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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136641
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】カジノシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20230922BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230922BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042426
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】富士本 淳
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA29
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC04
5E555BD01
5E555CA12
5E555CB12
5E555DB53
5E555EA05
5E555FA00
5L049CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザインターフェースを向上させるカジノシステムを提供する。
【解決手段】複数のユーザ端末装置20と、カジノ管理サーバ700と、を有するカジノシステム1において、カジノ管理サーバ700は、複数のブックメーカがそれぞれ提供するベット可能なベット対象及びベット対象に関連付けられたオッズを含むオッズ情報を逐次に取得し、ログインユーザごとにログインユーザが選択したオッズの表示方式を対応付けて記憶し、ログインユーザからの要求に応じて、複数のブックメーカから取得したオッズ情報を、ログインユーザに対応付けられた表示方式に変換し、ユーザ端末装置20に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブックメーカがそれぞれ提供するベット可能なベット対象、及び、当該ベット対象に関連付けられたオッズを含むオッズ情報を逐次に取得するオッズ情報取得部と、
ログインユーザごとに前記ログインユーザが選択した前記オッズの表示方式を対応付けて記憶する記憶部と、
前記ログインユーザからの要求に応じて、前記オッズ情報取得部が前記複数のブックメーカから取得したオッズ情報を、当該ログインユーザに対応付けられた前記表示方式にして表示する表示部と、
を有していることを特徴とするカジノシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記ログインユーザに対応付けて国籍を記憶し、さらに国籍に対応付けて前記表示方式を記憶し、
前記表示部は、デフォルトの表示として、前記ログインユーザの国籍に対応付けられた前記表示方式で、前記オッズ情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のカジノシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、スポーツの試合や選挙等のイベントの映像情報を表示装置に表示し、イベントの映像を視聴しながらベットを可能にし、イベント終了後の最終結果にベットしたユーザへ配当を付与するように構成されたゲーミング装置によりスポーツブックを提供するカジノシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0364988号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スポーツブックを提供するブックメーカは、ユーザがベット可能なベット対象にオッズを対応付けて提示し、ベット対象を選択させるものであるが、オッズの表示形式は、例えば、デシマル方式、フラクション方式等の複数存在しているものの、1つのブックメーカが提示する表示方式は1つに限られることが一般的であり、その表示方式に慣れていないユーザにとっては、非常にわかりづらいインターフェースとなってしまっていた。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザインターフェースを向上することが可能なカジノシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカジノシステムは、
複数のブックメーカがそれぞれ提供するベット可能なベット対象、及び、当該ベット対象に関連付けられたオッズを含むオッズ情報を逐次に取得するオッズ情報取得部と、
ログインユーザごとに前記ログインユーザが選択した前記オッズの表示方式を対応付けて記憶する記憶部と、
前記ログインユーザからの要求に応じて、前記オッズ情報取得部が前記複数のブックメーカから取得したオッズ情報を、当該ログインユーザに対応付けられた前記表示方式にして表示する表示部と、
を有していることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、複数のブックメーカのそれぞれが提供するオッズの表示方式が異なっていたとしても、取得したオッズ情報をログインユーザの所望する表示方式にして表示することができる。これにより、ユーザ自身が選択した表示方式でオッズ情報を表示することができ、ユーザインターフェースを向上させることができる。
【0008】
また、本発明のカジノシステムにおいて、
前記記憶部は、前記ログインユーザに対応付けて国籍を記憶し、さらに国籍に対応付けて前記表示方式を記憶し、
前記表示部は、デフォルトの表示として、前記ログインユーザの国籍に対応付けられた前記表示方式で、前記オッズ情報を表示してもよい。
【0009】
上記構成によれば、例えば、ログインユーザがオッズの表示方式を選択していない場合であっても、国籍ごとのデフォルトの表示方式を予め定めておくので、ログインユーザにとって慣れた表示方式である可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の概略構成を示す説明図である。
図2】カジノシステムの電気構成を示すブロック図である。
図3】カジノシステムの表示画面の一例を示す図である。
図4】オッズ情報テーブルの説明図である。
図5】ユーザ管理テーブルの説明図である。
図6】デフォルト表示方式設定テーブルの説明図である。
図7】オッズ受付処理のフローチャートである。
図8】ブックメーカ選択画面生成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のカジノシステムを図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のカジノシステム1は、複数あるオッズの表示方式をプレーヤが選択可能に構成されている。ここで、オッズの表示方式とは、ベット対象が当選した場合に得られる配当の割合の示し方である。本実施形態では、一般的な3つの表示方式を用いる場合について説明するがこれに限定されない。
【0013】
本実施形態で用いる3つの表示方式として、デシマル方式、フラクション方式、アメリカン方式を例示する。デシマル方式は、ベット額に対する入賞時の支払額の倍率を示す表示方式である。例えば、デシマル方式では、「2.8倍」、「3.5倍」等の倍率のみが示される。具体的に、デシマル方式で示されるオッズが「2.8倍」である場合、100ドルのベット額に対して、入賞時には280ドルが支払われることになる。
【0014】
また、フラクション方式は、オッズが分数で示される表示方式である。フラクション方式における分数において、分母はベット額を示し、分子は当選時の利益を示す。例えば、フラクション方式において、「5/3」と表示される場合、300ドルのベットで、500ドルの利益(800ドルの支払い)が得られることになる。
【0015】
また、アメリカン方式は、デシマル方式でいう2倍のオッズを閾値として、これより大きいオッズにはプラスを付け、これ以下のオッズにはマイナスを付ける表示方式である。例えば、アメリカン方式において、「+250」と示される場合、100ドルのベットで250ドルの利益(350ドルの支払い)が得られることになる。すなわち、アメリカン方式において、数値にプラスが付される場合には、その数値は当選時の利益を示すものとなる。また、例えば、アメリカン方式において、「-150」と示される場合、150ドルのベットで100ドルの利益(250ドルの支払い)が得られることになる。すなわち、アメリカン方式において、数値にマイナスが付される場合には、100の利益を得るために必要なベット額を示すものとなる。
【0016】
また、本実施形態において、「イベント」は、サッカーの試合を一例に挙げているがこれに限定されない。例えば、野球等の他のスポーツの試合等であってもよい。また、ベット結果に作用するイベント要素とは、選手、審判、選手によって動作されるボール等の器具等のイベントの最終結果に影響する要素を示す。なお、「イベント」は、何らかの最終結果が出現する処理や動作等のベット対象となり得る事象を意味する。イベントは、サッカーや野球等の人間やコンピュータが実行する試合やゲームの他、国政選挙や地方選挙のように人間の行動、動植物の動作、人間やコンピュータが介在しない事象である自然界等の変化であってもよい。なお、イベントとは、上述したようなイベント内で発生し得る事象であってもよい。このようなイベント内で発生し得る事象は、例えば、サッカーのイベントであれば、PKが発生するか否か、発生したPKが成功するか否か、得点を先取するのはいずれのチームであるか、といったイベントとなるゲーム内で随時に発生するようなイベントである。
【0017】
次にカジノシステム1の機能的な概略構成について説明する。具体的に、カジノシステム1は、複数のユーザ端末装置20と、カジノ管理サーバ700と、を有しており、これらが通信網400を介してデータ通信可能に接続されている。また、カジノ管理サーバ700は、複数のブックメーカ管理サーバ680と、通信網400を介してデータ通信可能に接続されており、各ブックメーカ管理サーバ680から変動するオッズを逐次に取得可能にされている。また、各ブックメーカ管理サーバ680は、イベント情報提供サーバ710と通信網400を介してデータ通信可能に接続されている。
【0018】
イベント情報提供サーバ710は、ベット対象が設定されたイベントのイベント情報を取得し、このイベント情報をブックメーカ管理サーバへ提供する機能を有している。すなわち、イベント情報提供サーバ710は、カジノシステム1の外部から、イベントにおける複数のベット対象のオッズを決定するためのオッズリソース情報であるイベント情報を、それぞれ異なる運営者により管理される複数のブックメーカ管理サーバ680に提供する。換言すれば、イベント情報は、イベントに係る複数のベット対象のオッズを決定するためのオッズリソース情報であり、複数のベット対象の最終結果に関連する情報である。イベント情報は、例えば、サッカーの試合であれば、チームごとの得点や、選手ごとのゴール数、PKの発生、PKの成否等であり、このようなイベントに関連するイベント情報が逐次に各ブックメーカ管理サーバ680に提供されることになる。各ブックメーカ管理サーバ680は、それぞれにおいて、イベント情報提供サーバ710から取得したイベント情報に基づき、イベントに係るベット対象のオッズを決定することになる。なお、イベント情報提供サーバ710は、説明を簡易にするため1つとしているが、複数のブックメーカ管理サーバ680それぞれで独自に設けられていてもよい。
【0019】
本実施形態のカジノシステム1において、カジノ管理サーバ700は、各ブックメーカ管理サーバ680が決定した情報をユーザに提供するように構成される。
【0020】
ユーザ端末装置20は、カジノシステム1が提供する各種の手続きやコンテンツを利用するための装置である。ユーザは、ユーザ端末装置20により、通信網400を介して、カジノ管理サーバ700へ接続し、各種の手続きやコンテンツの提供を受けることが可能にされている。また、ユーザは、ユーザ端末装置20により、通信網400を介して、ブックメーカ管理サーバ680へ接続することで、イベントに設定されたベット対象へのベット等の各種の手続きやコンテンツ視聴等を行うことが可能にされている。すなわち、ユーザ端末装置20には、ベットを受け付けるためのインターフェースが、ブックメーカ管理サーバ680によって提供される。ユーザは、ユーザ端末装置20に提示されるインターフェースを介してベット等を行う。
【0021】
尚、本実施形態のユーザ端末装置20は、ディスプレイ201を有するスマートフォンを例示するが、携帯型および据置型のいずれであってもよい。ディスプレイ201には、ユーザインターフェースとして、タッチパネルが設けられる。このように、ユーザ端末装置20は、ユーザに情報を表示する表示部281と、ユーザからの入力を受け付ける入力部282とを有している。携帯型のユーザ端末装置20としては、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、PDA(PersonalData Assistant)、スマートウォッチ等の携帯情報機器が例示される。
【0022】
ブックメーカ管理サーバ680は、イベント設定部686と、オッズ管理部687と、ユーザ管理部688と、コンテンツ提供部689と、を有している。イベント設定部686は、賭けの対象となるイベントにベット対象を設定する機能を有している。ベット対象は、ブックメーカを運営する運営者により、ベット対象やベット対象に対するオッズが設定される。イベント設定部686が設定するオッズは、オッズ管理部687により提供される。
【0023】
オッズ管理部687は、ベット対象に対するオッズを管理する機能を有している。オッズ管理部687は、イベントに属する事象であるベット対象ごとに、イベント情報提供サーバ710から送信されるベット対象の状況を示すイベント情報に応じて、それぞれ個別にオッズを決定する。例えば、オッズは、過去の戦績、選手の状況、ベット状況(ベット対象へのベット数やベット額の合計)、ホームかアウェーか、試合状況(得点、怪我人、退場者など)など、過去・リアルタイムの情報を踏まえて、独自のプログラムによりリアルタイムで変動する。具体的に、オッズ管理部687は、イベントの開始前にベット対象のオッズを決定し、さらに上記のようなイベントの進行状況に応じてオッズを決定する。例えば、オッズ管理部687は、サッカーの試合のイベントである場合、シュートチャンス、シュート数、得点等に応じて、試合中も、このイベントに属するベット対象のオッズを変動させることになる。勿論、オッズの変動は、運営者によって決定され、手動で設定するようにしても良いが、予め定められた計算式を実行するプログラムにより自動的に行われることが好ましい。さらに、一部のオッズを自動的に決定し、他のオッズを運営者によって決定されるように構成してもよい。ベット対象毎に変動されるオッズは、過去のイベントの進行状況の履歴に基づいて再現可能にされることが好ましい。オッズ管理部687は、変動するオッズの情報を、逐次イベント設定部686に提供する。このように、イベントの進行状況に応じて各ベット対象のオッズを変動させることが実現される。また、このように、ブックメーカ管理サーバ680ごとに独自にオッズが決定されるため、同じイベントの同一ベット対象であっても、ブックメーカごとのオッズに差異が生じることになる。
【0024】
なお、ユーザがユーザ端末装置20を用いてベットを行う場合、ベットを行ったタイミングでのベット対象のオッズがユーザ端末装置20に記憶される。ベット対象が入賞である場合、ユーザ端末装置20に記憶されたオッズがオッズ管理部687によって承認されることで、入賞額が計算され当該ユーザへ払い出されることになる。
【0025】
ユーザ管理部688は、ユーザ端末装置20によりログインするユーザを管理する機能を有している。ユーザ管理部688は、ユーザがログインするためのログイン情報、ユーザが行ったベットに関する情報、ユーザの資金、等を管理する。ベットに関する情報は、例えば、ユーザがベットしたイベントのベット対象、ベット額、ベット日時、および秒等のベットタイミング情報である。ユーザの資金は、ユーザがベットを行う元手となる金額を示す情報である。ユーザがベットを行うことで、資金からベット額が減算され、ユーザがベットしたベット対象が入賞となることで、入賞に応じた入賞額が資金に加算される。資金の入出金は、図示しない、金融機関、カード決済事業者、仮想通貨取引事業者、及び、電子財布事業者等のシステムを介して行われる。
【0026】
コンテンツ提供部689は、イベント設定部686が設定するイベントのベット対象や映像データを、ユーザ端末装置20に提供する機能を有している。ユーザ端末装置20には、ベット対象ごとのオッズが、オッズ管理部687によって提供されるオッズと同期してリアルタイムに変動して表示される。これにより、カジノシステム1は、時間経過によりオッズが変化するイベント中に任意のタイミングでベット可能に構成されることになる。
【0027】
また、本実施形態において、コンテンツ提供部689は、リアルタイムに変動するオッズを逐次にカジノ管理サーバ700へ提供する機能を有している。すなわち、カジノ管理サーバ700は、各ブックメーカ管理サーバ680から逐次にオッズを取得するためのインタフェースを有している。
【0028】
また、ブックメーカ管理サーバ680は、投票情報受付部681と、投票情報管理部682と、記憶部692と、を有している。
【0029】
投票情報受付部681は、ユーザによってベットされたベット対象、オッズ、および、ベット額を含む投票情報を受け付ける機能を有している。具体的に、ベット時において、ユーザ端末装置20から、ブックメーカ管理サーバ680へ、投票情報として、ユーザID、ベット対象、オッズ、ベット額等が送信される。なお、ベットに特別な条件が適用される場合にはその特別な条件、ベットに関してユーザが選択する内容がある場合にはそのユーザの選択内容、コミッションまたは手数料が徴収される場合にはその種別と金額が投票情報に含まれていてもよい。投票情報受付部681は、このような投票情報を受け付けたとき、ベット毎を識別するためのベットIDを投票情報に付加して、記憶部692に記憶する。なお、投票情報受付部681は、ベット対象となるイベントがすでに開始されていた場合には、さらに投票情報にイベント開始日時を付加して記憶してもよい。このように、投票情報は、1つのベット毎に生成され、記憶部692にベット毎に1つのデータとして記憶される。
【0030】
投票情報管理部682は、イベント期間の更新が行われた際、ユーザの行ったベットの結果が出力された際、ユーザによって当該ユーザの行ったベットの結果が確認された際等において、記憶部692に記憶された投票情報を更新する機能を有している。具体的に、投票情報管理部682は、イベント期間の更新が行われた際には、イベント開始日時やイベント終了日時を記憶部692に記憶される投票情報に追加する。また、投票情報管理部682は、ユーザの行ったベットの結果が出力された際には、ベットの結果、賞金の金額等を記憶部692に記憶される投票情報に追加する。また、投票情報管理部682は、ユーザによって当該ユーザの行ったベットの結果が確認された際には、その確認されたタイミングの日時を記憶部692に記憶される投票情報に追加する。
【0031】
記憶部692は、オッズリソース情報、投票情報、および、ユーザ端末装置20に提供するインターフェース等を記憶する機能を有している。
【0032】
カジノ管理サーバ700は、オッズ情報取得部701と、制御部702と、記憶部703と、を有している。オッズ情報取得部701は、複数のブックメーカがそれぞれ提供するベット可能なベット対象、及び、当該ベット対象に関連付けられたオッズを含むオッズ情報を逐次に取得する機能を有している。制御部702は、ログインユーザごとにログインユーザが選択した前記オッズの表示方式を対応付けて記憶部703に記憶する機能を有している。また、制御部702は、ログインユーザからの要求に応じて、オッズ情報取得部が複数のブックメーカから取得したオッズ情報を、当該ログインユーザに対応付けられた表示方式に変換する機能を有している。また、制御部702は、ログインユーザに対応付けられた表示方式に変換されたオッズ情報をユーザ端末装置20に表示させる機能を有している。
【0033】
また、本実施形態では、記憶部703は、予め、ログインユーザに対応付けて国籍を記憶し、さらに国籍に対応付けて前記表示方式を記憶する機能を有している。そして、制御部702は、デフォルトの表示として、ログインユーザの国籍に対応付けられた表示方式で、オッズ情報を表示する機能を有しているがこれに限定されることはない。
【0034】
なお、図1の二点鎖線で示すように、カジノ管理サーバ700の機能をユーザ端末装置20が有していてもよい。具体的に、ユーザ端末装置20が、オッズ情報取得部701と同じ機能を有するオッズ情報取得部283と、制御部702と同じ機能を有する制御部284と、記憶部703と同じ機能を有する記憶部285と、を有していてもよい。この場合、各ユーザ端末装置20が、各ブックメーカ管理サーバ680からオッズ情報を取得し、ユーザ端末装置20に記憶された表示方式でオッズを表示することになる。
【0035】
このように、カジノシステム1は、複数のブックメーカがそれぞれ提供するベット可能なベット対象、及び、当該ベット対象に関連付けられたオッズを含むオッズ情報を逐次に取得するオッズ情報取得部701と、ログインユーザごとにログインユーザが選択したオッズの表示方式を対応付けて記憶する記憶部703と、ログインユーザからの要求に応じて、複数のブックメーカから取得したオッズ情報を、当該ログインユーザに対応付けられた表示方式にして表示する制御部702及びユーザ端末装置20と、を有している。
【0036】
換言すれば、上記各部を有するカジノシステム1によって、各部が実行する機能(処理)を実現するカジノ管理方法が実現されている。カジノシステム1の構成、または、カジノシステム1により実現されるカジノ管理方法によれば、複数のブックメーカのそれぞれが提供するオッズの表示方式が異なっていたとしても、取得したオッズ情報をログインユーザの所望する表示方式に切り替えて表示することができる。これにより、ユーザ自身が選択した表示方式でオッズ情報を表示することができ、ユーザインターフェースを向上させることができる。
【0037】
図2に示すように、ユーザ端末装置20は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音声入出力I/F116、ディスプレイI/F117、センサーコントローラ118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを、筐体11内に備えている。
【0038】
また、ブックメーカ管理サーバ680、カジノ管理サーバ700、および、イベント情報提供サーバ710は、CPU1101、ROM1102、RAM1103、ハードディスクドライブ等の記憶装置1104、ネットワークI/F1111を備える所謂コンピュータである。
【0039】
CPU(Central Processing Unit)101・CPU1101は、コントローラの主たる構成として機能し、第1アプリケーションシステム100全体の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)102・ROM1102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101・CPU1101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
【0040】
RAM(Random Access Memory)103・RAM1103は、CPU101・CPU1101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、アプリケーションプログラム、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。操作ボタン108は、ユーザ端末装置20を初期設定する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、ユーザ端末装置20の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
【0041】
記憶装置1104は、データベースとして機能し、複数のユーザ端末装置20毎のアプリケーションデータを記憶する。ブックメーカ管理サーバ680、および、カジノ管理サーバ700は、ユーザ端末装置20のアプリケーションプログラムからの要求に対して、適宜に記憶装置1104のデータベースを参照して応答を返す。イベント情報提供サーバ710は、ブックメーカ管理サーバ680からの要求に対して逐次にイベント情報の応答を返す。
【0042】
ネットワークI/F(Interface)111・ネットワークI/F1111は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音声入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従ってディスプレイ2に画像データを送信する回路である。ディスプレイ2は、筐体11の前面に設けられている。センサーコントローラ118は、ディスプレイ2に設けられたタッチパネル5からの入力を受け付ける回路である。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。バスライン110は、CPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0043】
次に、カジノシステム1におけるユーザ端末装置20のディスプレイ201に表示されるインターフェースの表示態様の一例について説明する。
【0044】
図3は、ユーザがベットを所望するイベントのベット対象について、いずれのブックメーカを利用するかを選択するブックメーカ選択画面である。ブックメーカ選択画面は、カジノ管理サーバ700が提供してユーザ端末装置20に表示される画面であり、図示しないイベント選択画面から遷移される。ブックメーカ選択画面には、イベント表示領域2010と、複数のベット対象領域2011と、オッズ表示方式切替領域2013と、が設けられている。各ベット対象領域2011は、選択したイベントに属する複数のベット対象のそれぞれに対応しており、そのベット対象が識別可能に示される。また、各ベット対象領域2011には、複数のオッズ領域2012が設けられる。複数のオッズ領域2012には、それぞれ、ブックメーカとそのブックメーカがこのベット対象に設定したオッズとが表示される。また、オッズ領域2012は、ユーザの入力を受け付ける入力領域となっている。すなわち、ユーザが、オッズ領域2012のいずれかをタッチ等により入力することで、入力対象となった領域が示すブックメーカのベット対象へのベット受付画面へリダイレクトされる。
【0045】
オッズ表示方式切替領域2013には、現在表示中のオッズの表示方式が示される。また、オッズ表示方式切替領域2013は、ユーザの入力を受け付ける入力領域となっている。すなわち、ユーザが、図3の右部に示すように、オッズ表示方式切替領域2013をタッチ等により入力する毎に、ブックメーカ選択画面に示されるすべてのオッズ領域2012に表示されるオッズの表示方式が切り替えられるようになっている。また、後述するが、オッズ表示方式切替領域2013によってユーザが選択した表示方式は、カジノ管理サーバ700の記憶装置1104に記憶されるため、ユーザがカジノ管理サーバ700にアクセスした場合には、ユーザの所望する表示方式でオッズを表示することが可能となる。
【0046】
次に、カジノシステム1におけるカジノ管理サーバ700の記憶装置1104に記憶されるデータテーブルについて説明する。
【0047】
図4は、オッズ情報テーブルを示す図である。オッズ情報テーブルは、各ブックメーカ管理サーバ680からオッズ情報を受け付ける毎に、逐次更新されるデータテーブルである。図4に示すように、オッズ情報テーブルは、イベントID欄と、ベット対象ID欄と、ブックメーカID欄と、ブックメーカ名欄と、オッズ欄と、ベット受付URLと、を有している。
【0048】
イベントID欄には、イベントを識別するイベントIDが格納される。ベット対象ID欄には、ベットを識別するベットIDが格納される。ブックメーカID欄には、ブックメーカを識別するベットIDが格納される。ブックメーカ名欄には、ブックメーカ選択画面等に用いるブックメーカ名が格納される。オッズ欄には、ブックメーカごとのベット対象のオッズが格納される。ベット受付URLには、ブックメーカごとのベット対象のベット受付画面のアドレスが格納される。
【0049】
例えば、カジノ管理サーバ700が、ブックメーカ管理サーバ680からオッズを受け付けると、当該オッズがどのイベントのどのベット対象であるか、データを特定し、受け付けたオッズでそのデータを更新する。または、データが無い場合には、カジノ管理サーバ700は、テーブルにデータを追加する。
【0050】
また、図5は、ユーザ管理テーブルを示す図である。図5に示すように、ユーザ管理テーブルは、ユーザID欄と、国籍欄と、オッズ表示方式欄と、を有している。ユーザID欄には、ユーザを識別し、ユーザがログインのために用いるユーザIDが格納される。国籍欄には、ユーザがユーザ登録等において入力されたユーザの国籍が格納される。オッズ表示方式欄には、ユーザが選択したオッズの表示方式が格納される。なお、ユーザがオッズ表示方式を選択していない状態においては、オッズ表示方式欄にはデータが未入力にされる(図5では、「-」で示している)。
【0051】
また、図6は、デフォルト表示方式設定テーブルを示す図である。図6に示すように、デフォルト表示方式設定テーブルは、国籍欄と、オッズ表示方式欄と、を有し、国籍に対するデフォルトの表示方式が設定される。
【0052】
このように、カジノ管理サーバ700は、ユーザ端末装置20に、ブックメーカ選択画面等においてオッズを表示する際に、ユーザ管理テーブルに設定された表示方式を参照することができ、さらにユーザ管理テーブルに表示方式が設定されていない場合には、デフォルト表示方式設定テーブルを参照してデフォルトの表示方式を参照することができる。
【0053】
次に、図7を参照して、カジノシステム1におけるカジノ管理サーバ700のCPU1101により実行されるオッズ受付処理のプログラムについて説明する。
【0054】
先ず、ブックメーカ管理サーバ680から、オッズ情報が送信される(SS11)と、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、オッズ情報を受け付け(S11)、オッズ情報テーブル(図5参照)について、受け付けたオッズで更新するか、データの追加を行う(S12)。具体的には、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、オッズ情報がいずれのイベントのいずれのベット対象であるかを特定し、当該データのオッズを、受け付けたオッズで更新する。または、特定したデータが存在しない場合には新たにデータを追加する。
【0055】
このようにして、カジノ管理サーバ700は、ユーザ端末装置20に対して、常に最新のオッズを提供することが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態では、ユーザ端末装置20からブックメーカ選択画面が要求されたタイミングにおいて、ブックメーカ選択画面が構成されてユーザ端末装置20に応答されるがこれに限定されない。図示しないが、例えば、ロングポーリング等を用いる場合等には、上述のオッズ受付処理において、ユーザ端末装置20に表示されるブックメーカ選択画面等のオッズの更新が行われてもよい。
【0057】
次に、図8を参照して、カジノシステム1におけるカジノ管理サーバ700のCPU1101により実行されるブックメーカ選択画面生成処理のプログラムについて説明する。
【0058】
先ず、ユーザ端末装置20において、ブックメーカ選択画面要求(SQ11)が実行され、当該要求がカジノ管理サーバ700へ送信される。ブックメーカ選択画面要求が送信されるタイミングは、ユーザ端末装置20においてイベントが選択された際や、ブックメーカ選択画面がユーザ端末装置20に表示されてから定期的に送信される。
【0059】
ブックメーカ選択画面要求には、要求を行ったユーザ端末装置20にログインするユーザのユーザID、対象となるイベントのイベントIDが含まれる。カジノ管理サーバ700のCPU1101は、ブックメーカ選択画面要求を受け付けると、ブックメーカ選択画面要求に含まれるイベントIDから、イベントIDに属するすべてのベット対象について、オッズ情報テーブル(図4参照)からブックメーカごとのオッズを取得する(S21)。
【0060】
そして、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、ユーザ管理テーブル(図5参照)を参照して、ログインユーザのユーザIDに対応するオッズ表示方式欄からオッズ表示方式を取得する(S22)。そして、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、ユーザ管理テーブルのオッズ表示方式にデータ入力されておらず、オッズ表示方式が未登録であるかを判定する(S23)。オッズ表示方式が未登録である場合(S23:YES)には、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、ユーザ管理テーブル(図5参照)を参照してログインユーザの国籍を取得し、デフォルト表示方式設定テーブル(図6参照)を参照してデフォルトのオッズ表示方式を取得する(S24)。
【0061】
そして、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、ステップS21で取得したオッズを、ステップS22またはステップS24で取得した表示方式に変更して、ブックメーカ選択画面のオッズ領域2012に当てはめて画面情報を構成する(S25)。
【0062】
そして、カジノ管理サーバ700のCPU1101は、構成した画面情報を、ユーザ端末装置20に応答する(S26)。これにより、ユーザ端末装置20において、ベット対象における最新のオッズのブックメーカ選択画面が表示されることになる(SQ12)。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
1 カジノシステム
20 ユーザ端末装置
201 ディスプレイ
680 ブックメーカ管理サーバ
700 カジノ管理サーバ
710 イベント情報提供サーバ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8