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特開2023-136688正誤判定方法、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136688
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】正誤判定方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/02 20060101AFI20230922BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230922BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20230922BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20230922BHJP
【FI】
G09B7/02
G09B5/02
G09B19/06
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042505
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】川上 剛
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA01
2C028AA11
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】効果的に単語学習をすることが可能な正誤判定方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係る正誤判定方法は、コンピュータが、画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行する、
正誤判定方法。
【請求項2】
複数の前記他のユーザが前記画像に対して回答した複数の単語のうち、同じ単語の出現率が所定の条件を満たす単語を前記第3単語として決定し、
前記第2単語が、前記第1単語あるいは前記第3単語と同じである場合に、前記ユーザの回答を正解として判定する、
請求項1記載の正誤判定方法。
【請求項3】
複数の前記他のユーザが前記画像に対して回答した単語に関する回答ランキングデータを取得し、
前記回答ランキングデータに含まれる、複数の前記他のユーザが回答した単語毎の集計結果に基づいて生成されたランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、
請求項1または請求項2記載の正誤判定方法。
【請求項4】
前記ランキングリストに含まれる単語のうち、前記第3単語と、前記第3単語として決定されたことを示す情報とを前記表示部に並べて表示させる、
請求項3記載の正誤判定方法。
【請求項5】
前記回答ランキングデータは、前記画像に対する複数の前記他のユーザによる回答に要した時間帯別に応じた前記ランキングリストを含み、
前記表示部に前記画像を表示させてから、前記画像に対してユーザが入力した回答である前記第2単語を取得するまでの時間を計測し、
前記計測された時間に応じて選択された前記ランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、
請求項3または請求項4記載の正誤判定方法。
【請求項6】
前記回答ランキングデータは、前記画像に対する複数の前記他のユーザによって音声入力された回答の発音品質別に応じた前記ランキングリストを含み、
前記画像に対して前記ユーザが音声により前記第2単語を入力した場合、前記入力された音声に対して発音品質を判定し、
前記判定された発音品質に応じて選択された前記ランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、
請求項3または請求項4記載の正誤判定方法。
【請求項7】
コンピュータが、
画像と前記画像に関連する第1単語とを複数の情報処理装置に提供し、
複数の情報処理装置から前記画像に対する回答である第2単語を取得し、
前記複数の情報処理装置から取得した前記第2単語の集計結果に基づいて決定された第3単語を、前記画像に対する回答の正解として判定する、
正誤判定方法。
【請求項8】
複数の情報処理装置から取得した複数の第2単語のうち、同じ第2単語の出現率が所定の条件を満たす単語を前記第3単語として決定する、
請求項7記載の正誤判定方法。
【請求項9】
制御部を備え、
前記制御部は、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行する、
情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像と前記画像に関連する第1単語とを取得し、
表示部に前記画像を表示させて、前記画像に対するユーザの回答とする第2単語を取得し、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行するように機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
画像と前記画像に関連する第1単語とを複数の情報処理装置に提供し、
複数の情報処理装置から前記画像に対する回答である第2単語を取得し、
前記複数の情報処理装置から取得した前記第2単語の集計結果に基づいて決定された第3単語を前記画像に対する回答の正解として判定するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正誤判定方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、英単語を日本語訳で記憶するのではなく、ネイティブ話者のように英単語を直接的なイメージと結びつけて身に付ける、という単語学習法が考えられている。例えば、画像を表示して、その画像から連想される英単語を表示させることで、ユーザに対して画像と英単語とを直接的に関連づけて記憶させるようにした学習ツールがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-106175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像から連想される英単語は1つのみであることはあまりなく、複数の単語が連想され得る。このため、1つの画像に対して予め決められた英単語を表示させるだけでは、英単語を直接的なイメージと結びつけて身に付けるための単語学習法の効果としては限定的となっていた。
【0005】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、効果的に単語学習をすることが可能な正誤判定方法、情報処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態に係る正誤判定方法は、コンピュータが、画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定をする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、効果的に単語学習をすることが可能な正誤判定方法、情報処理装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の電子回路の構成を示す機能ブロック図。
図2】本発明の実施形態に係るサーバの電子回路の構成を示す機能ブロック図。
図3】本実施形態におけるユーザ管理データ32hに含まれるデータの一例を示す図。
図4】本実施形態における画像単語テストの概略を説明するための図。
図5】本実施形態における画像単語テストの概略を説明するための図。
図6】本実施形態における情報処理装置の画像単語テスト処理を示すフローチャート。
図7】本実施形態におけるサーバの画像単語テスト提供処理を示すフローチャート。
図8】本実施形態におけるサーバの画像単語テストデータ生成処理(1)を示すフローチャート。
図9】本実施形態におけるサーバの画像単語テストデータ生成処理(2)を示すフローチャート。
図10】本実施形態における画像単語テストの問題出題時の画面の一例を示す図。
図11】正誤判定結果用の画面の一例を示す図。
図12】正誤判定結果用の画面の一例を示す図。
図13】正誤判定結果用の画面の一例を示す図。
図14】正誤判定結果用の画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。図1は、本実施形態における情報処理装置10の電子回路の詳細な構成を示し、図2は、本実施形態におけるサーバ30の電子回路の詳細な構成を示している。
【0011】
本実施形態におけるシステムは、情報処理装置10を使用するユーザが、サーバ30が提供する画像単語テストを実施できるようにするものである。
【0012】
画像単語テストは、例えば、単語とイメージ(画像)とを直接的に結びつけて身に付けることを目的とするもので、画像を表示して、ユーザがその画像に対応(関連)する単語を連想して入力(文字入力、あるいは発音)することで回答させ、その回答に対する正誤の判定結果を提示する、という画像を利用した単語テストである。
【0013】
画像は、例えば、イラスト、写真、図形、文字、静止画像、動画像、アニメーションなどを含む。また、回答とする単語は、1単語を単位として入力しても良いし、単語を含む文章やイディオム(慣用句、成句、熟語等)を単位として入力しても良い。
【0014】
本実施形態では、情報処理装置10を例えばスマートフォンとして構成した例について示す。なお、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、ゲーム装置、電子辞書などの各種の電子機器により実現することが可能である。
【0015】
情報処理装置10は、ネットワーク8を通じて、サーバ30と接続される。また、サーバ30は、ネットワーク8を通じて、例えば、教育用コンテンツを提供する機能が設けられた教育サーバ40、辞書検索機能が搭載された通信機能を有する電子辞書50と接続される。
【0016】
ネットワーク8は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話回線網などの、有線あるいは無線による通信が可能な各種の通信経路を含む。
【0017】
図1に示すように、情報処理装置10は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
【0018】
CPU11は、情報処理装置10の全体を制御する制御部として機能する。CPU11は、メモリ12内に予め記憶されたプログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ12に読み込まれたプログラム、あるいはインターネット等のネットワーク8を通じて、プログラムを提供する外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ12に読み込まれたプログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0019】
メモリ12に記憶されたプログラムは、入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部14を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの記録媒体13との接続通信信号に応じて起動される。
【0020】
CPU11には、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、入力部16、表示部17、音声入力部(マイク)18、音声出力部(スピーカ)19などが接続される。
【0021】
メモリ12に記憶されるプログラムとしては、装置全体を制御する基本プログラム(OS:Operating System)12aの他、各種のアプリケーションプログラムを含む。アプリケーションプログラムには、情報処理装置10が提供する画像単語テストを実施するための画像単語テストプログラム12bが含まれる。画像単語テストプログラム12bによりCPU11は、後述する画像単語テスト処理を実行する(図6参照)。
【0022】
画像単語テストプログラム12bには、音声入力部18から入力された音声について音声認識処理を実行して、発声された単語(あるいは文章)を検出する音声認識プログラムが含まれる。なお、音声認識プログラムは、画像単語テストプログラム12bとは別であっても良い。この場合、画像単語テストプログラム12bは、音声認識プログラムによる処理結果を取得して画像単語テスト処理に利用する。
【0023】
メモリ12には、画像単語テストプログラム12b(画像単語テスト処理)の実行に関係する、画像単語テストデータ12c、回答データ12d、ユーザ識別データ12eなどが記憶される。
【0024】
画像単語テストデータ12cは、画像単語テストを実施するために、サーバ30から提供されるデータである。画像単語テストデータ12cには、1つの問題毎に、例えば、画像単語テストに使用される画像の画像データ12c1、複数の他のユーザによる画像に対する回答データ(単語)を回答(単語)毎に集計し、出現率や回答数等によって順位付けを行った回答ランキングを示す回答ランキングデータ12c2、及び画像に関連する予め設定された正解とする単語(第1単語)と、回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(第3単語)を示す正解データ12c3を含む。なお、出現率については後述する。
【0025】
画像データ12c1は、1枚の画像のデータであっても良いし、複数枚の画像のデータであっても良い。回答ランキングデータ12c2は、問題とする画像に対して、1つの回答ランキングのデータでも良いし、ユーザに対する複数の分類のそれぞれに対応する複数の回答ランキングのデータでも良い。正解データ12c3が示す、予め設定された正解とする単語(第1単語)は1つでも良いし複数でも良く、また回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(第3単語)についても、1つの回答ランキングに対して、1つでも良いし複数でも良い。なお、回答ランキングデータは、少なくとも第1単語と第3単語等の単語を有し、それぞれの単語の出現率または回答数に基づいて順位付けしたランキングをリスト(表)形式(ランキングリスト)で表したデータを含む。ランキングリストについては後述する。
【0026】
画像に関連する予め設定された正解とする単語は、例えば画像単語テストの作成者により設定された「メーカー指定正解」とする単語である。回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(「みんなが決めた正解」)は、例えば、画像単語テストを実施した複数の他のユーザの回答(単語)に対する出現率が、所定の条件を満たす単語である。
【0027】
回答データ12dは、画像単語テストデータ12cをもとに実施された画像単語テストにおいて、ユーザ操作(キー操作、音声入力)により入力された、各問題(画像)に対する回答内容(単語)を示すデータである。回答データ12dは、画像単語テストの実施後に、サーバ30に送信され、回答ランキングの集計及び回答ランキングの集計結果に基づく正解の決定のための画像単語テストデータ生成処理に供される。また、回答データ12dには、回答に要した時間を示す回答時間データ、音声入力した場合の音声(発音)の品質を示す音声品質データなどを付加することができる。回答時間データ及び音声品質データは、サーバ30において回答データ12dを集計する際の分類に使用される。
【0028】
ユーザ識別データ12eは、例えばサーバ30に情報処理装置10を使用するユーザ(あるいは情報処理装置10)を識別させるためのデータであり、例えば、ユーザ毎に予め設定されたユーザIDやパスワードなどを含む。
【0029】
通信部15は、インターネットやLAN(Local Area Network)などを含むネットワーク8を介した、サーバ30などの他の情報処理装置と通信する通信制御、あるいは近距離の他の情報処理装置との間で、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0030】
入力部16は、ユーザ操作等によって各種データや指示を入力するためのもので、例えばキーボードやボタン、表示部17と一体化されたタッチパネルなどを含む。タッチパネルでは、例えば表示部17に表示されたソフトウェアキーボードに対するタッチ操作により、文字などを示すデータを入力することができる。
【0031】
表示部17は、例えばタッチパネルが積層されたタッチパネル式表示部として構成される。表示部17は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。
【0032】
音声入力部18は、ユーザが発声した音声などを入力ために使用されるマイクである。
【0033】
音声出力部19は、音声、操作音、音楽などを出力するために使用されるスピーカである。
【0034】
このように構成された情報処理装置10は、CPU11が画像単語テストプログラム12b等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0035】
図2に示すように、サーバ30は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)31が備えられる。
【0036】
CPU31は、サーバ30の全体を制御する制御部として機能する。CPU31は、メモリ32内に予め記憶されたプログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体33から記録媒体読取部34を介してメモリ32に読み込まれたプログラム、あるいはインターネット等のネットワーク8を通じて、プログラムを提供する外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ32に読み込まれたプログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0037】
メモリ32に記憶されたプログラムは、入力部36からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部34を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの記録媒体33との接続通信信号に応じて起動される。
【0038】
CPU31には、メモリ32、記録媒体読取部34、通信部35、入力部36、表示部37などが接続される。
【0039】
メモリ32に記憶されるプログラムとしては、装置全体を制御する基本プログラム(OS:Operating System)32aの他、各種のアプリケーションプログラムを含む。アプリケーションプログラムには、画像単語テストを情報処理装置10に提供するための画像単語テスト管理プログラム32b、画像単語テストの問題を生成する画像単語テストデータ生成プログラム32cが含まれる。画像単語テスト管理プログラム32bによりCPU31は、後述する画像単語テスト提供処理を実行する(図7参照)。また、画像単語テストデータ生成プログラム32cによりCPU31は、後述する画像単語テストデータ生成処理(1)(2)を実行する(図8図9参照)。
【0040】
メモリ32には、画像単語テスト管理プログラム32b(画像単語テスト提供処理)及び画像単語テストデータ生成プログラム32c(画像単語テストデータ生成処理)の実行に関係する、画像単語テストデータ32d、回答データベース32e、収集単語データ32f、画像データ32g、ユーザ管理データ32hなどが記憶される。
【0041】
画像単語テストデータ32dは、情報処理装置10において画像単語テストを実施するために、サーバ30から提供されるデータである。画像単語テストデータ32dには、1つの問題毎に、例えば、画像単語テストに使用される画像の画像データ32d1、複数の他のユーザによる画像に対する回答データ(単語)を回答(単語)別に集計した回答ランキングを示す回答ランキングデータ32d2、及び画像に関連する予め設定された正解とする単語(第1単語)と、回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(第3単語)を示す正解データ32d3を含む。つまり、画像単語テストデータ32dは、画像単語テストに対する問題に関するデータである。
【0042】
画像データ32d1は、1枚の画像のデータであっても良いし、複数枚の画像のデータであっても良い。回答ランキングデータ32d2は、問題とする画像に対して、1つの回答ランキングのデータでも良いし、ユーザに対する複数の分類(後述するユーザの属性データ別の分類、ユーザデータが示すユーザレベル別の分類等)のそれぞれに対応する複数の回答ランキングのデータでも良い。正解データ32d3が示す、予め設定された正解とする単語(第1単語)は1つでも良いし複数でも良く、また回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(第3単語)についても、1つの回答ランキングに対して、1つでも良いし複数でも良い。
【0043】
回答ランキングでは、回答(単語)のそれぞれに対して代表的な訳語が付加されたランキング単語データが生成され、各順位における単語と訳語が表示される。代表的な訳語は、例えば単語(見出し語)と訳語とが、単語毎に対応づけて登録された辞書データ(図示せず)から検索して付加することができる。
【0044】
画像に関連する予め設定された正解とする単語は、例えば画像単語テストの作成者により設定された「メーカー指定正解」とする単語である。回答ランキングの集計結果に基づいて決定された正解とする単語(「みんなが決めた正解」)は、例えば、画像単語テストを実施した複数の他のユーザの回答(単語)に対する出現率が、所定の条件を満たす単語である。
【0045】
回答データベース32eは、情報処理装置10において実施された画像単語テストにおける各問題(画像データ32d1)と、ユーザ操作(キー操作、音声入力)により入力された、各問題(画像データ32d1)に対する回答内容(単語)を示す回答データが対応付けて登録されるデータベースである。回答データは、情報処理装置10において画像単語テストが実施された後に、情報処理装置10から取得され、回答データベース32eに登録される。回答データベース32eに登録された回答データは、回答ランキングの集計及び回答ランキングの集計結果に基づく正解の決定のための画像単語テストデータ生成処理に供される。
【0046】
収集単語データ32fは、画像単語テストデータ32dを生成するために、外部装置から取得された単語データである。外部装置としては、例えばネットワーク8を介して接続された、教育用コンテンツを提供する機能が設けられた教育サーバ40、辞書検索機能が搭載された通信機能を有する電子辞書50などがある。例えば、教育サーバ40に設けられたオンライン辞書検索機能40aあるいは電子辞書50において、辞書検索による検索対象とされた文字列(単語)が単語データとして収集され、画像単語テストの問題とする単語として供される。
【0047】
画像データ32gは、画像単語テストデータ32dを生成するために取得された画像データである。画像データ32gは、収集単語データ32fが示す単語に基づいて、例えば画像単語テストを作成するために予め用意された図示しないサーバ30内に記憶された、または、図示しない外部装置に記憶された画像データベースから取得したり、収集単語データ32fが示す単語をもとに、インターネットを通じてWebサイトから検索された画像群から取得したりすることができる。画像データベースには、例えば各画像に対して少なくとも1つのキーワード(単語)が対応づけられており、キーワードをもとに、キーワードに対応する画像を特定することができるものとする。そして、メモリ32に記憶されている複数の収集単語データ32fのそれぞれには、収集単語データ32fの代表的な訳語と、その訳語に対応(関連)する少なくとも1つの画像データ32gが対応付けられている。例えば、訳語がオオカミ(収録単語データ32fはwolf)である場合、オオカミの画像32gに対して、大型のイヌ属、動物、肉食等のキーワードが対応付けられている。
【0048】
ユーザ管理データ32hは、サーバ30が提供する画像単語テストを利用するユーザ(あるいは情報処理装置10)を管理するためのデータであり、例えば、ユーザ毎に予め設定されたユーザ識別データ(例えば、ユーザIDやパスワードを含む)と対応づけて、予めサーバ30の利用に際して登録されたユーザの属性データ、画像単語テストの実施に伴って更新されるユーザデータなどが記録される。
【0049】
図3は、本実施形態におけるユーザ管理データ32hに含まれるデータの一例を示す。図3に示すユーザ管理データ32hでは、ユーザの属性データとして、例えば国(エリア)、年齢(あるいは生年月日)、性別、使用言語(日本語、アメリカ英語、イギリス英語、中国語…)などのデータを含む。ユーザデータは、例えば画像単語テストの実施に伴って、ユーザの回答をもとに判定されたユーザの特性を示すデータである。ユーザデータには、例えばユーザの回答内容を解析して判定される語彙力(あるいは単語力)、例えば、回答が正解となる問題(単語)の品詞や分野の傾向、回答に用いられる単語数などを示すユーザの語彙力レベルの他、画像単語テストの実施時における回答に要した時間、画像単語テストの実施時に音声入力した場合の音声(発音)の品質などに応じたユーザレベルなどを含む。図3における回答に要した時間は、例えばユーザがこれまで行った画像単語テストでの回答に要した時間の平均時間(秒)である。
【0050】
語彙力レベルとユーザレベルは、それぞれ個別にユーザのレベルとしても良いし、少なくとも2つのユーザレベルを組合わせたユーザレベル(語彙力レベル+回答に要した時間等)としても良い。
【0051】
ユーザ管理データ32hに含まれるユーザ毎の属性データ及びユーザデータは、画像単語テスト時のユーザによる回答を集計する場合のユーザ(あるいはユーザが使用する情報処理装置10)を分類するために参照される。例えば、ユーザのレベルに近いレベルの範囲で、または、同じレベル別に回答を集計して回答ランキングを生成して、画像単語テストに対する回答の正誤判定を、例えば、ユーザのレベルに対応する回答ランキングに基づいて実施することかできる。すなわち、ユーザのレベルに近いレベルの他のユーザ、または、同じレベルの他のユーザの回答に基づいて決定された「みんなが決めた正解」をもとに正誤判定することができる。
【0052】
なお、必ずしもユーザのレベルに対応する回答ランキングに基づいて正誤判定する必要なく、例えばユーザが任意のレベルのユーザに対応する回答ランキングを指定できるようにしても良い。例えば、自分よりレベルの高いユーザに対応する回答ランキングに基づいて正誤判定されるようにすることで、レベルの高いユーザの回答内容を学習することができる。
【0053】
また、属性データ及びユーザデータに含まれる各データに対応して個別に回答ランキングを収集しても良いし、複数のデータを組み合わせたユーザ毎に回答ランキングを集計しても良い。また、複数の異なる分類のそれぞれに対応して集計した複数の回答ランキングをもとに正誤判定されるようにしても良い。
【0054】
通信部35は、インターネットやLAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)などを含むネットワーク8を介した、情報処理装置10、教育サーバ40、電子辞書50などの他の情報処理装置と通信する通信制御、あるいは近距離の他の情報処理装置との間で、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0055】
入力部36は、ユーザ操作等によって各種データや指示を入力するためのもので、例えばキーボードやボタン、表示部37と一体化されたタッチパネルなどを含む。タッチパネルでは、例えば表示部17に表示されたソフトウェアキーボードに対するタッチ操作により、文字などを示すデータを入力することができる。
【0056】
表示部37は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。
【0057】
このように構成されたサーバ30は、CPU31が画像単語テスト管理プログラム32b、画像単語テストデータ生成プログラム32c等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0058】
次に、本実施形態におけるサーバ30が提供する画像単語テストの概略について説明する。
【0059】
図4及び図5は、本実施形態における画像単語テストの概略を説明するための図である。
【0060】
画像単語テストは、サーバ30から提供される画像単語テストデータをもとに、図5(A)に示すように、情報処理装置10に画像を表示させ、ユーザ操作により画像に対応する単語を入力することで問題に対する回答とする。一般に、1つの画像から連想される単語は1つのみであることはあまりなく、複数のユーザが回答した場合に、図5(B)に示すように、複数の異なる単語が回答として入力される。図5(B)に示す例では、図5(A)に示す「オオカミ」を表す画像に対して、「wolf」(オオカミ)の回答の他、「howl」(遠吠えする)、「roar」(ほえ声、うなり声)の回答があった例を示している。サーバ30は、図5(C)に示すように、1つの画像に対して複数のユーザが回答とした単語を集計して回答ランキングとして集計する。
【0061】
サーバ30は、画像単語テストに使用した、図4(A)に示す画像の画像データ32d1と対応づけて、複数のユーザによる回答を単語毎に集計した、図4(B)に示す回答ランキング(ランキングリスト)を示す回答ランキングデータ32d2を管理している。
【0062】
図4(B)に示す回答ランキングデータ32d2では、複数のユーザによる回答を単語毎に集計した結果、「wolf」(オオカミ)、「howl」(遠吠えする)、「roar」(ほえ声、うなり声)の順番に回答数が多かったことを示している。
【0063】
本実施形態におけるサーバ30は、画像単語テストの1つの画像(問題)に対して、正解とする単語を以下(1)(2)のように決定する。
【0064】
例えば、(1)画像単語テストの作成者(メーカー)により設定された「メーカー指定正解」とする単語と、(2)回答ランキングの集計結果に基づいて所定の条件を満たすと判定された「みんなが決めた正解」とする単語を正解として決定する。「みんなが決めた正解」は、「メーカー指定正解」とする単語以外から選択されるものとする。
【0065】
所定の条件は、例えば出現率が所定の条件を満たすと判定された単語とすることができる。回答ランキングの各単語に対する出現率は、(ユーザがその単語を回答した数(集計数)/(ユーザの全回答数))である。例えば、出現率が予め決められた基準値を超える単語を正解とすることができる。ただし、ユーザの全回答数が予め設定された一定値以上となる場合を条件とすることができる。すなわち、ユーザの全回答数が少ない場合、明らかに正解とすることができない単語の回答数が僅かであっても出現率が高くなる可能性があるためである。全回答数が予め設定された一定値以上とする条件を設けることで、「みんなが決めた正解」の信頼性を高くすることができる。
【0066】
なお、正解とすることができる複数の単語について、予めサンプルとして回答ランキングに集計数を加算して、予め全回答数を一定値以上としておくことで、全回答数に対する一定値以上とする条件を不要とすることができる。
【0067】
また、「みんなが決めた正解」は、出現率が予め決められた基準値を超える単語とするだけでなく、他の条件に基づいて決定することが可能である。例えば、回答ランキングにおいて集計された複数の単語のうち、集計数の偏差(偏り)が基準値以上である単語を「みんなが決めた正解」としても良い。
【0068】
また、「メーカー指定正解」を除いて、集計数の上位から予め決められた数の単語、あるいは出現率の上位から予め決められた数の単語を「みんなが決めた正解」として決定しても良い。
【0069】
また、「みんなが決めた正解」とする単語の数について、予め上限数(例えば3個)、あるいは下限数(例えば、1個)を設定しておき、上限数あるいは下限数を越えないようにしても良い。
【0070】
また、画像単語テストを複数のユーザが実施することで、1つの画像に対する「ユーザの全回答数」が増加するのに伴って、出現率あるいは出現数に対する基準値を動的に変更するようにしても良い。例えば、「ユーザの全回答数」が増加するのに伴って、出現数に対する基準値を上げることで、「みんなが決めた正解」とする単語の数が制限されるようにしたり、複数の単語に回答が分散することで、単語毎の出現率が低くなる可能性があるため、出現率に対する基準値を下げるようにしたりすることができる。
【0071】
さらに、前述した条件では、出現率あるいは集計数の上位の単語を「みんなが決めた正解」とする単語として決定しているが、上位にない単語を「みんなが決めた正解」とする単語として決定するようにしても良い。
【0072】
例えば、画像に対して、画像と関連する少なくとも1つのキーワードを設定しておき、画像単語テストに対するユーザの回答(単語)、あるいは単語に対応する訳語がキーワードと対応する(含まれる)場合に「みんなが決めた正解」とする単語として決定することができる。この場合、出現率あるいは集計数が上位にない単語が、「みんなが決めた正解」とする単語として決定され得る。
【0073】
また、画像と関連するキーワードと対応するだけでなく、回答ランキングにおける出現率あるいは集計数が予め設定された基準値以下の場合に、「みんなが決めた正解」とする単語として設定しても良い。すなわち、画像と関連する単語であり、かつユーザが回答とすることが少ない、珍しい、希少な単語を「みんなが決めた正解」とすることができる。例えば、出現率を1%以下とする条件を設けることで、ユーザの回答として希少な単語を「みんなが決めた正解」とすることができる。
【0074】
これにより、画像単語テストの実施時に、情報処理装置10において回答ランキングを表示させる際に「みんなが決めた正解」を明示することで、画像と関連する稀な単語をユーザが知り得るので、学習効果を期待することができる(図14参照)。
【0075】
このように、本実施形態におけるシステムにおいて実施される画像単語テストでは、「メーカー指定正解」とする単語だけでなく、実際に複数のユーザが画像単語テストを実施した際に、画像に対する回答とした単語の集計内容に基づいて決定された単語を「みんなが決めた正解」として決定することができる。すなわち、画像単語テストにおける画像に関連する正解とする単語に「曖昧さ」を敢えて持たせることで、画像単語テストを実施するユーザの視野を広げることができ、効果的な単語学習を期待できる。
【0076】
次に、本実施形態におけるシステムの動作について説明する。
【0077】
図6は、本実施形態における情報処理装置10の画像単語テスト処理を示すフローチャートである。図7は、本実施形態におけるサーバ30の画像単語テスト提供処理を示すフローチャートである。図8及び図9は、本実施形態におけるサーバ30の画像単語テストデータ生成処理を示すフローチャートである。
【0078】
まず、図6及び図7に示すフローチャートを参照しながら、情報処理装置10の画像単語テスト処理とサーバ30の画像単語テスト提供処理について説明する。
【0079】
情報処理装置10を使用するユーザは、サーバ30が提供する画像単語テストを実施する場合、画像単語テストプログラム12bを起動させて、画像単語テスト処理を開始させる。
【0080】
情報処理装置10のCPU11は、画像単語テスト処理を開始し、通信部15を通じてサーバ30にアクセスする(図6、ステップA1)。ここで、CPU11は、ユーザ操作により、ユーザ識別データ(例えば、ユーザIDやパスワード)を入力させて、サーバ30に送信する。また、CPU11は、ユーザ識別データと共に、情報処理装置10において画像単語テスト処理が開始されたことを示す情報を、通信部15を介してサーバ30に送信する。
【0081】
サーバ30のCPU31は、通信部35を通じて、情報処理装置10からのアクセスがあると(図7、ステップB1)、情報処理装置10から送信されたユーザ識別データ、情報処理装置10において画像単語テスト処理が開始されたことを示す情報をもとにユーザ(あるいは情報処理装置10)を識別し、情報処理装置10において画像単語テスト処理が開始されたことを示す情報をもとに、画像単語テスト管理プログラム32bを起動する(ステップB2)。
【0082】
CPU31は、ユーザ識別データをもとに識別したユーザに応じて、ユーザ(情報処理装置10)に対して提供する画像単語テストを選択する(ステップB3)。例えば、CPU31は、情報処理装置10から受信したユーザ識別データをもとにユーザ管理データ32hを参照し、例えば、ユーザ識別データに対応するレベル(例えば、語彙力レベル)を取得し、このレベルに応じた回答ランキングデータ32d2(ランキングリスト)を選択する。また、CPU31は、ユーザ識別データをもとにユーザ管理データ32hを参照し、例えば、ユーザ識別データに対応するユーザの属性データ(国(エリア)、年齢、性別など)を取得し、この属性データに応じた回答ランキングデータ32d2(ランキングリスト)を選択することもできる。
【0083】
これにより、1つの画像(画像データ32d1)に対応する回答ランキングデータ32d2がユーザのレベルあるいは属性に応じて異なる。その為、回答ランキングデータ32d2に基づいて決定された正解データ32d3に含まれる「みんなが決めた正解」とする単語が、ユーザのレベルや属性に応じて異なる。すなわち、ユーザに応じた回答ランキングデータ32d2を画像単語テストに使用することで、同じレベルや属性を有する他のユーザの回答を集計した回答ランキングと、同回答ランキングをもとに決定された「みんなが決めた正解」とする単語を用いて画像単語テストが実施できるようになる。
【0084】
なお、前述した説明では、ユーザ識別データをもとにユーザを識別しているが、ユーザを識別せずに、サーバ30において予め決められた規則に従って、画像単語テストを実施するようにしても良い。また、ユーザのレベルに応じた画像単語テストデータを提供するだけでなく、単純にユーザが過去に実施していない画像単語テストデータを提供するようにしても良い。
【0085】
CPU31は、画像単語テストの問題である画像単語テストデータ32dを情報処理装置10に送信する(ステップB4)。なお、CPU31は例えば10問分の画像単語テストデータ32dを取得して、まとめて情報処理装置10に送信するものとする。
【0086】
一方、情報処理装置10のCPU11は、サーバ30から画像単語テストデータ32dを受信すると、メモリ12に記憶させ(画像単語テストデータ12c)、画像単語テストデータ12cをもとにした画像単語テストを開始する(図6、ステップA3)。
【0087】
まず、CPU11は、表示部17において画像単語テストデータ12cの画面を表示させる。
【0088】
図10は、本実施形態における画像単語テストの問題出題時の画面の一例を示す図である。問題出題時の画面には、画像単語テストの問題とする画像を表示する画像エリア60、回答とする単語を入力ための入力エリア61(音声入力ボタン62)、回答完了を指示するための回答ボタン64、次の問題(画像表示)への移行を指示するためのスキップボタン65が設けられている。
【0089】
CPU11は、第1問目の画像単語テストデータ12cの画像データ12c1をもとに、画像エリア60に問題とする画像を表示させる(ステップA4)。また、CPU11は、画像の表示開始と共に、回答時間の計測を開始する(ステップA5)。
【0090】
なお、スキップボタン65に対する操作が検出された場合、CPU11は、同様にして、次の問題となる画像単語テストデータ12cの画像データ12c1をもとに、画像エリア60に問題とする画像を表示させ、回答時間の計測を開始する。
【0091】
CPU11は、入力エリア61に対する、ユーザ操作による単語(回答)の入力待ち状態となる。CPU11は、入力部16あるいは音声入力部18から入力されたデータをもとに、画像に対する単語(回答)を取得する(ステップA6)。
【0092】
入力エリア61に対する単語入力のためのユーザ操作としては、(1)第1入力方法、(2)第2入力方法、(3)第3入力方法を用いることができる。例えば、(1)第1入力方法は、ソフトウェアキーボードによる文字入力、(2)第2入力方法は音声入力による文字入力、(3)第3入力方法は、ソフトウェアキーボードによる文字入力と音声入力の組合わせによる入力方法である。
【0093】
(1)第1入力方法では、例えば入力エリア61に対するタッチ操作を検出した場合、CPU11は、表示部17に単語入力が可能な文字入力用のソフトウェアキーボードを表示部17に表示させる。CPU11は、ソフトウェアキーボードに対するタッチ操作によって入力される文字(単語)を入力エリア61に表示させる。
【0094】
(2)第2入力方法では、例えば音声入力ボタン62に対するタッチ操作を検出した場合、CPU11は、音声入力部18からの音声入力状態となる。CPU11は、音声入力部18から音声(単語を読み上げる音声)が入力されると、入力された音声について音声認識プログラムに基づく音声認識処理を実行して、発声された単語を検出する。CPU11は、音声認識により検出した単語を、ユーザ操作により入力された単語として入力エリア61に表示させる。
【0095】
(3)第3入力方法では、例えば、前述した第1入力方法のようにしてソフトウェアキーボードの操作により単語を入力させた後、前述した第2入力方法のようにして音声により単語を入力させる。具体的には、例えばソフトウェアキーボードにより「w」「o」「l」「f」と入力させた後、音声によって「ウルフ」と入力させる。

具体的には、複数の単語からなる「cake shop」、「look forward to」等の場合、「cake」や「look」をソフトウェアキーボードにより入力させた後、残りの単語を音声により入力させる。
【0096】
ユーザは、画像に対する単語(回答)の入力操作を完了すると、回答ボタン64に対してタッチ操作をする。CPU11は、回答ボタン64により操作が検出されると、回答時間の計測を終了し、正解データ12c3をもとに入力エリア61に入力された単語(回答)に対する正誤判定を実行する(ステップA7)。
【0097】
CPU11は、回答として入力された単語を示す回答データ12dをメモリ12に記憶させる。また、回答時間の計測結果である回答に要した時間を示す回答時間データを回答データ12dに付加する。
【0098】
また、前述した第2入力方法により回答された場合、CPU11は、音声認識処理によって検出された単語(回答)の正誤判定に加えて、単語を発声した音声の確からしさ、すなわち正しい発音がされているかを示す指標に基づいて発音品質を判定しても良い。なお、検出された単語(回答)に対する発音の正しさを示す指標(例えば発音記号)に関するデータは、例えば教育サーバ40のオンライン辞書機能40aに登録されている単語(見出し語)に対応する発音記号の情報を示す発音記号データを、情報処理装置10の通信部35を介して取得する。そして、CPU11は音声認識処理により検出された単語(回答)の発音記号と、教育サーバ40から取得した発音記号データを比較することにより、発音品質を判定する。この判定結果としては、例えばA~Cの3段階あり、Aは評価が高く、Cは評価が低いとする。判定結果は上記に限らず、発音品質の良し悪しを判定可能なものであれば特に指定はない。
【0099】
あるいは、前述した第3入力方法により回答されている場合、CPU11は、ソフトウェアキーボードにより入力された単語(テキスト)に対応する発音記号を表すデータと、音声入力された単語の音声データが示す発音記号を表すデータとを組み合わせた複数の単語からなる語句に対応する発音記号を、教育サーバ40等から取得した当該語句に対応する発音記号と比較することにより発音品質を判定する。
【0100】
あるいは、前述した第3入力方法により回答されている場合、CPU11は、ソフトウェアキーボードにより入力された単語(テキスト)に対応する発音記号を表すデータと、音声入力された単語に対応する発音記号を表すデータとを教育サーバ40等から取得して比較することにより発音品質を判定する。
なお、発音品質を判定する方法は上記に限定されず、その他の手法を用いることができる。
【0101】
CPU11は、第2入力方法あるいは第3入力方法によって回答された場合には、前述のようにして判定された発音品質を示す発音品質データを回答データ12dに付加する。回答データ12dに付加された発音品質データ及び回答時間データは、サーバ30において、ユーザのレベルを分類するために参照されるユーザデータとして管理される。
【0102】
CPU11は、正誤判定において、画像に対する回答として入力された単語と、正解データ12c3が示す「メーカー指定正解」あるいは「みんなが決めた正解」とする単語と一致するかを判定する。CPU11は、両者が一致する場合には、回答された単語について正解と判定する。また、CPU11は、画像に対する回答として入力された単語と、「メーカー指定正解」あるいは「みんなが決めた正解」とする単語のいずれにも該当しない場合には、不正解と判定する。
【0103】
なお、前述した説明では、ユーザ識別データをもとにユーザ管理データ32hを参照し、ユーザ識別データに対応するユーザレベル(例えば、語彙力レベル)、あるいはユーザの属性(例えば、国、年齢)に応じた回答ランキングデータ32d2を選択するとしているが、画像単語テストへの回答時に判定される、回答に有した時間(回答時間帯)、あるいは発音品質に応じて回答ランキングデータ32d2(ランキングリスト)を選択することも可能である。なお、発音品質については、ステップA6において入力された回答が音声入力の場合(第2入力方法、第3入力方法)に有効となる。
ランキングリストが切り替えられた場合、CPU11は、切り替えられたことがユーザに認識できるように、表示部17に文字等を表示しても良い。例えば、図11(A)の回答ランキングエリア75の一部(例えば右上隅)に、他のユーザによる回答の時間帯別のランキングリストの種類を表す文字等(例:回答時間0秒以上~2秒未満)を表示する。当該文字列を配置する位置、文字列の内容は任意に決定することができる。
【0104】
発音品質についても同様に、回答ランキングエリア75の一部(例えば右上隅)に、発音品質の良し悪しを表す文字列等(例:発音品質レベルA)を表示する。発音品質の良し悪しを示すレベルの区分けについては、数字やアルファベット等を使用して予め定義することができる。
【0105】
CPU11は、正誤判定を終了すると、画像単語テストの正誤判定結果用の画面を表示部17に表示させる(ステップA8)。
【0106】
図11(A)は、正誤判定結果用の画面の一例を示す図である。正誤判定結果用の画面には、画像単語テストの問題とする画像を表示する画像エリア70、回答として入力された単語を表示する回答表示エリア71、正誤判定の結果(「正解」あるいは「不正解」)を示す判定結果エリア74、画像エリア70に表示された画像(問題)に対応する回答ランキングを表示するための回答ランキングエリア75、画像単語テストの中止を指示するための中止ボタン76、次の問題(画像表示)への移行を指示するための次問題ボタン78が設けられている。
【0107】
回答ランキングエリア75では、画像エリア70に表示された画像に対する回答として、他のユーザが入力した単語の集計内容として、第1位~第5位(出現率あるいは出現数の順位)の単語と訳語を表示している。また、回答ランキングエリア75に表示された単語には、「メーカー指定正解」を示す正解表示C1、「みんなが決めた正解」を示す正解表示G1,G2、「不正解」を示す不正解表示B1,B2を付加し、それぞれの単語が正解とする単語であるか、あるいは不正解であるかを明示している。
【0108】
図11(A)に示す例では、回答ランキングエリア75において、1画面に5つの単語を表示しているが、回答ランキングエリア75に図示しないスクロールバーを入力部15によるユーザ操作に応じて、回答ランキングエリア75に表示される回答ランキングの表示をスクロールさせることで、第6位以降の単語を表示させることができる。
【0109】
図11(A)に示す例では、回答として単語「wolf」が入力されている。単語「wolf」は、「メーカー指定正解」に該当するため正解と判定され、判定結果エリア74に「正解」が表示されている。
【0110】
正誤判定結果用の画面では、回答として入力した単語の正誤判定結果を確認できるだけでなく、回答ランキングに表示された複数の単語、すなわち他のユーザが画像に関連するとして回答した単語を参照することができる。従って、画像エリア70に表示された1つの画像に対して、自分が回答した単語だけでなく、他のユーザが回答した複数の単語を紐づけて覚えることができ、学習効率の向上につながる。
【0111】
また、回答ランキングでは、他のユーザが画像に対して、どのような単語を思いついたのかが分かり、ユーザの興味を引くことが可能になるため、学習意欲の向上につながる。
【0112】
さらに、画像に対する正解とする単語が1つではなく、「メーカー指定正解」と「みんなが決めた正解」(それぞれ複数の場合もあり得る)があり、正解に「曖昧さ」を持たせているため、ユーザの視野を広げることができる。従って、画像に対して予め決められた単語を正解とする単語学習と比較して、効果的、効率的に単語学習を実施することができる。
【0113】
CPU11は、次問題ボタン78に対するユーザ操作が検出された場合(ステップA10、Yes)、前述と同様にして、画像単語テストデータ12cをもとに、次の画像単語テストの次問題の処理を実行する(ステップA4~A8)。
【0114】
また、CPU11は、中止ボタン76に対するユーザ操作が検出された場合(ステップA11、Yes)、あるいは全ての問題の処理が終了した場合(ステップA9、Yes)、サーバ30から受信した画像単語テストデータ12cに対する回答データ12dをサーバ30に送信して、画像単語テスト処理を終了する(ステップA12)。
【0115】
一方、サーバ30は、情報処理装置10から回答データを受信すると(ステップB5)、回答データベース32eに登録する(ステップB6)。
【0116】
また、回答データに付加された発音品質データ及び回答時間データは、ユーザ管理データ32hに回答データの送信元とするユーザ(情報処理装置10)のユーザ識別データと対応づけて記録する。
【0117】
こうして、サーバ30は、情報処理装置10における画像単語テストの実施に伴って、画像単語テストの問題として提供した画像に対して回答として入力された単語を収集することができる。この収集された単語は、後述する画像単語テストデータ生成処理において用いられる。
【0118】
ここで、他の画像単語テスト(画像)に対応する正誤判定結果の画面の一例について説明する。
【0119】
図11(B)は、画像エリア70に表示された画像に対して、ユーザにより単語「neigh」が入力された例を示している。単語「neigh」は、回答ランキングの第1位の「メーカー指定正解」に該当する単語「horse」とは一致しないが、第2位の「みんなが決めた正解」に該当する単語と一致するため正解と判定されている。
【0120】
図12(A)は、画像エリア70に表示された画像に対して、ユーザにより単語「palm」が入力された例を示している。単語「palm」は、「メーカー指定正解」と「みんなが決めた正解」の何れとも一致しないため(第4位)不正解と判定されている。しかし、回答ランキングエリア75に表示された回答ランキングを参照することで、他のユーザが回答した単語を参照することで、効果的な単語学習をすることができる。
【0121】
図12(B)は、画像エリア70に表示された画像に対して、ユーザにより単語「grand」が入力された例を示している。単語「grand」は、回答ランキングの第5位の単語と一致するが、第5位の単語が「メーカー指定正解」とされているため正解と判定されている。図12(B)に示す画像の場合、「メーカー指定正解」とする単語とは異なる複数の単語に回答が分散している、すなわちユーザによって複数の単語が連想されているため、第1位~第3位までの単語が「みんなが決めた正解」とされている。これにより、他のユーザが回答した「メーカー指定正解」とは異なる、複数の単語を参照することで、効果的な単語学習をすることができる。
【0122】
図13(A)は、画像エリア70に表示された複数の画像に対して、ユーザにより単語「birthday」が入力された例を示している。図13(A)に示す画像単語テストは、複数の画像から連想される1つの単語を回答として入力させる例を示している。単語「birthday」は、回答ランキングの第3位の「メーカー指定正解」に該当する単語「pastry chef」とは一致しないが、第1位の「みんなが決めた正解」に該当する単語と一致するため正解と判定されている。なお、問題とする画像を画像単語テストの問題出題時の画面の画像エリア70に表示させる場合、複数の画像を1画面に並べて表示させても良い、または複数の画像を1枚ずつ、所定の時間間隔を空けて並べて表示させるようにしても良い。
【0123】
図13(B)は、画像エリア70に表示された画像を「記号」とした例を示し、「記号」を表す画像に対して、ユーザにより単語「river」が入力された例を示している。単語「river」は、回答ランキングの第1位の「メーカー指定正解」に該当する単語「river」と一致するため正解と判定されている。
【0124】
前述した例は、回答ランキングの出現率あるいは集計数の上位の単語を「みんなが決めた正解」とする単語としている例を示しているが、図14は、上位にない単語を「みんなが決めた正解」としている例を示している。図14に示す例では、画像エリア70に「じゃがいも(野菜)の皮をむく料理人」を表す画像が表示され、ユーザにより単語「spiralizer」(野菜を麺にする道具)が入力された例を示している。この画像単語テストの問題の画像には、画像と関連する広い概念のキーワード、例えば「野菜」「料理」「紳士」「道具」などが対応づけられており、他のユーザの回答として入力された単語「spiralizer」(野菜を麺にする道具)がキーワードの中の「道具」と一致すると判定されたことにより、単語「spiralizer」が「みんなが決めた正解」の候補になり得る。
【0125】
また、単語「spiralizer」は、例えば回答ランキングにおいて、第98位の回答で出現率が0.8%であって、CPU11によって予め出現率が1%以下の回答を希少な「みんなが決めた正解」として設定された条件に該当するため、希少な「みんなが決めた正解」とする単語とされている。この場合、「みんなが決めた正解」を明示する正解表示G1,G2とは異なる表示形態の「希少な正解」を示す正解表示R1を付加して、希少な正解とする単語であることを明示する。さらに、判定結果エリア74の近傍に「希少マーク」90を付加して、「希少な正解」の単語の入力による正解であることを明示する。なお、CPU11によって予め設定された条件のうち、希少な「みんなが決めた正解」に該当する出現率の値は、任意の値に設定可能である。
【0126】
こうして、回答ランキングの出現率あるいは集計数の上位の単語のみを「みんなが決めた正解」とするだけでなく、出現率あるいは集計数の上位にない単語についても所定の条件を満たす回答を「みんなが決めた正解」とすることで、画像と関連する広範囲の単語を学習対象にすることができるので効果的、効率的な単語学習が期待できる。
【0127】
なお、回答ランキングの出現率あるいは集計数の上位の単語のみを正解とする条件とする場合には、画像と関連する希少な単語(回答が少ない単語)については「みんなが決めた正解」とせずに「不正解だけど希少な回答」として明示するようにしても良い。また、図14に示す不正解の表示例91に示すように、判定結果エリア74における表示は「不正解」となるが、「希少マーク」90を付加して、「不正解だけど希少な回答」の単語が入力されたことを明示する。これにより、前述と同様にして、画像と関連する単語としてランキングの対象に含まれるため、ユーザにとって効果的、効率的な単語学習が期待できる。
【0128】
なお、画像エリア70(画像エリア60)に表示される画像は、イラスト、写真、図形、文字、静止画像、動画像、アニメーションなどであっても良い。
【0129】
また、前述した回答とする単語は、1単語を単位として入力しても良いし、複数の単語を含む文章やイディオム(慣用句、成句、熟語等)を1つの単位として入力しても良い。
【0130】
また、本実施形態における画像単語テストでは、「メーカー指定正解」と「みんなが決めた正解」の複数の回答が設定されているため、回答とする単語も複数入力できるようにしても良い。
【0131】
なお、前述した説明では、サーバ30から情報処理装置10に対して、例えば10問分の画像単語テストデータ32dをまとめて送信し、情報処理装置10は、受信した画像単語テストの実施中に、画像単語テストデータ12cに含まれる正解データ12c3をもとに、入力された回答に対して正誤判定をしているが、正誤判定をサーバ30において実施することも可能である。
【0132】
この場合、サーバ30は、情報処理装置10に対して、問題とする画像を示す画像データ32d1のみを送信する。情報処理装置10は、サーバ30からの画像データ32d1をもとに、画像単語テストの問題出題時の画面(図10)を表示させて、ユーザ操作により回答とする単語を入力させる。
【0133】
情報処理装置10は、入力された回答された単語を示す回答データをサーバ30に送信する。回答とする単語が音声入力された場合には、音声データについてもサーバ30に送信する。
【0134】
サーバ30は、情報処理装置10から送信された回答データ(音声データ)について、前述と同様にして正誤判定を実行し、正誤判定結果と回答ランキングを示す回答ランキングデータ32d2を情報処理装置10に送信し、前述と同様にして、正誤判定結果の画面を表示させる。
【0135】
これにより、サーバ30において主要な処理を実行して、情報処理装置10の処理付加を軽減することができる。
【0136】
次に、本実施形態のサーバ30による画像単語テストデータ生成処理について説明する。
【0137】
まず、図8に示すフローチャートを参照しながら、画像単語テストデータ生成処理(1)について説明する。画像単語テストデータ生成処理(1)は、複数のユーザによる画像単語テストの実施により収集された回答データをもとに、画像単語テストデータを生成するものである。
【0138】
CPU31は、メモリ32に記憶されている複数の画像単語テストデータ32dのうち、1つの画像単語テストデータ32dを選択し、選択された画像単語データ32dに対応付けられている画像データ32d1(問題となる画像)を取得し(ステップC1)、この画像データ32d1に対応する回答データを集計する(ステップC2)。具体的に、CPU31は、回答データベース32eにおいて、ステップC1で取得した画像データ32d1に対応する、複数の回答データ(単語)を回答(単語)毎に集計する。
【0139】
CPU31は、収集された回答データ(単語)のそれぞれに対して代表的な訳語を、例えば辞書データ(図示せず)を検索することで取得し、回答(単語)に付加することで、回答ランキングにおいて表記される単語と訳語を表すランキング単語データを作成し、回答ランキングデータ32d2を更新する(ステップC3)。例えば、図11(A)に示す回答ランキングエリア75に表示された回答ランキングの第1位については、「wolf」の単語に訳語「オオカミ」を付加して、ランキング単語データを作成し、回答ランキングエータ32d2を更新する。
【0140】
次に、CPU31は、ランキング単語データに含まれる回答データ(単語)について、それぞれ正誤判定を実行する。すなわち、「メーカー指定正解」とする単語以外の単語について、「みんなが決めた正解」とするか「不正解」とするかを判定する。ここでは、前述したように、ランキング単語データに含まれる各回答データ(単語)の集計内容に基づいて、例えば出現率あるいは集計数が所定の条件を満たすか否かの判定結果に応じて、「みんなが決めた正解」あるいは「不正解」を判定する(ステップC4)。
【0141】
CPU31は、各単語に対する判定結果に応じて、ステップC4で「みんなが決めた正解」と判定された回答データ(単語)を正解とするように正解データ32d3を更新する(ステップC5)。
【0142】
以下、同様にして、CPU31は、次の画像単語テストデータ32dに対応付けられている画像データ32d1(問題となる画像)を取得し、上記で説明したステップC2~ステップC5の処理を実行する。
【0143】
処理対象とする全ての画像単語テストデータ32dについて処理が完了すると、CPU31は、画像単語テストデータ生成処理(1)を終了する(ステップC6、Yes)。
【0144】
回答ランキングデータ32d2は、複数のユーザによる画像単語テストの実施に伴って収集される回答データのデータ数の変動に応じて変更する。従って、回答ランキングの変更によって「みんなが決めた正解」あるいは「不正解」が変化しうるので、画像単語テストデータ生成処理(1)は、例えば一定期間毎、収集される回答データのデータ数の変化が予め決められた基準を超えた場合、さらにはサーバ30の管理者による指示に応じた適切なタイミングで実施することが望ましい。
【0145】
なお、回答データの集計は(ステップC2)、ユーザに対する複数の分類別に実行することができる。例えばユーザの属性(国(エリア)、年齢、性別、使用言語等)別に実行したり、ユーザデータが示すユーザの語彙力、画像単語テストの実施時における回答に要した時間帯(例えば、2秒)別、画像単語テストの実施時に音声入力した場合の音声(発音)の音声品質別に実行したりすることもできる。
【0146】
これにより、ユーザに対する複数の分類別の回答ランキングデータ32d2(回答ランキング)を生成して、画像単語テストの実行時に、ユーザの属性やレベルに対応する回答ランキングに基づく正誤判定を実施することができる。
【0147】
こうして、画像単語テストデータ生成処理(1)により画像単語テストデータを生成することで、複数のユーザによる画像単語テストの実施に伴って収集される回答データ(回答ランキング)に基づく、画像単語テストを実施することができる。
【0148】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、画像単語テストデータ生成処理(2)について説明する。画像単語テストデータ生成処理(2)は、外部装置から取得された単語データをもとに、新たな画像単語テストデータを生成するものである。外部装置として、例えばネットワーク8を介して接続された教育サーバ40(オンライン辞書検索機能40aを有する)あるいは電子辞書50がある。
【0149】
教育サーバ40あるいは電子辞書50は、ユーザ操作によって辞書検索による検索対象とされた文字列(単語)を記憶しておき、例えばサーバ30との接続時にサーバ30に対して送信する。
【0150】
サーバ30のCPU31は、教育サーバ40あるいは電子辞書50から、辞書検索による検索対象として送信された文字列(単語)を、収集単語データ32fとして記録しておく(ステップD1)。なお、ここでの文字列(単語)は、収集単語データ32fには記録(登録)されていないものとする。また、収集単語データ32fには、文字列(単語)と、教育サーバ40あるいは電子辞書50から同一の文字列(単語)が送信された回数を示す送信回数データを対応付けて記憶している。以降、図9のフローチャートの説明において、上記の文字列(単語)を検索対象単語データと呼ぶ。
【0151】
CPU31は、所定のタイミングで画像単語テストデータの生成を開始する。例えば、収集単語データ32fとして新たに記憶された複数の検索対象単語データのうち、当該検索対象単語データと対応付けて記録された送信回数データが予め決められた基準値以上の検索対象単語データがある場合に、画像単語テストデータを新たに生成すると判定する。すなわち、送信回数データが基準値以上の検索対象単語データは、複数のユーザによって教育サーバ40あるいは電子辞書50によって頻繁に検索対象となった単語であり、この単語を単語学習(画像単語テスト)の対象とすることで効果的な単語学習を期待できる。
【0152】
ここでは、必ずしもオンライン辞書検索機能40aあるいは電子辞書50の辞書データに登録された単語(見出し語)のみを対象としなくても良い。例えば、辞書データに登録されていない新語や造語などを対象とすることができる。辞書データに登録されていない新語や造語であっても、複数のユーザが辞書検索を試みた単語(新語や造語)であれば、送信回数データが基準値以上となり画像単語テストデータの対象となり得る。
【0153】
CPU31は、画像単語テストデータを新たに生成すると判定した場合(ステップD2、Yes)、収集単語データ32fに新たに記憶された複数の検索対象単語データのうち、任意の検索対象単語データを取得し(ステップD3)、この単語データに対応する画像を決定する(ステップD4)。
【0154】
ステップD4において、例えば、CPU31は、辞書検索単語データの代表的な訳語を、教育サーバ40のオンライン辞書機能40aや電子辞書50等から取得する。そして、メモリ32に記録された複数の画像データ32gのうち、画像データ32gに対応付けられている少なくとも1つのキーワードと、取得した訳語に対応(関連)する画像が存在する場合、当該画像を、訳語に対する検索対象単語データに対応(関連)する画像として決定する。
【0155】
CPU31は、辞書検索単語データの代表的な訳語を正解データ32d3とし、ステップD4で決定した、辞書検索単語データに対応(関連)する画像を画像単語テストの問題とする画像データ32d1とした画像単語テストデータを作成して(ステップD5)、メモリ32に保存させる(ステップD6)。
【0156】
同様にして、CPU31は、外部装置(教育サーバ40あるいは電子辞書50)から収集した単語データをもとにして、画像単語テストデータを作成することができる(ステップD3~D6)。CPU31は、処理対象とする収集単語データ32fがなくなると(ステップD7、Yes)、画像単語テストデータ生成処理(2)を終了する。
【0157】
こうして、画像単語テストデータ生成処理(2)により、外部装置(教育サーバ40あるいは電子辞書50)から収集した辞書検索の対象とした単語データをもとに画像単語テストの問題(画像単語テストデータ)を作成することで、複数のユーザに対して単語学習の効果を期待できる単語についての画像単語テストを実施することができる。
【0158】
なお、前述した説明では、学習する単語として英語を対象としているが、他の言語(中国語、韓国語、アラビア語など)を対象とすることも可能である。
【0159】
また、情報処理装置10において、サーバ30から回答ランキングデータと共に、回答ランキング中の単語毎の集計データを取得して、情報処理装置10において集計データと予め決められた条件(集計数、出現率、レア度など)をもとに、「みんなが決めた正解」(第3単語)を決定し、ユーザより回答された単語について正誤判定を実行しても良い。
【0160】
また、実施形態において記載した手法、すなわちフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。
【0161】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワークに接続されたコンピュータからプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
【0162】
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0163】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0164】
[1]
コンピュータが、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行する、正誤判定方法。
【0165】
[2]
複数の前記他のユーザが前記画像に対して回答した複数の単語のうち、同じ単語の出現率が所定の条件を満たす単語を前記第3単語として決定し、
前記第2単語が、前記第1単語あるいは前記第3単語と同じである場合に、前記ユーザの回答を正解として判定する、[1]記載の正誤判定方法。
【0166】
[3]
複数の前記他のユーザが前記画像に対して回答した単語に関する回答ランキングデータを取得し、
前記回答ランキングデータに含まれる、複数の前記他のユーザが回答した単語毎の集計結果に基づいて生成されたランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、[1]または[2]記載の正誤判定方法。
【0167】
[4]
前記ランキングリストに含まれる単語のうち、前記第3単語と、前記第3単語として決定されたことを示す情報とを前記表示部に並べて表示させる、[3]記載の正誤判定方法。
【0168】
[5]
前記回答ランキングデータは、前記画像に対する複数の前記他のユーザによる回答に要した時間帯別に応じた前記ランキングリストを含み、
前記表示部に前記画像を表示させてから、前記画像に対してユーザが入力した回答である前記第2単語を取得するまでの時間を計測し、
前記計測された時間に応じて選択された前記ランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、[3]または[4]記載の正誤判定方法。
【0169】
[6]
前記回答ランキングデータは、前記画像に対する複数の前記他のユーザによって音声入力された回答の発音品質別に応じた前記ランキングリストを含み、
前記画像に対して前記ユーザが音声により前記第2単語を入力した場合、前記入力された音声に対して発音品質を判定し、
前記判定された発音品質に応じて選択された前記ランキングリストと、前記第2単語に対する正誤判定の結果を前記表示部に表示させる、[3]または[4]記載の正誤判定方法。
【0170】
[7]
コンピュータが、
画像と前記画像に関連する第1単語とを複数の情報処理装置に提供し、
複数の情報処理装置から前記画像に対する回答である第2単語を取得し、
前記複数の情報処理装置から取得した前記第2単語の集計結果に基づいて決定された第3単語を、前記画像に対する回答の正解として判定する、正誤判定方法。
【0171】
[8]
複数の情報処理装置から取得した複数の第2単語のうち、同じ第2単語の出現率が所定の条件を満たす単語を前記第3単語として決定する、[7]記載の正誤判定方法。
【0172】
[9]
制御部を備え、
前記制御部は、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し、
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行する、情報処理装置。
【0173】
[10]
コンピュータに、
画像と前記画像に関連する第1単語とを取得し、
表示部に前記画像を表示させて、前記画像に対するユーザの回答とする第2単語を取得し、
画像と前記画像に関連する第1単語と、表示部に表示された前記画像に対してユーザが入力した回答である第2単語とを取得し
前記第1単語と、前記画像に対して複数の他のユーザが回答した単語の集計結果に基づいて決定された第3単語とをもとに、前記第2単語について正誤判定を実行するように機能させるためのプログラム。
【0174】
[11]
コンピュータに、
画像と前記画像に関連する第1単語とを複数の情報処理装置に提供し、
複数の情報処理装置から前記画像に対する回答である第2単語を取得し、
前記複数の情報処理装置から取得した前記第2単語の集計結果に基づいて決定された第3単語を前記画像に対する回答の正解として判定するように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0175】
8…ネットワーク、10…情報処理装置、11,31…CPU、12,32…メモリ、12a,32a…基本プログラム、12b…画像単語テストプログラム、12c,32d…画像単語テストデータ、12c1,32d1…画像データ、12c2,32d2…回答ランキングデータ、12c3,32d3…正解データ、12d…回答データ、12e…ユーザ識別データ、13,33…記録媒体、14,34…記録媒体読取部、15,35…通信部、16,36…入力部、17,37…表示部、18…音声入力部、19…音声出力部、30…サーバ、32b…画像単語テスト管理プログラム、32c…画像単語テストデータ生成プログラム、32e…回答データベース、32f…収集単語データ、32g…画像データ、32h…ユーザ管理データ3、40…教育サーバ、50…電子辞書。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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