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特開2023-136507情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136507
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042230
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】より有用な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、登録部と、学習部と、提供部とを備える。登録部は、ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1のユーザ情報と、第2の事業者が有する第2のユーザ情報とを非公開領域に登録する。学習部は、非公開領域において、第1のユーザ情報を入力とし、第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を第2のユーザ情報に基づいて行う。提供部は、モデルから出力される分類情報を第2の事業者へ提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1の前記ユーザ情報と、第2の事業者が有する第2の前記ユーザ情報とを非公開領域に登録する登録部と、
前記非公開領域において、前記第1のユーザ情報を入力とし、前記第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を前記第2のユーザ情報に基づいて行う学習部と、
前記モデルから出力される前記分類情報を前記第2の事業者へ提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記第1のユーザ情報に基づいて前記ユーザをグルーピングし、グループ毎に前記分類情報を出力する前記モデルを生成する学習処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習部は、
前記第2のユーザ情報の特徴量を示すベクトルを出力する前記モデルを生成し、
前記提供部は、
前記モデルから出力される前記ベクトルを前記分類情報として提供する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の事業者は、前記第2の事業者へ広告配信を依頼する広告依頼主であって、
前記提供部は、
広告の配信先となる前記ユーザを決定する指標となる前記分類情報を提供する
請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2のユーザ情報は、
前記ユーザを識別する識別情報であって、前記第2の事業者によって発行された識別情報を含み、
前記第1のユーザ情報は、
前記第2のユーザ情報に含まれる前記識別情報が紐づく
請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1の前記ユーザ情報と、第2の事業者が有する第2の前記ユーザ情報とを非公開領域に登録する登録工程と、
前記非公開領域において、前記第1のユーザ情報を入力とし、前記第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を前記第2のユーザ情報に基づいて行う学習工程と、
前記モデルから出力される前記分類情報を前記第2の事業者へ提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1の前記ユーザ情報と、第2の事業者が有する第2の前記ユーザ情報とを非公開領域に登録する登録手順と、
前記非公開領域において、前記第1のユーザ情報を入力とし、前記第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を前記第2のユーザ情報に基づいて行う学習手順と、
前記モデルから出力される前記分類情報を前記第2の事業者へ提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスシーン等に活用することを目的として、インターネットを介してやり取りされる膨大なデータを様々な側面から分析するための様々な技術が提案されている。たとえば、購買履歴データ等を用いて時期のトレンドを考慮して顧客を分析する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、より有用な情報を提供する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より有用な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、登録部と、学習部と、提供部とを備える。前記登録部は、ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1の前記ユーザ情報と、第2の事業者が有する第2の前記ユーザ情報とを非公開領域に登録する。前記学習部は、前記非公開領域において、前記第1のユーザ情報を入力とし、前記第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を前記第2のユーザ情報に基づいて行う。前記提供部は、前記モデルから出力される前記分類情報を前記第2の事業者へ提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、より有用な情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、第1のユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、第2のユーザ情報の一例を示す図である。
図6図6は、モデル情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する学習処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置が実行する提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、第1の事業者端末100と、第2の事業者端末200とを含む。
【0011】
第1の事業者端末100は、第1の事業者によって管理される端末装置であり、第2の事業者端末200は、第2の事業者によって管理される端末装置である。本開示では、第1の事業者は、第2の事業者に広告配信を依頼する広告依頼主であり、第2の事業者は、広告配信を行う広告配信元である。
【0012】
情報処理装置1は、例えば、第2の事業者によって管理されるサーバ装置であるが、第1の事業者や、第3の事業者によって管理されるサーバ装置であってもよい。
【0013】
また、第1の事業者端末100は、第1の事業者が行う事業を利用したユーザに関する第1のユーザ情報を有している。また、第2の事業者端末200は、第2の事業者が行う事業を利用したユーザに関する第2のユーザ情報を有している。なお、詳細は後述するが、第1のユーザ情報には、第2のユーザ情報に割り振られた識別情報が紐付いている。つまり、第1のユーザ情報および第2のユーザ情報それぞれに同じユーザが含まれる場合には、かかるユーザに対応する第1のユーザ情報には、第2のユーザ情報における識別情報が紐付く。
【0014】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSでは、まず、情報処理装置1は、第1の事業者端末100および第2の事業者端末200それぞれから第1のユーザ情報および第2のユーザ情報を取得し、非公開領域CRに登録する(ステップS1)。具体的には、情報処理装置1は、第2の事業者端末200が有する第2のユーザ情報のうち、第1のユーザ情報に含まれるユーザに対応した第2のユーザ情報を第2の事業者端末200から取得し非公開領域CRに登録する。
【0015】
非公開領域CRは、第1の事業者端末100および第2の事業者端末200等の外部装置からアクセスができない領域、いわゆるクリーンルームである。つまり、非公開領域CRに登録された第1のユーザ情報および第2のユーザ情報は、第1の事業者および第2の事業者から閲覧できない状態となる。言い換えれば、第1の事業者は、第2の事業者が有する第2のユーザ情報を閲覧できず、第2の事業者は、第1の事業者が有する第1のユーザ情報を閲覧できないため、第1のユーザ情報および第2のユーザ情報の秘匿性を確保できる。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、非公開領域CRにおいて、第1のユーザ情報に基づいてユーザをグルーピングする(ステップS2)。図1では、第1のユーザ情報の特徴量に基づいて、非公開領域CRに各ユーザをマッピングした例を示している。なお、図1において、1つの黒丸が1ユーザに対応しており、各黒丸には、第1のユーザ情報および第2のユーザ情報が紐付く。
【0017】
また、図1において、破線で示された円は、情報処理装置1によってグルーピングされた1グループに相当する。例えば、情報処理装置1は、第1のユーザ情報に車好きの属性情報が含まれる場合に、車好きのユーザを1グループとしてグルーピングする。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、第1のユーザ情報を入力とし、第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルを学習する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置1は、第2のユーザ情報に基づいてモデルの学習を行う。
【0019】
例えば、情報処理装置1は、第1のユーザ情報に基づいてグルーピングしたユーザに対応する第2のユーザ情報を教師データとして機械学習を行うことで、第2のユーザ情報を分類する分類情報を出力するモデルを生成する。かかるモデルは、グループ毎に生成される。また、グループは、第1の事業者や第2の事業者によって指定されてもよく、予め定められた特徴量でグルーピングされてもよい。なお、機械学習のアルゴリズムは、例えば、線形モデルのアルゴリズムを用いることができる。
【0020】
また、モデルから出力される分類情報は、例えば、第2のユーザ情報の特徴量を示すベクトルであり、詳細には、分離平面に直交するベクトルである。また、分類情報は、第2のユーザ情報がマッピングされるマッピング領域における線形を示す関数であってもよい。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、第1の事業者端末100からグループの指定を受け付ける(ステップS3)。第1の事業者は、モデルが生成されたグループの一覧の中から、第1の事業者端末100を介して所望のグループを選択することで指定する。また、第1の事業者は、第1のユーザ情報に含まれる特徴量に基づいた新たなグループを指定してもよい。かかる場合には、情報処理装置1は、指定された新たなグループに基づいて新たにモデルを学習する。
【0022】
つづいて、情報処理装置1は、指定されたグループを第1のユーザ情報としてモデルに入力し、モデルから分類情報を出力(生成)する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、第2のユーザの特徴量を示すベクトルをモデルから出力する。また、情報処理装置1は、かかるベクトルを示すスコアをモデルから出力し、出力されたスコアに基づいてベクトルを生成してもよい。
【0023】
なお、上記では線形モデルを例に挙げたが、モデルは、例えば、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)のように、第1のユーザ情報を入力とし、分類情報を出力するためのルール群であってもよい。
【0024】
つづいて、情報処理装置1は、モデルから出力された(または生成した)分類情報を第2の事業者端末200を介して第2の事業者へ提供する(ステップS6)。そして、第2の事業者は、提供された分類情報を用いて、第2の事業者が有する第2のユーザ情報(第1のユーザ情報のユーザ以外のユーザを含む)を分類する。
【0025】
言い換えれば、第2の事業者端末200は、分類情報を用いて、第1の事業者から依頼された広告を配信するユーザを分類する。すなわち、情報処理装置1は、広告の配信先となるユーザを決定する指標となる分類情報を第2の事業者へ提供する。
【0026】
この結果、第1の事業者にとっては、第1の事業者の事業をしたことが無いユーザ(第2の事業者の事業は利用経験ありのユーザ)に広告配信を行うことができるため、第1の事業者の事業を利用するユーザを拡張(販路拡大)できる。また、第2の事業者にとっては、第1のユーザ情報に基づいて第2のユーザ情報を分類する分類情報を用いることができるため、広告の配信先となるユーザをより精度良く選定できる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、より有用な情報を提供することができる。さらに、情報処理装置1は、非公開領域CRに第1のユーザ情報および第2のユーザ情報を登録してモデルを学習し、モデルの出力を提供することで、第1のユーザ情報および第2のユーザ情報の匿名性を担保することができる。
【0027】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、第1の事業者端末100と、第2の事業者端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0028】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、非公開領域CRにおいて、第1のユーザ情報を入力とし、第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルを学習し、モデルの出力を第2の事業者へ提供する。
【0029】
また、情報処理装置1は、第1の事業者端末100および第2の事業者端末200に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0030】
また、情報処理装置1は、各ユーザのユーザ端末に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0031】
第1の事業者端末100は、第1の事業者が管理する情報処理装置である。たとえば、第1の事業者は、消費者に対して所定の商品又は役務を提供する事業を反復継続的に独立して行っている。また、第1の事業者は、事業の広告を第2の事業者へ依頼するクライアントでもある。第1の事業者端末100は、典型的には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータである。なお、第1の事業者端末100は、スマートフォンやタブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理端末により実現されてもよい。
【0032】
また、第1の事業者端末100は、情報処理装置1から提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。
【0033】
第2の事業者端末200は、第2の事業者が管理する情報処理装置である。たとえば、第2の事業者は、消費者に対して所定の商品又は役務を提供する事業を反復継続的に独立して行っている。また、第2の事業者は、第1の事業者から依頼された広告を配信する広告配信元でもある。第2の事業者端末200は、典型的には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータである。なお、第2の事業者端末200は、スマートフォンやタブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理端末により実現されてもよい。
【0034】
また、第2の事業者端末200は、情報処理装置1から提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。
【0035】
次に、図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0036】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、登録部32と、学習部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、第1のユーザ情報41と、第2のユーザ情報42と、モデル情報43とを記憶する。
【0037】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0038】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0039】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0040】
第1のユーザ情報41は、第1の事業者が行う事業者を利用したユーザに関する情報である。図4は、第1のユーザ情報41の一例を示す図である。第1のユーザ情報41は、第1の事業者端末100から取得し、記憶部4に記憶される。図4に示すように、第1のユーザ情報41は、「第1ID」、「第2ID」、「属性情報」等の項目を含む。
【0041】
「第1ID」は、ユーザを識別する識別情報であり、第1の事業者によって割り振られた識別情報である。「第2ID」は、ユーザを識別する識別情報であり、第2の事業者によって割り振られた識別情報である。つまり、第1のユーザ情報41は、第2のユーザ情報42に含まれる識別情報が紐付く。
【0042】
「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「属性情報」は、第1の事業者が行う事業をユーザが利用した際に入力した属性情報である。
【0043】
第2のユーザ情報42は、第2の事業者が行う事業者を利用したユーザに関する情報である。図5は、第2のユーザ情報42の一例を示す図である。第2のユーザ情報42は、第2の事業者端末200から取得し、記憶部4に記憶される。図5に示すように、第2のユーザ情報42は、「第2ID」、「属性情報」等の項目を含む。
【0044】
「第2ID」は、ユーザを識別する識別情報であり、第2の事業者によって割り振られた識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「属性情報」は、第2の事業者が行う事業をユーザが利用した際に入力した属性情報である。
【0045】
モデル情報43は、後述する学習部33の学習結果により生成されるモデルである。図6は、モデル情報43の一例を示す図である。図6に示すように、モデル情報43は、「モデルID」、「モデル情報」等といった項目を含む。
【0046】
「モデルID」は、モデルを識別する識別情報である。「モデル情報」は、モデルに関する情報を含む。モデル情報は、例えば、必要な入力(すなわち、第1のユーザ情報)や、出力される情報(すなわち、分類情報)、モデルを表す関数に関する情報等を含む。
【0047】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(受付部31、登録部32、学習部33および提供部34)について説明する。
【0048】
受付部31は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部31は、第1の事業者端末100から第1のユーザ情報を受け付け、第1のユーザ情報41として記憶部4に記憶する。また、受付部31は、第2の事業者端末200から第2のユーザ情報を受け付け、第2のユーザ情報42として記憶部4に記憶する。
【0049】
また、受付部31は、モデルの入力となる第1のユーザ情報を受け付ける。例えば、受付部31は、ユーザをグルーピングしたグループの指定を受け付ける。
【0050】
登録部32は、受付部31が受け付けた第1のユーザ情報41と、第2のユーザ情報42とを非公開領域CRに登録する。具体的には、登録部32は、第2の事業者端末200が有する第2のユーザ情報のうち、第1のユーザ情報に含まれるユーザに対応した第2のユーザ情報を第2の事業者端末200から取得し非公開領域CRに登録する。
【0051】
非公開領域CRは、第1の事業者端末100および第2の事業者端末200等の外部装置からアクセスができない領域、いわゆるクリーンルームである。つまり、非公開領域CRに登録された第1のユーザ情報および第2のユーザ情報は、第1の事業者および第2の事業者から閲覧できない状態となる。言い換えれば、第1の事業者は、第2の事業者が有する第2のユーザ情報を閲覧できず、第2の事業者は、第1の事業者が有する第1のユーザ情報を閲覧できないため、第1のユーザ情報および第2のユーザ情報の秘匿性を確保できる。
【0052】
学習部33は、非公開領域CRにおいて、第1のユーザ情報を入力とし、第2のユーザ情報の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を第2のユーザ情報に基づいて行う。例えば、学習部33は、第1のユーザ情報に基づいてグルーピングしたユーザに対応する第2のユーザ情報を教師データとして機械学習を行うことで、第2のユーザ情報を分類する分類情報を出力するモデルを生成する。
【0053】
かかるモデルは、グループ毎に生成される。また、グループは、第1の事業者や第2の事業者によって指定されてもよく、予め定められた特徴量でグルーピングされてもよい。つまり、学習部33は、第1の事業者の指定に基づいて第1のユーザ情報におけるユーザをグルーピングし、グループ毎に第2のユーザ情報を用いてモデルを生成する学習処理を行う。なお、機械学習のアルゴリズムは、例えば、線形モデルのアルゴリズムを用いることができる。
【0054】
また、モデルから出力される分類情報は、例えば、第2のユーザ情報の特徴量を示すベクトルであり、詳細には、分離平面に直交するベクトルである。また、分類情報は、第2のユーザ情報がマッピングされるマッピング領域における線形を示す関数であってもよい。
【0055】
提供部34は、受付部31が受け付けた第1のユーザ情報の指定(グループの指定)に基づいて、指定されたグループを第1のユーザ情報としてモデルに入力し、モデルから分類情報を出力(生成)し、第2の事業者端末200を介して第2の事業者へ提供する。例えば、提供部34は、第2のユーザの特徴量を示すベクトルをモデルから出力し提供する。また、提供部34は、かかるベクトルを示すスコアをモデルから出力し、出力されたスコアに基づいてベクトルを生成してもよい。
【0056】
なお、上記では線形モデルを例に挙げたが、モデルは、例えば、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)のように、第1のユーザ情報を入力とし、分類情報を出力するためのルール群であってもよい。
【0057】
そして、第2の事業者は、提供された分類情報を用いて、第2の事業者が有する第2のユーザ情報(第1のユーザ情報のユーザ以外のユーザを含む)を分類する。
【0058】
言い換えれば、第2の事業者端末200は、分類情報を用いて、第1の事業者から依頼された広告を配信するユーザを分類する。すなわち、情報処理装置1は、広告の配信先となるユーザを決定する指標となる分類情報を第2の事業者へ提供する。
【0059】
次に、図7および図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する学習処理の処理手順を示すフローチャートである。図8は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
まず、図7を用いて、学習処理について説明する。図7に示すように、制御部3は、第1の事業者端末100から取得した第1のユーザ情報41を非公開領域CRに登録する(ステップS101)。
【0061】
また、制御部3は、第2の事業者端末200から取得した第2のユーザ情報42を非公開領域CRに登録する(ステップS102)。
【0062】
つづいて、制御部3は、非公開領域CRにおいて、第1のユーザ情報41を入力とし、第2のユーザ情報42の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を第2のユーザ情報42に基づいて行い(ステップS103)、処理を終了する。
【0063】
次に、図8を用いて、提供処理について説明する。図8に示すように、制御部3は、第1の事業者端末100からグループの指定を受け付ける(ステップS201)。
【0064】
つづいて、制御部3は、指定されたグループに対応する第1のユーザ情報41をモデルに入力し、分類情報を出力する(ステップS202)。
【0065】
つづいて、制御部3は、モデルから出力された分類情報を第2の事業者端末200へ提供し(ステップS203)、処理を終了する。
【0066】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0067】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0068】
例えば、図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0069】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0070】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0071】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0072】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0073】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0074】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0075】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0076】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、登録部32と、学習部33と、提供部34とを備える。登録部32は、ユーザに関するユーザ情報であって、第1の事業者が有する第1のユーザ情報41と、第2の事業者が有する第2のユーザ情報42とを非公開領域CRに登録する。学習部33は、非公開領域CRにおいて、第1のユーザ情報41を入力とし、第2のユーザ情報42の分類に関する分類情報を出力とするモデルの学習を第2のユーザ情報42に基づいて行う。提供部34は、モデルから出力される分類情報を第2の事業者へ提供する。このような構成により、より有用な情報を提供することができる。
【0077】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0078】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0081】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 登録部
33 学習部
34 提供部
41 第1のユーザ情報
42 第2のユーザ情報
43 モデル情報
100 第1の事業者端末
200 第2の事業者端末
CR 非公開領域
N ネットワーク
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9