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特開2023-136722サービス検討支援システム、サービス検討支援装置、サービス検討支援プログラム及びサービス検討支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136722
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】サービス検討支援システム、サービス検討支援装置、サービス検討支援プログラム及びサービス検討支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042567
(22)【出願日】2022-03-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水出 悠斗
(72)【発明者】
【氏名】河原 健太
(72)【発明者】
【氏名】堀田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】相馬 仁志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】手動で作成した相関図を用いてサービスの検討を行う場合に、事前に相関図を作成するための知識を得るなどの準備が必要といった課題がある。本開示は、相関図に関する知識や経験が十分に無くても、相関図を用いてサービスの検討を行うことができるためになされたものであり、入力情報から相関図を作成することを目的とする。
【解決手段】本開示に係るサービス検討支援システムは、サービスを提供する事業者とサービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力される入力部と、ステークホルダと取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部と、表示情報を基にサービス相関図を表示する表示部とを備え、表示作成部は、ステークホルダの情報と取引情報に基づき表示情報を作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する事業者と前記サービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、前記ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力される入力部と、
前記ステークホルダと前記取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部と、
前記表示情報を基に前記サービス相関図を表示する表示部とを備え、
前記表示作成部は、
前記ステークホルダの情報と前記取引情報に基づき前記表示情報を作成する、
サービス検討支援システム。
【請求項2】
前記サービス関係者は、
前記事業者が収入を得て対価を提供する取引を行う顧客と、
前記事業者が費用を支出して対価を得る取引を行うベンダとを含み、
前記取引は、
収支に関する取引である収支取引と、
対価に関する取引である対価取引とを含み、
前記表示作成部は、
前記事業者を示す図形を、前記サービス相関図の略中心に配置し、
前記顧客を示す図形を、前記事業者を示す図形の配置位置より上部に配置し、
前記ベンダを示す図形を、前記事業者を示す図形の配置位置の上部以外に配置し、
前記収支取引を示す図形を、前記取引の当事者間に配置し、
前記対価取引を示す図形を、前記取引の当事者間に配置することを示す前記表示情報を作成する、
請求項1に記載のサービス検討支援システム。
【請求項3】
前記表示作成部は、さらに、
収支の流れと収支金額に応じて前記収支取引を示す図形の形状を変更して前記表示情報を作成し、
対価の流れと対価種類に応じて前記対価取引を示す図形の形状を変更して前記表示情報を作成する、
請求項2に記載のサービス検討支援システム。
【請求項4】
さらに、
前記サービス相関図に表示する前記ステークホルダを示す図形と前記収支取引を示す図形と前記対価取引を示す図形とからなるオブジェクトに対して、前記サービス相関図上で操作を受け付ける操作受付部を備え、
前記操作受付部は、
前記サービス相関図に追加する操作を受け付けた前記オブジェクトの情報を前記表示情報に追加し、
前記サービス相関図上で変更する操作を受け付けた前記オブジェクトの前記表示情報を変更し、
前記サービス相関図から削除する操作を受け付けた前記オブジェクトの前記表示情報を削除する、
請求項2又は3に記載のサービス検討支援システム。
【請求項5】
さらに、
前記サービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する収支作成部を備え、
前記入力部は、さらに、
前記サービスの前記取引以外の収支の情報であるサービス収支情報が入力され、
前記収支作成部は、
サービス収支情報と前記収支取引の情報とに基づき、前記サービス総収支情報を作成し、
前記表示部は、さらに、
前記サービス総収支情報を表示する、
請求項2から4のいずれか1項に記載のサービス検討支援システム。
【請求項6】
前記収支作成部は、さらに、
特定の期日を指定されると、前記サービス開示時点から前記特定の期日までの前記サービス総収支情報を作成する、
請求項5に記載のサービス検討支援システム。
【請求項7】
前記サービス検討支援システムは、クラウド上に構築される、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス検討支援システム。
【請求項8】
サービスを提供する事業者と前記サービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、前記ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力される入力部と、
前記ステークホルダと前記取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部とを備え、
前記表示作成部は、
前記ステークホルダの情報と前記取引情報に基づき前記表示情報を作成する、
サービス検討支援装置。
【請求項9】
サービスを提供する事業者と前記サービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、前記ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力される入力処理と、
前記ステークホルダと前記取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成処理と、
前記表示情報を基に前記サービス相関図を表示する表示処理とを備え、
前記表示作成処理は、
前記ステークホルダの情報と前記取引情報に基づき前記表示情報を作成する、
サービス検討支援プログラム。
【請求項10】
入力部に、サービスを提供する事業者と前記サービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、前記ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力されると、
表示作成部が、前記ステークホルダと前記取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成し、
表示部が、前記表示情報を基に前記サービス相関図を表示する、
サービス検討支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サービス提供型ビジネスにおけるサービス検討の支援を効率的に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サービスによるビジネスをデザインするための手法として、ステークホルダマップ(相関図)がある。ステークホルダマップに関連する従来技術として、議論する複数の発想者にとって統一したイメージで発想しやすくするために、サービスに関連する複数のステークホルダと、これらステークホルダの間を結ぶ情報や資金を、仮想的なビジネスマップとして表示する、ビジネスモデル支援システムがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-20652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、相関図を手動で作成する必要があるため、相関図を用いてサービスの検討を行う場合に、事前に相関図を作成するための知識を得るなどの準備が必要といった課題がある。
本開示は、相関図に関する知識や経験が十分に無くても、相関図を用いてサービスの検討を行うことができるためになされたものであり、入力情報から相関図を作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るサービス検討支援システムは、サービスを提供する事業者とサービスの関係者であるサービス関係者とからなるステークホルダの情報と、ステークホルダの間で行われる取引の情報である取引情報とが入力される入力部と、ステークホルダと取引の関係性を表す相関図であるサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部と、表示情報を基にサービス相関図を表示する表示部とを備え、表示作成部は、ステークホルダの情報と取引情報に基づき表示情報を作成する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、相関図に関する知識や経験が十分に無くても、サービスの検討を行うための相関図を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係るサービス検討支援システムの構成図。
図2】実施の形態1に係るサービス検討支援システムの機能構成図。
図3】実施の形態1に係るサービス検討支援システムのハードウェア構成図。
図4】実施の形態1に係るサービス検討支援システムのマスタデータ構成図。
図5】実施の形態1に係るサービス相関図の初期表示イメージ図。
図6】実施の形態1に係るサービス検討支援システムのデータ構成図。
図7】実施の形態1に係るサービス相関図とサービス総収支とを表示する処理のフロー図。
図8】実施の形態1に係るサービス相関図とサービス総収支の表示イメージ図。
図9】実施の形態1に係るサービス相関図を直接変更して表示する処理のフロー図。
図10】実施の形態1に係るサービス相総収支を計算して表示する処理のフロー図。
図11】実施の形態1の変形例1に係るサービス検討支援システムの構成図。
図12】実施の形態2に係るサービス検討支援システムの機能構成図。
図13】実施の形態2に係るサービス相関図とサービス総収支とを表示する処理のフロー図。
図14】実施の形態2に係るサービス相関図を直接変更して表示する処理のフロー図。
図15】実施の形態2に係るサービス相総収支を計算して表示する処理のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1は、サービス検討支援装置と操作端末とのシステム構成であるサービス検討支援システムにおいて、サービスの検討に使用するサービス相関図を作成する処理について説明する。
本実施の形態においてサービスとは、顧客の問題解決のために顧客に対して事業者が提供するITを利用したサービスである。ITは、Information Technologyの略である。
ステークホルダとは、サービスを提供する事業者とサービスの関係者であるサービス関係者とを含む。サービス関係者は、事業者が収入を得て対価を提供する取引を行う顧客と、事業者が費用を支出して対価を得る取引を行うベンダとを含む。顧客には、顧客が収入を得て対価を提供する取引を行うエンドユーザを含んでも良い。
取引とは、契約などを基に、ステークホルダ間でお金や対価のやり取りを行うことである。取引には、お金のやり取りを行う取引の収支取引と、対価のやり取りを行う取引の対価取引を含む。対価には、資産の譲渡と資産の貸し付けと役務の提供とを含む。
サービス相関図は、ステークホルダと取引の関係性を表す相関図である。サービス相関図は、ステークホルダの情報と取引の情報とを基に作成され、ステークホルダの図形と取引の図形とからなるオブジェクトを表示する。取引の図形には、収支取引の図形と対価取引の図形とを含む。本実施の形態では、ステークホルダの図形をアイコンとし、取引の図形を矢印とする。収支取引の矢印を収支線とし、矢印の向きは収支の流れに準じ、お金を支払う側からお金を受領する側に向くものとする。対価取引の矢印を対価線とし、矢印の向きは対価の流れに準じ、対価を提供する側から対価を受領する側に向くものとする。
【0009】
***実施の形態1の構成***
図1は、サービス検討支援システム1の構成図である。
サービス検討支援システム1は、ネットワーク2とサービス検討支援装置10と操作端末20とから構成される。
サービス検討支援装置10と操作端末20とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、具体例としてはLAN又はインターネットである。LANは、Local Area Networkの略である。
サービス検討支援装置10は、指示された処理を特定して実行する装置である。サービス検討支援装置10は、具体例としては、サーバ等のコンピュータである。操作端末20は、サービス検討支援装置10に対する指示の入力を受け付ける装置である。操作端末20は、具体例としては、PCである。PCは、Personal Computerの略である。操作端末20は、タブレットや他の入力装置であっても構わない。
サービス検討支援システム1はその他の構成を備えても構わない。サービス検討支援装置10と操作端末20が同一の構成でも構わない。
【0010】
図2は、システムの機能的な構成を示す機能構成図である。
サービス検討支援装置10は、記憶部11と通信部12と入力部13と表示作成部14と収支作成部15とを備える。記憶部11には、初期表示マスタ111とサービスデータ112と取引データ113と相関図表示データ114が保存される。入力部13は、操作端末20を通してユーザに入力された情報を取得する。表示作成部14は、表示用の情報である表示情報を作成する。収支作成部15は、収支の計算を行い収支情報を作成する。
操作端末20は、記憶部21と通信部22と入力部23と表示部24と操作受付部25とを備える。入力部23は、ユーザに入力された情報を取得する。表示部24は、表示情報を基にサービス相関図とサービス総収支を表示する。操作受付部25は、ユーザ操作の情報を取得する。
【0011】
以上のような構成のサービス検討支援装置10の各機能は、図3に示したようなハードウェアにより実現される。このハードウェアは、CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)等の処理装置101と、ROM(READ ONLY MEMORY)やハードディスク装置等の保存装置102、他のハードウェアとネットワーク2によって接続される通信装置103、キーボードやマウス、スピーカーやディスプレイ等の入出力装置104とがバス接続された構成となっている。
CPUは自身にメモリを備えていてもよい。
処理装置101は複数であってもよく、複数の処理装置101が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0012】
図4は、マスタデータ構成図である。
初期表示マスタ111は、サービス相関図にオブジェクトを初期表示するためのデータを含み、サービス相関図に初期表示するステークホルダの図形(アイコン)と取引の図形(矢印)とであるオブジェクトを示すオブジェクトと、オブジェクトの図形の種別である図形種別と、オブジェクトの初期表示時の位置を示す初期位置情報と、オブジェクトの初期表示時の回転度合いを示す初期回転情報を含む。
本実施の形態では、サービス相関図上のオブジェクトの位置情報を、サービス相関図の左上を基準位置として、基準位置を原点とした、水平方向と垂直方向の座標値で示すものとする。
初期表示マスタ111の初期位置情報には、オブジェクトの左上の特定位置の、水平方向の座標値と垂直方向の座標値と、オブジェクトの右下の特定位置の、水平方向の座標値と垂直方向の座標値との組み合わせが登録されている。具体的には、初期位置情報に「(xs,ys),(xe,ye)」が登録されている場合、オブジェクトの左上の特定位置の水平方向の座標値が「xs」、垂直方向の座標値が「ys」、オブジェクトの右下の特定位置の水平方向の座標値が「xe」、垂直方向の座標値が「ye」となる。
初期表示マスタ111の図形種別が「事業者」のレコードの初期位置情報には、サービス相関図の略中心となる座標値が登録されているものとする。
初期表示マスタ111の図形種別が「顧客」のレコードの初期位置情報には、サービス相関図の「事業者」のレコードの初期位置情報が示す配置位置よりも上部となる座標値が登録されているものとする。
初期表示マスタ111の図形種別が「事業者」及び「顧客」及び「収支線」及び「対価線」以外のレコードの初期位置情報には、サービス相関図の「事業者」のレコードの初期位置情報が示す配置位置の上部以外となる座標値が登録されているものとする。
初期表示マスタ111の図形種別が「収支線」のレコードは、収支取引の矢印の情報である。オブジェクトに登録されている値から取引の種別を示す特定のキーワード(ここでは「収支取引」とする)を取り除いた値が示すステークホルダと事業者とを収支取引の当事者とする。初期位置情報には、その当事者間の位置となる座標値が配置位置として登録されているものとする。具体的には、オブジェクト「顧客1収支取引」、図形種別「収支線」のレコードの場合、取引の当事者は「顧客1」と「事業者」となる。初期表示マスタ111に、事業者のレコードとしてオブジェクト「事業者」、初期位置情報「(105,105),(145,145)」が、顧客1のレコードとしてオブジェクト「顧客1」、初期位置情報「(105,5),(145,45)」が登録されている場合、オブジェクト「顧客1収支取引」、図形種別「収支線」のレコードの初期位置情報には、当事者間の配置位置となる座標値として、初期位置情報「(110,55),(120,95)」が登録されているものとする。
初期表示マスタ111の図形種別が「対価線」のレコードは、対価取引の矢印の情報である。オブジェクトに登録されている値から取引の種別を示す特定のキーワード(ここでは「対価取引」とする)を取り除いた値が示すステークホルダと事業者とを対価取引の当事者とする。初期位置情報には、その当事者間の位置となる座標値が配置位置として登録されているものとする。具体的には、オブジェクト「顧客1対価取引」、図形種別「対価線」のレコードの場合、取引の当事者は「顧客1」と「事業者」となる。初期表示マスタ111に、事業者のレコードとしてオブジェクト「事業者」、初期位置情報「(105,105),(145,145)」が、顧客1のレコードとしてオブジェクト「顧客1」、初期位置情報「(105,5),(145,45)」が登録されている場合、オブジェクト「顧客1対価取引」、図形種別「対価線」のレコードの初期位置情報には、当事者間の配置位置となる座標値として、初期位置情報「(130,55),(140,95)」が登録されているものとする。
初期表示マスタ111の初期回転情報には、オブジェクトの回転情報が、垂直方向上部を0度として右回転の角度で登録されている。具体的には、オブジェクトの初期表示状態を0度とし、初期表示状態からオブジェクトを右に90度回転させた状態を90度、初期表示状態からオブジェクトを左に90度回転させた状態を270度、初期表示状態からオブジェクトを上下反転させた状態を180度とする。
なお、初期表示マスタ111は、システム管理者によってあらかじめ登録されているものとする。図4の初期表示マスタ111の通りにデータが登録されている場合に、登録通りにオブジェクトを表示したサービス相関図の初期表示イメージを図5とする。図5は、便宜的に座標を線で表示している。なお、位置情報は座標以外で示しても良い。回転情報は、角度以外で示しても良い。
【0013】
図6は、データ構成図である。
サービスデータ112は、サービスに関連するデータを含み、サービスの名称であるサービス名と、サービスの予算であるサービス予算と、サービス提供する仕組みを開発する費用である開発費用と、サービスの実施期間であるサービス期間とを含む。サービスに関連する収支の情報で、取引以外の収支の情報であるサービス予算と開発費用とサービス期間とを、サービス収支情報とする。
取引データ113は、事業者とサービス関係者間の取引のデータを含み、サービス関係者を識別する関係者IDと、オブジェクトを示すオブジェクトと、事業者と顧客間の取引で事業者が得る収入の初期収入及び運用収入と、事業者とベンダ間の取引で事業者が支出する初期支出及び運用支出と、事業者と顧客間の取引で事業者が提供する提供対価と、事業者とベンダ間の取引で事業者が受領する受領対価とを含む。
相関図表示データ114は、サービス相関図に表示するオブジェクトの表示データを含み、オブジェクトを識別するオブジェクトIDと、オブジェクトを示すオブジェクトと、オブジェクトの図形の種別である図形種別と、オブジェクトの表示位置を示す位置情報と、オブジェクトの回転度合いを示す回転情報と、オブジェクトの大きさや色などオブジェクトの見た目に関する情報である形状とを含む。
【0014】
***実施の形態1の動作***
図7は、操作端末20を通してユーザに入力された情報を基に、サービス検討支援装置10にて、サービス相関図とサービス総収支との表示情報を作成し、操作端末20にて、サービス相関図とサービス総収支とを表示する処理のフロー図である。
本フロー図を用いて、動作を説明する。
実施の形態1に係るサービス検討支援システム1の動作手順は、実施の形態1に係るサービス検討支援方法に相当する。また、実施の形態1に係るサービス検討支援システム1の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係るサービス検討支援プログラムに相当する。
【0015】
操作端末20の入力部23が、ユーザから、サービス情報と取引情報とを入力されると、入力部23は、通信部22を用いて、入力されたサービス情報と取引情報とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS101)。
ここでは、サービス情報として、サービス名「支援サービス」、サービス予算「800万円」、開発費用「400万円」、サービス期間「5年」が入力され、取引情報の1件目として、関係者ID「顧客A」、オブジェクト「顧客」、初期収入「300万円」、運用収入「200万円/年」、提供対価「支援サービス」が入力され、取引情報の2件目として、関係者ID「ベンダB」、オブジェクト「ベンダ1」、初期支出「1000万円」、運用支出「100万円/年」、受領対価「サービス基盤」が入力されたものとする。
【0016】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるサービス情報と取引情報とを取得し、サービス情報をサービスデータ112に、取引情報を取引データ113に、それぞれ登録する。その後、表示作成部14は、取引データ113と初期表示マスタ111とを基に、相関図表示データ114を作成する(ステップS102)。
相関図表示データ114には、事業者のデータとサービス関係者のデータと取引のデータを登録する。具体的には、事業者のデータとして、オブジェクトID「事業者」、オブジェクト「事業者」を登録し、登録した相関図表示データ114のオブジェクトをキーとして初期表示マスタ111から取得した、図形種別と初期位置情報と初期回転情報とのそれぞれを、相関図表示データ114の図形種別と位置情報と回転情報とのそれぞれに登録する。
続いて、サービス関係者のデータとして、取引データ113の関係者IDを相関図表示データ114のオブジェクトIDに登録し、取引データ113のオブジェクトを相関図表示データ114のオブジェクトに登録し、登録した相関図表示データ114のオブジェクトをキーとして初期表示マスタ111から取得した、図形種別と初期位置情報と初期回転情報とのそれぞれを、相関図表示データ114の図形種別と位置情報と回転情報とのそれぞれに登録する。
続いて、取引のデータとして、収支取引のデータを登録する。取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出とのどれかに値が入っているレコードを取得し、取得したレコードの関係者IDとオブジェクトとを取得し、取得した関係者IDの値の後に特定のキーワード(ここでは「収支取引」とする)を付けた値を相関図表示データ114のオブジェクトIDに登録し、取得したオブジェクトの値の後に特定のキーワード(ここでは「収支取引」とする)を付けた値を相関図表示データ114のオブジェクトに登録し、登録した相関図表示データ114のオブジェクトをキーとして初期表示マスタ111から取得した、図形種別と初期位置情報と初期回転情報とのそれぞれを、相関図表示データ114の図形種別と位置情報と回転情報とのそれぞれに登録する。その後、取引データ113の収支金額に応じて、形状に登録する値を変更する。具体的には、初期収入と運用収入を合算し、合算したものが一定の閾値の上限以上の場合に形状にオブジェクトのサイズを大きくして表示する「大」を、合算したものが一定の閾値の下限以下の場合に形状にオブジェクトのサイズを小さくして表示する「小」を、合算したものが一定の閾値の下限より大きく上限より小さい場合に形状にオブジェクトのサイズを変更せずに表示する「中」を登録する。取得したレコードが複数あれば、同じ処理を繰り返す。
なお、形状には、サイズの変更以外の変更内容を登録しても構わない。
続いて、取引のデータとして、対価取引のデータを登録する。取引データ113の提供対価と受領対価とのどれかに値が入っているレコードを取得し、取得したレコードの関係者IDとオブジェクトとを取得し、取得した関係者IDの値の後に特定のキーワード(ここでは「対価取引」とする)を付けた値を相関図表示データ114のオブジェクトIDに登録し、取得したオブジェクトの値の後に特定のキーワード(ここでは「対価取引」とする)を付けた値を相関図表示データ114のオブジェクトに登録し、登録した相関図表示データ114のオブジェクトをキーとして初期表示マスタ111から取得した図形種別と初期位置情報と初期回転情報とのそれぞれを、相関図表示データ114の図形種別と位置情報と回転情報とのそれぞれに登録する。その後、取引データ113の対価種類に応じて、形状に登録する値を変更する。具体的には、提供対価の場合に形状にオブジェクトの色を変更して表示する「青」を、受領対価の場合に形状にオブジェクトの色を変更して表示する「緑」を登録する。取得したレコードが複数あれば、同じ処理を繰り返す。
なお、形状には、色の変更以外の変更内容を登録しても構わない。
【0017】
続いて、収支作成部15は、サービスデータ112と取引データ113とを基に、サービスの利益を計算する。その後、サービスデータ112のサービス予算と開発費用とサービス期間と、取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出と計算した利益とからなる、サービス開示時点から特定の期日までのサービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する(ステップS103)。
ここでは、特定の期日に、サービス開示時点からサービス期間が経過した期日が指定されたものとして、サービス総収支の利益を次のように計算する。
サービスデータ112のサービス予算と取引データ113の初期収入及び運用収入を収入とし、サービスデータ112の開発費用と取引データ113の初期支出及び運用支出を支出として、サービスデータ112のサービス期間の収支を計算する。具体的には、サービス予算と初期収入を加算し、さらに運用収入にサービス期間を乗算した結果を加算して、サービス期間の収入を計算する。初期収入と運用収入とがそれぞれ複数取得できる場合は、合算する。続いて、開発費用と初期支出の合計を加算し、さらに運用支出にサービス期間を乗算した結果を加算して、サービス期間の支出を計算する。初期支出と運用支出とがそれぞれ複数取得できる場合は、合算する。計算したサービス期間の収入から計算したサービス期間の支出を減算して、利益を計算する。
なお、収支の計算は他の方法でも構わない。
【0018】
続いて、表示作成部14は、サービス相関図の情報とサービス総収支の情報とからなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20へ送信する(ステップS104)。
ここでは、表示情報のサービス相関図の情報は、相関図表示データ114から取得したデータを含む。サービス総収支情報は、サービスデータ112のサービス予算と、取引データ113の初期収入及び運用収入と、サービスデータ112の開発費用と、取引データ113の初期支出と運用支出と、サービスデータ112のサービス期間と、計算した利益を含む。
【0019】
通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図とサービス総収支を表示する(ステップS105)。
ここでは、表示情報のサービス相関図の情報から、サービス相関図を表示する。具体的には、図形種別で示される図形を、位置情報が示す位置に配置し、回転情報が示す角度に回転して、形状が示す形に変更して表示する。
本実施の形態では、図8のように表示されたものとする。
【0020】
図9は、表示しているサービス相関図がユーザ操作により直接変更された場合に、操作の情報を基に、サービス検討支援装置10にて、サービス相関図の表示情報を作成し、サービス相関図を表示する処理のフロー図である。
本フロー図を用いて、動作を説明する。
ユーザ操作とは、サービス相関図に表示するオブジェクトの新規追加、既にサービス相関図に表示されているオブジェクトの複製による追加、オブジェクトの移動、オブジェクトの拡大、オブジェクトの縮小、オブジェクトの回転、オブジェクトの削除、を含む。
【0021】
操作端末20の操作受付部25が、サービス相関図に対するユーザ操作を受け付けると、操作受付部25は、操作が行われたオブジェクト及び操作内容を特定する。具体的には、操作受付部25は、操作のイベントを取得することにより、操作が行われたオブジェクト及び操作内容を特定する。その後、操作受付部25は、通信部22を用いて、特定したオブジェクトと操作内容とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS201)。
ここでは、図8において、操作受付部25が、「ベンダB」のアイコンの位置が変更されたイベントを取得し、位置が変更されたアイコンから操作が行われたオブジェクトのオブジェクトIDを「ベンダB」と特定し、ユーザ操作の内容から、操作内容を、アイコンの左上の特定位置の座標値を現在位置から水平方向に+10し、垂直方向に+20し、アイコンの右下の特定位置の座標値を現在位置から水平方向に+10し、垂直方向に+20する位置変更と特定する。
なお、操作が行われたオブジェクト及び操作内容の特定方法は、イベント取得に限らず、他の方法でも構わない。
【0022】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるオブジェクトと操作内容とを取得する。その後、表示作成部14は、オブジェクトと操作内容とを基に、相関図表示データ114を更新する(ステップS202)。
ここでは、操作が行われたオブジェクトのオブジェクトID「ベンダB」をキーとして相関図表示データ114のレコードを1件特定し、操作内容を基に取得したデータの位置情報を変更する。具体的には、位置情報を「(115,225),(155,265)」に更新する。
【0023】
続いて、表示作成部14は、作成した相関図表示データ114からなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20へ送信する(ステップS203)。
【0024】
通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図を表示する(ステップS204)。
【0025】
図10は、表示しているサービス総収支の入力項目に入力されている値を基に、サービス総収支の利益を計算し、計算したサービス総収支の利益を表示する処理のフロー図である。
本フロー図を用いて、動作を説明する。
【0026】
操作端末20の操作受付部25が、計算ボタン押下のユーザ操作を受け付けると、操作受付部25は、サービス総収支の入力項目であるサービス予算と取引収入の関係者ID及び初期収入及び運用収入と開発費用と取引支出の関係者ID及び初期支出及び運用支出とサービス期間とのそれぞれの入力値をサービス総収支情報として取得する。その後、操作受付部25は、通信部22を用いて、取得したサービス総収支情報とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS301)。
【0027】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるサービス総収支情報を取得する。その後、表示作成部14は、取得したサービス総収支情報のサービス収支情報を基に、サービスデータ112のサービス収支情報を更新する。その後、取得したサービス総収支情報の取引収入の関係者ID及び初期収入及び運用収入と取引支出の関係者ID及び初期支出及び運用支出を取得する。その後、取得した関係者IDをキーとして取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出とを更新する。取得したレコードが複数あれば、同じ処理を繰り返す。その後、収支作成部15は、サービスデータ112と取引データ113とを基に、サービスの利益を計算する。その後、サービスデータ112のサービス予算と開発費用とサービス期間と、取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出と計算した利益とからなるサービス総収支情報を作成する(ステップS302)。
【0028】
続いて、表示作成部14は、サービス総収支情報からなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20へ送信する(ステップS303)。
【0029】
通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス総収支を表示する(ステップS304)。
【0030】
***実施の形態1の効果***
ユーザに入力された情報を基に、サービス検討支援システムがサービス相関図を作成することで、相関図に関する知識や経験が十分に無くても、サービスの検討を行うための相関図を作成することができる。
【0031】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0032】
図11を参照して、変形例1に係るサービス検討支援システム1の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、処理装置101と保存装置102とに代えて、電子回路105を備える。電子回路105は、処理装置101と保存装置102との機能とを実現する専用の回路である。
【0033】
電子回路105としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC(INTEGRATED CIRCUIT)、GA(GATE ARRAY)、ASIC(APPLICATION SPECIFIC
INTEGRATED CIRCUIT)、FPGA(FIELD-PROGRAMMABLE GATE ARRAY)が想定される。
各機能構成要素を1つの電子回路105で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路105に分散させて実現してもよい。
【0034】
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0035】
処理装置101と保存装置102と電子回路105とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0036】
<変形例3>
変形例3として、サービス検討支援システム1のサービス検討支援装置10と操作端末20との一部または全ての機能をまとめて1つの装置にする構成で実現されてもよい。
【0037】
<変形例4>
変形例4として、サービス検討支援システム1の一部または全ての機能が、クラウド上に構築されて実現されてもよい。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態1は、サービス検討支援装置と1台の操作端末とのシステム構成であるサービス検討支援システムにおいて、サービスの検討に使用するサービス相関図を作成する処理について説明した。
実施の形態2では、サービス検討支援装置と複数台の操作端末とのシステム構成であるサービス検討支援システムにおいて、サービスの検討に使用するサービス相関図を作成する処理について、実施の形態1と異なる点を説明する。
なお、本実施の形態では、操作端末を2台とする。
【0039】
***実施の形態2の構成***
図12は、サービス検討支援システム1の構成図である。
サービス検討支援システム1は、ネットワーク2とサービス検討支援装置10と操作端末20と操作端末30とから構成される。
サービス検討支援装置10と操作端末30とは、ネットワーク2を介して接続されている。
操作端末30の機能的な構成は、操作端末20と同様とする。
【0040】
***実施の形態2の動作***
図13は、操作端末20を通してユーザに入力された情報を基に、サービス検討支援装置10にて、サービス相関図とサービス総収支との表示情報を作成し、操作端末20と操作端末30とにサービス相関図とサービス総収支とを表示する処理のフロー図である。
ここでは、操作端末20を通してユーザに入力された情報を基に、操作端末20と操作端末30とにサービス相関図とサービス総収支とを表示する処理の動作について、本フロー図を用いて説明する。
【0041】
操作端末20の入力部23が、ユーザから、サービス情報と取引情報とを入力されると、入力部23は、通信部22を用いて、入力されたサービス情報と取引情報とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS401)。
【0042】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるサービス情報と取引情報とを取得し、サービス情報をサービスデータ112に、取引情報を取引データ113に、それぞれ登録する。その後、表示作成部14は、取引データ113と初期表示マスタ111とを基に、相関図表示データ114を作成する(ステップS402)。
【0043】
続いて、収支作成部15は、サービスデータ112と取引データ113とを基に、サービスの利益を計算する。その後、サービスデータ112のサービス予算と開発費用とサービス期間と、取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出と計算した利益とからなる、サービス開示時点から特定の期日までのサービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する(ステップS403)。
【0044】
続いて、表示作成部14は、サービス相関図の情報とサービス総収支の情報とからなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20と操作端末30とへ送信する(ステップS404)。
【0045】
操作端末20の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末20の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図とサービス総収支を表示する(ステップS405)。
【0046】
操作端末30の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末30の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図とサービス総収支を表示する(ステップS406)。
【0047】
図14は、表示しているサービス相関図がユーザ操作により直接変更された場合に、操作の情報を基に、サービス検討支援装置10にて、サービス相関図の表示情報を作成し、サービス相関図を表示する処理のフロー図である。
ここでは、表示しているサービス相関図が、操作端末20を通してユーザに操作され、操作端末20と操作端末30とにサービス相関図を表示する処理の動作について、本フロー図を用いて説明する。
【0048】
操作端末20の操作受付部25が、サービス相関図に対するユーザ操作を受け付けると、操作受付部25は、操作が行われたオブジェクト及び操作内容を特定する。具体的には、操作受付部25は、操作のイベントを取得することにより、操作が行われたオブジェクト及び操作内容を特定する。その後、操作受付部25は、通信部22を用いて、特定したオブジェクトと操作内容とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS501)。
【0049】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるオブジェクトと操作内容とを取得する。その後、表示作成部14は、オブジェクトと操作内容とを基に、相関図表示データ114を作成する(ステップS502)。
【0050】
続いて、表示作成部14は、作成した相関図表示データ114からなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20と操作端末30とへ送信する(ステップS503)。
【0051】
操作端末20の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末20の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図を表示する(ステップS504)。
【0052】
操作端末30の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末30の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス相関図を表示する(ステップS505)。
【0053】
図15は、表示しているサービス総収支の入力項目に入力されている値を基に、サービス総収支の利益を計算し、計算したサービス総収支の利益を表示する処理のフロー図である。
ここでは、操作端末20を通してユーザに入力されたサービス総収支の入力項目の情報を基に、サービス総収支の利益を計算して、操作端末20と操作端末30とに表示する処理の動作について、本フロー図を用いて説明する。
【0054】
操作端末20の操作受付部25が、計算ボタン押下のユーザ操作を受け付けると、操作受付部25は、サービス総収支の入力項目であるサービス予算と取引収入の関係者ID及び初期収入及び運用収入と開発費用と取引支出の関係者ID及び初期支出及び運用支出とサービス期間とのそれぞれの入力値をサービス総収支情報として取得する。その後、操作受付部25は、通信部22を用いて、取得したサービス総収支情報とともに、表示情報作成要求をサービス検討支援装置10へ送信する(ステップS601)。
【0055】
通信部12を通して表示情報作成要求を受けた入力部13は、受信データに含まれるサービス総収支情報を取得する。その後、表示作成部14は、取得したサービス総収支情報のサービス収支情報を基に、サービスデータ112のサービス収支情報を更新する。その後、取得したサービス総収支情報の取引収入の関係者ID及び初期収入及び運用収入と取引支出の関係者ID及び初期支出及び運用支出を取得する。その後、取得した関係者IDをキーとして取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出とを更新する。取得したレコードが複数あれば、同じ処理を繰り返す。その後、収支作成部15は、サービスデータ112と取引データ113とを基に、サービスの利益を計算する。その後、サービスデータ112のサービス予算と開発費用とサービス期間と、取引データ113の初期収入と運用収入と初期支出と運用支出と計算した利益とからなるサービス総収支情報を作成する(ステップS602)。
【0056】
続いて、表示作成部14は、サービス総収支情報からなる、表示情報を作成する。その後、表示作成部14は、通信部12を用いて、作成した表示情報とともに、表示情報作成要求回答を操作端末20と操作端末30とへ送信する(ステップS603)。
【0057】
操作端末20の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末20の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス総収支を表示する(ステップS604)。
【0058】
操作端末30の通信部22を通して表示情報作成要求回答を受けた操作端末30の表示部24は、受信データに含まれる表示情報を基に、サービス総収支を表示する(ステップS605)。
【0059】
なお、操作端末からの表示情報作成要求が重複しないよう、排他制御をかけても良い。
【0060】
***実施の形態2の効果***
ネットワークに接続された複数の操作端末による操作を基に、サービス検討支援システムがサービス相関図とサービス総収支とを作成し、複数の操作端末に同一のサービス相関図とサービス総収支とを表示するため、在宅勤務中のユーザ同士など、ユーザが集まることなく、サービスの検討を行うことができる。
【0061】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0062】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 サービス検討支援システム、2 ネットワーク、10 サービス検討支援装置、11 記憶部、12 通信部、13 入力部、14 表示作成部、15 収支作成部、20 操作端末、21 記憶部、22 通信部、23 入力部、24 表示部、25 操作受付部、30 操作端末、101 処理装置、102 保存装置、103 通信装置、104 入出力装置、105 電子回路、111 初期表示マスタ、112 サービスデータ、113 取引データ、114 相関図表示データ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する事業者の情報と、前記サービスの関係者であるサービス関係者情報と、
前記事業者と前記サービス関係者間の取引の情報と、
前記サービスの前記取引以外の収支の情報であるサービス予算と、開発費用と、サービス期間とを含むサービス収支情報と、
前記取引の収支の情報である初期収入と、前記サービス期間内の年単位の運用収入と、初期支出と、前記サービス期間内の年単位の運用支出とを含む収支取引情報と、
が入力される入力部と、
前記事業者を示す図形と、前記サービス関係者を示す図形と、前記事業者と前記サービス関係者間の取引を示す図形と含むサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部と、
前記サービス予算と、前記開発費用と、前記サービス期間と、前記初期収入と、前記運用収入と、前記初期支出と、前記運用支出とを基に利益を算出し、前記サービス収支情報と、前記収支取引情報と、前記利益とからなる前記サービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する収支作成部と、
記サービス相関図と、前記サービス総収支情報とを表示する表示部とを備え
サービス検討支援システム。
【請求項2】
前記サービス関係者は、
前記事業者が収入を得て対価を提供する取引を行う顧客と、
前記事業者が費用を支出して対価を得る取引を行うベンダとを含み、
前記取引は、
収支に関する取引である収支取引と、
対価に関する取引である対価取引とを含み、
前記表示作成部は、
前記事業者を示す図形を、前記サービス相関図の略中心に配置し、
前記顧客を示す図形を、前記事業者を示す図形の配置位置より上部に配置し、
前記ベンダを示す図形を、前記事業者を示す図形の配置位置の上部以外に配置し、
前記収支取引を示す図形を、前記取引の当事者間に配置し、
前記対価取引を示す図形を、前記取引の当事者間に配置することを示す前記表示情報を作成する、
請求項1に記載のサービス検討支援システム。
【請求項3】
前記表示作成部は、さらに、
収支の流れと収支金額に応じて前記収支取引を示す図形の形状を変更して前記表示情報を作成し、
対価の流れと対価種類に応じて前記対価取引を示す図形の形状を変更して前記表示情報を作成する、
請求項2に記載のサービス検討支援システム。
【請求項4】
さらに、
前記サービス相関図に表示する前記事業者と前記サービス関係者を示す図形と前記収支取引を示す図形と前記対価取引を示す図形とからなるオブジェクトに対して、前記サービス相関図上で
操作を受け付ける操作受付部を備え、
前記操作受付部は、
前記サービス相関図に追加する操作を受け付けた前記オブジェクトの情報を前記表示情報に追加し、
前記サービス相関図上で変更する操作を受け付けた前記オブジェクトの前記表示情報を変更し、
前記サービス相関図から削除する操作を受け付けた前記オブジェクトの前記表示情報を削除する、
請求項2又は3に記載のサービス検討支援システム。
【請求項5】
前記収支作成部は、
前記利益を、
前記サービス予算と、前記初期収入と、前記運用収入に前記サービス期間を乗算した結果とを加算することにより、前記サービス期間の収入を計算し、
前記開発費用と、前記初期支出と、前記運用支出に前記サービス期間を乗算した結果とを加算することにより、前記サービス期間の支出を計算し、
前記サービス期間の収入から前記サービス期間の支出を減算することにより算出する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のサービス検討支援システム。
【請求項6】
前記サービス検討支援システムは、クラウド上に構築される、
請求項1~のいずれか1項に記載のサービス検討支援システム。
【請求項7】
サービスを提供する事業者の情報と、前記サービスの関係者であるサービス関係者情報と、
前記事業者と前記サービス関係者間の取引の情報と、
前記サービスの前記取引以外の収支の情報であるサービス予算と、開発費用と、サービス期間とを含むサービス収支情報と、
前記取引の収支の情報である初期収入と、前記サービス期間内の年単位の運用収入と、初期支出と、前記サービス期間内の年単位の運用支出とを含む収支取引情報と、が入力される入力部と、
前記事業者を示す図形と、前記サービス関係者を示す図形と、前記事業者と前記サービス関係者間の取引を示す図形と含むサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成部と
前記サービス予算と、前記開発費用と、前記サービス期間と、前記初期収入と、前記運用収入と、前記初期支出と、前記運用支出とを基に利益を算出し、前記サービス収支情報と、前記収支取引情報と、前記利益とからなる前記サービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する収支作成部とを備え
サービス検討支援装置。
【請求項8】
サービスを提供する事業者の情報と、前記サービスの関係者であるサービス関係者情報と、
前記事業者と前記サービス関係者間の取引の情報と、
前記サービスの前記取引以外の収支の情報であるサービス予算と、開発費用と、サービス期間とを含むサービス収支情報と、
前記取引の収支の情報である初期収入と、前記サービス期間内の年単位の運用収入と、初期支出と、前記サービス期間内の年単位の運用支出とを含む収支取引情報と、が入力される入力処理と、
前記事業者を示す図形と、前記サービス関係者を示す図形と、前記事業者と前記サービス関係者間の取引を示す図形と含むサービス相関図を表示する表示情報を作成する表示作成処理と、
前記サービス予算と、前記開発費用と、前記サービス期間と、前記初期収入と、前記運用収入と、前記初期支出と、前記運用支出とを基に利益を算出し、前記サービス収支情報と、前記収支取引情報と、前記利益とからなる前記サービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成する収支作成処理と、
記サービス相関図と、前記サービス総収支情報を表示する表示処理とを備え
サービス検討支援プログラム。
【請求項9】
入力部に、サービスを提供する事業者の情報と、前記サービスの関係者であるサービス関係者情報と、
前記事業者と前記サービス関係者間の取引の情報と、
前記サービスの前記取引以外の収支の情報であるサービス予算と、開発費用と、サービス期間とを含むサービス収支情報と、
前記取引の収支の情報である初期収入と、前記サービス期間内の年単位の運用収入と、初期支出と、前記サービス期間内の年単位の運用支出とを含む収支取引情報と、が入力されると、
表示作成部が、前記事業者の情報と、前記サービス関係者の情報と、前記取引の情報とに基づき、前記事業者を示す図形と、前記サービス関係者を示す図形と、前記事業者と前記サービス関係者間の取引を示す図形と含むサービス相関図を表示する表示情報を作成し、
収支作成部が、前記サービス予算と、前記開発費用と、前記サービス期間と、前記初期収入と、前記運用収入と、前記初期支出と、前記運用支出とを基に利益を算出し、前記サービス収支情報と、前記収支取引情報と、前記利益とからなる前記サービス全体の収支の情報であるサービス総収支情報を作成し、
表示部が、記サービス相関図と、前記サービス総収支情報を表示する、
サービス検討支援方法。