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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136606
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20230922BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230922BHJP
   H01M 10/6557 20140101ALI20230922BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20230922BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20230922BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20230922BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20230922BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/242
H01M10/647
H01M10/6557
H01M10/6561
H01M10/6568
H01G11/12
H01G11/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042372
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 博満
【テーマコード(参考)】
5E078
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AB01
5E078HA05
5E078HA21
5E078JA02
5E078JA07
5H031AA09
5H031CC01
5H031KK08
5H040AA37
5H040AS01
5H040AS04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY06
5H040CC34
(57)【要約】
【課題】耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電素子100と、蓄電素子100を第一方向で挟む第一スペーサ201及び第二スペーサ202と、を備え、第一スペーサ201は、第一方向と交差する第二方向の一方側の端部から第二スペーサ202に向けて突出する第一スペーサ壁部220Aを有し、第二スペーサ202は、第二方向の一方側の端部から第一スペーサ201に向けて突出する第二スペーサ壁部230Bを有し、第一スペーサ壁部220Aは、第二スペーサ壁部230Bの第二方向の一方側に配置される第一壁部223と、第一方向及び第二方向と交差する第三方向において第一壁部223と並び、かつ、第二スペーサ壁部230Bの第二方向の他方側に配置される第二壁部224と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子を第一方向で挟む第一スペーサ及び第二スペーサと、を備え、
前記第一スペーサは、前記第一方向と交差する第二方向の一方側の端部から前記第二スペーサに向けて突出する第一スペーサ壁部を有し、
前記第二スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第二スペーサ壁部を有し、
前記第一スペーサ壁部は、
前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第一壁部と、
前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において前記第一壁部と並び、かつ、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第二壁部と、を有する
蓄電装置。
【請求項2】
前記第一スペーサ壁部は、前記第一壁部とで前記第二壁部を挟む位置に、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第三壁部、及び、前記第二壁部とで前記第一壁部を挟む位置に、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第三壁部の少なくとも一方の第三壁部をさらに有する
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記蓄電装置は、第三スペーサをさらに備え、
前記第二スペーサと前記第三スペーサとの間に前記第一スペーサが配置され、
前記第一スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第三スペーサに向けて突出する第三スペーサ壁部を有し、
前記第三スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第四スペーサ壁部を有し、
前記第三スペーサ壁部は、
前記第四スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第四壁部と、
前記第三方向において前記第四壁部と並び、かつ、前記第四スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第五壁部と、を有する
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第一スペーサは、前記第二方向の他方側の端部から前記第二スペーサに向けて突出する第五スペーサ壁部を有し、
前記第二スペーサは、前記第二方向の他方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第六スペーサ壁部を有し、
前記第五スペーサ壁部は、
前記第六スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第六壁部と、
前記第三方向において前記第六壁部と並び、かつ、前記第六スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第七壁部と、を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第二スペーサ壁部の前記第一壁部と対向する位置には、前記第二方向の他方側に向けて凹んだ凹部が形成され、
前記第一壁部は、前記凹部内に配置される
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記第一壁部、及び、前記第二スペーサ壁部の前記第一壁部と対向する壁部の少なくとも一方は、他方に向けて突出するリブを有する
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と、蓄電素子を挟む一対のスペーサとを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子と、蓄電素子を挟む一対のスペーサとを備える蓄電装置が広く知られている。例えば、特許文献1には、複数の電池セル(蓄電素子)と、電池セル同士の間に介在される複数のセパレータ(スペーサ)とを備え、セパレータが電池セルの外周を被覆することで、電池セル同士の絶縁性を高めた電池パック(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-166191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電素子を一対のスペーサで挟む構成の蓄電装置においては、スペーサの移動を制限し、耐振動性または耐衝撃性(外部からの振動または衝撃に対する耐性)の向上を図ることが望まれる。しかしながら、上記従来のような構成の蓄電装置では、蓄電装置に振動または衝撃が加えられた場合に、一方のスペーサに対して他方のスペーサが移動してしまい、耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができないおそれがある。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子を第一方向で挟む第一スペーサ及び第二スペーサと、を備え、前記第一スペーサは、前記第一方向と交差する第二方向の一方側の端部から前記第二スペーサに向けて突出する第一スペーサ壁部を有し、前記第二スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第二スペーサ壁部を有し、前記第一スペーサ壁部は、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第一壁部と、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において前記第一壁部と並び、かつ、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第二壁部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明における蓄電装置によれば、耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の構成を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電装置が備える蓄電ユニットが有する蓄電素子及びスペーサを示す分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る蓄電素子の構成を示す斜視図である。
図4】実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。
図5】実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。
図6】実施の形態に係る第一スペーサ、第二スペーサ及び第三スペーサのスペーサ壁部の構成を示す斜視図である。
図7】実施の形態に係る第一スペーサ、第二スペーサ及び第三スペーサのスペーサ壁部の構成を示す斜視図である。
図8】実施の形態に係る第一スペーサ及び第二スペーサを蓄電素子に配置した状態での構成を示す斜視図及び断面図である。
図9】実施の形態の変形例に係る第一スペーサの構成を示す斜視図である。
図10】実施の形態の変形例に係る第一スペーサ及び第二スペーサを蓄電素子に配置した状態での構成を示す斜視図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子を第一方向で挟む第一スペーサ及び第二スペーサと、を備え、前記第一スペーサは、前記第一方向と交差する第二方向の一方側の端部から前記第二スペーサに向けて突出する第一スペーサ壁部を有し、前記第二スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第二スペーサ壁部を有し、前記第一スペーサ壁部は、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第一壁部と、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において前記第一壁部と並び、かつ、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第二壁部と、を有する。
【0010】
これによれば、蓄電装置において、第一スペーサの第一スペーサ壁部は、第二スペーサの第二スペーサ壁部の第二方向の一方側に配置される第一壁部と、第二スペーサ壁部の第二方向の他方側に配置される第二壁部と、を有している。これにより、第一スペーサが第二方向の他方側に移動しようとすると、第一スペーサ壁部の第一壁部が第二スペーサの第二スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の他方側への移動が制限される。第一スペーサが第二方向の一方側に移動しようとすると、第一スペーサ壁部の第二壁部が第二スペーサの第二スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の一方側への移動が制限される。このように、蓄電装置に第二方向における振動または衝撃が加えられても、第二方向の一方側及び他方側の双方向において、第一スペーサの移動を制限できるため、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができる。
【0011】
前記第一スペーサ壁部は、前記第一壁部とで前記第二壁部を挟む位置に、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第三壁部、及び、前記第二壁部とで前記第一壁部を挟む位置に、前記第二スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第三壁部の少なくとも一方の第三壁部をさらに有してもよい。
【0012】
第三壁部が、第一壁部とで第二壁部を挟み、第二スペーサ壁部の第二方向の一方側に配置される場合、第一スペーサの第二方向の他方側への移動を第一壁部及び第三壁部が制限し、第一スペーサの第二方向の一方側への移動を第二壁部が制限する。第三壁部が、第二壁部とで第一壁部を挟み、第二スペーサ壁部の第二方向の他方側に配置される場合、第一スペーサの第二方向の一方側への移動を第二壁部及び第三壁部が制限し、第一スペーサの第二方向の他方側への移動を第一壁部が制限する。これにより、第一壁部、第二壁部及び第三壁部によって、第一スペーサの第二方向の一方側及び他方側への移動を交互に制限できるため、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0013】
前記蓄電装置は、第三スペーサをさらに備え、前記第二スペーサと前記第三スペーサとの間に前記第一スペーサが配置され、前記第一スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第三スペーサに向けて突出する第三スペーサ壁部を有し、前記第三スペーサは、前記第二方向の一方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第四スペーサ壁部を有し、前記第三スペーサ壁部は、前記第四スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第四壁部と、前記第三方向において前記第四壁部と並び、かつ、前記第四スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第五壁部と、を有してもよい。
【0014】
これによれば、第一スペーサの第三スペーサ壁部は、第三スペーサの第四スペーサ壁部の第二方向の他方側に配置される第四壁部と、第四スペーサ壁部の第二方向の一方側に配置される第五壁部と、を有している。これにより、第一スペーサが第二方向の一方側に移動しようとすると、第三スペーサ壁部の第四壁部が第三スペーサの第四スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の一方側への移動が制限される。第一スペーサが第二方向の他方側に移動しようとすると、第三スペーサ壁部の第五壁部が第三スペーサの第四スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の他方側への移動が制限される。このように、第一スペーサの第一方向の他方側においても、第二方向の一方側及び他方側の双方向への第一スペーサの移動を制限できる。したがって、蓄電装置に第二方向における振動または衝撃が加えられても、第一スペーサの第一方向の一方側及び他方側の双方において、第一スペーサの移動を制限できるため、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0015】
前記第一スペーサは、前記第二方向の他方側の端部から前記第二スペーサに向けて突出する第五スペーサ壁部を有し、前記第二スペーサは、前記第二方向の他方側の端部から前記第一スペーサに向けて突出する第六スペーサ壁部を有し、前記第五スペーサ壁部は、前記第六スペーサ壁部の前記第二方向の他方側に配置される第六壁部と、前記第三方向において前記第六壁部と並び、かつ、前記第六スペーサ壁部の前記第二方向の一方側に配置される第七壁部と、を有してもよい。
【0016】
これによれば、第一スペーサの第五スペーサ壁部は、第二スペーサの第六スペーサ壁部の第二方向の他方側に配置される第六壁部と、第六スペーサ壁部の第二方向の一方側に配置される第七壁部と、を有している。これにより、第一スペーサが第二方向の一方側に移動しようとすると、第五スペーサ壁部の第六壁部が第二スペーサの第六スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の一方側への移動が制限される。第一スペーサが第二方向の一方側に移動しようとすると、第五スペーサ壁部の第七壁部が第二スペーサの第六スペーサ壁部に接触して、第一スペーサの第二方向の一方側への移動が制限される。このように、第一スペーサの第二方向の他方側においても、第二方向の一方側及び他方側の双方向への第一スペーサの移動を制限できる。したがって、蓄電装置に第二方向における振動または衝撃が加えられても、第一スペーサの第二方向の一方側及び他方側の双方において、第一スペーサの移動を制限できるため、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0017】
前記第二スペーサ壁部の前記第一壁部と対向する位置には、前記第二方向の他方側に向けて凹んだ凹部が形成され、前記第一壁部は、前記凹部内に配置されてもよい。
【0018】
これによれば、第一スペーサの第一スペーサ壁部の第一壁部は、第二スペーサの第二スペーサ壁部に形成された第二方向に凹んだ凹部内に配置される。これにより、第一スペーサが第二方向と交差する方向に移動しようとすると、第一壁部が凹部の壁に接触して第一スペーサの移動が制限される。したがって、第二方向と交差する方向においても、第一スペーサの移動を制限できるため、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0019】
前記第一壁部、及び、前記第二スペーサ壁部の前記第一壁部と対向する壁部の少なくとも一方は、他方に向けて突出するリブを有してもよい。
【0020】
これによれば、第一スペーサの第一壁部、及び、第二スペーサの第一壁部と対向する壁部の少なくとも一方にリブが設けられていることで、第一壁部と当該壁部との間の隙間をリブで埋めることができる。蓄電素子を冷媒(空気等)で冷却する構成の場合、当該リブによって、第一壁部と当該壁部との間に当該冷媒が流れる流路を形成できる。
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0022】
以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対の電極端子の並び方向、蓄電素子の容器における一対の短側面の対向方向、または、蓄電ユニットの並び方向を、X軸方向と定義する。蓄電素子の容器における一対の長側面の対向方向、蓄電素子の容器の厚み方向(扁平方向)、蓄電ユニットが有する複数の蓄電素子の並び方向、または、蓄電ユニットが有する蓄電素子とスペーサとの並び方向を、Y軸方向と定義する。蓄電素子の電極端子の突出方向、蓄電素子の容器本体と容器蓋部との並び方向、ケースのケース本体と蓋体との並び方向、ケース本体の開口及び底壁の対向方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0023】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。X軸方向の一方側及び他方側という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向のうちの一方及び他方を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。以下では、Y軸方向を第一方向とも呼び、X軸方向を第二方向とも呼び、Z軸方向を第三方向とも呼ぶ。平行及び直交等の、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0024】
(実施の形態)
[1 蓄電装置1の説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の構成を示す斜視図である。図1では、蓄電装置1において、ケース300のケース本体310から蓋体320を取り外した状態を示している。これにより、図1では、ケース300の内方に配置される2つの蓄電ユニット10が図示されている。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置1が備える蓄電ユニット10が有する蓄電素子100及びスペーサ200を示す分解斜視図である。図2は、蓄電ユニット10が有する構成要素を分解し、そのうちの2つの蓄電素子100及び3つのスペーサ200(スペーサ200a)を図示している。
【0025】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置である。蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。蓄電装置1は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置1は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0026】
図1に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット10と、蓄電ユニット10を収容するケース300と、を備えている。蓄電装置1は、外部の装置と電気的に接続するための外部端子(正極外部端子及び負極外部端子)等も備えているが、それらの図示及び説明は省略する。蓄電装置1は、上記の構成要素の他、蓄電ユニット10の充電状態及び放電状態等を監視または制御する回路基板及びリレー等の電気機器等も備えていてもよい。
【0027】
蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子100を有する電池モジュール(組電池)である。蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子100が、スペーサ200と交互にY軸方向(第一方向)に並べられることで、Y軸方向に長い略直方体形状を有している。本実施の形態では、X軸方向に並ぶ2つの蓄電ユニット10が、ケース300の内方に収容されている。蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子100と、複数のスペーサ200(200a、200b及び200c)と、を有している。蓄電ユニット10は、蓄電素子100を直列または並列に接続するバスバー、バスバーを保持するバスバーフレーム、及び、蓄電素子100と外部端子とを接続するバスバー等も備えているが、それらの図示は省略する。バスバーは、全ての蓄電素子100を直列に接続してもよいし、いずれかの蓄電素子100を並列に接続してから直列に接続してもよいし、全ての蓄電素子100を並列に接続してもよい。
【0028】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、Y軸方向に扁平な直方体形状(角形、角型)を有している。本実施の形態では、複数の蓄電素子100がY軸方向に並んで配列されているが、配列される蓄電素子100の個数は特に限定されず、1個でもよいし、数十個でもよいし、それ以上でもよい。蓄電素子100の大きさ及び形状も特に限定されず、長円柱形状、楕円柱形状、円柱形状、直方体以外の多角柱形状等でもよい。蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子100は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子100は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。
【0029】
スペーサ200は、Y軸方向において蓄電素子100と並んで配置され、蓄電素子100と他の部材とを絶縁及び/又は断熱する、Y軸方向に扁平な部材である。スペーサ200は、蓄電素子100のY軸プラス方向またはY軸マイナス方向に配置されて、蓄電素子100同士または蓄電素子100とケース300とを絶縁及び/又は断熱する絶縁板または断熱板である。スペーサ200は、蓄電素子100のX軸方向両側及びZ軸方向両側に壁部を有することで、蓄電素子100を保持し、蓄電素子100の位置決めを行うホルダの機能を有している。スペーサ200には、冷媒(空気等)が流れる流路が形成されており、蓄電素子100を冷却する機能も有している。
【0030】
スペーサ200は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、マイカ等の断熱性を有する部材等により形成されている。
【0031】
以下では、蓄電ユニット10のY軸方向中央位置(中央位置の2つの蓄電素子100の間)に配置されるスペーサ200を、スペーサ200bとも称する。蓄電ユニット10のY軸方向両端部(端部の蓄電素子100とケース300との間)に配置されるスペーサ200を、スペーサ200cとも称する。スペーサ200bとスペーサ200cとの間(中央位置以外の2つの蓄電素子100の間)に配置されるスペーサ200を、スペーサ200aとも称する。スペーサ200a、200b及び200cは、蓄電素子100と交互に配置される。図2では、蓄電素子100とスペーサ200aとが交互に配置された構成を示しているが、蓄電素子100とスペーサ200b及びスペーサ200cとについても同様に交互に配置される。
【0032】
具体的には、図2に示すように、スペーサ200aは、スペーサ200aのY軸方向両側に配置される2つの蓄電素子100のX軸方向両側及びZ軸方向両側に壁部を有し、当該2つの蓄電素子100を保持する中間スペーサ(中間ホルダ)である。同様に、スペーサ200bは、スペーサ200bのY軸方向両側に配置される2つの蓄電素子100のX軸方向両側及びZ軸方向両側に壁部を有し、当該2つの蓄電素子100を保持するセンタープレート(センタースペーサまたはセンターホルダ)である。スペーサ200bは、Y軸方向に長い蓄電ユニット10の剛性を高める機能を有している。スペーサ200cは、スペーサ200cのY軸方向片側に配置される1つの蓄電素子100のX軸方向両側及びZ軸方向両側に壁部を有し、当該1つの蓄電素子100を保持するエンドスペーサ(エンドホルダ)である。
【0033】
つまり、蓄電ユニット10のY軸方向中央部に位置する蓄電素子100は、スペーサ200a及びスペーサ200bに保持される。蓄電ユニット10のY軸方向端部に位置する蓄電素子100は、スペーサ200a及びスペーサ200cに保持される。それ以外の蓄電素子100は、2つのスペーサ200aに保持される。全てのスペーサ200(スペーサ200a、200b及び200c)が同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのスペーサ200が異なる材質の部材で形成されていてもよい。
【0034】
ケース300は、蓄電装置1の外装体(外殻)を構成する略直方体形状(箱形)の容器である。ケース300は、蓄電ユニット10の外方に配置され、蓄電ユニット10を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。ケース300は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材によって形成された金属ケースである。本実施の形態では、ケース300は、アルミニウムのダイカスト(アルミダイカスト)により形成されている。ケース300は、蓄電ユニット10が有するスペーサ200に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁性を有する部材で形成されていてもよい。
【0035】
図1に示すように、ケース300は、ケース300の本体を構成するケース本体310と、ケース300の蓋体を構成する蓋体320と、を有している。ケース本体310は、Z軸プラス方向に開口310aが形成されたハウジング(筐体)であり、蓄電ユニット10(蓄電素子100並びにスペーサ200(スペーサ200a、200b及び200c))を収容する。蓋体320は、ケース本体310の開口310aを塞ぐ扁平な矩形状の部材である。ケース本体310には、X軸方向に並ぶ2つの矩形状の開口310aが形成されており、それぞれの開口310aから蓄電ユニット10が挿入された後に、ケース本体310と蓋体320とが、ボルト等によるネジ止め、溶接、接着等によって接合される。これにより、ケース300は、内部が密閉(密封)された構造となる。ケース本体310または蓋体320には、外部端子(正極外部端子及び負極外部端子)の端子台が取り付けられ、当該端子台に外部端子が配置されていてもよい。
【0036】
次に、蓄電素子100、及び、スペーサ200aの構成について、詳細に説明する。
【0037】
[1.1 蓄電素子100の説明]
図3は、本実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。図3は、図2に示した蓄電素子100を拡大して示している。蓄電ユニット10が有する複数の蓄電素子100は、全て同様の構成を有するため、図3では、1つの蓄電素子100を示し、かつ、以下では、1つの蓄電素子100の構成について詳細に説明する。
【0038】
図3に示すように、蓄電素子100は、容器110と、一対(正極及び負極)の電極端子140と、を有している。容器110の内方には、電極体と、一対(正極及び負極)の集電体と、電解液(非水電解質)とが収容され、電極端子140及び集電体と容器110との間にはガスケットが配置されているが、これらの図示は省略する。当該電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。ガスケットは、絶縁性を有していればどのような素材で形成されていてもよい。蓄電素子100は、上記の構成要素の他、電極体の側方に配置されるスペーサ、電極体等を包み込む絶縁フィルム、及び、容器110の外面を覆う絶縁フィルム(シュリンクチューブ等)等を有していてもよい。
【0039】
容器110は、開口が形成された容器本体120と、容器本体120の当該開口を閉塞する容器蓋部130と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。容器本体120は、容器110の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Z軸プラス方向側に開口が形成されている。容器蓋部130は、容器110の蓋部を構成するX軸方向に長い矩形状の板状部材であり、容器本体120のZ軸プラス方向に配置されている。容器蓋部130には、容器110内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁131、及び、容器110内方に電解液を注液するための注液部(図示せず)等が設けられている。容器110(容器本体120及び容器蓋部130)の材質は、特に限定されず、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
【0040】
容器110は、電極体等を容器本体120の内方に収容後、容器本体120と容器蓋部130とが溶接等によって接合されることにより、内部が密閉(密封)される。容器110は、Y軸方向両側の側面に一対の長側面111を有し、X軸方向両側の側面に一対の短側面112を有し、Z軸マイナス方向側に底面113を有している。長側面111は、容器110の長側面を形成する矩形状の平面部であり、隣り合うスペーサ200とY軸方向において対向して配置される。長側面111は、短側面112及び底面113に隣接し、短側面112よりも面積が大きい。短側面112は、容器110の短側面を形成する矩形状の平面部であり、スペーサ200の壁部及びケース300とX軸方向において対向して配置される。短側面112は、長側面111及び底面113に隣接し、長側面111よりも面積が小さい。底面113は、容器110の底面を形成する矩形状の平面部であり、スペーサ200の壁部及びケース300の底壁とZ軸方向において対向して配置される。底面113は、長側面111及び短側面112に隣接して配置される。
【0041】
電極端子140は、容器蓋部130に配置される、蓄電素子100の端子部材(正極端子及び負極端子)である。具体的には、電極端子140は、容器蓋部130の上面(端子配置面)からZ軸プラス方向に突出した状態で配置される。電極端子140は、集電体を介して、電極体の正極板及び負極板に電気的に接続されている。つまり、電極端子140は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子140は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で形成されている。
【0042】
電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートまたは不織布等を用いることができる。本実施の形態では、電極体は、極板(正極板及び負極板)がY軸方向に積層されて形成されている。電極体は、極板(正極板及び負極板)が巻回されて形成された巻回型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。
【0043】
集電体は、電極端子140と電極体とに電気的及び機械的に接続される導電性の集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極集電体は、電極体の正極板の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成され、負極集電体は、電極体の負極板の負極基材層と同様、銅または銅合金等で形成されている。
【0044】
[1.2 スペーサ200aの説明]
次に、スペーサ200aの構成について、詳細に説明する。図4及び図5は、本実施の形態に係るスペーサ200aの構成を示す斜視図である。具体的には、図4の(a)は、図2に示したスペーサ200aを拡大して示している。図4の(b)は、図4の(a)に示したスペーサ200aのX軸プラス方向端部の構成をさらに拡大して示し、図4の(c)は、図4の(a)に示したスペーサ200aのX軸マイナス方向端部の構成をさらに拡大して示している。図5の(a)は、図4の(a)に示したスペーサ200aの反対側の構成(Y軸プラス方向から見た場合の構成)を示している。図5の(b)は、図5の(a)に示したスペーサ200aのX軸マイナス方向端部の構成をさらに拡大して示し、図5の(c)は、図5の(a)に示したスペーサ200aのX軸プラス方向端部の構成をさらに拡大して示している。蓄電ユニット10が有する複数のスペーサ200aは、全て同様の構成を有するため、図4及び図5では、1つのスペーサ200aを示し、かつ、以下では、1つのスペーサ200aの構成について詳細に説明する。
【0045】
図4及び図5に示すように、スペーサ200aは、X軸方向における両端部が同様の形状を有している。つまり、スペーサ200aは、中心位置を通りYZ平面に平行な面に対して対称となる形状を有している。スペーサ200aは、スペーサ本体210と、スペーサ壁部220~270と、を有している。
【0046】
スペーサ本体210は、スペーサ200aの本体部を構成する平板状かつ矩形状の部位であり、XZ平面に平行に配置されている。本実施の形態では、スペーサ本体210は、蓄電素子100のY軸プラス方向またはY軸マイナス方向に、蓄電素子100の容器110の長側面111の全面を覆うように、Y軸方向において長側面111と対向し、かつ、長側面111に接触した状態で配置される。
【0047】
スペーサ本体210には、冷媒(空気等の気体または液体等の冷却用の流体)が通るL字状に湾曲した複数の溝部211~219が形成されている。溝部211~215は、スペーサ本体210のY軸マイナス方向の面に形成された溝部であり、溝部216~219は、スペーサ本体210のY軸プラス方向の面に形成された溝部である。溝部211~219のそれぞれのZ軸マイナス方向端縁には、X軸方向に延びるスリット状の開口部211a~219aがそれぞれ形成されている。
【0048】
図4に示すように、溝部211は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁におけるX軸プラス方向端部(開口部211a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸プラス方向に湾曲してX軸プラス方向に延びる溝である。溝部212は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁における溝部211よりX軸マイナス方向の部位(開口部212a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸プラス方向に湾曲してX軸プラス方向に延びる溝である。溝部213は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁におけるX軸方向中央部(開口部213a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸方向両側に分岐し、かつ、X軸方向両側に湾曲してX軸方向両側に延びる溝である。溝部214は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁における溝部213よりX軸マイナス方向の部位(開口部214a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸マイナス方向に湾曲してX軸マイナス方向に延びる溝である。溝部215は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁におけるX軸マイナス方向端部(開口部215a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸マイナス方向に湾曲してX軸マイナス方向に延びる溝である。
【0049】
図5に示すように、溝部216は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁におけるX軸プラス方向寄りの部位(開口部216a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸プラス方向に湾曲してX軸プラス方向に延びる溝である。溝部217は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁における溝部216よりX軸マイナス方向の部位(開口部217a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸プラス方向に湾曲してX軸プラス方向に延びる溝である。溝部218は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁における溝部217よりX軸マイナス方向の部位(開口部218a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸マイナス方向に湾曲してX軸マイナス方向に延びる溝である。溝部219は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端縁におけるX軸マイナス方向寄りの部位(開口部219a)からZ軸プラス方向に延び、かつ、X軸マイナス方向に湾曲してX軸マイナス方向に延びる溝である。
【0050】
スペーサ壁部220は、スペーサ本体210のX軸プラス方向端部からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な板状の部位であり、Z軸方向の一端部から他端部にまで亘って配置されている。スペーサ壁部220は、スペーサ本体210のY軸プラス方向に位置する蓄電素子100の容器110が有するX軸プラス方向の短側面112に沿って、当該短側面112とX軸方向で対向して配置される。スペーサ壁部230は、スペーサ本体210のX軸プラス方向端部からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な板状の部位であり、Z軸方向の一端部から他端部にまで亘って配置されている。スペーサ壁部230は、スペーサ本体210のY軸マイナス方向に位置する蓄電素子100の容器110が有するX軸プラス方向の短側面112に沿って、当該短側面112とX軸方向で対向して配置される。
【0051】
スペーサ壁部240は、スペーサ本体210のX軸マイナス方向端部からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な板状の部位であり、Z軸方向の一端部から他端部にまで亘って配置されている。スペーサ壁部240は、スペーサ本体210のY軸プラス方向に位置する蓄電素子100の容器110が有するX軸マイナス方向の短側面112に沿って、当該短側面112とX軸方向で対向して配置される。スペーサ壁部250は、スペーサ本体210のX軸マイナス方向端部からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な板状の部位であり、Z軸方向の一端部から他端部にまで亘って配置されている。スペーサ壁部250は、スペーサ本体210のY軸マイナス方向に位置する蓄電素子100の容器110が有するX軸マイナス方向の短側面112に沿って、当該短側面112とX軸方向で対向して配置される。
【0052】
スペーサ壁部260は、スペーサ本体210のZ軸プラス方向端部におけるX軸方向両端部からY軸方向両側に突出する板状の部位であり、XY平面に平行に配置されている。スペーサ壁部260は、スペーサ本体210のY軸方向両側に位置する蓄電素子100の容器110が有する容器蓋部130に沿って、容器蓋部130とZ軸方向で対向して配置される。スペーサ壁部270は、スペーサ本体210のZ軸マイナス方向端部におけるX軸方向の一端から他端までに亘って、Y軸方向両側に突出し、X軸方向に延びる板状の部位であり、XY平面に平行に配置されている。スペーサ壁部270は、スペーサ本体210のY軸方向両側に位置する蓄電素子100の容器110が有する底面113に沿って、底面113のX軸方向の一端から他端までに亘って、底面113とZ軸方向で対向して配置される。
【0053】
このように、スペーサ壁部220~270は、蓄電素子100のX軸方向両側及びZ軸方向両側を覆うように配置される。これにより、スペーサ200aは、蓄電素子100を保持する。以下に、図6図8も用いて、スペーサ壁部220~250の構成を、さらに詳細に説明する。この説明に際し、以下では、図2に示したように、Y軸方向に並ぶ3つのスペーサ200aのうち、中央に位置するスペーサ200aを、第一スペーサ201とも称する。第一スペーサ201のY軸プラス方向に位置するスペーサ200aを、第二スペーサ202とも称する。第一スペーサ201のY軸マイナス方向に位置するスペーサ200aを、第三スペーサ203とも称する。第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203は、同じ構成を有している。
【0054】
[1.3 スペーサ壁部220~250の説明]
図6は、本実施の形態に係る第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203のスペーサ壁部220及び230の構成を示す斜視図である。図6は、Y軸方向に並ぶ第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203のX軸プラス方向端部の構成を示している。図7は、本実施の形態に係る第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203のスペーサ壁部240及び250の構成を示す斜視図である。図7は、Y軸方向に並ぶ第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203のX軸マイナス方向端部の構成を示している。図8は、本実施の形態に係る第一スペーサ201及び第二スペーサ202を蓄電素子100に配置した状態での構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、図8の(a)は、第一スペーサ201及び第二スペーサ202で蓄電素子100を挟んだ状態を示す斜視図である。図8の(b)は、図8の(a)に示した構成を、VIIIb-VIIIb線を通りXY平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図である。図8の(c)は、図8の(a)に示した構成を、VIIIc-VIIIc線を通りXY平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図である。
【0055】
図2図6及び図7に示すように、Y軸プラス方向から順に、第二スペーサ202、第一スペーサ201及び第三スペーサ203が配置される。つまり、第二スペーサ202と第三スペーサ203との間に、第一スペーサ201が配置される。第一スペーサ201及び第二スペーサ202は、蓄電素子100をY軸方向(第一方向)で挟む。第一スペーサ201及び第三スペーサ203は、他の蓄電素子100をY軸方向(第一方向)で挟む。上述の通り、第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203は、スペーサ200aと同じ構成を有している。このため、第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203は、それぞれ、スペーサ壁部220~250を有している。
【0056】
第一スペーサ201のスペーサ壁部220及び240は、第二スペーサ202に向けてY軸プラス方向に突出し、第一スペーサ201のスペーサ壁部230及び250は、第三スペーサ203に向けてY軸マイナス方向に突出する。この第一スペーサ201が有するスペーサ壁部220、230、240及び250を、それぞれ、第一スペーサ壁部220A、第三スペーサ壁部230A、第五スペーサ壁部240A及び第七スペーサ壁部250Aと称する。つまり、第一スペーサ201は、X軸プラス方向(第一方向と交差する第二方向の一方側)の端部から第二スペーサ202に向けて突出する第一スペーサ壁部220Aを有している。第一スペーサ201は、X軸プラス方向(第二方向の一方側)の端部から第三スペーサ203に向けて突出する第三スペーサ壁部230Aを有している。第一スペーサ201は、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端部から第二スペーサ202に向けて突出する第五スペーサ壁部240Aを有している。第一スペーサ201は、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端部から第三スペーサ203に向けて突出する第七スペーサ壁部250Aを有している。
【0057】
第二スペーサ202のスペーサ壁部230及び250は、第一スペーサ201に向けてY軸マイナス方向に突出する。この第二スペーサ202が有するスペーサ壁部230及び250を、それぞれ、第二スペーサ壁部230B及び第六スペーサ壁部250Bと称する。つまり、第二スペーサ202は、X軸プラス方向(第二方向の一方側)の端部から第一スペーサ201に向けて突出する第二スペーサ壁部230Bを有している。第二スペーサ202は、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端部から第一スペーサ201に向けて突出する第六スペーサ壁部250Bを有している。第二スペーサ202が有するスペーサ壁部220及び240を、それぞれ、スペーサ壁部220B及び240Bと称する。
【0058】
第三スペーサ203のスペーサ壁部220及び240は、第一スペーサ201に向けてY軸プラス方向に突出する。この第三スペーサ203が有するスペーサ壁部220及び240を、それぞれ、第四スペーサ壁部220C及び第八スペーサ壁部240Cと称する。つまり、第三スペーサ203は、X軸プラス方向(第二方向の一方側)の端部から第一スペーサ201に向けて突出する第四スペーサ壁部220Cを有している。第三スペーサ203は、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端部から第一スペーサ201に向けて突出する第八スペーサ壁部240Cを有している。第三スペーサ203が有するスペーサ壁部230及び250を、それぞれ、スペーサ壁部230C及び250Cと称する。
【0059】
図4及び図5に示すように、スペーサ200aにおいて、スペーサ壁部220は、壁部221~227を有し、スペーサ壁部230は、壁部231~237を有し、スペーサ壁部240は、壁部241~247を有し、スペーサ壁部250は、壁部251~257を有している。このため、図6及び図7に示すように、第一スペーサ201、第二スペーサ202及び第三スペーサ203についても、これらの壁部を有している。以下、これらの壁部について、第一スペーサ201を用いて説明するが、第二スペーサ202及び第三スペーサ203についても同様である。
【0060】
第一スペーサ201の第一スペーサ壁部220Aは、壁部221~227を有している。壁部221は、第一スペーサ壁部220AのZ軸プラス方向端部からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状の壁である。壁部221には、Y軸マイナス方向に凹む凹部が形成されており、当該凹部に、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230Bが有する壁部231に形成された凸部が挿入される(図8参照)。壁部227は、第一スペーサ壁部220AのZ軸マイナス方向端部からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状の壁である。壁部227には、Y軸マイナス方向に凹む凹部が形成されており、当該凹部に、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230Bが有する壁部237に形成された凸部が挿入される(図8参照)。これらにより、第一スペーサ壁部220Aと第二スペーサ壁部230Bとが互いに位置決めされる。
【0061】
壁部222は、第一スペーサ壁部220Aにおける壁部221のZ軸マイナス方向の部位からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部222を、第三壁部222とも称する。第三壁部222は、第二壁部224とで第一壁部223を挟む位置に配置される。さらに、第三壁部222は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、第三壁部222は、第二スペーサ壁部230Bが有する壁部232のX軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、第三壁部222は、第二スペーサ壁部230Bの壁部232と接触した状態で配置される(図8の(b)参照)。
【0062】
壁部223は、第一スペーサ壁部220Aにおける第三壁部222のZ軸マイナス方向の部位からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部223を、第一壁部223とも称する。第一壁部223は、第三壁部222よりもX軸プラス方向に突出した位置に配置される。さらに、第一壁部223は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、第一壁部223は、第二スペーサ壁部230Bが有する壁部233のX軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、第一壁部223は、第二スペーサ壁部230Bの壁部233と接触した状態で配置される(図8の(c)参照)。
【0063】
壁部224は、第一スペーサ壁部220Aにおける第一壁部223のZ軸マイナス方向の部位からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部224を、第二壁部224とも称する。第二壁部224は、Z軸方向(第一方向及び第二方向と交差する第三方向)において第一壁部223と並び、かつ、X軸方向において第三壁部222と同じ位置、つまり、第一壁部223よりもX軸マイナス方向に凹んだ位置に配置される。さらに、第二壁部224は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、第二壁部224は、第二スペーサ壁部230Bが有する壁部234のX軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、第二壁部224は、第二スペーサ壁部230Bの壁部234と接触した状態で配置される。
【0064】
壁部225は、第一スペーサ壁部220Aにおける第二壁部224のZ軸マイナス方向の部位からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部225を、第三壁部225とも称する。第三壁部225は、第一壁部223とで第二壁部224を挟む位置に配置される。第三壁部225は、X軸方向において第一壁部223と同じ位置、つまり、第三壁部222及び第二壁部224よりもX軸プラス方向に突出した位置に配置される。さらに、第三壁部225は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、第三壁部225は、第二スペーサ壁部230Bが有する壁部235のX軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、第三壁部225は、第二スペーサ壁部230Bの壁部235と接触した状態で配置される。
【0065】
壁部226は、第一スペーサ壁部220Aにおける第三壁部225のZ軸マイナス方向の部位からY軸プラス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。壁部226は、X軸方向において第三壁部222及び第二壁部224と同じ位置、つまり、第一壁部223及び第三壁部225よりもX軸マイナス方向に凹んだ位置に配置される。さらに、壁部226は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、壁部226は、第二スペーサ壁部230Bが有する壁部236のX軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、壁部226は、第二スペーサ壁部230Bの壁部236と接触した状態で配置される。
【0066】
第一スペーサ201の第三スペーサ壁部230Aは、壁部231~237を有している。壁部231は、第三スペーサ壁部230AのZ軸プラス方向端部からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状の壁である。壁部231には、Y軸マイナス方向に突出する凸部が形成されており、当該凸部が、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220Cが有する壁部221に形成された凹部に挿入される。壁部237は、第三スペーサ壁部230AのZ軸マイナス方向端部からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状の壁である。壁部237には、Y軸マイナス方向に突出する凸部が形成されており、当該凸部が、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220Cが有する壁部227に形成された凹部に挿入される。これらにより、第三スペーサ壁部230Aと第四スペーサ壁部220Cとが互いに位置決めされる。
【0067】
壁部232は、第三スペーサ壁部230Aにおける壁部231のZ軸マイナス方向の部位からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。壁部232は、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220CのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、壁部232は、第四スペーサ壁部220Cが有する壁部222のX軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、壁部232は、第四スペーサ壁部220Cの壁部222と接触した状態で配置される。
【0068】
壁部233は、第三スペーサ壁部230Aにおける壁部232のZ軸マイナス方向の部位からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部233を、第四壁部233とも称する。第四壁部233は、壁部232よりもX軸マイナス方向に凹んだ位置に配置される。さらに、第四壁部233は、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220CのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、第四壁部233は、第四スペーサ壁部220Cが有する壁部223のX軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、第四壁部233は、第四スペーサ壁部220Cの壁部223と接触した状態で配置される。
【0069】
壁部234は、第三スペーサ壁部230Aにおける壁部233のZ軸マイナス方向の部位からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。本実施の形態では、壁部234を、第五壁部234とも称する。第五壁部234は、Z軸方向(第三方向)において第四壁部233と並び、かつ、X軸方向において壁部232と同じ位置、つまり、第四壁部233よりもX軸プラス方向に突出した位置に配置される。さらに、第五壁部234は、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220CのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、第五壁部234は、第四スペーサ壁部220Cが有する壁部224のX軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、第五壁部234は、第四スペーサ壁部220Cの壁部224と接触した状態で配置される。
【0070】
壁部235は、第三スペーサ壁部230Aにおける壁部234のZ軸マイナス方向の部位からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。壁部235は、X軸方向において第四壁部233と同じ位置、つまり、壁部232及び第五壁部234よりもX軸マイナス方向に凹んだ位置に配置される。さらに、壁部235は、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220CのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、壁部235は、第四スペーサ壁部220Cが有する壁部225のX軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、壁部235は、第四スペーサ壁部220Cの壁部225と接触した状態で配置される。
【0071】
壁部236は、第三スペーサ壁部230Aにおける壁部235のZ軸マイナス方向の部位からY軸マイナス方向に突出するYZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁である。壁部236は、X軸方向において壁部232及び第五壁部234と同じ位置、つまり、第四壁部233及び壁部235よりもX軸プラス方向に突出した位置に配置される。さらに、壁部236は、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220CのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、壁部236は、第四スペーサ壁部220Cが有する壁部226のX軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、壁部236は、第四スペーサ壁部220Cの壁部226と接触した状態で配置される。
【0072】
以上のように、スペーサ200aのスペーサ壁部220においては、Z軸方向に並ぶ壁部222~226が、X軸方向において交互に突出して凹むように配置されている。スペーサ壁部230においては、Z軸方向に並ぶ壁部232~236が、スペーサ壁部220の壁部222~226とは凹凸の順が逆になるように、X軸方向において交互に突出して凹むように配置されている。これにより、隣り合う2つのスペーサ200aにおいて、一方のスペーサ200aのスペーサ壁部220の突出した壁部が、他方のスペーサ200aのスペーサ壁部230の凹んだ壁部で形成される凹部内に配置される。具体的には、第一スペーサ201の第一スペーサ壁部220AのX軸プラス方向に突出した第一壁部223が、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230BのX軸マイナス方向に凹んだ壁部233で形成される凹部内に配置される。つまり、第二スペーサ壁部230Bの第一壁部223と対向する位置には、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)に向けて凹んだ凹部が形成され、第一壁部223は、当該凹部内に配置される。他の壁部についても同様である。
【0073】
さらに、第一スペーサ201の第一スペーサ壁部220Aが有する壁部222~226は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230Bが有する壁部232~236と対向する面の先端部が、傾斜または湾曲した形状を有している。同様に、第二スペーサ壁部230Bの壁部232~236は、第一スペーサ壁部220Aの壁部222~226と対向する面の先端部が、傾斜または湾曲した形状を有している。これにより、第二スペーサ壁部230Bの壁部232~236及び第一スペーサ壁部220Aの壁部222~226において、突出した壁部を凹んだ壁部に差し込みやすい。
【0074】
第一スペーサ201の第五スペーサ壁部240Aは、壁部241~247を有している。第一スペーサ201の第七スペーサ壁部250Aは、壁部251~257を有している。上述の通り、第一スペーサ201は、中心位置を通りYZ平面に平行な面に対して対称となる形状を有している。このため、第五スペーサ壁部240Aの壁部241~247は、第一スペーサ壁部220Aの壁部221~227を、当該面に対して対称にした形状を有する。つまり、第五スペーサ壁部240Aの壁部241~247は、上述した第一スペーサ壁部220Aの壁部221~227についての説明中の「X軸マイナス方向」を「X軸プラス方向」に言い換え、かつ、「X軸プラス方向」を「X軸マイナス方向」に言い換えた構成となる。同様に、第七スペーサ壁部250Aの壁部251~257は、第三スペーサ壁部230Aの壁部231~237を、当該面に対して対称にした形状を有する。つまり、第七スペーサ壁部250Aの壁部251~257は、上述した第三スペーサ壁部230Aの壁部231~237についての説明中の「X軸マイナス方向」を「X軸プラス方向」に言い換え、かつ、「X軸プラス方向」を「X軸マイナス方向」に言い換えた構成となる。
【0075】
本実施の形態では、第五スペーサ壁部240Aが有する壁部243を、第六壁部243とも称し、第五スペーサ壁部240Aが有する壁部244を、第七壁部244とも称する。第六壁部243は、第二スペーサ202の第六スペーサ壁部250BのX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。具体的には、第六壁部243は、第六スペーサ壁部250Bが有する壁部253のX軸マイナス方向に、壁部253と接触した状態で配置される。第七壁部244は、Z軸方向(第三方向)において第六壁部243と並び、かつ、第二スペーサ202の第六スペーサ壁部250BのX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、第七壁部244は、第六スペーサ壁部250Bが有する壁部254のX軸プラス方向に、壁部254と接触した状態で配置される。
【0076】
さらに、本実施の形態では、壁部232、223、234、225及び236とスペーサ本体210との間に、Z軸方向に延びるスリット状の開口部232a、223a、234a、225a及び236aがそれぞれ形成されている。同様に、壁部252、243、254、245及び256とスペーサ本体210との間に、Z軸方向に延びるスリット状の開口部252a、243a、254a、245a及び256aがそれぞれ形成されている。開口部232aは、スペーサ本体210に形成された溝部213と繋がっており、開口部213aから溝部213に流入した冷媒をスペーサ200aの外部へ排出できる構成となっている(図4及び図8の(b)の破線参照)。その他の開口部についても同様に、溝部211~219のいずれかと繋がっており、開口部211a~219aのいずれかから溝部211~219のいずれかに流入した冷媒を、スペーサ200aの外部へ排出できる。
【0077】
[2 効果の説明]
以上のように、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、第一スペーサ201の第一スペーサ壁部220Aは、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230Bの第二方向の一方側(X軸プラス方向)に配置される第一壁部223と、第二スペーサ壁部230Bの第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に配置される第二壁部224と、を有している。これにより、第一スペーサ201が第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に移動しようとすると、第一スペーサ壁部220Aの第一壁部223が第二スペーサ壁部230Bに接触して、第一スペーサ201の第二方向の他方側(X軸マイナス方向)への移動が制限される。第一スペーサ201が第二方向の一方側(X軸プラス方向)に移動しようとすると、第一スペーサ壁部220Aの第二壁部224が第二スペーサ壁部230Bに接触して、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動が制限される。このように、蓄電装置1に第二方向(X軸方向)における振動または衝撃が加えられても、第二方向の一方側及び他方側(X軸方向両側)の双方向において、第一スペーサ201の移動を制限できるため、蓄電装置1の耐振動性または耐衝撃性の向上を図ることができる。
【0078】
第三壁部225は、第一壁部223とで第二壁部224を挟み、第二スペーサ壁部230Bの第二方向の一方側(X軸プラス方向)に配置される。このため、第一スペーサ201の第二方向の他方側(X軸マイナス方向)への移動を第一壁部223及び第三壁部225が制限し、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動を第二壁部224が制限する。第三壁部222は、第二壁部224とで第一壁部223を挟み、第二スペーサ壁部230Bの第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に配置される。このため、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動を第二壁部224及び第三壁部222が制限し、第一スペーサ201の第二方向の他方側(X軸マイナス方向)への移動を第一壁部223が制限する。これにより、第一壁部223、第二壁部224、及び、第三壁部222または225によって、第一スペーサ201の第二方向の一方側及び他方側(X軸方向両側)への移動を交互に制限できるため、蓄電装置1の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0079】
第一スペーサ201の第三スペーサ壁部230Aは、第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220Cの第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に配置される第四壁部233と、第四スペーサ壁部220Cの第二方向の一方側(X軸プラス方向)に配置される第五壁部234と、を有している。これにより、第一スペーサ201が第二方向の一方側(X軸プラス方向)に移動しようとすると、第三スペーサ壁部230Aの第四壁部233が第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220Cに接触して、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動が制限される。第一スペーサ201が第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に移動しようとすると、第三スペーサ壁部230Aの第五壁部234が第三スペーサ203の第四スペーサ壁部220Cに接触して、第一スペーサ201の第二方向の他方側(X軸マイナス方向)への移動が制限される。このように、第一スペーサ201の第一方向の他方側(Y軸マイナス方向)においても、第二方向の一方側及び他方側(X軸方向両側)の双方向への第一スペーサ201の移動を制限できる。したがって、蓄電装置1に第二方向(X軸方向)における振動または衝撃が加えられても、第一スペーサ201の第一方向の一方側及び他方側(Y軸方向両側)の双方において、第一スペーサ201の移動を制限できる。よって、蓄電装置1の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0080】
第一スペーサ201の第五スペーサ壁部240Aは、第二スペーサ202の第六スペーサ壁部250Bの第二方向の他方側(X軸マイナス方向)に配置される第六壁部243と、第六スペーサ壁部250Bの第二方向の一方側(X軸プラス方向)に配置される第七壁部244と、を有している。これにより、第一スペーサ201が第二方向の一方側(X軸プラス方向)に移動しようとすると、第五スペーサ壁部240Aの第六壁部243が第二スペーサ202の第六スペーサ壁部250Bに接触して、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動が制限される。第一スペーサ201が第二方向の一方側(X軸プラス方向)に移動しようとすると、第五スペーサ壁部240Aの第七壁部244が第二スペーサ202の第六スペーサ壁部250Bに接触して、第一スペーサ201の第二方向の一方側(X軸プラス方向)への移動が制限される。このように、第一スペーサ201の第二方向の他方側(X軸マイナス方向)においても、第二方向の一方側及び他方側(X軸方向両側)の双方向への第一スペーサ201の移動を制限できる。したがって、蓄電装置1に第二方向(X軸方向)における振動または衝撃が加えられても、第一スペーサ201の第二方向の一方側及び他方側(X軸方向両側)の双方において、第一スペーサ201の移動を制限できるため、蓄電装置1の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0081】
第一スペーサ201の第一スペーサ壁部220Aの第一壁部223は、第二スペーサ202の第二スペーサ壁部230Bに形成された第二方向(X軸方向)に凹んだ凹部(壁部233で形成される凹部)内に配置される。これにより、第一スペーサ201が第二方向と交差する方向(Z軸方向等)に移動しようとすると、第一壁部223が当該凹部の壁に接触して第一スペーサ201の移動が制限される。したがって、第二方向と交差する方向(Z軸方向等)においても、第一スペーサ201の移動を制限できるため、蓄電装置1の耐振動性または耐衝撃性の向上をさらに図ることができる。
【0082】
上記では、スペーサ200aが有する一部の壁部についての効果を説明したが、他の壁部についても同様の効果が奏される。さらに、蓄電ユニット10が有する一部のスペーサ200aについての効果を説明したが、他のスペーサ200aについても同様の効果が奏される。
【0083】
[3 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0084】
上記実施の形態において、スペーサ200aには、開口部232a等が設けられて、開口部232a等から冷媒(空気等)をスペーサ200aの外部へ排出することとしたが、スペーサ200aに開口部232a等を設けることには限定されない。図9は、本実施の形態の変形例に係る第一スペーサ204の構成を示す斜視図である。具体的には、図9の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)に対応する図である。図10は、本実施の形態の変形例に係る第一スペーサ204及び第二スペーサ205を蓄電素子100に配置した状態での構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、図10の(a)は、図8の(a)に対応する斜視図であり、図10の(b)は、図8の(b)のX軸プラス方向の半分に対応する断面図である。
【0085】
図9に示すように、本変形例における第一スペーサ204は、上記実施の形態における第一スペーサ201が有する第一スペーサ壁部220A及び第三スペーサ壁部230Aに代えて、第一スペーサ壁部220D及び第三スペーサ壁部230Dを有している。第一スペーサ壁部220Dは、第一スペーサ壁部220Aが有する壁部222、224及び226に代えて、壁部222a、224a及び226aを有している。第三スペーサ壁部230Dは、第三スペーサ壁部230Aが有する壁部233及び235に代えて、壁部233a及び235aを有している。第一スペーサ204において、壁部232、223、234、225及び236とスペーサ本体210との間には、開口部232a、223a、234a、225a及び236aは形成されていない。第一スペーサ204は、さらに、第一スペーサ壁部220D及び第三スペーサ壁部230Dの間からX軸プラス方向に突出し、Z軸方向に延びる平板状の壁部280を有している。
【0086】
第一スペーサ204は、上記実施の形態における第一スペーサ201が有する第五スペーサ壁部240A及び第七スペーサ壁部250Aに代えて、第五スペーサ壁部(図示せず)及び第七スペーサ壁部250Dを有している。さらに、第一スペーサ204は、第五スペーサ壁部及び第七スペーサ壁部250Dの間からX軸マイナス方向に突出し、Z軸方向に延びる平板状の壁部(図示せず)を有している。第一スペーサ204は、第一スペーサ201と同様に、中心位置を通りYZ平面に平行な面に対して対称となる形状を有している。したがって、第五スペーサ壁部、第七スペーサ壁部250D及びその周囲の構成は、第一スペーサ壁部220D、第三スペーサ壁部230D及びその周囲の構成を、当該面に対して対称にした形状を有している。このため、これらの詳細な説明は省略する。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
壁部222a、224a、226a、233a及び235aは、上記実施の形態における壁部222、224、226、233及び235よりもX軸マイナス方向に位置し、X軸プラス方向の面にリブ222b、224b、226b、233b及び235bをそれぞれ有している。リブ222b、224b、226b、233b及び235bのそれぞれは、壁部222a、224a、226a、233a及び235aのそれぞれのX軸プラス方向の面のZ軸方向中央部からX軸プラス方向に突出し、Y軸方向に延びる突出部(突起)である。以下、壁部222aのリブ222bについて説明するが、他のリブについても同様である。
【0088】
図10に示すように、第一スペーサ204と第二スペーサ205とが蓄電素子100を挟む位置に配置されると、第一スペーサ204の第一スペーサ壁部220Dの壁部222aは、第二スペーサ205の第二スペーサ壁部230Eの壁部232と対向して配置される。第二スペーサ205は、第一スペーサ204と同じ形状のスペーサである。つまり、第二スペーサ205は、第一スペーサ204の第一スペーサ壁部220D及び第三スペーサ壁部230D等と同じ形状のスペーサ壁部220E及び第二スペーサ壁部230E等を有している。
【0089】
これにより、第一スペーサ壁部220Dの壁部222aのリブ222bは、第二スペーサ壁部230Eの壁部232に向けて突出した状態で配置される。この構成によって、第一スペーサ壁部220Dの壁部222aと第二スペーサ壁部230Eの壁部232との間における、リブ222bのZ軸方向両側に空間(隙間)が形成される。この空間(隙間)は、第二スペーサ205のスペーサ本体210に形成された溝部213と繋がるため、開口部213aから溝部213に流入した冷媒(空気等)は、上記空間(隙間)を通り、壁部280に沿って排出される(図9及び図10の(b)の破線参照)。
【0090】
本変形例において、第一スペーサ壁部220Dの壁部222aのリブ222bに代えて、または、当該リブ222bに加えて、第二スペーサ壁部230Eの壁部232にリブが設けられていてもよい。つまり、第一スペーサ壁部220Dの壁部222a、及び、第二スペーサ壁部230Eの当該壁部222aに対向する壁部232の少なくとも一方が、他方に向けて突出するリブを有していればよい。第一スペーサ壁部220Dの壁部223(第一壁部223)についても同様である。つまり、第一スペーサ壁部220Dの第一壁部223、及び、第二スペーサ壁部230Eの第一壁部223と対向する壁部233a(図示せず)の少なくとも一方は、他方に向けて突出するリブを有する。他の壁部についても同様である。
【0091】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置1によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、第一スペーサ204の第一壁部223、及び、第二スペーサ205の第一壁部223と対向する壁部233aの少なくとも一方にリブが設けられていることで、当該第一壁部223と当該壁部233aとの間の隙間をリブで埋めることができる。蓄電素子100を冷媒(空気等)で冷却する構成の場合、当該リブによって、当該第一壁部223と当該壁部233aとの間に当該冷媒が流れる流路を形成できる。したがって、上記実施の形態のように第一スペーサ204等に開口部232a等を形成しなくてよいため、第一スペーサ204等の製造が容易である(スライド構造不要の簡易な構成の金型で製造できる)。
【0092】
上記変形例において、壁部に形成した突起をリブと称したが、壁部に突起を形成する代わりに壁部に溝を形成し、その結果形成された突出部分をリブと称してもよい。これによっても、第一スペーサ204等に開口部232a等を形成することなく冷媒が流れる流路を形成できる等、上記と同様の効果を奏することができる。
【0093】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、スペーサ200aのスペーサ壁部220~250は、蓄電素子100の容器110の短側面112に対向して配置されることとしたが、容器110の底面113または容器蓋部130に対向して配置されてもよい。
【0094】
上記実施の形態では、スペーサ200aは、スペーサ壁部220~270を有していることとしたが、これらのスペーサ壁部の全てを有することには限定されない。スペーサ200aは、スペーサ壁部260を有していなくてもよいし、スペーサ壁部270を有していなくてもよい。つまり、スペーサ200aは、蓄電素子100を保持するホルダでなくてもよい。スペーサ200aは、スペーサ壁部220~250のうちのいずれかのスペーサ壁部を有していなくてもよい。つまり、スペーサ200aは、スペーサ壁部220~250のうちの少なくとも1つのスペーサ壁部を有していればよい。
【0095】
上記実施の形態では、スペーサ200aのスペーサ壁部220は、壁部221~227を有していることとしたが、これらの壁部の全てを有することには限定されない。スペーサ壁部220は、壁部221を有していなくてもよいし、壁部227を有していなくてもよい。スペーサ壁部220は、壁部222~226のうち、壁部223及び224等、隣り合う他のスペーサ200aのスペーサ壁部230に対してX軸方向で異なる位置に配置される2つの壁部を有していればよい。スペーサ壁部230~250についても同様である。
【0096】
上記実施の形態では、スペーサ200aのスペーサ壁部220の壁部222~226は、Y軸方向の長さが同じであるように図示したが、壁部222~226のうちのいずれかの壁部が異なる長さでもよい。壁部223及び225のX軸マイナス方向に位置する壁部222、224及び226が、壁部223及び225よりもY軸方向の長さが短くてもよいし、長くてもよいし、その他の長さの組み合わせでもよい。同様に、スペーサ壁部230の壁部232~236は、Y軸方向の長さが同じであるように図示したが、壁部232~236のうちのいずれかの壁部が異なる長さでもよい。壁部232、234及び236のX軸マイナス方向に位置する壁部233及び235が、壁部232、234及び236よりもY軸方向の長さが短くてもよいし、長くてもよいし、その他の長さの組み合わせでもよい。スペーサ壁部240及び250についても同様である。
【0097】
上記実施の形態では、スペーサ200aのスペーサ壁部220の壁部222~226は、X軸方向の位置が交互に異なることとしたが、X軸方向の位置が同じであってもよい。つまり、スペーサ壁部230の壁部232~236のX軸方向の位置が交互に大きく異なるように形成すれば、壁部222~226のX軸方向の位置を同じにしてもよい。同様に、スペーサ壁部220の壁部222~226のX軸方向の位置を交互に大きく異なるように形成し、スペーサ壁部230の壁部232~236のX軸方向の位置を同じにしてもよい。スペーサ壁部240及び250についても同様である。
【0098】
上記実施の形態では、全てのスペーサ200aが上記の構成を有していることとしたが、いずれかのスペーサ200aが上記の構成を有していなくてもよい。
【0099】
上記実施の形態において、スペーサ200bまたはスペーサ200cがスペーサ200aと同様の構成を有していてもよい。つまり、複数のスペーサ200のうちのいずれのスペーサ200が、スペーサ200aと同様の上記構成を有していてもよい。スペーサ200bについては、スペーサ200aよりもスペーサ本体のY軸方向の厚みが厚く形成されるが、スペーサ壁部はスペーサ200aと同様の構成を有する。スペーサ200cについては、スペーサ200aのY軸方向の半分と同様の構成を有する。
【0100】
上記実施の形態では、スペーサ200(スペーサ200a、200b及び200c)は、蓄電素子100とY軸方向に交互に並んで配置されるが、いずれかのスペーサ200が配置されない構成でもよい。1つのスペーサ200(スペーサ200a、200bまたは200c)しか配置されない構成でもよい。
【0101】
上記実施の形態では、ケース300は、ケース本体310と蓋体320とを有していることとしたが、蓋体320を有していなくてもよい。上記実施の形態では、ケース300の内方に、X軸方向に並ぶ2つの蓄電ユニット10が収容されていることとしたが、X軸方向に並ぶ3つ以上の蓄電ユニット10が収容されていてもよいし、1つの蓄電ユニット10しか収容されていなくてもよい。ケース300の内方に、Y軸方向に並ぶ複数の蓄電ユニット10が収容されていてもよい。上記実施の形態において、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子100及びスペーサ200を拘束する拘束部材(エンドプレート、サイドプレート等)等を備えていてもよい。
【0102】
上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0104】
1 蓄電装置
100 蓄電素子
200、200a、200b、200c スペーサ
201、204 第一スペーサ
202、205 第二スペーサ
203 第三スペーサ
210 スペーサ本体
211、212、213、214、215、216、217、218、219 溝部
211a、212a、213a、214a、215a、216a、217a、218a、219a、223a、225a、232a、234a、236a、243a、245a、252a、254a、256a 開口部
220、220B、220E、230、230C、240、240B、250、250C、260、270 スペーサ壁部
220A、220D 第一スペーサ壁部
220C 第四スペーサ壁部
221、222a、224a、226、226a、227、231、232、233a、235、235a、236、237、241、242、245、246、247、251、252、253、254、255、256、257、280 壁部
222、225 第三壁部(壁部)
222b、224b、226b、233b、235b リブ
223 第一壁部(壁部)
224 第二壁部(壁部)
230A、230D 第三スペーサ壁部
230B、230E 第二スペーサ壁部
233 第四壁部(壁部)
234 第五壁部(壁部)
240A 第五スペーサ壁部
240C 第八スペーサ壁部
243 第六壁部(壁部)
244 第七壁部(壁部)
250A、250D 第七スペーサ壁部
250B 第六スペーサ壁部
300 ケース
310 ケース本体
320 蓋体
図1
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図10