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特開2023-136320コンデンサ及びコンデンサの製造方法
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  • 特開-コンデンサ及びコンデンサの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136320
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】コンデンサ及びコンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/228 20060101AFI20230922BHJP
   H01G 4/224 20060101ALI20230922BHJP
   H01G 4/32 20060101ALI20230922BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20230922BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20230922BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01G4/228 S
H01G4/224 200
H01G4/32 301F
H01G4/32 531
H01G4/32 540
H01G4/32 305Z
H01G4/32 311Z
H01G4/38 A
H01G2/10 K
H01G2/02 101E
H01G4/228 J
H01G4/228 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041863
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】390022460
【氏名又は名称】株式会社指月電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 利晃
(72)【発明者】
【氏名】岡部 勇太
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AB05
5E082BC38
5E082CC06
5E082EE07
5E082EE23
5E082FF05
5E082FG06
5E082FG34
5E082GG08
5E082GG25
5E082GG30
5E082HH28
5E082LL13
(57)【要約】
【課題】治具による設計制約を解決しながら、各部品の位置決めができるコンデンサを提供する。
【解決手段】コンデンサ素子2と、絶縁部材4と、バスバー3とを備えており、前記絶縁部材4が、コンデンサ素子2の位置決めをするコンデンサ素子位置決め手段と、バスバーの位置決めをするバスバー位置決め手段とを備えている。コンデンサ素子位置決め手段が、コンデンサ素子2を積載することで位置決めを行うことができる積載部41であり、バスバー位置決め手段が、バスバー3を固定することで位置決めと固定とを行うことができる固定部42である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子と、絶縁部材と、バスバーとを備えており、
前記絶縁部材が、コンデンサ素子の位置決めをするコンデンサ素子位置決め手段と、バスバーの位置決めをするバスバー位置決め手段とを備えていることを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
コンデンサ素子位置決め手段が、コンデンサ素子を積載することで位置決めを行うことができる積載部であり、
バスバー位置決め手段が、バスバーを固定することで位置決めと固定とを行うことができる固定部である、請求項1記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記絶縁部材が、コンデンサ素子を被覆する充填樹脂に全て埋設している、請求項1又は2記載のコンデンサ。
【請求項4】
絶縁部材のコンデンサ素子位置決め手段でコンデンサ素子の位置決めをした後、絶縁部材のバスバー位置決め手段でバスバーの位置決めをし、バスバーの素子接続部をコンデンサ素子の電極面に接続する、コンデンサの製造方法。
【請求項5】
絶縁部材の積載部にコンデンサ素子を積載して位置決めをした後、バスバーを絶縁部材の固定部に固定、位置決めをし、バスバーの素子接続部をコンデンサ素子の電極面に接続する、コンデンサの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁部材を備えたコンデンサ及びコンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、コンデンサは、コンデンサ素子やバスバー、絶縁部材等を複雑に組み合わせて製造するため、治具を使用して各部品の位置決めをしている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-226079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各部品が治具に位置決めされることを前提に設計しなければならず、設計制約が多い。特にバスバーにおいては、治具を避けつつコンデンサ素子の電極面に接続しなければならないため、複雑な形状にできなかったり、面積を減らさなければならないという課題があった。
【0005】
本発明は、治具による設計制約を解決しながら、各部品の位置決めができるコンデンサと、その製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のコンデンサは、コンデンサ素子2と、絶縁部材4と、バスバー3とを備えており、前記絶縁部材4が、コンデンサ素子2の位置決めをするコンデンサ素子位置決め手段と、バスバー3の位置決めをするバスバー位置決め手段とを備えていることを特徴としている。
【0007】
コンデンサ素子位置決め手段が、コンデンサ素子2を積載することで位置決めを行うことができる積載部41であり、バスバー位置決め手段が、バスバー3を固定することで位置決めと固定とを行うことができる固定部42であることが好ましい。
【0008】
また、前記絶縁部材4が、コンデンサ素子2を被覆する充填樹脂6に全て埋設していることが好ましい。
【0009】
本発明のコンデンサの製造方法は、絶縁部材4のコンデンサ素子位置決め手段でコンデンサ素子2の位置決めをした後、絶縁部材4のバスバー位置決め手段でバスバー3の位置決めをし、バスバー3の素子接続部34(38)をコンデンサ素子2の電極面2a(2b)に接続することを特徴としている。
【0010】
また、本発明のコンデンサの別の製造方法は、絶縁部材4の積載部41にコンデンサ素子2を積載して位置決めをした後、バスバー3を絶縁部材4の固定部42に固定、位置決めをし、バスバー3の素子接続部34(38)をコンデンサ素子2の電極面2a(2b)に接続することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコンデンサでは、絶縁部材によってコンデンサ素子とバスバーとの相互の位置決めを行うことができる。
【0012】
上記コンデンサにおいて、コンデンサ素子位置決め手段が、コンデンサ素子を積載することで位置決めを行うことができる積載部であり、バスバー位置決め手段が、バスバーを固定することで位置決めと固定とを行うことができる固定部42である場合、簡単な構成でコンデンサ素子とバスバーとの相互の位置決めを行うことができる。
【0013】
絶縁部材が、コンデンサ素子を被覆する充填樹脂に全て埋設している場合、絶縁部材が充填樹脂から突出していることに起因する充填樹脂表面のひび割れを防ぐことができる。
【0014】
本発明のコンデンサの製造方法では、絶縁部材によってコンデンサ素子とバスバーとの相互の位置決めが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施形態に係るコンデンサを示す分解斜視図である。
図2】絶縁部材にコンデンサ素子を積載した状態を示す斜視図である。
図3】コンデンサ素子に第1バスバーを接続した状態を示す斜視図である。
図4】コンデンサ素子に第2バスバーを接続した状態を示す斜視図である。
図5】コンデンサの断面図である。
図6】絶縁部材の変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明のコンデンサの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。このコンデンサ1は、図1図4に示すように、コンデンサ素子2と、コンデンサ素子2に接続されるバスバー3と、コンデンサ素子2とバスバー3とを絶縁する絶縁部材4とを備えている。また、コンデンサ素子2を収容するケース5と、ケース5内に充填される充填樹脂6とをさらに備えている(図5参照)。以下、上記各部品について説明するが、「上下」「左右」「前後」の概念は、絶縁部材4にコンデンサ素子2を積載する際の上下、左右、前後を基準としたものであり、必ずしも使用時の上下を規定するものではない。なお、図5においては図1図4と異なり上下を反転している。
【0017】
まず絶縁部材4について説明する。図1に示すように、絶縁部材4は、平板状の底部41aと、底部41aの外縁から立ち上がる縁部41bと、縁部41b内を仕切る仕切り壁41cとを備えている。縁部41bと仕切り壁41cの立ち上がり量はコンデンサ素子2の軸方向長さに比べて小さく、例えばコンデンサ素子2の軸方向長さのおよそ1/5~6である。長手側の縁部41b、41b間の前後方向の間隔、短手側の縁部41bと仕切り壁41cの左右方向の間隔、仕切り壁41c、41c間の左右方向の間隔は、いずれもコンデンサ素子2の積載部41に積載される部位(端部)の外寸と同じか若しくは僅かに小とされている。縁部41bと仕切り壁41cとで囲まれた部分がコンデンサ素子2を積載する積載部41となる。換言すれば、積載部41が、底部41aと、縁部41bと、仕切り壁41cとを備えているとも言える。積載部41はコンデンサ素子2の数に合わせて左右方向に一列に複数並んでおり、絶縁部材4は全体として略仕切り皿状とされている。
【0018】
絶縁部材4の長手側の外縁には、水平方向(前方)に突出する突起状の固定部42が複数設けられている。固定部42は平面視仕切り壁41cと同じ位置に設けられている。この固定部42は、後述する第1バスバー31のスリット32dと同じ幅又はやや大きな幅を有しており、スリット32dに嵌め込まれて、第1バスバー31の絶縁部材4への固定手段(バスバー固定手段)及び位置決め手段(バスバー位置決め手段)として機能する。底部41aには、後述するコンデンサ素子2の他方の電極面2bを露出させるための窓状の孔41a1が設けられている。
【0019】
この絶縁部材4は絶縁性の合成樹脂からなり、コンデンサ素子2を全ての積載部41に積載しても実質的に変形しない剛性と、固定部42を介して取り付けた第1バスバー31を保持することが可能な強度を有している。なお、天然樹脂やゴム、紙等、種々の絶縁性材料から構成することもできる。
【0020】
コンデンサ素子2は、例えば絶縁性のフィルム上に金属を蒸着した金属化フィルムを巻回したフィルムコンデンサであって、軸方向の両端部に電極面2a、2bが設けられている。このコンデンサ素子2は、軸方向から見ると俵状、具体的には4つのコーナー部にR(アール)が設けられており、軸方向外周面2cに平坦部2c1と曲面部2c2とを有している。
【0021】
バスバー3は、銅などの導電性の金属板を適宜折曲加工することで構成されている。バスバー3は、コンデンサ素子2の一方の電極面2aに接続される第1バスバー31と、他方の電極面2bに接続される第2バスバー35とを備えている。
【0022】
第1バスバー31は、コンデンサ素子2の一方の電極面2aを他方の電極面2b側に引き回すため、側面視略コ字状の基部32を備えている。上側の水平部32aには、コンデンサ素子2の一方の電極面2aと接続される舌状の素子接続部34が設けられている。下側の水平部32bからは、外部機器との接続に供される外部接続部33が下方向及び右方向に延びている。上下の水平部32a、32bを繋ぐ垂直部32cには、上下方向に延びるスリット32dが複数設けられている。このスリット32dの左右方向の位置は、スリット32dに固定部42を嵌め込んだ時に、第1バスバー31が絶縁部材4に対して所望の位置にくるように調整されている。
【0023】
第2バスバー35は、コンデンサ素子2の他方の電極面2bに沿う平板状の基部36を備えている。基部36には、コンデンサ素子2の他方の電極面2bと接続される平面視略T字状の素子接続部38が設けられている。外部機器との接続に供される外部接続部37は、基部36の長手の外縁から下方に延びている。外部接続部37は、第1バスバー31の外部接続部33と主に基端側において重なり合う。そのため、外部接続部33、37の間には、外部接続部33、37同士の電気的な接続を防ぐスペーサ7が設けられる。
【0024】
スペーサ7は板状であって、外縁を縁取るようにして立ち上がり部71が適宜設けられている。この立ち上がり部71は、外部接続部33、37間の沿面距離を稼ぐためのものである。スペーサ7は絶縁性の合成樹脂からなる。絶縁部材4と同材質としてもよい。ただ、絶縁部材4のように高い剛性や強度は必ずしも必要としない。
【0025】
ケース5は中空直方体状であり、図5に示すように、底面51と側面52とを有している。底面51と対向する面には、コンデンサ素子2を内部に収容し、外部接続部33、37を外部に引き出すための開口部53が設けられている。ケース5は合成樹脂からなるが、金属等、導電性の有無に拘わらず適宜変更可能である。
【0026】
充填樹脂6は絶縁性の樹脂である。熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂やシリコーン樹脂である。
【0027】
次に、コンデンサ1の製造方法について説明する。まず、図2に示すように、コンデンサ素子2の一方の電極面2aを上に、他方の電極面2bを下に向けつつ、他方の電極面2bが設けられている側の端部を積載部41に嵌め込むようにして、コンデンサ素子2を絶縁部材4に積載する。これにより、固定と同時にコンデンサ素子2の絶縁部材4に対する位置決めが行われる。具体的には、底部41aによって上下方向の位置決めが行われ、縁部41bと仕切り壁41cとによって前後左右方向の位置決めが行われる。要は、縁部41bと仕切り壁41cが、コンデンサ素子2の固定手段(コンデンサ素子固定手段)として機能するとともに、前後左右方向の位置決め手段(コンデンサ素子位置決め手段)として機能する。絶縁部材4への取り付けによって他方の電極面2bの大部分が底部41aに覆われるが、一部が底部41aに設けられた窓状の孔41a1から外部に露出する(図5参照)。
【0028】
全ての積載部41にそれぞれコンデンサ素子2を1つずつ積載して固定した後、次に、第1バスバー31を取り付ける。具体的には、第1バスバー31の垂直部32cを、一列に並んだ複数のコンデンサ素子2の側面に対向させた状態で、上下の水平部32a、32bの間にコンデンサ素子2と絶縁部材4とを入れ込むようにして取り付ける。この際、図3に示すように、スリット32dに固定部42を嵌め込むことで、第1バスバー31の絶縁部材4に対する左右方向の位置決めが行われる。要は、固定部42が左右方向の位置決め手段として機能する。なお、上下方向の位置決めは、上下の水平部32a、32bによって行われる。位置決め後、第1バスバー31の素子接続部34をコンデンサ素子2の一方の電極面2aとはんだ付け等によって接続する。コンデンサ素子2と第1バスバー31の双方が同じ絶縁部材4に固定、位置決めされていることから、接続作業を簡単且つ正確に行うことができる。なお、下側の水平部32bが他方の電極面2b側に位置するが、主に絶縁部材4の底部41aによって絶縁が確保される(図5参照)。
【0029】
次に、第2バスバー35の素子接続部38を、コンデンサ素子2の他方の電極面2bとはんだ付け等によって接続する。この際、図3及び図4に示すように、スペーサ7を外部接続部33、37間に介在させておく。また、図1図4では外部接続部33、37が下に向いているが、図5のように上下を反転させてからはんだ付け等を行うことが好ましい。これにより、コンデンサモジュールが完成する。
【0030】
そして図5に示すように、各外部接続部33、37が開口部53からケース5外に引き出されるようにして、上下反転させたコンデンサモジュールをケース5に収容するとともに、コンデンサ素子2を被覆するようにしてケース5内に充填樹脂6を充填し、充填樹脂6を硬化させることでコンデンサ1の製造が完了する。なお、充填樹脂6は、コンデンサ素子2が所望の耐湿性を確保できる量(厚さ)となるまで充填される。絶縁部材4は充填樹脂6に全て埋設されていることが好ましい。
【0031】
上記構成のコンデンサ1は、絶縁部材4によって、コンデンサ素子2と第1バスバー31との位置決めを行うことができるため、位置決めをするための治具を別途設ける必要が無い。また、コンデンサ素子2と、絶縁部材4と、第1バスバー31の3つの部品の位置関係が固定されるため、コンデンサ素子2の他方の電極面2bと第1バスバー31との絶縁を確実に確保することができる。また、治具は使いまわしを前提とするため、耐久性を確保するために硬い材質で作る必要があり、治具への固定に際してコンデンサ素子2やバスバー3が傷つく恐れがあるが、絶縁部材4は位置決めができる強度さえ有していればよいため、治具と比較して柔らかい材質で作ることができ、固定時のコンデンサ素子2やバスバーの傷つきを抑制することができる。
【0032】
図6は、絶縁部材4の異なる形態を示している。例えば、縁部41bや仕切り壁41cの一部を切り欠いて、平面視コンデンサ素子2の四方にのみ設ける(図6A参照)ようにしたり、平面視コンデンサ素子2の片側にのみ設ける(図6B参照)ようにしてもよい。
【0033】
また、縁部41bや仕切り壁41cに代えて、半球状やピン状等の突出部41dを、コンデンサ素子2の四方(図6C参照)、三方(図6D参照)、二方(図6E参照)に設けるようにしてもよい。
【0034】
また、コンデンサ素子2、2間に位置決め手段としての仕切り壁41cや突出部41dを設けず、複数のコンデンサ素子2をまとめたコンデンサ素子群の四方に位置決め手段を設けたり(要は、縁部41bのみを設ける:図6F参照)、複数のコンデンサ素子2を複数のグループに分け、グループの間に仕切り壁41cを設けてもよい(図6G参照)。
【0035】
また、各図に示す位置決め手段を適宜組み合わせてもよい。縁部41bや仕切り壁41c、突出部41dに係合爪を設けて、コンデンサ素子2を積載部41に積載するとコンデンサ素子2に係合するようにし、コンデンサ素子2の固定をより強固なものとしてもよい。
【0036】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、縁部41bや仕切り壁41cがコンデンサ素子2の固定手段として機能していたが、固定手段としての機能を持たせず、単に位置決め手段として機能させてもよい。例えば、縁部41bや仕切り壁41cの立ち上がり量が小さい場合や間隔がコンデンサ素子2の幅よりも僅かに広い場合、縁部41bや仕切り壁41cの内面とコンデンサ素子2の外面との間の摩擦力がコンデンサ素子2を絶縁部材4に固定できるほどに大きくならず又は生じず、位置決めはできるものの固定はできない状態となる。この場合、コンデンサ素子2を絶縁部材4に固定する固定手段を別途設けることが好ましい。例えば底部41aの上面に接着剤や粘着テープ等を付ければ固定手段となる。
【0037】
また、固定部42が固定手段として機能していたが、固定手段としての機能を持たせず、単に位置決め手段として機能させてもよい。例えば、固定部42の横幅がスリット32dの横幅よりも僅かに小さい場合、固定部42の外面とスリット32dの内面との間の摩擦力が、第1バスバー31を固定できるほどに大きくならず又は生じず、位置決めはできるものの固定はできない状態となる。この場合、第1バスバー31を絶縁部材4に固定する固定手段を別途設けることが好ましい。例えば底部41aの下面に接着剤や粘着テープ等を付ければ固定手段になる。
【0038】
また、上記実施形態では、固定部42をスリット32dに嵌め込むことで、第1バスバー31を絶縁部材4に固定していた(雄雌型)が、絶縁部材4に切れ込みを設け、第1バスバー31をスライドさせて切れ込みに差し込むスライド形式等を採用してもよい。すなわち、切れ込みを固定部42としてもよい。また、固定部42に接着剤や粘着テープ等を付けてより強固に固定してもよい。
【0039】
また、固定部42を介して第1バスバー31を絶縁部材4に固定したが、第2バスバー35を固定してもよいし、両方を固定してもよい。例えば第2バスバー35用の固定部42を設けてもよい。この場合、第1バスバー31と第2バスバー35の相互の位置決めも可能になる。
【0040】
孔41a1は、1つのコンデンサ素子2に1つ設けられていたが、複数のコンデンサ素子2に対して1つ設けるようにしてもよい。形状も第2バスバー35との接続が行えるものであれば適宜変更可能である。また、図5のコンデンサ1はいわゆるケースモールドコンデンサであるが、金型に充填樹脂6を充填した後に離型するケースレスコンデンサとしてもよい。コンデンサ素子2は、フィルムコンデンサに限らずセラミックコンデンサ等の種々のコンデンサ素子を使用可能である。樹脂被覆も必ずしも必要としない。形状についても円柱状や角柱状など種々の形状を採用し得る。大きさや用途も問わない。形状や大きさ、用途、種類の異なるコンデンサ素子を同一のケース5に収容してもよい。個数においても適宜変更可能であって1個でもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 コンデンサ
2 コンデンサ素子
2a 一方の電極面
2b 他方の電極面
2c 軸方向外周面
2c1 平坦部
2c2 曲面部
3 バスバー
31 第1バスバー
32 基部
32a 上側の水平部
32b 下側の水平部
32c 垂直部
32d スリット
33 外部接続部
34 素子接続部
35 第2バスバー
36 基部
37 外部接続部
38 素子接続部
4 絶縁部材
41 積載部
41a 底部
41a1 孔
41b 縁部
41c 仕切り壁
41d 突出部
42 固定部
5 ケース
51 底面
52 側面
53 開口部
6 充填樹脂
7 スペーサ
71 立ち上がり部

図1
図2
図3
図4
図5
図6