1ダイオードDa、4つの第2ダイオードDb及び放電器Fの接続は、第1保護装置12における4つの第1ダイオードDa、4つの第2ダイオードDb及び放電器Fの接続と同様である。
【0022】
第1保護装置12の放電器Fでは、第1電極及び放電用導線B1間の電圧の絶対値が一定の電圧閾値以上となった場合、第1電極及び放電用導線B1間にアークが発生し、第1電極及び放電用導線B1を介して電流が流れる。第2電極及び放電用導線B1間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となった場合、第2電極及び放電用導線B1間にアークが発生し、第2電極及び放電用導線B1を介して電流が流れる。
【0023】
同様に、第2保護装置13の放電器Fでは、第1電極及び放電用導線B2間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となった場合、第1電極及び放電用導線B2間にアークが発生し、第1電極及び放電用導線B2を介して電流が流れる。第2電極及び放電用導線B2間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となった場合、第2電極及び放電用導線B2間にアークが発生し、第2電極及び放電用導線B1を介して電流が流れる。
【0024】
4つの通信用導線2a,2b,3a,3bに含まれる1つの対象導線の電圧が上昇したと仮定する。対象導線の電圧は、接地電位を基準電位とした電圧である。大地への接続によって接地が実現されている場合、接地電位は大地の電位である。第1保護装置12の近傍で対象導線の電圧が上昇した場合において、対象導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となったとき、第1保護装置12において、放電用導線B1と放電器Fの第1電極との間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となる。これにより、電流は、対象導線から第1ダイオードDa、放電器F及び放電用導線B1の順に流れる。結果、対象導線の電圧の絶対値は所定電圧以下に維持される。
【0025】
4つの通信用導線2a,2b,3a,3bに含まれる1つの対象導線の電圧が0V未満の電圧に低下したと仮定する。この場合において、対象導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となったとき、第1保護装置12において、放電用導線B1と放電器Fの第2電極との間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となる。これにより、電流は、放電用導線B1、放電器F、第2ダイオードDb及び対象導線の順に流れる。結果、対象導線の電圧の絶対値は所定電圧以下に維持される。
以上のように、第1保護装置12は、給電器11を、所定電圧を超える過電圧の印加から保護する。給電器11は第1電気機器として機能する。
【0026】
同様に、第2保護装置13の近傍で対象導線の電圧が上昇した場合において、対象導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となったとき、第2保護装置13において、放電用導線B2と放電器Fの第1電極との間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となる。これにより、電流は、対象導線から第1ダイオードDa、放電器F及び放電用導線B1の順に流れる。結果、対象導線の電圧の絶対値は所定電圧以下に維持される。
【0027】
4つの通信用導線2a,2b,3a,3bに含まれる1つの対象導線の電圧が0V未満の電圧に低下した場合において、対象導線の電圧の絶対値が所定電圧以上となったとき、第2保護装置13において、放電用導線B2と放電器Fの第2電極との間の電圧の絶対値が電圧閾値以上となる。これにより、電流は、放電用導線B1、放電器F、第2ダイオードDb及び対象導線の順に流れる。結果、対象導線の電圧の絶対値は所定電圧以下に維持される。
以上のように、第2保護装置13は、カメラ14を、絶対値が所定電圧を超える過電圧の印加から保護する。カメラ14は第2電気機器として機能する。
【0028】
例えば、通信ケーブルA3は屋外に配置されている。通信ケーブルA3の近傍において雷が発生した場合、通信ケーブルA3内の対象導線の電圧の絶対値が上昇する可能性がある。通信用導線2a,2b,3a,3bそれぞれの電圧の絶対値が所定電圧未満である場合、第1保護装置12又は第2保護装置13は、通信用導線2a,2b,3a,3bの電圧を低下させず、通信用導線2a,2b,3a,3bの電圧を維持する。
【0029】
試験システム1では、サージ発生装置15は、放電用導線B2に正又は負のサージ電圧を印加する。
図1では、正及び負のサージ電圧の波形が示されている。これらの波形に関して、縦軸には基準電位が接地電位である電圧が示されている。横軸には時間が示されている。正及び負のサージ電圧それぞれの波形では、電圧の絶対値が0Vから急速に上昇し、その後、電圧の絶対値は徐々に低下する。正のサージ電圧及び負のサージ電圧それぞれの絶対値は所定電圧を超える。サージ電圧として、絶対値が第1保護装置12及び第2保護装置13にとって許容される範囲の値である電圧が用いられる。例えば、サージ電圧として、絶対値の最大値が10kV以下である電圧が用いられる。許容される範囲であれば絶対値の最大値が10kV以上である電圧が用いられてもよい。
【0030】
サージ発生装置15が正又は負のサージ電圧を放電用導線B2に印加する。これにより、通信用導線2a,2b,3a,3b中の少なくとも1つにサージ電圧が印加された状態が実現される。サージ発生装置15が正のサージ電圧を放電用導線B2に印加した場合、
図2の実線の矢印で示すように、電流は、サージ発生装置15から、第2保護装置13の放電器F、第2保護装置13の第2ダイオードDb、通信用導線2a、第1保護装置12の第1ダイオードDa、第1保護装置12の放電器F及び大地の順に流れる。
図2では、通信用導線2aを介して流れる電流を示している。サージ発生装置15が正のサージ電圧を放電用導線B2に印加した場合、通信用導線2aを介して流れる電流と同様に、電流は、通信用導線2b,3a,3bそれぞれを介して流れる。
【0031】
サージ発生装置15が負のサージ電圧を放電用導線B2に印加した場合、
図2の破線の矢印で示すように、電流は、大地から、第1保護装置12の放電器F、第1保護装置12の第2ダイオードDb、通信用導線2a、第2保護装置13の第1ダイオードDa、第2保護装置13の放電器F及びサージ発生装置15の順に流れる。
図2では、通信用導線2aを介して流れる電流を示している。サージ発生装置15が負のサージ電圧を放電用導線B2に印加した場合、通信用導線2aを介して流れる電流と同様に、電流は、通信用導線2b,3a,3bそれぞれを介して流れる。
【0032】
試験者は、第2保護装置13が正常に動作しているか否かを確認するための試験を行う。試験者は、まず、給電器11を電源16に接続する。これにより、給電器11は、通信線2,3を介してカメラ14に電力を供給する。試験者は、情報処理端末10を操作することによって、情報処理端末10に種々の動作を指示する。試験者は、給電器11を電源16に接続した後、情報処理端末10に指示して、給電器11に向かってカメラ14から通信線2,3中の少なくとも一方を介して送信された差動信号を受信させる。試験者は、更に、情報処理端末10に指示して、受信した差動信号に含まれる画像データの画像をディスプレイに表示させる。
【0033】
試験者は、サージ発生装置15を操作することによって、サージ発生装置15に種々の動作を指示する。カメラ14から受信した差動信号に含まれる画像データの画像を情報処理端末10が表示している状態で、試験者は、サージ発生装置15に指示して、放電用導線B2に、正又は負のサージ電圧を印加させる。従って、情報処理端末10は、正又は負のサージ電圧が印加されている印加期間中に、給電器11に向かってカメラ14から、通信線2,3中の少なくとも一方を介して送信された差動信号を受信する。
【0034】
試験者は、カメラ14の動作に関して4つの判定基準のいずれに該当するかを決定する。1つ目の判定基準は、正常動作が行われていることを示す。試験システム1においては、情報処理端末10が表示している画像が乱れない場合、カメラ14の動作は1つ目の判定基準に該当する。
【0035】
2つ目の判定基準は、操作者の操作が必要ではない機能の一時的喪失、又は、操作者の操作が必要ではない性能の一時的低下を示す。試験システム1においては、情報処理端末10が表示している画像の更新が一時的に停止する。しかしながら、試験者が情報処理端末10又はカメラ14を操作する前に情報処理端末10が画像の更新を再開した場合、カメラ14の動作は2つ目の判定基準に該当する。
【0036】
3つ目の判定基準は、操作者の操作が必要である機能の一時的喪失、又は、操作者の操作が必要である性能の一時的低下を示す。試験システム1においては、情報処理端末10が表示している画像の更新が停止する。しかしながら、試験者が情報処理端末10又はカメラ14を操作した場合、情報処理端末10が画像の更新を再開する。この場合、カメラ14の動作は3つ目の判定基準に該当する。
【0037】
4つ目の判定基準は、機器への永久的損失を伴う機能の喪失を示す。試験システム1においては、情報処理端末10が画像の表示を停止する。更に、試験者が情報処理端末10又はカメラ14を操作した場合であっても、情報処理端末10は画像の表示を再開しない。この場合、カメラ14の動作は4つ目の判定基準に該当する。
【0038】
例えば、カメラ14の動作が1つ目から3つ目の判定基準の1つに該当する場合、試験者は、第2保護装置13が正常に動作していると判定する。カメラ14の動作が4つ目の判定基準の1つに該当する場合、試験者は、第2保護装置13が正常に動作していると判定する。
【0039】
以上のように、試験者は、正又は負のサージ電圧の印加期間中に、情報処理端末10がカメラ14から受信した差動信号に含まれる画像データに基づいて、第2保護装置13が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0040】
(実施の形態2)
実施の形態1では、放電用導線B2に正又は負のサージ電圧を印加することによって試験が行われている。しかしながら、放電用導線B1に正又は負のサージ電圧を印加することによって試験を行ってもよい。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通しているため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図3は、実施の形態2における試験システム1の要部構成を示すブロック図である。実施の形態1,2を比較した場合、サージ発生装置15の接続場所が異なる。実施の形態2では、第1保護装置12は、放電用導線B1によってサージ発生装置15に接続されている。給電器11は放電用導線B1の中途に接続されている。サージ発生装置15は接地されている。第2保護装置13に接続されている放電用導線B2は接地されている。カメラ14は放電用導線B2の中途に接続されている。
【0042】
実施の形態2では、サージ発生装置15は、放電用導線B1に正又は負のサージ電圧を印加する。実施の形態2において、放電用導線B1に正のサージ電圧が印加された場合に流れる電流は、実施の形態1において、放電用導線B2に負のサージ電圧が印加された場合に流れる電流と同様に流れる。実施の形態2において、放電用導線B1に負のサージ電圧が印加された場合に流れる電流は、実施の形態1において、放電用導線B2に正のサージ電圧が印加された場合に流れる電流と同様に流れる。
【0043】
実施の形態2では、試験者は、第1保護装置12が正常に動作しているか否かを確認するための試験を行う。実施の形態2の試験方法は実施の形態1の試験方法と同様である。従って、試験者は給電器11を電源16に接続する。次に、試験者は、情報処理端末10に指示して、給電器11に向かってカメラ14から通信線2,3中の少なくとも一方を介して送信された差動信号を受信させる。試験者は、更に、情報処理端末10に指示して、受信した差動信号に含まれる画像データの画像をディスプレイに表示させる。カメラ14から受信した差動信号に含まれる画像データの画像を情報処理端末10が表示している状態で、試験者は、サージ発生装置15に指示して、放電用導線B1に、正又は負のサージ電圧を印加させる。従って、情報処理端末10は、正又は負のサージ電圧が印加されている印加期間中に、給電器11に向かってカメラ14から、通信線2,3中の少なくとも一方を介して送信された差動信号を受信する。
【0044】
試験者は、情報処理端末10の動作に関して4つの判定基準のいずれに該当するかを決定する。4つの判定基準は実施の形態1で述べた通りである。
【0045】
以上のように、試験者は、正又は負のサージ電圧の印加期間中に、情報処理端末10がカメラ14から受信した差動信号に含まれる画像データに基づいて、第1保護装置12が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0046】
(実施の形態3)
実施の形態1では、第2保護装置13に接続される電気機器はカメラ14である。しかしながら、第2保護装置13に接続される電気機器はカメラ14に限定されない。
以下では、実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通しているため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図4は、実施の形態3における試験システム1の要部構成を示すブロック図である。実施の形態1,3を比較した場合、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれに接続されている電気機器が異なる。実施の形態3における試験システム1は、給電器11の代わりにアンプ17を備え、カメラ14の代わりにスピーカ18を備える。アンプ17及びスピーカ18は電気機器である。情報処理端末10は、通信ケーブルA1によってアンプ17に接続に接続されている。アンプ17は、通信ケーブルA2によって第1保護装置12に接続されている。アンプ17は放電用導線B1の中途に接続されている。第2保護装置13は、通信ケーブルA4によってスピーカ18に接続されている。スピーカ18は放電用導線B2の中途に接続されている。スピーカ18は、例えば屋外に設置されている。スピーカ18は、例えば、防災に関する音声を出力する。第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、アンプ17及びスピーカ18を過電圧の印加から保護する。アンプ17及びスピーカ18それぞれは、第1電気機器及び第2電気機器として機能する。
【0048】
実施の形態3では通信線3は設けられておらず、情報処理端末10は通信線2によってスピーカ18に接続されている。通信線2は、通信ケーブルA1、アンプ17、通信ケーブルA2、第1保護装置12、通信ケーブルA3、第2保護装置13及び通信ケーブルA4の内部を通っている。従って、アンプ17は通信線2によってスピーカ18に接続されている。情報処理端末10は、通信線2を介して、音声信号をスピーカ18に連続して送信する。音声信号は例えばアナログ信号である。通信用導線2bが基準電位である電圧を通信用導線2aに印加する。これにより、音声信号は通信線2を介して送信される。通信用導線2aに印加される電圧波形は音声に対応する。
【0049】
なお、試験システム1が備えるスピーカ18の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。試験システム1が備えるスピーカ18の数が2である場合、情報処理端末10は、実施の形態1で述べた通信線3によって、2つ目のスピーカ18に接続されている。通信線3は、通信ケーブルA1、アンプ17、通信ケーブルA2、第1保護装置12、通信ケーブルA3、第2保護装置13及び通信ケーブルA4の内部を通っている。従って、アンプ17は通信線3によって、2つ目のスピーカ18に接続されている。通信用導線3bが基準電位である電圧を通信用導線3aに印加する。これにより、音声信号は通信線3を介して送信される。通信用導線3aに印加される電圧波形は音声に対応する。
【0050】
通信線の数が1である場合、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれでは、第1ダイオードDa及び第2ダイオードDbそれぞれの数は2である。通信用導線2a,2bそれぞれに接続される2つの第1ダイオードDaと、通信用導線2a,2bそれぞれに接続される2つの第2ダイオードDbとが配置されている。通信線の数が2である場合、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、実施の形態1と同様に構成されている。なお、通信線2,3それぞれに含まれる通信用導線の数は、2に限定されず、3以上であってもよい。
【0051】
アンプ17は、通信線2を介して情報処理端末10から入力された音声信号の強度を増幅し、強度が増幅された音声信号を、通信線2を介してスピーカ18に送信する。通信線の数が2である場合、同様に、アンプ17は、通信線3を介して情報処理端末10から入力された音声信号の強度を増幅し、強度が増幅された音声信号を、通信線3を介して2つ目のスピーカ18に送信する。スピーカ18は、情報処理端末10から音声信号を受信した場合、受信した音声信号の音声を出力する。情報処理端末10は、例えばマイクを有する。情報処理端末10は、例えば、マイクが集めた音声の音声信号を、アンプ17を介してスピーカ18に送信する。
【0052】
試験者は、第2保護装置13が正常に動作しているか否かを確認するための試験を行う。試験者は、まず、情報処理端末10に指示して、音声信号を連続してスピーカ18に送信させる。前述したように、スピーカ18は、音声信号を受信した場合、音声信号の音声を出力する。
【0053】
情報処理端末10がスピーカ18に音声信号を連続して送信している状態で、試験者は、サージ発生装置15に指示して、放電用導線B2に、正又は負のサージ電圧を印加させる。従って、情報処理端末10は、正又は負のサージ電圧が印加されている印加期間中に通信線2,3中の少なくとも一方を介してスピーカ18に音声信号を連続して送信する。
【0054】
試験者は、実施の形態1と同様に、スピーカ18の動作に関して4つの判定基準のいずれに該当するかを決定する。試験システム1においては、スピーカ18が出力している音声が途切れない場合、スピーカ18の動作は1つ目の判定基準に該当する。
【0055】
試験システム1においては、スピーカ18からの音声の出力が一時的に停止する。しかしながら、試験者が情報処理端末10又はスピーカ18を操作する前にスピーカ18が音声の出力を再開した場合、スピーカ18の動作は2つ目の判定基準に該当する。
【0056】
試験システム1においては、スピーカ18からの音声の出力が停止する。しかしながら、試験者が情報処理端末10又はスピーカ18を操作した場合、スピーカ18が音声の出力を再開する。この場合、スピーカ18の動作は3つ目の判定基準に該当する。
【0057】
試験システム1においては、スピーカ18からの音声の出力が停止する。更に、試験者が情報処理端末10又はスピーカ18を操作した場合であっても、スピーカ18は音声の出力を再開しない。この場合、スピーカ18の動作は4つ目の判定基準に該当する。
【0058】
以上のように、試験者は、正又は負のサージ電圧の印加期間中のスピーカ18の動作に基づいて、第2保護装置13が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0059】
(実施の形態4)
実施の形態3では、放電用導線B2に正又は負のサージ電圧を印加することによって試験が行われている。しかしながら、放電用導線B1に正又は負のサージ電圧を印加することによって試験を行ってもよい。
以下では、実施の形態4について、実施の形態3と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態3と共通しているため、実施の形態3と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図5は、実施の形態4における試験システム1の要部構成を示すブロック図である。実施の形態3,4を比較した場合、サージ発生装置15の接続場所が異なる。実施の形態4では、第1保護装置12は、放電用導線B1によってサージ発生装置15に接続されている。アンプ17は放電用導線B1の中途に接続されている。サージ発生装置15は接地されている。第2保護装置13に接続されている放電用導線B2は接地されている。スピーカ18は放電用導線B2の中途に接続されている。
【0061】
実施の形態4では、サージ発生装置15は、放電用導線B1に正又は負のサージ電圧を印加する。実施の形態4において、放電用導線B1に正のサージ電圧が印加された場合、電流は実施の形態2と同様に流れる。放電用導線B1に負のサージ電圧が印加された場合も、電流は実施の形態2と同様に流れる。
【0062】
実施の形態4では、試験者は、第1保護装置12が正常に動作しているか否かを確認するための試験を行う。実施の形態4の試験方法は実施の形態3の試験方法と同様である。従って、試験者は、情報処理端末10に指示して、音声信号をスピーカ18に連続して送信させる。スピーカ18は、音声信号を受信した場合、受信した音声信号の音声を出力する。スピーカ18が音声を出力している状態で、試験者は、サージ発生装置15に指示して、放電用導線B1に、正又は負のサージ電圧を印加させる。従って、情報処理端末10は、正又は負のサージ電圧が印加されている印加期間中に、通信線2又は通信線3を介してスピーカ18に音声信号を連続して送信する。
【0063】
試験者は、実施の形態3と同様に、情報処理端末10の動作に関して4つの判定基準のいずれに該当するかを決定する。4つの判定基準は実施の形態1で述べた通りである。
【0064】
以上のように、試験者は、正又は負のサージ電圧の印加期間中のスピーカ18の動作に基づいて、第1保護装置12が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0065】
実施の形態1,2において、第2保護装置13に接続される第2電気機器は、情報処理端末10に信号を送信する機器であれば、問題はない。このため、第2保護装置13に接続される第2電気機器はカメラ14に限定されない。実施の形態3,4において、第2保護装置13に接続される第2電気機器は、情報処理端末10から信号を受信する機器であれば、問題はない。このため、第2保護装置13に接続される第2電気機器はスピーカ18に限定されない。実施の形態3,4において、実施の形態1と同様に、通信線2,3を介して、第2電気機器に電力が供給されてもよい。
【0066】
実施の形態1~4において、情報処理端末10及び第2電気機器間に接続される通信線の数は、2に限定されず、1又は3以上であってもよい。第1ダイオードDa及び第2ダイオードDbそれぞれの数は、情報処理端末10及び第2電気機器間に接続される通信用導線の数と一致する。
【0067】
実施の形態1,2において、通信線に含まれる通信用導線は、給電用導線を兼ねている。しかしながら、通信用導線とは別に、給電用導線が給電器11及び第2電気機器間に接続されてもよい。給電器11は、給電用導線を介して直流電力を第2電気機器に供給する。この場合、例えば、電流は、給電器11から2つの給電用導線を介して第2電気機器に流れ、第2電気機器から、前述した2つの給電用導線とは異なる2つの給電用導線を介して給電器11に戻る。
【0068】
通信用導線とは別に、給電用導線が給電器11及び第2電気機器間に接続されている場合、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、通信用導線の電圧の絶対値と同様に、給電用導線の電圧の絶対値を所定電圧以下に維持する。この場合、第1ダイオードDa及び第2ダイオードDbそれぞれの数は、情報処理端末10及び第2電気機器間に接続される通信用導線の数と給電用導線の数との合計に一致する。各第1ダイオードDaのアノードは通信用導線又は給電用導線に接続される。各第2ダイオードDbのカソードも通信用導線又は給電用導線に接続される。
【0069】
実施の形態1,2において、電気機器に電力を供給する電源が第2電気機器の近傍に配置されている場合、試験システム1の構成は、給電器11が給電機能の無い通信インターフェースとしての第1電気機器又は、給電器11が除かれた構成であってもよい。給電器11が除かれた構成の場合、情報処理端末10は、通信ケーブルA1によって第1保護装置12に接続される。第2電気機器には、第2電気機器の近傍に配置されている電源から電力が供給される。給電器11が除かれた構成では、第1保護装置12は情報処理端末10を過電圧の印加から保護する。この場合、情報処理端末10は、信号を受信する装置としてだけではなく、第1電気機器としても機能する。
【0070】
実施の形態3,4において、情報処理端末10又はスピーカ18がアンプを内蔵している場合、試験システム1の構成は、アンプ17が除かれた構成であってもよい。この場合、情報処理端末10は、通信ケーブルA1によって第1保護装置12に接続される。アンプ17が除かれた構成では、第1保護装置12は情報処理端末10を過電圧の印加から保護する。この場合、情報処理端末10は、信号を送信する装置としてだけではなく、第1電気機器としても機能する。
【0071】
実施の形態1~4において、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれは、通信用導線又は給電用導線の電圧が絶対値が所定電圧以上となった場合に放電用導線B1,B2を介して電流を流す装置であれば問題はない。このため、第1保護装置12及び第2保護装置13それぞれの構成は、第1ダイオードDa、第2ダイオードDb及び放電器Fを含む構成に限定されない。
【0072】
実施の形態1~4で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
開示された実施の形態1~4はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 試験システム、2,3 通信線、2a,2b,3a,3b 通信用導線(給電用導線)、10 情報処理端末、11 給電器(第1電気機器)、12 第1保護装置、13 第2保護装置、14 カメラ(第2電気機器)、15 サージ発生装置、17 アンプ(第1電気機器)、18 スピーカ(第2電気機器)、B1,B2 放電用導線、Da 第1ダイオード、Db 第2ダイオード、F 放電器