(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136659
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】自動ドア装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/643 20150101AFI20230922BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
E05F15/643
E05B47/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042452
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】390001904
【氏名又は名称】寺岡オート・ドアシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】中川 淨
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA15
2E052EC03
2E052KA01
(57)【要約】
【課題】施錠部の構成を簡素化することによって、施錠部の製造工数および製造コストを低減できる自動ドア装置を提供する。
【解決手段】本発明は、開閉方向に移動可能なドア部と、ドア駆動部と、施錠部とを備える。ドア駆動部は、第1方向に延びる駆動軸線を中心に回転可能な駆動プーリと、第1方向に延びる従動軸を中心に回転可能な従動プーリと、駆動部材とを有する。従動プーリは、駆動プーリの開閉方向の一方側に配置され、駆動部材を介して駆動プーリに従動回転する。施錠部は、レバー回転軸を有しレバー回転軸を中心に回転可能なレバー部材と、レバー駆動部とを有する。従動プーリには溝部が設けられる。レバー部材は、溝部内に挿入可能な固定部を有する。レバー駆動部は、レバー部材を回転させ、施錠部の状態を固定部が溝部内に挿入された施錠状態と、固定部が溝部内から離間した開錠状態との間で切り替え可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉方向に移動可能なドア部と、
前記ドア部と接続され、前記ドア部を前記開閉方向に移動させるドア駆動部と、
前記ドア部を施錠する施錠部と、
を備え、
前記ドア駆動部は、
前記開閉方向と直交する第1方向に延びる駆動軸線を中心として回転可能な駆動プーリと、
前記第1方向に延びる従動軸を中心として回転可能な従動プーリと、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリに巻き掛けられる、環状の駆動部材と、
を有し、
前記従動プーリは、前記駆動プーリの前記開閉方向の一方側に配置され、且つ、前記駆動部材を介して前記駆動プーリに従動して回転し、
前記施錠部は、
前記開閉方向および前記第1方向の両方と直交する第2方向に延びるレバー回転軸を有し、前記レバー回転軸を中心に回転可能なレバー部材と、
前記レバー回転軸を中心に前記レバー部材を回転させるレバー駆動部と、
を有し、
前記従動プーリの外周面には、内側に窪む溝部が、前記従動プーリの外周面に沿って複数個設けられ、
前記レバー部材は、前記従動プーリの前記開閉方向の他方側に配置され前記溝部内に挿入可能な固定部を有し、
前記レバー駆動部は、前記レバー回転軸を中心に前記レバー部材を回転させ、前記施錠部の状態を、前記固定部が前記溝部内に挿入された施錠状態と、前記固定部が前記溝部内から離間した開錠状態と、の間で切り替え可能である、自動ドア装置。
【請求項2】
前記レバー部材は、前記レバー回転軸および前記レバー回転軸よりも前記第1方向の一方側の部分に前記第2方向に突出する連結部を有するレバー基部を有し、
前記施錠部は、前記レバー基部および前記レバー駆動部を内部に収容するフレーム部を有し、
前記従動プーリは、前記フレーム部の前記第1方向の他方側に配置され、
前記レバー回転軸は、前記フレーム部と接続され、
前記レバー駆動部は、
前記連結部と接続される磁性部材を前記開閉方向の他方側に移動させるソレノイドアクチュエータと、
一端が前記連結部と接続され、他端が前記フレーム部と接続され、前記連結部を前記開閉方向の一方側に引っ張る、ばね部材と、
を有し、
前記ソレノイドアクチュエータは、
電力が供給されている状態において、前記施錠部を前記施錠状態とし、
電力が供給されていない状態において、前記施錠部を前記開錠状態とする、請求項1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
前記レバー部材は、前記レバー基部から前記第1方向の他方側に延び、前記固定部を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記開閉方向に貫通し、前記第2方向に延びる長孔を有し、
前記固定部は、前記長孔に通され、
前記第2方向において、前記保持部に対する前記固定部の位置を変えることができる、請求項2に記載の自動ドア装置。
【請求項4】
前記ドア部が開く方向に移動すると、前記従動プーリは前記従動軸を中心とする周方向の一方側に回転し、
前記施錠部は、前記フレーム部と固定される第1規制部材を有し、
前記第1規制部材は、前記レバー部材の前記周方向の一方側に、前記レバー部材と対向して配置される、請求項2または3に記載の自動ドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドア部をロックするための電気錠を有する自動ドア装置が知られている。例えば、特許文献1には、オートロック本体が有するロックシャフトを、自動ドアに保持される鍵受け装置に係止することによって、自動ドアをロックするオートロック装置を備える自動ドア装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような自動ドア装置においては、自動ドア装置と共に移動する鍵受け部にロックシャフトを係止する構成であるため、オートロック本体および鍵受け装置の構成が複雑となり、オートロック装置の製造工数および製造コストが増大する虞がある。
【0005】
本発明の自動ドア装置の一つの態様は、上記事情に鑑みて、施錠部の構成を簡素化することによって、施錠部の製造工数および製造コストを低減できる自動ドア装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動ドア装置の一つの態様は、開閉方向に移動可能なドア部と、前記ドア部と接続され、前記ドア部を前記開閉方向に移動させるドア駆動部と、前記ドア部を施錠する施錠部と、を備え、前記ドア駆動部は、前記開閉方向と直交する第1方向に延びる駆動軸線を中心として回転可能な駆動プーリと、前記第1方向に延びる従動軸を中心として回転可能な従動プーリと、前記駆動プーリおよび前記従動プーリに巻き掛けられる、環状の駆動部材と、を有し、前記従動プーリは、前記駆動プーリの前記開閉方向の一方側に配置され、且つ、前記駆動部材を介して前記駆動プーリに従動して回転し、前記施錠部は、前記開閉方向および前記第1方向の両方と直交する第2方向に延びるレバー回転軸を有し、前記レバー回転軸を中心に回転可能なレバー部材と、前記レバー回転軸を中心に前記レバー部材を回転させるレバー駆動部と、を有し、前記従動プーリの外周面には、内側に窪む溝部が、前記従動プーリの外周面に沿って複数個設けられ、前記レバー部材は、前記従動プーリの前記開閉方向の他方側に配置され前記溝部内に挿入可能な固定部を有し、前記レバー駆動部は、前記レバー回転軸を中心に前記レバー部材を回転させ、前記施錠部の状態を、前記固定部が前記溝部内に挿入された施錠状態と、前記固定部が前記溝部内から離間した開錠状態と、の間で切り替え可能である。
【0007】
前記レバー部材は、前記レバー回転軸および前記レバー回転軸よりも前記第1方向の一方側の部分に前記第2方向に突出する連結部を有するレバー基部を有し、前記施錠部は、前記レバー基部および前記レバー駆動部を内部に収容するフレーム部を有し、前記従動プーリは、前記フレーム部の前記第1方向の他方側に配置され、前記レバー回転軸は、前記フレーム部と接続され、前記レバー駆動部は、前記連結部と接続される磁性部材を前記開閉方向の他方側に移動させるソレノイドアクチュエータと、一端が前記連結部と接続され、他端が前記フレーム部と接続され、前記連結部を前記開閉方向の一方側に引っ張る、ばね部材と、を有し、前記ソレノイドアクチュエータは、電力が供給されている状態において、前記施錠部を前記施錠状態とし、電力が供給されていない状態において、前記施錠部を前記開錠状態とする構成としてもよい。
【0008】
前記レバー部材は、前記レバー基部から前記第1方向の他方側に延び、前記固定部を保持する保持部を有し、前記保持部は、前記開閉方向に貫通し、前記第2方向に延びる長孔を有し、前記固定部は、前記長孔に通され、前記第2方向において、前記保持部に対する前記固定部の位置を変えることができる構成としてもよい。
【0009】
前記ドア部が開く方向に移動すると、前記従動プーリは前記従動軸を中心とする周方向の一方側に回転し、前記施錠部は、前記フレーム部と固定される第1規制部材を有し、前記第1規制部材は、前記レバー部材の前記周方向の一方側に、前記レバー部材と対向して配置される構成としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一つの態様によれば、自動ドア装置において、施錠部の構成の簡素化することによって、施錠部の製造工数および製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態の自動ドア装置を示す正面図である。
【
図2】一実施形態の自動ドア装置を示す
図1のII-II断面図である。
【
図3】一実施形態の自動ドア装置の施錠部の施錠状態を示す
図2のIII-III断面図である。
【
図4】一実施形態の自動ドア装置の施錠部の開錠状態を示す
図2のIII-III断面図である。
【
図5】一実施形態の第1規制部材を示す側面図である。
【
図6】一実施形態の固定部と溝部とが噛み合う場合の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
【
図7】一実施形態の固定部と溝部とが噛み合わない場合の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
【
図8】一実施形態の固定部の位置調整後の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
【
図9】一実施形態の変形例の自動ドア装置の施錠部の開錠状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る自動ドア装置1について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0013】
以下の説明において、図には、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。
【0014】
X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、
図1に示す、自動ドア装置1のドア部2が開閉する開閉方向である。以下の実施形態において、+X側は、自動ドア装置1における右側であり、-X側は、自動ドア装置1における左側である。以下の説明では、自動ドア装置1における右側を単に「右側」もしくは「開閉方向の一方側」と呼び、自動ドア装置1における左側を単に「左側」もしくは「開閉方向の他方側」と呼ぶ。
【0015】
Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向の両方と直交する方向であって、自動ドア装置1の前後方向である。以下の実施形態において、+Y側は、自動ドア装置1における前側であり、-Y側は、自動ドア装置1における後側である。以下の説明では、自動ドア装置1における前側を単に「前側」と呼び、自動ドア装置1における後側を単に「後側」と呼ぶ。開閉方向および前後方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。なお、上側、下側、右側、左側、前側、および後側は、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0016】
図1は、本実施形態の自動ドア装置を示す正面図である。
図2は、本実施形態の自動ドア装置を示す
図1のII-II断面図である。
【0017】
図1は、本実施形態の自動ドア装置1を示す正面図である。なお、
図1は、両開き式のドア部2が閉じている状態を示している。本実施形態の自動ドア装置1は、建物等の内部に設けられた通路80に設けられる。通路80は、天面81と、右壁面82と、左壁面83と、床面84とに囲まれている。本実施形態の自動ドア装置1は、ドア部2が開閉方向(X軸方向)に開閉する両開き式の自動ドア装置である。自動ドア装置1は、ドア枠5と、上側レール7と、収容部9と、ドア部2と、第1固定壁3aと、第2固定壁3bと、制御部50と、ドア駆動部10と、施錠部20と、を備えている。
【0018】
ドア枠5は、前後方向(Y軸方向)に見て、略長方形状の枠体である。
図2に示すように、ドア枠5の前側(+Y側)の端部は、ドア部2よりも前側に位置している。
図1に示すように、ドア枠5は、収容部9、ドア部2、第1固定壁3a、および第2固定壁3bを保持する。ドア枠5は、右側部5a、左側部5b、上側部5c、および下側レール5dを有している。
【0019】
右側部5aは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる柱状である。右側部5aは、右壁面82に固定されている。右側部5aの下側の端部は、床面84の内部に埋め込まれている。
【0020】
左側部5bは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる柱状である。左側部5bは、左壁面83に固定されている。左側部5bの下側の端部は、床面84の内部に埋め込まれている。
【0021】
上側部5cは、開閉方向(X軸方向)に延びる柱状である。上側部5cは、天面81に固定されている。上側部5cの右側(+X側)の端部は、右側部5aの上側の端部と接続されている。上側部5cの左側(-X側)の端部は、左側部5bの上側の端部と接続されている。
【0022】
下側レール5dは、開閉方向(X軸方向)に延びるレールである。下側レール5dは、上側に開口し、開閉方向(X軸方向)に延びる溝状の凹部を有している。下側レール5dは、床面84に埋設されている。下側レール5dの右側(+X側)の端部は、右側部5aの下側の端部と接続されている。下側レール5dの左側(-X側)の端部は、左側部5bの下側の端部と接続されている。
【0023】
上側レール7は、開閉方向(X軸方向)に延びるレールである。上側レール7は、上側に開口し、開閉方向(X軸方向)に延びる溝状の凹部を有している。鉛直方向(Z軸方向)において、上側レール7は、ドア部2の上側、かつ、上側部5cの下側に配置されている。上側レール7の右側(+X側)の端部は、右側部5aと接続されている。上側レール7の左側(-X側)の端部は、左側部5bと接続されている。
【0024】
収容部9は、開閉方向(X軸方向)に延びる略直方体の箱状である。収容部9は、上側レール7の上側に配置されている。収容部9は、天面81に設けられた横梁の前面に固定されている。収容部9の内部には、制御部50と、ドア駆動部10と、施錠部20とが収容されている。
【0025】
図1に示すように、ドア部2は、開閉方向(X軸方向)に開閉する両開き式ドアである。ドア部2は、開閉方向(X軸方向)に移動可能である。ドア部2は、第1ドア2aと、1対の第1ドアハンガー2cと、第1連結部2eと、第1接続部材2fと、第2ドア2bと、1対の第2ドアハンガー2dと、第2連結部2gと、第2接続部材2hと、を有する。
【0026】
第1ドア2aおよび第2ドア2bは、略長方形状の板状である。第1ドア2aおよび第2ドア2bの板面は、前後方向(Y軸方向)を向いている。第1ドア2aが左側(-X側)に移動し、第2ドア2bが右側(+X側)に移動するとドア部2は開き、第1ドア2aが右側に移動し、第2ドア2bが左側に移動するとドア部2は閉じる。
【0027】
1対の第1ドアハンガー2cのそれぞれは、ボルトによって第1ドア2aの上側の端部に固定されている。1対の第1ドアハンガー2cのそれぞれは、上側レール7を開閉方向(X軸方向)に走行可能である。1対の第1ドアハンガー2cは、互いに開閉方向に並んで配置されている。また、第1ドア2aの下側の端部には、下側レール5dの凹部に挿入される図示しないガイド部が設けられている。これらにより、第1ドア2aは、開閉方向に沿って移動可能である。
【0028】
図1に示すように、第1連結部2eは、1対の第1ドアハンガー2cを開閉方向(X軸方向)に連結している。第1連結部2eは、開閉方向に延びる柱状である。第1連結部2eの右側(+X側)の端部は、右側に配置される第1ドアハンガー2cと繋がっている。第1連結部2e左側(-X側)の端部は、左側に配置される第1ドアハンガー2cと繋がっている。
【0029】
第1接続部材2fは、第1連結部2eから上側に突出する板状である。第1接続部材2fの板面は前後方向(Y軸方向)を向いている。第1接続部材2fの下側の端部は、第1連結部2eに固定されている。第1接続部材2fの上側の部分は、後述する駆動部材14の下側部14cと接続されている。
【0030】
1対の第2ドアハンガー2dのそれぞれは、ボルトによって第2ドア2bの上側の端部に固定されている。1対の第2ドアハンガー2dのそれぞれは、上側レール7を開閉方向(X軸方向)に走行可能である。1対の第2ドアハンガー2dは、互いに開閉方向に並んで配置されている。また、第2ドア2bの下側の端部には、下側レール5dの凹部に挿入される図示しないガイド部が設けられている。これらにより、第2ドア2bは、開閉方向に沿って移動可能である。
【0031】
図1に示すように、第2連結部2gは、1対の第2ドアハンガー2dを開閉方向(X軸方向)に連結している。第2連結部2gは、開閉方向に延びる柱状である。第2連結部2gの右側(+X側)の端部は、右側に配置される第2ドアハンガー2dと繋がっている。第2連結部2g左側(-X側)の端部は、左側に配置される第2ドアハンガー2dと繋がっている。
【0032】
第2接続部材2hは、第2連結部2gから上側に突出する板状である。第2接続部材2hの板面は前後方向(Y軸方向)を向いている。第2接続部材2hの下側の端部は、第2連結部2gに固定されている。第2接続部材2hの上側の部分は、後述する駆動部材14の上側部14dと接続されている。
【0033】
第1固定壁3aは、ドア部2が閉じている状態において、ドア枠5の内部のうち、第1ドア2aよりも左側(-X側)の部分を塞ぐ。第1固定壁3aは、略長方形状の板状である。第1固定壁3aの板面は、前後方向(Y軸方向)を向いている。第1固定壁3aの左側の端部は、左側部5bに固定されている。第1固定壁3aの上側の端部は、上側レール7に固定されている。第1固定壁3aの下側の端部は、下側レール5dに固定されている。第1固定壁3aの右側(+X側)の端部は、閉じている状態における第1ドア2aの左側の端部よりも、右側に位置している。
【0034】
第2固定壁3bは、ドア部2が閉じている状態において、ドア枠5の内部のうち、第2ドア2bよりも右側(+X側)の部分を塞ぐ。第2固定壁3bは、略長方形状の板状である。第2固定壁3bの板面は、前後方向(Y軸方向)を向いている。第2固定壁3bの右側の端部は、右側部5aに固定されている。第2固定壁3bの上側の端部は、上側レール7に固定されている。第2固定壁3bの下側の端部は、下側レール5dに固定されている。第2固定壁3bの左側(-X側)の端部は、閉じている状態における第2ドア2bの右側の端部よりも、左側に位置している。
【0035】
制御部50は、ドア駆動部10の構成各部、および、施錠部20の構成各部を制御する制御装置である。
図1に示すように、制御部50は、直方体状の箱の内部に、図示しないCPUおよびROM等を収容している。CPUおよびROM等は、コンピュータシステムとして構成されている。制御部50は、収容部9のうち、開閉方向(X軸方向)の略中央の部分に配置されている。
【0036】
ドア駆動部10は、ドア部2を開閉方向(X軸方向)に移動させる。
図1に示すように、ドア駆動部10は、収容部9の内部に収容される。
図2に示すように、ドア駆動部10は、収容部9のうち、前側(+Y側)の部分に配置されている。
図1に示すように、ドア駆動部10は、駆動ユニット11と、駆動プーリ12と、従動プーリ13と、駆動部材14とを、を有している。
【0037】
駆動ユニット11は、駆動プーリ12を回転させる。本実施形態において、駆動ユニット11は、収容部9のうち、左側(-X側)の部分に配置されている。駆動ユニット11は、図示しない駆動モータと、減速機構と、駆動プーリ12とを有している。駆動モータは、制御部50と電気的に接続され、駆動モータの動作は制御部50によって制御される。駆動モータの回転トルクは、減速機構を介して、駆動プーリ12に伝達される。なお、駆動モータの構成および減速機構の構成は、特に限定されず、いかなる公知のモータおよび減速機構を用いることができる。
【0038】
図1に示すように、駆動プーリ12は、開閉方向(X軸方向)と直交する第1方向D1に延びる駆動軸線J2を中心として回転可能である。なお、本実施形態において、駆動軸線J2は、仮想軸線である。上述のように、駆動プーリ12には、減速機構を介して、駆動モータの回転トルクが伝達される。駆動プーリ12は、駆動軸12aと、第1円環部12bとを有している。
【0039】
駆動軸12aは、駆動軸線J2を中心として第1方向D1に延びる円柱状である。本実施形態において、駆動軸12aは、前後方向(Y軸方向)に延びる。よって、本実施形態において、第1方向D1は、前後方向と平行な方向である。駆動軸12aは、図示しない軸受部材によって駆動軸線J2回りに回転可能に支持されている。
【0040】
第1円環部12bは、駆動軸線J2を中心とする円環状である。第1円環部12bの内周面は、駆動軸12aの外周面と繋がっている。第1円環部12bの外周面には、内側に窪む図示しない第2溝部が設けられている。第2溝部は、第1円環部12bの外周面に沿って等間隔をあけて複数設けられている。
【0041】
なお、各図には適宜、第1方向D1を示す。上述のように、本実施形態において、第1方向D1は、前後方向(Y軸方向)と平行な方向である。なお、第1方向D1は、前後方向と平行な方向でなくてもよい。以下の説明にでは、各図に示す、第1方向D1の矢印が向く側(+D1側)を「第1方向の一方側」または「後側」と呼び、第1方向D1の矢印が向く側と逆側(-D1側)を「第1方向の他方側」または「前側」と呼ぶ。
【0042】
また、各図には適宜、第2方向D2を示す。第2方向D2は、開閉方向(X軸方向)および第1方向D1の両方と直交する方向である。本実施形態において、第2方向D2は、鉛直方向(Z軸方向)と平行な方向である。なお、第2方向D2は、鉛直方向と平行な方向でなくてもよい。以下の説明では、各図に示す、第2方向D2の矢印が向く側(+D2側)を「第2方向の一方側」または「上側」と呼び、第2方向D2の矢印が向く側と逆側(-D2側)を「第2方向の他方側」または「下側」と呼ぶ。
【0043】
図1に示すように、従動プーリ13は、収容部9のうち、右側(+X側)の部分に配置されている。従動プーリ13は、駆動プーリ12の右側、すなわち開閉方向の一方側(+X側)に配置されている。従動プーリ13、第1方向D1と平行な従動軸線J3を中心として回転可能である。
【0044】
なお、以下の説明において、従動軸線J3に平行な方向を単に「従動軸方向」と呼び、従動軸線J3を中心とする径方向を単に「従動径方向」と呼び、従動軸線J3を中心とする周方向、つまり従動軸線J3の軸回りを単に「従動周方向」と呼ぶ。本実施形態において、従動軸方向は、第1方向D1および前後方向(Y軸方向)と平行な方向である。従動周方向は、各図において矢印θ3で示される。従動周方向のうち矢印θ3が向く側を「従動周方向の一方側」と呼ぶ。従動周方向のうち矢印θ3が向く側と逆側を「従動周方向の他方側」と呼ぶ。従動周方向の一方側は、前側(+Y側)から見て、従動軸線J3回りに時計回りに進む側である。従動周方向の他方側は、前側(+Y側)から見て、従動軸線J3回りに反時計回りに進む側である。
【0045】
図3は、本実施形態の自動ドア装置の施錠部の施錠状態を示す
図2のIII-III断面図である。
図4は、本実施形態の自動ドア装置の施錠部の開錠状態を示す
図2のIII-III断面図である。
図5は、本実施形態の第1規制部材を示す側面図である。
図6は、本実施形態の固定部と溝部とが噛み合う場合の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
【0046】
図3に示すように、従動軸13aは、従動軸線J3を中心として第1方向D1に延びる略円柱状である。従動軸13aの後側(+D1側)の端部の外周面は、後述する施錠部20のフレーム部21に固定されている。
【0047】
図6に示すように、従動プーリ13は、従動軸線J3を中心とする略円環状である。従動プーリ13の内周面は、従動軸13aの外周面と回転可能に接触している。よって、従動プーリ13は、従動軸線J3を中心として回転可能である。また、従動プーリ13は、従動軸13aを中心として回転可能である。従動プーリ13の外周面には、内側に窪む溝部13cが設けられている。本実施形態において、溝部13cは、従動プーリ13の外周面に沿って等間隔をあけて複数設けられている。
【0048】
駆動部材14は、駆動ユニット11によって駆動される環状のタイミングベルトである。
図1に示すように、駆動部材14は、開閉方向(X軸方向)に沿って設けられている。駆動部材14は、駆動プーリ12および従動プーリ13に巻き掛けられている。
図6に示すように、駆動部材14の内周面には、内側に向けて突出する突起部14aが設けられている。本実施形態において、突起部14aは、駆動部材14の内周面に沿って等間隔をあけて複数設けられている。複数の突起部14aの一部は、駆動プーリ12が有する図示しない複数の第2溝部と噛み合っている。これにより、駆動プーリ12が駆動軸線J2を中心に回転すると、駆動部材14は開閉方向(X軸方向)に駆動される。
図6に示すように、複数の突起部14aの他の一部は、従動プーリ13が有する複数の溝部13cと噛み合っている。これにより、従動プーリ13は、駆動部材14を介して、駆動プーリ12に従動して回転する。
【0049】
図1に示すように、駆動部材14のうち、駆動軸12aよりも下側(-D2側)に位置する部分である下側部14cには、第1接続部材2fが接続されている。また、駆動部材14のうち、駆動軸12aよりも前側(-D2側)に位置する上側部14dには、第2接続部材2hが接続されている。これらによって、ドア駆動部10はドア部2と接続される。よって、駆動プーリ12が矢印Aの方向に回転すると、第1ドア2aは左側(-X側)に移動し、第2ドア2bは右側(+X側)に移動し、ドア部2が開く。このとき、従動プーリ13は、従動周方向の一方側(+θ3側)に向けて回転する。つまり、ドア部2が開く方向に移動するとき、従動プーリ13は従動周方向の一方側に回転する。一方、駆動プーリ12が矢印Bの方向に回転すると、第1ドア2aは右側(+X側)に移動し、第2ドア2bは左側(-X側)に移動し、ドア部2が閉まる。このとき、従動プーリ13は、従動周方向の他方側(-θ3側)に向けて回転する。
【0050】
施錠部20は、ドア部2を施錠する。より詳細には、施錠部20は、ドア部2が閉じている状態において、従動プーリ13の回転を抑制することによって、ドア部2を施錠する。
図1に示すように、施錠部20は、収容部9のうち、右側(+X側)の部分に配置されている。
図2に示すように、施錠部20は、従動プーリ13の後側(+D1側)に配置されている。
図3に示すように、施錠部20は、フレーム部21と、レバー部材22と、レバー駆動部30と、回転止め部材27と、検知部28と、第2規制部材29と、を有している。また、
図5に示すように、施錠部20は、第1規制部材26を有している。
【0051】
図3に示すように、フレーム部21は、開閉方向(X軸方向)に延びる箱状である。
図5に示すように、フレーム部21は、下側(-D2側)に開口する。なお、フレーム部21は、下側に開口していなくてもよい。
図3に示すように、フレーム部21は、従動プーリ13の後側(+D1側)に配置されている。フレーム部21は、レバー部材22の一部と、レバー駆動部30と、回転止め部材27と、検知部28と、を内部に収容している。
図5に示すように、フレーム部21の外側面には、第1規制部材26が固定されている。また、
図3に示すように、フレーム部21の外側面には、第2規制部材29が固定されている。フレーム部21は、固定板状部21aと、箱状部21bと、を有している。
【0052】
固定板状部21aは、開閉方向(X軸方向)に延びる板状である。第1方向D1に見て、固定板状部21aは、略長方形状である。固定板状部21aの板面は、第1方向D1を向いている。固定板状部21aは、収容部9に固定されている。これにより、施錠部20は、収容部9に固定される。
【0053】
箱状部21bは、開閉方向(X軸方向)に延びる箱状である。
図5に示すように、箱状部21bは、下側(-D2側)に開口している。
図3に示すように、箱状部21bの後側(+D1側)の端部は、固定板状部21aと繋がっている。箱状部21bは、上側壁部21cと、前側壁部21dと、左側壁部21eと、右側壁部21fとを有している。
【0054】
図5に示すように、上側壁部21cは、固定板状部21aから後側(+D1側)に延びる板状である。上側壁部21cの板面は、第2方向D2を向いている。図示は省略するが、第2方向D2に見て、上側壁部21cは、略長方形状である。上側壁部21cは、箱状部21bのうち、前側(+D2側)に配置される部分である。なお、
図3および
図4において、上側壁部21cの図示は省略する。
【0055】
図5に示すように、前側壁部21dは、上側壁部21cの後側(+D1側)端部から、下側(-D2側)に向けて延びる板状である。前側壁部21dの板面は、第1方向D1を向いている。図示は省略するが、第1方向D1に見て、前側壁部21dは、略長方形状である。前側壁部21dは、箱状部21bのうち、第1方向D1の一方側に配置される部分である。前側壁部21dには、孔部21gが設けられている。
【0056】
図3に示すように、孔部21gは、前側壁部21dを第1方向D1に貫通する孔である。第1方向D1に見て、孔部21gは、長方形状である。開閉方向(X軸方向)において、孔部21gの少なくとも一部は、従動プーリ13よりも左側(-X側)に位置している。
【0057】
図3に示すように、左側壁部21eは、固定板状部21aの左側(-X側)の部分から、前側(-D1側)に突出する板状である。左側壁部21eの板面は、開閉方向(X軸方向)を向いている。開閉方向に見て、左側壁部21eは、略長方形状である。左側壁部21eは、箱状部21bのうち、左側に配置される部分である。図示は省略するが、左側壁部21eの前側(+D2側)の端部は、上側壁部21cの左側の端部と繋がっている。
【0058】
右側壁部21fは、固定板状部21aの右側(+X側)の部分から、前側(-D1側)に突出する板状である。右側壁部21fの板面は、開閉方向(X軸方向)を向いている。開閉方向に見て、右側壁部21fは、略長方形状である。右側壁部21fは、箱状部21bのうち、右側に配置される部分である。図示は省略するが、右側壁部21fの前側(+D2側)の端部は、上側壁部21cの右側の端部と繋がっている。
【0059】
図3に示すように、レバー部材22は、第1方向D1に延びる部材である。レバー部材22は、従動プーリ13の回転を抑制する。レバー部材22は、レバー駆動部30によって、後述するレバー回転軸23b回りに回転される。レバー部材22は、レバー基部23と、保持部24と、固定部25と、を有する。
【0060】
レバー基部23は、レバー部材22の後側(+D1側)の部分である。レバー基部23は、フレーム部21の内部に収容される。レバー基部23は、フレーム部21に回転自在に保持される。レバー基部23は、本体部23aと、レバー回転軸23bと、連結部23cと、突出部23fと、を有する。
【0061】
図3および
図5に示すように、本体部23aは、略直方体状である。開閉方向(X軸方向)に見て、本体部23aの前側(-D1側)の端部は、孔部21gと重なっている。本体部23aの外側面のうち2つの外側面は、第1方向D1を向いている。本体部23aの外側面のうち他の2つの外側面は、第2方向D2を向いている。また、
図3に示すように、本体部23aの外側面のうち、右側(+X側)を向く面は、第1外側面23eである。本体部23aには、第1貫通孔23kと、第2貫通孔23mと、第3貫通孔23nと、が設けられている。
【0062】
図5に示すように、第1貫通孔23kは、回転軸線J1を中心として、第2方向D2に延びる円形状の孔である。第1貫通孔23kは、本体部23aを第2方向D2に貫通する孔である。
図3に示すように、第1貫通孔23kは、本体部23aの前側(-D1側)の縁部に設けられている。
【0063】
図5に示すように、第2貫通孔23mは、本体部23aを第2方向D2に貫通する孔である。
図3に示すように、第2方向D2に見て、第2貫通孔23mは円形状である。第2貫通孔23mは、本体部23aのうち、第1貫通孔23kの後側(+D1側)に設けられている。
【0064】
図3に示すように、第3貫通孔23nは、本体部23aを開閉方向(X軸方向)に貫通する孔である。第2方向D2に見て、第3貫通孔23nは、第2貫通孔23mと重なっている。つまり、第3貫通孔23nの内部は、第2貫通孔23mの内部と繋がっている。
図5に示すように、開閉方向(X軸方向)に見て、第3貫通孔23nは、長方形状である。
【0065】
レバー回転軸23bは、回転軸線J1を中心として第2方向D2に延びる円柱状である。レバー回転軸23bは、第1貫通孔23kを、第2方向D2に通されている。レバー回転軸23bの前側(+D2側)の端部は、上側壁部21cによって、回転軸線J1回りに回転可能に支持されている。すなわち、レバー回転軸23bは、フレーム部21と接続されている。レバー回転軸23bの下側(-D2側)の端部は、レバー基部23から下側に突出している。レバー回転軸23bの下側の端部には、ナット92が固定されている。ナット92は、本体部23aと接触している。これにより、第2方向D2において、フレーム部21に対するレバー基部23の位置が決まる。レバー回転軸23bの外周面は、第1貫通孔23kの内周面と固定されている。これにより、レバー基部23は、回転軸線J1回りに回転可能である。つまり、レバー部材22は、レバー回転軸23bを中心に回転可能である。
【0066】
なお、以下の説明において、回転軸線J1に平行な方向を単に「回転軸方向」と呼び、回転軸線J1を中心とする径方向を単に「回転軸径方向」と呼び、回転軸線J1を中心とする周方向、つまりレバー回転軸23bの軸回りを単に「回転軸周方向」と呼ぶ。本実施形態において、回転軸方向は、第2方向D2および鉛直方向(Z軸方向)と平行な方向である。回転軸周方向は、各図において矢印θ1で示される。回転軸周方向のうち矢印θ1が向く側を「回転軸周方向の一方側」と呼ぶ。回転軸周方向のうち矢印θ1が向く側と逆側を「回転軸周方向の他方側」と呼ぶ。回転軸周方向の一方側は、前側(+D2側)から見て、回転軸線J1回りに反時計回りに進む側である。回転軸周方向の他方側は、前側(+D2側)から見て、回転軸線J1回りに時計回りに進む側である。
【0067】
図5に示すように、連結部23cは、第2方向D2に突出する円柱状である。連結部23cは、第2貫通孔23mを第2方向D2に通されている。連結部23cの一部は、第3貫通孔23nの内部を第2方向D2に通されている。連結部23cは、本体部23aに固定されている。
図3に示すように、連結部23cは、レバー回転軸23bよりも後側、すなわち第1方向の一方側(+D1側)に配置されている。
【0068】
突出部23fは、本体部23aの後側(+D1側)の部分から、右側(+X側)に突出する略直方体状である。突出部23fの外側面のうち、右側を向く面は、第2外側面23gである。
【0069】
図3に示すように、保持部24は、レバー基部23から前側、すなわち第1方向の他方側(-D1側)に延びている。保持部24は、固定部25を保持する。保持部24は、接続部24aと、保持本体部24bと、を有している。
【0070】
接続部24aは、レバー基部23と保持本体部24bとを接続する。接続部24aは、柱状の部材である。
図5に示すように、第2方向D2において、接続部24aの寸法は、本体部23aの寸法よりも小さい。
図3に示すように、接続部24aは、第1接続部24a1と、第2接続部24a2と、第3接続部24a3と、を有している。
【0071】
第1接続部24a1は、本体部23aから前側(-D1側)に延びる柱状である。第1接続部24a1の後側(+D1側)の端部は、本体部23aと繋がっている。第1接続部24a1の前側の端部は、従動プーリ13よりも後側に位置している。
【0072】
第2接続部24a2は、第1接続部24a1の前側(-D1側)の端部から、左側(-X側)に延びる柱状である。第2接続部24a2の左側の端部は、従動プーリ13よりも左側に位置している。
【0073】
第3接続部24a3は、第2接続部24a2の左側(-X側)の端部から、前側(-D1側)に延びる柱状である。第3接続部24a3の前側の端部は、従動プーリ13の左側に位置している。
【0074】
保持本体部24bは、固定部25を保持する。
図3に示すように、保持本体部24bは、第3接続部24a3の前側(-D1側)の端部から、前側に延びる直方体状である。保持本体部24bの2つの外側面は、開閉方向(X軸方向)を向いている。保持本体部24bは、従動プーリ13の左側(-X側)に位置している。
図3および
図5に示すように、開閉方向(X軸方向)に見て、保持本体部24bは、従動プーリ13と重なる。
図6に示すように、第2方向D2において、保持本体部24bは、駆動部材14の下側部14cと上側部14dの間に配置されている。保持本体部24bには、長孔24dが設けられている。
【0075】
図3に示すように、長孔24dは、保持本体部24bを開閉方向(X軸方向)に貫通する孔である。
図5に示すように、長孔24dは、第2方向D2に延びる孔である。
図3に示すように、長孔24dには、固定部25が開閉方向に通されている。
【0076】
固定部25は、開閉方向(X軸方向)に突出する略円柱状である。固定部25は、従動プーリ13の左側、すなわち開閉方向の他方側(-X側)配置されている。
図6に示すように、第2方向D2において、固定部25は、駆動部材14の下側部14cと上側部14dの間に配置されている。
図3に示すように、固定部25は、軸部25aと、頭部25bと、を有している。
【0077】
軸部25aは、開閉方向(X軸方向)に突出する略円柱状である。軸部25aは、長孔24dを開閉方向に通されている。軸部25aの右側(+X側)の端部は、保持本体部24bから右側に突出し、従動プーリ13と開閉方向に対向している。軸部25aの左側(-X側)の端部は、保持本体部24bから左側に突出している。軸部25aの外周面には図示しない雄ネジ部が設けられている。軸部25aの保持本体部24bよりも右側の部分には、ナット93が左側に向けて締め込まれている。また、軸部25aの保持本体部24bよりも左側の部分には、ナット94が右側に向けて締め込まれている。これらにより、固定部25は、保持部24に保持される。
【0078】
頭部25bは、軸部25aから右側(+X側)に突出する円柱状である。
図6に示すように、頭部25bの外径の寸法は、従動周方向における溝部13cの寸法よりも小さい。よって、頭部25bは、溝部13c内に挿入可能である。すなわち、レバー部材22は、溝部13c内に挿入可能な固定部25を有している。頭部25bが、溝部13c内に挿入されると、従動プーリ13の従動軸13a回りの回転が抑制される。これにより、施錠部20は、従動プーリ13を含むドア駆動部10を介して、ドア部2の開閉方向(X軸方向)への移動を抑制できる施錠状態となる。つまり、施錠部20は、ドア部2を施錠できる。また、頭部25bが、溝部13cから離間されると、従動プーリ13は従動軸13a回りに回転可能となる。これにより、施錠部20は、従動プーリ13を含むドア駆動部10によって、ドア部2の開閉方向(X軸方向)への移動を可能とする開錠状態となる。つまり、施錠部20は、ドア部2を開錠できる。
【0079】
図7は、本実施形態の固定部と溝部とが噛み合わない場合の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
図8は、本実施形態の固定部位置調整後の施錠部と従動プーリの一部を示す正面図である。
【0080】
本実施形態では、上述のように、固定部25は、保持本体部24bの長孔24dを開閉方向(X軸方向)に通される。また、上述のように、長孔24dは、第2方向D2に向けて延びる孔である。そのため、第2方向D2において、保持部24に対する固定部25の位置を変えることができる。よって、第2方向D2において、従動プーリ13に対する固定部25の位置を変えることができる。ここで、ドア部2が閉じた際の従動プーリ13の溝部13cの従動周方向の位置は、駆動ユニット11、駆動プーリ12、従動プーリ13の取り付け位置のばらつき等によって、自動ドア装置1毎にばらつく。よって、溝部13cの従動周方向の位置によっては、
図7に示すように、固定部25の頭部25bが、従動プーリ13の溝部13c同士の間の凸部と接触し、頭部25bを溝部13c内に挿入できない場合がある。しかしながら、本実施形態によれば、
図8に示すように、頭部25bが従動プーリ13の溝部13c内に挿入できる位置に、第2方向D2における固定部25の位置を調整できる。したがって、自動ドア装置1毎に溝部13cの従動周方向の位置が異なっても、施錠部20によって、ドア部2を施錠できる。
【0081】
また、本実施形態では、保持部24に長孔24dを設ける簡易な構成によって、第2方向D2において、保持部24が固定部25を保持する位置を調整できる。そのため、施錠部20の製造工数および製造コストが増大することを抑制できる。したがって、自動ドア装置1の製造工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0082】
レバー駆動部30は、レバー回転軸23bを中心にレバー部材22を回転させて、施錠部20を施錠状態と開錠状態との間で切り替える。
図3に示すように、レバー駆動部30は、フレーム部21の内部に収容される。レバー駆動部30は、磁性部材31と、ソレノイドアクチュエータ32と、ばね部材33と、を有している。
【0083】
磁性部材31は、開閉方向(X軸方向)に延びる柱状である。磁性部材31の左側(-X側)の部分は、ソレノイドアクチュエータ32の内部に挿入されている。また、磁性部材31の右側(+X側)の部分は、レバー基部23の第3貫通孔23nの内部に挿入されている。磁性部材31は、開閉方向(X軸方向)に移動可能である。磁性部材31は、磁性材料によって構成されている。磁性部材31は、第1軸部31aと、フランジ部31bと、第2軸部31cと、を有している。
【0084】
第1軸部31aは、開閉方向(X軸方向)に延びる円柱状である。第1軸部31aの少なくとも一部は、ソレノイドアクチュエータ32の後述する穴部32aの内部に配置されている。フランジ部31bは、円板状である。フランジ部31bの板面は、開閉方向(X軸方向)を向いている。フランジ部31bは、第1軸部31aの右側(+X軸)の端部と繋がっている。フランジ部31bの外径の寸法は、ソレノイドアクチュエータ32の後述する穴部32aの内径の寸法よりも大きい。
【0085】
図3に示すように、第2軸部31cは、フランジ部31bから右側(+X側)に突出する四角柱状である。第2軸部31cの右側の部分は、第3貫通孔23nの内部に挿入されている。第2軸部31cには、第4貫通孔31dが設けられている。
図5に示すように、第4貫通孔31dは、第2軸部31cを第2方向D2に貫通する孔である。第4貫通孔31dの内部には、連結部23cが第2方向D2に通されている。
図3に示すように、開閉方向(X軸方向)において、第4貫通孔31dの内周面と、連結部23cの外周面とは接触している。すなわち、磁性部材31は、連結部23cと接続されている。
【0086】
ソレノイドアクチュエータ32は、レバー基部23の左側(-X側)に配置されている。ソレノイドアクチュエータ32は、開閉方向(X軸方向)に延びる直方体状である。本実施形態において、ソレノイドアクチュエータ32は、電磁ソレノイドである。ソレノイドアクチュエータ32は制御部50と電気的に接続されている。ソレノイドアクチュエータ32には、穴部32aが設けられている。穴部32aは、ソレノイドアクチュエータ32の右側(+X側)を向く面から、左側(-X側)に向けて窪む穴である。図示は省略するが、開閉方向に見て、穴部32aは円形状である。上述のように、穴部32aの内部には、磁性部材31の第1軸部31aが挿入されている。
【0087】
制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給されると、ソレノイドアクチュエータ32の内部に磁場が発生し、磁性部材31には左側(-X側)に向く磁気力が加わる。また、上述のように、磁性部材31は、連結部23cと接続されている。そのため、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給されると、磁性部材31を介して、連結部23cは左側に引っ張られる。なお、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ32への電力の供給が停止されると、磁性部材31に磁気力は加わらない。
【0088】
ばね部材33は、連結部23cに右側(+X側)に向く力を加える。本実施形態において、ばね部材33は、コイルばねである。
図3に示すように、ばね部材33の一端は、第3貫通孔23nの内部において、連結部23cと接続されている。ばね部材33の他端は、ボルト97に固定されている。ボルト97は、第1方向D1に延びている。ボルト97の後側(+D1側)の端部は、ナット98によって、固定板状部21aに固定されている。これにより、ばね部材33は、連結部23cを右側、すなわち開閉方向の一方側(+X側)に引っ張る。なお、本実施形態において、ばね部材33が連結部23cを右側に引っ張る力は、ソレノイドアクチュエータ32が、連結部23cを左側に引っ張る力よりも小さい。
【0089】
そのため、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給されると、
図3に示すように、連結部23cを含むレバー基部23は、フランジ部31bが、ソレノイドアクチュエータ32の右側(+X側)を向く面と接触するまで、左側(-X側)に移動する。これにより、レバー部材22は、レバー回転軸23bを中心として、回転軸周方向の一方側(+θ1)側に向けて回転する。このとき、固定部25は、右側(+X側)、すなわち、従動プーリ13に向けて移動する。よって、
図6に示すように、固定部25の頭部25bは、従動プーリ13の溝部13c内に挿入される。これにより、施錠部20は施錠状態となる。つまり、ソレノイドアクチュエータ32は、電力が供給されている状態において、施錠部20を施錠状態とする。
【0090】
また、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ32への電力の供給が停止されると、
図4に示すように、連結部23cを含むレバー基部23は、右側(+X側)に移動する。これにより、レバー部材22は、レバー回転軸23bを中心として、回転軸周方向の他方側(-θ1)側に向けて回転する。このとき、固定部25は、左側(-X側)、すなわち、従動プーリ13から離れる向きに移動する。よって、固定部25の頭部25bは、従動プーリ13の溝部13cから離間する。これにより、施錠部20は開錠状態となる。つまり、ソレノイドアクチュエータ32は、電力が供給されていない状態において、施錠部20を開錠状態とする。
【0091】
つまり、レバー駆動部30は、ソレノイドアクチュエータ32への電力の供給を切り替えることによって、レバー部材22を回転軸周方向の一方側(+θ1側)または他方側(-θ1側)に向けて回転させて、施錠部20の状態を、固定部25が溝部13c内に挿入された施錠状態と、固定部25が溝部13c内から離間した開錠状態との間で切り替え可能である。
【0092】
第1規制部材26は、レバー部材22が従動周方向に変形することを抑制する。
図5に示すように、第1規制部材26は、フレーム部21から後側(+D1側)に突出する板状である。第1規制部材26は、フレーム部21に固定されている。第1規制部材26は、第1部分26aと、第2部分26bとを有している。
【0093】
第1部分26aは、レバー部材22の前側(+D2側)に配置される。開閉方向(X軸方向)に見て、第1部分26aは、L字状の板状である。第1部分26aは、上板部26a1と、側板部26a2と、を有している。上板部26a1は、第1方向D1に延びる板状である。上板部26a1の板面は、第2方向D2を向いている。上板部26a1は、上側壁部21cの前側を向く面にボルト95によって固定されている。
【0094】
図5に示すように、側板部26a2は、上板部26a1の後側(+D1側)の端部から下側(-D2側)に向けて突出する板状である。側板部26a2の板面は、第1方向D1を向いている。側板部26a2は、接続部24aの前側(+D2側)に設けられている。側板部26a2の下側の端部には、下側を向く第1対向面26cが設けられている。第1対向面26cは、接続部24aと対向している。
図6に示すように、側板部26a2は、レバー部材22の従動周方向の一方側(+θ3側)に、レバー部材22と対向して配置されている。つまり、第1規制部材26は、レバー部材22と対向して配置されている。
【0095】
図5に示すように、第2部分26bは、第2方向D2に延びる板状である。第2部分26bの板面は、第1方向D1を向いている。第2部分26bは、レバー部材22の接続部24aの下側(-D2側)に配置されている。第2部分26bは、前側壁部21dの後側(+D1側)を向く面と、接続部材21hを介して、ボルト96によって固定されている。第2部分26bの前側(+D2側)の端部には、前側を向く第2対向面26dが設けられている。第2対向面26dは、接続部24aと対向している。
図6に示すように、第2部分26bは、レバー部材22の従動周方向の他方側(-θ3側)に、レバー部材22と対向して配置されている。つまり、第1規制部材26は、レバー部材22と対向して配置されている。
【0096】
施錠部20が施錠状態のときに、ドア部2が開く方向に向けてドア部2に外力が加えられると、
図6に示すように、従動プーリ13には、駆動部材14を介して、従動軸周方向の一方側(+θ3側)に向く力F2が加わる。このとき、溝部13cに挿入される固定部25を介して、保持部24には従動軸周方向の一方側を向く外力F1が加わる。しかしながら、本実施形態によれば、上述のように、第1規制部材26の側板部26a2が、接続部24aの従動周方向の一方側に接続部24aと対向して配置されているため、接続部24aが従動周方向の一方側に変形することを抑制できる。そのため、固定部25と溝部13cとの噛み合いが外れることを抑制できる。したがって、ドア部2が開く方向に向けてドア部2に外力が加えられる場合においても、施錠部20は施錠状態を維持できるしたがって、施錠部20は、安定してドア部2を施錠できる。
【0097】
回転止め部材27は、レバー部材22の回転軸周方向の他方側(-θ1側)への回転を規制する。
図4に示すように、回転止め部材27は、フレーム部21の内部に収容される。回転止め部材27は、第2方向D2に延びる円柱状である。図示は省略するが、回転止め部材27は、フレーム部21の上側壁部21cに固定される。回転止め部材27は、レバー基部23の右側(+X側)に配置されている。回転止め部材27は、第1外側面23eと対向している。
【0098】
上述のように、ソレノイドアクチュエータ32への電力の供給が停止されると、レバー部材22は、レバー回転軸23bを中心として、回転軸周方向の他方側(-θ1側)に向けて回転する。このとき、第1外側面23eが、回転止め部材27と接触すると、レバー部材22の回転は停止する。そのため、本実施形態では、施錠部20が開錠状態における、磁性部材31の開閉方向(X軸方向)における位置が決まる。よって、次にソレノイドアクチュエータ32に電力を供給する際に、安定して磁性部材31を左側(-X側)に移動させることができる。そのため、安定して施錠部20の状態を施錠状態にできるため、安定してドア部2を施錠できる。なお、回転止め部材27の形状は、本実施形態に限定されず、第2方向D2に延びる四角柱状などの角柱状であってもよい。また、回転止め部材27は、設けられなくてもよい。
【0099】
検知部28は、施錠部20の状態を検知する。
図3に示すように、検知部28は、フレーム部21の内部に収容される。図示は省略するが、検知部28は、フレーム部21の上側壁部21cに固定される。検知部28は、突出部23fの右側(+X側)に配置されている。検知部28は、制御部50と電気的に接続されている。検知部28は、突出部23fとの接触の有無を検知可能である。
図3に示すように、施錠部20の状態が施錠状態の場合、突出部23fは検知部28と離間している。
図4に示すように、施錠部20の状態が開錠状態の場合、突出部23fは検知部28と接触する。これらにより、検知部28は、施錠部20の状態が、施錠状態と開錠状態との何れの状態であるかを検知できる。
【0100】
よって、本実施形態では、制御部50がソレノイドアクチュエータ32に電力を供給して、施錠部20が施錠状態になると、検知部28は施錠完了信号を制御部50に出力できる。よって、制御部50は、速やかに施錠動作を終了させることができる。また、制御部50がソレノイドアクチュエータ32への電力の供給を停止して、施錠部20が開錠状態になると、検知部28は、開錠完了信号を制御部50に出力できる。よって、制御部50は、速やかに開錠動作を終了させることができる。なお、検知部28は、設けられなくてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、制御部50がソレノイドアクチュエータ32に電力を供給して、レバー部材22を回転軸周方向の一方側(+θ1側)に回転させても、
図7に示すように、固定部25の頭部25bが、従動プーリ13の溝部13c同士の間の凸部と接触し、溝部13cに挿入できない場合は、突出部23fと検知部28とが接触するため、検知部28は、施錠未完了の信号を制御部50に出力できる。よって、制御部50は、ネットワーク回線等を介して、自動ドア装置1の保守点検を行う者等に、ドア部2の施錠が完了しない旨を通知できる。そのため、保守点検を行う者は、上述のように、固定部25が従動プーリ13の溝部13c内に挿入できる位置に、第2方向D2における、固定部25の位置を速やかに調整できる。
【0102】
第2規制部材29は、従動プーリ13の溝部13cと、駆動部材14の突起部14aとの歯飛びを抑制する。
図3に示すように、第2規制部材29は、フレーム部21から前側(-D1側)に延び、駆動部材14と開閉方向(X軸方向)に対向する。第2規制部材29は、基部29aと、延伸部29bと、規制部29cと、を有している。
【0103】
基部29aは、略直方体状である。基部29aは、フレーム部21の右側(+X側)に配置されている。基部29aは、図示しないボルトによって、フレーム部21に固定されている。延伸部29bは、基部29aから、前側(-D1側)に延びる柱状である。延伸部29bの前側の部分は、従動プーリ13の右側(+X側)に位置している。
【0104】
規制部29cは、従動プーリ13の右側(+X側)の配置されている。規制部29cは、駆動部材14と開閉方向(X軸方向)に対向している。規制部29cは、規制本体部29dと、規制軸部29eと、対向部29fと、を有している。規制本体部29dは、開閉方向(X軸方向)に突出する円筒状である。規制本体部29dは、延伸部29bの前側(-D1側)の端部と繋がっている。規制本体部29dは、従動プーリ13の右側(+X側)に位置している。
図3および
図6に示すように、開閉方向(X軸方向)に見て、規制本体部29dは、従動プーリ13と重なっている。
【0105】
図3に示すように、規制軸部29eは、開閉方向(X軸方向)に延びる略円柱状である。規制軸部29eは、規制本体部29dの内部を開閉方向(X軸方向)に通されている。規制軸部29eは、規制本体部29dに固定されている。規制軸部29eの左側(-X側)の端部は、規制本体部29dから従動プーリ13に向けて突出している。
【0106】
対向部29fは、規制軸部29eから左側(-X側)に突出する円環状である。
図6に示すように、対向部29fは、駆動部材14を挟んで、従動プーリ13と対向している。対向部29fは、駆動部材14と間隔をあけて対向している。対向部29fと駆動部材14との間隔は、従動プーリ13の溝部13cの深さ、および駆動部材14の突起部14aの高さよりも小さい。そのため、本実施形態では、ドア駆動部10が駆動される際に、突起部14aが、溝部13cから外れることを抑制できる。つまり、突起部14aと溝部13cと間の歯飛びを抑制できる。そのため、ドア駆動部10によって、ドア部2を移動させる際に、従動プーリ13と駆動部材14との位相がずれることを抑制できる。そのため、ドア部2が閉じている状態において、溝部13cと固定部25との第2方向D2における相対的な位置がずれることを抑制できる。したがって、施錠部20は、安定的にドア部2を施錠できる。
【0107】
また、施錠部20が施錠状態のときに、ドア部2が開く方向に向けてドア部2に外力が加えられると、
図6に示すように、従動プーリ13は固定部25によって回転が抑制されるのに対して、駆動部材14には、駆動プーリ12を介して、従動軸方向の一方側(+θ3側)を向く力F2が加えられる。これにより、駆動部材14が従動径方向の外側に変形して、突起部14aが溝部13cから外れる虞がある。しかしながら、本実施形態では、対向部29fと駆動部材14との間隔が、溝部13cの深さおよび突起部14aの高さよりも小さいため、突起部14aが溝部13cから外れることを抑制できる。つまり、突起部14aと溝部13cとの歯飛びが発生することを抑制できる。したがって、ドア部2が開く方向に向けてドア部2に外力が加えられる場合においても、施錠部20は施錠状態を維持できるしたがって、施錠部20は、安定してドア部2を施錠できる。
【0108】
本実施形態によれば、開閉方向(X軸方向)に移動可能なドア部2と、ドア部2と接続され、ドア部2を開閉方向に移動させるドア駆動部10と、ドア部2を施錠する施錠部20と、を備え、ドア駆動部10は、開閉方向と直交する第1方向D1に延びる駆動軸線J2を中心として回転可能な駆動プーリ12と、第1方向D1に延びる従動軸13aを有し、従動軸13aを中心として回転可能な従動プーリ13と、駆動プーリ12および従動プーリ13に巻き掛けられる、環状の駆動部材14と、を有する。従動プーリ13は、駆動プーリ12の右側、すなわち開閉方向の一方側(+X側)に配置され、且つ、駆動部材14を介して駆動プーリ12に従動して回転する。施錠部20は、開閉方向および第1方向D1の両方と直交する第2方向D2に延びるレバー回転軸23bを有し、レバー回転軸23bを中心に回転可能なレバー部材22と、レバー回転軸23bを中心にレバー部材22を回転させるレバー駆動部30と、を有する。従動プーリ13の外周面には、内側に窪む溝部13cが、従動プーリ13の外周面に沿って複数個設けられ、レバー部材22は、従動プーリ13の左側、すなわち開閉方向の他方側(-X側)に配置され溝部13c内に挿入可能な固定部25を有し、レバー駆動部30は、レバー回転軸23bを中心にレバー部材22を回転させ、施錠部20の状態を、固定部25が溝部13c内に挿入された施錠状態と、固定部25が溝部13c内から離間した開錠状態と、の間で切り替え可能である。よって、固定部25を有するレバー部材22を、レバー駆動部30によってレバー回転軸23b回りに回転させることによって、固定部25を従動プーリ13の溝部13c内に挿入させる簡易な構成によって、従動プーリ13が回転することを抑制できる。これにより施錠部20は、ドア部2の施錠を行うことができる。そのため、施錠部20の構成の簡素化を図ることができる。したがって、施錠部20の製造工数および製造コストを低減できる。よって、自動ドア装置1の製造工数および製造コストを低減できる。
【0109】
また、本実施形態では、レバー駆動部30によって、施錠部20を施錠状態にする場合と逆方向にレバー部材22を回転させることによって、固定部25と従動プーリ13とを離間させて、施錠部20を開錠状態にでき、ドア部2を開錠できる。よって、ドア部2を施錠する部材に追加して、ドア部2を開錠するための部材等を別途設ける必要が無い。そのため、施錠部20の構成の簡素化をより好適に図ることができる。したがって、施錠部20の製造工数および製造コストを低減できる。よって、自動ドア装置1の製造工数および製造コストを低減できる。
【0110】
本実施形態によれば、レバー部材22は、レバー回転軸23bおよびレバー回転軸23bよりも後側、すなわち第1方向の一方側(+D1側)の部分に第2方向D2に突出する連結部23cを有するレバー基部23を有し、施錠部20は、レバー基部23およびレバー駆動部30を内部に収容するフレーム部21を有し、従動プーリ13は、フレーム部21の前側、すなわち第1方向の他方側(-D1側)に配置され、レバー回転軸23bは、フレーム部21と接続され、レバー駆動部30は、連結部23cと接続される磁性部材31を左側、すなわち開閉方向の他方側(-X側)に移動させるソレノイドアクチュエータ32と、一端が連結部23cと接続され、他端がフレーム部21と接続され、連結部23cを右側、すなわち開閉方向の一方側(+X側)に引っ張る、ばね部材33と、を有する。ソレノイドアクチュエータ32は、電力が供給されている状態において、施錠部20を施錠状態とし、電力が供給されていない状態において、施錠部20を開錠状態とする。よって、レバー部材22をレバー回転軸23bに回転させるレバー駆動部30が、磁性部材31、ソレノイドアクチュエータ32、および、ばね部材33のみで構成できるため、レバー駆動部30の簡素化を図ることができる。また、ソレノイドアクチュエータ32へ電力を供給する状態と、電力を供給しない状態とを切り替える簡易な制御動作によって、施錠部20の状態を施錠状態と開錠状態との間で切り替えることができる。そのため、施錠部20の製造工数および製造コストを低減できるとともに、自動ドア装置1の製造工数および製造コストを低減できる。
【0111】
また、本実施形態では、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給される状態において、施錠部20を施錠状態とし、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給されていない状態において、施錠部20を開錠状態とする、通電施錠-停電開錠の構成である。そのため、停電および制御部50等の故障により、ソレノイドアクチュエータ32に電力が供給されない場合において、ドア部2を開錠できる。したがって、停電および制御部50等の故障が発生した場合、ドア部2に外力を加えることで、ドア部2を開くことができる。
【0112】
<変形例>
図9は、本実施形態の変形例の自動ドア装置の施錠部の開錠状態を示す断面図である。以下、上述の実施形態に採用可能な変形例の構成について説明する。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、本変形例の自動ドア装置201では、施錠部220が、通電開錠-停電施錠の構成である。
【0113】
図9に示すように、本変形例の施錠部220は、フレーム部21と、レバー部材222と、レバー駆動部230と、第1規制部材26と、回転止め部材227と、検知部228と、を有している。本変形例において、フレーム部21および第1規制部材26それぞれの構成は、上述の実施形態のフレーム部21および第1規制部材26それぞれの構成と同様である。
【0114】
図9に示すように、レバー部材222は、レバー基部223と、保持部224と、固定部25と、を有する。本変形例において、固定部25の構成は、上述の実施形態の固定部25の構成と同様である。
【0115】
レバー基部223は、フレーム部21の内部に収容される。レバー基部223は、フレーム部21に回転自在に保持される。レバー基部223は、本体部223aと、レバー回転軸23bと、連結部23cと、突出部223fと、を有する。本変形例において、レバー回転軸23bおよび連結部23cそれぞれの構成は、上述の実施形態のレバー回転軸23bおよび連結部23cそれぞれの構成と同様である。
【0116】
図9に示すように、本体部223aは、略直方体状である。本体部223aの外側面のうち、左側(-X側)を向く面は、第1外側面223eである。本体部223aには、第1貫通孔23kと、第2貫通孔23mと、第3貫通孔23nと、が設けられている。変形例において、第1貫通孔23k、第2貫通孔23m、および第3貫通孔23nそれぞれの構成は、上述の実施形態の第1貫通孔23k、第2貫通孔23m、および第3貫通孔23nそれぞれの構成と同様である。
【0117】
突出部223fは、本体部223aの後側(+D1側)の部分から、左側(-X側)に突出する略直方体状である。突出部223fの外側面のうち、左側を向く面は、第2外側面223gである。
【0118】
図9に示すように、保持部224は、レバー基部223から前側、すなわち第1方向の他方側(-D1側)に延びる。保持部224は、固定部25を保持する。保持部224は、接続部224aと、保持本体部24bとを有している。本変形例において、保持本体部24bの構成は、上述の実施形態の保持本体部24bの構成と同様である。
【0119】
接続部224aは、レバー基部223と保持本体部24bとを接続する。接続部224aは、本体部223aから前側(-D1側)に延びる柱状である。接続部224aの前側の端部は、保持本体部24bと繋がっている。
【0120】
図9に示すように、レバー駆動部230は、フレーム部21の内部に収容される。レバー駆動部230は、磁性部材231と、ソレノイドアクチュエータ232と、ばね部材233と、を有している。
【0121】
磁性部材231は、開閉方向(X軸方向)に延びる柱状である。磁性部材231の右側(+X側)の部分は、ソレノイドアクチュエータ232の内部に挿入されている。また、磁性部材231の左側(-X側)の部分は、レバー基部223の第3貫通孔23nの内部に挿入されている。磁性部材231は、第1軸部231aと、フランジ部231bと、第2軸部231cと、を有している。
【0122】
第1軸部231aは、開閉方向(X軸方向)に延びる円柱状である。第1軸部231aの少なくとも一部は、ソレノイドアクチュエータ232の後述する穴部232aの内部に配置されている。フランジ部231bは、円板状である。フランジ部231bは、第1軸部231aの左側(-X軸)の端部と繋がっている。フランジ部231bの外径の寸法は、ソレノイドアクチュエータ232の後述する穴部232aの内径の寸法よりも大きい。
【0123】
図9に示すように、第2軸部231cは、フランジ部231bから左側(-X側)に突出する四角柱状である。第2軸部231cの左側の部分は、第3貫通孔23nの内部に挿入されている。第2軸部231cには、第4貫通孔31dが設けられている。第4貫通孔31dの内部には、連結部23c第2方向D2に通されている。開閉方向(X軸方向)において、第4貫通孔31dの内周面と、連結部23cの外周面は接触している。
【0124】
ソレノイドアクチュエータ232は、レバー基部223の右側(+X側)に配置されている。ソレノイドアクチュエータ232には、穴部232aが設けられている。穴部232aは、ソレノイドアクチュエータ232の左側(-X側)を向く面から、右側に向けて窪む穴である。
【0125】
制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ232に電力が供給されると、磁性部材231には右側(+X側)に向く磁気力が加わる。よって、ソレノイドアクチュエータ232に電力が供給されると、磁性部材231を介して、連結部23cは右側に引っ張られる。なお、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ232への電力の供給が停止されると、磁性部材231に磁気力は加わらない。
【0126】
図9に示すように、ばね部材233の一端は、第3貫通孔23nの内部において、連結部23cと接続されている。ばね部材233の他端は、ボルト97に固定されている。これにより、ばね部材233は、連結部23cを左側(-X側)に引っ張る。なお、本変形例において、ばね部材233が連結部23cを左側に引っ張る力は、ソレノイドアクチュエータ232が、連結部23cを右側に引っ張る力よりも小さい。
【0127】
そのため、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ232に電力が供給されると、
図9に示すように、連結部23cは、フランジ部231bが、ソレノイドアクチュエータ32の左側(-X側)を向く面と接触するまで、右側(+X側)に移動する。これにより、レバー部材222は、レバー回転軸23bを中心として、回転軸周方向の他方側(-θ1)側に向けて回転する。このとき、固定部25は、左側(-X側)移動し、従動プーリ13と離れる向きに移動する。よって、固定部25の頭部25bは、従動プーリ13の溝部13cと離間する。これにより、施錠部220は開錠状態になる。つまり、ソレノイドアクチュエータ232は、電力が供給されている状態において、施錠部220を開錠状態とする。
【0128】
また、制御部50によって、ソレノイドアクチュエータ232への電力の供給が停止されると、連結部23cを含むレバー基部223は、左側(-X側)に移動する。これにより、レバー部材222は、レバー回転軸23bを中心として、回転軸周方向の一方側(+θ1)側に向けて回転する。このとき、固定部25は、右側(+X側)、すなわち、従動プーリ13に向けて移動する。よって、固定部25の頭部25bは、従動プーリ13の溝部13c内に挿入される。これにより、施錠部220は施錠状態になる。つまり、ソレノイドアクチュエータ232は、電力が供給されていない状態において、施錠部220を施錠状態とする。
【0129】
図9に示すように、本変形例において、回転止め部材227は、レバー基部223の左側(-X側)に配置されている。ソレノイドアクチュエータ232への電力の供給が停止されると、レバー部材222は、回転軸周方向の一方側(+θ1側)に向けて回転し、第1外側面223eが回転止め部材227と接触すると、レバー部材222の回転が停止する。そのため、施錠部220が開錠状態において、磁性部材231の開閉方向(X軸方向)における位置が決まり、次にソレノイドアクチュエータ232に電力を供給する際に、安定して磁性部材231を右側(+X側)に移動させることができる。
【0130】
図9に示すように、本変形例において、検知部228は、突出部223fの左側(-X側)に配置されている。検知部228は、突出部223fとの接触の有無を検知可能である。図示は省略するが、施錠部220の状態が施錠状態の場合、突出部223fは検知部228と接触する。
図9に示すように、施錠部220の状態が開錠状態の場合、突出部223fは検知部228と離間する。これらにより、検知部228は、施錠部220の状態が施錠状態または開錠状態の何れの状態であるかを検知できる。
【0131】
本変形例の施錠部220では、ソレノイドアクチュエータ232に電力が供給される状態において、施錠部220を開錠状態とし、ソレノイドアクチュエータ232に電力が供給されていない状態において、施錠部220を施錠状態とする、通電開錠-停電施錠の構成である。上述のように、本変形例の施錠部220では、ソレノイドアクチュエータ232をレバー基部223の右側(+X側)に配置し、ばね部材233をレバー基部223の左側(-X側)に配置することで、通電開錠-停電施錠の構成となる。よって、本発明の自動ドア装置1では、ソレノイドアクチュエータ232、および、ばね部材233の配置を変更することによって、容易に、施錠部を通電施錠-停電開錠の構成または通電開錠-停電施錠の構成に定できる。つまり、本発明の自動ドア装置1では、施錠部の構成のみを変更することにより、施錠部を通電施錠-停電開錠の構成にも、通電開錠-停電施錠の構成にもできる。
【0132】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、左側部および右側部が設けられない構成であってもよい。この場合では、第1ドア、例えば、第1固定壁に連結され、第2ドアは、例えば、第2固定壁に連結される。
【0133】
また、施錠部が安定してドア部を施錠できるならば、第1規制部材は設けられなくてもよい。例えば、レバー部材の剛性を高めることによって、ドア部を外力によって開く方向に移動させようとしても、レバー部材の変形を抑制できる場合は、第1規制部材は設けられなくてもよい。この場合、施錠部の構成のさらなる簡素化を図ることができる。
【0134】
さらに、ドア部を外力によって開く方向に移動させようとする場合において、駆動部材の突起部と従動プーリの溝部との噛み合いを維持できるならば、第2規制部材は設けられなくてもよい。この場合、施錠部の構成のさらなる簡素化を図ることができる。
【0135】
また、本発明は、通路に設けられる両開き式ドアのみに適用されるものではなく、壁に設けられる両開き式ドア等、いかなる両開き式ドアにも適用できることは言うまでもない。また、本発明が適用されるドアは、両開き式のドアに限られるものではなく、片開き式のドアにも適用できる。
【符号の説明】
【0136】
1,201…自動ドア装置、2…ドア部、10…ドア駆動部、12…駆動プーリ、13…従動プーリ、13a…従動軸、13c…溝部、14…駆動部材、20,220…施錠部、21…フレーム部、22,222…レバー部材、23,223…レバー基部、23b…レバー回転軸、23c…連結部、24…保持部、24d…長孔、25…固定部、26…第1規制部材、30,230…レバー駆動部、31,231…磁性部材、32,232…ソレノイドアクチュエータ、33,233…ばね部材、D1…第1方向、D2…第2方向、J2…駆動軸線