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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013681
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】発炎筒
(51)【国際特許分類】
   G08B 5/40 20060101AFI20230119BHJP
   B60Q 7/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G08B5/40 B
B60Q7/00 660E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118037
(22)【出願日】2021-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591216473
【氏名又は名称】一般財団法人首都高速道路技術センター
(71)【出願人】
【識別番号】513220562
【氏名又は名称】首都高技術株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507230382
【氏名又は名称】首都高メンテナンス西東京株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510106968
【氏名又は名称】首都高メンテナンス東東京株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510273798
【氏名又は名称】首都高メンテナンス神奈川株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510073268
【氏名又は名称】首都高電気メンテナンス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509049090
【氏名又は名称】首都高ETCメンテナンス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】308031061
【氏名又は名称】首都高機械メンテナンス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】393022067
【氏名又は名称】国際化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】坂爪 誠
(72)【発明者】
【氏名】永根 成一郎
(72)【発明者】
【氏名】深山 大介
(72)【発明者】
【氏名】水谷 亮勝
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 勝
(72)【発明者】
【氏名】柵木 賢資
(72)【発明者】
【氏名】秋場 恭兵
(57)【要約】
【課題】 転がりにくい発炎筒を提供する。
【解決手段】 発炎筒1は、点火薬11が一端に設けられた紙筒2と、紙筒2の他端が嵌合される底栓4と、転がりを抑制するための転がり抑制部材5と、を備える。転がり抑制部材5は、折り目ラインを挟んで配置された矩形形状の紙片5a及び紙片5bを有する。紙片5aには開口部21が設けられている。紙片5bには開口部22が設けられている。転がり抑制部材5は、折り目ラインに沿って折り曲げられ、底栓4が開口部21及び開口部22を貫通するように底栓4に装着される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火薬が一端に設けられ、前記点火薬の点火に起因して発炎を起こす発炎薬が内部に充填された筒部材と、
前記筒部材の他端が嵌合される底栓と、
転がりを抑制するための転がり抑制部材と、を備え、
前記転がり抑制部材は、第1の折り目ラインを挟んで配置された矩形形状の第1の薄板状材料及び第2の薄板状材料を有し、
前記第1の薄板状材料及び前記第2の薄板状材料にはそれぞれ、第1の開口部及び第2の開口部が設けられ、
前記転がり抑制部材は、前記第1の折り目ラインに沿って折り曲げられ、前記底栓が前記第1の開口部及び前記第2の開口部を貫通するように前記底栓に装着される、ことを特徴とする発炎筒。
【請求項2】
前記転がり抑制部材は、前記第1の折り目ラインに垂直な面から見て前記第1の薄板状材料及び前記第2の薄板状材料が略V字形状を形成するように前記底栓に装着される、請求項1に記載の発炎筒。
【請求項3】
前記底栓は、前記第1の開口部と前記第2の開口部のうちの一方と係合するために外周に設けられた環状溝部を有する、請求項1又は2に記載の発炎筒。
【請求項4】
前記転がり抑制部材は、前記第1の薄板状材料又は前記第2の薄板状材料と第2の折り目ラインを挟んで配置された矩形形状の第3の薄板状材料を有し、
前記第3の薄板状材料は、前記底栓が貫通するための第3の開口部を有し、
前記転がり抑制部材は、前記第2の折り目ラインに沿って折り曲げられ、前記第1の折り目ライン及び前記第2の折り目ラインに垂直な面から見て前記第1の薄板状材料、前記第2の薄板状材料及び前記第3の薄板状材料が略Z字形状を形成するように前記底栓に装着される、請求項1~3の何れか一項に記載の発炎筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発炎筒に関する。
【背景技術】
【0002】
発炎筒を点火して走行中の車両から投下する場合、3分間の発炎を行う発炎筒(3分用発炎筒)、5分間の発炎を行う発炎筒(5分用発炎筒)等が使用される。例えば、予め決定された速度(例えば、時速20km)で走行する作業車の助手席に乗った作業員は、道路上の交通規制、工事等のために設定された投下目的位置を横切った後に発炎筒を当該投下目的位置に向けて投下する。
【0003】
投下目的位置に向けた発炎筒の投下として、投下の際に手首をきかせることによって発炎筒の重心を中心として発炎筒を縦回転(垂直面で回転)させて投下するスナップスローが一般的に行われている。
【0004】
投下された発炎筒の着地後の転がりを十分に抑制するために、発炎筒本体に連結された底栓に係合される開口部が設けられた正方形の紙で構成された転がり抑制部材を有する発炎筒が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
このように正方形の紙で構成された転がり抑制部材を使用することによって、転がり抑制部材が路面に衝突したときに衝撃を十分に吸収することができるので、発炎筒が跳ね返りにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3099131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発炎筒を点火して走行中の車両から投下する場合、発炎筒の着地後に転がり停止するまでに要する時間に相当する転がり時間及び発炎筒の着地地点から転がり停止地点までの最短距離に相当する転がり距離を短縮することが望まれている。
【0008】
本発明の目的は、転がりにくい発炎筒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による発炎筒は、点火薬が一端に設けられ、点火薬の点火に起因して発炎を起こす発炎薬が内部に充填された筒部材と、筒部材の他端が嵌合される底栓と、転がりを抑制するための転がり抑制部材と、を備え、転がり抑制部材は、第1の折り目ラインを挟んで配置された矩形形状の第1の薄板状材料及び第2の薄板状材料を有し、第1の薄板状材料及び第2の薄板状材料にはそれぞれ、第1の開口部及び第2の開口部が設けられ、転がり抑制部材は、第1の折り目ラインに沿って折り曲げられ、底栓が第1の開口部及び第2の開口部を貫通するように底栓に装着される、ことを特徴とする。
【0010】
好適には、転がり抑制部材は、第1の折り目ラインに垂直な面から見て第1の薄板状材料及び第2の薄板状材料が略V字形状を形成するように底栓に装着される。
【0011】
好適には、底栓は、第1の開口部と第2の開口部のうちの一方と係合するために外周に設けられた環状溝部を有する。
【0012】
好適には、転がり抑制部材は、第1の薄板状材料又は第2の薄板状材料と第2の折り目ラインを挟んで配置された矩形形状の第3の薄板状材料を有し、第3の薄板状材料は、底栓が貫通するための第3の開口部を有し、転がり抑制部材は、第2の折り目ラインに沿って折り曲げられ、第1の折り目ライン及び第2の折り目ラインに垂直な面から見て第1の薄板状材料、第2の薄板状材料及び第3の薄板状材料が略Z字形状を形成するように底栓に装着される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、転がり時間及び転がり距離を短縮することができる発炎筒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態の発炎筒の側面図である。
図2図1の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで反時計回りに90°回転した図である。
図3図1の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで時計回りに90°回転した図である。
図4図1の発炎筒の上面図である。
図5図1の発炎筒の下面図である。
図6図1の底栓の一部断面図である。
図7図1の転がり抑制部材の展開図である。
図8】スナップスローによる図1の発炎筒の投下を説明するための図である。
図9】本発明の第2の実施の形態の発炎筒の側面図である。
図10図9の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで反時計回りに90°回転した図である。
図11図9の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで時計回りに90°回転した図である。
図12図9の発炎筒の上面図である。
図13図9の発炎筒の下面図である。
図14図9の底栓の一部断面図である。
図15図9の転がり抑制部材の展開図である。
図16】発炎筒の投下試験に用いた投下試験機の斜視図である。
図17図16の投下試験機を用いた投下試験を行った試験場の概略平面図である。
図18図16の投下試験機を用いた投下試験を行った試験場の概略側面図である。
図19図16の投下試験機を用いた投下試験によって得られた発炎筒の転がり距離の平均値及び転がり時間の平均値を転がり抑制部材の形状別に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による発炎筒を、図面を参照しながら説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、明瞭のために、図面の一部において、見えない部分の一部を破線で示す。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態の発炎筒の側面図であり、図2は、図1の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで反時計回りに90°回転した図であり、図3は、図1の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで時計回りに90°回転した図である。図4は、図1の発炎筒の上面図であり、図5は、図1の発炎筒の下面図である。
【0017】
図1~5に示す発炎筒1は、使用の際に点火して走行中の車両から投下される5分用発炎筒である。発炎筒1は、紙筒2と、キャップ3と、底栓4と、転がり抑制部材5と、ラベル6と、を備える。紙筒2は、クラフト紙によって構成されている。図1~3に示すように、紙筒2の一端には、点火薬11が設けられている。
【0018】
紙筒2の内部には、点火薬11の点火に起因して発炎を起こす発炎薬(図示せず)と、点火薬11から発炎薬に確実に着火させるための伝火薬(図示せず)と、が充填されている。紙筒2は、筒部材の一例である。
【0019】
図1~3に示すように、キャップ3は、紙筒2の外径と略同一の内径を有する円筒部3a及び円筒部3aの一端に位置する円形平坦部3bを有し、発炎筒1の点火時まで点火薬11をカバーするために、紙筒2の一端に着脱自在に取り付けられている。キャップ3は、例えば、ポリエチレンシートによって構成されている。
【0020】
図1~3に示すように、キャップ3の円形平坦部3bの外部に露出した側には、摩擦接触により点火薬11を点火させる側薬12が設けられており、キャップ3は、発炎筒1の点火時に紙筒2の一端から取り外される。
【0021】
底栓4は、紙筒2の外径と略同一の内径を有する略円筒形状であり、紙筒2の他端を嵌合して固定する。底栓4は、クラフト紙によって構成されている。本実施の形態では、底栓4の上半分に紙筒2の他端が嵌合される。
【0022】
図6は、図1の底栓の一部断面図である。図1~3及び図6に示すように、底栓4の長手方向の略中間部の外周には、環状溝部13が設けられている。環状溝部13は、例えば、絞り加工によって形成される。
【0023】
図1~3に示すように、転がり抑制部材5は、投下された発炎筒1の着地後の転がりを抑制するために底栓4に装着される。図7は、図1の転がり抑制部材の展開図である。転がり抑制部材5は、折り目ライン20を挟んで配置された正方形の紙片5a及び紙片5bを有する。折り目ライン20は、第1の折り目ラインの一例である。正方形は、矩形形状の一例である。
【0024】
紙片5a及び紙片5bは、同一形状であり、紙片5a及び紙片5bの辺は、底栓4の外径の略2倍である。紙片5a及び紙片5bは、ボール紙によって構成されている。紙片5a及び紙片5bのうちの一方は、第1の薄板状材料の一例である。紙片5a及び紙片5bのうちの他方は、第2の薄板状材料の一例である。
【0025】
紙片5aの略中央部分に、開口部21が設けられている。開口部21は、底栓4の環状溝部13に係合する。紙片5bの略中央部分に、開口部22が設けられている。開口部22は、底栓4が挿入されるように底栓4の外径より大きい直径の円の形状を有し、図1~3に示すように、開口部21とキャップ3の間に位置する。
【0026】
底栓4に装着された転がり抑制部材5は、底栓4の長手方向の軸線の周りで環状溝部13に沿って回転自在である。開口部21と開口部22のうちの一方は、第1の開口部の一例である。開口部21と開口部22のうちの他方は、第2の開口部の一例である。
【0027】
図1に示すように、転がり抑制部材5は、折り目ライン20に沿って折り曲げられ、開口部21及び開口部22を貫通するように底栓4に装着される。また、図1に示すように、転がり抑制部材5は、折り目ライン20に垂直な面から見て紙片5a及び紙片5bが略V字形状を形成するように底栓4に装着される。図1~7の3次元座標系のyz平面は、第1の折り目ラインに略垂直な面の一例である。
【0028】
開口部21を底栓4の環状溝部13に係合することによって、転がり抑制部材5を、図1~7の3次元座標系のyz平面から見て紙片5a及び紙片5bが形成する形状を略V字形状に保持した状態で底栓4に容易かつ確実に装着することができる。
【0029】
また、開口部22が開口部21とキャップ3の間に位置することによって、投下された発炎筒1の着地時に底栓4が路面に衝突した場合の底栓4による衝撃の吸収を効果的に行うことができる。
【0030】
上記第1の実施の形態では、図1~7の3次元座標系のyz平面から見て紙片5a及び紙片5bが形成する形状が略I字形状となるように、転がり抑制部材5を折り目ライン20に沿って更に折り曲げることができる。
【0031】
紙片5a及び紙片5bが形成する形状を略I字形状にした状態で発炎筒1をスナップスロー等によって投下することができるので、発炎筒1の投下の際に悪影響が及ぼされにくくなる。
【0032】
また、上記第1の実施の形態では、折り目ライン20の両側に、折り目ライン20に沿った折り曲げに要する力を軽減するための切れ込み部23が設けられている。
【0033】
したがって、折り目ライン20に沿って折り曲げることにより図1~7の3次元座標系のyz平面から見て長方形の長辺を略V字形状又は略I字形状にするのに要する力を軽減することができる。
【0034】
ラベル6は、発炎筒1の使用の際の注意事項等を記載しており、外部から見えるように紙筒2の外周に貼り付けられている。
【0035】
上記第1の実施の形態では、発炎筒1の図1~7の3次元座標系のz軸方向の長さは、156mmである。また、上記第1の実施の形態では、キャップ3の外径は、25mmである。
【0036】
また、上記第1の実施の形態では、底栓4の外径は、23.7mmである。また、上記第1の実施の形態では、紙筒2の外径、キャップ3の内径及び底栓4の内径は、22.4mmである。また、上記第1の実施の形態では、紙筒2の内径は、21.4mmである。
【0037】
また、上記第1の実施の形態では、紙片5aの辺及び紙片5bの辺はそれぞれ、40mmである。また、上記第1の実施の形態では、開口部21の径は、25mmである。また、上記第1の実施の形態では、開口部22の径は、30mmである。
【0038】
また、上記第1の実施の形態では、切れ込み部23の長さは、5mmである。さらに、上記第1の実施の形態では、紙片5a及び紙片5bがなす角度α(図1)は、20°である。したがって、転がり抑制部材5を有する発炎筒1は、運搬や保管上かさばらず支障をきたさないコンパクトサイズである。また、転がり抑制部材5を有する発炎筒1は、スナップスロー等による投下に支障をきたさない形状である。
【0039】
上記第1の実施の形態によれば、発炎筒1の長手方向の軸線が図1~7の3次元座標系のxy平面に垂直になるように複数の発炎筒1を梱包することができる。したがって、複数の発炎筒1の納入及び保管に悪影響が及ぼされにくくなる。
【0040】
また、上記第1の実施の形態によれば、紙片5a及び紙片5bに用いられる紙として比較的廉価なボール紙を選択することができ、かつ、1枚の長方形の紙に簡単な加工を行うことによって転がり抑制部材5を構成することができる。したがって、発炎筒1の製造コストは、大幅に上昇しない。
【0041】
図8は、スナップスローによる図1の発炎筒の投下を説明するための図である。ここでは、作業車Vの左側に設けられた投下目的位置(図示せず)を作業車Vが通過した直後に作業車Vの助手席に乗った作業員Pが発炎筒1を投下目的位置に向けて投下する場合について説明する。
【0042】
予め決定された速度(例えば、時速20km)で道路(例えば、高速道路)を走行する作業車Vが、作業員Pが投下目的位置を目視できる位置(例えば、作業車Vと投下目的位置の間の距離が10mとなる位置)に到着したとき、作業員Pは、発炎筒1のキャップ3を取り外す。そして、作業員Pは、キャップ3の側薬12との摩擦接触により発炎筒1の点火薬11を点火する。
【0043】
そして、図8(a)に示すように、作業員Pは、点火した発炎筒1の点火薬11を作業車Vの進行方向に向けて構える。この際に、図8(b)に示すように、作業員Pは、左手の中指、薬指及び小指によって発炎筒1の底栓4を握り、左手の人差し指及び中指によって発炎筒1の転がり抑制部材5を挟み、発炎筒1の転がり抑制部材5の紙片5a及び紙片5bが形成する形状が略I字形状にする。そして、作業員Pは、左手の親指を発炎筒1のラベル6に添える。
【0044】
走行する作業車Vが投下目的位置を通過した直後に、図8(c)に示すように、作業員Pは、左腕を矢印A方向に動かして下方に延ばす。次に、図8(d)に示すように、作業員Pは、左腕を矢印B方向に動かす。そして、図8(e)に示すように、作業員Pは、左腕の肘から下の部分を若干前方に振り上げる。
【0045】
次に、図8(f)に示すように、作業員Pは、左腕を図8(c)に示す左腕の位置に戻す。そして、図8(g)に示すように、作業員Pは、左腕を図8(c)に示す左腕の位置に戻したときの反動により、走行する作業車Vの左側後方にある投下目的位置に発炎筒1を投下する。
【0046】
この際に、図8(h)に示すように、作業員Pは、左腕の肘から下の部分が道路の面に略垂直になったときに矢印Cで示すように手首をきかせることによって、発炎筒1の重心を中心として発炎筒1を縦回転させる。
【0047】
上述したように、作業員Pは、図8(a)~図8(h)を参照しながら説明した手順に従って、左手の人差し指及び中指によって発炎筒1の転がり抑制部材5を挟みながら発炎筒1のスナップスローを行うことができる。したがって、作業員Pによる発炎筒1のスナップスローの際に悪影響が及ぼされにくくなる。
【0048】
図9は、本発明の第2の実施の形態の発炎筒の側面図であり、図10は、図9の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで反時計回りに90°回転した図であり、図11は、図9の発炎筒を発炎筒の長手方向の軸線の周りで時計回りに90°回転した図である。図12は、図9の発炎筒の上面図であり、図13は、図9の発炎筒の下面図である。
【0049】
図9~13に示す発炎筒1’は、紙筒2と、キャップ3と、底栓4’と、転がり抑制部材5’と、ラベル6と、を備える。図14は、図9の底栓の一部断面図である。図9~11及び図45に示すように、底栓4’は、外周に環状溝部13の他に環状溝部13’が設けられた点を除いて、図1~4及び図6に示す底栓4と同一の構成を有する。環状溝部13’は、例えば、絞り加工によって形成される。
【0050】
図9~13に示すように、転がり抑制部材5’は、投下された発炎筒1’の着地後の転がりを抑制するために底栓4’に装着される。図15は、図9の転がり抑制部材の展開図である。転がり抑制部材5’は、折り目ライン20’を挟んで配置された正方形の紙片5a’及び紙片5b’と、紙片5b’と折り目ライン20”を挟んで配置された正方形の紙片5c’と、を有する。折り目ライン20’は、第1の折り目ラインの一例である。折り目ライン20”は、第2の折り目ラインの一例である。正方形は、矩形形状の一例である。
【0051】
紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’は、同一形状であり、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’の辺は、底栓4の外径の略2倍である。紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’は、ボール紙によって構成されている。
【0052】
紙片5a’及び紙片5b’のうちの一方は、第1の薄板状材料の一例である。紙片5a’及び紙片5b’のうちの他方は、第2の薄板状材料の一例である。紙片5c’は、第3の薄板状材料の一例である。
【0053】
紙片5a’の略中央部分に、開口部21’が設けられている。開口部21’は、底栓4’の環状溝部13に係合する。紙片5b’の略中央部分に、開口部22’が設けられている。開口部22’は、底栓4’が挿入されるように底栓4’の外径より大きい直径の円の形状を有する。紙片5c’の略中央部分に、開口部21”が設けられている。開口部21”は、底栓4’の環状溝部13’に係合する。
【0054】
開口部21’と開口部22’のうちの一方は、第1の開口部の一例である。開口部21’と開口部22’のうちの他方は、第2の開口部の一例である。開口部21”は、第3の開口部の一例である。
【0055】
図9に示すように、転がり抑制部材5’は、折り目ライン20’及び折り目ライン20”に沿って折り曲げられ、開口部21’、開口部22’及び開口部21”を貫通するように底栓4’に装着される。
【0056】
また、図9に示すように、転がり抑制部材5’は、折り目ライン20’及び折り目ライン20”に垂直な面から見て紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’が略Z字形状を形成するように底栓4’に装着される。図9~15の3次元座標系のyz平面は、第1の折り目ライン及び第2の折り目ラインに略垂直な面の一例である。
【0057】
開口部21’及び開口部21”を底栓4’の環状溝部13及び環状溝部13’にそれぞれ係合することによって、転がり抑制部材5’を、図9~15の3次元座標系のyz平面から見て紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’が形成する形状を略Z字形状に保持した状態で底栓4’に容易かつ確実に装着することができる。そして、底栓4’に装着された転がり抑制部材5’は、底栓4’の長手方向の軸線の周りで環状溝部13及び環状溝部13’に沿って回転自在となる。
【0058】
上記第2の実施の形態では、折り目ライン20’の両側に、折り目ライン20’に沿った折り曲げに要する力を軽減するための切れ込み部23’が設けられている。また、上記第2の実施の形態では、折り目ライン20”の両側に、折り目ライン20”に沿った折り曲げに要する力を軽減するための切れ込み部23”が設けられている。
【0059】
したがって、折り目ライン20’及び折り目ライン20”に沿って折り曲げることにより図9~15の3次元座標系のyz平面から見て紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’が形成する形状を略Z字形状にするのに要する力を軽減することができる。
【0060】
上記第2の実施の形態では、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’の辺はそれぞれ、40mmである。また、上記第2の実施の形態では、開口部21’の径及び開口部21”の径はそれぞれ、25mmである。また、上記第2の実施の形態では、開口部22’の径は、30mmである。
【0061】
また、上記第2の実施の形態では、切れ込み部23’及び切れ込み部23”の長さはそれぞれ、5mmである。さらに、上記第2の実施の形態では、紙片5b’と紙片5a’又は紙片5c’とがなす角度β(図10)は、20°である。したがって、転がり抑制部材5’を有する発炎筒1’は、運搬や保管上かさばらず支障をきたさないコンパクトサイズである。また、転がり抑制部材5’を有する発炎筒1’は、スナップスロー等による投下に支障をきたさない形状である。
【0062】
上記第2の実施の形態によれば、発炎筒1’の長手方向の軸線が図9~15の3次元座標系のxy平面に垂直になるように複数の発炎筒1’を梱包することができる。したがって、複数の発炎筒1の納入及び保管に悪影響が及ぼされにくくなる。
【0063】
また、上記第2の実施の形態によれば、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’を構成する紙として比較的廉価な紙(例えば、ボール紙)を選択することができ、かつ、長方形の紙に簡単な加工を行うことによって転がり抑制部材5’を構成することができる。したがって、発炎筒1’の製造コストは、大幅に上昇しない。
【0064】
発炎筒1’をスナップスローによって投下する場合、作業員は、左手の中指、薬指及び小指によって発炎筒1’の底栓4’を握り、左手の親指及び人差し指を発炎筒1’のラベル6に添える。
【0065】
次に、従来の発炎筒と比較した上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態の発炎筒1’の転がり抑制効果を検証するために行った発炎筒の投下試験について説明する。発炎筒を車両から投下することによって投下試験行う場合、車両の速度、発炎筒の投下方法等により試験条件にばらつきが大きくなるおそれがある。
【0066】
投下試験の試験条件のばらつきをできるだけ小さくするために、作業員による上記スナップスローにより生じる発炎筒の重心を中心とした発炎筒の縦回転を再現するために作成した投下試験機を用いて投下試験を行った。
【0067】
図16は、発炎筒の投下試験に用いた投下試験機の斜視図であり、図17は、図16の投下試験機を用いた投下試験を行った試験場の概略平面図であり、図18は、図16の投下試験機を用いた投下試験を行った試験場の概略側面図である。
【0068】
図16に示すように、投下試験機31は、土台32と、回転軸33と、載置台34と、棒状部材35と、を備える。回転軸33は、土台32に設けられている。載置台34は、発炎筒が載せ置かれる。
【0069】
棒状部材35の一端は、土台32によって制約される角度範囲内で回転軸33の周りで回転自在となるように回転軸33に取り付けられ、棒状部材35の他端は、載置台34が取り付けられている。したがって、載置台34は、棒状部材35の長さと略同一の半径の円弧の軌跡に沿って移動可能である。
【0070】
投下試験機31から発炎筒1を投下する場合、先ず、上記投下試験を行う者の手によって、キャップ3が取り外された発炎筒1が載せ置かれた載置台34を、円弧の軌跡に沿って移動させて、破線で示すような載置台34の到達可能な最高地点に配置する。
【0071】
その後、上記投下試験を行う者が載置台34から手を離すことによって、載置台34が、一点鎖線で示すような載置台34の到達可能な最低地点に到達する。そして、遠心力によって発炎筒1が矢印a方向に投射され、発炎筒1の重心を中心として発炎筒1を縦回転(垂直面で回転)させる。したがって、投下試験機31から発炎筒の投下は、上記スナップスローによる発炎筒の投下に相当する。
【0072】
投下試験機31は、地面に置かれた作業台41(図18)に配置された。発炎筒を作業者から投下するときの発煙筒の地面からの高さが1.4m~1,5mであるので、地面から載置台34の到達可能な最低地点までの距離を1.4m~1,5mとなるように調整した。
【0073】
また、投下試験機31が発煙筒を投下する距離は、0.9m(測定値)であり、投下試験機31によって投下された発炎筒の初速は、時速7.3km(計算値)であり、発炎筒の着地時の水平法の速度は、時速5.9km(計算値)であった。
【0074】
図17及び図18に示す試験場において、O(図18)を基準座標原点(0,0)として設定し、図17に示すx軸及びy軸の矢印方向を正とし、cm単位で座標を設定した。また、投下試験機31によって投下される発煙筒の投下目的位置b(図18)の座標を(20,50)に設定した。
【0075】
また、図17及び図18に示す試験場において、試験場の全景を撮影するために、全体状況確認用カメラ42が、試験場の全景を撮影可能な位置に配置された。さらに、図17及び図18に示す試験場において、スーパースロー動画を撮影するために、挙動分析用カメラ43及び挙動分析用カメラ44が、レンズの中心軸の高さが35cmとなるように配置された。
【0076】
全体状況確認用カメラ42として、画質性能が1920×1080/60fps(60p 60i)であるJVC EverioR GZ-RX670を使用した。挙動分析用カメラ43及び挙動分析用カメラ44として、画質性能が1280×720/240fpsであるSONY Action Cam FDR-X3000Rを使用した。
【0077】
投下試験において、10本の従来の発炎筒、10本の上記第1の実施の形態の発炎筒1及び3本の上記第2の実施の形態の発炎筒1’をそれぞれ、投下試験機31によって投下した。上記従来の発炎筒として、転がり抑制部材5の代わりに正方形の紙で構成された転がり抑制部材を有する点を除いて上記第1の実施の形態の発炎筒1と同一の構成を有する発炎筒を用いた。
【0078】
10本の上記従来の発炎筒、10本の上記第1の実施の形態の発炎筒1及び3本の上記第2の実施の形態の発炎筒1’の一方の端部のそれぞれの着地地点の座標を、挙動分析用カメラ43,44によって撮影したスロー撮影動画を分析することによって画定した。
【0079】
また、10本の上記従来の発炎筒、10本の上記第1の実施の形態の発炎筒1及び3本の上記第2の実施の形態の発炎筒1’のそれぞれの転がり停止地点の座標を、各発炎筒に付されたラベルのうちの地面から最も離れた点の座標とした。
【0080】
また、10本の上記従来の発炎筒、10本の上記第1の実施の形態の発炎筒1及び3本の上記第2の実施の形態の発炎筒1’のそれぞれの転がり時間の測定を、挙動分析用カメラ43,44によって撮影したスロー撮影動画を用いることによって行った。
【0081】
さらに、10本の上記従来の発炎筒、10本の上記第1の実施の形態の発炎筒1及び3本の上記第2の実施の形態の発炎筒1’のそれぞれの転がり距離を、各発炎筒の着地地点の座標から転がり停止地点の座標までの最短距離とした。
【0082】
図19は、図18の投下試験機を用いた投下試験によって得られた発炎筒の転がり距離の平均値及び転がり時間の平均値を転がり抑制部材の形状別に示す図である。図19において、三角形は、上記従来の発炎筒の転がり距離の平均値及び転がり時間の平均値を表す。また、図19において、ひし形は、上記第1の実施の形態の発炎筒1の転がり距離の平均値及び転がり時間の平均値を表す。さらに、図19において、正方形は、上記第2の実施の形態の発炎筒1’ の転がり距離の平均値及び転がり時間の平均値を表す。
【0083】
図19に示すように、上記第1の実施の形態の発炎筒1の転がり時間は、上記従来の発炎筒よりも14%減少し、上記第1の実施の形態の発炎筒1の転がり距離は、上記従来の発炎筒よりも30%減少した。
【0084】
また、図19に示すように、上記第2の実施の形態の発炎筒1’の転がり時間は、上記従来の発炎筒よりも60%減少し、上記第2の実施の形態の発炎筒1’の転がり距離は、上記従来の発炎筒よりも34%減少した。
【0085】
上述したように、上記第1の実施の形態の発炎筒1と上記第2の実施の形態の発炎筒1’は、上記従来の発炎筒よりも転がり時間及び転がり距離の両方を短縮することができた。すなわち、折り目ラインに沿って折り曲げられて二つ以上の開口部を貫通するように底栓に装着された転がり抑制部材を備える本発明による発炎筒は、従来の発炎筒よりも転がり時間及び転がり距離の両方を短縮することができた。したがって、上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態の発炎筒1’のような本発明による発炎筒が従来の発炎筒よりも転がり抑制効果があることが示され、本発明によって、転がりにくい発炎筒を構成することができる。
【0086】
本発明は、上記第1の実施の形態又は上記第2の実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態の発炎筒1’は、5分間用発炎筒以外の発炎筒、例えば、3分間用発炎筒であってもよい。また、上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態の発炎筒1’を、スナップスロー以外の方法で投下してもよい。また、上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態の発炎筒1’を、発炎筒を点火して走行中の車両から投下する場合以外で使用してもよい。
【0087】
また、上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態において、紙筒2及び底栓4を、クラフト紙以外の紙によって構成してもよい。また、上記第1の実施の形態の発炎筒1及び上記第2の実施の形態において、紙筒2は、他のタイプの紙筒、例えば、伝火薬を用いないタイプの紙筒であってもよい。
【0088】
また、上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態において、キャップ3を、ポリエチレンシート以外の熱可塑性樹脂によって構成してもよい。また、上記第1の実施の形態において、底栓4の環状溝部13を省略してもよく、上記第2の実施の形態において、底栓4’の環状溝部13及び環状溝部13’を省略してもよい。
【0089】
また、上記第1の実施の形態において、紙片5a及び紙片5bを、ボール紙以外の紙で構成してもよく、上記第2の実施の形態において、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’を、ボール紙以外の紙で構成してもよい。
【0090】
また、上記第1の実施の形態において、紙片5a及び紙片5bを、紙以外の矩形形状の薄板状材料で構成してもよく、上記第2の実施の形態において、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’を、紙以外の矩形形状の薄板状材料で構成してもよい。
【0091】
矩形形状の薄板状材料として、樹脂シート、鉄板等を用いることができ、樹脂シートとして、例えば、弾力性の大きいポリエチレン又はプロピレンのシートを用いることができる。
【0092】
一つの矩形形状の薄板状材料によって転がり抑制部材を構成した場合、着地してから停止するまでの間等の発炎筒の軸方向及び横断方向の重心位置が略対称となる。それに対し、折り目ラインを挟んで配置された二つ又は三つの矩形形状の薄板状材料(断片部)によって転がり抑制部材を構成した場合、着地してから停止するまでの間等の発炎筒の軸方向及び横断方向の重心位置が非対称となる。
【0093】
このために、折り目ラインを挟んで配置された二つ又は三つの矩形形状の薄板状材料によって転がり抑制部材を構成した場合、着地してから停止するまでの間の発炎筒の転がり速度等が一つの矩形形状の薄板状材料によって転がり抑制部材を構成した場合よりも低くなる。したがって、薄板状材料として弾性力が大きい材料を用いたとしても、十分に転がりを抑制することができる。
【0094】
また、上記第1の実施の形態において、開口部22がキャップ3と開口部21の間に位置するように転がり抑制部材5を底栓4に取り付けてもよい。
【0095】
また、上記第1の実施の形態において、発炎筒1の図1~8の3次元座標系のz軸方向の長さは、153mm~159mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、キャップ3の外径は、23mm~27mmであってもよい。
【0096】
また、上記第1の実施の形態において、底栓4の外径は、21.7mm~25.7mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、紙筒2の外径、キャップ3の内径及び底栓4の内径は、20.4mm~22.4mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、紙筒2の内径は、19.4mm~23.4mmであってもよい。
【0097】
また、上記第1の実施の形態において、紙片5aの辺及び紙片5bの辺はそれぞれ、35mm~55mm及び70mm~110mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、開口部21の径は、20mm~30mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、開口部22の径は、25mm~40mmであってもよい。
【0098】
また、上記第1の実施の形態において、切れ込み部23の長さは、3mm~7mmであってもよい。また、上記第1の実施の形態において、紙片5aと紙片5bとがなす角度α(図1)は、発炎筒1の転がり抑制効果を奏するとともに発炎筒1の投下の際に悪影響が及ぼされにくくするために10°~45°であってもよい。
【0099】
また、上記第2の実施の形態において、紙片5a’の辺、紙片5b’の辺及び紙片5c’の辺はそれぞれ、35mm~55mm及び105mm~165mmであってもよい。また、上記第2の実施の形態において、開口部21’の径及び開口部21”の径はそれぞれ、20mm~30mmであってもよい。また、上記第2の実施の形態において、開口部22’の径は、25mm~40mmであってもよい。
【0100】
また、上記第2の実施の形態において、切れ込み部23’及び切れ込み部23”の長さはそれぞれ、3mm~7mmであってもよい。また、上記第2の実施の形態において、紙片5b’と紙片5a’又は紙片5c’とがなす角度β(図9)は、発炎筒1’の転がり抑制効果を奏するとともに発炎筒1’の投下の際に悪影響が及ぼされにくくするために10°~45°であってもよい。
【0101】
さらに、上記第2の実施の形態において、開口部21”を開口部22’と同一構成にしてもよい。この場合、折り目ライン20’及び折り目ライン20”に略垂直な面から見て紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’が形成する形状が略I字形状となるように、転がり抑制部材5’を折り目ライン20’及び折り目ライン20”に沿って更に折り曲げることができる。
【0102】
これによって、紙片5a’、紙片5b’及び紙片5c’が形成する形状を略I字形状にした状態で発炎筒1’をスナップスロー等によって投下することができるので、発炎筒1’の投下の際に悪影響が更に及ぼされにくくなる。
【符号の説明】
【0103】
1,1’ 発炎筒
2 紙筒
3 キャップ
3a 円筒部
3b 円形平坦部
4,4’ 底栓
5,5’ 転がり抑制部材
5a,5a’,5b,5b’,5c’ 紙片
6 ラベル
11 点火薬
12 側薬
13,13’ 環状溝部
20,20’,20” 折り目ライン
21,21’,21”,22,22’ 開口部
23,23’,23” 切れ込み部
31 投下試験機
32 土台
33 回転軸
34 載置台
35 棒状部材
41 作業台
42 全体状況確認用カメラ
43,44 挙動分析用カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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