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特開2023-136910冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136910
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20230922BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
G01R31/28 L
G01R31/26 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042841
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】中村 明裕
【テーマコード(参考)】
2G003
2G132
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AD03
2G003AH08
2G132AA01
2G132AF11
2G132AF14
2G132AL12
2G132AL22
(57)【要約】
【課題】冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能な冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置を提供する。
【解決手段】冷却ユニット21は、半導体デバイスの熱を放熱するためのジャケット31を備える。ジャケット31は、中央部32と、外側部33とを有する。中央部32には、固浸レンズを配置するための開口が形成されている。中央部32は、半導体デバイスとの間に空間S1を画定する空間画定面32aを有する。ジャケット31には、空間S1に供給される冷却流体が流れる供給流路が形成されている。外側部33は、半導体デバイスが配置されるステージに接触して空間S1の外縁部を画定する接触部39を構成している。ジャケット31には、空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となるように空間S1をジャケット31の外部に接続する通気経路65が形成されている。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスの検査において用いられる冷却ユニットであって、
前記半導体デバイスの熱を放熱するためのジャケットを備え、
前記ジャケットは、中央部と、前記中央部の周囲に位置する外側部と、を有し、
前記中央部には、前記半導体デバイスからの光が通過する開口が形成されており、
前記外側部は、前記半導体デバイスが配置されるステージに接触する接触部を有し、
前記ジャケットには、前記半導体デバイスを冷却するための冷却流体が流れる供給流路が形成されており、
前記ジャケットには、前記外側部の内側と前記ジャケットの外部との間での空気の流通を可能とする通気経路が形成されている、冷却ユニット。
【請求項2】
前記ジャケットにおける前記中央部と前記外側部との間には、溝部が形成されており、
前記通気経路は、前記溝部に接続されている、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
前記通気経路は、前記溝部に配置された通気部材を介して前記溝部に接続されている、請求項2に記載の冷却ユニット。
【請求項4】
前記通気部材は、前記通気経路に接続された内部空間を有し、
前記内部空間は、前記通気部材の側面において開口して前記溝部に接続されている、請求項3に記載の冷却ユニット。
【請求項5】
前記通気部材は、前記側面を含む本体部と、カバーと、を有し、
前記カバーは、前記側面に対して突出するように前記本体部上に配置されている、請求項4に記載の冷却ユニット。
【請求項6】
前記溝部は、前記中央部の上面から前記冷却流体が流れ落ちるように構成されており、
前記溝部には、外部に排出される前記冷却流体が流れる排出流路が接続されている、請求項2~5のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項7】
前記通気経路は、常に開放されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の冷却ユニットと、
前記開口に配置されるイマージョンレンズと、
前記イマージョンレンズと向かい合う対物レンズと、を備える対物レンズモジュール。
【請求項9】
前記対物レンズに取り付けられ、前記イマージョンレンズを保持するホルダと、
前記ホルダに設けられ、前記イマージョンレンズを前記対物レンズとは反対側に付勢する第1付勢部材と、
前記ジャケットに設けられ、前記イマージョンレンズに付勢力を作用させることなく前記ジャケットを前記ステージに向けて付勢する第2付勢部材と、を更に備える、請求項8に記載の対物レンズモジュール。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の冷却ユニットと、
前記開口に配置されるイマージョンレンズと、
前記半導体デバイスが配置されるステージと、
前記イマージョンレンズと向かい合う対物レンズと、
前記半導体デバイスからの光を前記イマージョンレンズ及び前記対物レンズを介して検出する光検出器と、を備える半導体検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~4には、半導体デバイスの検査において用いられる冷却ユニットが記載されている。これらの冷却ユニットは、駆動中の半導体デバイスを冷却しながら観察するために用いられる。特許文献1~3に記載された冷却ユニットでは、半導体デバイスに冷却液を噴射することにより、半導体デバイスが冷却される。特許文献4に記載された冷却ユニットでは、冷却ユニットと半導体デバイスとの間に空間が形成されるように冷却ユニットを配置し、冷却ユニットに設けられた供給流路から当該空間に冷却流体を流すことにより、半導体デバイスが冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6621275号公報
【特許文献2】特表2006-519359号公報
【特許文献3】米国特許公開2009-0095097号公報
【特許文献4】特開2020-106361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献4に記載されたような冷却ユニットの使用時には、冷却ユニットと半導体デバイスとの間の空間から冷却流体が排出されることで、当該空間内の圧力が負圧となっている場合がある。このような状態において例えば検査位置の変更のために冷却ユニットを半導体デバイスが配置されるステージに沿って側方に移動させようとすると、負圧によって冷却ユニットがステージに張り付いてしまい、冷却ユニットを移動させることができなかったり、移動精度が低下してしまったりするおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能な冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の冷却ユニットは、半導体デバイスの検査において用いられる冷却ユニットであって、半導体デバイスの熱を放熱するためのジャケットを備え、ジャケットは、中央部と、中央部の周囲に位置する外側部と、を有し、中央部には、半導体デバイスからの光が通過する開口が形成されており、外側部は、半導体デバイスが配置されるステージに接触する接触部を有し、ジャケットには、半導体デバイスを冷却するための冷却流体が流れる供給流路が形成されており、ジャケットには、外側部の内側とジャケットの外部との間での空気の流通を可能とする通気経路が形成されている。
【0007】
この冷却ユニットでは、ジャケットに、外側部の内側とジャケットの外部との間での空気の流通を可能とする通気経路が形成されている。これにより、外側部の接触部がステージに接触することで形成される空間とジャケットの外部との間での空気の流通が可能となり、当該空間内の圧力が負圧になることを抑制することができる。その結果、冷却流体を流しながら冷却ユニットをステージに沿って移動させる際に、負圧によって冷却ユニットがステージに張り付いてしまう事態の発生を抑制することができる。よって、この冷却ユニットによれば、冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能となる。
【0008】
ジャケットにおける中央部と外側部との間には、溝部が形成されており、通気経路は、溝部に接続されていてもよい。この場合、溝部は冷却流体で満たされにくいことから、通気経路を介した上記空間とジャケットの外部との間での空気の流通を確実化することができる。
【0009】
通気経路は、溝部に配置された通気部材を介して溝部に接続されていてもよい。この場合、通気経路に冷却流体が浸入することを抑制することができる。
【0010】
通気部材は、通気経路に接続された内部空間を有し、内部空間は、通気部材の側面において開口して溝部に接続されていてもよい。この場合、通気経路(内部空間)に冷却流体が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0011】
通気部材は、側面を含む本体部と、カバーと、を有し、カバーは、側面に対して突出するように本体部上に配置されていてもよい。この場合、通気経路(内部空間)に冷却流体が浸入することを一層効果的に抑制することができる。
【0012】
溝部は、中央部の上面から冷却流体が流れ落ちるように構成されており、溝部には、外部に排出される冷却流体が流れる排出流路が接続されていてもよい。この場合、外側部の接触部がステージに接触することで形成される空間に冷却流体を流す際に、冷却流体が当該空間の外縁部に至ることを抑制することができる。その結果、当該空間の外縁部から冷却流体が漏れることを抑制することができ、防水性能を向上することができる。
【0013】
通気経路は、常に開放されていてもよい。この場合、外側部の接触部がステージに接触することで形成される空間の圧力が負圧になることを確実に抑制することができる。
【0014】
本発明の対物レンズモジュールは、上記冷却ユニットと、開口に配置されるイマージョンレンズと、イマージョンレンズと向かい合う対物レンズと、を備える。この対物レンズモジュールによれば、上述した理由により、冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能となる。
【0015】
本発明の対物レンズモジュールは、対物レンズに取り付けられ、イマージョンレンズを保持するホルダと、ホルダに設けられ、イマージョンレンズを対物レンズとは反対側に付勢する第1付勢部材と、ジャケットに設けられ、イマージョンレンズに付勢力を作用させることなくジャケットをステージに向けて付勢する第2付勢部材と、を更に備えてもよい。この場合、冷却流体を流しながらの冷却ユニットのステージに沿っての移動を良好に実現することができる。
【0016】
本発明の半導体検査装置は、冷却ユニットと、開口に配置されるイマージョンレンズと、半導体デバイスが配置されるステージと、イマージョンレンズと向かい合う対物レンズと、半導体デバイスからの光をイマージョンレンズ及び対物レンズを介して検出する光検出器と、を備える。この半導体検査装置によれば、上述した理由により、冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、冷却流体を流しながら冷却ユニットを精度良く移動させることが可能となる冷却ユニット、対物レンズモジュール及び半導体検査装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る半導体検査装置の構成図である。
図2】対物レンズモジュールの周辺の断面図である。
図3】対物レンズモジュールの平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿っての冷却ユニットの断面図であり、図2の部分拡大図である。
図5図3のV-V線に沿っての冷却ユニットの断面図である。
図6図5の部分拡大図である。
図7図3のVII-VII線に沿っての冷却ユニットの断面図である。
図8図7の部分拡大図である。
図9】対物レンズモジュールの斜視図である。
図10】通気部材の分解斜視図である。
図11】(a)及び(b)は、実施形態に係る対物レンズモジュールの動作を説明するための図である。
図12】(a)及び(b)は、実施形態に係る対物レンズモジュールの動作を説明するための図である。
図13】(a)及び(b)は、第1変形例に係る対物レンズモジュールの動作を説明するための図である。
図14】(a)及び(b)は、第1変形例に係る対物レンズモジュールの動作を説明するための図である。
図15】第2変形例に係る対物レンズモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[半導体検査装置]
【0020】
図1に示される半導体検査装置1は、検査対象のデバイス(DUT:Device Under Test)である半導体デバイス2を観察して検査するための装置である。半導体検査装置1は、例えば、半導体デバイス2における故障箇所を特定するために用いられる。
【0021】
半導体デバイス2は、例えば、ロジックLSI(Large Scale Integration)を含むデバイスである。ロジックLSIは、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)構造のトランジスタ、バイポーラ構造のトランジスタ等により構成される。半導体デバイス2の消費電力は、例えば200W程度である。半導体デバイス2は、ステージ3に配置(固定)されている。
【0022】
半導体検査装置1は、信号入力装置11と、光源12と、光学系13と、光検出器14と、制御部15とを備えている。信号入力装置11は、半導体デバイス2に電気的に接続されており、半導体デバイス2に信号を入力して半導体デバイス2を駆動させる。信号入力装置11は、例えば、半導体デバイス2に刺激信号を加えるパルスジェネレータ、又は、半導体デバイス2にテスト信号を入力するテスタユニット等である。信号入力装置11は、半導体デバイス2に所定のテストパターン等の信号を繰り返し入力する。信号入力装置11が入力する信号は、変調電圧信号であってもよいし、直流電圧信号であってもよい。
【0023】
光源12は、半導体デバイス2を照明する光を出力する。光源12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(LaserDiode)、SLD(Super luminescent Diode)又はランプ光源等である。光源12から出力される光の波長は、例えば1064nm以上であってもよい。光源12から出力された光は、光学系13に導かれる。
【0024】
光学系13は、光源12から出力された光を半導体デバイス2の表面2aへ導光すると共に、半導体デバイス2の表面2aからの光を光検出器14へ導光する。光学系13は、例えば、対物レンズ16、光スキャナ(図示省略)及びビームスプリッタ(図示省略)を含んで構成されている。対物レンズ16は、光源12から出力されてビームスプリッタ及び光スキャナによって導かれた光を、観察エリアに集光したり観察エリアにて走査したりする。光学系13は、例えばXYZステージ(図示省略)に載置されている。XYZステージは、対物レンズ16の光軸に平行な方向をZ方向とすると、Z方向、並びに、Z方向に直交するX方向及びY方向に移動可能に構成されている。XYZステージの位置によって観察エリアが決定する。
【0025】
光源12から出力されて光学系13から出射された光は、駆動中の半導体デバイス2により反射され、光学系13を介して光検出器14に入射する。このとき、半導体デバイス2の駆動状態に伴って、半導体デバイス2により反射される光の強度が変調される。
【0026】
光検出器14は、半導体デバイス2で変調された光を検出し、波形データを出力する。光検出器14は、光スキャナによって半導体デバイス2に対して光が走査されている間に入射した光を検出し、測定画像を出力してもよい。これらの波形データや測定画像に基づいて、半導体デバイス2における故障箇所を特定することができる。
【0027】
光検出器14は、半導体デバイス2に対して光が走査されている間に入射した光を検出し、パターン画像を出力してもよい。パターン画像とは、半導体デバイス2の回路パターン等を確認可能となるように撮像された画像である。光検出器14としては、例えば、半導体デバイス2の基板を透過する波長の光を検出可能なフォトダイオード、APD(Avalanche Photodiode)、SiPM(SiliconPhotomultiplier)等を用いることができる。
【0028】
制御部15は、信号入力装置11、光源12、光学系13及び光検出器14等に電気的に接続されており、半導体検査装置1全体の制御を行う。制御部15は、例えば、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)、並びに記憶媒体であるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含むコンピュータにより構成されている。制御部15は、記憶媒体に記憶されたデータに対し、プロセッサによる処理を実行する。制御部15は、例えば、光検出器14の検出結果に基づいて、半導体デバイス2における故障箇所の特定処理を実施する。
[半導体デバイスの冷却のための構成]
【0029】
半導体検査装置1は、冷却ユニット21と、貯留タンク22と、4つのレギュレータ(圧力調整部)23と、ドレーンタンク24と、チラー25とを更に備えている。冷却ユニット21、貯留タンク22、レギュレータ23、ドレーンタンク24及びチラー25は、検査中に半導体デバイス2を冷却するために用いられる。冷却ユニット21は、対物レンズ16と組み合わせられて対物レンズモジュール70を構成している。
[冷却ユニット]
【0030】
図2図10を参照しつつ、冷却ユニット21について説明する。冷却ユニット21は、半導体デバイス2と向かい合うように配置され、半導体デバイス2との間に空間(隙間)S1を画定する。半導体検査装置1では、空間S1に冷却流体5を流すことにより、半導体デバイス2が冷却される。冷却流体5は、例えば水又は純水であるが、フロリナート(登録商標)系の電気絶縁性を有する液体であってもよい。
【0031】
冷却ユニット21は、半導体デバイス2が配置されたステージ3に接触するように配置される(ステージ3に取り付けられる)。この例では、ステージ3は、DUTボード3aと、保持部3bとを備えている。DUTボード3aは、例えば、板状に形成され、信号入力装置11と半導体デバイス2との間の接続部を構成している。DUTボード3aには、信号入力装置11と半導体デバイス2との間の接続部を構成するソケットが組み込まれていてもよい。この例では、半導体デバイス2は、パッケージ2bと、パッケージ2bから突出したダイ2cとを有している。一例として、パッケージ2bはPCボードであり、ダイ2cは、パッケージ2b上に実装(接合)された半導体部分である。
【0032】
保持部3bは、DUTボード3aに固定され、半導体デバイス2を保持している。保持部3bは、例えば、金属により板状に形成されている。保持部3bには、半導体デバイス2が配置される開口3cが設けられている。保持部3bは、半導体デバイス2が開口3cから脱落しないように半導体デバイス2のパッケージの周縁部に接触して半導体デバイス2に係止される係止部3dを有している。
【0033】
冷却ユニット21は、半導体デバイス2の熱を放熱するためのジャケット31を備えている。ジャケット31は、例えば、金属材料により有底の略円筒状に形成されている。ジャケット31は、半導体デバイス2及び保持部3bと向かい合うように配置されている。このジャケット31内に上述した対物レンズ16が配置されている。
【0034】
以下、対物レンズ16の光軸Lに平行な方向を方向D1として説明する。方向D1は上述したZ方向に平行な方向である。また、ステージ3に配置された半導体デバイス2と対物レンズ16が向かい合う状態において、半導体デバイス2に対して対物レンズ16が位置する側を下側とし、対物レンズ16に対して半導体デバイス2が位置する側を上側とする。冷却ユニット21は、半導体デバイス2が対物レンズ16に対して鉛直方向における上側に位置する状態で用いられる。
【0035】
ジャケット31は、方向D1から見た場合に、中央部32と、外側部33と、中間部34とを有している。以下、方向D1から見た場合における各部の配置及び形状等について説明する。中央部32は、ジャケット31の中心を含む部分であり、この例では円形状の部分である。外側部33は、中央部32の周囲に位置する部分であり、中央部32を囲んでいる。外側部33は、この例ではジャケット31の外縁部(外周部)を構成する円環状の部分である。中間部34は、中央部32と外側部33との間に位置する部分である。中間部34は、外側部33の内側に配置されており、中央部32を囲んでいる。中間部34は、この例では円環状の部分である。以下、外側部33に対して中央部32が位置する側を内側(径方向の内側)とし、中央部32に対して外側部33が位置する側を外側(径方向の外側)として説明する。
【0036】
ジャケット31は、上述したとおり有底の略円筒状に形成されており、概略的には、上側の底部を含む部分を構成する第1部材M1と、筒状部を構成する第2部材M2と、下側の底部を含む部分を構成する第3部材M3と、を含んで構成されている。第1部材M1と第2部材M2とが互いに接続されると共に第2部材M2と第3部材M3とが互いに接続されることにより、ジャケット31が構成されている。中央部32は第1部材M1により構成されており、外側部33及び中間部34の各々は第1部材M1及び第2部材M2により構成されている。中央部32は、略円板状に形成されており、外側部33及び中間部34は、中央部32よりも厚さが厚い略円環板状(円筒状)に形成されている。
【0037】
中央部32には、方向D1に沿って中央部32を貫通する開口35が形成されている。開口35は、方向D1から見た場合に例えば略円形状を呈している。開口35は、光軸L上に位置しており、半導体デバイス2からの光が開口35を通過する。開口35には、半導体デバイス2からの光が入射する固浸レンズ(イマージョンレンズ)72が配置される。固浸レンズ72の詳細については後述する。
【0038】
図3及び図4に示されるように、開口35には、可撓性部材45及び固定部材37,38が更に配置されている。可撓性部材45は、例えばシリコーン等の樹脂(例えば、シリコーンゴム)により形成されており、面状の部材が部分的に蛇腹状に曲げられた形状を有している。可撓性部材45は、その中央部に開口を有しており、当該開口に固浸レンズ72が配置されている。可撓性部材45は、当該開口の縁部において固浸レンズ72の周縁部に接触しており、これにより固浸レンズ72と可撓性部材45の間が水密に封止されている。可撓性部材45は、固定部材37,38により中央部32に固定されている。固定部材37は、円環板状に形成されており、例えばボルト等の締結部材37aにより可撓性部材45に固定されている。固定部材38は、円環板状に形成されており、固定部材37を囲むように配置されている。固定部材38は、例えばボルト等の締結部材38aにより中央部32に固定されており、開口35の縁部に形成された突出部35aとの間で可撓性部材45の外縁部を挟持している。これにより、可撓性部材45と中央部32との間が水密に封止されている。
【0039】
中央部32は、冷却ユニット21がステージ3に取り付けられた状態(開口35が半導体デバイス2と向かい合う状態)において、半導体デバイス2と向かい合って半導体デバイス2との間に空間S1を画定する空間画定面32aを有している。空間画定面32aは、中央部32の上面である。この例では、空間画定面32aは、方向D1と垂直な平面に沿って延在する円環状の平坦面であり、半導体デバイス2及び保持部3bと向かい合っている。空間画定面32aは、方向D1から見た場合に、上述した開口35と隣り合っており、開口35を囲んでいる。空間S1の厚さ(方向D1における最小厚さ、すなわち、方向D1におけるダイ2cと空間画定面32aとの間の距離)は、例えば0.05mm以上1.0mm以下程度である。
【0040】
外側部33は、ステージ3に接触して空間S1の外縁部を画定する接触部39を有している。つまり、外側部33の接触部39がステージ3に接触することで空間S1が形成される。外側部33の上面33aには、弾性部材41,42がそれぞれ配置される一対の配置溝33bが形成されている(図4)。弾性部材41,42は、ジャケット31と保持部3bとの間で挟まれて空間S1の外縁部を封止するための部材であり、例えばOリングである。図3に示されるように、弾性部材41,42は例えばリング状に形成されている。図3では、理解を容易にするために、弾性部材41,42がハッチングで示されている。この例では、外側部33及び弾性部材41,42により、ステージ3に接触して空間S1の外縁部を画定する接触部39が構成されている。
【0041】
図3図5及び図6に示されるように、中間部34には、空間画定面32aから冷却流体5が流れ落ちるように構成された溝部51が形成されている。溝部51は、第1部分52と、方向D1において第1部分52に対して下側(空間画定面32aとは反対側)に位置する第2部分53と、を有している。第1部分52は、方向D1から見た場合に周方向に沿って延在するように略リング状に形成されているが、複数(この例では8つ)のブリッジ部36により複数の部分52aに仕切られている。すなわち、第1部分52は、隣り合うブリッジ部36により隔てられた複数の部分52a(ポケット部)を有している。各部分52aは、方向D1から見た場合に略環状扇形を呈している。各ブリッジ部36は、中央部32と外側部33とを互いに接続している。複数のブリッジ部36は、周方向において一定の間隔を空けて並んでいる。各ブリッジ部36は、径方向に沿って延在する壁部によって構成されている。
【0042】
図4に示されるように、ブリッジ部36の上面36aは、空間画定面32aよりも低い位置に位置する部分36bを有している。上面36aは、ブリッジ部36における空間画定面32aに接続された表面である。この例では、上面36aに凹部が形成されることにより部分36bが形成されている。部分36bは、空間画定面32aの外縁に接続された傾斜面36b1と、傾斜面36b1の外縁に接続された平坦面36b2と、平坦面36b2の外縁に接続された傾斜面36b3と、傾斜面36b3の外縁に接続された平坦面36b4と、を有している。傾斜面36b1,36b3は、下側に向かうほど外側に向かうように傾斜している。空間画定面32aに平行な平面に対する傾斜面36b3の傾斜角度は、当該平面に対する傾斜面36b1の傾斜角度よりも大きい。平坦面36b4は、凹部の底面を構成しており、平坦面36b2よりも下側に位置している。平坦面36b4は、方向D1から見た場合に外側部33と隣り合っている。平坦面36b4は、外側部33の上面33aよりも低い位置に位置しており、これによりブリッジ部36と外側部33との間には段差部が形成されている。
【0043】
図6に示されるように、第2部分53は、第1部分52の下端に接続されている。第2部分53は、方向D1から見た場合に周方向に沿って延在するリング状に形成されており、空間画定面32aを囲んでいる。すなわち、第2部分53は、第1部分52とは異なり、全周にわたって連続するように形成されている。第2部分53は、第1部分52よりも狭く形成されている。すなわち、溝部51は、第2部分53における第1部分52との境界部において狭くなっている。この例では、径方向における第2部分53の幅が径方向における第1部分52の幅よりも狭くなっていることにより、第2部分53が第1部分52よりも狭く形成されている。
【0044】
第2部分53の内面53aは、下側に向かうほど内側に向かうように傾斜した傾斜面53bを含んでいる。内面53aは、第2部分53における径方向の外側の内面であり、溝部51における径方向の外側の内面の一部を構成している。傾斜面53bは、内面53aにおける第1部分52との境界部に形成されており、上端において第1部分52に接続されている。周方向においては、傾斜面53bは全周にわたって形成されている。
【0045】
溝部51内の空間は、空間画定面32aと半導体デバイス2との間に画定される空間S1に接続されている。或いは、溝部51内の空間は、空間S1の一部を構成しているとみなすこともできる。溝部51は、空間画定面32aから下側に延在している。そのため、空間S1を流れる冷却流体5は、空間画定面32aから溝部51に流れ落ちる。すなわち、冷却流体5は、重力により落下して空間画定面32a上から溝部51内に移動する。溝部51に流れ落ちた冷却流体5は、例えば第1部分52から傾斜面53bを伝って第2部分53に移動し、第2部分53に貯留される。第2部分53に貯留された冷却流体5は、後述する排出流路62から排出される。
【0046】
ジャケット31には、空間S1に供給される冷却流体5が流れる4つの供給流路61、及び、空間S1から外部に排出される冷却流体5が流れる4つの排出流路62が形成されている。図2及び図4に示されるように、供給流路61は、ジャケット31の側方においてジャケット31の外部に開口すると共に、中央部32の空間画定面32aに開口している。ジャケット31の側方における開口には、貯留タンク22から供給される冷却流体5が流れる配管P1が接続されている。
【0047】
図4に示されるように、供給流路61は、第1部分61aと、第2部分61bとを有している。第1部分61aは、外側部33を通るように形成されており、ジャケット31の外部に開口している。第2部分61bは、第1部分61aに接続されてブリッジ部36を通るように形成されており、空間画定面32aに開口した供給口61cを有している(図3図4)。冷却流体5は供給口61cから空間画定面32a(空間S1)に供給される。第2部分61bは、径方向に沿って延在しており、内側に向かうほど上側に向かうように傾斜して延在している。4つの供給流路61は、周方向において一定の間隔を空けて並ぶように配置されている。この例では、8つのブリッジ部36のうちの4つに対応する位置に供給流路61が形成されている。供給流路61から空間S1に供給された冷却流体5は、空間S1内を固浸レンズ72(開口35)に向けて流れる。図4には、冷却流体5が供給流路61を通って供給される経路の例が破線の矢印で示されている。
【0048】
図5及び図6に示されるように、排出流路62は、外側部33を通るように形成されており、ジャケット31の側方においてジャケット31の外部に開口すると共に、溝部51の第2部分53に開口している。ジャケット31の側方における開口には、ドレーンタンク24に排出される冷却流体5が流れる配管P2が接続されている。排出流路62は、第2部分53の底部に開口した排出口62aを有しており、排出口62aにおいて第2部分53に接続されている。冷却流体5は第2部分53から排出口62aを通って排出される。4つの排出流路62は、任意の位置に配置されてよい。この例では、各排出流路62は、周方向において隣り合う2つのブリッジ部36の間に位置するように配置されている。図6には、冷却流体5が溝部51及び排出流路62を通って排出される経路の例が破線の矢印で示されている。
【0049】
更に、ジャケット31には、空間S1(外側部33の内側)とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となるように空間S1をジャケット31の外部に接続する通気経路65が形成されている(大気開放構造)。図8図10に示されるように、通気経路65は、ジャケット31の側方においてジャケット31の外部に開口すると共に、通気部材66を介して溝部51に開口している。ジャケット31の側方における開口は開放されている(塞がれていない)。
【0050】
通気部材66は、溝部51の第1部分52に配置されている。通気部材66は、本体部67と、カバー68とを有している。本体部67は、略直方体状に形成されており、互いに対向する一対の側面67aを有している。本体部67の表面67bには、溝部67cが形成されている。表面67bは、カバー68によって覆われる表面である。溝部67cは、一方の側面67aから他方の側面67aに至るように延在している。この例では、溝部67cは、側面67aから延在する一対の直線状部分67c1と、一対の直線状部分67c1から直線状部分67c1と垂直にそれぞれ延在する一対の直線状部分67c2と、一対の直線状部分67c2を互いに接続するように直線状部分67c1と平行に延在する直線状部分67c3とを有している。
【0051】
溝部67cの上部がカバー68によって覆われることにより、溝部67cに対応した形状の内部空間S2が画定される。溝部67cの直線状部分67c3には本体部67を貫通する貫通孔67dが形成されている。内部空間S2(溝部67c)は、貫通孔67dを介して通気経路65に接続されている。また、溝部67cが各側面67aに至っていることにより、内部空間S2は、各側面67aにおいて開口して溝部51の第1部分52に接続されている。この例では、カバー68は、各側面67aに対して突出するように本体部67上に配置されている。すなわち、側面67aに垂直な方向におけるカバー68の長さは当該方向における本体部67の長さ(一対の側面67a同士の間の距離)よりも長くなっており、当該方向においてカバー68は各側面67aから突出している。これにより、空間画定面32aから溝部51に流れ落ちる冷却流体5が内部空間S2に浸入することが抑制されている。カバー68は、本体部67に対して鉛直上側に位置している。
【0052】
カバー68は、例えばボルト等の締結部材68aにより本体部67に固定されている。通気部材66は、例えばボルト等の締結部材66aによりジャケット31に固定されている。この例では、ジャケット31は、外側部33から溝部51の第1部分52に突出するように形成された固定部311を有しており、通気部材66は固定部311に固定されている。通気経路65は、固定部311内を通るように形成されている。図8には、空気が通気経路65及び通気部材66を通って空間S1とジャケット31の外部との間を流れる経路の例が破線の矢印で示されている。上述したとおり、ジャケット31の側方における通気経路65の開口は開放されており、通気経路65は常に開放されている。すなわち、冷却ユニット21では、空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が常に可能となっている(空間S1が密閉されていない)。
【0053】
再び図1を参照して、冷却流体5が流れる経路を説明する。冷却流体5は、貯留タンク22に貯留されている。貯留タンク22内の冷却流体5は、コンプレッサ(図示省略)により昇圧され、レギュレータ23を介して供給流路61に供給される。4つのレギュレータ23は、それぞれ、配管P1を介して供給流路61に接続されている。各レギュレータ23は、制御部15により制御され、供給流路61を流れる流体の圧力を変化させる。これにより、空間S1を流れる冷却流体5の圧力が調整される。ドレーンタンク24には、排出流路62から排出された冷却流体5が貯留される。チラー25は、所定の設定温度となるように冷却流体5を冷却する。チラー25には、排出流路62から排出された冷却流体5が流入する。チラー25は、流入した冷却流体5を冷却する。チラー25により冷却された冷却流体5は、貯留タンク22に戻され、再び供給流路61に供給される。ジャケット31は、ジャケット31内に形成された冷媒流路内に冷媒を流すことにより冷却されてもよい。この場合、冷媒は例えば水であってもよいし空気であってもよい。すなわち、ジャケット31は液冷又は空冷により冷却されてもよい。
[対物レンズモジュール]
【0054】
図2及び図4に示されるように、冷却ユニット21は、対物レンズ16と組み合わせられて対物レンズモジュール70を構成している。対物レンズモジュール70は、上述した冷却ユニット21及び対物レンズ16に加えて、対物レンズ16に取り付けられた固浸レンズユニット(イマージョンレンズユニット)71を備えている。固浸レンズユニット71は、固浸レンズ72と、ホルダ73とを備えている。対物レンズ16は、ジャケット31の開口35を介して半導体デバイス2と向かい合うように配置されている。固浸レンズ72は、ホルダ73によって開口35内において保持され、対物レンズ16の光軸L上に位置している。
【0055】
固浸レンズ72は、当接面72aと、球面72bと、テーパ面72cとを有している。当接面72aは、平坦面であり、半導体デバイス2のダイ2cに当接する。球面72bは、下側に向かって凸の半球形状の面であり、対物レンズ16と向かい合う。テーパ面72cは、下側に向かって広がる円錐台形状の面であり、当接面72aの外縁から下側に延びて球面72bの外縁に接続されている。テーパ面72cを含む仮想円錐の頂点は、固浸レンズ72の球心(球面72bの曲率中心)に一致しており、当接面72aの上側において対物レンズ16の光軸L上に位置している。固浸レンズ72の球心は、固浸レンズ72の焦点に一致する。固浸レンズ72は、球面72bとテーパ面72cとの間に配置された円柱形状の面を更に有していてもよい。なお、固浸レンズ以外にも、液浸レンズ或いは油浸レンズなどの他のイマージョンレンズを用いてもよい。
【0056】
固浸レンズ72は、半導体デバイス2の基板材料と実質的に同一又はその屈折率に近い、高屈折率材料により形成されている。その代表的な例としては、Si、GaP、GaAs等が挙げられる。固浸レンズ72は、観察光を透過させる。固浸レンズ72を半導体デバイス2に光学密着させることにより、半導体デバイス2自身を固浸レンズ72の一部として利用することができる。固浸レンズ72を利用した半導体デバイス2の裏面解析によれば、対物レンズ16の焦点を半導体デバイス2の基板表面に形成された集積回路に合わせた際に、固浸レンズ72の効果により、半導体デバイス2中に開口数(NA)の高い光束を通すことができ、高分解能化が可能となる。
【0057】
ホルダ73は、対物レンズ16に取り付けられており、上述した可撓性部材45と共に固浸レンズ72を保持している。ホルダ73は、側壁部74と、蓋部75とを有している。ホルダ73は、非磁性材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性のステンレス鋼等)により形成されている。側壁部74は、略筒状に形成されている。蓋部75は、側壁部74の上側の開口を塞ぐように構成されている。
【0058】
蓋部75には、固浸レンズ72が配置される開口75aが形成されている。蓋部75は、開口75aの内面から開口75aの中心側に向かって延びる複数(例えば3つ)の突出部76を有している。突出部76は、先細り形状を呈しており、半導体デバイス2の側の面が、開口75aの中心に近づくにつれて対物レンズ16に近づくように傾斜した傾斜面となっている。複数の突出部76は、例えば、周方向に一定の間隔を空けて配置されている。
【0059】
固浸レンズ72は、当接面72a及びテーパ面72cが蓋部75の開口75aから上側に突出し、且つ球面72bが蓋部75の開口75aから下側に突出するように、開口75aに配置されている。球面72bは、各突出部76の先端部に接触しており、当接面72a及びテーパ面72cは、可撓性部材45に接触しており、可撓性部材45から上側に突出している。固浸レンズ72は、当接面72aが半導体デバイス2に当接する前の状態において、揺動可能となっている。例えば、固浸レンズ72が揺動すると、球面72bが突出部76の先端部に対して滑ると共に、可撓性部材45が固浸レンズ72の揺動に追従して変形する。固浸レンズ72が揺動可能となっていることで、当接面72aを半導体デバイス2に当接させる際に、固浸レンズ72を半導体デバイス2に対して倣って密着させ易い。その結果、例えば、半導体デバイス2が光軸Lに対して傾斜して配置されている場合でも、固浸レンズ72を半導体デバイス2に良好に密着させることができ、半導体デバイス2を観察することが可能となる。
【0060】
ホルダ73における側壁部74と蓋部75との間には、蓋部75を上側に向けて押圧することにより固浸レンズ72を上側(対物レンズ16とは反対側)に付勢する複数(この例では2つ)の第1付勢部材81が設けられている。第1付勢部材81は、例えば側壁部74内に保持されたバネにより構成されている。
【0061】
ジャケット31における第2部材M2と第3部材M3との間には、第2部材M2を上側に向けて押圧することによりジャケット31をステージ3に向けて(上側に向けて)付勢する複数(この例では4つ)の第2付勢部材82が設けられている。第2付勢部材82は、例えばガイド部M3aにより保持されたバネにより構成されている。ガイド部M3aは、第3部材M3に設けられた方向D1に沿って延在する円柱状の部分である。第2付勢部材82は第1付勢部材81から分離/独立して設けられており、第2付勢部材82の付勢力は固浸レンズ72(対物レンズ16及び固浸レンズユニット71)には作用しない。対物レンズ16の下側部分は、第3部材M3によって保持されている。
[半導体検査方法]
【0062】
半導体検査装置1を用いた半導体検査方法では、まず、半導体デバイス2をステージ3に配置(固定)する(第1ステップ)。続いて、冷却ユニット21を、開口35が半導体デバイス2と向かい合い、且つ、空間画定面32aと半導体デバイス2との間に空間S1が画定されるように配置する(第2ステップ)。より具体的には、例えば、上述したXYZステージによって対物レンズモジュール70を移動させ、開口35が半導体デバイス2と向かい合うように冷却ユニット21をステージ3に取り付ける。これにより、冷却ユニット21と半導体デバイス2及びステージ3との間に空間S1が形成される。第2ステップでは、外側部33及び弾性部材41,42からなる接触部39がステージ3に接触して空間S1の外縁部が画定される。
【0063】
続いて、XYZステージによって対物レンズ16を移動させることで固浸レンズ72を半導体デバイス2に近づくように移動させ、固浸レンズ72の当接面72aを半導体デバイス2に当接させる(第3ステップ)。続いて、信号入力装置11によって半導体デバイス2を駆動させる(第4ステップ)。続いて、空間S1に冷却流体5を流しながら、駆動中の半導体デバイス2から到来して開口35を通過した光を光検出器14により検出する(第5ステップ)。以上の工程により、半導体デバイス2の検査を行うことができる。なお、半導体デバイス2を駆動させる第4ステップは、第2ステップ又は第3ステップよりも前に行われてもよい。
【0064】
図11及び図12を参照しつつ、半導体検査装置1を用いた半導体検査方法について更に説明する。図11及び図12では、各構成が模式的に示されている。上述したとおり、まず、半導体デバイス2をステージ3に配置(固定)する(第1ステップ、図11(a))。続いて、XYZステージを上昇させて対物レンズモジュール70を上側に移動させ、外側部33及び弾性部材41,42からなる接触部39をステージ3に接触させる。これにより、冷却ユニット21と半導体デバイス2及びステージ3との間に空間S1が形成される(第2ステップ、図11(b))。この接触部39とステージ3との間の接触は、例えばジャケット31に設けられた第1センサ(図示省略)によって検出される。第2ステップでは、制御部15は、第1センサの検出結果に基づいてXYZステージを制御する。第1センサは、例えば、光を遮ることによりオンオフされるフォトセンサにより構成され得る。
【0065】
続いて、XYZステージを更に上昇させる。このとき、冷却ユニット21は接触部39においてステージ3に接触しているため移動せず、ジャケット31における第2部材M2と第3部材M3との間に設けられた第2付勢部材82が収縮する。一方、対物レンズ16及び固浸レンズ72はXYZステージの移動に伴って上昇し、固浸レンズ72が半導体デバイス2に接触する(第3ステップ、図12(a))。この固浸レンズ72と半導体デバイス2との間の接触は、例えばホルダ73に設けられた第2センサ(図示省略)によって検出される。第3ステップでは、制御部15は、第2センサの検出結果に基づいてXYZステージを制御する。第2センサは、例えば、光を遮ることによりオンオフされるフォトセンサにより構成され得る。このフォトセンサの配置は特に限定されない。例えば、フォトセンサが側壁部74に設けられ、フォトセンサの光を遮るドッグ部材が蓋部75に設けられてもよい。或いは、フォトセンサが蓋部75に設けられ、ドッグ部材が側壁部74に設けられてもよい。この点は後述する第3センサをフォトセンサにより構成する場合についても同様である。
【0066】
第3ステップの後、半導体デバイス2を駆動させる第4ステップの前に、XYZステージを更に上昇させることにより焦点位置を調整する調整ステップが実施されてもよい(図12(b))。調整ステップにおいてXYZステージを上昇させる場合にも、冷却ユニット21は接触部39においてステージ3に接触しているため移動せず、第2付勢部材82が収縮する。また、固浸レンズ72は半導体デバイス2に接触しているため移動せず、対物レンズ16がXYZステージの移動に伴って上昇する。このとき、ホルダ73における側壁部74と蓋部75との間に設けられた第1付勢部材81が収縮する。ホルダ73には、XYZステージ(対物レンズ16)のオーバーランを防止するための第3センサ(図示省略)が設けられている。第3センサは、例えば所定位置までXYZステージが上昇したことを検出する。所定位置は、XYZステージの上昇により装置に破損が生じる位置に対応する位置である。調整ステップでは、制御部15は、第3センサの検出結果に基づいてXYZステージを制御する。これにより、XYZステージが過度に上昇して装置に破損が生じてしまうことを抑制することができる。第3センサは、例えば、光を遮ることによりオンオフされるフォトセンサにより構成され得る。
【0067】
その後、上述したとおり、信号入力装置11によって半導体デバイス2を駆動させ(第4ステップ)、空間S1に冷却流体5を流しながら駆動中の半導体デバイス2からの光を光検出器14により検出する(第5ステップ)。これにより、半導体デバイス2の検査を行うことができる。
【0068】
次に、半導体デバイス2上において観察エリア(検査位置)を変更する工程の例について説明する。実施形態に係る半導体検査装置1では、空間S1に冷却流体5を流したままで観察エリアを変更することができる。すなわち、半導体デバイス2を駆動させたままで、冷却性能を保ちつつ、観察エリアを変更することができる。観察エリアを変更する際には、まず、例えば図12(a)又は図12(b)に示される状態からXYZステージを下降させ、固浸レンズ72を半導体デバイス2から離間させる(図11(b))。固浸レンズ72が半導体デバイス2に密着したままで対物レンズモジュール70をX方向及び/又はY方向に移動させると固浸レンズ72又は半導体デバイス2に傷がつくおそれがあるためである。例えば、制御部15は、第2センサがオフとなる位置までXYZステージを下降させることで、固浸レンズ72を半導体デバイス2から離間させる。このとき、冷却ユニット21の接触部39はステージ3に接触したままであり、冷却ユニット21と半導体デバイス2及びステージ3との間に空間S1が形成されたままである。また、空間S1への冷却流体5の供給は継続されている。続いて、XYZステージによって対物レンズモジュール70をステージ3に対してX方向及び/又はY方向に移動させ、固浸レンズ72を所望の観察エリアに対応する位置まで移動させる。続いて、XYZステージを上昇させて対物レンズ16及び固浸レンズ72を上昇させ、固浸レンズ72を半導体デバイスに接触させる。以上の工程により、空間S1に冷却流体5を流したままで観察エリアを変更することができる。
[作用及び効果]
【0069】
冷却ユニット21では、ジャケット31に、外側部33の内側とジャケット31の外部との間での空気の流通を可能とする通気経路65が形成されている。これにより、外側部33の接触部39がステージ3に接触することで形成される空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となり、空間S1内の圧力が負圧になることを抑制することができる。その結果、冷却流体5を流しながら冷却ユニット21をステージ3に沿って移動させる際に、負圧によって冷却ユニット21がステージ3に張り付いてしまう事態の発生を回避することができる。よって、冷却ユニット21によれば、冷却流体5を流しながら冷却ユニット21を精度良く移動させることが可能となる。
【0070】
また、冷却ユニット21では、ジャケット31に、空間画定面32aと半導体デバイス2との間に画定される空間S1をジャケット31の外部に接続する通気経路65が形成されており、空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となっている。これにより、空間S1内の圧力が負圧になることを抑制することができる。その結果、冷却流体5を流しながら冷却ユニット21をステージ3に沿って移動させる際に、負圧によって冷却ユニット21がステージ3に張り付いてしまう事態の発生を回避することができる。よって、冷却ユニット21によれば、冷却流体5を流しながら冷却ユニット21を精度良く移動させることが可能となる。
【0071】
ジャケット31における中央部32と外側部33との間(中間部34)に、溝部51が形成されており、通気経路65が、溝部51に接続されている。これにより、溝部51は冷却流体5で満たされにくいことから、通気経路65を介した空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通を確実化することができる。
【0072】
通気経路65が、溝部51に配置された通気部材66を介して溝部51に接続されている。これにより合、通気経路65に冷却流体5が浸入することを抑制することができる。
【0073】
通気部材66が、通気経路65に接続された内部空間S2を有し、内部空間S2が、通気部材66の側面67aにおいて開口して溝部51に接続されている。これにより、通気経路65(内部空間S2)に冷却流体5が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0074】
通気部材66が、側面67aを含む本体部67と、カバー68とを有し、カバー68が、側面67aに対して突出するように本体部67上に配置されている。これにより、通気経路65(内部空間S2)に冷却流体5が浸入することを一層効果的に抑制することができる。
【0075】
溝部51が、空間画定面32a(中央部32の上面)から冷却流体5が流れ落ちるように構成されており、溝部51には、外部に排出される冷却流体5が流れる排出流路62が接続されている。これにより、空間画定面32aと半導体デバイス2との間の空間S1に冷却流体5を流す際に、冷却流体5が空間S1の外縁部に至ることを抑制することができる。その結果、空間S1の外縁部から冷却流体5が漏れることを抑制することができ、防水性能を向上することができる。
【0076】
通気経路65が、常に開放されている。これにより、空間画定面32aと半導体デバイス2との間の空間S1の圧力が負圧になることを確実に抑制することができる。
【0077】
対物レンズモジュール70が、ホルダ73に設けられて固浸レンズ72を対物レンズ16とは反対側に付勢する第1付勢部材81と、ジャケット31に設けられて固浸レンズ72に付勢力を作用させることなくジャケット31をステージ3に向けて付勢する第2付勢部材82と、を備えている。これにより、冷却流体5を流しながらの冷却ユニット21のステージ3に沿っての移動を良好に実現することができる。
【0078】
ジャケット31における中央部32と外側部33との間(中間部34)に、中央部32と外側部33とを互いに接続するブリッジ部36が形成されており、供給流路61が、ブリッジ部36を通るように形成されている。これにより、供給流路61を好適に形成することができる。例えば、供給流路61がブリッジ部36を通らずに溝部51を回り込むように形成される場合と比べて、供給流路61の構成を簡易化することができる。
【0079】
ブリッジ部36の上面36a(空間画定面32aに接続された表面)が、空間画定面32aよりも低い位置に位置する部分36bを有している。これにより、冷却流体5が空間画定面32aから上面36aを伝って空間S1の外縁部に至ることを抑制することができる。
【0080】
溝部51が、第1部分52と、方向D1(空間画定面32aに垂直な方向)において第1部分52に対して空間画定面32aとは反対側に位置する第2部分53と、を有し、第2部分53が、第1部分52よりも狭く形成されており、排出流路62が、第2部分53に接続されている。これにより、空間画定面32aの側に位置する第1部分52を広く形成して溝部51の開口面積を大きくすることができ、溝部51に冷却流体5が流れ込み易くなる。また、空間画定面32aとは反対側に位置する第2部分53を狭く形成することで、第2部分53に冷却流体5が貯留され易くなり、その結果、第2部分53に接続された排出流路62から冷却流体5を効率的に排出することができる。
【0081】
溝部51における外側の内面53aが、下側に向かうほど内側に向かうように傾斜した傾斜面53bを含んでいる。これにより、溝部51の体積を大きくすることができると共に、溝部51に流れ込んだ冷却流体5を好適に下側に流すことができる。
【0082】
溝部51が、方向D1から見た場合に空間画定面32aを囲むリング状の第2部分53を有している。これにより、溝部51に冷却流体5を効率的に貯留することができ、貯留された冷却流体5を効率的に外部に排出することができる。
[変形例]
【0083】
図13及び図14に示される第1変形例の冷却ユニット21では、第2付勢部材82に代えて、ジャケット31とホルダ73との間に、ジャケット31をステージ3に向けて(上側に向けて)付勢する付勢部材83が設けられている。上記実施形態の第2付勢部材82が第1付勢部材81から分離/独立して(第1付勢部材81とは並列に)設けられていたのに対し、第1変形例の付勢部材83は第1付勢部材81と直列に設けられており、第1変形例では付勢部材83の付勢力が固浸レンズ72に作用する。付勢部材83のバネ定数は、第1付勢部材81のバネ定数よりも小さくなっている。なお、付勢部材83のバネ定数は、第1付勢部材81のバネ定数よりも大きくしてもよい。
【0084】
第1変形例に係る半導体検査装置1を用いた半導体検査方法の例について説明する。まず、半導体デバイス2をステージ3に配置(固定)する(第1ステップ、図13(a))。続いて、XYZステージを上昇させて対物レンズモジュール70を上側に移動させ、外側部33及び弾性部材41,42からなる接触部39をステージ3に接触させる。これにより、冷却ユニット21と半導体デバイス2及びステージ3との間に空間S1が形成される(第2ステップ、図13(b))。
【0085】
続いて、XYZステージを更に上昇させる。このとき、冷却ユニット21は接触部39においてステージ3に接触しているため移動せず、ジャケット31とホルダ73との間に設けられた付勢部材83が収縮する。一方、対物レンズ16及び固浸レンズ72はXYZステージの移動に伴って上昇し、固浸レンズ72が半導体デバイス2に接触する(第3ステップ、図14(a))。続いて、XYZステージを更に上昇させることにより焦点位置を調整する調整ステップが実施され得る(図14(b))。調整ステップにおいてXYZステージを上昇させた場合にも、冷却ユニット21は接触部39においてステージ3に接触しているため移動しない。また、固浸レンズ72も半導体デバイス2に接触しているため移動せず、対物レンズ16がXYZステージの移動に伴って上昇する。このとき、付勢部材83は収縮せず、ホルダ73における側壁部74と蓋部75との間に設けられた第1付勢部材81が収縮する。その後、信号入力装置11によって半導体デバイス2を駆動させ(第4ステップ)、空間S1に冷却流体5を流しながら駆動中の半導体デバイス2からの光を光検出器14により検出する(第5ステップ)。
【0086】
第1変形例に係る半導体検査装置1においても、空間S1に冷却流体5を流したままで観察エリアを変更することができる。観察エリアを変更する際の工程は上記実施形態の場合と同様である。このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、防水性能を向上することができる。
【0087】
図15に示される第2変形例では、ジャケット31にブリッジ部36が形成されておらず、溝部51の第1部分52(すなわち溝部51の全体)が、方向D1から見た場合に周方向に沿って延在するリング状に形成されている。このような第2変形例によっても、上記実施形態と同様に、防水性能を向上することができる。
【0088】
他の変形例として、半導体デバイス2上における観察位置に応じて、冷却流体5が供給される供給流路61が切替可能となっていてもよい。例えば、8つの供給流路61が周方向において一定の間隔を空けて並ぶように配置され、第1状態においては8つの供給流路61のうちの4つの供給流路61から冷却流体5が供給され、第2状態においては8つの供給流路61のうちの残りの4つの供給流路61から冷却流体5が供給されてもよい。例えば、第1状態においては、固浸レンズ72に対して、X方向の両側及びY方向の両側の4つの方向から冷却流体5が流れるように4つの供給流路61に冷却流体5が供給され、第2状態においては、固浸レンズ72に対して、第1状態における4つの方向から45度ずつずれた4つの方向から冷却流体5が流れるように残りの4つの供給流路61に冷却流体5が供給されてもよい。半導体デバイス2上における観察位置に応じて発熱箇所は変化し得るため、このような構成を採用することにより、半導体デバイス2上における観察位置に応じた効果的な冷却が可能となる。冷却流体5の数や切替のパターンは適宜設定されてよい。
【0089】
本発明は、上記実施形態及び変形例に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。供給流路61及び/又は排出流路62は、1つだけ設けられていてもよい。弾性部材41,42は、省略されてもよいし、可撓性部材に置き換えられてもよい。
【0090】
ブリッジ部36の上面36aは、空間画定面32aよりも低い位置する部分を有していなくてもよく、例えば空間画定面32aと面一となっていてもよい。溝部51の第2部分53は、第1部分52よりも狭く形成されていなくてもよく、例えば第1部分52と同程度の幅を有していてもよい。溝部51における外側の内面53aは、傾斜面53bを含んでいなくてもよい。溝部51は、方向D1から見た場合に空間画定面32aを囲むリング状の部分を有していなくてもよい。溝部51は、空間画定面32aから冷却流体5が流れ落ちるように構成されていればよく、任意の形状及び配置を有していてよい。通気経路65は形成されていなくてもよく、空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となっていなくてもよい。
【0091】
通気経路65は、空間S1とジャケット31の外部との間での空気の流通が可能となるように空間S1をジャケット31の外部に接続していればよく、溝部51に接続されていなくてもよい。通気部材66は省略されてもよく、通気経路65は通気部材66を介することなく溝部51に接続されてもよい。
【0092】
半導体デバイス2は、ロジックLSIを含むデバイスに限定されない。半導体デバイス2は、個別半導体素子(ディスクリート)、オプトエレクトロニクス素子、センサ/アクチュエータ、メモリ素子、若しくはリニアIC(Integrated Circuit)等、又はそれらの混成デバイス等であってもよい。個別半導体素子は、ダイオード、パワートランジスタ等を含む。半導体デバイス2は、半導体デバイスを含むパッケージ、複合基板等であってもよい。半導体デバイス2は、例えば、シリコン基板に複数の素子(コンデンサ等)が作り込まれることにより形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…半導体検査装置、2…半導体デバイス、3…ステージ、5…冷却流体、14…光検出器、16…対物レンズ、21…冷却ユニット、31…ジャケット、32…中央部、32a…空間画定面、33…外側部、35…開口、36…ブリッジ部、36a…上面、36b…部分、53b…傾斜面、39…接触部、51…溝部、52…第1部分、53…第2部分、53a…内面、53b…傾斜面、61…供給流路、62…排出流路、65…通気経路、66…通気部材、67…本体部、67a…側面、68…カバー、70…対物レンズモジュール、72…固浸レンズ(イマージョンレンズ)、S1…空間、S2…内部空間。
図1
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