(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136673
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】遊技情報提供装置、遊技情報提供方法及び学習済モデル
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230922BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F5/04 682
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042472
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】石丸 香奈
(72)【発明者】
【氏名】亀野 望
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA35
2C088DA21
2C182EA03
2C182EA16
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することを課題とする。
【解決手段】遊技情報提供システムは、遊技機の稼働実績データ及び遊技機に係る機種データを用いて、アウト平均を予測するための機械学習を行う(S1)。この機械学習による訓練を行うことにより、アウト平均予測モデルを生成する(S2)。この機械学習による学習済モデルであるアウト平均予測モデルに対して、導入を検討している遊技機の機種データ及び予測出玉数をアウト平均予測モデルに入力することにより(S3)、この遊技機に対するアウト平均予測結果を出力する(S4)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を出力する遊技情報提供装置であって、
少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報に基づいて機械学習を行って前記店舗を対象とした線形回帰の学習済モデルを生成する学習済モデル生成手段と、
前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を前記学習済モデルに入力し、前記学習済モデルの予測結果を出力する予測結果出力手段と
を備えたことを特徴とする遊技情報提供装置。
【請求項2】
前記学習済モデル生成手段は、
線形回帰アルゴリズムの重回帰モデルの機械学習フレームワークを用いて前記店舗を対象とした線形回帰の学習済モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報提供装置。
【請求項3】
前記学習済モデル生成手段は、
前記遊技店に設置された複数の遊技機の複数のパーセントタイル値での出玉数、販売機種情報、機種特性を前記遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報として受け付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報提供装置。
【請求項4】
前記学習済モデル生成手段は、
前記遊技店に設置された複数の遊技機の設定値ごとの機械割、純増値、ベース、遊技媒体の単価、販売台数、販売実績、機種特性を前記遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報として受け付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報提供装置。
【請求項5】
前記学習済モデル生成手段は、
前記遊技店に設置された複数の遊技機の遊技開始後1週目から10週目までの週ごとの平均アウト数を前記店舗の実績情報として受け付けることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の遊技情報提供装置。
【請求項6】
遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を提供する遊技情報提供装置における遊技情報提供方法であって、
前記遊技情報提供装置が、少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報に基づいて機械学習を行って学習済モデルを生成する学習済モデル生成工程と、
前記遊技情報提供装置が、前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を前記学習済モデルに入力し、前記学習済モデルの予測結果を出力する予測結果出力工程と
を含むことを特徴とする遊技情報提供方法。
【請求項7】
遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を提供する遊技情報提供装置において用いる学習済モデルであって、
少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報と、線形回帰アルゴリズムの重回帰モデルの機械学習フレームワークとを用いて機械学習を行って生成され、
前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を受け付けて、導入候補の遊技機の予測結果を出力する
ことを特徴とする学習済モデル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる遊技情報提供装置、遊技情報提供方法及び学習済モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、様々な機種の遊技機を多数設置している。定期的に新機種の遊技機の導入を検討し、遊技機の入れ替えも行っている。ここで、新機種の遊技機を導入したとしても、新機種の遊技機が遊技客の関心を引くことができず、失敗に終わる場合もある。遊技機一台あたりの価格は高額であるため、新機種の導入が失敗した場合の影響は大きい。
【0003】
このため、将来的な稼働状況をできるだけ早く見極め、稼働状況が悪化する機種については早期に更新を行うために、導入後一定期間経過後の稼働予測を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、新機種の遊技機を導入することが前提となっており、導入前の遊技機の稼働予測を行うものではない。このため、新機種の遊技機を導入する場合には、遊技店の店長又はコンサルタント等の経験に頼らざるを得ない。この点を熟慮して新機種の遊技機を導入したとしても、失敗に終わることはめずらしくない。なお、新機種の遊技機を遊技的に導入する場合だけではなく、既存の機種の遊技機を新たに導入する場合にも同様の問題が生ずる。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題(問題点)を解決するためになされたものであって、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる遊技情報提供装置、遊技情報提供方法及び学習済モデルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を出力する遊技情報提供装置であって、少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報に基づいて機械学習を行って前記店舗を対象とした線形回帰の学習済モデルを生成する学習済モデル生成手段と、前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を前記学習済モデルに入力し、前記学習済モデルの予測結果を出力する予測結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記学習済モデル生成手段は、線形回帰アルゴリズムの重回帰モデルの機械学習フレームワークを用いて前記店舗を対象とした線形回帰の学習済モデルを生成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記学習済モデル生成手段は、前記遊技店に設置された複数の遊技機の複数のパーセントタイル値での出玉数、販売機種情報、機種特性を前記遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報として受け付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記学習済モデル生成手段は、前記遊技店に設置された複数の遊技機の設定値ごとの機械割、純増値、ベース、遊技媒体の単価、販売台数、販売実績、機種特性を前記遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報として受け付けることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記学習済モデル生成手段は、前記遊技店に設置された複数の遊技機の遊技開始後1週目から10週目までの週ごとの平均アウト数を前記店舗の実績情報として受け付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を提供する遊技情報提供装置における遊技情報提供方法であって、前記遊技情報提供装置が、少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報に基づいて機械学習を行って学習済モデルを生成する学習済モデル生成工程と、前記遊技情報提供装置が、前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を前記学習済モデルに入力し、前記学習済モデルの予測結果を出力する予測結果出力工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技店へ新たに導入する導入候補の遊技機の導入予測結果を含む遊技情報を提供する遊技情報提供装置において用いる学習済モデルであって、少なくとも遊技店に設置された複数の遊技機の機種情報と、遊技客により打ち込まれた所定期間における遊技媒体数の平均値を示すアウト平均を含む店舗の実績情報と、線形回帰アルゴリズムの重回帰モデルの機械学習フレームワークとを用いて機械学習を行って生成され、前記導入候補の遊技機の機種情報を含む入力情報を受け付けて、導入候補の遊技機の予測結果を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る遊技情報提供システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る遊技情報提供システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した台間カード処理機の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示した稼働データ、遊技関連カード処理履歴データ及び遊技外カード処理履歴データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図7に示した計数精算処理履歴データ、遊技履歴データ及び遊動データの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係るモデル予測で用いる特徴量の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る予測と実績に関する表示の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係るアウト平均予測モデル生成の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、変形例に係るモデル予測で用いる特徴量の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下に、本実施形態に係る遊技情報提供装置を含む遊技情報提供システム、遊技情報提供方法及び学習済モデルの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技球数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。
【0018】
<実施形態に係る遊技情報提供システムの概要>
まず、本実施形態に係る遊技情報提供システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技情報提供システムの概要を説明するための説明図である。
【0019】
遊技店には複数の遊技機が設置されており、各遊技機には各台装置である台間カード処理機が併設される。遊技情報提供システムは、かかる台間カード処理機から履歴データを収集するとともに、遊技機から稼働データを収集し、この履歴データ及び稼働データから、遊技機導入後の週毎の平均アウト数を機種別に集計した稼働実績データを生成する。
【0020】
遊技情報提供システムは、この稼働実績データ及び遊技機に係る機種データを用いて、アウト平均を予測するための機械学習を行う(S1)。この機械学習による訓練を行うことにより、アウト平均予測モデルを生成する(S2)。
【0021】
この機械学習による学習済モデルであるアウト平均予測モデルに対して、導入を検討している遊技機の機種データ及び予測出玉数をアウト平均予測モデルに入力することにより(S3)、この遊技機に対するアウト平均予測結果を出力する(S4)。
【0022】
このように、本実施形態に係る遊技情報提供システムでは、蓄積した稼働実績データ及び機種データにより訓練した学習済モデルを用いて、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる。
【0023】
<システム構成>
次に、本実施形態に係る遊技情報提供システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る遊技情報提供システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。
【0024】
台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。
【0025】
また、管理装置50は、店外のネットワークであるインターネットと接続される。インターネットには、情報管理装置80が接続される。
【0026】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0027】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技球数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0028】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0029】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0030】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0031】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0032】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0033】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0034】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
【0035】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0036】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0037】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0038】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0039】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0040】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0041】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0042】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0043】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0044】
また、管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
【0045】
また、管理装置50は、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻及び遊技機IDと関連付けて稼働データとして記憶し、該稼働データを用いて遊技機20の動作の履歴を時系列に生成し、遊技履歴データとして記憶する。
【0046】
また、管理装置50は、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を遊技関連カード処理履歴データに記憶する。
【0047】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データに記憶する。
【0048】
また、管理装置50は、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データに記憶する。
【0049】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ及び遊技関連カード処理履歴データを用い、遊技履歴データを生成して記憶する。
【0050】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ、計数精算処理履歴データ及び遊技履歴データを用い、一つの継続した遊技を示す遊動データを生成して記憶する。
【0051】
また、管理装置50は、遊動データが生成/更新されたならば、この遊動データの遊技機ID及び打込玉数を用いて、遊技機導入後の1週間毎の平均アウト数を機種毎に算出し、稼働実績データに記憶する。この際、遊技機導入後の1週目から10週目までを算出して記憶する。
【0052】
また、管理装置50は、稼働実績データを更新したならば、この稼働実績データを情報管理装置80に通知する。
【0053】
また、管理装置50は、入力部52から機種及び予測値を受け付けたならば、この機種及び予測値に自店舗の店舗IDを含めた予測依頼情報を情報管理装置80に通知する。この予測値は、1週目から10週目までの各週の予測値を含む。
【0054】
また、管理装置50は、情報管理装置80から予測結果情報を受け取ったならば、この予測結果情報及び稼働実績データを用いて、店舗予測とAI予測に関する予測と実績の差及び予測的中率を算出し、表示する。
【0055】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合には、カードIDを管理装置50に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
【0056】
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0057】
情報管理装置80は、導入機種に関するアウト平均の予測を行う装置である。情報管理装置80は、遊技機の機種に関する情報を受け付けたならば、この情報を機種データに記憶する。情報管理装置80は、管理装置50から稼働実績データを受信したならば、機種毎に店舗IDと対応付けて記憶する。
【0058】
また、情報管理装置80は、機種データ及び稼働実績データを用いて、予測対象の機種に対するアウト平均を予測するアウト平均予測モデルの訓練を行う。この訓練においては、機種毎に、導入後1週目から10週目までの各週に区分した訓練を行う。このため、機種毎の各週に区分されたアウト平均予測モデルを生成する。
【0059】
また、情報管理装置80は、管理装置50から予測依頼情報を受け取ったならば、予測依頼情報に含まれる予測値を、該当する店舗IDの店舗予測として予測データに記憶するとともに、次の処理を行う。情報管理装置80は、受け取った機種に関するデータを機種データから抽出し、抽出したパラメータを用いて出玉数に関するシミュレーションを行う。情報管理装置80は、このシミュレーション結果から、出玉数の平均値及び所定のパーセントタイル値を算出する。
【0060】
また、情報管理装置80は、算出した所定のパーセントタイル値及び機種データから抽出した他のデータをアウト平均予測モデルに入力することにより、アウト平均の予測値を出力し、この予測値を予測データに記憶するとともに、予測結果情報として管理装置50に通知する。
【0061】
次に、本実施形態に係る遊技情報提供システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0062】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が100円である場合の500円分を示す5度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0063】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0064】
次に、本実施形態に係る遊技情報提供システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0065】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0066】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0067】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0068】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0069】
次に、本実施形態に係る遊技情報提供システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0070】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0071】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0072】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0073】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0074】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0075】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0076】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0077】
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
【0078】
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13、カードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14a及び固有IDを関連付けるために遊技客の持つ携帯端末を受け付けるかざし部14bが設けられている。また、かざし部14bは、固有IDを関連付けられた携帯端末を受け付けて、固有IDを読み取る。
【0079】
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
【0080】
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0081】
<台間カード処理機10の構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10の構成を示す図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
【0082】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
【0083】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを、かざし部14bにかざされた携帯端末から固有IDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ30を介して管理装置50との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0084】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
【0085】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0086】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
【0087】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0088】
認証処理部18aは、管理装置50から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
【0089】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、管理装置50を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0090】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0091】
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20から遊技球数を取得したならば、該遊技球数を制御部17に受け渡す。
【0092】
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
【0093】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17aを有する。実際には、データ管理部17aに対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0094】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を管理装置50に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。
【0095】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を管理装置50に送信する。
【0096】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を管理装置50に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0097】
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0098】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
【0099】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0100】
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置50に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出する。
【0101】
次に、
図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの一例について説明する。
図5は、
図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
【0102】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
【0103】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「1234」であり、プリペイド価値が「3000」度数である状態を示している。
【0104】
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「1500」玉、玉2の持玉の残高が「2500」玉、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「500」玉、玉2の貯玉の残高が「0」玉、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
【0105】
<遊技機20の構成>
次に、
図2に示した遊技機20の構成について説明する。
図6は、
図2に示した遊技機20の構成を示す図である。
図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0106】
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
【0107】
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0108】
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0109】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0110】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0111】
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0112】
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0113】
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0114】
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0115】
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0116】
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技可能数管理部26aは、遊技可能数すなわち遊技球数を管理する管理部である。
【0117】
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0118】
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
【0119】
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0120】
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0121】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図7は、
図2に示した管理装置50の構成を示す図である。
図7に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0122】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して情報管理装置80及び図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0123】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i及び稼働実績データ55jを記憶する。
【0124】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ55bは、台間カード処理機ID、設置場所、遊技台番号、遊技機ID、遊技機20の機種データ等を含む。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、貯玉の情報等を関連付けたデータである。
【0125】
稼働データ55dは、遊技機20の動作の履歴を示すデータである。遊技関連カード処理履歴データ55eは、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を示すデータである。遊技外カード処理履歴データ55fは、ワゴン賞品交換などの遊技以外の履歴を示すデータである。
【0126】
計数精算処理履歴データ55gは、計数処理や精算処理などの履歴を示すデータである。遊技履歴データ55hは、遊技の履歴をデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示される。
【0127】
遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示すデータであり、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額を対応付けている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0128】
稼働実績データ55jは、遊技機導入後の機種毎の平均アウト数を示すデータであり、機種、導入後1週目から10週目までの平均アウト数を含む。
【0129】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、稼働実績管理部56h及び予測制御部56iを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、稼働実績管理部56h及び予測制御部56iにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0130】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部56aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
【0131】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0132】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。
【0133】
ここで、会員管理部56cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0134】
稼働データ蓄積集計部56dは、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻、遊技機ID及びデータ種別を対応付けて稼働データ55dに登録する。
【0135】
また、稼働データ蓄積集計部56dは、稼働データ55dに基づいてデータの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部でもある。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
【0136】
カード処理履歴管理部56eは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
【0137】
具体的には、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ55eに追加する。
【0138】
また、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ55fに追加する。
【0139】
また、カード処理履歴管理部56eは、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ55gに追加する。
【0140】
遊技履歴データ生成部56fは、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ55d及び遊技関連カード処理履歴データ55eを用い、遊技履歴データ55hを生成し、記憶部55に格納する。
【0141】
遊動データ生成部56gは、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g及び遊技履歴データ55hを用い、一つの継続した遊技を示す遊動データ55iを生成し、記憶部55に格納する。
【0142】
稼働実績管理部56hは、稼働実績データ55jを管理する処理部である。稼働実績管理部56hは、遊動データ55iが生成/更新されたならば、この遊動データ55iの遊技機ID及び打込玉数を用いて、遊技機導入後の1週間毎の平均アウト数を機種毎に算出し、稼働実績データ55jに記憶する。この際、遊技機導入後の1週目から10週目までを算出して記憶する。
【0143】
また、稼働実績管理部56hは、稼働実績データ55jを更新したならば、この稼働実績データ55jを情報管理装置80に通知する。
【0144】
予測制御部56iは、平均アウト数に関する予測依頼を情報管理装置80に通知する処理部である。予測制御部56iは、入力部52から機種及び予測値を受け付けたならば、この機種及び予測値に自店舗の店舗IDを含めた予測依頼情報を情報管理装置80に通知する。この予測値は、1週目から10週目までの各週の予測値を含む。
【0145】
また、予測制御部56iは、情報管理装置80から予測結果情報を受け取ったならば、この予測結果情報及び稼働実績データ55jを用いて、店舗予測とAI予測に関する予測と実績の差及び予測的中率を算出し、表示部51に表示する。
【0146】
次に、
図7に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。
図8~
図11は、
図7に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i及び稼働実績データ55jの一例を示す図である。
【0147】
図8(a)に示すカード管理データ55aでは、カードID「1001」にプリペイド価値「0」度数、各レートの持玉の残高「0」玉、使用先ID「A101」が対応付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
【0148】
また、カード管理データ55aでは、カードID「2001」にプリペイド価値「3000」度数、持玉として、玉1の持玉の残高「1500」玉、玉2の持玉の残高「2500」玉、玉3の持玉の残高「0」玉と対応付けられているが、使用先IDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0149】
図8(b)に示す装置管理データ55bは、ID「A101」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島1-1」、遊技台番号が「11」、接続された遊技機20のIDが「B201」、遊技種が「玉1」、遊技機20の機種が「EV01」、製造番号が「a」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0150】
また、装置管理データ55bは、ID「A201」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島2-1」、遊技台番号「21」、接続された遊技機20のIDが「B506」、遊技種が「玉3」、遊技機20の機種が「DX03」、製造番号が「g」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0151】
図8(c)に示す会員管理データ55cは、カードIDに対応付けられた、氏名、貯玉等を示している。具体的には、会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名「特許太郎」、「玉1」の貯玉の残高「1500」玉、「玉2」の貯玉の残高「200」玉、「玉3」の貯玉の残高「0」玉である状態を示している。
【0152】
図9(a)に示す稼働データ55dは、時刻「11:10:14」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「アウト」を、時刻「11:10:16」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「アウト」を、時刻「11:11:30」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「セーフ」を、時刻「13:30:00」に対して、遊技機ID「P015」、データ種別「特賞(大当り)」を関連付けている。
【0153】
図9(b)に示す遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「カード挿入」の処理が行われたことを示している。
【0154】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用いて、「カード排出」の処理が行われたことを示している。
【0155】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用いて、「入金」の処理が行われたことを示している。
【0156】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用いて、「各台計数」の処理が行われたことを示している。
【0157】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードの「一般カード使い切り」の処理が発生したことを示している。
【0158】
図9(c)に示す遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用いて、「ワゴン賞品交換」の処理が行われたことを示している。
【0159】
また、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「持玉分割」の処理が行われたことを示している。
【0160】
図10(a)に示す計数精算処理履歴データ55gは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置60、精算機70などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、管理装置50が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
【0161】
具体的には、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」、処理「賞品交換」を対応付けている。また、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「2013」、処理「賞品交換」を対応付けている。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
【0162】
また、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「16:08:08」、精算機70の装置ID「7011」、遊技機ID「P019」、カードID「1033」、処理「精算」を対応付けている。
【0163】
図10(b)に示す遊技履歴データ55hは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
【0164】
具体的には、遊技履歴データ55hには、時刻「11:10:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「カード挿入」が対応付けられ、時刻「11:11:20」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「打込玉数 100」が対応付けられ、時刻「11:12:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「賞出玉数 30」が対応付けられている。
【0165】
また、遊技履歴データ55hには、時刻「12:35:30」、遊技機ID「P023」、カードID「2005」及び処理「カード排出」が対応付けられ、時刻「13:20:20」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「入金」が対応付けられ、時刻「13:30:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「特賞(大当り)」が対応付けられている。
【0166】
図10(c)に示す遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示し、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0167】
具体的には、遊動データ55iは、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、遊技機ID「P001」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「3000」円、打込玉数(アウト)「0」玉、賞出玉数(セーフ)「6500」玉、大当り回数「10」、ワゴン賞品交換回数「0」、持玉分割回数「1」及び勝ち負け額「100000」円を対応付けている。
【0168】
また、遊動データ55iは、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」円、打込玉数(アウト)「13000」玉、賞出玉数(セーフ)「10150」玉、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「30000」円を対応付けている。
【0169】
また、遊動データ55iは、開始時間「14:30:00」、終了時間「17:00:00」、遊技機ID「P020」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「15000」円、打込玉数(アウト)「10000」玉、賞出玉数(セーフ)「8000」玉、大当り回数「5」、ワゴン賞品交換回数「1」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「-10000」円を対応付けている。
【0170】
図11に示す稼働実績データ55jは、機種「EV01」に対して、1週目の平均アウト数「8200」玉、2週目の平均アウト数「7500」玉、10週目の平均アウト数「2900」玉を対応付け、機種「DX03」に対して、1週目の平均アウト数「7000」玉、2週目の平均アウト数「6500」玉、10週目の平均アウト数「4100」玉を対応付けている。
【0171】
<情報管理装置80の構成>
次に、
図2に示した情報管理装置80の構成について説明する。
図12は、
図2に示した情報管理装置80の構成を示す図である。
図12に示すように、情報管理装置80は、表示部81及び入力部82と接続され、通信部84、記憶部85及び制御部86を有する。
【0172】
表示部81は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部82は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部84は、外部ネットワークを介して管理装置50とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0173】
記憶部85は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、機種データ85a、稼働実績データ85b及び予測データ85cを記憶する。
【0174】
機種データ85aは、遊技機の機種に関する情報を示すデータであり、機種、販売年、パラメータ及び特徴を含む。稼働実績データ85bは、遊技機導入後の機種毎の平均アウト数を示すデータであり、機種、店舗ID、導入後1週目から10週目までの平均アウト数を含む。
【0175】
予測データ85cは、導入候補である遊技機の導入後の機種毎の平均アウト予測数を示すデータであり、機種、店舗ID、予測区分、導入後1週目から10週目までの平均アウト予測数を含む。
【0176】
制御部86は、情報管理装置80の全体制御を行う制御部であり、機種データ管理部86a、稼働実績管理部86b、モデル訓練部86c、予測制御部86d及びモデル予測部86eを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、機種データ管理部86a、稼働実績管理部86b、モデル訓練部86c、予測制御部86d及びモデル予測部86eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0177】
機種データ管理部86aは、機種データ85aを管理する処理部である。機種データ管理部86aは、入力部82から遊技機の機種に関する情報を受け付けたならば、この情報を機種データ85aに記憶する。
【0178】
稼働実績管理部86bは、稼働実績データ85bを管理する処理部である。稼働実績管理部86bは、管理装置50から稼働実績データを受信したならば、機種毎に店舗IDと対応付けて、稼働実績データ85bに記憶する。
【0179】
モデル訓練部86cは、アウト平均予測モデルの訓練を行う処理部である。モデル訓練部86cは、機種データ85a、稼働実績データ85bを用いて、予測対象の機種に対するアウト平均を予測するアウト平均予測モデルの訓練を行う。この訓練においては、機種毎に、導入後1週目から10週目までの各週に区分した訓練を行う。このため、機種毎の各週に区分されたアウト平均予測モデルを生成する。
【0180】
予測制御部86dは、予測対象の機種に対するアウト平均の予測の制御及び予測データ85cの管理を行う処理部である。予測制御部86dは、管理装置50から予測依頼情報を受け取ったならば、この予測依頼情報に含まれる機種をモデル予測部86eに受け渡すとともに、予測依頼情報に含まれる予測値を、該当する店舗IDの店舗予測として予測データ85cに記憶する。
【0181】
また、予測制御部86dは、モデル予測部86eからAI予測値を受け取ったならば、このAI予測値を予測依頼情報に含まれる店舗IDのAI予測として予測データ85cに記憶するとともに、予測データ85cを予測結果情報として管理装置50に通知する。
【0182】
モデル予測部86eは、訓練されたアウト平均予測モデルを用いて、予測対象の機種に対するアウト平均の予測を行う処理部である。モデル予測部86eは、予測制御部86dから機種を受け取ったならば、次の処理を行う。
【0183】
モデル予測部86eは、受け取った機種に関するデータを機種データ85aから抽出し、抽出したパラメータを用いて出玉数に関するシミュレーションを行う。モデル予測部86eは、このシミュレーション結果から、出玉数の平均値及び所定のパーセントタイル値(例えば、10%、30%、50%、70%、90%での各パーセントタイル値)を算出する。
【0184】
また、モデル予測部86eは、算出した所定のパーセントタイル値及び機種データ85aから抽出した他のデータをアウト平均予測モデルに入力することにより、アウト平均の予測値を出力し、この予測値をAI予測値として予測制御部86dに受け渡す。この予測値は、導入後1週目から10週目までの各週での予測値を含む。
【0185】
次に、
図12に示した情報管理装置80の記憶部85が記憶するデータの一例について説明する。
図13及び
図14は、
図12に示した機種データ85a、稼働実績データ85b及び予測データ85cの一例を示す図である。
【0186】
図13(a)に示す機種データ85aは、機種「EV01」に対して、販売年「2019」年、パラメータ「ad7eb67v」、特徴として、Uシリーズ「〇」、爆発力「〇」、初当りの軽さ「×」、ミドル機「〇」、スピード感「×」を対応付け、機種「DX03」に対して、販売年「2020」年、パラメータ「4wh3v9xz」、特徴として、Uシリーズ「×」、爆発力「〇」、初当りの軽さ「〇」、ミドル機「×」、スピード感「〇」を対応付けている。
【0187】
また、機種データ85aは、機種「EV02」に対して、販売年「2021」年、パラメータ「t2hqm6bz」、特徴として、Uシリーズ「〇」、爆発力「〇」、初当りの軽さ「×」、ミドル機「〇」、スピード感「〇」を対応付けている。
【0188】
図13(b)に示す稼働実績データ85bは、機種「EV01」、店舗ID「平均」に対して、1週目の平均アウト数「8500」玉、2週目の平均アウト数「7900」玉、10週目の平均アウト数「3400」玉を対応付け、機種「EV01」、店舗ID「ABC789」に対して、1週目の平均アウト数「8200」玉、2週目の平均アウト数「7500」玉、10週目の平均アウト数「2900」玉を対応付けている。
【0189】
また、稼働実績データ85bは、機種「EV01」、店舗ID「CDE345」に対して、1週目の平均アウト数「9300」玉、2週目の平均アウト数「8400」玉、10週目の平均アウト数「3600」玉を対応付け、機種「DX03」、店舗ID「平均」に対して、1週目の平均アウト数「7100」玉、2週目の平均アウト数「6700」玉、10週目の平均アウト数「4100」玉を対応付けている。
【0190】
図14に示す予測データ85cは、機種「EV02」、店舗ID「平均」、予測区分「AI予測」に対して、1週目の平均アウト予測数「8600」玉、2週目の平均アウト予測数「8000」玉、10週目の平均アウト予測数「3600」玉を対応付け、機種「EV02」、店舗ID「平均」、予測区分「店舗予測」に対して、1週目の平均アウト予測数「8000」玉、2週目の平均アウト予測数「7100」玉、10週目の平均アウト予測数「3000」玉を対応付けている。
【0191】
また、予測データ85cは、機種「EV02」、店舗ID「ABC789」、予測区分「AI予測」に対して、1週目の平均アウト予測数「8500」玉、2週目の平均アウト予測数「7900」玉、10週目の平均アウト予測数「3500」玉を対応付け、機種「EV02」、店舗ID「ABC789」、予測区分「店舗予測」に対して、1週目の平均アウト予測数「8200」玉、2週目の平均アウト予測数「7000」玉、10週目の平均アウト予測数「2900」玉を対応付けている。
【0192】
<実施形態に係る機械学習の要領>
次に、本実施形態に係る機械学習の要領について説明する。機械学習は、教師あり学習、教師なし学習及び強化学習に区分されるが、本実施形態では教師あり学習を採用する。教師あり学習では、入力とこの入力に対する正しい出力を含む訓練データを用いて、機械学習の訓練を行う。
【0193】
機械学習には、ニアレストネイバー法、サポートベクターマシン、決定木、線形回帰など、様々なアルゴリズムが開発されているが、本実施形態では、計算式がシンプルで人間に理解しやすく、最も幅広く活用されているなどの特徴を持つ線形回帰を利用したアルゴリズムを採用する。
【0194】
線形回帰は、統計学の回帰分析の一種であり、データの分布があるときに、そのデータに一番当てはまる直線を求める手法である。線形回帰には、単回帰モデルと重回帰モデルがある。単回帰モデルは、目的変数xが1つの場合であり、計算式は次式で示される。
y=ax+b (式1)
【0195】
また、重回帰モデルは目的変数xが複数の場合であり、例えば、目的変数の数がnならば、計算式は次式で示される。
y=a1x1+a2x2+・・・+anxn+b (式2)
【0196】
本実施形態に係る機械学習では、(式2)の計算式を用いて、訓練データをy及び目的変数(x1、x2、・・・、xn)に入力して訓練を行い、(式2)の係数及び定数(a1、a2、・・・、an、b)を求めることを行う。
【0197】
<実施形態に係るモデル予測で用いる特徴量の一例>
次に、本実施形態に係るモデル予測で用いる特徴量の一例について説明する。
図15は、本実施形態に係るモデル予測で用いる特徴量の一例を示す図である。
【0198】
図15に示すように、本実施形態に係るモデル予測で用いる特徴量には、番号1から13までの13種類がある。番号1から番号6は、予測対象となる機種のパラメータを用いて、出玉数に関するシミュレーションを行った結果(以下、「出玉シミュレート」と言う)から抽出した数値である。
【0199】
具体的には、番号1は、出玉シミュレートの平均値、番号2は、出玉シミュレートの10パーセントタイル値、番号3は、出玉シミュレートの30パーセントタイル値、番号4は、出玉シミュレートの50パーセントタイル値、番号5は、出玉シミュレートの70パーセントタイル値、番号6は、出玉シミュレートの90パーセントタイル値である。
【0200】
また、番号7は、2019年に販売された機種か否か、番号8は、2020年に販売された機種か否か、番号9は、Uシリーズの機種に該当するか否か、番号10は、爆発力のある機種に該当するか否かが特徴量となる。
【0201】
また、番号11は、初当りが軽い機種に該当するか否か、番号12は、ミドル機の機種に該当するか否か、番号13は、スピード感のある機種に該当するか否かが特徴量となる。
【0202】
<実施形態に係る予測と実績に関する表示の一例>
次に、本実施形態に係る予測と実績に関する表示の一例について説明する。
図16は、本実施形態に係る予測と実績に関する表示の一例を示す図である。
【0203】
管理装置50は、情報管理装置80から予測結果情報を受け取ったならば、店舗予測とAI予測に関する予測と実績の差及び予測的中率を算出し、店舗名及び導入後の時期の区分を指定して表示する。具体的には、
図16に示すように、店舗名「パーラーABC」、時期「2週目」の「平均アウト数の予測と実績」として、機種、導入日、予測値、実績値、予測と実績の差、予測的中率を表示する。
【0204】
例えば、機種「EV02」に対して、導入日「2022/03/01」、店舗予測の予測値「7000」玉、AI予測の予測値「8300」玉、実績値「8100」玉、店舗予測の予測と実績の差「-1100」玉、AI予測の予測と実績の差「+200」玉、店舗予測の予測的中率「86%」、AI予測の予測的中率「97%」と表示される。
【0205】
また、機種「DX04」に対して、導入日「2022/03/15」、店舗予測の予測値「6000」玉、AI予測の予測値「7000」玉、実績値「7900」玉、店舗予測の予測と実績の差「-1900」玉、AI予測の予測と実績の差「-900」玉、店舗予測の予測的中率「76%」、AI予測の予測的中率「89%」と表示される。
【0206】
なお、「店舗名」の項目は、自店舗又は全店舗平均を選択可能であり、「時期」の項目は、1週目から10週目の中から選択可能である。
【0207】
<実施形態に係るアウト平均予測モデル生成の処理手順>
次に、本実施形態に係るアウト平均予測モデル生成の処理手順について説明する。
図17は、本実施形態に係るアウト平均予測モデル生成の処理手順を示すフローチャートである。
【0208】
図17に示すように、情報管理装置80は、管理装置50から稼働実績情報である稼働実績データを受信したならば(ステップS101:Yes)、受信したデータを稼働実績データ85bに記憶する(ステップS102)。
【0209】
稼働実績データ85bが訓練データとして十分でなく、訓練を行わないならば(ステップS103:No)、ステップS101に移行する。
【0210】
稼働実績データ85bが訓練データとして十分整い、訓練を行うならば(ステップS103:Yes)、稼働実績データ85bを用いて訓練を実施してアウト平均予測モデルを生成し(ステップS104)、処理を終了する。
【0211】
なお、この訓練においては、機種毎に、導入後1週目から10週目までの各週に区分した訓練を行う。このため、機種毎の各週に区分されたアウト平均予測モデルを生成する。
【0212】
上述してきたように、本実施形態に係る遊技情報提供システムでは、蓄積した稼働実績データ及び機種データにより訓練した学習済モデルを用いて、導入候補となる遊技機の導入後のアウト平均を予測するよう構成したので、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる。
【0213】
なお、上記の実施形態では、店舗で蓄積した遊技に関するデータを訓練データとしてアウト平均予測モデルを生成する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。アウト平均予測モデルの生成に必要な訓練データを店舗独自で確保できない場合には、商圏情報などを用いたクラスタリング分析により訓練データの数を増大させ、アウト平均予測モデルの生成に必要な訓練データを確保するよう構成することもできる。
【0214】
また、上記の実施形態では、線形回帰の重回帰モデル計算式をアウト平均予測モデルとして生成する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。アウト平均予測モデルの生成により重回帰モデル計算式の係数が明らかになるため、この係数によってそれぞれの特徴量のアウト平均出力に対する寄与度が分かる。この寄与度を店舗の管理装置等に表示するよう構成することもできる。
【0215】
[変形例]
ところで、上記の実施形態では、遊技玉を使用する遊技機に関する遊技情報提供システムに対して本発明を適用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではく、遊技メダルを使用するスロット機に関する遊技情報提供システムに対して適用することもできる。本変形例では、スロット機の遊技において蓄積した稼働実績データ及び機種データにより訓練した学習済モデルを用いて、スロット機の平均アウト数を出力する遊技情報提供システムについて説明する。
【0216】
本変形例に係る遊技情報提供システムでは、上記の実施形態と同様に、学習済みモデルの訓練及び訓練された学習済みモデルを用いた予測を行うが、その際に使用する特徴量が上記の実施形態と異なる。
【0217】
そこで、本変形例に係るモデル予測で用いる特徴量の一例について説明する。
図18は、本変形例に係るモデル予測で用いる特徴量の一例を示す図である。
【0218】
図18に示すように、本変形例に係るモデル予測で用いる特徴量には、番号1から10までの10種類がある。番号1及び番号2は、機械割に係る設定である。機械割とは、スロット機の機種と設定値によって期待できるメダル獲得枚数の割合を示す情報である。番号1は、設定1の機械割の有無、番号2は、設定6の機械割の有無が特徴量となる。
【0219】
また、番号3は、純増が5.0枚以上であるか否か、番号4は、ベース(通常時の出玉率)が4.0ゲーム以下か否か、番号5は、コイン単価が3.0円以上か否か、番号6は、販売台数が特徴量となる。
【0220】
また、番号7は、2019年に販売された機種か否か、番号8は、2020年に販売された機種か否か、番号9は、AT(アシスタントタイム)系の機種に該当するか否か、番号10は、注目の機種又は版権に該当するか否かが特徴量となる。
【0221】
このように、遊技メダルを使用するスロット機に関する遊技情報提供システムに対して、本発明を適用することもできる。
【0222】
なお、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明に係る遊技情報提供装置、遊技情報提供方法及び学習済モデルは、導入候補となる遊技機を遊技店に導入すべきか否かを効率的かつ適正に判定する場合に適している。
【符号の説明】
【0224】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣搬送部
12a 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
14b かざし部
15 通信部
16 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
17 制御部
17a データ管理部
18 遊技管理部
18a 認証処理部
18b 認証鍵管理部
18c 遊技機状態管理部
20 遊技機
21 ハンドル
22 計数ボタン
23 通信制御部
24 演出制御部
24a 演出図柄抽選部
24b 演出抽選部
25 遊技制御部
26 遊技玉制御部
26a 遊技可能数管理部
30 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d 稼働データ
55e 遊技関連カード処理履歴データ
55f 遊技外カード処理履歴データ
55g 計数精算処理履歴データ
55h 遊技履歴データ
55i 遊動データ
55j 稼働実績データ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d 稼働データ蓄積集計部
56e カード処理履歴管理部
56f 遊技履歴データ生成部
56g 遊動データ生成部
56h 稼働実績管理部
56i 予測制御部
60 賞品管理装置
70 精算機
80 情報管理装置
81 表示部
82 入力部
84 通信部
85 記憶部
85a 機種データ
85b 稼働実績データ
85c 予測データ
86 制御部
86a 機種データ管理部
86b 稼働実績管理部
86c モデル訓練部
86d 予測制御部
86e モデル予測部