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特開2023-136801商品候補提示装置、電子秤、商品候補提示システム及び商品候補提示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136801
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】商品候補提示装置、電子秤、商品候補提示システム及び商品候補提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230922BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G07G1/00 331C
G07G1/00 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042695
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】堤 弘法
(72)【発明者】
【氏名】野々原 靖也
【テーマコード(参考)】
3E142
5L096
【Fターム(参考)】
3E142CA20
3E142EA02
3E142GA35
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA25
5L096DA04
5L096HA11
5L096JA24
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】商品選択に要する手間を低減することができる商品候補提示装置、電子秤、商品候補提示システム及び商品候補提示方法を提供する。
【解決手段】制御ユニット11は、撮像された商品の画像に基づいて、商品の画像を取得する取得部13と、画像に基づいて商品群から商品の候補を推定する推定部14と、商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶部12と、推定部14によって推定された商品の候補と、記憶部12に記憶されている特定商品とを提示する提示部15と、を備える。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された商品の画像に基づいて、前記商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示装置であって、
前記商品の画像を取得する取得部と、
前記画像に基づいて商品群から前記商品の候補を推定する推定部と、
前記商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶部と、
前記推定部によって推定された前記商品の候補と、前記記憶部に記憶されている前記特定商品とを提示する提示部と、を備える、商品候補提示装置。
【請求項2】
前記推定部は、学習済みモデルによって前記商品の候補を推定する、請求項1に記載の商品候補提示装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記商品が登録されてから所定の期間内である場合、前記商品に対応する前記学習済みモデルがない場合、及び、前記特定商品として指定されている場合の少なくとも一つである、請求項2に記載の商品候補提示装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記提示部における提示に対して前記特定商品が選択された場合、前記取得部によって取得された前記画像と前記特定商品とを対応付けて記憶する、請求項1~3のいずれか一項に記載の商品候補提示装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記商品群に複数の前記特定商品が含まれる場合、複数の前記特定商品のそれぞれについての前記推定部における推定結果に基づいて、複数の前記特定商品の提示の順番を変更する、請求項1~4のいずれか一項に記載の商品候補提示装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記推定部によって推定された前記商品の候補を第一画面に提示すると共に、前記記憶部に記憶されている前記特定商品を前記第一画面とは異なる第二画面に表示する、請求項1~5のいずれか一項に記載の商品候補提示装置。
【請求項7】
前記提示部は、前記推定部の推定結果において、前記特定商品の尤度が前記商品群において所定の順位内である場合には、前記特定商品を前記第一画面に提示する、請求項6に記載の商品候補提示装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載に商品候補提示装置と、
前記商品の重量を計量する計量部と、
前記商品候補提示装置で提示された候補の中から前記商品を選択する選択部と、
前記選択部において選択された前記商品と前記計量部において計量された当該商品の重量とに基づいて、前記商品の価格を算出する算出部と、を備える、電子秤。
【請求項9】
撮像された商品の画像に基づいて、前記商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示システムであって、
前記商品の画像を取得する取得部と、
前記画像に基づいて商品群から前記商品の候補を推定する推定部と、
前記商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶部と、
前記推定部によって推定された前記商品の候補と、前記記憶部に記憶されている前記特定商品とを提示する提示部と、を備える、商品候補提示システム。
【請求項10】
撮像された商品の画像に基づいて、前記商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示方法であって、
前記商品の画像を取得する取得ステップと、
前記画像に基づいて商品群から前記商品の候補を推定する推定ステップと、
前記商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶ステップと、
前記推定ステップにおいて推定された前記商品の候補と、前記記憶ステップにおいて記憶されている前記特定商品とを提示する提示ステップと、を含む、商品候補提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品候補提示装置、電子秤、商品候補提示システム及び商品候補提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品候補提示装置は、商品の画像を取得する取得部と、画像に基づいて商品群から商品の候補を推定する推定部と、推定部によって推定された商品の候補を提示する提示部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6177068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品候補提示装置において、新製品等の新たな商品(以下、「新商品」と称する。)が登録された場合、商品を推定する学習済みモデルにおいて新商品に該当するデータがなかったり、学習済みモデルの学習が不十分であったりするため、新商品については商品群から推定され難い。商品候補提示装置では、推定された商品の候補の少なくとも一部が、推定結果順(商品として尤もらしい順)に表示される。この場合、商品群から推定され難い新商品は、推定結果において上位には表示されない。提示部において、商品の選択画面が複数にわたって表示される場合や、商品の選択画面がスクロールによって表示される場合には、新商品が最後の方の画面やスクロールの下方に表示され得る。そのため、新商品については、商品選択に手間を要していた。
【0005】
本発明の一側面は、商品選択に要する手間を低減することができる商品候補提示装置、電子秤、商品候補提示システム及び商品候補提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る商品候補提示装置は、撮像された商品の画像に基づいて、商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示装置であって、商品の画像を取得する取得部と、画像に基づいて商品群から商品の候補を推定する推定部と、商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶部と、推定部によって推定された商品の候補と、記憶部に記憶されている特定商品とを提示する提示部と、を備える。
【0007】
本発明の一側面に係る商品候補提示装置では、記憶部において商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶し、提示部において推定部によって推定された商品の候補と、記憶部に記憶されている特定商品とを提示する。この構成では、例えば、新商品を特定商品として記憶部に記憶することによって、推定部によって推定された商品の候補と同等に特定商品を提示部に提示することができる。そのため、提示部において、商品の選択画面が複数にわたって表示される場合や、商品の選択画面がスクロールによって表示される場合であっても、新商品が最後の方の画面やスクロールの下方に表示されることを回避できる。したがって、商品候補提示装置では、商品選択に要する手間を低減することができる。
【0008】
一実施形態においては、推定部は、学習済みモデルによって商品の候補を推定してもよい。学習済みモデルによって商品の候補を推定する構成では、推定部において新商品が推定され難い。そのため、新商品を特定商品として記憶して提示部に表示させる構成は、学習済みモデルによって商品の候補を推定する場合において特に有効である。
【0009】
一実施形態においては、所定の条件は、商品が登録されてから所定の期間内である場合、商品に対応する学習済みモデルがない場合、及び、特定商品として指定されている場合の少なくとも一つであってもよい。新商品は、商品が登録されてから所定の期間内である場合や、商品に対応する学習済みモデルがない場合に該当する。また、ユーザが任意に商品を特定商品として設定したい場合もある。したがって、所定の条件を上記内容に設定することにより、特定商品として記憶部に記憶させることができる。
【0010】
一実施形態においては、記憶部は、提示部における提示に対して特定商品が選択された場合、取得部によって取得された画像と特定商品とを対応付けて記憶してもよい。この構成では、画像と特定商品とを対応付けたデータを学習済みモデルの教師データとして使用することができる。これにより、推定部における特定商品の推定精度の向上を図ることができる。
【0011】
一実施形態においては、提示部は、商品群に複数の特定商品が含まれる場合、複数の特定商品のそれぞれについての推定部における推定結果に基づいて、複数の特定商品の提示の順番を変更してもよいも。この構成では、複数の特定商品について、例えば商品として尤もらしい順に掲示することができる。
【0012】
一実施形態においては、提示部は、推定部によって推定された商品の候補を第一画面に提示すると共に、記憶部に記憶されている特定商品を第一画面とは異なる第二画面に表示してもよい。この構成では、推定部によって推定された商品の候補と特定商品とが別の画面に表示されため、特定商品を一見して確認することができる。
【0013】
一実施形態においては、提示部は、推定部の推定結果において、特定商品の尤度が商品群において所定の順位内である場合には、特定商品を第一画面に提示してもよい。この構成では、画像に基づく商品が特定商品である可能性が高い場合には、第二画面ではなく第一画面に特定商品が掲示される。そのため、特定商品を選択し易くなる。
【0014】
本発明の一側面に係る電子秤は、上記の商品候補提示装置と、商品の重量を計量する計量部と、商品候補提示装置で提示された候補の中から商品を選択する選択部と、選択部において選択された商品と計量部において計量された当該商品の重量とに基づいて、商品の価格を算出する算出部と、を備える。
【0015】
本発明の一側面に係る電子秤では、上記の商品候補提示装置を備えている。したがって、電子秤では、商品選択に要する手間を低減することができる。
【0016】
本発明の一側面に係る商品候補提示システムは、撮像された商品の画像に基づいて、商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示システムであって、商品の画像を取得する取得部と、画像に基づいて商品群から商品の候補を推定する推定部と、商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶部と、推定部によって推定された商品の候補と、記憶部に記憶されている特定商品とを提示する提示部と、を備える。
【0017】
本発明の一側面に係る商品候補提示システムでは、記憶部において商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶し、提示部において推定部によって推定された商品の候補と、記憶部に記憶されている特定商品とを提示する。この構成では、例えば、新商品を特定商品として記憶部に記憶することによって、推定部によって推定された商品の候補と同等に特定商品を提示部に提示することができる。そのため、提示部において、商品の選択画面が複数にわたって表示される場合や、商品の選択画面がスクロールによって表示される場合であっても、新商品が最後の方の画面やスクロールの下方に表示されることを回避できる。したがって、商品候補提示システムでは、商品選択に要する手間を低減することができる。
【0018】
本発明の一側面に係る商品候補提示方法は、撮像された商品の画像に基づいて、商品の候補をユーザに選択させせるために提示する商品候補提示方法であって、商品の画像を取得する取得ステップと、画像に基づいて商品群から商品の候補を推定する推定ステップと、商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶する記憶ステップと、推定ステップにおいて推定された商品の候補と、記憶ステップにおいて記憶されている特定商品とを提示する提示ステップと、を含む。
【0019】
本発明の一側面に係る商品候補提示方法では、記憶ステップにおいて商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶し、提示ステップにおいて推定部によって推定された商品の候補と、記憶ステップにおいて記憶されている特定商品とを提示する。この方法では、例えば、新商品を特定商品として記憶ステップにおいて記憶することによって、推定ステップにおいて推定された商品の候補と同等に特定商品を提示することができる。そのため、商品の選択画面が複数にわたって表示される場合や、商品の選択画面がスクロールによって表示される場合であっても、新商品が最後の方の画面やスクロールの下方に表示されることを回避できる。したがって、商品候補提示方法では、商品選択に要する手間を低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によれば、商品選択に要する手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、一実施形態に係る会計処理システムを示す模式図である。
図2図2は、会計処理システムが有する価格決定装置のブロック図である。
図3図3は、表示部に表示される商品の候補の例である。
図4図4は、表示部に表示される商品の候補の例である。
図5図5は、表示部に表示される商品の価格の例である。
図6図6は、商品候補提示システムのブロック図である。
図7図7は、学習モデルのアルゴリズムのニューラルネットワークを概念的に表した図である。
図8図8は、会計処理システムの会計処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
(1)全体概要
商品候補提示システム10及び会計処理システム40の概要を、図1を参照して説明する。図1は、商品候補提示システム10を備える会計処理システム40を模式的に示す図である。
【0024】
図1に示されるように、会計処理システム40は、商品候補提示システム10と価格決定装置20と、を含む。商品候補提示システム10は、撮像された商品の画像に基づいて、商品の候補をユーザに選択させるために提示する。会計処理システム40は、商品候補提示システム10で提示された候補の中から、ユーザが選択した商品の価格を価格決定装置20で決定する。
【0025】
商品候補提示システム10は、制御ユニット(商品候補提示装置)11を含む。制御ユニット11は、ネットワークNWを介して、価格決定装置20と通信可能に接続されている。ネットワークNWは、LANであってもよいし、インターネット等のWANであってもよい。また、他の態様では、価格決定装置20に、制御ユニット11の機能の一部又は全部が組み込まれていてもよい。さらに他の態様では、制御ユニット11の機能の一部又は全部がクラウドサーバに組み込まれている。すなわち、制御ユニット11の各機能部は、一部又は全部がクラウドサーバに含まれていてもよい。また、クラウドサーバは複数あってもよい。そのため、制御ユニット11の各機能部は、複数のクラウドサーバに分散して含まれていてもよい。
【0026】
制御ユニット11は、ネットワークNWを介して、ストアコンピュータ100とも通信可能に接続されていてもよい。ストアコンピュータ100は、会計処理システム40が利用される店舗等で販売や提供している商品群に関する各種情報を管理するコンピュータである。商品群に関する各種情報は、商品に係る商品関連情報が商品毎に記録された商品マスタを含む。商品マスタは、例えば、商品名、商品番号、単価等が対応付けられたテーブルである。
【0027】
会計処理システム40は、用途を限定するものではないが、例えば、スーパーマーケット等の店舗で利用される。会計処理システム40により会計処理が行われる商品は、例えば、惣菜等の各種類の商品200である。なお、会計処理システム40により会計処理が行われる商品(商品候補提示システム10により提示される候補の商品)は、パンや野菜等の食品であってもよいし、食品以外の商品であってもよい。
【0028】
(2)価格決定装置
会計処理システム40を構成する価格決定装置20について、図1図5を参照して説明する。図2は、価格決定装置20のブロック図である。図3及び図4は、表示部26に表示される商品候補提示システム10で提示された商品の候補の表示の例である。図5は、表示部26に表示される商品価格の表示の例である。
【0029】
価格決定装置20は、商品の売り場等に設置されている。価格決定装置20は、ネットワークNWを介して、商品候補提示システム10の制御ユニット11及びストアコンピュータ100と通信可能に接続されている。価格決定装置20は、ネットワークNWを介して制御ユニット11から、計量台24aに載置された商品200の候補を受信する。価格決定装置20(計量部24)は、計量台24aに載置された商品200の重量を計量する機能を有する。価格決定装置20は、制御ユニット11から送信される商品の候補と、ストアコンピュータ100から取得される商品の単価と、計量部24が計量した商品200の重量とに基づき、商品200の価格を決定する。
【0030】
図1に示されるように、価格決定装置20は、筐体21と、撮像部22と、光源23と、計量部24と、固定キー25と、表示部26と、制御ユニット27と、を備える。図2に示されるように、制御ユニット27は、制御部28と、選択部29と、記憶部30と、算出部31と、を含む。表示部26は、選択部29を含む。
【0031】
(2-1)筐体
図1に示されるように、筐体21は、収容部21aと、保持部21bと、連結部21cと、を含む。収容部21aは、計量部24を収容する。保持部21bは、収容部21a上に配置されている。連結部21cは、収容部21aと保持部21bとを連結している。連結部21cは、上下方向に延びる。
【0032】
(2-2)撮像部
図1及び図2に示されるように、撮像部22は、商品200を撮像する。撮像部22は、保持部21bに設けられる。撮像部22は、計量台24aの上に商品200が載置されると、後述する制御ユニット27の制御部28に制御されて、商品200を撮像し画像I(図3図4参照)を取得する。撮像部22は、例えば、カラーの画像を取得するCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等である。撮像部22は、ステレオカメラ、商品200の温度画像を取得する赤外線カメラ等を含んでもよい。撮像部22は、撮像した画像Iを、価格決定装置20から、ネットワークNWを介して商品候補提示システム10の制御ユニット11へと送信する。
【0033】
なお、撮像部22は、価格決定装置20とは独立した装置であってもよく、撮像部22が撮像した画像Iは、撮像部22の有する通信装置や、撮像部22が接続されるゲートウェイを用いて制御ユニット11へと送信されてもよい。
【0034】
(2-3)光源
光源23は、撮像部22が撮像する商品200を照らす。光源23は、保持部21bに設けられる。1または複数の光源23が、撮像部22の近傍に配置される。
【0035】
(2-4)計量部
計量部24は、商品の重量を計量する。計量部24は、収容部21aに設けられる。計量部24は、計量台24aと、図示しないロードセル、信号処理回路、及び送信モジュールと、を含む。計量台24aには、商品200が載置される。計量台24aの下方には、ロードセルが設けられる。ロードセルは、計量台24aに商品200が載置された際に生じる機械的な歪みを電気信号に変換する。信号処理回路は、ロードセルの出力する信号を増幅してデジタル信号に変換し、送信モジュールは、デジタル信号を制御ユニット27に送信する。
【0036】
(2-5)固定キー
固定キー25は、価格決定装置20の操作に必要な各種のキーを有する。固定キーは、収容部21aに設けられる。
【0037】
(2-6)表示部
表示部26は、各種の情報を表示する。本実施形態の表示部26は、タッチパネル式のディスプレイである。表示部26は、1つの画面を有してもよく、複数の画面を有してもよい。表示部26は、収容部21aに設けられる。
【0038】
図3及び図4に示されるように、表示部26には、撮像部22で撮像された商品200の画像Iと、この画像Iに基づいて、商品候補提示システム10で提示された商品の複数の候補とが表示される。図3及び図4に示される例では、左側に画像Iが表示され、右側に商品の候補が表示されている。
【0039】
図5に示されるように、表示部26は、選択部29により商品の候補の中からユーザが(タッチすることにより)選択した商品名、計量部24が計量した商品200の重量値、ストアコンピュータ100から取得される商品の単価、及び算出部31が算出した商品200の価格を表示する。
【0040】
(2-7)制御ユニット
図1に示されるように、制御ユニット27は、収容部21aに設けられる。制御ユニット27は、コンピュータにより実現されるものである。制御ユニット27は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0041】
制御ユニット27は、ネットワークNWを介して、制御ユニット11やストアコンピュータ100と通信可能に接続されている。図2に示されるように、制御ユニット27は、制御部28と、選択部29と、記憶部30と、算出部31と、出力部と、を含む。
【0042】
(2-7-1)制御部
制御部28は、計量部24の計量値に基づき、計量部24の計量台24aに商品200が載置されたことを検知すると、撮像部22を制御して、撮像部22に計量台24aに載置された商品200の画像を撮像させる。なお、制御部28は、記憶部30に予め記憶されている計量台24aのベース画像(商品が映り込んでいない状態で撮像された画像)と、現在撮像している画像とに差が生じたことを検知した際に、撮像部22に計量台24aに載置された商品200の画像を撮像させてもよい。また、制御部28は、自動で撮像部22を制御するのではなく、固定キー25等から入力される操作に基づいて、撮像部22に商品200の画像を撮像させてもよい。また、制御部28は、表示部26の表示を制御する。
【0043】
(2-7-2)選択部
選択部29は、商品候補提示システム10で提示された候補の中から商品を選択する。図3及び図4に示されるように、選択部29は、表示部26に含まれる。ユーザは、タッチパネル式のディスプレイである表示部26の選択部29を操作して、表示される商品の候補の中から正しい商品を選択する。
【0044】
図3では、選択部29は、商品A~商品Gと記載された各選択ボタン(区画して表示される各領域)である。図4では、商品H~商品Lと記載された各選択ボタンである。表示部26に表示された複数の候補としての商品A~商品G、商品H~商品Lの中に正しい商品があれば、ユーザは、選択部29として正しい商品が記載された選択ボタンを押すことで、正しい商品を選択できる。選択部29で選択された商品を、画像Iに対応する商品の入力として受け付ける。このため、選択部29で選択された商品に関する情報は、算出部に送信される。ユーザの選択結果は、価格決定装置20から、ネットワークNWを介してストアコンピュータ100に送信される。
【0045】
なお、制御ユニット27は、撮像部22に撮像させた商品200の画像と、選択部29で選択された商品に関する情報(人間が判断した正解の商品名)との組を、教師データとして出力する。出力された教師データは、制御ユニット11に入力され、後述する記憶部12の図示しない教師データ記憶領域に記憶される。そして、制御ユニット11は、新たな学習済みモデルを生成(構築)する際、元々存在した教師データの少なくとも一部と、新たに記憶された教師データの少なくとも一部とについて、生成前の学習モデルに学習させる。すなわち、追加された教師データを適宜学習することにより、学習済みモデルは更新される。このような学習は、会計処理とは別に行われるものであり、例えば店舗の閉店時等に行われる。
【0046】
(2-7-3)記憶部
記憶部30は、商品マスタや商品識別に必要な情報を記憶する。記憶部30は、ストアコンピュータ100から商品マスタを取得する。商品マスタは、少なくとも商品番号(ID)と、商品名、単価、定額等とが対応付けられたデータテーブルを含む。商品マスタは、更新(変更)可能である。
【0047】
(2-7-4)算出部
算出部31は、選択部29で選択された商品及び計量部24で計量された重量に基づき、商品の価格を算出する。具体的には、算出部31は、選択部29で選択された商品に関する情報を受信すると、その商品に関する情報を商品マスタから読み出す。ここでは、算出部31は、選択された商品に対応する商品の単価を商品マスタから取得する。算出部31は、計量部24から計量された重量値を取得する。そして、算出部31は、取得した重量値と、商品の単価とに基づいて、商品の価格を算出する。算出部31は、算出した価格を、表示部26に送信する。
【0048】
(3)商品候補提示システム
商品候補提示システム10について、図1図7を参照して説明する。図6は、商品候補提示システム10のブロック図である。図7は、制御ユニット11の記憶部12が有する学習済みモデルのアルゴリズムのニューラルネットワークを概念的に表した図である。
【0049】
図6に示されるように、商品候補提示システム10は、上述した制御ユニット11と、表示部26と、を備えている。制御ユニット11は、表示部26の表示を制御する。本実施形態の表示部26は、価格決定装置20に組み込まれている。制御ユニット11と表示部26とは、別部材であるが、一体化されたタブレット端末等であってもよい。
【0050】
制御ユニット11はコンピュータにより実現されるものである。制御ユニット11は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0051】
制御ユニット11は、記憶部12と、取得部13と、推定部14と、提示部15と、を含む。
【0052】
(3-1)記憶部
記憶部12は、各種情報を記憶する記憶領域として、商品マスタ記憶領域12aと、学習済みモデル記憶領域12bと、特定情報記憶領域12cと、を有する。
【0053】
商品マスタ記憶領域12aは、商品マスタを記憶する。商品マスタは、価格決定装置20の記憶部30に記憶されている商品マスタと同様である。ただし、記憶部30に記憶されている商品マスタは、上述した会計処理に用いるため、ストアコンピュータ100から得た最新の商品マスタに常に更新されているのが望ましい。一方、商品マスタ記憶領域12aに記憶されている商品マスタは、後述する学習済みモデルによる商品の推定結果に用いられるため、学習済みモデル記憶領域12bに記憶されている学習済みモデルが学習を行った時点の商品マスタとしてもよい。すなわち、商品マスタの内容は、記憶部30と商品マスタ記憶領域12aとの間で、販売商品の追加又は廃止に伴う不一致が生じていてもよい。
【0054】
学習済みモデル記憶領域12bは、学習済みモデルを記憶する。学習済みモデルは、機械学習によって生成されたモデルである。学習済みモデルは、記憶媒体、ネットワーク等を介して取得されている。
【0055】
特定情報記憶領域12cは、特定商品に係る特定情報を記憶する。特定商品は、商品群において所定の条件を満たす商品である。商品群とは、店舗等で販売や提供している商品を集めたものである。所定の条件は、商品が登録されてから所定の期間内である場合、商品に対応する学習済みモデルがない場合、及び、特定商品として指定されている場合の少なくとも一つである。
【0056】
本実施形態では、特定情報は、所定の条件として、商品が登録されてから所定の期間内である場合における商品に係る情報である。制御ユニット11は、ストアコンピュータ100から得た最新の商品マスタを商品マスタ記憶領域12aに記憶する際、最新の商品マスタ(以下、「新商品マスタ」と称する。)と商品マスタ記憶領域12aに記憶されている商品マスタ(以下、「旧商品マスタ」と称する。)とを比較する。制御ユニット11は、新商品マスタと旧商品マスタとの比較に基づいて差分を抽出し、差分の商品を一定期間(例えば、7日)、特定情報として設定する。特定情報記憶領域12cは、当該特定情報を記憶する。本実施形態では、特定情報記憶領域12cに、特定情報が五つ記憶されている(五つの特定商品がある)形態を一例に説明する。制御ユニット11は、特定商品について、一定期間が経過した場合には、当該商品に係る特定情報を特定情報記憶領域12cから削除する。
【0057】
(3-2)取得部
取得部13は、商品200の画像Iを取得する。商品200の画像Iは、撮像部22で撮像された画像であってもよく、撮像部22で撮像された画像から商品が抽出されたものであってもよい。また、商品200の画像Iは、撮像部22で撮像された画像に画像処理(例えば、撮像された画像の輝度値を、学習済みモデルが学習した画像の輝度値に合わせる補正等)が加えられたものであってもよい。ここでは、取得部13は、価格決定装置20からネットワークNWを介して送信されてくる画像Iを取得する。
【0058】
(3-3)推定部
推定部14は、画像Iに基づいて商品群から商品の候補を推定する。推定部14は、取得部13から、商品200の推定に利用する画像Iを取得する。
【0059】
本実施形態では、推定部14は、学習済みモデルによって商品の候補を推定する。学習済みモデルは、画像データに基づく画像が示す商品を機械学習によって予測して出力する。学習済みモデルは、ニューラルネットワークを含む。学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワークを含むものであってもよい。さらに、学習済みモデルは、複数の階層(例えば8層以上)のニューラルネットワークを含むものであってもよい。すなわち、ディープラーニングによって学習済みモデルが生成されてもよい。
【0060】
図7に示されるように、ニューラルネットワークは、例えば、入力層と、多層の中間層(隠れ層)と、出力層と、で構成されている。入力層は、p個のパラメータを要素とする入力値x(=x0、x1、x2、・・・xp)をそのまま中間層に出力する。中間層のそれぞれは、活性化関数により総入力を出力に変換してその出力を次の層に渡す。出力層は、活性化関数により総入力を、q個のパラメータを要素とするニューラルネットワークの出力ベクトルy(=y0、y1、・・・、yq)に変換する。各yiは、商品Siである可能性を数値として表現したものであり、商品Siごとに出力される。iは、商品ごとに付与される識別のための値であり、商品(の種類)の総数に基づいて決定されるパラメータの要素数から、1~qの値のいずれかと対応させる。
【0061】
ここでは、ニューラルネットワークは、画像の各画素の画素値を入力して、商品の推定結果を示す情報(出力ベクトルy)を出力する。ニューラルネットワークの入力層には、画像の画素数分のニューロンが設けられる。ニューラルネットワークの出力層には、商品の推定結果に係る情報を出力するためのニューロンが設けられる。出力層のニューロンの出力値に基づいて、商品を推定することができる。ニューロンの出力値は、例えば0~1の値である。この場合、ニューロンの値が大きいほど(値が1に近い程)、画像の商品である可能性が高く、ニューロンの値が小さい程(値が0に近い程)、画像の商品である可能性が低いことを示している。すなわち、商品Siのニューロン値(yi、又はyiに基づいて算出される値)が大きい場合、画像の商品は商品Siである確率が高く、商品Siのニューロン値が小さい場合、商品Siである確率が低いことを示している。
【0062】
推定部14は、画像Iを、学習済みモデルに入力する。推定部14は、入力させる画像を正規化してもよい。画像の正規化には、例えば、画像の縮小、拡大、トリミング等を行うことで行われる。また、推定部14は、入力する画像に対して、コントラストの調整、色の変更、フォーマットの変更等の各種の処理を行ってもよい。推定部14は、学習済みモデルのニューラルネットワークに画像を入力したことに応じて、ニューラルネットワークから出力された出力値を含む推定結果を取得する。推定結果には、商品マスタに登録されている全ての種類の商品が含まれる。
【0063】
推定部14は、推定結果に基づいて、候補の商品に対して順位をつける。すなわち、推定部14は、画像Iから推定される商品の尤度(上述したニューロン値に基づく、各商品である推定の確からしさ)を候補となりうる商品ごとに算出する。具体的には、推定部14は、ニューロン値が最も大きい商品から順に順位をつける。推定部14は、全ての商品について、商品番号と順位とを対応付けた推定情報を生成する。推定部14は、推定処理に使用した画像の画像情報及び推定情報を提示部15に送信する。
【0064】
(3-4)提示部
提示部15は、推定部14で推定された商品の候補(推定部14が推定した商品の内、尤度の大きいものから並べて所定の順位までに入る商品)を第一候補群として選び出すと共に、特定情報に基づいて商品の候補を第二候補群として選び出して、第一候補群及び第二候補群を提示する。第一候補群及び第二候補群は、商品マスタに含まれる商品で構成され、同じ商品を重複して含まない。第一候補群及び第二候補群のそれぞれは、1以上の商品で構成される。提示部15で提示する商品の候補は、表示部26に表示される。
【0065】
本実施形態の第一候補群は、推定部14(学習済みモデル)によって画像Iから推定される結果(尤度)に基づいて、候補の商品に対して順位をつけたものに基づいて決定される。第一候補群は、推定部14で推定された商品の順位のうち、所定の順位までの商品を順位が高い順に並べたものである。具体的には、第一候補群は、学習済みモデルが出力する推定の確からしさが大きい順に所定の順位であるk位(番目)までの商品を抽出したものである。詳細には、学習済みモデルの出力した各商品Siに対応するニューロン値yiが大きいものから、1位(番目)、2位(番目)、…、q位(番目)と順位をつけた商品Siにおいて、1~k位(番目)までの商品Siを抽出したものである。
【0066】
本実施形態の第二候補群は、第一候補群で選び出された商品を除いて、特定情報に基づいて決定される。第二候補群は、特定商品のうち、推定部14で推定された順位が高い順に並べたものである。なお、特定商品について、推定部14による推定の結果、推定部14で推定された商品の順位のうち、所定の順位までに含まれる場合には、特定商品であっても第一候補群に含まれる。
【0067】
ここでは、提示部15は、第二候補群を第一候補群とは異なる画面に提示する。この場合、表示部26は、最初の画面(第一画面)G1に推定部14に基づく尤度が高い順に所定個(数)の商品を並べて表示し、次の画面(第二画面)G2に、特定商品を推定部14に基づく尤度が高い順に並べて表示する。ここで、表示部26に同時に表示可能な商品の数には制限があるため、後述するように、提示部15により、表示部26の画面に表示される第一候補群及び第二候補群は限定される。表示部26の画面G2に表示しきれなかった第二候補群については、表示部26に表示される頁送りボタンBを(タッチして)選択することによって表示される次以降の画面に表示される。
【0068】
また、提示部15は、表示部26の最初の画面G1に第一候補群の少なくとも一部と、表示部26の画面G2に第二候補群の少なくとも一部と、を提示する。すなわち、提示部15は、表示部26が第一候補群及び第二候補群を異なる画面に表示できるように提示する。具体的には、上述したように、提示部15は、推定部14で推定された商品の順位のうち、1~k(kは任意の整数)番目までを第一候補群とする。また、提示部15は、特定情報記憶領域12cから特定情報を読み出して、特定情報のうち、第一候補群で選び出された商品を除いて順位をつけたものを第二候補群とする。
【0069】
なお、提示部15は、表示部26に、第一候補群の商品と、第二候補群の商品とを、非一つの画面において区画を分けて表示させることにより提示してもよい。また、提示部15は、表示部26に、第一候補群の商品と、第二候補群の商品とを、視覚的に異なるように表示させることにより提示してもよい。
【0070】
比較的正しく推定できる商品の画像(苦手でない商品の画像)に対して学習済みモデルが推定を行う場合、学習済みモデルの推定する商品は、尤度の高い方から特定の順位の商品までは、正解となる可能性が高いが、特定の順位以降の商品については、正解となる可能性が低いことがわかっている。例えば、ある商品群に対して、上位から1番目の商品まで、2番目の商品まで、…、4番目の商品までと順に候補に含めていく場合、含める商品を増やす度に、いずれかが正解である統計的な確率が向上して80%程度に到達するが、5番目、6番目の商品をさらに候補として加えても、いずれかが正解である統計的な確率がさして80%から向上しない(飽和する)ことがある。
【0071】
この場合、kを4と設定するのが好適である。kが4の場合、図3の表示部26の画面G1において、商品A~D(4つの商品)は、推定部14で推定された商品の候補の1~4番であり、商品E~G(同時に表示できる商品の数から決まり、この場合3つの商品)は、ランダムに選択された商品である。また、この場合、提示部15は、商品Dと商品Eとの間に境界線を設けてもよいし、商品A~Dの色と商品E~Gの色とを変えるように提示してもよい。kの値は、推定する商品群によって変わりうる値であり、商品群によっては4に限らない。
【0072】
(3-5)表示部
表示部26は、提示部15が提示する第一候補群及び第二候補群を表示する画面を有する。ここでは、表示部26は、価格決定装置20のディスプレイである。このため、提示部15が提示する画像Iに対応する商品の候補は、ネットワークNWを介して価格決定装置20の表示部26に送信される。
【0073】
表示部26は、画面を有している。上述したように、表示部26は、提示部15の出力(提示)に基づいて、最初の画面から次の画面に向けて、順に、正しい商品である確率が高い方から候補の商品が並んで表示される。図3及び図4では、各画面において、商品の画像Iを表示すると共に、提示部15が提示する商品の候補を表示する。図3に示されるように、表示部26の画面G1には、画像Iに対応する商品の候補が、確率の高い商品が上方にくるように、上下方向に並べて所定数(例えば、7つ)表示される。図4に示されるように、表示部26の画面G2には、特定商品の候補が、確率の高い商品が上方にくるように、上下方向に並べて所定数(例えば、5つ)表示される。
【0074】
(4)商品候補提示方法及び会計処理方法
商品候補提示方法及び会計処理方法について、図8を参照しながら説明する。図8は、価格処理方法を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートは、商品価格の決定処理の一例に過ぎず、矛盾のない範囲で適宜変更されてもよい。例えば、図8のフローチャートは、各ステップの順序を限定するものではなく、互いに矛盾しない範囲で各ステップの順序は適宜変更されてもよい。
【0075】
商品候補提示方法は、上述した商品候補提示システム10を用いる。会計処理方法は、上述した会計処理システム40を用いる。
【0076】
最初に、取得部13は、商品200の画像Iを取得する(ステップS1:取得ステップ)。このステップS1は、例えば以下のように実施される。商品200が計量台24aに載置されると、制御部28は撮像部22を制御して、撮像部22に商品200を撮像させる。次いで、ネットワークNWを介して、価格決定装置20の制御ユニット27が商品候補提示システム10の制御ユニット11に画像Iを送信する。取得部13は、送信されてきた画像Iを取得する。
【0077】
次に、推定部14により、画像Iに基づいて商品群から商品の候補を推定する(ステップS2:推定ステップ)。ここでは、推定部14は、機械学習による学習済みモデルを用いて、画像Iから推定される結果に基づいて、候補の商品に対して順位をつける。
【0078】
次に、提示部15により、推定部14で推定された商品の候補を第一候補群として選び出すと共に、特定情報に基づいて商品の候補を第二候補群として選び出して、第一候補群及び第二候補群を提示する(ステップS3:提示ステップ)。このステップS3は、例えば以下のように実施される。
【0079】
推定部14で推定された商品の順位のうち、1~k(kは任意の整数)番目までを第一候補群として選び出す。提示部15は、記憶部12の特定情報記憶領域12cの記憶された(記憶ステップ)特定情報を記憶部12から読み出して、特定情報のうち、第一候補群で選び出された商品を除いて順位をつけたものを第二候補群として選び出す。
【0080】
次に、提示部15が提示する第一候補群及び第二候補群を表示部26に表示する(ステップS4)。このステップS4では、制御ユニット11は、提示部15により提示された第一候補群及び第二候補群を、価格決定装置20の制御ユニット27に送信する。制御ユニット27は、商品の候補をユーザに選択させるために表示部26に表示する。
【0081】
次に、選択部29により、商品候補提示システム10で提示された候補の中から商品を選択する(ステップS5)。ここでは、ユーザが、タッチパネル式のディスプレイである表示部26を操作して、表示部26に表示されている商品の複数の候補から1の商品が記載された選択部29を押す。上記ステップS4及びS5は、例えば以下のように実施される。
【0082】
表示部26の最初の画面に、図3に示されるように、画像Iに対応する商品の候補が、確率の高い商品が上方にくるように、上下方向に並べて7つ表示させる。表示部26の次の画面に、図4に示されるように、特定商品の候補が、確立の高い商品が上方にくるように、上下方向に並べて5つ表示させる。これを見たユーザは、表示部26の選択部29を操作して、商品A~G、商品H~Lの中から正しい商品を選択する。例えば、ユーザは、正しい商品が記載された選択部29を押すことで、正しい商品を選択する。
【0083】
また、表示部26は、仮に推定部14による推定が全て正しくない場合には、ユーザが正しい商品を選択できるように構成されている。ここでは、最初の画面G1に第一候補群、次の画面G2に第二候補群が表示されているので、商品A~G、商品H~Lに正しい商品がない場合には、次の画面に、その他の商品を表示する。このように、ユーザは、正しい商品が含まれる画面まで、順次画面を繰り出すことが可能である。なお、この例では、表示部26は、画面G1に7つの商品、画面G2に5つの商品を表示しているが、画面に表示する商品の数は限定されるものではない。また、各画面に表示する商品の数は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。
【0084】
ユーザの商品の選択結果は、価格決定装置20から、ネットワークNWを介して制御ユニット11に送信される。また、価格決定装置20の計量部24は、計量台24aに置かれた商品200の重量を計量する(ステップS6)。このステップS6では、制御ユニット27は商品200の重量値を取得する。
【0085】
次に、選択部29で選択された商品及び計量部24で計量された重量に基づき、商品200の価格を算出する(ステップS7)。このステップS7では、算出部31は、記憶部30から読み出したステップS5でユーザが選択した商品の単価(ストアコンピュータ100から送信されてきた商品の単価)と、ステップS6で取得した商品200の重量値と、を乗じる計算を行い、算出値を商品200の価格に決定する。最後に、制御ユニット27により、図5に示されるように、ステップS7で決定された商品200の価格を、商品200の重量値及び単価と共に表示部26に表示する。
【0086】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る商品候補提示システム10では、記憶部12において商品群において所定の条件を満たす商品を特定商品として記憶し、提示部15において推定部14によって推定された商品の候補と、記憶部12に記憶されている特定商品とを提示する。この構成では、例えば、新商品を特定商品として記憶部12に記憶することによって、推定部14によって推定された商品の候補と同等に特定商品を提示部15に提示することができる。そのため、提示部15において、商品の選択画面が複数にわたって表示される場合や、商品の選択画面がスクロールによって表示される場合であっても、新商品が最後の方の画面やスクロールの下方に表示されることを回避できる。したがって、商品候補提示システム10では、商品選択に要する手間を低減することができる。
【0087】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、推定部14は、学習済みモデルによって商品の候補を推定する。学習済みモデルによって商品の候補を推定する構成では、推定部において新商品が推定され難い。そのため、新商品を特定商品として記憶して提示部15に表示させる構成は、学習済みモデルによって商品の候補を推定する場合において特に有効である。
【0088】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、所定の条件は、商品が登録されてから所定の期間内である場合、商品に対応する学習済みモデルがない場合、及び、特定商品として指定されている場合の少なくとも一つであってもよい。新商品は、商品が登録されてから所定の期間内である場合や、商品に対応する学習済みモデルがない場合に該当する。また、ユーザが任意に商品を特定商品として設定したい場合もある。したがって、所定の条件を上記内容に設定することにより、特定商品として記憶部12に記憶させることができる。
【0089】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、記憶部12は、提示部15における提示に対して特定商品が選択された場合、取得部13によって取得された画像と特定商品とを対応付けて記憶する。この構成では、画像と特定商品とを対応付けたデータを学習済みモデルの教師データとして使用することができる。これにより、推定部14における特定商品の推定精度の向上を図ることができる。
【0090】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、提示部15は、商品群に複数の特定商品が含まれる場合、複数の特定商品のそれぞれについての推定部14における推定結果に基づいて、複数の特定商品の提示の順番を変更する。この構成では、複数の特定商品について、例えば商品として尤もらしい順に掲示することができる。
【0091】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、提示部15は、推定部14によって推定された商品の候補を第一画面に提示すると共に、記憶部12に記憶されている特定商品を画面G1(図3参照)とは異なる画面G2(図4参照)に表示する。この構成では、推定部14によって推定された商品の候補と特定商品とが別の画面に表示されため、特定商品を一見して確認することができる。
【0092】
本実施形態に係る商品候補提示システム10では、提示部15は、推定部14の推定結果において、特定商品の尤度が商品群において所定の順位内である場合には、特定商品を画面G1に提示する。この構成では、画像に基づく商品が特定商品である可能性が高い場合には、画面G2ではなく画面G1に特定商品が掲示される。そのため、特定商品を選択し易くなる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0094】
上記実施形態では、制御ユニット11と価格決定装置20とを備える形態を一例に説明した。しかし、制御ユニット11及び価格決定装置20が電子秤として構成されていてもよい。
【0095】
上記実施形態では、記憶部12に記憶される特定情報は、所定の条件として、商品が登録されてから所定の期間内である場合における商品に係る情報である形態を一例に説明した。しかし、特定情報の所定の条件としては、商品に対応する学習済みモデルがない場合、及び/又は、特定商品として指定されている場合であってもよい。特定商品として指定される場合には、ユーザによる所定の操作によって、特定情報として記憶部12の特定情報記憶領域12cに記憶される。
【0096】
上記実施形態では、提示部15は、表示部26の画面G2に第二候補群を表示する形態を一例に説明した。特定情報として5つの商品が記憶部12に記憶されているため、図4に示す例では、表示部26の画面G2に商品H~Lを表示している。これについて、画面G2に表示される商品が所定数(例えば、7個)以下である場合、画面G2において、ランダムに選択された商品を表示してもよい。例えば、商品H~Lの他に、商品M及び商品Nを表示してもよい。
【0097】
上記実施形態では、第一候補群は、推定部14で推定された商品の順位のうち、1~k(kは任意の整数)番目の商品としているが、個数で区切らなくてもよい。この構成では、第一候補群は、ニューロン値が閾値以上の商品とする。このため、推定部でのニューロン値によって、第一候補群の数は異なる。
【0098】
上記実施形態では、推定部14は、学習済みモデルを利用して、画像Iに対応する商品を推定するが、これに限定されない。推定部14は、学習済みモデルを利用せずにルールベースで画像Iから商品を推定してもよい。例えば、制御ユニット11では、画像と商品との関係が予めプログラムで記述され、推定部14はこのプログラムに基づいて画像Iに対応する商品を推定してもよい。
【0099】
上記実施形態では、商品候補提示システム10は、ネットワークNWを介してストアコンピュータ100と通信可能に構成されているが、ストアコンピュータ100は省略されてもよい。
【0100】
上記実施形態では、推定部14は、商品マスタに登録されている全ての商品群から、撮像された商品の画像に基づいて、商品の候補を推定している。商品群には、欠品等の理由で取り扱われていない商品が含まれる。本変形例では、推定部は、取り扱いの無い商品を含まない商品群(取り扱いのある商品からなる商品群)から、撮像された商品の画像Iに基づいて、商品の候補を推定する。具体的には、商品マスタ記憶領域12aは、取り扱いのある商品を集めた商品マスタを記憶する。取り扱いのある商品とは、商品候補提示システム10の動作時に、商品候補提示システム10が使用される店舗等において、販売・提供している商品や、在庫が有る商品等を意味する。なお、販売・提供している商品とは、より具体的には、販売・提供しているとして店舗で管理されている商品である。また、在庫が有る商品とは、より具体的には、在庫が有るとして管理されている商品である。
【0101】
例えば、ストアコンピュータ100は、ネットワークNWを介して、制御ユニット11に対して各商品について取り扱いの有無に関する情報(以下、「取扱商品情報」とも称する。)を送信するように構成される。取扱商品情報は、要するに、取り扱いのある商品及び取り扱いの無い商品に関する情報である。ストアコンピュータ100は、所定のタイミングで取扱商品情報を送信する。また、ストアコンピュータ100は、制御ユニット11からの送信要求に応じて取扱商品情報を送信してもよい。制御ユニット11は、価格決定装置20から送信されてきたこれらの情報に基づき、記憶部12の商品マスタ記憶領域12aに記憶される商品マスタを書き換える。
【0102】
なお、取扱商品情報は、ストアコンピュータ100ではなく、価格決定装置20から制御ユニット11に送信されてもよい。例えば、スーパーマーケット等の店舗の店員等は、タッチパネル式のディスプレイである表示部26等の入力装置に対し、その日に取り扱われる(販売・提供される)商品を価格決定装置20に入力する。また、例えば、店員等は、在庫切れになった商品を、表示部26等の入力装置に対し、価格決定装置20に適宜入力する。価格決定装置20は、入力されたこれらの情報を、制御ユニット11に送信する。制御ユニット11は、価格決定装置20から送信されてきたこれらの情報に基づき、記憶部12の商品マスタ記憶領域12aに記憶される商品マスタを書き換える。
【0103】
また、商品マスタの内容が、記憶部30と商品マスタ記憶領域12aとの間で、販売商品の追加又は廃止に伴う不一致が生じている場合、推定部14を、記憶部30に記憶される取り扱いのある商品を集めた商品マスタ(商品マスタ記憶領域12aの商品マスタとの差分)を取得するように構成してもよい。本変形例の商品候補提示システム及び会計処理システムによれば、推定部14により、取り扱いの無い商品が画像Iに対応する商品として推定される可能性が低減される。したがって、推定部で画像Iから商品を精度良く推定できるので、第一候補群に正しい商品が含まれる可能性を向上できる。
【0104】
上記実施形態では、会計処理システム40は、商品200を計量し、商品200の重量に商品200の単価を乗ずることで商品200の価格を決定するが、これに限定されない。会計処理システムの価格決定装置は、商品200の計量機能を有さなくてもよい。本変形例の会計処理システムは、商品200の選択結果と、ストアコンピュータ100から取得される商品の価格の情報とに基づき、商品200の価格を決定する。
【符号の説明】
【0105】
10…商品候補提示システム、11…制御ユニット(商品候補提示装置)、12…記憶部、13…取得部、14…推定部、15…提示部、24…計量部、29…選択部、31…算出部、G1…画面(第一画面)、G2…画面(第二画面)、I…画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8