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▶ 株式会社川口技研の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136399
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】吊掛装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/12 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
D06F57/12 R
D06F57/12 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042053
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000148070
【氏名又は名称】株式会社川口技研
(72)【発明者】
【氏名】石塚 涼
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知也
(57)【要約】
【課題】吊下具の下端部に、吊掛棒の両端を1人で簡単に吊り下げて支持することができ、かつ、使用状態では吊掛棒が容易に落下せず、体裁も良好な吊掛装置を提供する。
【解決手段】
吊掛装置は、天井Cに取り付けられる一対の支持具1・1にそれぞれ吊下具2・2を着脱可能に取り付け、この吊下具2・2に吊掛棒3を着脱可能に取り付けて構成され、吊掛棒3に洗濯物を掛けたハンガー等を掛けて使用するものである。支持具1・1に対して吊下具2・2を着脱する機構については、種々の公知の機構が適用可能であり、吊下具2・2の下端部には挿入具4・4を取り付け、吊掛棒3の両端部には保持具5・5を取り付けてあり、挿入具4・4に保持具5・5を着脱可能に取り付けることによって、吊掛棒3は吊下具2・2に対して着脱可能になるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒天や室内の天井等に取り付けられる一対の支持具にそれぞれ吊下具を設け、吊下具に吊掛棒を着脱可能に取り付けられる吊掛装置において、吊下具の下端部には、吊掛棒を吊り下げて支持する挿入具を設け、吊掛棒の両端部に設けた保持具には、挿入具を内部に収容する中空の収容部を有し、端面に外方に開口する挿脱口と上面に連通孔をそれぞれ設けて両者を連通するように構成し、収容部の挿脱口近傍には挿脱口の少なくとも一部を開閉するロック具を回転可能に設け、ロック具は、操作部と抜止部から成り、挿脱口を抜止部が閉鎖する方向へ回転するよう付勢されていると共に、操作部で開放する方向へ回転可能に設けて成り、ロック具が閉鎖する方向に回転すると、保持具に設けた受止部に当接して挿脱口の少なくとも一部を塞ぐことができ、挿入具を挿脱口から挿入するとロック具を押し込んで回転させて倒し収容部に収容することができ、挿入具の収容後は、付勢されているロック具が挿脱口を閉鎖する方向へ回転して受止部に当接し、挿脱口の少なくとも一部を塞ぐよう構成され、挿入具は、ロック具に当接して挿脱口から離脱不能となると共に、操作部を操作してロック具を開放する方向に回転させて倒すことによって挿脱口から離脱可能となり、吊下具に吊掛棒を着脱可能に取り付けられることを特徴とする吊掛装置。
【請求項2】
挿入具は、軸部の先端に略円柱体を前後方向に突出させた係合部を設けた形状であることを特徴とする請求項1記載の吊掛装置。
【請求項3】
挿入具は、軸部の先端に上半部が略半球状になった係合部を設けた形状であることを特徴とする請求項1記載の吊掛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒天や室内の天井等に設けた一対の吊下具に、物干し竿として使用可能な吊掛棒を着脱可能に取り付けて、洗濯物やハンガー等を掛けて使用する吊掛装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内の天井に取り付けられた一対の吊下具に、物干し竿を着脱可能に取り付けて、洗濯物やハンガー等を掛けて使用する吊掛装置として、特開2004-222841号公報に記載された発明(従来例)が提案されている。
【0003】
上記従来例は、室内の天井に取り付けられた一対の吊下具の下端部にリングを設けて、その2つのリングに物干し竿の両端部を差し込んで支持させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-222841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例においては、リングに物干し竿を挿入する際に、リングを持って物干し竿を挿入しようとすると、物干し竿を水平に近い状態にしなければならず、片手で長い物干し竿を水平状態に維持するのは容易ではなく、その挿入する操作は難しいという問題があった。さらに、使用状態では容易に物干し竿がリングから離脱して落下してしまうという問題や、物干し竿が両リングの外方に突出して体裁が悪いという問題があった。
本発明は、吊下具の下端部に、吊掛棒を1人で簡単に着脱することができ、かつ、使用状態では吊掛棒が容易に落下せず、体裁も良好な吊掛装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、請求項1記載の発明においては、軒天や室内の天井等に取り付けられる一対の支持具にそれぞれ吊下具を設け、吊下具に吊掛棒を着脱可能に取り付けられる吊掛装置において、吊下具の下端部には、吊掛棒を吊り下げて支持する挿入具を設け、吊掛棒の両端部に設けた保持具には、挿入具を内部に収容する中空の収容部を有し、端面に外方に開口する挿脱口と上面に連通孔をそれぞれ設けて両者を連通するように構成し、収容部の挿脱口近傍には挿脱口の少なくとも一部を開閉するロック具を回転可能に設け、ロック具は、操作部と抜止部から成り、挿脱口を抜止部が閉鎖する方向へ回転するよう付勢されていると共に、操作部で開放する方向へ回転可能に設けて成り、ロック具が閉鎖する方向に回転すると、保持具に設けた受止部に当接して挿脱口の少なくとも一部を塞ぐことができ、挿入具を挿脱口から挿入するとロック具を押し込んで回転させて倒し収容部に収容することができ、挿入具の収容後は、付勢されているロック具が挿脱口を閉鎖する方向へ回転して受止部に当接し、挿脱口の少なくとも一部を塞ぐよう構成され、挿入具は、ロック具に当接して挿脱口から離脱不能となると共に、操作部を操作してロック具を開放する方向に回転させて倒すことによって挿脱口から離脱可能となり、吊下具に吊掛棒を着脱可能に取り付けられることを特徴とする吊掛装置であり、請求項2記載の発明においては、挿入具は、軸部の先端に略円柱体を前後方向に突出させた係合部を設けた形状であることを特徴とする請求項1記載の吊掛装置であり、請求項3記載の発明においては、挿入具は、軸部の先端に上半部が略半球状になった係合部を設けた形状であることを特徴とする請求項1記載の吊掛装置である。
【発明の効果】
【0007】
以上のように請求項1記載の発明によれば、吊下具に吊掛棒を簡単に取り付けられて、使用状態では吊掛棒は容易に落下することがないという効果がある。また、使用状態で吊掛棒が両端部の吊下具の外方にほとんど突出しないようにすることができ、体裁が良好であるという効果がある。
また、請求項2記載の発明によれば、挿入具が軸部の先端に円柱体を前後方向に突出させた係合部を設けた形状であるので、挿入具を挿脱口に挿入・離脱する際に、正面視で吊下具と吊掛棒の成す角度が直角でなくてもよく、吊掛棒を片手で水平に近い状態に維持する必要がなく、挿入しやすく外しやすいという効果があり、また、使用状態では、吊掛棒は、その長軸周りに回りにくくなっており、傾いたままになって体裁が悪くなることが少ないという効果がある。
さらに、請求項3記載の発明によれば、挿入具が軸部の先端に上半部が略半球状になった係合部を設けた形状であるので、挿入具を挿脱口に挿入・離脱する際に、正面視で吊下具と吊掛棒の成す角度が直角でなくてもよいし、さらに平面視で吊掛棒が真っ直ぐでなくてもよく、いろいろな方向からより挿入しやすく外しやすいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1であって、使用状態を示す全体正面図。
図2】本発明の実施例1であって、使用状態の要部を示す斜視図。
図3】本発明の実施例1であって、挿入具が保持具から離脱した状態の要部を示す一部切り欠き斜視図。
図4図2の横断面図。
図5】本発明の実施例1であって、挿入具の係合部がロック具の抜止部に当接して保持具から離脱できない状態を示す横断面図。
図6】本発明の実施例1であって、挿入具の係合部でロック具の抜止部を押し込んで、挿入具を保持具の収容部へ挿入する前の状態を示す横断面図。
図7】本発明の実施例1であって、操作部でロック具を回転させ、挿入具を保持具から離脱する前の状態を示す横断面図。
図8】本発明の実施例1であって、吊掛棒の断面図。
図9】本発明の実施例2であって、挿入具が保持具から離脱した状態の要部を示す一部切り欠き斜視図。
【0009】
図1図8に基づいて、本発明の実施例1を説明する。
吊掛装置は、天井Cに取り付けられる一対の支持具1・1にそれぞれ吊下具2・2を着脱可能に取り付け、この吊下具2・2に吊掛棒3を着脱可能に取り付けて構成され、吊掛棒3に洗濯物を掛けたハンガー等を掛けて使用するものである。
【0010】
支持具1・1に対して吊下具2・2を着脱する機構については、種々の公知の機構が適用可能であり、吊下具2・2の下端部には挿入具4・4を取り付け、吊掛棒3の両端部には保持具5・5を取り付けてあり、挿入具4・4に保持具5・5を着脱可能に取り付けることによって、吊掛棒3は吊下具2・2に対して着脱可能になるように構成されている。以下詳しく説明する。
【0011】
断面円形パイプ状の吊下具2の下端には、四角錐台状の軸部4aの先端に円柱体を前後方向に突出させた係合部4bを設けた形状の挿入具4を取り付けてある。
保持具5は、挿入具4が内部に収容される収容部12を設け、外端面に、外方に開口すると共に上方は幅狭く開口している挿脱口8を設け、上面に、挿脱口8に連続して幅狭い開口とほぼ同じ幅で横長の連通孔9を設けてある。挿脱口8の上部には相対向するように内方に突出する受止部10・10を設けてある。なお、挿入具4や保持具5は別体でなくてもよい。
【0012】
また、保持具5の収容部12の挿脱口8の下部には、ロック具6が回転可能に取り付けられている。ロック具6は、円柱状で外周に滑り止めの凹凸を設けた操作部6aの外周から外方に突出する角板状の抜止部6bを設けた形状となっており、円柱状の操作部6aの中に軸7を通して、その軸7を保持具5の収容部12の前後板の下部に軸止めして取り付けてあり、軸7に巻き付けたばね11で挿脱口8方向へ付勢してある。そして、このロック具6は、ばね11の付勢力で抜止部6bが受止部10・10に当接して直立し挿脱口8の一部を塞ぐようになっていると共に、操作部6aで抜止部6bを収容部12の内方に回転して倒し挿脱口8を開放することができるようになっている。
【0013】
保持具5の収容部12の上内面には、横長の連通孔9の相対向する長辺に沿って、それぞれ3つの凹円弧状の係受部13・・・13を設けてある。なお、係受部13・・・13が、複数設けられているのは、支持具1の取付位置によって、使用状態において吊下具2が真っ直ぐ垂直にならない場合があり、それを回避して体裁を良好にするためである。
【0014】
吊掛棒3は、断面略四角形状の金属製で上面に合成樹脂製のカバー14を被着してあり、金属製のハンガー等を掛けた時に傷がつくのを防止している。
【0015】
使用するには、一対の支持具1・1にそれぞれ吊下具2・2を取り付け、吊掛棒3の一端部の保持具5の挿脱口8から、挿入具4をその係合部4bでロック具6の抜止部6bを押し倒して、内方に回転させて挿入すると(図6参照)、挿入具4の係合部4bがロック具6の抜止部6bから外れ、収容部12に収容されることになり、ロック具6はばね11の付勢力で外方へ回転して、受止部10・10に当接して直立状態に戻る。
【0016】
そして、吊下具2が真っ直ぐ垂直になるように挿入具4の係合部4bをいずれかの係受部13に係合させ、この操作を左右両方の吊下具2・2について行えば、吊掛棒3は吊下具2・2に吊り下げられて使用状態(図2及び図4参照)となる。この状態になると、挿入具4が挿脱口8から離脱する方向に移動しても、挿入具4の係合部4bは、ロック具6の抜止部6bに当接して、保持具5の挿脱口8から収容部12の外へ離脱して外れることがない(図5参照)。
【0017】
なお、挿入具4の係合部4bが、円柱体を前後方向に突出させた形状であるので、挿入具4を挿脱口8に挿入する際に、正面視で吊下具2と吊掛棒3の成す角度が直角でなくてもよく、吊掛棒を片手で水平に近い状態に維持する必要がなく、挿入しやすく外しやすいという効果があり、また、使用状態では、吊掛棒は、その長軸周りに回りにくくなっており、傾いたままになって体裁が悪くなることが少ないという効果がある。
【0018】
挿入具4を保持具5から外すには、ロック具6の操作部6aを回転操作してばね11の付勢力に抗して抜止部6bを内方に回転させて倒すと挿脱口8が開放され、挿入具4は、その係合部4bが保持具5の挿脱口8から外方へ離脱させることができるようになる(図7参照)。
【0019】
図9は、本発明の実施例2であって、挿入具24は、軸部24aの先端に、球体の下部を水平で平らに切除した係合部24bを設けた形状としたものであって、その余の構成・使用方法は実施例1と同様であるので省略する。
【符号の説明】
【0020】
1 支持具
2 吊下具
3 吊掛棒
4 挿入具
4a 軸部
4b 係合部
5 保持具
6 ロック具
6a 操作部
6b 抜止部
8 挿脱口
9 連通孔
10 受止部
12 収容部
24 挿入具
24a 軸部
24b 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9