(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136412
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】リールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A63F5/04 511Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042070
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】メイコーエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆史
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CC12
2C182DA47
(57)【要約】
【課題】リールテープの蛇行を抑止可能なリールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法を提供する。
【解決手段】リールテープ貼付装置であって、円環状フレームを有するホイールと円環状のリングとを同心状に対向配置された状態で回転することで、前記円環状フレームの周面と前記リングの周面とにリールテープを貼付する回転保持機構を備え、前記回転保持機構は、前記リングを保持する保持部と、前記リングを周方向と直交する軸方向に押さえるリングロック機構とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状フレームを有するホイールと円環状のリングとを同心状に対向配置された状態で回転することで、前記円環状フレームの周面と前記リングの周面とにリールテープを貼付する回転保持機構を備え、
前記回転保持機構は、
前記リングを保持する保持部と、
前記リングを周方向と直交する軸方向に押さえるリングロック機構と
を備える
リールテープ貼付装置。
【請求項2】
前記リングロック機構は、
前記リングの前記保持部と反対側の側面に当接する当接部と、
前記当接部を前記保持部に向けて付勢する付勢部と
を備える
請求項1記載のリールテープ貼付装置。
【請求項3】
前記リングロック機構は、前記保持部に固定されて前記当接部及び前記付勢部を支持する支持体を有し、
前記当接部は、前記軸方向に傾動可能に前記支持体に軸支されている
請求項2記載のリールテープ貼付装置。
【請求項4】
前記回転保持機構は、前記保持部における前記リングの取付箇所に沿って配列された複数の前記リングロック機構を備える請求項1~3のいずれか一項に記載のリールテープ貼付装置。
【請求項5】
複数の前記リングロック機構のうち少なくとも1つの前記リングロック機構は、
前記リングの前記保持部と反対側の側面に当接する複数の当接部と、
前記当接部を前記保持部に向けて付勢する付勢部と
を備える
請求項4記載のリールテープ貼付装置。
【請求項6】
複数の前記リングロック機構のうち1つの前記リングロック機構は、複数の前記当接部を備え、
他の前記リングロック機構は、単一の前記当接部を備える
請求項5記載のリールテープ貼付装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載されたリールテープ貼付装置と、
前記リールテープ貼付装置の回転保持機構を制御する制御ユニットと
を備える貼付ユニット。
【請求項8】
円環状フレームを有するホイールと円環状のリングとを同心状に対向配置された状態で且つ前記リングを周方向と直交する軸方向に押さえながら回転させて、前記円環状フレームの周面と前記リングの周面とにリールテープを貼付する
リールテープ貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、スロットゲームに用いる回転リールのリールホイールにリール帯を取り付ける装置を開示する。回転リールは、2つのリールホイールを備えている。また、一方のリールホイールは第1環状部を備え、他方のリールホイールは第2環状部を備えている。また、回転リールは、同心円状に配置された第1環状部と第2環状部とに取り付けられたリール帯を有する。特許文献1に開示された装置は、第1環状部と第2環状部とにリール帯を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されているようにリール帯は、一方側の面に粘着面が設けられたリールテープである。取り付け時には、リールテープは、2つのリールホイールに先端部が貼付された状態で配置される。リールテープは、リールホイールが回転されることでリールホイールに巻き付けるように貼付される。ところが、特許文献1においてリールホイールは、ストッパピンで脱落が防止されているのみであり、周方向と直交する軸方向に僅かに移動が可能である。このため、回転中にリールホイールが軸方向に移動し、リールテープが蛇行する場合がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、リールテープの蛇行を抑止可能なリールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、リールテープ貼付装置であって、円環状フレームを有するホイールと円環状のリングとを同心状に対向配置された状態で回転することで、上記円環状フレームの周面と上記リングの周面とにリールテープを貼付する回転保持機構を備え、上記回転保持機構が、上記リングを保持する保持部と、上記リングを周方向と直交する軸方向に押さえるリングロック機構とを備えるという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、リールテープ貼付方法であって、円環状フレームを有するホイールと円環状のリングとを同心状に対向配置された状態で且つ上記リングを周方向と直交する軸方向に押さえながら回転させて、上記円環状フレームの周面と上記リングの周面とにリールテープを貼付するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リールテープの蛇行を抑止可能なリールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態における貼付ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の斜視図である。
【
図10】テープ供給用滑り台の模式的な断面図である。
【
図11】押さえローラ機構を含む拡大断面図である。
【
図12】押さえローラ機構を含む拡大断面図である。
【
図13】ガイド機構をテープ供給用滑り台側から見た正面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図15】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図16】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図17】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図18】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図19】本発明の第1実施形態におけるリールテープ貼付装置の動作説明図である。
【
図20】本発明の第2実施形態におけるリールテープ貼付装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係るリールテープ貼付装置、貼付ユニット及びリールテープ貼付方法の一実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の貼付ユニット100の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の貼付ユニット100は、スロットゲーム等に用いられる後述のリールアセンブリ50を組み立てる装置である。
図1に示すように、本実施形態の貼付ユニット100は、リールテープ貼付装置200と、制御ユニット300とを備えている。
【0013】
ここで、
図2等を参照して、リールアセンブリ50について説明する。
図2は、リールアセンブリ50の分解斜視図である。リールアセンブリ50は、
図2に示すように、リング51と、ホイール52と、リールテープ53とを備えている。リング51及びホイール52は、リールアセンブリ50を軽量化するために、例えば樹脂を用いて形成されている。
【0014】
リング51は、
図2に示すように、リールアセンブリ50の軸芯50Lを中心とする円環状に形成されている。
図3は、リング51の模式的な断面図である。
図3に示すように、リング51は、周面51aと、2つの側面51bとを有する。周面51aは、軸芯50Lを中心とする径方向における外側の面であり、リールテープ53が貼付される面である。また、リング51は、リールテープ53が配置される凹部51cを有する。凹部51cは、2つの側面51bのうちホイール52側に位置する側面51bに接続されるように、周面51aの一部に設けられている。各々の側面51bは、軸芯50Lに対して直交する面である。一方の側面51bはホイール52に向い、他方の側面51bはホイール52と反対側に向かっている。
【0015】
ホイール52は、
図2に示すように、円環状フレーム52aと、取付部52bと、連結部52cとを備えている。円環状フレーム52aは、リールアセンブリ50の軸芯50Lを中心とする円環状に形成されている。円環状フレーム52aは、リング51と同一径に形成されている。
図4は、円環状フレーム52aの模式的な断面図である。
図3に示すように、円環状フレーム52aは、周面52dと、2つの側面52eとを有する。周面52dは、軸芯50Lを中心とする径方向における外側の面であり、リールテープ53が貼付される面である。また、円環状フレーム52aは、リールテープ53が配置される凹部52fを有する。凹部52fは、2つの側面52eのうちリング51側に位置する側面52eに接続されるように、周面52dの一部に設けられている。各々の側面52eは、軸芯50Lに対して直交する面である。一方の側面52eはリング51に向い、他方の側面52eはリング51と反対側に向かっている。
【0016】
図2に戻り、取付部52bは、スロットゲーム等の内部機構に固定される部位であり、ホイール52の中央部に位置する。なお、取付部52bは、ホイール52をリールテープ貼付装置200に取り付ける場合に、リールテープ貼付装置200に接続される部位でもある。連結部52cは、円環状フレーム52aと取付部52bと接続する部位である。
【0017】
リールテープ53は、リング51とホイール52の円環状フレーム52aとを接続する帯状の部材である。リング51とホイール52とは、リールテープ53を介して接続されている。リールテープ53は、軸芯50Lを中心に円環状に巻回されており、リング51の周面51aと円環状フレーム52aの周面52dとに貼付されている。
【0018】
なお、以下の説明においては、巻回された場合に、軸芯50Lを中心とする径方向の外側に向けられるリールテープ53の面を表面と称する。また、巻回された場合に、軸芯50Lを中心とする径方向の内側に向けられるリールテープ53の面を裏面と称する。リールテープ53の表面は、例えばスロットゲームの利用者に視認される図柄が視認可能な意匠面である。また、リールテープ53の裏面は、リング51の周面51aと円環状フレーム52aの周面52dとに貼付される貼付面である。
【0019】
図5は、リールテープ53の模式的な断面図である。
図5に示すように、リールテープ53は、基材53aと、印刷層53bと、両面テープ53cとを備える。基材53aは、印刷層53b及び両面テープ53cを支持する。印刷層53bは、基材53aの表面に形成されており、透明な基材を介して外部から視認される図柄を形成する。印刷層53bを透明な基材53aを介して視認可能とすることで、図柄等に光沢感を付与することができる。
【0020】
両面テープ53cは、両面が接着面とされたテープであり、印刷層53bの裏面に接着されている。両面テープ53cは、印刷層53bの裏面の縁部に配置されている。つまり、印刷層53bの裏面のうち縁部を除く範囲は、両面テープ53cが設けられていない露出面である。両面テープ53cの幅寸法は、リング51の周面51aに設けられた凹部51cの幅寸法及び円環状フレーム52aの周面52dに設けられた凹部52fの幅寸法と同一あるいは僅かに小さい。なお、両面テープ53cの幅寸法は、接着面積を最大化して接着性を良くするために、リング51の周面51aに設けられた凹部51cの幅寸法及び円環状フレーム52aの周面52dに設けられた凹部52fの幅寸法より大きくてもよい。これによって、より確実に両面テープ53cをリング51やフレーム52に接着させることができる。両面テープ53cが凹部51cや凹部52fから食み出しても、外部から視認されてないため支障はない。リールテープ53は、両面テープ53cがリング51の周面51aと円環状フレーム52aの周面52dとに貼付されることでリング51及びホイール52と接続されている。このような両面テープ53cは、リールテープ53の粘着面53dを形成する。
【0021】
また、リールアセンブリ50が組み立てられる前においては、
図5に示すように、基材53aの表面は、保護フィルム60に覆われている。保護フィルム60は、基材53aの表面を保護する透明フィルムであり、基材53aの表面の全面を覆っている。また、リールアセンブリ50が組み立てられる前においては、
図5に示すように、両面テープ53cは、剥離紙61に覆われている。61は、両面テープ53cの全面を覆っている。剥離紙61は紙を用いて形成されている。ただし、両面テープ53cは、紙や紙以外の材料で形成された剥離シートを用いて覆うことができる。つまり、両面テープ53cは、剥離シートで覆われていればよい。
【0022】
図1に示すリールテープ貼付装置200は、上述したリング51とホイール52とにリールテープ53を貼付することでリールアセンブリ50を組み立てる。
図6は、リールテープ貼付装置200の斜視図である。
図6に示すように、リールテープ貼付装置200は、基台1と、回転保持機構2と、滑り台支持部3と、テープ供給用滑り台4(傾斜支持部)と、押さえローラ機構5と、位置合わせ機構6と、剥離紙除去機構7と、保護フィルム除去機構8とを備えている。
【0023】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、後述する回転円板2aの中心軸Laに沿った方向を奥行方向と称する。奥行方向のうち、一方側を手前側とし、他方側を奥側とする。
図6では、リールテープ貼付装置200の手前側と奥側とのうち手前側が視認可能に図示されている。例えば、本実施形態においては、リールテープ貼付装置200に対して作業を行う作業員は、リールテープ貼付装置200の手前側に居て作業を行う。
【0024】
基台1は、回転保持機構2、滑り台支持部3、テープ供給用滑り台4、押さえローラ機構5、位置合わせ機構6、剥離紙除去機構7及び保護フィルム除去機構8を直接的あるいは間接的に支持する。基台1は、下面がリールテープ貼付装置200の設置面に対して当接されている。
【0025】
回転保持機構2は、リング51とホイール52とを回転可能に保持する。回転保持機構2は、
図6に示すように、回転円板2a(保持部)と、ホイール装着部2bと、リングロック機構2cとを備えている。回転円板2aは、
図6に示す中心軸Laを中心とする周方向に回転可能に基台1に対して支持されている。回転円板2aは、中心軸Laに沿った方向から見た円形状の板部材である。この回転円板2aは、リング51を保持する。
【0026】
図7は、回転円板2aの模式的な部分断面図である。
図7に示すように、回転円板2aは、互い貼り合わされた大径板2dと小径板2eとを有する。大径板2d及び小径板2eは、いずれも中心軸La(
図6参照)を中心とする円形状に形成されており、同心状に配置されている。大径板2dは小径板2eよりも直径が大きい。つまり、小径板2eは大径板2dよりも直径が小さい。このような小径板2eの周面と大径板2dの側面とが交差することで、リング51を配置可能なリング配置凹部2fが形成されている。つまり、回転円板2aは、リング配置凹部2fを有している。
【0027】
回転円板2aは、大径板2dよりも小径板2eが手前側となるように、基台1に対して取り付けられている。つまり、回転円板2aのリング配置凹部2fは、回転円板2aの手間側に位置し、リールテープ貼付装置200の手前側からリング51を容易に取り付け可能に形成されている。
【0028】
ホイール装着部2bは、回転円板2aの中心軸Laを中心とする径方向の中央部に配置されている。ホイール装着部2bは、ホイール52の取付部52bに装着される。なお、ホイール52は、取付部52bをホイール装着部2bに取り付け、さらにストッパ9(
図15参照)が手前側からホイール装着部2bに取り付けることで、回転保持機構2に固定される。
【0029】
リングロック機構2cは、回転円板2aに保持されたリング51を中心軸Laに沿った方向に押さえる。つまり、リングロック機構2cは、リング51の周方向と直交する軸方向にリング51を押さえる。本実施形態において、リングロック機構2cは、リング配置凹部2fに配置されたリング51を手前側から奥側に向けて押さえる。リング51は、大径板2dの側面に押さえつけられることで、手前奥方向にて固定される。
【0030】
図6に示すように、リングロック機構2cは、リング配置凹部2fに沿って複数設けられている。つまり、回転保持機構2は、回転円板2aのリング51の取付箇所に沿って配列された複数のリングロック機構2cを備える。
【0031】
本実施形態のリールテープ貼付装置200は、4つのリングロック機構2cを備えている。これらのうち1つは、後述する当接部40bを複数備える第1リングロック機構40である。また、残りの3つは、後述する当接部41bを1つ備える第2リングロック機構41である。
【0032】
第1リングロック機構40は、中心軸Laを中心とする周方向にて、リング51及びホイール52に対してリールテープ53の貼付の開始点に配置されている。
図8は、第1リングロック機構40の概略構成図である。
図8(a)は、第1リングロック機構40を手前側から見た正面図である。
図8(b)は、第1リングロック機構40の断面図である。これらの図に示すように、第1リングロック機構40は、ケース40a(支持体)と、当接部40bと、コイルバネ40c(付勢部)とを備えている。
【0033】
ケース40aは、回転円板2aに固定されており、当接部40bとコイルバネ40cとを支持する。このようなケース40aは、内部にコイルバネ40cを収容する収容筒部40dを有している。本実施形態において第1リングロック機構40は、2つのコイルバネ40cを有している。このため、収容筒部40dは、ケース40aに対して2つ設けられている。
【0034】
当接部40bは、軸部40eをケース40aに対して軸支されることで傾動可能とされた棒状の部材である。この当接部40bは、回転円板2aの中心軸Laを中心とする径方向(以下、単に径方向と称する)に沿って直線状に延伸している。この当接部40bの径方向内側の端部に軸部40eが設けられている。また、当接部40bの径方向外側の端部は、
図8に示すようにケース40aの外側に位置し、リング51の回転円板2aと反対側の側面51bに当接可能である。この当接部40bは、コイルバネ40cにて回転円板2aに向けて付勢されている。当接部40bは、回転円板2aに当接する閉姿勢に付勢される。また、当接部40bは、軸部40eを中心として傾動することで、径方向外側の端部が閉姿勢よりも回転円板2aから離間した開姿勢に姿勢変更可能である。閉姿勢は、
図8(b)において実線で示す姿勢である。また、開姿勢は、
図8(b)において仮想線で示す姿勢である。
【0035】
図8(a)に示すように、当接部40bに対して2つ設けられている。これらの当接部40bは、回転円板2aの中心軸Laを中心とする周方向に配列されている。これらの当接部40bの各々に対してコイルバネ40cが設けられている。
【0036】
コイルバネ40cは、ケース40aの収容筒部40dの各々に対して収容されている。つまり、本実施形態では2つのコイルバネ40cが設けられている。各々のコイルバネ40cは、当接部40bが閉姿勢となるように、当接部40bを回転円板2aに向けて付勢する。
【0037】
第2リングロック機構41は、中心軸Laを中心とする周方向にて、リング51及びホイール52に対してリールテープ53の貼付の開始点を避けて配置されている。
図9は、第2リングロック機構41の概略構成図である。
図9(a)は、第2リングロック機構41を手前側から見た正面図である。
図9(b)は、第2リングロック機構41の断面図である。これらの図に示すように、第2リングロック機構41は、ケース41a(支持体)と、当接部41bと、コイルバネ41c(付勢部)とを備えている。
【0038】
ケース41aは、回転円板2aに固定されており、当接部41bとコイルバネ41cとを支持する。このようなケース41aは、内部にコイルバネ41cを収容する収容筒部41dを有している。本実施形態において第2リングロック機構41は、1つのコイルバネ41cを有している。このため、収容筒部41dは、ケース41aに対して1つ設けられている。
【0039】
当接部41bは、軸部41eをケース41aに対して軸支されることで傾動可能とされた棒状の部材である。この当接部41bは、径方向に沿って直線状に延伸している。この当接部41bの径方向内側の端部に軸部41eが設けられている。また、当接部41bの径方向外側の端部は、
図9に示すようにケース41aの外側に位置し、リング51の回転円板2aと反対側の側面51bに当接可能である。この当接部41bは、コイルバネ41cにて回転円板2aに向けて付勢されている。当接部41bは、回転円板2aに当接される閉姿勢に付勢される。また、当接部41bは、軸部41eを中心として傾動することで、径方向外側の端部が閉姿勢よりも回転円板2aから離間した開姿勢に姿勢変更可能である。閉姿勢は、
図9(b)において実線で示す姿勢である。また、開姿勢は、
図9(b)において仮想線で示す姿勢である。
【0040】
コイルバネ41cは、ケース41aの収容筒部41dに対して収容されている。コイルバネ41cは、当接部41bが閉姿勢となるように、当接部41bを回転円板2aに向けて付勢する。
【0041】
このような回転保持機構2は、円環状フレーム52aを有するホイール52とリング51とを同心状に対向配置された状態で保持する。つまり、リング配置凹部2fに配置されたリング51と、ホイール装着部2bに装着されたホイール52の円環状フレーム52aとが手前奥方向に沿った方向から見て、重なるように配置される。リング51と円環状フレーム52aとは、リールテープ53の幅寸法に合わせて手前奥方向に離間された状態で対向配置されている。
【0042】
滑り台支持部3は、
図6に示すように、基台1に固定されており、テープ供給用滑り台4を下方から支持する。滑り台支持部3は、支持するテープ供給用滑り台4の傾斜角度を変更可能としてもよい。
【0043】
テープ供給用滑り台4は、リング51及びホイール52に対して貼付される前のリールテープ53を下方から支持する。つまり、テープ供給用滑り台4は、巻回される前の直線状のリールテープ53を下方から支持する。テープ供給用滑り台4は、直線状のリールテープ53の先端がリング51及びホイール52に接触した状態で、リールテープ53の後端を下方から支持可能な長さ寸法に形成されている。
【0044】
テープ供給用滑り台4は、上下方向において回転保持機構2の上方に配置されている。このテープ供給用滑り台4は、後端(
図6における左側の端)から先端(
図6における右側の端)に向かうに連れて下降する傾斜面4aを有している。この傾斜面4aは、リールテープ53の支持面である。押さえローラ機構5は、回転保持機構2に保持されたリング51及びホイール52に対して上方から対向配置されるガイド機構5aを備えている。テープ供給用滑り台4の傾斜面4aは、このガイド機構5aに向けて下降している。つまり、テープ供給用滑り台4の傾斜面4aは、リールテープ53をガイド機構5aに向けて案内する。
【0045】
図10は、テープ供給用滑り台4の模式的な断面図である。この図に示すように、テープ供給用滑り台4は、手前奥方向に沿った幅方向の両端部の各々に対して凹部4bを有している。これらの凹部4bは、テープ供給滑り台4の延伸方向に沿って直線状に設けられている。リールテープ53は、意匠面が上方を向くようにしてテープ供給用滑り台4に載置される。凹部4bは、このようなリールテープ53がリング51及びホイール52の回転に伴って移動される場合の粘着面53dの移動範囲に設けられている。
【0046】
つまり、本実施形態において、リールテープ53から剥離紙61を剥離した状態で、リールテープ53をテープ供給用滑り台4に配置しても、粘着面53dがテープ供給用滑り台4に付着することなく、リールテープ53を案内することができる。
【0047】
図6に示すように、押さえローラ機構5は、上下方向にて回転保持機構2の上方に配置されている。また、押さえローラ機構5は、テープ供給用滑り台4の先端よりも前方に配置されている。
図11及び
図12は、押さえローラ機構5を含む拡大断面図である。
図11及び
図12に示すように、押さえローラ機構5は、軸部10を中心として傾動可能である。このような押さえローラ機構5は、ガイド機構5aと、姿勢変更機構5bとを備える。
【0048】
図13は、ガイド機構5aをテープ供給用滑り台4側から見た正面図である。
図13に示すように、ガイド機構5aは、支持フレーム21と、回転軸部22と、第1ガイドローラ23と、第2ガイドローラ24と、リング側面押さえローラ25と、円環状フレーム側面押さえローラ26とを備えている。
【0049】
支持フレーム21は、後述する傾動フレーム5cに対して固定されており、回転軸部22、第1ガイドローラ23、第2ガイドローラ24、リング側面押さえローラ25及び円環状フレーム側面押さえローラ26を直接的あるいは間接的に支持する。この支持フレーム21は、回転軸部22の一端部と他端部とを回転可能に保持する。
【0050】
回転軸部22は、第1ガイドローラ23と、第2ガイドローラ24と、リング側面押さえローラ25と、円環状フレーム側面押さえローラ26とが設けられている。回転軸部22は、両端部が支持フレーム21に軸支されており、第1ガイドローラ23、第2ガイドローラ24、リング側面押さえローラ25及び円環状フレーム側面押さえローラ26を手前奥方向に沿った軸芯を中心に回転可能とする。
【0051】
第1ガイドローラ23は、
図13に示すように、円環状フレーム52aの周面52dに対して対向配置されている。第1ガイドローラ23は、第1ガイドローラ23と円環状フレーム52aの周面52dとの間に供給されるリールテープ53を円環状フレーム52aの周面52dに貼付されるように案内する。第2ガイドローラ24は、
図13に示すように、リング51の周面51aに対して対向配置されている。第2ガイドローラ24は、第2ガイドローラ24とリング51の周面51aとの間に供給されるリールテープ53をリング51の周面51aに対して貼付されるように案内する。
【0052】
リング側面押さえローラ25は、第1ガイドローラ23及び第2ガイドローラ24よりも大径のローラであり、リング51のホイール52と反対側の側面51bを押さえる。このリング側面押さえローラ25は、回転円板2aを介して、リング51の側面51bを押さえている。このリング側面押さえローラ25がリング51の側面51bを押さえることで、リング51が手前奥方向に移動することが防止される。
【0053】
円環状フレーム側面押さえローラ26は、第1ガイドローラ23及び第2ガイドローラ24よりも大径のローラであり、ホイール52の円環状フレーム52aのリング51と反対側の側面52eを押さえる。本実施形態において、円環状フレーム側面押さえローラ26は、2つ設けられている。1つは、回転軸部22に設けられている。もう1つは、支持フレーム21に対して回転可能に設けられている。これらの円環状フレーム側面押さえローラ26が円環状フレーム52aの側面52eを押さえることで、ホイール52が手前奥方向に移動することが防止される。
【0054】
姿勢変更機構5bは、ガイド機構5aの位置を変更可能とする。本実施形態では、軸部10を中心として姿勢変更機構5bを傾動してガイド機構5aの姿勢を変更することで、ガイド機構5aの位置を変更する。本実施形態では、姿勢変更機構5bは、ガイド機構5aの姿勢(位置)を、案内姿勢(案内位置)と、退避姿勢(退避位置)とに姿勢変更可能とする。案内姿勢は、ガイド機構5aがリールテープ53を案内する姿勢であり、
図11に示す姿勢である。退避姿勢は、案内姿勢よりもガイド機構5aが円環状フレーム52aの周面52dとリング51の周面51aから大きく離間した姿勢であり、
図12に示す姿勢である。
【0055】
本実施形態では、案内姿勢からガイド機構5aを上昇させるように姿勢変更機構5bを傾動することで、ガイド機構5aの姿勢は退避姿勢となる。一方で、退避姿勢からガイド機構5aを下降させるように姿勢変更機構5bを傾動することで、ガイド機構5aの姿勢は案内姿勢となる。
【0056】
このような姿勢変更機構5bは、傾動フレーム5cと、フレームロック機構5dと、把手5eとを備えている。傾動フレーム5cは、軸部10に接続されており、軸部10を中心として傾動可能である。傾動フレーム5cは、一端側に軸部10が固定されており、他端側にガイド機構5aが固定されている。このような傾動フレーム5cは、例えばガイド機構5aが案内姿勢となる状態の位置で基台1に支持される。
【0057】
フレームロック機構5dは、傾動フレーム5cの位置を、ガイド機構5aが案内位置となる位置でロックする機構である。このフレームロック機構5dは、トグル機構と、トグル機構を介して傾動フレーム5cに接続されたレバーとを備えており、レバーを操作することで、ガイド機構5aを案内位置にて固定可能である。
【0058】
把手5eは、傾動フレーム5cの上面に対して取り付けされている。この把手5eは、作業者が姿勢変更機構5bの姿勢を変更する際に把持する部位である。作業者が把手5eを把持することで、傾動フレーム5cすなわちガイド機構5aの姿勢を容易に変更することができる。
【0059】
位置合わせ機構6は、貼付前のリールテープ53が当接されることでリールテープ53の先端位置を位置決めする。位置合わせ機構6は、板状の部材であり、
図11及び
図12に示すように、軸部10を中心として回動することで姿勢を変更可能である。つまり、位置合わせ機構6は、姿勢を変更することで、位置が変更可能である。
【0060】
本実施形態では、位置合わせ機構6は、当接姿勢(当接位置)と、離脱姿勢(離脱姿勢)とに姿勢変更可能である。当接姿勢は、貼付前のリールテープ53の先端に当接可能な位置である。この当接姿勢は、位置合わせ機構6がリング51とホイール52との間に位置する姿勢であり、
図11に示す姿勢である。離脱姿勢は、位置合わせ機構6がリング51とホイール52との間から離脱した姿勢であり、
図12に示す姿勢である。位置合わせ機構6の幅寸法は、リング51とホイール52との離間寸法よりも小さい。このため、リング51とホイール52とが回転保持機構2に保持された状態で位置合わせ機構6の姿勢を変更することが可能である。
【0061】
本実施形態では、当接姿勢から位置合わせ機構6の先端を下降させるように位置合わせ機構6を回動することで、位置合わせ機構6は離脱姿勢となる。一方で、離脱姿勢から位置合わせ機構6の先端を上昇させるように位置合わせ機構6を回動することで、位置合わせ機構6は当接姿勢となる。
【0062】
剥離紙除去機構7は、リールテープ53の裏面に設けられた粘着面53dに取り付けられた剥離紙61を除去する。剥離紙除去機構7は、テープ供給用滑り台4の途中部位に配置されている。剥離紙除去機構7は、例えば、剥離紙61の先端が差し込まれ、テープ供給用滑り台4上におけるリールテープ53の移動に同期して剥離紙61を引き込むことで、剥離紙61をリールテープ53から除去する。
【0063】
保護フィルム除去機構8は、リールテープ53の表面に取り付けられた保護フィルム60を除去する。保護フィルム除去機構8は、テープ供給用滑り台4の上方に配置されている。保護フィルム除去機構8は、例えば保護フィルム60の先端が接続され、テープ供給用滑り台4上におけるリールテープ53の移動に同期して保護フィルム60を巻き取ることで、保護フィルム60を除去する。
【0064】
また、
図1に示すように、本実施形態のリールテープ貼付装置200は、貼付用モータ11と、除去用モータ12と、センサユニット13とを備えている。貼付用モータ11は、制御ユニット300の制御に基づいて、回転保持機構2に供給する動力を生成する。貼付用モータ11で生成された動力は、不図示の伝達機構を介して、回転保持機構2の回転円板2aに供給される。回転円板2aは、貼付用モータ11で生成された動力が供給されることで、中心軸Laを中心に回転される。
【0065】
除去用モータ12は、制御ユニット300の制御に基づいて、剥離紙除去機構7と保護フィルム除去機構8に供給する動力を生成する。除去用モータ12で生成された動力は、不図示の伝達機構を介して、剥離紙除去機構7及び保護フィルム除去機構8に供給される。剥離紙除去機構7は、除去用モータ12で生成された動力が供給されることで、剥離紙61をリールテープ53から除去する。保護フィルム除去機構8は、除去用モータ12で生成された動力が供給されることで、保護フィルム60をリールテープ53から除去する。
【0066】
なお、剥離紙除去機構7を用いた剥離紙61の除去と、保護フィルム除去機構8を用いた保護フィルム60の除去とは必須ではない。例えば、剥離紙61を予め剥がした状態でリールテープ53をテープ供給用滑り台4に配置してもよい。このような場合には、剥離紙除去機構7を用いた剥離紙61の除去は必要ない。剥離紙除去機構7を用いた剥離紙61の除去が必要ない場合には、リールテープ貼付装置200は、剥離紙除去機構7を備えなくてもよい。
【0067】
また、例えば、保護フィルム60をリールテープ53に残したまま、リールテープ53をリング51及びホイール52に貼付してもよい。このような場合には、保護フィルム除去機構8によるリールテープ53からの保護フィルム60の除去は必要ない。保護フィルム除去機構8を用いた保護フィルム60の除去が必要ない場合には、リールテープ貼付装置200は、保護フィルム除去機構8を備えなくてもよい。
【0068】
センサユニット13は、リールテープ貼付装置200の動作を検出する単数あるいは複数のセンサ素子を備える。センサユニット13は、制御ユニット300と接続されており、検出結果を示す信号を制御ユニット300に向けて出力する。
【0069】
図1に示すように、制御ユニット300は、制御部30と、記憶部31と、操作部32と、表示部33とを機能部として備えている。これらの機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウェアと、プログラム等との協働によって実現される。制御ユニット300は、リールテープ貼付装置200の制御を行う。例えば、制御ユニット300は、貼付用モータ11を制御することで、回転保持機構2を制御する。また、制御ユニット300は、除去用モータ12を制御することで、剥離紙除去機構7及び保護フィルム除去機構8を制御する。
【0070】
制御部30は、記憶部31に記憶されたプログラムや各種データ、センサユニット13から入力される検出結果、操作部32から入力される指令等に基づいて、リールテープ貼付装置200を制御する。記憶部31は、上述のプログラムや各種データを記憶する。
【0071】
操作部32は、作業者に操作されるマンマシンインターフェイス部である。本実施形態において、操作部32は、貼付開始スイッチ32aと、回転円板正回転方向調整スイッチ32bと、回転円板逆回転方向調整スイッチ32cとを有している。貼付開始スイッチ32aは、リールテープ53のリング51及びホイール52への巻き付けを開始するためのスイッチである。
【0072】
回転円板正回転方向調整スイッチ32b及び回転円板逆回転方向調整スイッチ32cは、リールテープ53の貼付前にリング51及びホイール52の回転位置を調整するためのスイッチである。回転円板正回転方向調整スイッチ32bを操作することで、回転円板2aが正回転方向(リールテープ53を巻き付けるための回転方向)に回転される。回転円板逆回転方向調整スイッチ32cを操作することで、回転円板2aが逆回転方向(リールテープ53を巻き付けるための回転方向と逆方向)に回転される。
【0073】
このように、制御ユニット300は、ホイール52とリング51との回転開始位置(リールテープ53の巻き付けを開始する位置)を調整する操作部32を備えている。つまり、作業者は、操作部32を操作することで、ホイール52とリング51との回転開始位置を調整することができる。
【0074】
表示部33は、制御部30の制御に基づいて、作業者等の外部の者に対する情報を可視化して出力する。このような表示部33は、例えば、ディスプレイやプリンタである。なお、表示部33は省略することも可能である。
【0075】
次に、
図14~
図19を参照して、リールテープ貼付装置200の動作(リールテープ貼付方法)について説明する。
【0076】
まず、
図14に示すように、リング51をリールテープ貼付装置200に取り付ける。ここでは、回転保持機構2の回転円板2aのリング配置凹部2f(
図7参照)にリング51を配置する。このとき、リング51は、凹部51c(
図3参照)が手前側に位置するように回転円板2aに取り付けられる。
【0077】
また、リング51を回転円板2aに取り付ける場合には、第1リングロック機構40の当接部40bと第2リングロック機構41の当接部41bとを開姿勢とする。例えば、リング51を径方向外側から当接部40b及び当接部41bと回転円板2aとの隙間に押し込むことで当接部40b及び当接部41bが開姿勢となる。その後、当接部40b及び当接部41bは、リング配置凹部2fに配置されたリング51の側面51bを回転円板2aに向けて押さえつける。この結果、リング51は、周方向と直交する軸方向に対して拘束される。
【0078】
続いて、
図15に示すように、ホイール52をリールテープ貼付装置200に取り付ける。ここでは、ホイール52の取付部52bを回転保持機構2のホイール装着部2bに取り付ける。さらに、ホイール装着部2bにストッパ9を取り付けることで、ホイール52を固定する。
【0079】
このように、回転保持機構2に取り付けられたリング51とホイール52とは、手前奥方向に離間して対向配置される。また、リング51とホイール52とは、回転円板2aの中心軸Laを中心として同心状に配置される。
【0080】
続いて、
図16に示すように、リールテープ53をテープ供給用滑り台4に配置する。このとき、ガイド機構5aは、退避姿勢とする。また、位置合わせ機構6は、当接姿勢とする。テープ供給用滑り台4に配置したリールテープ53の先端を位置合わせ機構6に当接する。リールテープ53の先端を位置合わせ機構6に当接することで、リールテープ53が位置決めされる。
【0081】
リールテープ53における基材53aに対する印刷層53bの形成位置に、誤差が存在する場合がある。つまり、リールテープ53の長さ方向において、印刷層53bの開始位置の基材53aの先端からの距離が、リールテープ53ごとに異なる場合がある。このため、必要に応じて、印刷層53bの開始位置に合わせて、リング51とホイール52との回転位置を調整する。このような場合には、操作部32の回転円板正回転方向調整スイッチ32bあるいは回転円板逆回転方向調整スイッチ32cを用いて、リング51とホイール52との回転位置を調整する。
【0082】
また、剥離紙除去機構7を用いて剥離紙61を除去する場合には、剥離紙61の先端を剥離紙除去機構7に差し込む。また、保護フィルム除去機構8を用いて保護フィルム60を除去する場合には、保護フィルム60の先端を保護フィルム除去機構8に巻き付ける。
【0083】
続いて、
図17に示すように、ガイド機構5aを案内姿勢とする。ここでは、姿勢変更機構5bの把手5eを用いて傾動フレーム5cを傾動させることでガイド機構5aを案内姿勢とする。さらに、フレームロック機構5dを用いて傾動フレーム5cの位置を固定することで、ガイド機構5aの姿勢を固定する。
【0084】
このようにガイド機構5aが案内姿勢となることで、ガイド機構5aとリング51との間、及びガイド機構5aとホイール52との間にリールテープ53が配置される。リールテープ53の先端部にて両面テープ53cは、リング51の周面51aとホイール52の円環状フレーム52aの周面52dとに貼付される。
【0085】
続いて、
図18に示すように、位置合わせ機構6を離脱姿勢とする。その後、リング51及びホイール52が正回転されるように、回転円板2aを正回転方向に回転する。このように、リング51及びホイール52が正回転されることで、リールテープ53がリング51及びホイール52に対して巻回されるように貼付される。
【0086】
続いて、
図19に示すように、ストッパ9をホイール装着部2bから取り外し、リールアセンブリ50をリールテープ貼付装置200から取り外す。このようなリールアセンブリ50は、リング51と、ホイール52と、リールテープ53とが一体化されることで形成されている。
【0087】
以上のような本実施形態のリールテープ貼付装置200は、回転保持機構2を備えている。回転保持機構2は、円環状フレーム52aを有するホイール52と円環状のリング51とを同心状に対向配置された状態で回転することで、円環状フレーム52aの周面52dとリング51の周面51aとにリールテープ53を貼付する。また、回転保持機構2は、回転円板2aと、リングロック機構2cとを備えている。回転円板2aは、リング51を保持する。リングロック機構2cは、リング51を周方向と直交する軸方向に押さえる。
【0088】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、リングロック機構2cがリング51を軸方向に押さえるため、回転中にリング51が軸方向に変位することを抑制できる。したがって、本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、リールテープ53の蛇行を抑止することができる。
【0089】
また、本実施形態のリールテープ貼付装置200において、第1リングロック機構40は、当接部40bと、コイルバネ40cとを備えている。当接部40bは、リング51の回転円板2aと反対側の側面51bを押さえる。コイルバネ40cは、当接部40bを回転円板2aに向けて付勢する。また、第2リングロック機構41は、当接部41bと、コイルバネ41cとを備えている。当接部41bは、リング51の回転円板2aと反対側の側面51bを押さえる。コイルバネ41cは、当接部41bを回転円板2aに向けて付勢する。
【0090】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、コイルバネ40cあるいはコイルバネ41cの付勢力でリング51を押さえることができる。したがって、アクチュエータ等の動力発生部を設けることなくリング51を押さえることができる。
【0091】
また、本実施形態のリールテープ貼付装置200において、第1リングロック機構40は、回転円板2aに固定されて当接部40b及びコイルバネ40cを支持するケース40aを有する。また、当接部40bは、軸方向に傾動可能にケース40aに軸支されている。また、第2リングロック機構41は、回転円板2aに固定されて当接部41b及びコイルバネ41cを支持するケース41aを有する。また、当接部41bは、軸方向に傾動可能にケース41aに軸支されている。
【0092】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、当接部40bあるいは当接部41bを傾動させることで、容易にリング51を回転円板2aに取り付けることができる。
【0093】
また、本実施形態のリールテープ貼付装置200において回転保持機構2は、回転円板2aにおけるリング51の取付箇所に沿って配列された複数のリングロック機構2cを備える。
【0094】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、リング51を複数のリングロック機構2cで押さえることができる。したがって、回転中のリング51をより安定させることができる。
【0095】
また、本実施形態のリールテープ貼付装置200において、複数のリングロック機構2cのうち少なくとも1つである第1リングロック機構40は、複数の当接部40bと、当接部40bを回転円板2aに向けて付勢するコイルバネ40cとを備えている。このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、第1リングロック機構40が配置された箇所で、リング51をより強固に押さえることができる。このため、例えば、特にリールテープ53に対するリング51の位置合わせの精度が求められる箇所に第1リングロック機構40を配置することで、より正確にリールテープ53を貼付することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態のリールテープ貼付装置200において、第1リングロック機構40と異なるリングロック機構2cである第2リングロック機構41は、単一の当接部41bを備える。このため、高い位置合わせ精度が必要とされない箇所において、当接部41bが複数備えられる場合よりもリング51を容易に回転円板2aに対して取り付けることが可能となる。
【0097】
また、本実施形態の貼付ユニット100は、リールテープ貼付装置200と、リールテープ貼付装置200の回転保持機構2を制御する制御ユニット300とを備える。このような本実施形態の貼付ユニット100によれば、制御ユニット300を用いてリールテープ貼付装置200を制御することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態のリールテープ貼付方法は、円環状フレーム52aを有するホイール52と円環状のリング51とを同心状に対向配置された状態で且つリング51を周方向と直交する軸方向に押さえながら回転させて、円環状フレーム52aの周面とリング51の周面とにリールテープ53を貼付する。
【0099】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置200によれば、リング51を軸方向に押さえるため、回転中にリング51が軸方向に変位することを抑制できる。したがって、本実施形態のリールテープ貼付方法によれば、リールテープ53の蛇行を抑止することができる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図20を参照して説明する。
図20は、本実施形態のリールテープ貼付装置500の概略構成図である。
【0101】
本実施形態のリールテープ貼付装置500は、回転保持機構501を備えている。回転保持機構501は、円環状フレーム601を有するホイール600と円環状のリング700とを同心状に対向配置された状態で回転することで、円環状フレーム601の周面602とリング700の周面701とにリールテープ800を貼付する。また、回転保持機構501は、保持部502と、リングロック機構503とを備えている。保持部502は、リング700を保持する。リングロック機構503は、リング700を周方向と直交する軸方向に押さえる。
【0102】
このような本実施形態のリールテープ貼付装置500によれば、リングロック機構503がリング700を軸方向に押さえるため、回転中にリング700が軸方向に変位することを抑制できる。したがって、本実施形態のリールテープ貼付装置500によれば、リールテープ800の蛇行を抑止することができる。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0104】
例えば、上記実施形態においては、リールアセンブリ50がスロットゲームに設置されるものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。リールアセンブリ50の他の用途に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 基台
2 回転保持機構
2a 回転円板(保持部)
2b ホイール装着部
2c リングロック機構
2d 大径板
2e 小径板
2f リング配置凹部
3 滑り台支持部
4 テープ供給用滑り台
4a 傾斜面
4b 凹部
5 押さえローラ機構
5a ガイド機構
5b 姿勢変更機構
5c 傾動フレーム
5d フレームロック機構
5e 把手
6 位置合わせ機構
7 剥離紙除去機構
8 保護フィルム除去機構
9 ストッパ
10 軸部
11 貼付用モータ
12 除去用モータ
13 センサユニット
21 支持フレーム
22 回転軸部
23 第1ガイドローラ
24 第2ガイドローラ
25 リング側面押さえローラ
26 円環状フレーム側面押さえローラ
30 制御部
31 記憶部
32 操作部
32a 貼付開始スイッチ
32b 回転円板正回転方向調整スイッチ
32c 回転円板逆回転方向調整スイッチ
33 表示部
40 第1リングロック機構
40a ケース(支持体)
40b 当接部
40c コイルバネ(付勢部)
40d 収容筒部
40e 軸部
41 第2リングロック機構
41a ケース(支持体)
41b 当接部
41c コイルバネ(付勢部)
41d 収容筒部
41e 軸部
50 リールアセンブリ
50L 軸芯
51 リング
51a 周面
51b 側面
51c 凹部
52 ホイール
52a 円環状フレーム
52b 取付部
52c 連結部
52d 周面
52e 側面
52f 凹部
53 リールテープ
53a 基材
53b 印刷層
53c 両面テープ
53d 粘着面
60 保護フィルム
61 剥離紙
100 貼付ユニット
200 リールテープ貼付装置
300 制御ユニット
500 リールテープ貼付装置
501 回転保持機構
502 保持部
503 リングロック機構
600 ホイール
601 円環状フレーム
602 周面
700 リング
701 周面
800 リールテープ
La 中心軸