(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136443
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】擬似共振スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20230922BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02M3/155 Q
H02M3/28 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042113
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉永 充達
(72)【発明者】
【氏名】中野 利浩
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA04
5H730AS04
5H730AS11
5H730BB14
5H730BB43
5H730BB57
5H730BB61
5H730CC01
5H730DD04
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE57
5H730EE58
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD18
5H730FD24
5H730FF09
5H730FF19
5H730FG05
(57)【要約】
【課題】擬似共振スイッチング電源装置のボトム検出の精度を上げる。
【解決手段】擬似共振スイッチング電源装置1の制御部10は、リアクトルL1の2次巻線n2の巻線電圧V14と基準電圧Vref2とを比較するコンパレータCP1と、コンパレータCP1の出力信号のエッジを検出してボトム信号を出力するボトム検出部13を有し、ボトム検出部13は初回のボトム検出後に基準電圧Vref2の電圧値を下限値まで変化させて、巻線電圧V14のリンギング電圧と可変された基準電圧とが交差するようにしたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンギング電圧と基準電圧とを比較することでリンギング電圧のボトムを検出してボトム信号を出力するボトム検出部を有し、
軽負荷時には前記ボトム検出回路で検出したボトムタイミングに合わせてスイッチングオン動作に入る擬似共振スイッチング電源装置の制御回路であって、
前記リンギング電圧に応じて、前記基準電圧の電圧値を変化させて、前記リンギング電圧と可変された前記基準電圧とが交差するようにしたことを特徴とする擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項2】
前記基準電圧の電圧値は、前記リンギング電圧と前記基準電圧の初期設定電圧とが交差した以降に経過時間に比例させて、前記初期設定電圧より低い第2の設定電圧まで変化させることを特徴とする請求項1記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項3】
前記基準電圧の電圧値は、前記リンギング電圧と前記基準電圧の初期設定電圧とが交差し、以降のボトムを検出する毎に、前記初期設定電圧より低い第2の設定電圧まで段階的に変化させることを特徴とする請求項1記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項4】
前記基準電圧の電圧値は、前記リンギング電圧と前記基準電圧の初期設定電圧とが交差した以降に経過時間に比例させて、前記初期設定電圧より高い第3の設定電圧まで変化させることを特徴とする請求項1記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項5】
前記基準電圧の電圧値は、前記リンギング電圧と前記基準電圧の初期設定電圧とが交差し、以降のボトムを検出する毎に、前記初期設定電圧より高い第3の設定電圧まで段階的に変化させることを特徴とする請求項1記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項6】
前記擬似共振スイッチング電源装置の制御回路は、デジタル制御であることを特徴とする請求項1乃至5項記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路。
【請求項7】
前記擬似共振スイッチング電源装置の制御回路は集積回路で構成されたことを特徴とする請求項1乃至6項記載の擬似共振スイッチング電源装置の制御機能を備えた半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は負荷の軽重によってスイッチング周波数が変動する擬似共振スイッチング電源装置に関し、特に軽負荷時における擬似共振スイッチング電源装置のスイッチング損失を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の擬似共振スイッチング電源装置の制御回路として、特許文献1に記載された軽負荷時にボトム検出回路で検出したボトムタイミングに合わせてスイッチングオン動作に入る擬似共振スイッチング電源装置の制御回路が知られている。この制御回路は、軽負荷時においてボトム検出回路がボトムを検出できなくなる前に、ボトム検出が所定回数に達したときに、ボトム検出信号に代わるダミー信号をカウントする機能を備えたことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたスイッチング電源装置にあっては、ダミー信号を生成する発振器を備える必要があり、かつ、あらかじめ決めた周波数でリンギング周波数に対応させる必要があった。このため、ダミー信号に基づいても正確なボトムタイミングが取れない可能性があった。
また、制御回路のボトム検出からターンオン信号を出力するまでの処理時間が長い場合、予めその処理時間を見込んでボトム手前のリンギング波形で検出する必要がある。
本発明は、リンギング波形のボトムで正確にターンオンすることができるスイッチング電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、リンギング電圧と基準電圧とを比較することでボトムを検出してボトム検出信号を出力するボトム検出回路を有し、
軽負荷時には前記ボトム検出回路で検出したボトムタイミングに合わせてスイッチングオン動作に入る擬似共振スイッチング電源装置の制御回路であって、
前記リンギング電圧に応じて、前記基準電圧の電圧値を変化させて、前記リンギング電圧と可変された前記基準電圧とが交差するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、リンギング電圧が時間経過とともに減衰するのに合わせて、基準電圧の電圧値を下限値まで変化させることで、制御回路の処理時間を考慮したボトムタイミングを確実に検出することができる。
また、擬似共振スイッチング電源装置の制御回路の回路規模を大きくせずに、ボトム検出を確実に行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例1のスイッチング電源装置の回路ブロック図である。
【
図2】本発明の実施例1のスイッチング電源装置の閾値可変電圧の特性図の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施例1の擬似共振スイッチング電源装置1における軽負荷条件での各部動作波形を示す図である。
【
図4】本発明の実施例1のスイッチング電源装置の応用例を示す回路ブロック図である。
【
図5】
図4に示すスイッチング電源装置の閾値可変電圧の特性図の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施例2のスイッチング電源装置の回路ブロック図である。
【
図7】本発明の実施例1のスイッチング電源装置の擬似共振とボトムスキップ制御を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のスイッチング電源装置のいくつかの実施の形態を図面を参照しながら詳
細に説明する。
【実施例0009】
図1は本発明の実施例1の擬似共振スイッチング電源装置の回路図である。
図1に示す擬似共振スイッチング電源装置1は、交流電源ACからの交流電圧を全波整流して直流電圧に変換し、負荷であるLED40に流れるIled電流を外部調光装置30からの信号に基づき調整するよう前記直流電圧を擬似共振スイッチング回路を介して制御を行うスイッチング電源装置を示す。
図1に示す擬似共振スイッチング電源装置1において、全波整流回路DBが交流電源ACからの交流電圧を全波整流して全波整流電圧Vinを抵抗R1と抵抗R2との直列回路の両端に出力する。交流電源1と全波整流回路DBとからなる構成を、バッテリ等のように直流入力電圧を出力する直流電源とみなすこともできる。
【0010】
抵抗R1と抵抗R2との直列回路の両端には、リアクトルL1とスイッチング素子Q1との直列回路が接続される。スイッチング素子Q1は、MOSFETからなり、スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間には、ダイオードD1とコンデンサC2との直列回路が接続される。コンデンサC2の両端には抵抗R5と抵抗R6との直列回路が接続される。
【0011】
このスイッチング電源装置は、交流電源ACからの交流電圧を整流して直流入力電圧に変換し、直流入力電圧をリアクトルL1とスイッチング素子Q1との直列回路を介してスイッチングすることにより得られた電圧をダイオードD1とコンデンサC2との整流平滑回路により整流平滑して所定の出力電圧Voutを得る。
出力電圧Voutには、LED40が接続される。LED40に流れる電流Iledは外部調光装置30の指令値により制御部10を介して調光される。
【0012】
制御部10は、マイクロ・コントロール・ユニット(MCU)からなり、直流入力電圧Vinを抵抗R1と抵抗R2とにより分圧した入力電圧信号と、出力電圧Voutを抵抗R5と抵抗R6とにより分圧した出力電圧信号と、前述の各信号からスイッチング素子Q1のオン時間を演算し、得られたオン時間に基づきスイッチング素子Q1をオンオフ制御することにより、出力電圧を所定値にさせるとともに、力率を改善する。
【0013】
制御部10は、アナログデジタル変換器ADC1,ADC2、ADC3、フィードバック制御部11、コンパレータ12、ボトム計数13、ボトムスキップ制御部14、PWM波形形成部15、基準電圧Vref1、Vref2を備えている。
【0014】
アナログデジタル変換器ADC1は、全波整流電圧Vinを抵抗R1と抵抗R2とで分圧した電圧をデジタル値V11に変換してボトムスキップ制御部14に出力する。
【0015】
アナログデジタル変換器ADC2は、出力電圧Voutを抵抗R5と抵抗R6とで分圧した電圧をデジタル値V12に変換してフィードバック制御部11とボトムスキップ制御部14に出力する。
【0016】
アナログデジタル変換器ADC3は、LED電流Iledを検出した抵抗R7の電圧をデジタル値V13に変換してフィードバック制御部11に出力する。
【0017】
コンパレータ12は、リアクトルL1のリンギング波形のボトムタイミングを検出する役割を担い、リアクトルL1の2次巻線n2の巻線電圧がダイオードD2、抵抗R3、R4を介して入力される。
【0018】
フィードバック制御部11は、アナログデジタル変換器ADC2からの出力電圧Voutに基づくデジタル値V12またはアナログデジタル変換器ADC3からのLED電流Iledに基づくデジタル値V13のいずれか電圧の大きい方と基準値Vrefとの誤差に基づき、次のスイッチング周期におけるスイッチング素子Q1のオン時間を算出する。(定常動作では、ADC3からのLED電流Iledに基づくデジタル値V13と基準値Vrefとの誤差に基づきオン時間を算出する。)オン時間の制御は、比例積分(PI)制御で行い、応答時間を遅くすることで、
図7に示すように、直流入力電圧Vinの一周期でのオン時間(例えば時刻t1~t2、t3~t4)が一定となるようにしている。
【0019】
これにより、入力電流IINの平均値は、直流入力電圧Vinに比例した形となるため、力率改善効果も得られる。
【0020】
ボトムスキップ制御部14は、スイッチング素子Q1のオン時間Tonと直流入力電圧Vinと出力電圧Vout(またはLED電流Iled)とに基づき、次のスイッチング周期におけるスイッチング素子Q1のオフ時間Toffを算出する。
【0021】
昇圧タイプで且つ臨界モード(リアクトルL1に流れる電流がゼロとなるモード)時のスイッチング素子Q1のボトムスキップ制御部14の演算処理の詳細を説明する。オン時間をTonとしたとき、リアクトルL1に流れる電流ピークIpは式(1)で求められる。
【0022】
Ip=Vin×Ton/L …(1)
Vinは直流入力電圧、LはリアクトルL1(1次巻線n1)のインダクタンス値である。
【0023】
電流ピークがIpのとき、臨界モード動作となるためのオフ時間Toffは式(2)で
求められる。
【0024】
Ip-(Vout-Vin)×Toff/L=0
Ip=(Vout-Vin)×Toff/L
Toff=Ip/(Vout-Vin)/L
=(Vin×Ton/L)/(Vout-Vin)/L
=(Vin×Ton)/(Vout-Vin) …(2)
(2)式から、リアクトル電流がゼロとなるタイミングは、直流入力電圧Vinと出力電
圧Voutとの差、電流のピーク値Ipとインダクタンス値Lにより決定される。また、
臨界モードにおける電流のピーク値Ipは、直流入力電圧Vinとオン時間Tonとイン
ダクタンス値Lにより決定される。
【0025】
従って、リアクトル電流がゼロとなるタイミングは、直流入力電圧Vinと出力電圧V
outとオン時間Tonとから求めることができる。
従って、ボトムスキップ制御部14は、スイッチング素子Q1のオン時間Tonと直流入力電圧Vinと出力電圧Voutとから、リアクトル電流がゼロとなるタイミングを求めることで、スイッチング素子Q1のオフ時間を算出することができる。
【0026】
ボトムスキップ制御部14は、本発明の演算部・制御部に相当し、算出されたオフ時間とオン時間とを合計したスイッチング素子Q1のスイッチング周期Tに基づきスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを算出する。なお、軽負荷の場合には、算出されたスイッチング周波数fと基準周波数との比較結果に基づき、基準周波数となるようにスイッチング素子Q1を制御する。
【0027】
例えば、外部調光装置30の指令値によりLED40に流れる電流Iledが微小電流に設定されると、スイッチング電源装置1は軽負荷状態になり、ボトムスキップ制御部14にて算出されるスイッチング周波数fは上昇してしまう。ここで、ボトムスキップ制御部14は、算出された周波数が予め設定された基準周波数を超えた場合に、基準周波数をベースに算出された周期となるように調整を行う。これにより、基準周波数をベースに算出された周期に対して実際のオフ時間は短いにもかかわらず長いオフ時間が与えられる。その結果、スイッチング素子Q1の両端電圧(ドレイン-ソース間電圧)Vdsにおいてリンギングが発生することになる。ここで、ボトムスキップ制御部14は外部調光装置30の指令値および直流入力電圧Vinを基に1回乃至複数回のボトムスキップ数を設定し、ボトム計数部からのボトムを検出した信号をカウントしてスイッチング素子Q1のターンオンを行う。
【0028】
ボトムスキップ制御部14は、スイッチング素子Q1のオフ時に両端電圧(ドレイン-ソース間電圧)Vdsが減衰振動する際のボトムタイミングを
図1に示すリアクトルL1の2次巻線n2から、抵抗R3、R4を介して信号V14を得る。このリアクトルL1の2次巻線n2の信号V14は、コンパレータ12の非反転端子に入力される。コンパレータ12の反転端子には基準電圧Vref2が接続されている。ここで、信号V14は基準電圧Vref2と比較され、比較された結果がボトム検出信号としてボトム計数部13へ出力される。ボトム計数部13は、ボトム検出信号のダウンエッジを検出してボトム計数をカウントするとともに、ボトムスキップ制御部14へボトムタイミング信号として出力する。
【0029】
PWM波形形成部18は、ボトムスキップ制御部14からの信号に基づきPWM信号を
生成し、生成されたPWM信号をドライバ(Drv)20を介してスイッチング素子Q1
のゲートに出力する。
【0030】
ここで
図2に示すように、ボトム計数部13は、ボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後に基準電圧Vref2を減衰させて、コンパレータ12の閾値を変化させる。
この基準電圧Vref2は、
図2(a)、(c)に示すようなボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後からの経過時間とともに初期値から変化させ、下限値となる所定のMin電圧まで低下させる。
あるいは、
図2(b)、(d)に示すようなボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後から経過時間または初回からのボトム計数のカウントとともに基準電圧Vref2の電圧を所定の閾値分だけ段階的に変化させ、下限値となる所定のMin電圧まで低下させる。
すなわち、ボトム計数部13は、
図2(c)、(d)に示すようにスイッチング素子Q1のオフ時に両端電圧(ドレイン-ソース間電圧)Vdsが減衰振動する際のリンギング電圧の減衰とともに、コンパレータ12の閾値(Vref2)を変化させていくことで、リンギング電圧に沿ったボトム検出を確実に行うことができる。また、リンギング電圧の減衰に伴ってコンパレータ12の閾値(Vref2)を変化させていくので、閾値(Vref2)の初期値を高い状態からスタートできるのでノイズに対する誤検出も少なくなる利点がある。
また、基準電圧Vref2の可変動作は、マイクロ・コントロール・ユニット(MCU)を使うことで特別な回路を使用することなく設定できるので、回路規模を大きくせずに実現可能である。
【0031】
図3は、本発明の実施例1の擬似共振スイッチング電源装置1における軽負荷条件での各部動作波形を示す図である。
図3に示す波形の上からリアクトルL1の2次巻線n2電圧波形、信号V14波形、スイッチング素子Q1のドレイン電流波形を示す。
リアクトルL1の2次巻線n2電圧のリンギングの減衰の傾斜に対して、信号V14のリンギングの減衰の傾斜は少し大きくなっている。
参考までに、
図3の信号V14波形上に基準電圧Vref2のリニアに減衰する傾斜を記載しているが、設定においては基準電圧Vref2の傾斜を信号V14の傾斜に合わせて補正することが望ましい。
【0032】
図4は、本発明の実施例1のスイッチング電源装置の応用例を示す回路ブロック図である。
また、
図5は、
図4に示すスイッチング電源装置の閾値可変電圧の特性図の一例である。
応用例の
図4と
図1とが異なる点は、
図4が、
図1のリアクトルL1の2次巻線n2の極性を反転し、負電圧となる信号を基準電圧(Vref1など)で抵抗R4を介して正バイアスすることでボトム信号を得るものである。なお、その他の同一構成となる部分に関しては同じ符号で表示する。
ここで、
図5に示すように、ボトム計数部13は、ボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後に基準電圧Vref2を増加させて、コンパレータ12の閾値を変化させる。
この基準電圧Vref2は、
図5(a)に示すようなボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後からの経過時間とともに初期値から変化させ、上限値となる所定のMax電圧まで上昇させる。
あるいは、
図5(b)に示すようなボトム検出信号の初回のダウンエッジを検出した直後から経過時間または初回からのボトム計数のカウントとともに基準電圧Vref2の電圧を所定の閾値分だけ段階的に変化させ、上限値となる所定のMax電圧まで上昇させる。
これにより、
図2と同様に正確なボトムタイミングを検出することができる。
トランスT1の2次巻線S1に接続されるダイオードD1、コンデンサC2からなる整流平滑回路は実施例1と同様になる。2次側回路において実施例1と異なるのは、絶縁構成となるために、2次側フィードバック制御部50、基準電圧Vref3およびフォトカプラPC1が新たに追加されている。2次側フィードバック制御部50は、基準値Vref3に対して出力電圧VoutないしはLED電流Iledのいずれか大きいほうの検出信号が比較され、フィードバック信号として出力される。2次側フィードバック制御部50から出力されるフィードバック信号は、新たに追加されたフォトカプラPC1を介して、1次側の制御部10aのアナログデジタル変換器ADC2に送信される。
実施例2のフライバックコンバータ構成においても、軽負荷状態において、スイッチング素子Q1のオフ期間にトランスT1の1次巻線P1はリンギング電圧を生じ、これによりトランスT1の3次巻線P2に相似のリンギング電圧が発生するため、実施例1と同様の効果を得られる。