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特開2023-136534水使用量管理システム、水使用量管理装置及び水使用量管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136534
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】水使用量管理システム、水使用量管理装置及び水使用量管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230922BHJP
   G16Y 10/35 20200101ALI20230922BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20230922BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230922BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/06
G16Y10/35
G16Y20/30
G16Y40/10
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042262
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高山 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】小高 航汰
(72)【発明者】
【氏名】萩野 喜一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】各水回り機器での水使用状態に問題あるか否かを正確に把握できる水使用量管理システム、水使用量管理装置及び水使用量管理方法を提供する。
【解決手段】水使用量管理装置は、複数の水回り機器に対して設置されたセンサから水の詳細情報を取得する情報処理装置と、水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを有する。情報処理装置は、複数の水回り機器のそれぞれに対して、データベースに格納されたセンサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、複数の水回り機器のそれぞれについて、センサ値を取得し、取得したセンサ値が判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを有する水使用量管理装置を含む水使用量管理システムであって、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記ユーザによって前記情報処理装置に利用者目標値を入力可能な入力装置を備え、
前記情報処理装置は、
前記センサ値に基づいて導出される所定期間当たりの水使用量を更に含む前記水の詳細情報を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記利用者目標値を適用した他の判定条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記所定期間当たりの水使用量を取得し、取得した前記所定期間当たりの水使用量が前記他の判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を更に判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記センサ値に基づいて導出される所定期間当たりの水使用量を更に含む前記水の詳細情報を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、
前記データベースに格納された前記センサ値を分析することにより、最適な利用者目標値を計算し、計算した前記利用者目標値を適用した他の判定条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記所定期間当たりの水使用量を取得し、取得した前記所定期間当たりの水使用量が前記他の判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を更に判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記ユーザによって前記情報処理装置に利用者目標値を入力可能な入力装置を備え、
前記情報処理装置は、
前記センサ値に基づいて導出される、前記水使用管理対象内の前記水回り機器の所定期間当たりの水使用量の合計を更に含む前記水の詳細情報を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
前記水使用管理対象に対して、前記利用者目標値を適用した他の判定条件を設定し、
前記所定期間当たりの前記水使用管理対象内の前記水回り機器の前記水使用量の合計を取得し、取得した前記合計が、前記他の判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記水使用管理対象全体の水使用に問題があるか否を更に判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記センサ値に基づいて導出される、前記水使用管理対象内の前記水回り機器の水使用量の合計を更に含む前記水の詳細情報を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
前記水使用管理対象に対して、前記データベースに格納された前記センサ値を分析することにより、最適な利用者目標値を計算し、計算した前記利用者目標値を適用した他の判定条件を設定し、
前記所定期間当たりの前記水使用管理対象内の前記水回り機器の前記水使用量の合計を取得し、取得した前記合計が、前記他の判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記水使用管理対象全体の水使用に問題があるか否を更に判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、
前記センサ値の統計値として、平均値及び標準偏差値を算出し、
前記判定条件としての第1判定条件として、前記センサ値が、前記平均値から前記標準偏差値に2を乗じた値を減算することにより算出した第1の値より大きく、かつ、前記平均値に前記標準偏差値に2を乗じた値を加算することにより算出した第2の値より小さい数値範囲内であるとの条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が、前記第1判定条件を満たすか否かを判定することにより、前記水回り機器での水使用に問題あるか否かを判定する第1判定を行う、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記センサ値として、水使用時間を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、
前記水使用時間の閾値時間を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記第1判定において前記水回り機器での水使用に問題ないと判定された場合、
前記水使用時間を取得し、取得した前記水使用時間が、閾値時間より小さいか否かを判定することにより、前記水回り機器での水使用に問題あるか否を判定する第2判定を行う、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記センサ値に基づいて導出される水使用水量を更に含む前記水の詳細情報を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、
閾値水量を設定し、
前記第2判定において前記水回り機器での水使用に問題ないと判定された場合、
水使用を開始した時点からの前記水使用水量を取得し、取得した前記水使用水量が前記閾値水量より小さいか否かを判定することにより、前記水回り機器での水使用に問題あるか否かを判定する第3判定を行う、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置と情報を送受信可能に接続された端末機器を含み、
前記情報処理装置は、
前記水回り機器での水使用が問題あると判定した場合、前記水回り機器を前記水使用管理対象としている前記ユーザの前記端末機器に警報を通知する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記センサとして、圧力センサが前記水回り機器に対して設置され、
前記情報処理装置は、
前記センサ値として、圧力センサのセンサ値を取得するように構成され、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、
前記水回り機器での水使用が開始された後、
前記圧力センサの前記センサ値の統計値として、平均値及び標準偏差値を算出し、
前記平均値に前記標準偏差値に2を乗じた値を加算することにより算出した値より小さいとの水使用判定条件を設定し、
前記センサ値が、前記水使用判定条件を満たすか否かを判定することにより、前記水回り機器で水使用中であるか否かを判定する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記記憶装置は、ユーザ識別情報及び前記ユーザ識別情報に対応付けた目標情報を格納する他のデータベースを更に含み、
前記情報処理装置は、
前記センサ値と、前記センサ値に基づいて導出可能なセンサ値関連情報と、前記ユーザ識別情報と、前記目標情報とを連結した情報に基づいて、可視化データを作成し、当該可視化データを出力する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記センサからセンサ値を取得し、取得した前記センサ値の数値補完を実行する管理サーバを含み、
前記情報処理装置は、前記管理サーバを介して、数値補完後の前記センサ値を取得する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項13】
請求項1に記載の水使用量管理システムにおいて、
前記情報処理装置と情報を送受信可能に接続された端末機器を含み、
前記情報処理装置は、
前記データベースに格納された前記センサ値を分析することにより、最適な節水目標値を含む提案情報を計算し、前記提案情報を出力し、前記提案情報を前記水回り機器を前記水使用管理対象としている前記ユーザの前記端末機器に提供する、
ように構成された、
水使用量管理システム。
【請求項14】
ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを有する水使用量管理装置であって、
前記情報処理装置は、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定する、
ように構成された、
水使用量管理装置。
【請求項15】
ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを用いた水使用量管理方法であって、
前記情報処理装置によって、
複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、
複数の前記水回り機器のそれぞれについて、
前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定する、
水使用量管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水使用量管理システム、水使用量管理装置及び水使用量管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水の使用量を管理するシステムにおいて節水行動の目標水量を達成可能とするためには情報を的確に認識し、ユーザに詳細な情報提示や効果的な提案をすることが重要である。例えば、特許文献1では、所定の評価期間内での使用目標水量が設定されており、水量データを基に実使用水量を演算すると共に、使用目標水量と実使用水量との差から使用可能な残水量を算出し、ユーザに情報提供を可能とするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-99133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2015年より持続可能な開発目標(SDGS)が示されている中、水分野としては水と衛生に関するゴールが設定されている。その中でも「2030年までに水の利用効率を大幅に改善し、水不足に対処する」といった目標も掲げられている。以上より水使用や利用効率について近年注目され、また改めて見直しを行う必要があると言える。
【0005】
従って、水使用量を適正に管理するために、各水回り機器の水使用に関する情報を取得し、各水回り機器での水使用状態に問題あるか否かを正確に把握することが求められている。本発明は上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、各水回り機器での水使用状態に問題あるか否かを正確に把握できる水使用量管理システム、水使用量管理装置及び水使用量管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の水使用量管理システムは、ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを有する水使用量管理装置を含む水使用量管理システムである。前記情報処理装置は、複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、複数の前記水回り機器のそれぞれについて、前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定するように構成されている。
【0007】
本発明の水使用量管理装置は、ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置を有する水使用量管理装置である。前記情報処理装置は、複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、複数の前記水回り機器のそれぞれについて、前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定するように構成されている
水使用量管理装置。
【0008】
本発明の水使用量管理方法は、ユーザの水使用管理対象内の複数の水回り機器に対して設置され、前記水回り機器に関する情報を取得するセンサから前記センサによって取得されたセンサ値及び当該センサ値から導出された情報を含む水の詳細情報を取得する情報処理装置と、前記水の詳細情報を格納したデータベースを含む記憶装置とを用いた水使用量管理方法であって、前記情報処理装置によって、複数の前記水回り機器のそれぞれに対して、前記データベースに格納された前記センサ値の統計値を適用した判定条件を設定し、複数の前記水回り機器のそれぞれについて、前記センサ値を取得し、取得した前記センサ値が前記判定条件を満たすか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の前記水回り機器のそれぞれでの水使用に問題があるか否を判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各水回り機器の水使用状態に問題あるか否かを正確に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る水使用量管理装置を含む水使用量管理システムの構成例を示す概略構成図である。
図2図2は管理サーバ及び水管理装置の構成例を示す概略構成図である。
図3図3は管理サーバの構成例を示す概略構成図である。
図4図4は決定部の構成例を示す概略構成図である。
図5図5は顧客情報部の構成例を示す概略構成図である。
図6図6は演算部の構成例を示す概略構成図である。
図7図7は記憶部の構成例を示す概略構成図である。
図8図8はデータ収集部の構成例を示す概略構成図である。
図9図9は決定DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図10図10は顧客情報DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図11図11は演算DBに格納されたテーブル等を説明するための図である。
図12図12は記憶部の水使用DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図13図13は記憶部のセンシングDBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図14A図14Aは記憶部の収集DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図14B図14Bは記憶部の収集DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図15図15は管理サーバの管理DBに格納されたテーブルを説明するための図である。
図16図16は情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図17図17は水使用量管理装置の動作を説明するためのブロック図である。
図18図18は情報収集工程を説明するためのブロック図である。
図19図19は情報分析工程を説明するためのブロック図である。
図20図20は情報表示工程を説明するためのブロック図である。
図21図21は演算部が実行する処理1及び処理2を示すフローチャートである。
図22図22は演算部にて使用する標準偏差値の概要及び求め方を説明するための図である。
図23A図23Aは演算部が実行する処理1の具体的な内容を示すフローチャートである。
図23B図23Bは演算部が実行する処理1の具体的な内容を示すフローチャートである。
図23C図23Cは演算部が実行する処理2の具体的な内容を示すフローチャートである。
図24図24は本発明の第2実施形態に係る水使用量管理装置の演算部が実行する処理1の具体的内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一又は対応する部分には同一の符号を付す場合がある。以下の説明では、「テーブル」、「レコード」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されてもよい。更に、識別情報について説明する際、「識別情報」、「名称」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。更に、以下の説明では、「プログラム」又は機能ブロックを主語として処理を説明する場合があるが、処理の主語が、CPUとされてもよい。同様に、「プログラム」又は機能ブロックを実行して行う処理の主体が、CPUを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。
【0012】
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態に係る水使用量管理装置を含む水使用量管理システムについて説明する。図1は第1実施形態に係る水使用量管理装置を含む水使用量管理システムの概略構成図である。図1に示すように、水使用量管理システムは、水使用量管理装置101と、管理サーバ130と、複数のユーザの水使用管理対象(本例において、家HM1a乃至HM1z)のそれぞれに対して設置された複数の水管理装置120a乃至120zと、複数の端末機器140a乃至140z(例えば、ディスプレイを備えたスマートフォン、タブレット端末など)とを含み、これらはネットワーク150を介して、情報(データ)を送受信可能に接続されている。なお、以下、水管理装置120a乃至120zは、これらを特に区別する必要がない場合、「水管理装置120」と称呼される場合がある。端末機器140a乃至140zは、これらを特に区別する必要がない場合、「端末機器140」と称呼される場合がある。家HM1a乃至家HM1zは、これらを特に区別する必要がない場合、「家HM1」と称呼される場合がある。
【0013】
本システムは大きく分け3構成となっている。一つ目は、水利用効率等の改善を促す水使用量管理装置101、二つ目は水の詳細情報(水使用情報及びセンサ情報)を採取する水管理装置120、そして三つ目はユーザが使用した水使用情報を収集や管理する管理サーバ130である。
【0014】
水使用量管理装置101は、通信部102、情報生成部103、決定部104、顧客情報部105、演算部106、出力部107、記憶部108、入力部109、データ収集部110及び警報部111から構成される。なお、これらの各構成要素については、後に説明する。
【0015】
水使用量管理装置101は、各ユーザの水使用管理対象(本例において、各ユーザの各家HM1)の各水回り機器121(図2を参照。)に関する情報を取得する。水使用量管理装置101は、水回り機器121に取り付けた水管理装置120、及び、管理サーバ130を通して(介して)、センサ情報(例えば、圧力、振動センサ、流量センサ、時間センサ、温度センサ等によって取得された情報(センサ値))及びセンサ情報から導出される水使用量、所定期間当たりの水使用量等を含む水使用情報を収集し、且つ、収集したこれらの情報を管理する。
【0016】
更に、水使用量管理装置101は、収集及び管理するこれらの情報の加工、及び、収集及び管理するこれらの情報等に基づくデータの生成を行うことができるように構成される。更に、水使用量管理装置101は、これらの情報を各ユーザに関する情報である顧客情報に連結できるように構成される。更に、水使用量管理装置101は、追加機能として、最終的に各ユーザの各端末機器140に、各ユーザ(各ユーザの各家HM1)から、水管理装置120及び管理サーバ130を介して収集した情報及び生成したデータを可視化した画像(データの理解を容易にするために図、表などのように、データを別の形で表現した画像)を表示できるように構成される。なお、ユーザが使用した水の詳細情報に応じて、各ユーザにアウトプットする方法が異なる。即ち、収集した水の詳細情報に基づく分析結果に応じて、ユーザの端末機器140に提示する画像や処理画像のみをユーザに提示する、又は、画像の提示及び警報を行うなど、端末機器140に通知する内容が異なる。
【0017】
管理サーバ130は、例えば、所定の地域毎に設置され、所定の地域に存在する多数の各ユーザの水回り機器121での水使用情報などの情報を収集及び管理する。管理サーバ130は、図3に示す管理DB701を備えている。本明細書において、「DB」は「データベース(Data Base)」の略称である。なお、管理DB701に格納される情報については後に詳述する。図1では、ある一つの地域の管理サーバ130を示している。
【0018】
図2に示すように、管理サーバ130は、水管理装置120と情報を送受信可能に接続されている。水管理装置120は、各水回り機器121(風呂場121a、洗面台121b、トイレ121c、キッチン121dなど)に取り付けられているセンサSN1乃至SN4などである。なお、以下、センサSN1乃至SN4は、これらを特に区別する必要がない場合、「センサSN」と称呼される場合がある。センサSNは、各水回り機器121について、ユーザが使用した水の水使用情報や各水回り機器121についてのセンサ情報を検出する。センサSNは、複数のセンサ(例えば、圧力、振動センサ、流量センサ、時間センサ、温度センサ等)を含む。
【0019】
管理サーバ130は、水管理装置120によって検出されたこれらの情報を、水管理装置120から取得し、ネットワーク150を介して、水使用量管理装置101に送信する。水使用量管理装置101に送信された水使用情報及びセンサ情報は、水使用量管理装置101の後述の水使用DB201及びセンシングDB202(図7を参照。)に格納される。また、水使用DB201及びセンシングDB202には、過去データ等も格納し、ユーザの月間、一日当たり、時間当たりの水使用量やセンサSN等から得られる数値(センサ値)も格納する。以上のデータは最終的には、水使用量管理装置101のデータ収集部110に送信され、顧客情報部105のデータと連結した状態で蓄積される。
【0020】
なお、管理サーバ130は、以前に収集した情報を用いてAIに学習させ(分析させ)、収集した情報に決められた範囲内の誤差や数値欠陥等が生じている場合、AIを利用して、数値補完を実行し、数値補完した情報を収集した情報と共に水使用量管理装置101に送るようにしてもよい。例えば、管理サーバ130は、機械学習により、収集した情報に決められた範囲内の誤差や数値欠陥が生じている場合に数値補完した情報を出力する学習モデルを生成し、その学習モデルを用いて、数値補完を実行するようにしてもよい。
【0021】
以下、図1に示した水使用量管理装置101の通信部102、情報生成部103、決定部104、顧客情報部105、演算部106、出力部107、記憶部108、入力部109、データ収集部110及び警報部111について、説明する。
【0022】
(通信部)
通信部102は、インターネット等のネットワーク150と管理サーバ130を介して、水管理装置120から得られるユーザが各水回り機器121で使用した水の詳細情報(水使用情報及びセンサ情報)を取得する。更に、通信部102は、水使用量管理装置101で生成した情報、当該情報と顧客情報を連結することで得られた結果(例えば、分析結果)、及び、各ユーザの端末機器140に(例えば、分析結果に基づく、水使用や利用効率等の改善を促す提案を通知等)、ネットワーク150を介して送信(通知)する。
【0023】
(情報生成部)
情報生成部103は、顧客情報部105と水管理装置120から取得した情報を用いて、ユーザが視覚によってデータの内容及び分析結果などを容易に理解できるように、可視化データ(データ表、図、グラフ)などを作成する。
【0024】
(決定部)
決定部104は、図4に示すように決定DB501を備えている。決定部104は、顧客情報部105と水管理装置120から取得した情報(各種数値(センサ値))に対して、後述の演算部106による演算ルールに従った演算処理(演算、比較、判定)の結果に基づき、ユーザに対する通知の有無等を判断する。例としては、各ユーザがあらかじめ策定していた数値(使用水量など)、水使用量管理装置101上で事前に判断基準として策定していた数値(使用水量、水使用時間など)を上回ってしまった場合、警報部111と照合してユーザに通知を行うことなどが挙げられる。また、AIにより顧客情報部105やデータ収集部110から最適な水使用量、最適な節水目標値等を学習し利用ユーザに提案する機能も備えている。判断結果(提案結果)などは、決定DB501に格納される。なお、決定DB501に格納される情報(データ)については後に詳述する。
【0025】
(顧客情報部)
顧客情報部105は、図5に示すように顧客情報DB301を備えている。顧客情報部105は、顧客情報として月間、一日当たり、時間当たりでどのくらいの水量、水料金に補正したいのか等、ユーザが定めた数値を顧客情報DB301に格納する。なお、顧客情報DB301に格納される情報(データ)については後に詳述する。
【0026】
(演算部)
演算部106は、図6に示すように演算DB601を備えている。演算DB601は、ユーザへの通知の有無等を判断するための演算方法を定義した演算ルール1、演算ルール2(演算ルール2-1及び演算ルール2-2)、演算ルール2-2、演算ルール3、演算ルール4及び演算ルールに従った演算処理(判定)を実行するときに使用される式及び閾値が格納されている。なお、演算DB601に格納される情報(データ)については後に詳述する。演算部106は、演算ルールに従った演算処理を実行する。
【0027】
(出力部)
出力部107は、通信部102を介して(用いて)、情報生成部103にて作成したデータ表等や決定部104にて決定した方針(ユーザへの通知有無など)を、端末機器140に通知するための画面表示等を出力する。
【0028】
(記憶部)
記憶部108は、図7に示すように水使用DB201とセンシングDB202を備えている。記憶部108は、管理サーバ130によって取得された、各水回り機器121に対して取り付けている(設置している)水管理装置120から得られるユーザが使用した水の水使用情報及びセンサ情報を水使用DB201及びセンシングDB202に格納する。また、記憶部108は、過去データ等も格納し、ユーザの月間、一日当たり、時間当たりの水使用量やセンサ等から得られる数値も格納する。以上のデータは最終的にはデータ収集部110に送信され、顧客情報部105と連結して、データ収集部110に蓄えられる。なお、水使用DB201及びセンシングDB202のそれぞれに格納される情報(データ)については後に詳述する。
【0029】
(入力部)
入力部109は、端末機器140から各ユーザが顧客目標水量等を設定するために必要であり、入力部109を介して顧客情報部105の顧客情報DB301に情報が格納される。
【0030】
(データ収集部)
データ収集部110は、図8に示すように収集DB401を備えている。データ収集部110は、顧客情報部105及び記憶部108にそれぞれ格納されているデータを連結したデータ、そして演算部106により算出されたセンサ値の平均値、標準偏差値を収集DB401に格納する。また、過去データも格納することにより、AIで学習、判断するデータとして利用する。データとしては、センサ情報、センサSNから得られる水使用情報(水使用水量、水使用時間、温度など)、またユーザの月間、一日当たり、時間当たりの目標値(所定期間当たりの目標値)を格納している。なお、収集DB401に格納される情報については後に詳述する。
【0031】
(警報部)
警報部111は、決定部104で判断された内容や結果に沿って、端末機器140に通知(例えば、警報(アラート))を行う。
【0032】
以下、上述した各DB(データベース)に格納される情報(データ)の詳細について説明する。なお、以下の説明に参照される図において、テーブルに格納される値(数値)の例を、アルファベットの組合せ(例えば、「aa」、「-bb」など)又はアルファベット及び数字の組合せ(例えば、「t1」、「t2」など)で示している。
【0033】
図9は決定DB501に格納されたテーブルTB1を説明するための図である。テーブルTB1は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID901と、演算ルール[1]数値902と、演算ルール[1]結果903と、演算ルール[2-1]数値(圧力)904と、演算ルール[2-1]数値(振動)905と、演算ルール[2-1]結果906と、演算ルール[2-2]数値(圧力)907と、演算ルール[2-2]数値(振動)908と、演算ルール[2-2]結果909と、警報[1]910と、演算ルール[3]数値911と、演算ルール[3]結果912と、警報[2]913と、警報[3]914と、演算ルール[4]数値915と、演算ルール[4]結果916と、警報[4]917と、警報[5]918と、を含む。
【0034】
テーブルTB1には、演算ルールに関連する情報、判定結果などに関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。
【0035】
データID901には、データを識別するための識別情報が格納されている。演算ルール[1]数値902には、演算ルール1に従った演算処理で計算した数値(=T[s](閾値)-水使用時間)が格納されている。
【0036】
演算ルール[1]結果903には、演算ルール1による判定結果を示す情報が格納されている。具体的に述べると、演算ルール[1]結果903には、水使用に問題がないことを示す「0」及び水使用に問題があることを示す「1」の何れかが格納されている。
【0037】
演算ルール[2-1]数値(圧力)904には、演算ルール2-1に従った演算処理で計算した数値{=平均値-(標準偏差値×2)})が格納されている。演算ルール[2-1]数値(振動)905には、演算ルール2-1に従った演算処理で計算した数値{=平均値-(標準偏差値×2)})が格納されている。
【0038】
演算ルール[2-1]結果906には、演算ルール[2-1]数値(圧力)904及び演算ルール[2-1]数値(振動)905を用いた、演算ルール2による判定結果を示す情報が格納されている。演算ルール[2-1]結果906には、水使用に問題がないことを示す「0」及び水使用に問題があることを示す「1」の何れかが格納されている。
【0039】
演算ルール[2-2]数値(圧力)907には、演算ルール2-2に従った演算処理で計算した数値{平均値+(標準偏差値×2)})が格納されている。演算ルール2-2に従った演算処理で計算した演算ルール[2-2]数値(振動)908には、演算ルール2-2に従った演算処理で計算した数値{平均値+(標準偏差値×2)})が格納されている。
【0040】
演算ルール[2-2]結果909には、演算ルール[2-2]数値(圧力)907及び演算ルール[2-2]数値(振動)908を用いた、演算ルール2による判定結果を示す情報が格納されている。演算ルール[2-2]結果909には、水使用に問題がないことを示す「0」及び水使用に問題があることを示す「1」の何れかが格納されている。
【0041】
警報[1]910には、演算ルール[1]結果903、演算ルール[2-1]結果906及び演算ルール[2-2]結果909に応じた、ユーザ(端末機器140)に警報を通知する必要があるか否かを示す情報(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))が格納されている。具体的に述べると、演算ルール[1]結果903、演算ルール[2-1]結果906及び演算ルール[2-2]結果909の少なくとも一つが、水使用が問題あることを示す「1」の場合、警報[1]910には、「1」及び「0」の何れかの値が格納される。
【0042】
演算ルール[3]数値911には、演算ルール3に従った演算処理で計算した数値(X[mL](閾値)-使用水量)が格納されている。演算ルール[3]結果912には、演算ルール[3]数値911を用いた、演算ルール3による判定結果を示す情報(0(水使用に問題がない)、1(水使用に問題がある))が格納されている。
【0043】
警報[2]913には、演算ルール[3]結果912に応じた、ユーザ(端末機器140)に警報を通知する必要があるか否かを示す情報(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))が格納されている。警報[3]914(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))には、警報[1]910及び警報[2]913に応じた、ユーザ(端末機器140)に警報を通知する必要があるか否かを示す情報(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))が格納されている。
【0044】
演算ルール[4]数値915には、演算ルール4に従った演算処理で計算した数値(=利用者目標値[mL] -使用水量)が格納されている。演算ルール[4]結果916には、演算ルール[4]数値915を用いた、演算ルール4による判定結果を示す情報(0(水使用に問題がない)、1(水使用に問題がある))が格納されている。
【0045】
警報[4]917には、演算ルール[4]結果916に応じた、ユーザ(端末機器140)に警報を通知する必要があるか否かを示す情報(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))が格納されている。警報[5]916(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))には、警報[3]914及び警報[4]917に応じた、ユーザ(端末機器140)に警報を通知する必要があるか否かを示す情報(0(通知必要なし)、1(通知必要あり))が格納されている。
【0046】
図10は顧客情報DB301に格納されたテーブルTB2及びテーブルTB3を説明するための図である。図10に示すように、テーブルTB2は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1001、お客様水使用量目標値(/月)1002、お客様水使用量目標値(/日)1003及びお客様水使用量目標値(/h)1004を含む。
【0047】
テーブルTB2には、顧客情報に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、データID1001には、データを識別するための識別情報が格納されている。
【0048】
お客様水使用量目標値(/月)1002には、一月当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/日)1003には、一日当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/h)1004には、一時間当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。
【0049】
テーブルTB3は、情報(値)を格納する列(カラム)として、ユーザID1005と、お客様水使用量目標値(/月)1006、お客様水使用量目標値(/日)1007及びお客様水使用量目標値(/h)1008を含む。テーブルTB3には、顧客情報に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。
【0050】
具体的に述べると、ユーザID1005には、ユーザを識別するための識別情報が格納されている。お客様水使用量目標値(/月)1006には、一月当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/日)1007には、一日当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/h)1008には、一時間当たりのお客様水使用量の目標値が格納されている。
【0051】
図11は演算DB601に格納されたテーブルTB4a、テーブルTB4b及び演算ルールを説明するための図である。図11に示すように、テーブルTB4aは、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1101と、閾値T[s](演算ルール[1])1102と、閾値X[mL](演算ルール[3])1103と、を含む。
【0052】
テーブルTB4aには、演算ルールに従った演算処理に使用される閾値に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、データID1101には、データを識別するための識別情報が格納されている。閾値T[s](演算ルール[1])1102には、演算ルール1で使用される閾値(閾値時間)が格納されている。閾値X[mL](演算ルール[3])1103には、演算ルール3で使用される閾値が格納されている。
【0053】
図11に示すように、テーブルTB4bは、情報(値)を格納する列(カラム)として、演算ルール1104と、式1105と、を含む。テーブルTB4bには、演算ルールに従った演算処理で使用される式に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、演算ルール1104には、演算ルールの番号が格納されている。式1105には、各演算ルールにて使用される下記の式(1)乃至式(4)が、それぞれの対応する演算ルールの番号に対応付けられて格納されている。
【0054】
A<閾値・・・式(1)
(A:水使用時間)
平均値-(標準偏差値×2)<X<平均値+(標準偏差値×2)・・・式(2)
平均値-(標準偏差値×2)<X・・・式(2-1)
X<平均値+(標準偏差値×2)・・・式(2-2)
(X:センサ値)
Y<閾値・・・式(3)
(Y:水使用水量)
Z<利用目標値・・・式(4)
(Z:所定期間当たりの水使用量)
なお、式(4)は、「Xが、平均値から「標準偏差値に2を乗じた値」を減算することにより算出した値より大きく、かつ、平均値に「標準偏差値に2を乗じた値」を加算することにより算出した値より小さい」と換言できる。
【0055】
更に、演算DB601には、演算ルール1110(演算ルール1乃至演算ルール4)の定義が格納されている。
【0056】
演算ルール1には、式(1)に、水使用時間及び演算DB601に格納された閾値を適用し、式(1)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール1に従った演算処理では、演算部106は、式(1)に、水使用時間及び演算DB601に格納された閾値を適用した後、式(1)が成立するか否かを判定する。
【0057】
演算ルール2には、式(2)にセンサ値(圧力センサ、振動センサのセンサ値)及び統計値(平均値及び標準偏差値)を適用し、式(2)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール2に従った演算処理では、演算部106は、式(2)に、センサ値及び収集DB401に格納された統計値(平均値及び標準偏差値)を適用した後、式(2)が成立するか否かを判定する。
【0058】
演算ルール2-1には、式(2-1)にセンサ値及び統計値(平均値及び標準偏差値)を適用し、式(2-1)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール2-1に従った演算処理では、演算部106は、式(2-1)に、センサ値及び収集DB401に格納された統計値(平均値及び標準偏差値)を適用した後、式(2-1)が成立するか否かを判定する。
【0059】
演算ルール2-2には、式(2-2)にセンサ値及び統計値(平均値及び標準偏差値)を適用し、式(2-2)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール2-2に従った演算処理では、演算部106は、式(2-2)に、センサ値及び収集DB401に格納された統計値(平均値及び標準偏差値)を適用した後、式(2-2)が成立するか否かを判定する。
【0060】
演算ルール3には、式(3)に、水使用水量及び演算DB601に格納された閾値を適用し、式(3)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール3に従った演算処理では、演算部106は、式(3)に、水使用水量及び演算DB601に格納された閾値を適用した後、式(3)が成立するか否かを判定する。
【0061】
演算ルール4には、式(4)に、所定期間当たりの水使用量及び演算DB601に格納された閾値を適用し、式(4)が成立するか否かを判定することが定義されている。従って、演算ルール4に従った演算処理では、演算部106は、式(4)に、所定期間当たりの水使用量及び演算DB601に格納された閾値を適用した後、式(4)が成立するか否かを判定する。
【0062】
図12は記憶部108の水使用DB201に格納されたテーブルTB5及びテーブルTB6を説明するための図である。図12に示すように、テーブルTB5は、情報(値)を格納する列(カラム)として、ユーザデータID1201と、水使用水量1202と、水使用時間1203と、温度1204と、を含む。
【0063】
テーブルTB5には、水使用水量、水使用時間、温度に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて行単位の情報(レコード)として格納されている。データID1201には、データを識別するための識別情報が格納されている。水使用水量1202には、流量センサによって検出されたセンサ値(水使用水量)が格納されている。水使用時間1203には、時間センサによって検出されたセンサ値(水使用時間)が格納されている。温度1204には、温度センサによって検出された温度が格納されている。
【0064】
テーブルTB6は、情報(値)を格納する列(カラム)として、ユーザID1205と、水使用水量合計1206と、水使用時間合計1207と、温度1208と、を含む。テーブルTB5には、水使用水量の合計、水使用時間の合計、温度の平均に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて行単位の情報(レコード)として格納されている。ユーザID1205には、ユーザを識別するための識別情報が格納されている。水使用水量合計1206には、流量センサによって検出されたセンサ値(水使用水量)が格納されている。水使用時間合計1207には、時間センサによって検出されたセンサ値(水使用時間)が格納されている。温度1208には、温度の平均が格納されている。
【0065】
図13は記憶部108のセンシングDB202に格納されたテーブルTB7を説明するための図である。図13に示すように、テーブルTB7は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1301と、圧力センサ1302と、振動センサ1303と、を含む。
【0066】
テーブルTB7には、センサに関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、データID1301には、データを識別するための識別情報が格納されている。圧力センサ1302には、圧力センサによって検出されたセンサ値が格納されている。振動センサ1303には、振動センサによって検出されたセンサ値が格納されている。
【0067】
テーブルTB8は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1304と、名称1305と、を含む。テーブルTB6には、水回り機器121に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、データID1304には、データを識別するための識別情報が格納されている。名称1305には、水回り機器121の名称(場所)が格納されている。
【0068】
図14A及び図14Bはデータ収集部110の収集DB401に格納されたテーブルを説明するための図である。図14Aに示すように、テーブルTB9は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1401と、圧力センサ1402と、振動センサ1403と、平均(圧力センサ)1404と、平均(振動センサ)1405と、標準偏差値(圧力センサ)1406と、標準偏差値(振動センサ)1407と、水使用水量1408と、水使用時間1409と、温度1410と、お客様水使用量目標値(/月)1411と、お客様水使用量目標値(/日)1412と、お客様水使用量目標値(/h)1413と、を含む。
【0069】
テーブルTB9には、水の詳細情報と顧客情報とを連結した各列に対応する情報が互いに対応付けられて行単位の情報(レコード)として格納されている。
【0070】
具体的に述べると、データID1401には、データを識別するための識別情報が格納されている。圧力センサ1402には、圧力センサのセンサ値が格納されている。振動センサ1403には、振動センサのセンサ値が格納されている。平均1404(圧力センサ)には、圧力センサのセンサ値の平均値が格納されている。平均(振動センサ)1405には、振動センサのセンサ値の平均値が格納されている。標準偏差値(圧力センサ)1406には、圧力センサのセンサ値の標準偏差値が格納されている。標準偏差値(振動センサ)1407には、振動センサのセンサ値の標準偏差値のそれぞれが格納されている。水使用水量1408には、流量センサのセンサ値が格納されている。水使用時間1409には、時間センサのセンサ値が格納されている。温度1410には、温度センサのセンサ値が格納されている。お客様水使用量目標値(/月)1411には、顧客情報部105から取得した水使用量の一月当たりの目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/日)1412には、顧客情報部105から取得した水使用量の一日当たりの目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/h)1413には、顧客情報部105から取得した水使用量の一時間当たりの目標値が格納されている。
【0071】
図14Bに示すように、テーブルTB10は、情報(値)を格納する列(カラム)として、ユーザID1414と、水使用水量合計(流量センサ)1415と、水使用時間合計(時間センサ)1416と、お客様水使用量目標値(/月)1417と、お客様水使用量目標値(/日)1418と、お客様水使用量目標値(/h)1419と、を含む。
【0072】
テーブルTB10には、水使用情報と顧客情報とを連結した各列に対応する情報が互いに対応付けられて行単位の情報(レコード)として格納されている。
【0073】
具体的に述べると、ユーザID1414には、ユーザを識別するための識別情報が格納されている。水使用水量合計(流量センサ)1415には、ユーザの管理対象(本例において、ユーザの家HM1)内の複数の水回り機器121の水使用水量の合計が格納されている。水使用時間合計1416(時間センサ)には、ユーザの管理対象(ユーザの家HM1)内の複数の水回り機器121の水使用水量の合計が格納されている。お客様水使用量目標値(/月)1417には、ユーザが管理対象(ユーザの家HM1)に対して設定した管理対象の水回り機器121の全体の一月当たりの水使用量目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/日)1418には、ユーザが管理対象(ユーザの家HM1)に対して設定した管理対象の水回り機器121全体の一日当たりの水使用量目標値が格納されている。お客様水使用量目標値(/h)1419には、ユーザが管理対象(ユーザの家HM1)に対して設定した管理対象の水回り機器121全体の一時間当たりの水使用量目標値が格納されている。
【0074】
図15は管理サーバ130の管理DB701に格納されたテーブルTB11を説明するための図である。図15に示すように、テーブルTB11は、情報(値)を格納する列(カラム)として、データID1501と、実際の水使用水量(/月)1502と、実際の水使用水量(/日)1503と、実際の水使用水量(/h)1504と、を含む。
【0075】
テーブルTB11には、管理サーバ130が収集した水回り機器121に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて行単位の情報(レコード)として格納されている。具体的に述べると、データID1501には、データを識別するための識別情報が格納されている。実際の水使用水量(/月)1502には、データを識別するための識別情報が格納されている。実際の水使用水量(/日)1503には、データの識別情報に対応する水回り機器121の実際の水使用水量の一月当たりの合計が格納されている。実際の水使用水量(/h)1504には、データの識別情報に対応する水回り機器121の実際の水使用水量の一日当たりの合計が格納されている。
【0076】
なお、テーブルTB11は、水使用量管理装置101にて作成したデータ表をあるユーザ(端末機器140)に表示する際に、あるユーザと同地域内かつ同様のデータ取得者(他のユーザ)に関するデータを比較して提示するためのデータを表している。データの識別情報がデータID1501に登録され、他のユーザの水使用水量(/月)が実際の水使用水量(/月)1502に登録され、他のユーザの水使用水量(/日)が実際の水使用水量(/日)1503に登録され、そして、他のユーザの水使用水量(/h)が実際の水使用水量(/h)1504に登録される(例えば、平均値で算出)。このデータが提示されることで、他のユーザとの比較の観点から、水使用や利用効率の改善をユーザに促すことができる。
【0077】
水使用量管理装置101は、例えば、情報処理装置(サーバ、コンピュータ)などで構成可能である。図16は、情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、情報処理装置1600は、CPU1601、ROM1602、RAM1603、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置(HDD)1604、ネットワークインタフェース1605及び入出力インタフェース1606などを含む。これらは、バス1607を介して互いに通信可能に接続されている。CPU1601はROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された図示しない各種プログラムをRAM1603にロードし、RAM1603にロードされたプログラムを実行することによって、各種機能を実現する。RAM1603には、上述したようにCPU1601が実行する各種プログラムがロードされ、CPU1601が各種プログラムを実行する際に使用するデータが一時的に記憶される。ROM1602及び/又は記憶装置1604は、不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムが記憶されている。ネットワークインタフェース1605は、情報処理装置1600がネットワーク150に接続されるためのインタフェースである。入出力インタフェース1606は、キーボード、マウスなどの入力装置(操作装置)及びディスプレイなどの表示装置に接続されるためのインタフェースである。
【0078】
例えば、通信部102は、ネットワークインタフェース1605及びROM1602及び/又はHDD1604に格納された各種プログラムで構成される。情報生成部103は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0079】
決定部104は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0080】
顧客情報部105は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0081】
演算部106は、CPU1001で実行されるROM1002及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0082】
出力部107は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラムで構成される。
【0083】
記憶部108は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0084】
入力部109は、入出力インタフェース1606で構成される。
【0085】
データ収集部110は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラム、並びに、記憶装置1604で構成される。
【0086】
警報部111は、CPU1601で実行されるROM1602及び/又は記憶装置1604に格納された各種プログラムで構成される。なお、情報処理装置1600は、複数の情報処理装置であってもよく、クラウド上に構築される仮想的な情報処理装置であってもよい。
【0087】
<水使用量管理装置の動作>
以下、水使用量管理装置101の動作について説明する。図17は水使用量管理装置101の動作を説明するためのブロック図である。図17に示すように、水使用量管理装置101は、以下に述べるS1701、S1702及びS1703の工程を順に実行する。
【0088】
S1701:水使用量管理装置101は、管理サーバ130より、水管理装置120によって取得された情報を収集する情報収集工程を実行する。なお、この情報収集工程については、後に詳述する。
【0089】
S1702:水使用量管理装置101は、情報分析工程を実行する。なお、この情報分析工程については、後に詳述する。
【0090】
S1703:水使用量管理装置101は、端末機器140に情報を表示するための情報表示工程を実行する。なお、情報表示工程については、後に詳述する。
【0091】
(情報収集工程)
図18は情報収集工程(S1701)の詳細を説明するためのブロック図である。情報処理工程では、記憶部108は、管理サーバ130を介して、各水回り機器121に取り付けている水管理装置120から得られるユーザが使用した水の詳細情報(水使用情報及びセンサ情報)を収集し、収集したこれらの情報を水使用DB201及びセンシングDB202に格納する。演算部106は、センシングDB202に格納されたセンサ情報(センサ値)を用いて、演算ルール2に従った演算処理に必要な統計値(平均値、標準偏差)を算出する。
【0092】
顧客情報部105は、入力部109に入力された(例えば、端末機器140や入力装置を介して入力部109に入力された)ユーザが定めた数値等を顧客情報DB301に格納する。記憶部108、演算DB601及び顧客情報DB301に格納されたこれらのデータは、互いに対応付けられて、図14A及び図14Bに示した収集DB401(テーブル)に格納するデータとして、データ収集部110に送信される。
【0093】
データ収集部110は、記憶部108、顧客情報部105及び演算部106から送信されたデータを収集し(受信)し、収集DB401のテーブルTB9及びテーブルTB10に格納する。
【0094】
具体的に述べると、データ収集部110は、記憶部108に格納された情報、演算部106によって計算された値及び顧客情報DB301に格納されたユーザが定めた数値等を連結して(ユーザIDが一致するデータ及びデータIDが一致するデータを互いに対応付けて)、収集DB401(図14A及び図14Bに示すテーブル)に格納する。
【0095】
(情報分析工程)
図19は情報分析工程(S1702)の詳細を説明するためのブロック図である。情報分析工程では、演算部106は、データ収集部110及び演算DB601から演算処理に必要なデータを取得する。演算部106は、取得したデータを用いて、演算ルール1110(演算ルール1乃至演算ルール4)に従った演算処理を行う。演算部106は、演算処理結果及びこれに関連するデータ(図9のテーブルTB1に格納するデータ)を決定部104に送信する。
【0096】
決定部104は、演算部106から受信したこれらのデータ及びこれらに基づいて演算処理結果及び演算処理結果に基づく警報の必要の有無を示す情報を、互いに対応付けて(データIDが一致するデータを互いに対応付けて)、決定DB501に格納する。
【0097】
(情報表示工程)
図20は情報表示工程(S1703)の詳細を説明するためのブロック図である。情報表示工程では、情報生成部103は、収集DB401に格納されたデータに基づいて、情報を可視化した可視化データ(表(データ表)、図、グラフなど)を作成する。具体的に述べると、情報生成部103は、収集DB401から情報を取得し、ユーザが視覚によってデータの内容及び分析結果などを容易に理解できるように、可視化データ(表、図、グラフ)などを作成する。
【0098】
情報生成部103は、作成した可視化データを出力部107に送信する。
【0099】
警報部111は、決定部104(図19)で判断された内容や結果に応じて、端末機器140に通知(警報(アラート))を行う。具体的に述べると、警報部111は、図19の情報分析工程において決定部104によって警報の有無が必要と判定された場合、決定部104で判断された内容や結果に従って、端末機器140に、ユーザに対する警報(通知)を行うために必要な情報(「警報データ」と称呼される場合がある。)を生成し、出力部107に出力する。通信部102は、出力部107から出力された情報を端末機器140に送信する。なお、警報は、音、画像による警報などが挙げられる。
【0100】
具体的に述べると、出力部107は、決定部104によって警報が必要と判定された場合、端末機器140に可視化データを表示させるために必要な情報及び端末機器140に警報を実行させるために必要な情報(警報データ)を、通信部102を介して、端末機器140に送信する。端末機器140は、可視化データを表示させるために必要な情報及び警報データを受信すると、警報を実行すると共に、可視化データを端末機器140が備える表示部(ディスプレイ)に表示する。
【0101】
一方、決定部104によって警報が必要と判定されていない場合、可視化データを表示させるために必要な情報を端末機器140に送信する。端末機器140は、可視化データを表示させるために必要な情報を受信すると、警報を実行しないで、可視化データを端末機器140が備える表示部(ディスプレイ)に表示する。
【0102】
(演算処理)
上述した演算部106の演算処理について説明する。図21は演算部106が実行する演算処理の概要を示すフローチャートである。演算部106は、図21のステップ2100から処理を開始して、ステップ2110の処理1(判定1)及びステップ2130の処理2(判定2)を実行し、ステップ2150に進んで、本処理フローを一旦終了する。
【0103】
(処理1及び処理2の概要)
処理1及び処理2の理解を容易にするため、処理1及び処理2の具体的な内容を説明する前に、処理1及び処理2の概要について説明する。
【0104】
(処理1の概要)
処理1では、演算部106は、以下の演算処理を行う。
・演算部106は、演算ルール2-2に従った演算処理を行うことにより、各水回り機器121での水使用終了(水使用継続(水使用中))を、圧力センサのセンサ値及び統計値を適用した式(2-2)が成立するか否かにより判定する。換言すると、演算部106は、各水回り機器121での水使用終了を、圧力センサのセンサ値が、式(2-2)に統計値を適用することにより設定される判定条件を満たすか否かを判定する。
・演算部106は、演算ルール2に従った演算処理を行うことにより、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定をセンサ値及び統計値を適用した式(2)が成立するか否かにより判定する。換言すると、演算部106は、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定をセンサ値が、式(2)に統計値を適用することにより設定される判定条件を満たすか否かにより判定する。なお、センサ値及び統計値としては、圧力センサのセンサ値及びその統計値(平均値及び標準偏差値)、振動センサのセンサ値及びその統計値(平均値及び標準偏差値)が使用される。
・演算部106は、演算ルール1に従った演算処理を行うことにより、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定を、時間センサのセンサ値及び演算DB601に格納された閾値を適用した式(1)が成立するか否かにより判定する。換言すると、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定を、時間センサのセンサ値(水使用時間)が、式(1)に演算DB601に格納された閾値を適用することにより設定される判定条件を満たすか否かにより判定する。
・演算部106は、演算ルール3に従った演算処理を行うことにより、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定が正しいか否かの判定を、流量センサのセンサ値及び演算DB601に格納された閾値を適用した式(3)が成立するか否かにより判定する。換言すると、各水回り機器121での水使用が正常であるか否かの判定が正しいか否かの判定を、流量センサのセンサ値(例えば、水使用開始してからの水使用水量)が、式(3)に演算DB601に格納された閾値を適用することにより設定される判定条件を満たすか否かにより判定する。
【0105】
処理1は、ユーザの水使用管理対象の家HM1内の各水回り機器121での水使用量及び水利用効率の改善を目的として、実行される処理である。処理1はユーザの水使用管理対象の家HM1内の各水回り機器121での水使用を正確に管理するために実行される。
【0106】
水使用量管理装置101は、各水回り機器121に対応する水道管の管内の圧力及び振動を測定したセンサ値に基づいて、圧力及び振動変化を詳細に捉える。更に、圧力及び振動変化などから各水回り機器121の水使用状態(水使用状況)を把握する。
【0107】
従来技術のように圧力に基づいて、各水回り機器121の水使用状況を把握しようとした場合、以下の問題が生じる。
【0108】
即ち、基本的には、ユーザが各水回り機器121で水使用することにより、水道管内に水流が発生するため管内の圧力は低下するので、これを利用して、圧力センサのセンサ値(例えば、負の微分値の絶対値が所定の閾値以上になった)に基づいて、水使用開始を判定できる。
【0109】
しかし、水使用開始後において、水回り機器121が使用する水道管の圧力の挙動が、ユーザの水回り機器121での水使用の仕方に応じて異なるので、圧力センサの一律な判断基準で判定すると、水使用終了を正確に判定することが難しい。
【0110】
例えば、水回り機器121での水使用量が極端に少ないために圧力低下量が少ない第1状況の場合、水使用開始と判定された以降において、水を実際に使用している場合であっても圧力が水使用終了の判断基準圧力より大きいため、すぐに水使用終了と誤判定されてしまうことが生じ得る。
【0111】
更に、ある水回り機器121で水使用を終了したが水道管の圧力が低下した状態を維持し元に戻らない第2状況の場合、水を実際に使用していない場合であっても圧力が水使用終了の判断基準圧力より小さいため、水を使用していると誤判定され、その水回り機器121での水使用の終了を正確に判定できないことが生じ得る。更に、これらが原因で、各水回り機器121での水使用状態(水使用状況)の判定(水回り機器121で水を使用中であるか否かの判定、水使用が異常であるか否かの判定)を正確に判定することができない。
【0112】
加えて、水回り機器121が使用する水道管の圧力及び振動変化の挙動は、水回り機器121の種類に応じて異なるので、各水割り機器での水使用量を正確に判定するためには、各水回り機器121に対して個別に設定された判断基準値に基づいて、水使用終了を判定する必要がある。
【0113】
そこで、処理1では、演算ルール1、演算ルール2-2(圧力のみ)、演算ルール2、及び、演算ルール3に従った演算処理(判定)を行う。
【0114】
演算ルール2-2(圧力のみ)及び演算ルール2に従った判定に関しては、第1状況に対する対処として、設定している。即ち、上述したように、水使用量を極端に少なくしてある水回り機器121で水使用している場合、普段の水使用量と比較して圧力低下が少ないことが想定される。よって、水使用終了の判定を誤る(例えば、実際には水を使用しているのに水使用終了と誤って判定される)可能性がある。
【0115】
このようなことが想定されることに対して、事前に、データ収集部110が、ユーザが各水回り機器121で水使用をしている場合の水使用開始から水使用終了するまでの圧力センサのセンサ値及び振動センサのセンサ値のそれぞれについて、平均値及び標準偏差値を、各水回り機器121に対して算出して、データ収集部110の収集DB401に格納している。
【0116】
そして、演算部106は、データ収集部110から平均値及び標準偏差値を取得し、標準偏差値及び平均値を演算ルール2-2の式(2-2)及び演算ルール2の式(2)に適用して、式(2-2)の数値範囲の具体的な上限値、並びに、式(2)の数値範囲の具体的な上限値及び下限値を計算することにより、それぞれ具体的な数値範囲を計算する。これによりその水回り機器121に対応した具体的な数値範囲を、センサ値の判定条件として設定することができる。なお、式(2)に平均値及び標準偏差値(統計値)を適用した数値範囲(「平均値±(標準偏差値×2)の範囲内」)というのは、各水回り機器121での水(各水回り機器121に対応する水道)の使用開始から使用終了までのセンサ値(圧力センサ、振動センサの数値)がその範囲内に表れる可能性が95%以上を示している。
【0117】
図22は、演算部106にて使用する標準偏差値の概要及び求め方の概要を説明するための図である。図22に示すように、標準偏差値(σ)は式(5)で計算できる。グラフ2201及び表2202が示すように、平均値±(標準偏差値×2)の範囲内であると約95%の確率で指定の数値が表れることを意味している。
【0118】
従って、圧力センサのセンサ値が、式(2-2)に統計値を適用して設定される数値範囲内にあるときには、水使用中であると正確に判断できる。圧力センサのセンサ値が、式(2-2)に統計値を適用して設定される数値範囲外である場合、水使用中ではないと正確に判断できる。
【0119】
更に、圧力センサ及び振動センサのセンサ値の少なくとも一方が、式(2)に統計値を適用して設定される数値範囲外にあるときには、予期せぬ水道使用の誤作動が生じている可能性があると判断できる。
【0120】
なお、上述したように、標準偏差値に関しては、普段または過去に各ユーザが使用した圧力センサのセンサ値及び振動センサセンサ値を収集DB401に蓄積しておく。演算部106は、各ユーザの特徴に沿って(各ユーザに対応する)式(2)のXに対する左辺及び右辺の「平均値±(標準偏差値×2)」を算出する。演算部106は、より精度良く、水使用(水使用状態)を判定するための基準となるユーザの水使用(水道使用)に伴う圧力、振動センサ値の範囲を、ユーザ毎及び水回り機器121毎に確立できる。
【0121】
演算ルール2-2及び演算ルール2に従った判定により、水回り機器121での正常な水使用中を精度よく判定した上で、その水使用時間を測定し、測定した水使用時間に対して、演算ルール1に従った判定を行う。即ち、演算ルール2-2及び演算ルール2に従った判定により、現在のセンサ値が、過去データの収集から抽出した、水回り機器121でのユーザの水使用の圧力センサの値及び振動センサの値の統計値に基づいて計算した範囲内にある場合、水使用時間を測定する。そして、測定した水使用時間が閾値(ユーザまたはシステムにより設定した水使用時間)より小さい場合、問題なく水を使用していると判断し、閾値以上である場合、ユーザが意図して水を使用していないと判断する(大量の水を使用している、または少量かつ長時間で水を使用しているなど水使用に問題ありと判断する。)。
【0122】
即ち、演算ルール1に従った判定は、水使用時間(時間センサまたは振動センサによって取得可能)を判定対象として使用し、使用時間の閾値をシステム上(各ユーザが設定可能、AI学習より設定も可能)決めて、水使用時間及び閾値との比較に基づいて、水使用が問題ありか否かを判定する。これにより、各ユーザ及び/又は各水回り機器121に応じた各水回り機器121での水使用の管理を正確に行うことができる。
【0123】
演算ルール3に従った判定に関しては、第2状況に対する対処として、設定している。水使用(水道の使用)を終了したが水圧が元に戻らない第2状況である場合、圧力は一定時間一定圧力が測られることで、実際には水使用していないのにも関わらず、水道使用継続中と判定される可能性がある。
【0124】
この場合、演算ルール1及び演算ルール2に基づく判定の結果により、システム上、センサから得た情報で水使用時間が閾値を超えてしまうとアラートが鳴ってしまう可能性があるため、誤警報が生じてしまう可能性がある。そのような想定に対して、水使用水量(流量センサ)のセンサ値を使用して、演算ルール3に基づく判定を行う。使用水量は、システム上(ユーザが設定可能、AI学習より設定も可能)決める。これにより、水道の使用を終了したが水圧が元に戻らない第2状況においても、ユーザが意図して水を使用しているか否かの判定をより正確に行うことができる。
【0125】
以上、処理1において、演算ルール1、演算ルール2-2、演算ルール2、及び演算ルール3に従った判定を行うことにより、判定が難しいケースと考えられる第1状況においても精度よく正常な水使用中を判定することができることがわかる。
【0126】
(処理2の概要)
処理2では、演算部106は、演算ルール4に従った演算処理を行うことにより、各水回り機器121での水使用量がユーザの意図している水使用量の範囲内であるか否かの判定を、水使用量及び閾値を適用した式(4)が成立するか否かにより判定する。
【0127】
処理2は、水使用や利用効率の改善を目的とする。処理2の内容としては、ユーザが設定した節約目標値(顧客情報DB301に格納)に対しての水量判断機能を示している。各ユーザが設定した目標値(月間、一日当たり、時間当たり)に対して、水使用水量(流量センサ)を測定することで、水使用量が、各一定時間内の節約目標値より低ければ問題なく水を使用していると判断する。
【0128】
水使用量が各一定時間内の設定目標値より高ければユーザが意図して水を使用していないと判断する。以上、ユーザが設定した節約目標値に対しての水量判断機能を有している処理2は、演算ルール4に従った判定を行う。
【0129】
処理1及び処理2により、問題なく水を使用していると判断された場合、決定部104を介して、出力部107に遷移し、最終的にユーザに現状の数値等を可視化し、可視化データの通知を端末機器140に対して行う。一方、水使用に問題ありと判断された場合、決定部104及び警報部111を介して、出力部107に遷移し、警報及び可視化データの通知を端末機器140に対して行う。
【0130】
以上が処理1及び処理2の概要である。以下、処理1及び処理2の具体的内容について説明する。なお、処理1及び処理2は各水回り機器121について実行される。図23A及び図23Bは、演算部106が実行する処理1(判定1)の具体的な内容を示すフローチャートである。演算部106は、図23Aのステップ2111から処理を開始してステップ2112に進み、圧力センサからセンサ値Xを取得する。
【0131】
その後、ステップ2113に進み、演算部106は、水回り機器121で水使用開始しているか否かを判定する。演算部106は、センサ値Xが、水使用開始条件(例えば、センサ値の微分値が負であり、且つ、その絶対値が閾値以上である)を満たしている場合、水回り機器121で水使用開始していると判定する。演算部106は、センサ値Xが水使用開始条件(例えば、センサ値の微分値が負であり、且つ、その絶対値が閾値以上である)を満たしていない場合、水回り機器121で水使用開始していないと判定する。
【0132】
センサ値が水使用開始条件を満たしていない場合、演算部106はステップ2113にて「NO」と判定して再びステップ2113の処理を実行する。
【0133】
センサ値が水使用開始条件を満たしている場合、ステップ2113にて「YES」と判定してステップ2114に進み、時間センサ(例えば、タイマー)により、時間カウントを開始してステップ2115に進み、図23Bに示す水使用状況判定を実行する。
【0134】
演算部106は、図23Bのステップ2115から水使用状況判定の処理を開始しステップ2116に進み、圧力センサ及び振動センサのそれぞれのセンサ値の平均値及び標準偏差値を収集DB401から取得し、ステップ2117に進む。
【0135】
演算部106は、ステップ2117に進むと、圧力センサ及び振動センサのそれぞれからセンサ値Xを取得し、ステップ2118に進む。
【0136】
演算部106は、ステップ2118に進むと、演算ルール2-2に従った判定を行う。即ち、演算部106は、圧力のセンサ値X、圧力センサのセンサ値の平均値及び標準偏差値を式(2-2)に適用し、式(2-2)が成立するか否かを判定する。これにより、演算部106は、対象となる水回り機器121が水使用を継続しているか否かを判定する。
【0137】
式(2-2)が成立している場合、水回り機器121の水使用を継続していると判断できる。従って、この場合、演算部106はステップ2118にて「YES」と判定してステップ2119に進み、演算ルール2に従った判定を行う。即ち、演算部106は、センサ値X(圧力センサ及び振動センサのセンサ値X)及びセンサ値(圧力センサ及び振動センサのセンサ値)のそれぞれを、平均値及び標準偏差値を式(2)に適用し、それぞれ式(2)が成立するか否かを判定する。これにより、演算部106は、対象となる水回り機器121での水使用が正常であるか否かを判定する。
【0138】
式(2)が全て成立している場合、水回り機器121での水使用状態が正常であると判断できる。従って、この場合、演算部106はステップ2119にて「YES」と判定してステップ2120に進み、時間センサから水使用時間Aを取得して、ステップ2121に進む。
【0139】
演算部106は、ステップ2121に進むと、演算ルール1に従った判定を行う。即ち、演算部106は、水使用時間A及び閾値(閾値時間)を式(1)に適用し、式(1)が成立するか否かを判定する。これにより、水回り機器121での水使用がユーザの意図した使用である(正常な使用である)か否かを判定する。
【0140】
式(1)が成立する場合、水回り機器121での水使用がユーザの意図した使用であると判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2121にて「YES」と判定してステップ2122に進み、流量センサから水使用水量Yを取得してステップ2123に進む。
【0141】
演算部106は、ステップ2123に進むと、演算ルール3に従った判定を行う。即ち、演算部106は、水使用水量Y及び閾値(閾値水量)を式(3)に適用し、式(3)が成立するか否かを判定することにより、水使用継続及び水使用正常の判定(演算ルール2-2に従った判定、演算ルール2に従った判定及び演算ルール1に従った判定に誤りがないかを検証する。
【0142】
式(3)が成立している場合、水使用継続及び水使用正常の判定(演算ルール2-2に従った判定、演算ルール2に従った判定及び演算ルール1に従った判定に誤りがないと判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2123にて「YES」と判定して、図23Cに示した処理2(ステップ2130)へ進む。
【0143】
上述のステップ2119にて、式(2)が一つでも成立していない場合、水使用が異常である(即ち、水使用に問題がある。)と判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2119にて「NO」と判定して図23Cのステップ2140に進み、決定部104及び警報部111を介してアラートを端末機器140に通知した後、ステップ2150に進み、本処理フローを終了する。
【0144】
上述のステップ2122にて、式(1)が成立していない場合、水使用が異常である(即ち、水使用に問題がある。)と判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2122にて「NO」と判定して図23Cのステップ2140に進み、決定部104及び警報部111を介してアラートを端末機器140に通知した後、ステップ2150に進み、本処理フローを終了する。
【0145】
上述のステップ2123にて、式(3)が成立していない場合、判定に誤りがある(即ち、水使用に問題がある。)と判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2123にて「NO」と判定して図23Cのステップ2140に進み、決定部104及び警報部111を介してアラートを端末機器140に通知した後、ステップ2150に進み、本処理フローを終了する。
【0146】
なお、上述のステップ2118にて、式(2-2)が成立していない場合、水回り機器121の水使用が終了したと判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2118にて「NO」と判定してステップ2124に進み、時間センサの時間カウントを終了(時間センサをリセット)して、図23Aの水使用開始判定に戻り、ステップ2111から水使用開始判定を実行する。
【0147】
図23Cは演算部106が実行する処理2の具体的な内容を示すフローチャートである。演算部106は、図23Cのステップ2311からユーザ設定節水目標判定の処理を開始してステップ2312に進み、演算ルール4に従った判定を行う。即ち、演算部106は、水使用水量Yに基づいて導出された所定期間当たりの使用水量Z及び利用者目標値を適用した式(4)が成立するか否かを行うことにより、所定期間当たりの水使用量Zが目標節水使用水量より小さい否かを判定する。
【0148】
式(4)が成立していない場合、所定期間当たりの水使用量Zがユーザの目標節水使用水量以上になってしまっている(即ち、水使用に問題がある。)と判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2312にて「NO」と判定してステップ2140に進み、決定部104及び警報部111を介してアラートを端末に通知した後、ステップ2150に進み、本処理フローを終了する。
【0149】
式(4)が成立している場合、所定期間当たりの水使用量Zがユーザの目標節水使用水量の範囲内であると判断できる。従って、この場合、演算部106は、ステップ2312にて「YES」と判定して図23Bの水使用状況判定に戻り、ステップ2311から再び処理を開始する。即ち、水使用開始後、水使用継続中であり、警報がなされていない場合、水使用状況判定及びユーザ設定目標判定が繰り返し実行される。
【0150】
なお、ステップ2312にて、上記判定に代えて又は上記判定に加えて、所定期間当たりの水使用量Zとして、ユーザの管理対象(家HM1)内の水使用量合計量を取得し、所定期間当たりの使用水量Z及び利用者目標値を適用した式(4)が成立するか否かを行うことにより、所定期間当たりの水使用量Zが目標節水使用水量より小さい否かを判定してもよい。
【0151】
<効果>
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る水使用量管理装置101は、複数の水回り機器121のそれぞれでの水使用状態に問題あるか否かを正確に把握できる。更に、本発明の第1実施形態に係る水使用量管理装置101は、ユーザ毎に水使用管理対象(本例では、家HM1)の全体の水使用状態に問題あるか否かも正確に把握できる。
【0152】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態に係る水使用量管理装置について説明する。第2実施形態に係る水使用量管理装置101は、以下に述べる点のみにおいて、第1実施形態に係る水使用量管理装置101と相違点を有する。
・第2実施形態に係る水使用量管理装置101は、図23Bの処理フローに代えて図24の処理フローを実行するように構成される。
【0153】
以下、この相違点を中心に説明する。
【0154】
図24は水使用状況判定の処理フローを示すフローチャートである。このフローチャートは、以下の点のみにおいて図23Bに示す処理フローと異なる。
・ステップ2118がステップ2410に置換され、ステップ2119乃至ステップ2123が、ステップ2420及びステップ2430に置換されている。
【0155】
演算部106は、ステップ2410に進むと、センサ値Xに基づいて水使用継続しているか否かを判定する。なお、この判定はステップ2118と同様の判定方法であってもよいし、周知の別の水使用継続判定方法であってもよい。
【0156】
水使用継続してる場合、ステップ2410にて「YES」と判定してステップ2420に進み、演算部106は、水使用時間A及び水使用水量Yを取得して、ステップ2430に進む。
【0157】
演算部106は、ステップ2430に進むと、式(1)、式(2)及び式(3)の全てが成立しているか否かを判定する。
【0158】
式(1)、式(2)及び式(3)の全てが成立している場合、演算部106は、ステップ2430にて「YES」と判定して、図23Cの処理2へ進む。これに対して、式(1)、式(2)及び式(3)の少なくとも一つが成立していない場合、演算部106は、ステップ2430にて「NO」と判定して図23Cのステップ2140に進み、決定部104及び警報部111を介してアラートを端末機器140に通知した後、ステップ2150に進み、本処理フローを終了する。
【0159】
<効果>
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る水使用量管理装置101は、第1実施形態同様、複数の水回り機器121のそれぞれでの水使用状態に問題あるか否かを正確に把握できる。更に、本発明の第2実施形態に係る水使用量管理装置101は、第1実施形態同様、ユーザ毎に水使用管理対象(本例では、家HM1)の全体の水使用状態に問題あるか否かも正確に把握できる。
【0160】
<<変形例>>
本発明は上記各実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。更に、上記各実施形態は、本発明の範囲を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。例えば、上記各実施形態において、演算ルール2の式(2)が下記の式(6)に置換されてもよい。
【0161】
平均値-(標準偏差値×3)<X<平均値+(標準偏差値×3)・・・式(6)
上記各実施形態において、処理2を省略し、処理1のみが実行されるようにしてもよい。
【0162】
上記第1実施形態において、図23Bの「ステップ2120及びステップ2121」の処理、及び、「ステップ2122及びステップ2123」の少なくとも一つの処理が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0163】
101…水使用量管理装置、102…通信部、103…情報生成部、104…決定部、105…顧客情報部、106…演算部、107…出力部、108…記憶部、109…入力部、110…データ収集部、111…警報部、120…水管理装置、130…管理サーバ、140…端末機器、150…ネットワーク
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